JP2017095743A - Ito導電膜の成膜方法 - Google Patents

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敏幸 川原村
Toshiyuki Kawaramura
敏幸 川原村
守 古田
Mamoru Furuta
守 古田
山田 茂男
Shigeo Yamada
茂男 山田
小川 一幸
Kazuyuki Ogawa
一幸 小川
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Abstract

【課題】本発明は、表面に複雑な形状の凹凸を有する基板上において、該凹凸における上面、側面、及び底面に略均一に薄くITO導電膜を成膜する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ITO導電膜をミストCVD法で成膜する方法であって、
1)インジウム化合物、スズ化合物、及びβ−ジケトン化合物若しくはC1〜C6アルコール類を含有するITO導電膜成膜用原料液を、ミスト化する工程;
2)アスペクト比が1.5〜100である凹凸を表面に有する基板を、前記ITO導電膜成膜用原料液の蒸発温度以上に加熱する工程;
3)前記基板の表面から高さ1mm〜50mmの空間に、ミスト化したITO導電膜成膜用原料を、前記基板の表面に対して平行に流して、前記基板にミスト化したITO導電膜成膜用原料を接触させる工程;
を有する。
膜厚が10nm〜200nmのITO導電膜を、前記基板表面の凹凸における上面、側面、及び底面に略均一に成膜することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ITO導電膜を成膜する方法に関し、詳しくは、ミストCVD法により表面に複雑な形状の凹凸を有する基板上に、該凹凸における上面、側面、及び底面に略均一に薄くITO導電膜を成膜する方法に関する。
透明導電膜として、ITO(スズドープ酸化インジウム)膜、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜、SnO(二酸化スズ)膜、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)膜、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)膜、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)膜、IZO(インジウムドープ酸化亜鉛)膜、IGZO(インジウムガリウム亜鉛複合酸化物)膜等が知られている。これらの透明導電膜を種々の基板上に作製したものは、例えば、フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等)、面発熱体、タッチパネル、太陽電池、半導体素子等に使用される。
前記導電膜は、スパッタリング法に代表されるPVD法(物理気相成膜法)やMOCVD(有機金属気相成長法)やパイロゾル法に代表されるCVD法(化学気相成長法)等の方法によって作製することができる。
前記導電膜は、ガラス基板のような表面が平坦な基板だけでなく、表面に凹凸を有する基板にも成膜させることが必要である。表面に凹凸を有する基板に、導電膜をスパッタリング法によって積層させると、凹凸における平坦面と側壁面との膜厚に差が生じやすい。そこで、側壁面をスロープ化したり(特許文献2)、基板にバイアス電圧を印加しながら成膜する(特許文献1)等の試みがなされている。
パイロゾル法は、原料溶液を超音波で霧化させ基板に向けて噴霧すると、基板への到達の過程で、溶媒の蒸発とそれに続く溶質の熱分解・化学反応により薄膜が形成される。特許文献3には、曲面又は凸凹の形状を有する基体上に、直接又は中間膜を介して、パイロゾル法によって透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜付基体の製造方法が開示されている。当該基体としては、部分的に曲面又は凹凸の形状を有するシート状の基体(基板)、ハニカム状の基体、ファイバー状の基体、球状の基体、発泡状の基体が挙げられている。
特許文献4には、高いアスペクト比の凸凹の形状を有する基板上に、パイロゾル法によって透明導電膜を形成することを特徴とする積層体の製造方法が開示されている。
特開平11−54457号公報 特開2011−9307号公報 特開2004−39269号公報 国際特許公開2013/022032号パンフレット
本発明は、表面に複雑な形状の凹凸を有する基板上において、該凹凸における上面、側面、及び底面に略均一に薄くITO導電膜を成膜する方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものを包含する。すなわち、本発明は、
〔1〕ITO導電膜をミストCVD法で成膜する方法であって、
1)インジウム化合物、スズ化合物、及びβ−ジケトン化合物若しくはC1〜C6アルコール類を含有するITO導電膜成膜用原料液を、ミスト化する工程;
2)アスペクト比が1.5〜100である凹凸を表面に有する基板を、前記ITO導電膜成膜用原料液の蒸発温度以上に加熱する工程;
3)前記基板の表面から高さ1mm〜50mmの空間に、ミスト化したITO導電膜成膜用原料を、前記基板の表面に対して平行に流して、前記基板にミスト化したITO導電膜成膜用原料を接触させる工程;
を有する、膜厚が10nm〜200nmのITO導電膜を、前記基板に成膜する方法
に関する。
さらには、
〔2〕インジウム化合物が、式(I):In(RCOCHCOR(式(I)中、R及びRは、それぞれ独立してC1〜C6アルキル基又はフェニル基を表す。)で表されるインジウム化合物である前記〔1〕に記載の成膜方法;
〔3〕スズ化合物が、式(II):(RSn(OR (式(II)中、RはC1〜C6アルキル基を表し、RはC1〜C6アルキル基又はC1〜C6アルキルカルボニル基を表す。)で表されるスズ化合物、若しくは塩化スズ化合物である前記〔1〕又は〔2〕に記載の成膜方法;
〔4〕前記凹凸が、針状突起、柱状突起、縦穴、細孔、又は溝からなるものである前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の成膜方法;及び
〔5〕段差被覆率が60%〜120%になるように、前記ITO導電膜を成膜する前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の成膜方法
に関する。
本発明の成膜方法によれば、表面に複雑な形状の凹凸を有する基板においても、該凹凸における上面、側面、及び底面に、薄く均一な膜厚のITO導電膜を成膜することができる。
本発明に係るミストCVD成膜装置の概略断面図である。 実施例で用いた協同インターナショナル製シリコンお試しモールドを上面から見た図である。 左側の図は、図2のお試しモールドの成膜する方向を示す図である。右側の図は、実施例で得られた成膜後の基板の概略断面図である。枠で囲った部分(4箇所)は、観察位置を示すものである。 実施例1で得られた成膜後のシリコンお試しモールドの幅1μmのライン アンド スペース(横L/S)部分を、電子顕微鏡を用いて観測した際の断面図である。それぞれ、上面、側面、及び底面を拡大した図である。 実施例1で得られた成膜後のシリコンお試しモールドの幅5μmのライン アンド スペース(横L/S)部分を、電子顕微鏡を用いて観測した際の断面図である。それぞれ、上面、側面、及び底面を拡大した図である。 実施例2で得られた成膜後のシリコンお試しモールドの幅1μmのライン アンド スペース(横L/S)部分を、電子顕微鏡を用いて観測した際の断面図である。それぞれ、上面、側面、及び底面を拡大した図である。 実施例2で得られた成膜後のシリコンお試しモールドの幅5μmのライン アンド スペース(横L/S)部分を、電子顕微鏡を用いて観測した際の断面図である。それぞれ、上面、側面、及び底面を拡大した図である。 比較例1で得られた成膜後の基板を、電子顕微鏡を用いて観測した際の断面図である。(a)は上面の拡大図であり、(b)は底面の拡大図である。
本発明者らは、特定の組成からなるITO導電膜成膜用原料液を用いて、ミストCVD法により成膜を行うことによって、複雑な形状の凹凸を表面に有する基板に対し、薄く均一な膜厚のITO導電膜を成膜できることを見出し、この知見に基づいてさらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
(1)ITO導電膜成膜用原料液
まずは、本発明に用いるITO導電膜成膜用原料液について説明する。
(インジウム化合物)
本発明に用いるインジウム化合物は、空気中で熱分解して、酸化インジウムを生成する化合物であれば特に制限されない。
インジウム化合物としては、三塩化インジウム(InCl)、硝酸インジウム(In(NO)、インジウムトリイソプロポキシド(In(OPr))等のインジウム化合物の他にも、式(I):In(RCOCHCOR3 で表される化合物を挙げることができる。
式(I)中、R及びRは、それぞれ独立してC1〜C6アルキル基又はフェニル基を表す。
及びRにおけるC1〜C6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
好ましいインジウム化合物は、インジウムトリスアセチルアセトナート(In(CHCOCHCOCH)である。
(スズ化合物)
本発明に用いるスズ化合物は、空気中で熱分解して、酸化スズを生成する化合物であれば特に制限されない。
スズ化合物としては、式(II):(R2Sn(OR2 で表される化合物の他にも、塩化第二スズ、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド等の塩化スズ化合物を挙げることができる。
式(II)中、RはC1〜C6アルキル基を表し、RはC1〜C6アルキル基又はC1〜C6アルキルカルボニル基を表す。
におけるC1〜C6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
におけるC1〜C6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができ、C1〜C6アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等を挙げることができる。
好ましいスズ化合物は、塩化スズ化合物である。
原料液に用いる溶媒は、インジウム化合物とスズ化合物とを溶解できるものであれば特に制限されない。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のC1〜C6アルコール類;アセチルアセトン等のβ−ジケトン化合物;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトン酸エステル化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のβ−ジカルボン酸エステル化合物等を挙げることができる。
また、C1〜C6アルコール類を用いる場合は、水を混合して用いることもできる。さらにインジウム化合物とスズ化合物の溶解性を挙げる目的で、塩酸又は硝酸を添加することもできる。好ましい溶媒としては、メタノール、水、塩酸の混合溶媒を挙げることができる。
原料液に含有させるインジウム化合物とスズ化合物との比は、インジウム化合物由来のインジウム元素1モルに対して、スズ化合物由来のスズ元素が、好ましくは1モル未満、より好ましくは0.0005〜0.5モル、さらに好ましくは0.001〜0.1モルとなるようにする。
原料液に含有させるインジウム化合物とスズ化合物との合計量は、溶媒に溶解することができれば特に制限はないが、インジウム化合物由来のインジウム元素とスズ化合物由来のスズ元素の合計が、溶媒1Lに対して、好ましくは0.00001〜0.1モル、さらに好ましくは0.0005〜0.05モルとなるようにする。
(2)基板
本発明に用いる基板は、その表面に凹凸を有する。前記凹凸のアスペクト比は、1.5〜100、好ましくは2〜100、よりさらに好ましくは10〜100、特に好ましくは15〜100である。前記凹凸の好ましい態様としては、針状突起、柱状突起、縦穴、細孔、又は溝(トレンチ)からなるものが挙げられる。
前記アスペクト比は、凹部の開口幅Wに対する凹部の深さHの比(H/W)である。
前記凹凸が柱状突起(凸部)により形成される場合は、隣接する柱状突起の頂を結んだ最小幅を凹部の開口幅Wとし、柱状突起の高さ(柱状突起の頂から柱状突起間の底面まで下した垂線の長さ)を凹部の深さHとする。
前記凹凸が針状突起(凸部)により形成される場合は、隣接する針状突起の先端部を結んだ最小幅を凹部の開口幅Wとし、針状突起の高さ(針状突起の先端部から針状突起間の底面まで下した垂線の長さ)を凹部の深さHとする。
前記凹部の開口幅Wは、0.05μm〜200μmが好ましく、より好ましくは0.05μm〜100μm、さらに好ましくは0.05μm〜50μm、特に好ましくは、0.05μm〜10μmである。
前記凹凸の側面の傾斜角度は、特に限定されないが、上面に対してほぼ垂直、具体的には、上面に対して80度超100度以下であることが好ましく、上面に対して85度以上95度以下であることがより好ましい。
基板はその材料において特に限定されない。基板材料としては、例えば、ガラス、シリコン、酸化珪素等の無機材料、樹脂、ゴム等の有機材料、シリコーン等の高分子化合物が挙げられる。
(3)ミストCVD法とITO成膜装置
ミストCVD(Chemical Vapor Deposition)法とは、原料溶液を何らかの手法で霧状とし(「ミスト化」ということがある。)、キャリアガスによって反応部に運び、「霧状」の原料溶液を熱分解により基板上で反応させるという成膜方法である。装置としては特殊な部品や真空を必要とせず簡単な構成を持ち、さらに毒性や危険性が少なく、高純度試薬として一般に用いられている原料を用いることができる。すなわち、安全で安価、かつ省エネルギーな成膜方法であり、環境に対する負荷も小さい事を特徴としている。
詳しくは、非特許文献「ミストCVD法とその酸化亜鉛薄膜成長への応用に関する研究」(京都大学 川原村敏幸、2008年3月)の第2章「ミスト法」のページ21からページ37等に記載がある。
成膜装置は、少なくとも、ミスト化の手段と、ミスト化原料の供給手段、及び反応炉から構成される。
(ミスト化の手段)
ミスト化手段は、特に限定されるものではないが、例えば、加圧式、回転ディスク式、超音波式、オリフィス振動式、静電式等のスプレー式全般を用いることができ、特に超音波式が好ましい。超音波によるミスト化には、超音波振動子を用いて原料液をミスト化する噴霧器が好ましい。
(ミスト化原料の供給手段)
ミスト化された原料は、キャリアガスによって、後述する反応炉へと供給される。キャリアガスは、特に限定されるものではないが、空気、アルゴン等の希ガスを用いることができる。
(反応炉)
反応炉は、ミスト化された原料を含むキャリアガス(「ミスト化原料ガス」ということがある。)が整流される整流部と、整流されたミスト化原料ガスを導入し基板に接触させて、熱分解反応を行うための反応空間と、反応空間内と基板を加熱するためのヒータを備えている。
整流部に対して、反応空間は狭い空間であることが好ましい。ミスト化原料ガスが、急激に狭くなった反応空間に供給されることで、反応炉に設置された基板への原料の押しつけ効果を生じる。
反応空間は、整流部からガスの流路が狭まるように扁平形状を有するファインチャネル構造が好ましい。空間の高さは、成膜する基板の表面から1mm〜50mmが好ましい。さらに好ましくは、1mm〜25mmであり、より好ましくは、1mm〜5mmである。
ミスト化原料ガスは、好ましくは基板の表面に対して平行に流れるように、導入することが好ましい。
ヒータは、反応空間の下面に位置することで、基板を直接加熱できるようにすることが好ましい。基板は、原料液に含有する溶媒の蒸発温度以上に加熱する。加熱する上限は、反応炉に依存する。溶媒としてアルコールを含有する場合は、78℃以上であり、水を含有する場合は100℃以上である。より均一に成膜するためには、基板の加熱温度は、好ましくは、原料液に含有する溶媒の蒸発温度以上600℃以下であり、より好ましくは300〜600℃である。
(4)ITO導電膜
ITO導電膜は、基板上の凹凸における上面、側面、及び底面に略均一な厚さで積層されている。ここで、「凹凸における上面、側面、及び底面に略均一な厚さで積層されている」とは、凸部の上面の少なくとも1点と、凹部の底面の少なくとも1点と、側面の少なくとも2点において、積層されたITO導電膜の膜厚を測定した時に、ほぼ等しい厚みであることを意味する。
凹凸における上面とは、凸部の頂部であって、側面との境界までの部分全体を意味し、凹凸における底面とは、凹部の底部であって、側面との境界までの部分全体を意味し、また、凹凸における側面とは、凸部の頂部と凹部の底部との間の壁部分を意味する。側面においては、側面上の垂直方向の離れた2点以上を測定する対象とすることが好ましい。
前記ITO導電膜は、前記凹凸における上面、側面、及び底面に欠損することなく積層されていることが好ましい。
本発明の成膜方法によれば、ITO導電膜の平均膜厚は、10nm〜200nmの範囲で、用途等に応じて適宜選定することができる。例えば、シート抵抗値が30Ω/□以下の導電膜を形成する場合には、平均厚さは80nm〜200nmであることが好ましく、シート抵抗値が60〜200Ω/□の導電膜を形成する場合には、平均厚さは30nm〜80nmであることが好ましく、シート抵抗値が200〜3000Ω/□の導電膜を形成する場合には、平均厚さは10nm〜30nmであることが好ましい。
ITO導電膜の段差被覆率は、好ましくは60〜120%、より好ましくは80〜120%、さらに好ましくは80〜110%である。なお、本発明で規定する段差被覆率は、凸部の上面又は頂に積層された導電膜の膜厚に対する側面に積層された導電膜の平均膜厚の比を百分率(=[側面の平均膜厚/凸部の上面又は頂の膜厚]×100(%))で表したものである。
ここでいう「側面の平均膜厚」とは、側面の中間点から上部に位置する少なくとも1点での膜厚と、側面の中間部から下部に位置する少なくとも1点での膜厚との平均値のことをいう。また、「頂の膜厚」とは、頂の1点で測定された膜厚のことをいう。「頂」とは、基板の凸部が、柱状突起又は針状突起からなる場合の先端部分のことをいう。
次に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ITO製膜装置として、溶液をミスト状にする超音波噴霧器(図1の左側部分)と、薄膜を成長する為の反応炉(図1の右側部分)を有するミストCVD成膜装置(図1)を用いた。基板として、協同インターナショナル製シリコンお試しモールド(幅1〜50μm、深さ10μm、型番DTM−1−3)を用いた(図2)。反応炉の加熱温度を410〜430℃の間に設定した。
インジウムトリスアセチルアセトナート[In(acac)]をメタノール/水/塩酸(90/9/1)混合溶媒に溶解させてモル濃度0.02mol/Lの透明溶液を得た。この溶液に、インジウム元素1モルに対してスズ元素が0.05モル(インジウム元素1モルに対してスズ元素が0.05モル)となるように塩化スズ(II)・2水和物を添加し溶解させて原料液を調製した。
噴霧器上で、原料液を2.4MHzの超音波によって微小の液滴(霧)とし、該液滴を7L/分の流量の乾燥空気と共に、反応炉に導入した。平板基板でITO膜の膜厚が100nmで成膜する条件として、加熱温度425℃、成膜時間を2分30秒、供給量は6.2gで成膜を行った。
上記操作で得られた積層体に関し、シリコンお試しモールドの幅1μmのライン アンド スペース(横L/S)部分(図3)の電子顕微鏡像を(図4)に示す。また、シリコンお試しモールドの幅5μmのライン アンド スペース(横L/S)部分(図3)の電子顕微鏡像を(図5)に示す。
幅1μmの場合、基板底面で一部連続膜になっていない部分もあるが、幅5μmの場合、基板の凹凸の側面、底面及び上面にほぼ均一な厚さでITO膜が積層されていることがわかった。幅1μmの場合、ITO膜の膜厚は、凸部の上面において70.0nm、側面の上部において76.0nm、側面の中間部において58.0nm、側面の下部において47.0nm、及び凹部の底面において27.0nmであった。段差被覆率は86%であった。幅5μmの場合、ITO膜の膜厚は、凸部の上面において95.0nm、側面の上部において93.0nm、側面の中間部において71.0nm、側面の下部において56.0nm、及び凹部の底面において66.0nmであった。段差被覆率は79%であった。
実施例2
ITO製膜装置として、実施例1と同様に、図1に示すミストCVD成膜装置を用いた。基板として、実施例1と同じ基板を用いた。また、反応炉の加熱温度を410〜430℃の間に設定した。
成膜用原料液は、実施例1と同様な調製方法で原料液を調製した。
噴霧器上で、原料液を2.4MHzの超音波によって微小の液滴(霧)とし、該液滴を7L/分の流量の乾燥空気と共に反応炉に導入した。
平板基板でITO膜の膜厚が200nmで成膜する条件として、加熱温度425℃、成膜時間を5分、供給量は12.0gで成膜を行った。
上記操作で得られた積層体に関し、シリコンお試しモールドの幅1μmのライン アンド スペース(横L/S)部分(図3)の電子顕微鏡像を(図6)に示す。また、シリコンお試しモールドの幅5μmのライン アンド スペース(横L/S)部分(図3)の電子顕微鏡像を(図7)に示す。
幅1μm及び5μmの場合とも、基板の凹凸の側面、底面及び上面にほぼ均一な厚さでITO膜が積層されていることがわかった。幅1μmの場合、ITO膜の膜厚は、凸部の上面において103.0nm、側面の上部において83.0nm、側面の中間部において81.0nm、側面の下部において70.0nm、及び凹部の底面において62.0nmであった。段差被覆率は76%であった。幅5μmの場合、ITO膜の膜厚は、凸部の上面において164.0nm、側面の上部において132.0nm、側面の中間部において119.0nm、側面の下部において78.0nm、及び凹部の底面において91.0nmであった。段差被覆率は67%であった。
比較例1
基板として、実施例1と同じ基板を用いた。
ITOターゲットを用いて、到達圧力を5×10−4Paとし、キャリアガスとしてArガス18(sccm)及びOガス2(sccm)を用い、圧力を0.1Paとする条件で、水平に設置した基板に対して、膜厚が50nmとなるような時間で成膜を実施した。
図8(a)及び(b)に成膜後の基板を、トレンチの長手方向に対して垂直に切断した断面の写真を示す。成膜されたITO膜の膜厚は、凸部の上部において59nm、側面の上部において29nmであったが、側面の下部及び凹部の底面においては測定できず、段差被覆率は25%であった。
本発明の成膜方法によれば、表面にアスペクト比1.5〜100の凹凸を有する基板上に、該凹凸における上面、側面、及び底面に略均一な厚さでITO導電膜が積層された積層体を容易に得ることができる。さらに、成膜する対象の基板と、原料液の組成、用いる成膜装置、及び反応条件を最適化することで、導電膜の付き周り性も向上させることが可能である。
そのため、アスペクト比が大きなコンタクトホール等においても均一な厚さで導電膜を成膜することができるので、コンタクトの不良が発生しなくなる。
本発明の成膜方法で得られた積層体は、フラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等)、面発熱体、タッチパネル、半導体素子等に使用することができる。

Claims (5)

  1. ITO導電膜をミストCVD法で成膜する方法であって、
    1)インジウム化合物、スズ化合物、及びβ−ジケトン化合物若しくはC1〜C6アルコール類を含有するITO導電膜成膜用原料液を、ミスト化する工程;
    2)アスペクト比が1.5〜100である凹凸を表面に有する基板を、前記ITO導電膜成膜用原料液の蒸発温度以上に加熱する工程;
    3)前記基板の表面から高さ1mm〜50mmの空間に、ミスト化したITO導電膜成膜用原料を、前記基板の表面に対して平行に流して、前記基板にミスト化したITO導電膜成膜用原料を接触させる工程;
    を有する、膜厚が10nm〜200nmのITO導電膜を、前記基板に成膜する方法。
  2. インジウム化合物が、式(I):In(RCOCHCOR(式(I)中、R及びRは、それぞれ独立してC1〜C6アルキル基又はフェニル基を表す。)で表されるインジウム化合物である請求項1に記載の成膜方法。
  3. スズ化合物が、式(II):(RSn(OR(式(II)中、RはC1〜C6アルキル基を表し、RはC1〜C6アルキル基又はC1〜C6アルキルカルボニル基を表す。)で表されるスズ化合物、若しくは塩化スズ化合物である請求項1又は2に記載の成膜方法。
  4. 前記凹凸が、針状突起、柱状突起、縦穴、細孔、又は溝からなるものである請求項1〜3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 段差被覆率が60%〜120%になるように、前記ITO導電膜を成膜する請求項1〜4のいずれかに記載の成膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020011858A (ja) * 2018-07-17 2020-01-23 トヨタ自動車株式会社 成膜方法、及び、半導体装置の製造方法

Cited By (1)

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JP2020011858A (ja) * 2018-07-17 2020-01-23 トヨタ自動車株式会社 成膜方法、及び、半導体装置の製造方法

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