JP2017096484A - ボルトに締め込むナットの緩み止め構造 - Google Patents

Abstract

【課題】特殊な構造の締付ナットと緩み止ナットでボルトの雄ねじに締付け、喰い込ませて確実なナットの緩み止めを行う。【解決手段】ボルトに締め込むナットの緩み止めの構造において、締付ナット３の上部に円錐台部６を設け、この円錐台部の４〜６箇所の半径方向の縦割り溝に、梯形薄板９が圧入され、この締付ナットをねじ込んだ上より緩み止ナット１２を重ねてねじ込むことにより、梯形薄板が緩み止ナットの円錐形穴１３の内周傾斜面によりボルトに向けて押出され、梯形薄板の内側端面１０がボルトの雄ねじ２の山頂に食込むことにより、締付ナットの回転を阻止する。その上歯付座金１６の外歯１７を緩み止ナットの鍔部１４、外周の切込み溝１５に折り曲げて噛合せることにより、緩み止ナットの戻り回転を阻止しうるようにしたボルトに締め込むナットの緩み止めの構造。【選択図】図１

Description

本発明は強い締付け力を必要とする並目ねじボルトに締め込んだナットの緩み止めを行う方法である。

緩み止めのためボルトにナットを固定する方法としては、ナットとボルトを貫通する共孔を開けここに割ピンを押込んで固定する方法があるが、この穿孔は現地で行うこともあり面倒であり、又一度ねじ戻しの後、再びナットを締めこむときは合致しない欠点があり、又ころがり軸受を押え込む時に使用するナットは細目ねじであり、大きな荷重には耐えきれず、しかも軸には溝加工を必要とし、又座金の舌の折込み箇所も限られている、そのためこの方法を並目ねじボルトに用いることは不適である、又ねじ面の摩擦力を高めるためのダブルナット式の緩み止めナットもあるが、この効果は不明である。

本発明は強力な締付け力を必要とする並目ねじのボルトに予め溝加工又は穿孔を施すことなく、締付ナットに組込まれた梯形薄板を緩み止ナットによりボルトの雄ねじの山に喰い込ませて、ナットの緩み止めを行い、その上その緩み止ナットの戻り回転を阻止することにより、激しい振動に対しても耐えうる確実なナットの緩み止めを行う。

締付ナット３の肩部上面４に円錐台部６を設け、この円錐台部の外周斜面に設けられた切込溝８に歯付座金１６の内周舌１８を嵌め込んで、その歯付座金を肩部上面４に載せた後、円錐台部に設けられた４〜６箇所の半径方向の縦割り溝７に梯形薄板９を挿入し、その上より緩み止ナット１２を重ねてねじ込むことにより、その円錐形穴１３の内周傾斜面により、梯形薄板はボルトに向けて押出され、その内側端面１０がボルトの雄ねじ２の山頂に食込むことにより締付ナットの回転は阻止される。

次に緩み止ナットにより締付ナット３の肩部上面４に押えつけられている歯付座金の外歯１７を緩み止ナットの鍔部１４外周の切込み溝１５に折り曲げて噛合せることにより、緩み止ナットの戻り回転を阻止しうるようにする。

本発明の実施により並目ねじボルトにナットを強く締め込んだ後、確実な緩み止めが可能になり、鉄道車両等振動の激しいナットの脱落を防止しうるようになる。

本発明の実施形態の一例として、ボルトに締付用ナットと緩み止用ナットを締め込んだ状態の縦断面図 図１の平面図 図１の側面図 図１、図２及び図３に組込まれている楔形小片の正面図 図４の平面図 図４の側面図

締付ナット３の肩部上面４に円錐台部６を設け、この円錐台部の外周斜面に設けられた切込溝８に歯付座金１６の内周舌１８を嵌め込んで、その歯付座金を肩部上面４に載せておく。

そして又、円錐台部には４〜６箇所の半径方向の細幅の縦割り溝７を設ける、そしてこの縦割り溝に図４、図５及び図６に示したような焼入れ等により硬化した梯形薄板９がやや強く圧入される、梯形薄板の厚さは１〜３ｍｍ程度とし、その長さは円錐台部の縦割り溝の長さと同一とし、又外側端面１１の傾斜角度を円錐台部６の傾斜と同一としておき、この２個の梯形薄板を円錐台部の相向う２ケ所の縦割り溝に差し込んだとき、その両梯形薄板の内側端面１０をボルトの雄ねじ２の山頂に密接させ、そして、その両梯形薄板の外側端面１１を円錐台部の外周面より僅かに突出させておくことにより、締付ナットに重ねて緩み止ナット３をボルトにねじ込んでいくことにより、梯形薄板の外側端面１１は緩み止ナットの円錐形穴１３の内面に押されて、先程突出させておいた寸法だけ内側端面１０はボルトの雄ねじ２の山頂に食込むことになって、締付ナットの回転が阻止されるようになる、この食込み代はあまり大きくする必要がなく緩み止ナットを戻した後、締付ナットを戻すときの障害の恐れはない、又ボルトの強度を低下させる恐れはない。

次に緩み止ナットにより締付ナット３の肩部上面４に押えつけられている歯付座金の外歯１７を緩み止ナットの鍔部１４外周の切込み溝１５に折り曲げて噛合せることにより、緩み止ナットの戻り回転を阻止しうるようすることにより、激しい振動によっても緩み止ナットは戻ることはない、従って梯形薄板の内側端面のボルトの雄ねじ山頂への喰込みが緩むことがなく、確実なナットの緩み止を保持することが可能となる。

１・・・ボルト ２・・・ボルトの雄ねじ
３・・・締付ナット ４・・・締付ナットの肩部の上面
５・・・締付ナットの雌ねじ ６・・・締付ナットの円錐台部
７・・・円錐台部の梯形薄板用縦割り溝 ８・・・円錐台部外周の座金舌用切込み溝
９・・・梯形薄板 １０・・・梯形薄板の内側端面
１１・・・梯形薄板の外側端面 １２・・・緩み止ナット
１３・・・緩み止ナットの円錐形穴 １４・・・緩み止ナットの鍔部
１５・・・鍔部外周の切込み溝 １６・・・歯付座金
１７・・・歯付座金の外歯 １８・・・歯付座金の内周舌
１９・・・上部材 ２０・・・上部材のボルト孔
２１・・・下部材

Claims (1)

1. ボルトに締め込むナットの緩み止めの構造において、締付ナット（３）の肩部上面（４）に円錐台部（６）を設け、この円錐台部の外周斜面に設けられた切込溝（８）に歯付座金（１６）の内周舌（１８）を嵌め込んで、その歯付座金を肩部上面（４）に載せた後、円錐台部に設けられた４〜６箇所の半径方向の縦割り溝（７）に梯形薄板（９）を挿入し、その上より緩み止ナット（１２）を重ねてねじ込むことにより、その円錐形穴（１３）の内周傾斜面により、梯形薄板はボルトに向けて押出され、その内側端面（１０）がボルトの雄ねじ（２）の山頂に食込むことにより締付ナットの回転を阻止し、次に緩み止ナットにより締付ナット（３）の肩部上面（４）に押えつけられている歯付座金の外歯（１７）を緩み止ナットの鍔部（１４）外周の切込み溝（１５）に折り曲げて噛合せることにより、緩み止ナットの戻り回転を阻止しうるようにしたボルトに締め込むナットの緩み止めの構造。

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