JP2017095884A - 携帯機及び携帯機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】組み付け性を向上させること。
【解決手段】電子キーの内部は、ユーザーにより押圧される押圧部材15と、押圧部材15が押圧されたことを検出するためのスイッチ14が実装されている回路基板12とを内部に収容している。こうした電子キーの内部には、回路基板12を押圧部材15側から覆った状態で軟質樹脂部品16及び硬質樹脂部品17が設けられている。また、スイッチ14と押圧部材15との間には、硬質樹脂部品17が設けられている。そして、硬質樹脂部品17は、軟質樹脂部品16に対してインサート成形により一体化されて構成されるようにした。
【選択図】図2
【解決手段】電子キーの内部は、ユーザーにより押圧される押圧部材15と、押圧部材15が押圧されたことを検出するためのスイッチ14が実装されている回路基板12とを内部に収容している。こうした電子キーの内部には、回路基板12を押圧部材15側から覆った状態で軟質樹脂部品16及び硬質樹脂部品17が設けられている。また、スイッチ14と押圧部材15との間には、硬質樹脂部品17が設けられている。そして、硬質樹脂部品17は、軟質樹脂部品16に対してインサート成形により一体化されて構成されるようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯機及び携帯機の製造方法に関する。
車両操作の利便性を向上させるための電子キーシステムでは、ユーザーによる操作を検出するためのスイッチが実装されている回路基板を内部に収容した携帯機が用いられている。そして、回路基板の水や埃等との接触を防ぐためにシリコーンゴム等のカバーを設けるようにした携帯機として、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1において、外部スイッチと内部スイッチとの間には、防水カバーが介在されている。また、内部スイッチと防水カバーとの間には、さらに可塑性シートが介在されている。こうした可塑性シートは、外部スイッチがユーザーにより押圧された場合に防水カバーに対して全面で接触できるように構成されている。また、可塑性シートは、回路基板に設けられている2つの内部スイッチに跨る大きさで構成されている。
ところで、特許文献1の携帯機は、少なくとも外部スイッチ、内部スイッチ、防水カバー、及び可塑性シートを個別の部品として備えている。この場合、携帯機を完成させるには、少なくとも外部スイッチ、内部スイッチ、防水カバー、及び可塑性シートをそれぞれ組み付けるための個別の工程が必要となり、組み付け性の観点で改良の余地が残されている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組み付け性を向上させた携帯機及び携帯機の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する携帯機は、ユーザーにより押圧される押圧部材と、押圧部材が押圧されたことを検出するためのスイッチが実装されている回路基板とを内部に収容している。こうした携帯機において、回路基板を押圧部材側から覆った状態で設けられる軟質樹脂材料からなる軟質樹脂部品と、押圧部材が押圧された場合にスイッチに対して押圧部材側から荷重を作用させるように押圧部材とスイッチとの間に設けられる硬質樹脂材料からなる硬質樹脂部品とを備えている。そして、硬質樹脂部品は、軟質樹脂部品と一体化して構成されている。
上記構成によれば、携帯機の部品として軟質樹脂部品と硬質樹脂部品とを一体品として準備することができる。この場合、携帯機を完成させるために、軟質樹脂部品と硬質樹脂部品とを同一工程のなかで組み付けることができるようになる。したがって、軟質樹脂部品及び硬質樹脂部品をそれぞれ組み付けるための個別の工程が不要となり、組み付け性の向上を図ることができる。
なお、軟質樹脂部品に対して硬質樹脂部品が一体化されていない場合には、硬質樹脂部品を所定の位置に位置決めするための構成、例えば、位置決め用のアッセンブリ(ASSY)等を別途設ける必要がある。
その点、上記構成によれば、硬質樹脂部品については、軟質樹脂部品が所定の位置に位置決めさえされていれば、上記位置決め用のアッセンブリ等を用いることなく軟質樹脂部品と共に位置決めされる。そのため、スイッチや押圧部材等の構成を気にせず硬質樹脂部品を設けたい位置に位置決めすることができるようになる。したがって、軟質樹脂部品に対して硬質樹脂部品が一体化されている場合、位置決め用のアッセンブリ等を別途設ける必要がある場合と比較して、位置決めの制約を少なくすることができ携帯機全体の形状の設計の自由度を向上させることができる。
また、上記課題を解決する携帯機の製造方法としては、回路基板を押圧部材側から覆った状態で押圧部材及び回路基板の間に設けられる軟質樹脂材料からなる軟質樹脂部品に対して、押圧部材が押圧された場合にスイッチに対して押圧部材側から荷重を作用させるように押圧部材及びスイッチの間に設けられる硬質樹脂材料からなる硬質樹脂部品をインサート成形により一体化する工程を含んでいる。
上記構成によれば、軟質樹脂部品及び硬質樹脂部品を一体化する方法として、例えば、接着剤で互いに固定する等の方法があるなかでインサート成形を採用するようにしている。インサート成形を採用する場合には、上記接着剤で互いに固定する等の方法と比較して軟質樹脂部品及び硬質樹脂部品のそれぞれの形状の設計の自由度及び精度が向上されるようになる。そのため、軟質樹脂部品及び硬質樹脂部品のそれぞれは、携帯機に組み付けられる際の位置に適した形状に好適に成形されるようになるとともに位置精度の向上が図られるようになる。したがって、携帯機を製造する際には軟質樹脂部品及び硬質樹脂部品の組み付けがし易くなり組み付け性の向上を図ることができる。
上記携帯機において、軟質樹脂部品は、押圧部材とスイッチとの間を避ける態様で設けられており、押圧部材とスイッチとの間には、硬質樹脂部品が設けられていることが望ましい。
上記構成によれば、押圧部材とスイッチとの間には、軟質樹脂部品が設けられる替わりに硬質樹脂部品が設けられるようになる。そのため、押圧部材とスイッチとの間に軟質樹脂部品が設けられることに起因して存在しうる、押圧部材が押圧された場合のストロークロス及びスイッチに対して作用させる荷重ロスを低減(又は排除)することができる。これにより、ストロークロス及び荷重ロスによる押圧部材の操作フィーリングの調整を容易(又は不要)にすることができる。
ところで、硬質樹脂部品が軟質樹脂部品と比較して薄い場合には、押圧された押圧部材が傾いたりしてしまうと押圧部材とスイッチとの間に硬質樹脂部品の周囲の軟質樹脂部品を挟み込んでしまうことも考えられる。この場合には、ストロークロスや荷重ロスを生じるようになってしまい押圧部材の操作フィーリングを悪化させたり軟質樹脂部品を傷付けたりしてしまう。
そこで、上記携帯機において、硬質樹脂部品は、軟質樹脂部品と比較して分厚く構成されていることが望ましい。
上記構成によれば、押圧された押圧部材が傾いたりしてしまったとしても、硬質樹脂部品が障壁となり、押圧部材とスイッチとの間に軟質樹脂部品を挟み込んでしまうことを抑制することができる。そのため、ストロークロスや荷重ロスを低減させた状態で押圧部材をユーザーに押圧させることができるようになる。これにより、押圧部材の操作フィーリングの悪化を抑制するとともに軟質樹脂部品を傷付け難くすることができる。
上記構成によれば、押圧された押圧部材が傾いたりしてしまったとしても、硬質樹脂部品が障壁となり、押圧部材とスイッチとの間に軟質樹脂部品を挟み込んでしまうことを抑制することができる。そのため、ストロークロスや荷重ロスを低減させた状態で押圧部材をユーザーに押圧させることができるようになる。これにより、押圧部材の操作フィーリングの悪化を抑制するとともに軟質樹脂部品を傷付け難くすることができる。
また、上記携帯機において、硬質樹脂部品とスイッチとの間で、互いに対向する面の面積は、硬質樹脂部品の面積がスイッチの面積と比較して大きく設定されていることが望ましい。
ここで、スイッチに対しては、押圧部材が押圧されて硬質樹脂部品がスイッチに接触することにより荷重が作用する。すなわち、上記構成によれば、押圧部材が押圧された場合には、硬質樹脂部品に対してスイッチを全面で接触させることができるようになる。したがって、押圧部材が押圧された場合の荷重をスイッチに対して好適に伝えることができるようになり、荷重ロスをより低減することができる。
その他、硬質樹脂部品と軟質樹脂部品との配置として、押圧部材とスイッチとの間には、軟質樹脂部品と硬質樹脂部品とが押圧部材が押圧される方向に重ねられた配置で設けられるようにしてもよい。
本発明によれば、組み付け性を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、携帯機の第1実施形態を説明する。
本実施形態の携帯機は、例えば、車両に搭載される電子キーシステムにおける車両操作の際に用いられる電子キーである。電子キーシステムは、車両からの通信を契機に無線通信方式の一種である狭域通信を通じて車両と電子キーとの間でID照合を行い、その結果としてドア錠の施解錠等の車両操作を可能にするものである。
以下、携帯機の第1実施形態を説明する。
本実施形態の携帯機は、例えば、車両に搭載される電子キーシステムにおける車両操作の際に用いられる電子キーである。電子キーシステムは、車両からの通信を契機に無線通信方式の一種である狭域通信を通じて車両と電子キーとの間でID照合を行い、その結果としてドア錠の施解錠等の車両操作を可能にするものである。
図1及び図2に示すように、電子キーは、長辺及び短辺を有する矩形状の樹脂成形体であるロアケース11a及びアッパーケース11bが締結された直方体状をなすケース11を備えている。
電子キーの内部、すなわちケース11の内部には、通信機能等を構成する各種の回路素子12aが実装されている回路基板12や円筒状(ボタン型)のバッテリ13が収容されている。回路基板12やバッテリ13は、ケース11の内部に収容されているホルダ13aに固定された状態で収容されている。
回路基板12のアッパーケース11b側には、複数(本実施形態では2つ)の直方体状のタクティールスイッチ等のスイッチ14が電子キーの長手方向に沿って並べた状態で設けられている。また、回路基板12のアッパーケース11b側には、複数(本実施形態ではスイッチ14と同数の2つ)の長辺及び短辺を有する矩形状の押圧部材15が設けられている。各押圧部材15は、アッパーケース11bのロアケース11aの反対側に設けられている複数(本実施形態では押圧部材15と同数の2つ)の長辺及び短辺を有する矩形状の貫通孔11cにロアケース11a側から挿入されている。また、各押圧部材15は、アッパーケース11b(電子キー)からその外方に露出した状態で電子キーの内部に収容されている。また、各押圧部材15は、それぞれ一つが各スイッチ14のいずれか一つと電子キーの厚み方向(図2中、上下方向)に重なる配置をなしている。そして、電子キーの外部から各押圧部材15がユーザーにより押下操作(押圧)されることにより各スイッチ14が動作して上記車両操作を可能にする。
また、ケース11の内部には、一方に開口する凹状であって、その外郭が長辺及び短辺を有する矩形状の軟質樹脂部品16が設けられている。軟質樹脂部品16は、PETやシリコーン等の軟質樹脂材料からなる。軟質樹脂部品16には、その外郭が円形状(丸型)の複数(本実施形態では2つ)の硬質樹脂部品17がインサート成形により一体化されている。各硬質樹脂部品17は、PCやナイロン等の硬質樹脂材料からなる。また、各硬質樹脂部品17は、軟質樹脂部品16を厚み方向に貫通し、当該厚み方向の両側に露出された状態で設けられている。なお、本実施形態の各硬質樹脂部品17は、軟質樹脂部品16の一部を構成していると言うこともできる。そして、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17は、回路基板12のアッパーケース11b側の全体を覆った状態で設けられている。なお、軟質樹脂部品16は、その開口側の端部がホルダ13aとアッパーケース11bとの間で挟み込まれた状態で設けられている。これにより、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17は、アッパーケース11bの各貫通孔11cからの水や埃等の異物の侵入を防止する。
軟質樹脂部品16は、各スイッチ14(回路基板12)と各押圧部材15との間を避ける態様で設けられている。一方、各スイッチ14(回路基板12)と各押圧部材15との間には、硬質樹脂部品17がそれぞれ設けられている。すなわち、各硬質樹脂部品17は、軟質樹脂部品16の複数個所(本実施形態ではスイッチ14及び押圧部材15と同数の2つ)に、互いに離間(独立)した状態で設けられている。そして、各硬質樹脂部品17は、それぞれ一つが各スイッチ14(各押圧部材15)のいずれか一つと電子キーの厚み方向に重なる配置をなしている。
特に図2の拡大図に示すように、各硬質樹脂部品17は、ロアケース11a側の対向面17aが電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aに当接しているとともに、アッパーケース11b側の対向面17bが電子キーの厚み方向に重なる配置をなす押圧部材15の露出されている反対側の押圧面15aに当接している。
また、同図に示すように、各硬質樹脂部品17の対向面17aは、その面積が当接しているスイッチ14の押圧面14aの面積と比較して大きく設定されている。すなわち、対向面17aには、電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aの全体が当接している。また、各硬質樹脂部品17の対向面17bは、その面積が当接している押圧部材15の押圧面15aの面積とほぼ同一に設定されている。すなわち、対向面17bには、電子キーの厚み方向に重なる配置をなす押圧部材15の押圧面15aの全体が当接している。
また、同図に示すように、軟質樹脂部品16は、全体の厚みがおおよそ厚みLaで一様となるように設定されている。一方、各硬質樹脂部品17の厚みLbは、軟質樹脂部品16の厚みLaと比較して分厚く(例えば、約2倍の厚み)設定されている。各硬質樹脂部品17は、対向面17aが軟質樹脂部品16と面一であるとともに、対向面17bが軟質樹脂部品16に対してロアケース11a側に突出している。
なお、同図において、各硬質樹脂部品17の対向面17bは、押圧部材15のアッパーケース11b側から押圧面15aに向かって延びる部位の外郭の面と面一で現されているが、この場合と異なる断面においては面一となっていなくてもよい。すなわち、各硬質樹脂部品17の押圧部材15側から見た場合の形状は、押圧部材15のアッパーケース11b側から押圧面15aに向かって延びる部位の外郭の形状と同じであっても異なっていてもよい。
そして、図3に示すように、電子キーの外方(図中、上方向)からユーザーにより押圧部材15が押下操作される場合には、押圧部材15がスイッチ14(回路基板12)側に押圧されて移動する。これにより、押圧部材15の押圧面15aを通じて軟質樹脂部品16の硬質樹脂部品17の対向面17bに対して押圧部材15側から荷重を作用させることができる。この場合、押圧部材15の移動に合わせて硬質樹脂部品17が回路基板12側に移動するように軟質樹脂部品16が弾性変形している。これにより、硬質樹脂部品17の対向面17aを通じてスイッチ14の押圧面14aに対して押圧部材15側から荷重を作用させることができ、その結果としてスイッチ14が動作する。なお、軟質樹脂部品16は、押圧部材15が押下操作されるか押下操作されないかに関係なく、各スイッチ14のいずれの先端とも当接しないだけでなく、各スイッチ14のいずれとも接触すらしないように構成されている。
なお、ロアケース11a及びアッパーケース11bの一対の長辺のうち一方側には、図示しないメカニカルキーが設けられている。メカニカルキーは、手動による上記車両操作を可能にする。
以上に説明した本実施形態によれば、以下に示す作用を奏する。
図2に示すように、電子キーの部品として軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを一体品として準備することができる。この場合、電子キーを製造する際、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17を同一工程のなかで組み付けることができるようになる。
図2に示すように、電子キーの部品として軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを一体品として準備することができる。この場合、電子キーを製造する際、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17を同一工程のなかで組み付けることができるようになる。
なお、軟質樹脂部品16に対して各硬質樹脂部品17が一体化されていない場合には、各硬質樹脂部品17を所定の位置に位置決めするための構成、例えば、位置決め用のアッセンブリ(ASSY)等を別途設ける必要がある。
その点、本実施形態によれば、各硬質樹脂部品17については、軟質樹脂部品16が所定の位置に位置決めさえされていれば、上記位置決め用のアッセンブリ等を用いることなく軟質樹脂部品16と共に位置決めされる。そのため、各スイッチ14や各押圧部材15等の構成を気にせず各硬質樹脂部品17を設けたい位置に位置決めすることができるようになる。
また、軟質樹脂部品16は、各スイッチ14と各押圧部材15との間を避ける態様で設けられている。一方、各スイッチ14と各押圧部材15との間には、硬質樹脂部品17が設けられるようにしている。すなわち、各スイッチ14と各押圧部材15との間には、軟質樹脂部品16が設けられる替わりに硬質樹脂部品17が設けられるようになる。そのため、各スイッチ14と各押圧部材15との間に軟質樹脂部品16が設けられることに起因して存在しうる、各押圧部材15が押圧された場合のストロークロス及びスイッチに対して作用させる荷重ロスが低減(又は排除)される。
ところで、各硬質樹脂部品17が軟質樹脂部品16と比較して薄い場合には、押圧された押圧部材15が傾いたりしてしまうとその押圧部材15と電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14との間に硬質樹脂部品17の周囲の軟質樹脂部品16を挟み込んでしまうことも考えられる。この場合には、ストロークロスや荷重ロスを生じるようになってしまい各押圧部材15の操作フィーリングを悪化させたり軟質樹脂部品16を傷付けたりしてしまう。
そこで、本実施形態において、各硬質樹脂部品17は、その厚みが軟質樹脂部品16と比較して分厚く設定されるようにしている。
すなわち、押圧された押圧部材15が傾いたりしてしまったとしても、硬質樹脂部品17が障壁となり、その押圧部材15と電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14との間に軟質樹脂部品16を挟み込んでしまうことを抑制することができる。そのため、ストロークロスや荷重ロスを低減させた状態で押圧部材をユーザーに押圧させることができるようになる。
すなわち、押圧された押圧部材15が傾いたりしてしまったとしても、硬質樹脂部品17が障壁となり、その押圧部材15と電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14との間に軟質樹脂部品16を挟み込んでしまうことを抑制することができる。そのため、ストロークロスや荷重ロスを低減させた状態で押圧部材をユーザーに押圧させることができるようになる。
また、各硬質樹脂部品17と各スイッチ14との間で、互いに対向する面(対向面17aと押圧面14a)の面積は、各硬質樹脂部品17の対向面17aの面積が各スイッチ14の押圧面14aの面積と比較して大きく設定されるようにしている。これにより、対向面17aには、電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aの全体が当接している。
ここで、各スイッチ14に対しては、各押圧部材15が押圧されて各硬質樹脂部品17が各スイッチ14に接触することにより荷重が作用する。すなわち、各押圧部材15が押圧された場合には、各硬質樹脂部品17(対向面17a)に対して各スイッチ14(押圧面14a)を全面で接触させることができるようになる。
こうした本実施形態の電子キーは、以下のようにして一体化(成形)されている軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを組み付けることにより完成する。
図4(a)に示すように、軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とは、金型20の内部にヒータ等により溶解した軟質樹脂材料30を射出する射出成形によって一体化されている。
図4(a)に示すように、軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とは、金型20の内部にヒータ等により溶解した軟質樹脂材料30を射出する射出成形によって一体化されている。
具体的に、金型20は、凹部、凸部がそれぞれ形成された複数の金型からなり、複数の金型を組み合わせた内部に軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17をかたどった空洞20aが設けられている。また、金型20は、軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一体化後、複数の金型に分離されることで一体化後の軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを取り出すものである。また、金型20の空洞20aの所定位置には、金型20の外部と空洞20aとを連通するランナー20bの入り口であるゲート20cが設けられている。
空洞20aにおいて、各硬質樹脂部品17に対応して互いに離間して設けられている各空洞部20dに射出成形や圧縮成形等により予め樹脂成形された各硬質樹脂部品17がそれぞれ配置される。そして、空洞20aには、ゲート20cを通じて軟質樹脂材料30が射出充填される(インサート成形の工程)。
図4(b)に示すように、インサート成形により一体化された軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一体品が金型20から取り出される。その後、各硬質樹脂部品17が一体化された軟質樹脂部品16を、回路基板12、バッテリ13、各スイッチ14、及び各押圧部材15等とともにケース11に収容するように組み付けることにより電子キーが完成する。
このように軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17を一体化する方法として、例えば、接着剤で互いに固定する等の方法があるなかでインサート成形を採用するようにしている。インサート成形を採用する場合には、上記接着剤で互いに固定する等の方法と比較して軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17のそれぞれの形状の設計の自由度及び精度が向上されるようになる。そのため、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17のそれぞれは、電子キーに組み付けられる際の位置に適した形状に好適に成形されるようになるとともに位置精度の向上が図られるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)電子キーの部品として軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを一体品として準備することで、電子キーを製造する際、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17を同一工程のなかで組み付けることができる。したがって、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17をそれぞれ組み付けるための個別の工程が不要となり、組み付け性の向上を図ることができる。
(1)電子キーの部品として軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを一体品として準備することで、電子キーを製造する際、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17を同一工程のなかで組み付けることができる。したがって、軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17をそれぞれ組み付けるための個別の工程が不要となり、組み付け性の向上を図ることができる。
(2)また、軟質樹脂部品16に対して各硬質樹脂部品17が一体化されている場合、位置決め用のアッセンブリ等を別途設ける必要がある場合と比較して、位置決めの制約を少なくすることができ電子キー全体の形状の設計の自由度を向上させることができる。
(3)各スイッチ14と各押圧部材15との間に軟質樹脂部品16を設ける替わりに硬質樹脂部品17を設けることで、各押圧部材15が押圧された場合のストロークロス及びスイッチに対して作用させる荷重ロスを低減(又は排除)することができる。したがって、ストロークロス及び荷重ロスによる各押圧部材15の操作フィーリングの調整を容易(又は不要)にすることができる。
(4)各硬質樹脂部品17の厚みを軟質樹脂部品16と比較して分厚く設定することで、ストロークロスや荷重ロスを低減させた状態で押圧部材をユーザーに押圧させることができる。したがって、押圧部材の操作フィーリングの悪化を抑制するとともに軟質樹脂部品16を傷付け難くすることができる。
(5)各硬質樹脂部品17の対向面17aに対して電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aの全体が当接しているので、各押圧部材15が押圧された場合には、各硬質樹脂部品17(対向面17a)に対して各スイッチ14(押圧面14a)を全面で接触させることができる。したがって、各押圧部材15が押圧された場合の荷重を各スイッチ14に対して好適に伝えることができるようになり、荷重ロスをより低減することができる。
(6)軟質樹脂部品16に対して各硬質樹脂部品17をインサート成形により一体化することで、一体化後の一部品を電子キーに組み付けられる際の位置に適した形状に好適に成形することができるとともに位置精度を向上させることができる。したがって、電子キーを製造する際には軟質樹脂部品16及び各硬質樹脂部品17の組み付けがし易くなり組み付け性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、携帯機の第2実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
次に、携帯機の第2実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態のアッパーケース11bのロアケース11aの反対側には、貫通孔11cと、当該貫通孔11cと比較して小さい矩形状をなす小貫通孔11dとが設けられている。小貫通孔11dには、押圧部材15と比較して小さい矩形状をなす小押圧部材40がロアケース11a側から挿入されている。小押圧部材40は、アッパーケース11b(電子キー)からその外方に露出した状態で電子キーの内部に収容されている。また、小押圧部材40は、各スイッチ14のいずれか一つと電子キーの厚み方向(図5中、上下方向)に重なる配置をなしている。
こうした本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一部品を用いるようにしている。この場合、小押圧部材40は、その露出されている反対側の押圧面40aの全体が、電子キーの厚み方向に重なる配置をなす硬質樹脂部品17の対向面17bに当接することができるように構成されている。このように押圧部材の構成が変更されたとしても上記第1実施形態の(1)〜(6)の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、携帯機の第3実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
次に、携帯機の第3実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の回路基板12には、スイッチ14と、当該スイッチ14と比較して小さい体格をなす小スイッチ50とが設けられている。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同様、同じ大きさ(形状)の2つの押圧部材15を設けるようにしている。小スイッチ50は、各押圧部材15のいずれか一つと電子キーの厚み方向(図5中、上下方向)に重なる配置をなしている。
こうした本実施形態においても、上記各実施形態と同様の軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一部品を用いるようにしている。この場合、小スイッチ50は、その押圧面50aの全体が、電子キーの厚み方向に重なる配置をなす硬質樹脂部品17の対向面17aに当接することができるように構成されている。具体的に、小スイッチ50は、回路基板12の所定の部位をアッパーケース11b側に近付くように隆起させた部位に設けられている。このようにスイッチの構成が変更されたとしても上記第1実施形態の(1)〜(6)の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、携帯機の第4実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
次に、携帯機の第4実施形態について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一構成などは、同一の符号を付すなどして、その重複する説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態のケース11の内部には、回路基板12のアッパーケース11b側の全体を覆った状態で軟質樹脂部品16が設けられている。軟質樹脂部品16のロアケース11a側には、各硬質樹脂部品17が互いに離間(独立)した状態で一体化されている。
同図に示すように、電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14と押圧部材15との間には、軟質樹脂部品16と硬質樹脂部品17とが押圧部材15が押圧される方向(電子キーの厚み方向)に重ねられた配置で設けられている。そのため、軟質樹脂部品16は、各硬質樹脂部品17の反対側の対向面16aが各押圧部材15の押圧面15aに当接している。すなわち、対向面16aには、電子キーの厚み方向に重なる配置をなす押圧部材15の押圧面15aの全体が当接している。また、各硬質樹脂部品17の対向面17aが電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aに当接している。すなわち、対向面17aには、電子キーの厚み方向に重なる配置をなすスイッチ14の押圧面14aの全体が当接している。
なお、軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とが重なる部位の厚みは、それぞれの厚みLaと厚みLbとを合わせた厚み(La+Lb)とされている。すなわち、各スイッチ14と各押圧部材15との間の部位の厚み(La+Lb)は、他の部位(軟質樹脂部品16のみの部位)の厚みLaと比較して分厚く(例えば、約3倍の厚み)設定されている。
こうした本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、軟質樹脂部品16に対して各硬質樹脂部品17がインサート成形により一体化されている。このように軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一体化後の配置(構成)が異なっていたとしても上記第1実施形態の(1),(2),(4)〜(6)に準じた効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・各硬質樹脂部品17の対向面17aの面積や各スイッチ14の押圧面14aの面積の大きさは変更することができる。例えば、各硬質樹脂部品17の対向面17aの面積は、各スイッチ14の押圧面14aの面積と同一としたり、各スイッチ14の押圧面14aの面積と比較して小さくしたりしてもよい。
・各硬質樹脂部品17の対向面17aの面積や各スイッチ14の押圧面14aの面積の大きさは変更することができる。例えば、各硬質樹脂部品17の対向面17aの面積は、各スイッチ14の押圧面14aの面積と同一としたり、各スイッチ14の押圧面14aの面積と比較して小さくしたりしてもよい。
・軟質樹脂部品16の厚みLaや各硬質樹脂部品17の厚みLbは変更することができる。例えば、各硬質樹脂部品17の厚みLbは、軟質樹脂部品16の厚みLaと同一としたり、軟質樹脂部品16の厚みLaと比較して薄くしたりしてもよい。
・各硬質樹脂部品17の対向面17bは、軟質樹脂部品16に対してアッパーケース11b側に突出していてもよい。また、各硬質樹脂部品17は、対向面17aが軟質樹脂部品16に対してロアケース11a側に突出しているものと対向面17bが軟質樹脂部品16に対してアッパーケース11b側に突出しているものとが混在していてもよい。
・各スイッチ14と各押圧部材15との間において、硬質樹脂部品17が設けられる場合と硬質樹脂部品17が設けられない場合とが混在していてもよい。
・各スイッチ14と各硬質樹脂部品17とは、ユーザーによる押下操作がない場合、互いに離間した(接触していない)状態となるように構成されていてもよい。
・各スイッチ14と各硬質樹脂部品17とは、ユーザーによる押下操作がない場合、互いに離間した(接触していない)状態となるように構成されていてもよい。
・軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17とを一体化する工程として、2色成形等によって各硬質樹脂部品17の成形と軟質樹脂部品16への各硬質樹脂部品17の一体化とを同時に行うようにしてもよい。
・上記第1〜第3実施形態において、軟質樹脂部品16には、軟質樹脂部品16の一部が各スイッチ14と各押圧部材15との間に入り込んだ状態となるように各硬質樹脂部品17が一体化されていてもよい。
・上記第2及び第3実施形態は、互いに組み合わせて適用してもよく、上記図5で示した小押圧部材40と、上記図6で示した小スイッチ50とは、互いに組み合わせて適用してもよい。
・上記第4実施形態において、軟質樹脂部品16には、各硬質樹脂部品17の電子キーの厚み方向の一部が食い込んだ状態となるように各硬質樹脂部品17が一体化されていてもよい。
・上記第4実施形態は、上記第2実施形態が採用したように、小貫通孔11d及び小押圧部材40を採用してもよい。図8に示すように、本変形例においても、上記第4実施形態と同様の軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一部品を用いることができる。この場合、小押圧部材40は、その露出されている反対側の押圧面40aの全体が、軟質樹脂部品16の対向面16aに当接することができるように構成されている。このように押圧部材の構成が変更されたとしても上記第4実施形態の効果を得ることができる。
・上記第4実施形態は、上記第3実施形態が採用したように、小スイッチ50を採用してもよい。図9に示すように、本変形例においても、上記第4実施形態と同様の軟質樹脂部品16と各硬質樹脂部品17との一部品を用いることができる。この場合、小スイッチ50は、その押圧面50aの全体が、電子キーの厚み方向に重なる配置をなす硬質樹脂部品17の対向面17aに当接することができるように構成されている。このようにスイッチの構成が変更されたとしても上記第4実施形態の効果を得ることができる。
・スイッチ14及び押圧部材15を設ける数は、一つ(単数)であったり三つ以上(複数)であったりしてもよい。この場合、硬質樹脂部品17を設ける数を合わせて変更すればよい。
・電子キーは、車両のドア錠の施解錠を可能にする他、車両のスライドドアの開閉を可能にするものであってもよい。また、電子キーは、住宅のドア錠の施解錠を可能にする住宅用の電子キー(携帯機)であってもよい。
12…回路基板、14…スイッチ、14a…押圧面、15…押圧部材、15a…押圧面、16…軟質樹脂部品、17…硬質樹脂部品、17a,17b…対向面、La…厚み(軟質樹脂部品の厚み),Lb…厚み(硬質樹脂部品の厚み)、40…小押圧部材、40a…押圧面、50…小スイッチ、50a…押圧面。
Claims (6)
- ユーザーにより押圧される押圧部材と、前記押圧部材が押圧されたことを検出するためのスイッチが実装されている回路基板とを内部に収容する携帯機において、
前記回路基板を前記押圧部材側から覆った状態で設けられる軟質樹脂材料からなる軟質樹脂部品と、
前記押圧部材が押圧された場合に前記スイッチに対して前記押圧部材側から荷重を作用させるように前記押圧部材と前記スイッチとの間に設けられる硬質樹脂材料からなる硬質樹脂部品と、を備え、
前記硬質樹脂部品は、前記軟質樹脂部品と一体化して構成されている
ことを特徴とする携帯機。 - 前記軟質樹脂部品は、前記押圧部材と前記スイッチとの間を避ける態様で設けられており、
前記押圧部材と前記スイッチとの間には、前記硬質樹脂部品が設けられている請求項1に記載の携帯機。 - 前記硬質樹脂部品は、前記軟質樹脂部品と比較して分厚く構成されている請求項1又は請求項2に記載の携帯機。
- 前記硬質樹脂部品と前記スイッチとの間で、互いに対向する面の面積は、前記硬質樹脂部品の面積が前記スイッチの面積と比較して大きく設定されている請求項2又は請求項3に記載の携帯機。
- 前記押圧部材と前記スイッチとの間には、前記軟質樹脂部品と前記硬質樹脂部品とが前記押圧部材が押圧される方向に重ねられた配置で設けられている請求項1に記載の携帯機。
- ユーザーにより押圧される押圧部材と、前記押圧部材が押圧されたことを検出するためのスイッチが実装されている回路基板とを内部に収容する携帯機の製造方法において、
前記回路基板を前記押圧部材側から覆った状態で設けられる軟質樹脂材料からなる軟質樹脂部品に対して、前記押圧部材が押圧された場合に前記スイッチに対して前記押圧部材側から荷重を作用させるように前記押圧部材及び前記スイッチの間に設けられる硬質樹脂材料からなる硬質樹脂部品をインサート成形により一体化する工程を含む
ことを特徴とする携帯機の製造方法。
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JP2015226079A JP2017095884A (ja) | 2015-11-18 | 2015-11-18 | 携帯機及び携帯機の製造方法 |
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2015
- 2015-11-18 JP JP2015226079A patent/JP2017095884A/ja active Pending
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