以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(実施形態1)
図1〜図19を参照して、本発明の実施形態1に係るロボット1について説明する。図1は、実施形態1に係るロボット1を正面側から示す斜視図である。図2は、ロボット1を背面側から示す斜視図である。図3は、ロボット1を示す側面図である。
図1〜図3に示すように、ロボット1は、走行面を走行する。走行面は、金属により形成される。走行面は、例えば、床面、斜面、壁面、及び天面を含む。ロボット1は、操作者によって遠隔操作される。
具体的には、ロボット1は、ボディー3と、一対の駆動回転部5と、一対の従動回転部7と、一対の連結部9とを備える。一対の従動回転部7は、一対の駆動回転部5に対応して設けられている。
ボディー3は、駆動部11と、バッテリー13と、制御部15と、撮像部17と、第1ベース19と、第2ベース21とを含む。駆動部11は、回転軸線A1上に配置された一対の軸22を含む。
駆動回転部5の各々は、駆動回転体25と、複数の磁石31(駆動回転体用磁石)とを含む。駆動回転体25は、基部27と、複数の凸部29とを含む。実施形態1では、駆動回転部5の各々において、8個の磁石31と、8個の凸部29とが設けられる。
従動回転部7の各々は、オムニホイールであり、従動回転体35と、支持部37(従動回転体支持部)とを含む。支持部37は、複数の回転体39(旋回用回転体)を含む。実施形態1では、従動回転部7の各々において、12個の回転体39が設けられる。連結部9の各々は、回転軸線A2上に配置された軸51を含む。
引き続き、図1〜図3を参照して、ロボット1の各構成について説明する。
まず、ボディー3について説明する。制御部15は、駆動部11及び撮像部17を制御する。
駆動部11は、駆動力を発生し、駆動回転体25の各々に対して、駆動力を個別に伝達する。従って、ロボット1の駆動方式は二輪駆動である。具体的には、軸22が回転すると、駆動回転体25は、回転軸線A1の回りに回転する。
撮像部17は、第1方向D1(以下、「方向D1」と記載する。)におけるボディー3の後端側上方に配置される。そして、撮像部17は、一対の駆動回転体25を視界に入れつつ、方向D1におけるボディー3の前方を俯瞰するように、ボディー3の前方を撮像する。撮像部17は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー、又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーを含む。
バッテリー13は、制御部15に所定電圧を供給する。第1ベース19は平板状である。第1ベース19には、駆動部11及びバッテリー13が配置される。第2ベース21は平板状である。実施形態1では、第2ベース21は基板である。第2ベース21には、制御部15が配置される。
次に、駆動回転部5について説明する。一対の駆動回転体25は、ボディー3を挟むように配置され、ボディー3を支持する。一対の駆動回転体25の各々は、駆動部11から個別に伝達される駆動力によって、回転軸線A1の回りに回転して、走行面を転動する。
複数の凸部29は、基部27から放射状に延びる。複数の凸部29の先端は、一定間隔で円周上に配置される。実施形態1では、凸部29は棒状である。複数の磁石31は、それぞれ、複数の凸部29の先端に固定される。従って、駆動回転体25が走行面を転動すると、磁石31の各々は、走行面に順次当接する。磁石31は、走行面に当接すると、走行面に吸着するので、ロボット1は、走行面に吸着されつつ移動する。磁石31は、実施形態1では、円筒状又は円柱状である。磁石31は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。
次に、従動回転部7について説明する。従動回転体35は、連結部9によって、ボディー3に連結される。そして、従動回転体35は、ボディー3に従動して、回転軸線A2の回りに回転し、走行面を転動する。実施形態1では、従動回転体35は、円板状又は円柱状である。なお、従動回転体35には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。
複数の回転体39は、従動回転体35の外周に沿って配置される。回転体39の各々は磁石を含む。磁石は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。実施形態1では、回転体39は、円筒状又は円柱状であり、磁石により形成される。複数の回転体39のサイズは、互いに略同一であり、複数の回転体39の磁力は、互いに略同一である。実施形態1では、1個の回転体39の磁力は、1個の磁石31の磁力よりも小さい。従って、従動回転体35が走行面を円滑に転動できる。
従動回転体35が走行面を転動すると、回転体39の各々は、走行面に順次当接する。回転体39は、磁石を含むため、走行面に当接すると、走行面に吸着する。従って、ロボット1は、走行面に吸着されつつ移動する。
従動回転体35は、ボディー3が回転することを防止する。すなわち、ロボット1の駆動方式は二輪駆動であるため、駆動回転体25に伝達される駆動力による反作用が発生する。そこで、反作用によってボディー3が回転しないように、従動回転体35は、反作用を支持する。その結果、ボディー3が回転することなく、駆動回転体25が、回転して、走行面を転動する。
次に、ロボット1の直進について説明する。駆動回転体25及び従動回転体35が走行面を転動することによって、ロボット1は、走行面に吸着されつつ、方向D1又は第2方向D2(以下、「方向D2」と記載する。)に移動する。なお、方向D1及び方向D2は、駆動回転体25の回転軸線A1に略直交し、走行面に略平行である。方向D1と方向D2とは互いに逆向きである。方向D1を前進方向と記載し、方向D2を後進方向と記載する場合がある。従動回転体35の回転軸線A2は、回転軸線A1と異なる位置に位置し、回転軸線A1に略平行である。また、従動回転部7の直径は駆動回転部5の直径よりも小さい。具体的には、従動回転体35の中心から回転体39の先端までの長さ(つまり、従動回転部7の半径)は、駆動回転体25の中心から磁石31の先端までの長さ(つまり、駆動回転部5の半径)よりも短い。さらに、従動回転体35の直径は駆動回転体25の直径よりも小さい。
次に、ロボット1の旋回について説明する。従動回転部7の各々において、支持部37は、ボディー3が旋回可能なように、従動回転体35を支持する。その結果、ロボット1は旋回可能である。
すなわち、支持部37の複数の回転体39は、それぞれ、複数の回転軸線A3の回りに回転自在であり、ボディー3を旋回させる。その結果、ロボット1は旋回する。なお、図3では、図面の簡略化のため、1本の回転軸線A3を示している。また、互いに隣接する回転体39の回転軸線A3は交差する。
具体的には、回転軸線A3は、回転軸線A2に対して間隔をおいて配置され、回転軸線A2に非平行である。換言すれば、回転軸線A3は回転軸線A2に立体交差する。更に換言すれば、回転軸線A3は回転軸線A2に対して間隔をおいて配置され、従動回転体35を特定の方向から見たときに、回転軸線A3は回転軸線A2に交差している。実施形態1では、特定の方向は、従動回転体35の半径方向を示す。更に具体的には、実施形態1では、回転軸線A3は回転軸線A2に対して間隔をおいて配置され、従動回転体35を特定の方向から見たときに、回転軸線A3は回転軸線A2に略直交する。
従って、走行面に当接した回転体39が回転すると、従動回転体35は、第3方向D3(以下、「方向D3」と記載する。)又は第4方向D4(以下、「方向D4」と記載する。)に移動する。その結果、駆動回転体25及び従動回転体35が回転しつつ、回転体39が回転すると、ボディー3は旋回する。つまり、ロボット1が旋回する。なお、方向D3及び方向D4は、回転軸線A2及び走行面に略平行であり、方向D1及び方向D2に略直交する。方向D3と方向D4とは互いに逆向きである。なお、回転体39には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。
以上、図1〜図3を参照して説明したように、実施形態1によれば、一対の駆動回転体25の各々は、駆動部11から個別に伝達される駆動力によって、走行面を転動する。つまり、駆動方式が二輪駆動である。加えて、支持部37は、ボディー3が旋回可能なように、従動回転体35を支持する。従って、ロボット1は、4輪駆動のロボットと比較して、小さな旋回半径で旋回できる。つまり、ロボット1は小回りが利く。例えば、ロボット1は、旋回半径が0となるように旋回することができる。つまり、ロボット1は、自転できる。旋回半径とは、旋回中心とロボット1の重心との間の距離のことである。
ロボット1は、小回りが利くため、走行面に複数の回避対象が存在する場合でも、各回避対象を容易に回避できる。つまり、駆動回転体25及び従動回転体35は、回避対象と回避対象との間を容易にすり抜けることができる。例えば、走行面に複数のボルト部が存在する場合でも、各ボルト部を容易に回避できる。つまり、駆動回転体25及び従動回転体35は、ボルト部とボルト部との間を容易にすり抜けることができる。また、ロボット1は小回りが利くため、操作者は、遠隔操作によって、ロボット1の進行方向を容易に変更できる。従って、操作者は、ロボット1に、回避対象を容易に回避させることができる。つまり、操作者は、駆動回転体25及び従動回転体35に、回避対象と回避対象との間を容易にすり抜けさせることができる。
また、実施形態1によれば、ロボット1は、磁石31によって、走行面に吸着しながら移動する。従って、走行面が、床面の場合だけでなく、斜面、壁面、又は天面であっても、ロボット1は、落下を抑制しつつ、走行面を移動できる。例えば、ロボット1は、床面から鋼橋の壁面に移動したり、鋼橋の壁面を上昇したり、鋼橋の壁面から天面に移動したりすることができる。例えば、ロボット1は、鋼橋の天面を移動したり、鋼橋の天面から壁面に移動したり、鋼橋の壁面を下降したり、鋼橋の壁面から床面に移動したりできる。鋼橋の天面は、鋼橋の下方に位置する者から鋼橋を見たときの鋼橋外部の底面若しくは下面又は鋼橋内部の底面若しくは下面を示す。また、ロボット1は、走行面に吸着しながら移動できることに加えて、小回りが利く。従って、例えば、ロボット1は、鋼橋の天面に複数のボルト部が存在する場合でも、各ボルト部を容易に回避しながら、落下を抑制しつつ、天面を移動できる。つまり、ロボット1は、鋼橋の天面を点検する際に、好適に使用できる。
さらに、実施形態1によれば、回転体39が磁石を含むため、ロボット1は、磁石31の磁力だけでなく、回転体39の磁力によっても、走行面に吸着する。従って、ロボット1が、壁面又は天面を移動する際に、落下することを更に抑制できる。
なお、従動回転部7が壁面又は天面上の回避対象(例えば、ボルト部)に乗り上げたとしても、駆動回転部5が回避対象を回避して、磁石31が壁面又は天面に吸着している限り、ロボット1の落下を抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、複数の回転体39を従動回転体35の外周に沿って配置している。つまり、従動回転部7としてオムニホイールを採用している。従って、簡素な構成により、従動回転体35を方向D4又は方向D3に移動できる。その結果、簡素な構成により、ロボット1を旋回させることができる。また、ロボット1は、従動回転部7としてオムニホイールを採用しているため、機敏に旋回を開始できる。また、従動回転体35の軸51の向きは、連結部9に対して変化しないため、従動回転体35のぐらつきを抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、駆動方式が二輪駆動であるため、四輪駆動と比較して、駆動源及びギアを削減できる。従って、ロボット1を軽量化できる。ロボット1を軽量化できるため、壁面又は天面のような走行面を移動する際に、ロボット1の落下を更に抑制できる。また、駆動回転体25は、リムを有しないため、ロボット1を更に軽量化できる。さらに、従動回転部7の直径は駆動回転部5の直径よりも小さいため、ロボット1を更に軽量化できる。
さらに、実施形態1によれば、駆動回転部5の半径は、走行面上の回避対象の高さよりも大きい。従って、ロボット1は回避対象を跨ぐことができ、駆動回転部5が回避対象に乗り上げることを抑制できる。その結果、磁石31が走行面に良好に吸着するため、走行面が壁面又は天面である場合に、ロボット1の落下を更に抑制できる。例えば、駆動回転部5の半径は、回避対象の高さのj倍の大きさである。jは、例えば、2以上である。なお、回避対象の高さは、走行面に対する回避対象の高さを示す。
さらに、実施形態1によれば、一対の駆動回転体25に対応して、一対の従動回転体35が設けられる。従って、1個の従動回転体35を設ける場合と比較して、走行面に当接する回転体39の数を増加できる。その結果、ロボット1の走行面への吸着力を大きくでき、ロボット1の落下を更に抑制できる。また、一対の従動回転体35が一対の駆動回転体25に対応しているため、1個の従動回転体35を設ける場合と比較して、走行面上の回避対象を回避するための操作が容易になる。
次に、連結部9について説明する。一対の連結部9は、一対の従動回転体35に対応して設けられ、一対の従動回転体35の一方と他方との間に配置される。連結部9は、ボディー3に固定され、方向D1におけるボディー3の後端部から後方に延びている。そして、連結部9は、ボディー3と従動回転体35とを連結し、従動回転体35を回転軸線A2の回りに回転自在に支持する。具体的には、従動回転体35は、軸51を回転中心として、回転自在である。
次に、図4及び図5を参照して、連結部9について説明する。図4は、連結部9及び従動回転部7を示す斜視図である。図5(a)及び図5(b)は、連結部9及び従動回転部7を示す側面図である。
図4に示すように、連結部9は、第1リンク部材45と、第2リンク部材47と、伸縮機構49と、軸51と、軸53と、軸55と、軸57とを含む。
第1リンク部材45の先端部と第2リンク部材47の一方端部とは、軸53によって回転自在に連結される。第1リンク部材45の基端部は、ボディー3の第1ベース19に固定される。第2リンク部材47の他方端部と従動回転体35とは、軸51によって回転自在に連結される。第2リンク部材47と伸縮機構49の一方端部とは、軸55によって回転自在に連結される。軸55は、軸51と軸53との間に配置される。伸縮機構49の他方端部と第1リンク部材45とは、軸57によって連結される。軸57は、第1リンク部材45の基端側下部に配置される。
伸縮機構49は、弾性を有し、回転軸線A2に交差する方向に沿って伸縮する。実施形態1では、伸縮機構49は、回転軸線A2に略直交する方向に沿って伸縮する。具体的には、伸縮機構49は、弾性体とダンパーとを含む。弾性体の弾性力は、伸縮機構49が縮むように、伸縮機構49に作用している。伸縮機構49は、弾性体の弾性力に抗して、伸びることが可能である。ダンパーは、弾性体の振動を減衰させる。
図5(a)は、最小長の伸縮機構49を示す。従って、伸縮機構49は縮んでいる。図5(b)は、最大長の伸縮機構49を示す。従って、伸縮機構49は伸びている。伸縮機構49は、最小長と最大長との間で、伸縮自在である。その結果、ロボット1は、方向D1又は方向D2に伸縮自在である。
次に、図6を参照して、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際の伸縮機構49の動作について説明する。図6は、天面TSから壁面WSへ移動するロボット1を示す図である。天面TS及び壁面WSは、走行面の一例である。
図6に示すように、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際は、まず、磁石31が壁面WSに当接する。そして、ロボット1は、駆動回転体25の回転に伴って、天面TSから離間し、壁面WSに移動して、壁面WSを下降方向DDに移動する。
具体的には、天面TSと壁面WSとが交差する直角部の近傍では、従動回転部7が天面TSと壁面WSとから同時に離間しないように、ロボット1は動作する。
すなわち、複数の回転体39のうちのいずれかの回転体39が磁石によって天面TSに吸着しているため、駆動回転体25が直角部の近傍で下降方向DDに転動した場合、伸縮機構49が伸びる。従って、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際は、従動回転部7は、天面TSに吸着しつつ、壁面WSに向かって転動する。そして、いずれかの回転体39が壁面WSに当接した後に、つまり、いずれかの回転体39が磁石によって壁面WSに吸着した後に、駆動回転体25の下降方向DDへの転動に伴って、従動回転部7は、天面TSから離間する。
従って、実施形態1によれば、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際に、従動回転部7が天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。つまり、伸縮機構49を設けることによって、従動回転部7は、少なくとも、天面TSと壁面WSとのいずれかに吸着している。その結果、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際に、ロボット1が落下することを抑制できる。
また、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際にも、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際と同様に、伸縮機構49によって、従動回転部7が天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際に、ロボット1が落下することを抑制できる。
なお、仮に、ロボット1が伸縮機構49を有しない場合は、従動回転部7は、軌跡TJ上を移動する。従って、ロボット1の移動中に、従動回転部7が、天面TSと壁面WSとから同時に離間する時がある。ただし、回転体39を磁力の大きな磁石で形成することにより、ロボット1の落下を抑制できる。
次に、図7を参照して、ロボット1の壁面WS上での移動について説明する。
図7(a)は、壁面WSを上昇するロボット1を示す図である。図7(a)に示すように、ロボット1は、壁面WSを上昇方向UDに上昇する際、磁石31と壁面WSとの当接点を支点SPとして、重力Gによるモーメントを受ける。ロボット1は、重力Gによるモーメントを、力FNによるモーメントによって支える。その結果、ロボット1は、壁面WSから転落することなく、壁面WSを上昇方向UDに上昇できる。力FNは、従動回転部7が壁面WSから受ける力を示す。
図7(b)は、壁面WSを下降するロボット1を示す図である。図7(b)に示すように、ロボット1は、壁面WSを下降方向DDに移動する際、磁石31と壁面WSとの当接点を支点SPとして、重力Gによるモーメントを受ける。ロボット1は、重力Gによるモーメントを、吸着力FMによるモーメントによって支える。
その結果、実施形態1によれば、ロボット1は、壁面WSから転落することなく、壁面WSを下降方向DDに移動できる。吸着力FMは、回転体39の磁力による吸着力を示す。
また、実施形態1によれば、撮像部17は、ロボット1の上昇時では、上昇方向UDを向いているし、ロボット1の下降時では、下降方向DDを向いている。つまり、撮像部17は、上昇時であっても、下降時であっても、進行方向を向いている。従って、操作者は、上昇時と下降時とで、同様の操作でロボット1を移動できる。
なお、仮に、回転体39が磁石を含まない場合、ロボット1の下降時に、重力Gによるモーメントを支えることができない。ただし、従動回転部7が駆動回転部5の下方に位置するように、ロボット1の向きを変更することによって、従動回転部7は、重力Gによるモーメントを支えることができる。その結果、ロボット1の落下を抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、ロボット1の向きを変更することなく、ロボット1の落下を抑制しつつ下降できる。また、撮像部17は、進行方向、つまり、下降方向DDを向いているため、ロボット1の操作が容易である。
なお、ロボット1の向きを変更して下降する場合、撮像部17は、進行方向と逆を向くため、ロボット1の操作の難易度が高くなる。ただし、撮像部17を180度回転させることによって、撮像部17が進行方向を向くように制御することができる。
さらに、実施形態1によれば、撮像部17を回転させなくてもよいため、ロボット1の操作が容易である。また、撮像部17を回転させる機構が不要であり、ロボット1を更に軽量化できる。
次に、図8を参照して、駆動部11について説明する。図8は、ロボット1を示す平面図である。図8に示すように、駆動部11は、一対の駆動回転体25の各々に対応して、駆動源としてのモーター61と、ギア63と、ギア65と、ギア列67と、ギア69と、ギア71と、軸22とを含む。モーター61は軸62を含む。
一対の駆動回転体25のうちの一方を駆動するモーター61は、回転軸線A1よりも、方向D1におけるボディー3の後方に配置される。一対の駆動回転体25のうちの他方を駆動するモーター61は、回転軸線A1よりも、方向D1におけるボディー3の前方に配置される。その結果、ロボット1の重量のバランスを良好にできる。
モーター61は軸62を回転させる。その結果、軸62の回転力、つまり、モーター61の駆動力は、ギア63、ギア65、ギア列67、ギア69、ギア71、及び軸22に伝達される。その結果、軸22が回転して、駆動回転体25が回転する。
ロボット1は、駆動回転体25の回転と、従動回転体35の回転とによって、方向D1又は方向D2に移動できる。加えて、回転体39の回転による方向D3又は方向D4への従動回転体35の移動によって、ロボット1は、第1旋回方向d1又は第2旋回方向d2に旋回できる。
ロボット1の重心GCは、回転軸線A1上において、一対の駆動回転体25の中点に位置する。従って、例えば、ロボット1が天面を走行する場合に、天面に当接している磁石31を支点とするモーメントによるロボット1の回転を抑制できる。その結果、ロボット1が天面から落下することを更に抑制できる。なお、重心GCが、回転軸線A1上において、一対の駆動回転体25の中点に位置するように、バッテリー13及び駆動部11が配置される。
次に、図9を参照して、ロボット1の電気的構成について説明する。図9は、ロボット1の電気的構成を示す図である。図9に示すように、ロボット1は、バッテリー13と、制御部15と、撮像部17と、モーター61とを備える。制御部15は、コントローラー75と、電源回路77と、通信部79と、一対のモータードライバー81とを含む。一対のモータードライバー81は、一対のモーター61に対応して設けられる。
コントローラー75は、撮像部17、通信部79、及びモータードライバー81を制御する。具体的には、コントローラー75は、プロセッサーと、記憶装置とを含む。プロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、撮像部17、通信部79、及びモータードライバー81を制御する。プロセッサーは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。記憶装置は、例えば、半導体メモリーである。
モータードライバー81は、コントローラー75によって制御され、モーター61を駆動する。つまり、コントローラー75は、モータードライバー81を介して、モーター61を制御する。モーター61は、例えば、直流モーターである。
通信部79は、アンテナを有し、ネットワークと無線接続される。そして、通信部79は、コントローラー75によって制御され、操作装置と通信する。つまり、コントローラー75は、通信部79を介して、操作装置と通信する。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、及び公衆通信網を含む。
例えば、コントローラー75は、通信部79を介して、撮像部17によって出力された映像データを、操作装置に送信する。例えば、コントローラー75は、通信部79を介して、操作装置によって送信された操作情報を受信する。そして、コントローラー75は、操作情報に基づいて、モータードライバー81を介して、モーター61を制御する。
電源回路77は、バッテリー13から供給された所定電圧に基づいて、電源電圧Vccを生成する。そして、電源回路77は、電源電圧Vccを、コントローラー75、撮像部17、通信部79、及びモータードライバー81に供給する。
次に、図8及び図9を参照して、コントローラー75によるロボット1の制御について説明する。図8及び図9に示すように、コントローラー75は、一対のモーター61を制御して、一対の駆動回転体25の回転方向と回転速度とを制御する。その結果、コントローラー75は、ロボット1を、直進させたり、旋回させたりすることができる。
例えば、コントローラー75は、モーター61を制御して、一対の駆動回転体25のうちの一方の駆動回転体25を時計回りに回転させるとともに、他方の駆動回転体25を反時計回りに回転させる。加えて、コントローラー75は、モーター61を制御して、一方の駆動回転体25の回転速度の大きさと他方の駆動回転体25の回転速度の大きさとを略同一にする。その結果、ロボット1は、旋回半径が0になるように、旋回する。
例えば、コントローラー75は、モーター61を制御して、一方の駆動回転体25を停止させるとともに、他方の駆動回転体25を時計回り又は反時計回りに回転させる。その結果、ロボット1は、停止している駆動回転体25と走行面との当接点を旋回中心として旋回する。
例えば、コントローラー75は、モーター61を制御して、一対の駆動回転体25の双方を時計回り又は反時計回りに回転させる。加えて、コントローラー75は、モーター61を制御して、一方の駆動回転体25の回転速度の大きさと他方の駆動回転体25の回転速度の大きさとを異ならせる。その結果、ロボット1は、旋回半径が0より大きくなるように、旋回する。この場合、一対の駆動回転体25の回転速度の大きさの差が大きいほど、旋回半径は小さくなり、一対の駆動回転体25の回転速度の大きさの差が小さいほど、旋回半径は大きくなる。
例えば、コントローラー75は、モーター61を制御して、一対の駆動回転体25の双方を時計回り又は反時計回りに回転させる。加えて、コントローラー75は、モーター61を制御して、一方の駆動回転体25の回転速度の大きさと他方の駆動回転体25の回転速度の大きさとを略同一にする。その結果、ロボット1は、直進する。
以上、図8及び図9を参照して説明したように、実施形態1によれば、コントローラー75は、ロボット1を、任意の方向に直進させたり、任意の旋回半径で任意の方向に旋回させたりすることができる。従って、操作者は、操作装置を介して操作情報をコントローラー75に送信することによって、ロボット1を、所望の方向に直進させたり、所望の旋回半径で所望の方向に旋回させたりすることができる。また、コントローラー75は、モーター61を制御して、駆動回転体25の回転速度、ひいては、ロボット1の速度を制御できる。従って、操作者は、操作装置を介して操作情報をコントローラー75に送信することによって、ロボット1の速度を制御できる。さらに、操作者は、撮像部17が出力した映像データを操作装置によって受信し、映像データに基づく映像を操作装置のディスプレイで見ながら、ロボット1を操作できる。
さらに、実施形態1によって提供するロボット1は、例えば、橋梁箱桁内において壁面に取り付けたロボット1が壁面に沿って天面に移動し、ボルト群のような回避対象を通り抜けながら検査を行い、検査後は天面から壁面に移って下降して、点検員の手元まで戻ってくる。また、撮像部17を設けたので、撮像部17の映像を操作装置に送信して、例えば、橋梁壁面の亀裂及び腐食を見つけ出す検査業務を行うことが可能である。さらに、ロボット1を小型軽量にできるため、ロボット1を狭い走行面に容易に進入させることができる。さらに、磁石31を有する駆動回転部5を設けたため、例えば、鋼製橋梁壁面における任意の場所に移動することができる。さらに、床面、壁面、及び天面における往来が可能なため、例えば、橋梁下部の立体空間内の広域を移動可能である。なお、橋梁検査用以外でも、例えば、鉄塔など、ボルトがあって走行しにくい場所で、ロボット1を有効に活用できる。
なお、図面の簡略化のため、図1〜図3では、バッテリー13、制御部15、及び撮像部17を二点鎖線で示し、図6では、撮像部17を省略し、図8では、制御部15を省略している。また、床面は、重力方向に略直交し、重力方向と反対方向を向いている面を示す。壁面は、重力方向に略平行な面を示す。天面(例えば、天井)は、重力方向に略直交し、重力方向を向いている面を示す。
(実施形態2)
図10〜図15を参照して、本発明の実施形態2に係るロボット1について説明する。図10は、ロボット1を正面側から示す斜視図である。図11は、ロボット1を示す側面図である。図10及び図11に示すように、実施形態2に係るロボット1は、実施形態1に係るロボット1(図1)の一対の従動回転部7及び一対の連結部9に代えて、一対の従動回転部7A及び一対の連結部9Aを備える。また、実施形態2では、撮像部17は、方向D1におけるボディー3の前端部に配置される。実施形態2に係るロボット1のその他の構成は、実施形態1に係るロボット1のその他の構成と同様であり、説明を省略する。以下、主に、実施形態2が実施形態1と異なる点を説明する。
図10及び図11に示すように、一対の駆動回転部5に対応して、一対の従動回転部7Aが設けられている。従動回転部7Aの各々は、従動回転体35Aと、支持部37A(従動回転体支持部)と、支持部87と、第1回転体R1とを含む。例えば、従動回転体35Aと支持部37Aとは、キャスターを構成する。支持部37Aは、回動部85と、回動軸線B上に配置された軸86とを含む。軸86は、連結部9Aと回動部85とに跨って配置される。回動部85は、回転軸線A4上に配置された軸82を含む。支持部87は、回転軸線A5上に配置された軸84を含む。
引き続き、図10及び図11を参照して、まず、従動回転体35Aについて説明する。従動回転体35Aは、連結部9Aによって、支持部37Aを介して、ボディー3に連結される。従動回転体35Aは、軸82を回転中心として、回転自在である。そして、従動回転体35Aは、走行面RSに当接すると、ボディー3に従動して、回転軸線A4の回りに回転し、走行面RSを転動する。走行面RSは金属により形成される。走行面RSは、例えば、床面、壁面、斜面、及び天面を含む。
従動回転体35Aは磁石を含む。磁石は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。実施形態2では、従動回転体35Aは、円筒状、円柱状、又は円板状であり、磁石により形成される。従動回転体35Aは、磁石を含むため、走行面RSに当接すると、走行面RSに吸着する。従って、ロボット1は、走行面RSに吸着されつつ移動する。
次に、第1回転体R1について説明する。第1回転体R1は、従動回転体35Aに対して離間して配置される。第1回転体R1は磁石を含む。磁石は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。実施形態2では、第1回転体R1は、円筒状、円柱状、又は円板状であり、磁石により形成される。
第1回転体R1は、天面と壁面とが交差する直角部をロボット1が移動する際に、天面又は壁面に当接する。又は、第1回転体R1は、床面と壁面とが交差する直角部をロボット1が移動する際に、床面又は壁面に当接する。
第1回転体R1は、軸84を回転中心として、回転自在である。そして、第1回転体R1は、走行面RSに当接すると、ボディー3に従動して、回転軸線A5の回りに回転し、走行面RSを転動する。第1回転体R1の回転軸線A5は従動回転体35Aの回転軸線A4に略平行である。第1回転体R1は、磁石を含むため、走行面RSに当接すると、走行面RSに吸着する。従って、ロボット1は、走行面RSに吸着されつつ移動する。
なお、従動回転体35A及び第1回転体R1には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。また、従動回転体35A及び第1回転体R1は、走行面RSに当接しているときは、実施形態1の従動回転体35と同様に、駆動回転体25に伝達される駆動力による反作用によってボディー3が回転しないように、反作用を支持する。さらに、従動回転体35A及び第1回転体R1の各々の直径は、駆動回転体25の直径よりも小さい。実施形態2では、従動回転体35Aの直径と第1回転体R1の直径とは、略同一であり、従動回転体35Aの磁力と第1回転体R1の磁力とは、略同一である。なお、回転軸線A4は、回転軸線A1及び回転軸線A5と異なる位置に位置し、回転軸線A5は、回転軸線A1及び回転軸線A4と異なる位置に位置する。
次に、支持部87及び連結部9Aについて説明する。支持部87は、回動部85から延設される。具体的には、支持部87は、磁石31と従動回転体35Aとが当接している走行面RSから離れるように、回動部85から斜め上方に延びている。支持部87は、第1回転体R1を回転軸線A5の回りに回転自在に支持する。一対の連結部9Aは、一対の従動回転部7Aに対応して設けられる。連結部9Aは、ボディー3に固定され、方向D1におけるボディー3の後端部から後方に延びている。そして、連結部9Aは、支持部37Aを介して、ボディー3と従動回転体35Aとを連結する。
次に、ロボット1の直進について説明する。駆動回転体25、並びに、従動回転体35又は第1回転体R1が走行面RSを転動することによって、ロボット1は、走行面RSに吸着されつつ、方向D1に移動する。
次に、図11及び図12を参照して、ロボット1の旋回及び支持部37Aについて説明する。図11に示すように、支持部37Aの回動部85は、回動軸線B上に配置された軸86を回動中心として回動する。具体的には、回動部85は、回動軸線Bの回りに回動する。
回動部85の回動軸線Bは、回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、回転軸線4Aに非平行である。換言すれば、回動軸線Bは回転軸線A4に立体交差する。更に換言すれば、回動軸線Bは回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、従動回転部7Aを特定の方向から見たときに、回動軸線Bは回転軸線A4に交差している。実施形態2では、特定の方向は方向D1を示す。更に具体的には、実施形態2では、回動軸線Bは回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、従動回転部7Aを特定の方向から見たときに、回動軸線Bは回転軸線A4に略直交する。
また、回動部85は、従動回転体35Aが回転軸線A4の回りに回転自在なように、従動回転体35Aを支持する。なお、回動部85には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。従って、回動部85は回動自在である。例えば、一対の回動部85のうちの一方と他方とは、一対の支持部87のうちの一方と他方とが互いに干渉しない限り、互いに拘束されることなく回動自在である。
図12は、ロボット1を示す平面図である。図12に示すように、従動回転部7Aの各々において、支持部37Aは、ボディー3が旋回可能なように、従動回転体35Aを支持する。その結果、ロボット1は、第1旋回方向d1又は第2旋回方向d2に旋回可能である。
具体的には、回動部85は、回動軸線Bの回りに、時計回り方向CA又は反時計回り方向CBに回動自在である。回動部85が回動すると、回転軸線A4の方向が変化する。つまり、回動部85が回動すると、回転軸線A4が、回動軸線Bの回りに回動する。従って、従動回転体35Aが転動する方向も変化する。
ロボット1は、回動部85の回動による回転軸線A4の方向の変化に応じて、従動回転体35Aの転動と駆動回転体25の転動とによって、第1旋回方向d1又は第2旋回方向d2に旋回できる。つまり、ロボット1の移動に合わせて、従動回転体35Aが最適な方向を向くため、ロボット1は旋回できる。
以上、図10〜図12を参照して説明したように、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、駆動方式が二輪駆動である。加えて、支持部37Aは、ボディー3が旋回可能なように、従動回転体35Aを支持する。従って、実施形態2に係るロボット1は、実施形態1と同様に、小さな旋回半径で旋回でき、小回りが利く。そして、実施形態2は、小回りが利くことに起因する実施形態1と同様の効果を有する。
また、実施形態2によれば、ロボット1は、磁石31によって、走行面RSに吸着しながら移動する。従って、走行面RSが、床面の場合だけでなく、斜面、壁面、又は天面であっても、ロボット1は、落下を抑制しつつ、走行面RSを移動できる。さらに、実施形態2は、磁石31に起因する実施形態1と同様の効果を有する。
さらに、実施形態2によれば、従動回転体35Aが磁石を含むため、ロボット1は、磁石31の磁力だけでなく、従動回転体35Aの磁力によっても、走行面RSに吸着する。従って、ロボット1が、壁面又は天面を移動する際に、落下することを更に抑制できる。
なお、従動回転部7Aが壁面又は天面上の回避対象(例えば、ボルト部)に乗り上げたとしても、駆動回転部5が回避対象を回避して、磁石31が壁面又は天面に吸着している限り、ロボット1の落下を抑制できる。
また、実施形態2によれば、従動回転体35Aは、円筒状、円柱状、又は円板状の磁石により形成される。従って、従動回転体35Aが走行面RSを転動する際に、常に磁石が走行面RSに当接しているため、従動回転体35Aは、一定の磁力で走行面RSに吸着している。その結果、例えば、走行面RSが壁面又は天面であっても、ロボット1を安定して、走行面RSに吸着させることができる。
さらに、実施形態2によれば、ロボット1が一定の走行面RS(例えば、床面だけ、壁面だけ、天面だけ)を移動する際は、磁石31及び従動回転体35Aだけが走行面RSに当接し、第1回転体R1は走行面RSから離間している。従って、ロボット1は、適度な吸着力で走行面RSに吸着し、円滑に走行面RSを移動できる。
さらに、実施形態2によれば、回動部85は、回動軸線Bの回りに回動自在であり、従動回転体35Aは、回動部85において回転軸線A4の回りに回転自在に支持される。つまり、従動回転部7Aは、キャスターを含んでいる。従って、簡素な構成により、ロボット1の移動に応じて、従動回転体35Aの回転軸線A4の方向を変更できる。その結果、簡素な構成により、ロボット1を旋回させることができる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、駆動方式が二輪駆動であるため、ロボット1を軽量化できる。その他、実施形態2では、ロボット1の軽量化に関し、実施形態1と同様の効果を有する。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、駆動回転部5の半径は走行面RS上の回避対象の高さよりも大きいため、ロボット1は回避対象を跨ぐことができ、駆動回転部5が回避対象に乗り上げることを抑制できる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、一対の駆動回転体25に対応して、一対の従動回転体35Aが設けられる。従って、ロボット1の落下を更に抑制できるとともに、走行面RS上の回避対象を回避するための操作が容易になる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、ロボット1は、壁面を下降する際に、従動回転体35Aの磁力による吸着力FMによって、重力Gによるモーメントを支える。その結果、ロボット1は、壁面から転落することなく、壁面を下降できる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、撮像部17は、壁面の上昇時であっても、壁面の下降時であっても、進行方向を向く。従って、操作者は、上昇時と下降時とで、同様の操作でロボット1を移動できる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、ロボット1の重心GCは、回転軸線A1上において、一対の駆動回転体25の中点に位置する。その結果、ロボット1が天面から落下することを更に抑制できる。
さらに、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、コントローラー75によって、ロボット1を、任意の方向に直進させたり、任意の旋回半径で任意の方向に旋回させたりすることができる。また、コントローラー75によって、ロボット1の速度を制御できる。さらに、操作者は、撮像部17が出力した映像データに基づく映像を操作装置のディスプレイで見ながら、ロボット1を操作できる。その他、実施形態2では、実施形態1と同様の効果を有する。
次に、図13及び図14を参照して、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動するときのロボット1の動作について説明する。天面TS及び壁面WSは走行面RSの一例である。図13(a)〜図13(c)並びに図14(a)及び図14(b)は、ロボット1の動作を示す図である。
図13(a)に示すように、ロボット1は、天面TSを壁面WSに向かって、天面TSに吸着しつつ、水平方向HDに移動する。具体的には、磁石31及び従動回転体35Aが天面TSに当接しながら、駆動回転体25及び従動回転体35Aが天面TSを転動して、ロボット1が水平方向HDに移動する。そして、磁石31が壁面WSに当接する。その後、駆動回転体25は、磁石31を壁面WSに当接させながら、下降方向DDに壁面WSを転動する。
そして、図13(b)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、第1回転体R1が天面TSに当接する。第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が天面TSに当接しているため、第1回転体R1及び従動回転体35Aが天面TSを転動する。
そして、図13(c)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aは、天面TSから離間する。その結果、第1回転体R1だけが、天面TSに当接し、天面TSを転動する。
そして、図14(a)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aが壁面WSに当接する。その結果、第1回転体R1が、天面TSに当接しつつ、天面TSを転動するとともに、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。
そして、図14(b)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、第1回転体R1が天面TSから離間する。その結果、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。その結果、ロボット1は、壁面WSを下降方向DDに移動する。
以上、図13及び図14を参照して説明したように、実施形態2によれば、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、従動回転体35Aが壁面WSに当接した後に、第1回転体R1が天面TSから離間する。つまり、第1回転体R1及び支持部87を設けることによって、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際に、磁石による吸着力の低下によって、ロボット1が落下することを抑制できる。
また、実施形態2によれば、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際は、従動回転体35Aが天面TSに当接した後に、第1回転体R1が壁面WSから離間する。つまり、第1回転体R1及び支持部87を設けることによって、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際に、磁石による吸着力の低下によって、ロボット1が落下することを抑制できる。
なお、仮に、ロボット1が第1回転体R1及び支持部87を有しない場合は、従動回転体35Aを磁力の大きな磁石で形成することにより、ロボット1の落下を抑制できる。
次に、図15を参照して、ロボット1の構造を規定する長さK1、長さK2、及び角度θについて説明する。図15(a)及び図15(b)は、天面TS及び壁面WSに吸着しているロボット1を示す図である。天面TSと壁面WSとは略直交している。
図15(a)に示すように、ロボット1の側面視において、長さK1は、駆動回転体25と従動回転体35Aとの間の長さを示し、長さK2は、従動回転体35Aと第1回転体R1との間の長さを示す。例えば、長さK1は、軸22と軸82との間の長さを示し、長さK2は、軸82と軸84との間の長さを示す。長さLは、軸84と壁面WSとの間の長さを示す。半径Rは、駆動回転部5の半径を示す。具体的には、半径Rは、軸22から磁石31の先端までの長さを示す。
第1回転体R1が天面TSに当接し、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しているときに、長さLが半径Rに等しくなるように(L=R)、長さK1及び長さK2を定めることが好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを更に抑制できる。
また、第1回転体R1が天面TSに当接し、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しているときに、長さLが半径Rよりも長くなるように(L>R)、長さK1及び長さK2を定めることが更に好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを更に抑制できる。
図15(b)に示すように、角度θは、ロボット1の側面視における線分J1に対する線分J2の角度を示す。線分J1は、駆動回転体25と従動回転体35Aとを結ぶ線分を示し、線分J2は、従動回転体35Aと第1回転体R1とを結ぶ線分を示す。例えば、線分J1は、軸22と軸82とを結ぶ線分を示し、線分J2は、軸82と軸84とを結ぶ線分を示す。
角度θは、90度であることが好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを更に抑制できる。
また、角度θは、鈍角であることが更に好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と従動回転体35Aとの双方が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを更に抑制できる。
なお、軸22、軸82、及び軸84を、それぞれ、駆動回転体25の軸22、従動回転体35Aの軸82、及び第1回転体R1の軸84と記載する場合がある。
(実施形態3)
図16〜図21を参照して、本発明の実施形態3に係るロボット1について説明する。図16は、実施形態3に係るロボット1を示す側面図である。図16に示すように、実施形態3に係るロボット1は、実施形態2に係るロボット1(図10及び図11)の一対の従動回転部7Aに代えて、一対の従動回転部7Bを備える。実施形態3に係るロボット1のその他の構成は、実施形態2に係るロボット1のその他の構成と同様であり、説明を省略する。以下、主に、実施形態3が実施形態2と異なる点を説明する。
図16に示すように、ロボット1は、一対の駆動回転体25に対応して、一対の従動回転部7Bを備える。図16は、側面図であるため、一対の駆動回転部5のうちの一方と、一対の従動回転部7Bのうちの一方とが表れている。従動回転部7Bの各々は、実施形態2の従動回転部7Aの構成に加えて、第2回転体R2と、回転軸線A6上に配置された軸89とをさらに含む。軸89は、支持部87に含まれる。
第2回転体R2は、従動回転体35Aと第1回転体R1との間に配置される。そして、支持部87は、第2回転体R2を回転軸線A6の回りに回転自在に支持する。つまり、第2回転体R2は、軸89を回転中心として、回転自在である。
第2回転体R2は磁石を含む。磁石は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。実施形態3では、第2回転体R2は、円筒状、円柱状、又は円板状であり、磁石により形成される。
第2回転体R2は、天面と壁面とが交差する直角部をロボット1が移動する際に、天面又は壁面に当接する。又は、第2回転体R2は、床面と壁面とが交差する直角部をロボット1が移動する際に、床面又は壁面に当接する。なお、天面、床面、及び壁面は、走行面RSの一例である。
第2回転体R2は、走行面RSに当接すると、ボディー3に従動して、回転軸線A6の回りに回転し、走行面RSを転動する。第2回転体R2の回転軸線A6は従動回転体35Aの回転軸線A4に略平行である。第2回転体R2は、磁石を含むため、走行面RSに当接すると、走行面に吸着する。従って、ロボット1は、走行面に吸着されつつ移動する。
引き続き、図16を参照して、従動回転体35Aと第1回転体R1と第2回転体R2とを、相互に関連付けて説明する。
従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2の各々の直径は、駆動回転体25の直径よりも小さい。実施形態3では、従動回転体35Aの直径と第1回転体R1の直径と第2回転体R2の直径とは、略同一である。また、従動回転体35Aの磁力と第1回転体R1の磁力と第2回転体R2の磁力とは、略同一である。
また、従動回転体35Aと第2回転体R2と第1回転体R1とのうち、互いに隣接する2個の回転体だけが走行面に同時に当接可能なように、従動回転体35Aと第2回転体R2と第1回転体R1との配置及び直径が定められる。具体的には、従動回転体35Aと第2回転体R2とが同時に走行面に当接可能である。また、第2回転体R2と第1回転体R1とが同時に走行面に当接可能である。
例えば、ロボット1の側面視において、従動回転体35Aと第2回転体R2と第1回転体R1とは、鈍角をなすV字状の折れ線上に配置される。つまり、角度θxが、鈍角になるように、従動回転体35Aと第2回転体R2と第1回転体R1とが配置される。角度θxは、軸82と軸89とを結ぶ線分と、軸89と軸84とを結ぶ線分とが形成する角度である。
さらに、従動回転体35Aと第2回転体R2との間の距離と、第2回転体R2と第1回転体R1との間の距離とは、略同一である。回転軸線A4は、回転軸線A1、回転軸線A5、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A5は、回転軸線A1、回転軸線A4、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A6は、回転軸線A1、回転軸線A4、及び回転軸線A5と異なる位置に位置する。回転軸線A4と回転軸線A5と回転軸線A6とは略平行である。
なお、従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。また、従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2のうち、走行面RSに当接している回転体は、実施形態1の従動回転体35と同様に、駆動回転体25に伝達される駆動力による反作用によってボディー3が回転しないように、反作用を支持する。
引き続き、図16を参照して、ロボット1の構造を規定する長さK1、長さK2、及び角度θmについて説明する。長さK1及び長さK2は、それぞれ、図15(a)を参照して説明した実施形態2に係る長さK1及び長さK2と同様である。そして、実施形態3では、実施形態2と同様に、長さK1及び長さK2が定められる。
角度θmは、ロボット1の側面視における線分S1mに対する線分S2mの角度を示す。添え字「m」は、「1」又は「2」を示す。
線分S11は、駆動回転体25と従動回転体35Aとを結ぶ線分を示し、線分S12は、駆動回転体25と第2回転体R2とを結ぶ線分を示す。線分S21は、従動回転体35Aと第2回転体R2とを結ぶ線分を示し、線分S22は、第2回転体R2と第1回転体R1とを結ぶ線分を示す。
例えば、線分S11は、軸22と軸82とを結ぶ線分を示し、線分S12は、軸22と軸89とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S21は、軸82と軸89とを結ぶ線分を示し、線分S22は、軸89と軸84とを結ぶ線分を示す。
角度θmは、90度であることが好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と第2回転体R2と従動回転体35Aとの全部が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。
また、角度θmは、鈍角であることが更に好ましい。この場合、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又は、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、第1回転体R1と第2回転体R2と従動回転体35Aとの全部が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを更に抑制できる。
なお、軸22、軸82、軸84、及び軸89を、それぞれ、駆動回転体25の軸22、従動回転体35Aの軸82、第1回転体R1の軸84、及び第2回転体R2の軸89と記載する場合がある。
次に、図17及び図18を参照して、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動するときのロボット1の動作について説明する。天面TS及び壁面WSは走行面RSの一例である。図17(a)〜図17(d)並びに図18(a)及び図18(b)は、ロボット1の動作を示す図である。
図17(a)に示すように、ロボット1は、天面TSを壁面WSに向かって、天面TSに吸着しつつ、水平方向HDに移動する。具体的には、磁石31及び従動回転体35Aが天面TSに当接しながら、駆動回転体25及び従動回転体35Aが天面TSを転動して、ロボット1が水平方向HDに移動する。そして、磁石31が壁面WSに当接する。その後、駆動回転体25は、磁石31を壁面WSに当接させながら、下降方向DDに壁面WSを転動する。
そして、図17(b)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、第2回転体R2が天面TSに当接する。第2回転体R2と従動回転体35Aとの双方が天面TSに当接しているため、第2回転体R2及び従動回転体35Aが天面TSを転動する。
そして、図17(c)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aは、天面TSから離間し、第1回転体R1は、天面TSに当接する。第1回転体R1と第2回転体R2との双方が天面TSに当接しているため、第1回転体R1及び第2回転体R2が天面TSを転動する。
そして、図17(d)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、第2回転体R2は、天面TSから離間する。その結果、第1回転体R1だけが、天面TSに当接し、天面TSを転動する。
そして、図18(a)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aが壁面WSに当接する。その結果、第1回転体R1が、天面TSに当接しつつ、天面TSを転動するとともに、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。
そして、図18(b)に示すように、駆動回転体25が下降方向DDに更に壁面WSを転動すると、第1回転体R1が天面TSから離間する。その結果、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。その結果、ロボット1は、壁面WSを下降方向DDに移動する。
以上、図17及び図18を参照して説明したように、実施形態3によれば、第1回転体R1、第2回転体R2、及び支持部87を設けることによって、第1回転体R1と第2回転体R2と従動回転体35Aとの全部が、天面TSと壁面WSとから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が天面TSから壁面WSに移動する際、又はロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際に、磁石による吸着力の低下によってロボット1が落下することを、抑制できる。
なお、仮に、ロボット1が、第1回転体R1、第2回転体R2、及び支持部87を有しない場合は、従動回転体35Aを磁力の大きな磁石で形成することにより、ロボット1の落下を抑制できる。
次に、図19及び図20を参照して、ロボット1が床面LSから壁面WSに移動するときのロボット1の動作について説明する。床面LS及び壁面WSは走行面RSの一例である。図19(a)〜図19(d)並びに図20(a)及び図20(b)は、ロボット1の動作を示す図である。
図19(a)に示すように、ロボット1は、床面LSを壁面WSに向かって、床面LSに吸着しつつ、水平方向HDに移動する。具体的には、磁石31及び従動回転体35Aが床面LSに当接しながら、駆動回転体25及び従動回転体35Aが床面LSを転動して、ロボット1が水平方向HDに移動する。そして、磁石31が壁面WSに当接する。その後、駆動回転体25は、磁石31を壁面WSに当接させながら、上昇方向UDに壁面WSを転動する。
そして、図19(b)に示すように、駆動回転体25が上昇方向UDに更に壁面WSを転動すると、第2回転体R2が床面LSに当接する。第2回転体R2と従動回転体35Aとの双方が床面LSに当接しているため、第2回転体R2及び従動回転体35Aが床面LSを転動する。
そして、図19(c)に示すように、駆動回転体25が上昇方向UDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aは、床面LSから離間し、第1回転体R1は、床面LSに当接する。第1回転体R1と第2回転体R2との双方が床面LSに当接しているため、第1回転体R1及び第2回転体R2が床面LSを転動する。
そして、図19(d)に示すように、駆動回転体25が上昇方向UDに更に壁面WSを転動すると、第2回転体R2は、床面LSから離間する。その結果、第1回転体R1だけが、床面LSに当接し、床面LSを転動する。
そして、図20(a)に示すように、駆動回転体25が上昇方向UDに更に壁面WSを転動すると、従動回転体35Aが壁面WSに当接する。その結果、第1回転体R1が、床面LSに当接しつつ、床面LSを転動するとともに、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。
そして、図20(b)に示すように、駆動回転体25が上昇方向UDに更に壁面WSを転動すると、第1回転体R1が床面LSから離間する。その結果、従動回転体35A及び磁石31が壁面WSに当接しつつ、従動回転体35A及び駆動回転体25が壁面WSを転動する。その結果、ロボット1は、壁面WSを上昇方向UDに移動する。
次に、図21を参照して、実施形態3に係るロボット1の床面LSからの離間について、実施形態2に係るロボット1と比較しながら説明する。
図21(a)は、実施形態2に係るロボット1の動作を示す図である。図21(a)に示すように、ロボット1が床面LSから壁面WSに移動する際に、従動回転体35Aを床面LSから離間させるためには、次のような大きさのモーメントNw1が要求される。すなわち、床面LSに当接している第1回転体R1を支点SP1として、力FwによるモーメントNw1が、吸着力FmによるモーメントNm1よりも大きいことが要求される。力Fwは、ロボット1が壁面WSを上昇するための力を示す。吸着力Fmは、従動回転体35Aの磁力による吸着力を示す。
モーメントNw1の大きさ|Nw1|は、力Fwと距離Lw1との積によって表される。すなわち、|Nw1|=Fw・Lw1、である。
モーメントNm1の大きさ|Nm1|は、吸着力Fmと距離Lm1との積によって表される。すなわち、|Nm1|=Fm・Lm1、である。
図21(b)は、実施形態3に係るロボット1の動作を示す図である。図21(b)に示すように、ロボット1が床面LSから壁面WSに移動する際に、従動回転体35Aを床面LSから離間させるためには、次のような大きさのモーメントNw2が要求される。すなわち、床面LSに当接している第2回転体R2を支点SP2として、力FwによるモーメントNw2が、吸着力FmによるモーメントNm2よりも大きいことが要求される。
モーメントNw2の大きさ|Nw2|は、力Fwと距離Lw2(=2/3Lw1)との積によって表される。すなわち、|Nw2|=Fw・Lw2=2/3Fw・Lw1=2/3|Nw1|、である。
モーメントNm2の大きさ|Nm2|は、吸着力Fmと距離Lm2(=1/2Lm1)との積によって表される。すなわち、|Nm2|=Fm・Lm2=1/2Fm・Lm1=1/2|Nm1|、である。
図21(a)及び図21(b)を参照して説明したように、実施形態3では、隣り合う回転体の距離(つまり、隣り合う磁石の距離)が実施形態2よりも短く(Lm2<Lm1)、実施形態3におけるモーメントNm2は、実施形態2におけるモーメントNm1の1/2である。従って、実施形態3では、実施形態2と比較して、吸着力Fmによるモーメントが小さい。その結果、実施形態3では、実施形態2と比較して、従動回転体35Aを床面LSから容易に離間させることができ、モーター61(図9)に過負荷がかかることを抑制できる。
また、実施形態3におけるモーメントNw2は、実施形態2におけるモーメントNw1の2/3である。すなわち、実施形態3では、実施形態2と比較して、力Fwによるモーメントが減少している。しかしながら、実施形態3では、実施形態2と比較して、力Fwによるモーメントの減少率(=1/3)は、吸着力Fmによるモーメントの減少率(=1/2)よりも小さい。従って、実施形態3では、実施形態2と比較して、従動回転体35Aを床面LSから容易に離間させることができ、モーター61(図9)に過負荷がかかることを抑制できる。
さらに、図21(a)において、従動回転体35Aと第1回転体R1とが床面LSに当接しているとともに、磁石31が壁面WSに当接している状態で、壁面WSから従動回転体35Aまでの距離が大きくなるように、従動回転体35Aを配置することによっても、吸着力Fmによるモーメントを小さくできる。従って、従動回転体35Aを床面LSから容易に離間させることができる。
さらに、図21(b)において、従動回転体35Aと第2回転体R2とが床面LSに当接しているとともに、磁石31が壁面WSに当接している状態で、壁面WSから従動回転体35Aまでの距離が大きくなるように、従動回転体35Aを配置することによっても、吸着力Fmによるモーメントを小さくできる。従って、従動回転体35Aを床面LSから更に容易に離間させることができる。
なお、実施形態3では、従動回転体35Aを床面LSから離間させる場合と同様の原理によって、第2回転体R2を床面LSから容易に離間させることができる。
また、実施形態3では、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際にも、ロボット1が床面LSから壁面WSに移動する際の原理と同様の原理によって、従動回転体35Aを壁面WSから容易に離間させることができる。同様に、ロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際に、第2回転体R2を壁面WSから容易に離間させることができる。
以上、図16〜図21を参照して説明したように、実施形態3によれば、実施形態2と同様に、ロボット1は、二輪駆動であり、支持部37Aを備える。従って、実施形態3に係るロボット1は、実施形態2と同様に、小回りが利く。
また、実施形態3によれば、実施形態2と同様に、ロボット1は、磁石31を備えるため、走行面RSが、床面の場合だけでなく、斜面、壁面、又は天面であっても、落下を抑制しつつ、走行面RSを移動できる。
さらに、実施形態3によれば、実施形態2と同様に、従動回転体35Aが磁石を含むため、ロボット1が、壁面又は天面を移動する際に、落下することを更に抑制できる。その他、実施形態3では、実施形態2と同様の効果を有する。
さらに、図21(b)を参照して説明したように、実施形態3によれば、従動回転体35Aと第1回転体R1との間に、第2回転体R2を配置し、従動回転部7Bに設けられる回転体の間隔を短くしている。従って、ロボット1が床面LSから壁面WSに移動する際、又はロボット1が壁面WSから天面TSに移動する際、回転体の吸着力によるモーメントを小さくできる。その結果、回転体を床面LS又は壁面WSから容易に離間させることができる。なお、従動回転部7Bに設けられる回転体は、従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2を示す。
(実施形態4)
図22〜図25を参照して、本発明の実施形態4に係るロボット1について説明する。図22は、ロボット1を正面側から示す斜視図である。図23は、ロボット1を背面側から示す斜視図である。図24は、ロボット1を示す側面図である。図22〜図24に示すように、実施形態4に係るロボット1は、実施形態3に係るロボット1(図16)の一対の従動回転部7Bに代えて、一対の従動回転部7Cを備える。実施形態4に係るロボット1のその他の構成は、実施形態3に係るロボット1のその他の構成と同様であり、説明を省略する。以下、主に、実施形態4が実施形態3と異なる点を説明する。
図22〜図24に示すように、ロボット1は、一対の駆動回転体25に対応して、一対の従動回転部7Cを備える。従動回転部7Cの各々は、従動回転体35Aと、支持部37A(従動回転体支持部)と、支持部87Aと、第1回転体R1と、複数の第2回転体R2とを含む。例えば、従動回転体35Aと支持部37Aとは、キャスターを構成する。第1回転体R1は、従動回転体35Aに対して離間して配置される。複数の第2回転体R2は、従動回転体35Aと第1回転体R1との間に配置される。実施形態4では、従動回転部7Cの各々において、5個の第2回転体R2が設けられる。支持部37Aは、回動部85と、軸86とを含む。軸86は、支持部87Aと回動部85とに跨って配置される。回動部85は軸82を含む。支持部87Aは、複数の第2回転体R2に対応して、複数の軸89を含む。支持部87Aは軸84をさらに含む。
従動回転体35Aと第1回転体R1と第2回転体R2とは磁石を含む。磁石は、例えば、永久磁石(例えば、ネオジム磁石)である。実施形態4では、従動回転体35Aと第1回転体R1と第2回転体R2とは、円筒状、円柱状、又は円板状であり、磁石により形成される。従動回転体35Aと第1回転体R1と第2回転体R2とは、磁石を含むため、走行面に当接すると、走行面に吸着する。従って、ロボット1は、走行面に吸着されつつ移動する。
従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2の各々の直径は、駆動回転体25の直径よりも小さい。実施形態4では、従動回転体35Aの直径と第2回転体R2の直径とは、略同一である。第1回転体R1の直径は、第2回転体R2の直径よりも小さい。また、従動回転体35Aの磁力と第2回転体R2の磁力とは、略同一である。第1回転体R1の磁力は、第2回転体R2の各々の磁力よりも小さい。従って、ロボット1が床面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際、第1回転体R1を床面又は壁面から容易に離間させることができる。さらに、複数の第2回転体R2の直径は、互いに略同一であり、複数の第2回転体R2の磁力は、互いに略同一である。
従動回転体35Aと複数の第2回転体R2と第1回転体R1とのうち、互いに隣接する2個の回転体だけが走行面に同時に当接可能なように、従動回転体35Aと複数の第2回転体R2と第1回転体R1との配置及び直径が定められる。具体的には、従動回転体35Aに隣接する第2回転体R2と従動回転体35Aとが同時に走行面に当接可能である。互いに隣接する2個の第2回転体R2が同時に走行面に当接可能である。第1回転体R1に隣接する第2回転体R2と第1回転体R1とが同時に走行面に当接可能である。
例えば、ロボット1の側面視において、従動回転体35Aと複数の第2回転体R2と第1回転体R1とは、弓状の曲線上に配置される。例えば、ロボット1の側面視において、複数の第2回転体R2と第1回転体R1とは、弓状の曲線上に配置される。
従動回転体35Aに隣接する第2回転体R2と従動回転体35Aとの間の距離と、互いに隣接する2個の第2回転体R2の間の距離と、第1回転体R1に隣接する第2回転体R2と第1回転体R1との間の距離とは、略同一である。回転軸線A4は、回転軸線A1、回転軸線A5、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A5は、回転軸線A1、回転軸線A4、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A6は、回転軸線A1、回転軸線A4、及び回転軸線A5と異なる位置に位置する。複数の回転軸線A6は、互いに異なる位置に位置し、互いに略平行である。回転軸線A6と回転軸線A5とは略平行である。
なお、従動回転体35A、第1回転体R1、及び複数の第2回転体R2には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。また、従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2のうち、走行面に当接している回転体は、実施形態1の従動回転体35と同様に、駆動回転体25に伝達される駆動力による反作用によってボディー3が回転しないように、反作用を支持する。
図24を参照して、ロボット1の構造を規定する長さK1、長さK2、及び角度θm、について説明する。長さK1及び長さK2は、それぞれ、図15(a)を参照して説明した実施形態2に係る長さK1及び長さK2と同様である。そして、実施形態4では、実施形態2と同様に、長さK1及び長さK2が定められる。
角度θmは、ロボット1の側面視における線分S1mに対する線分S2mの角度を示す。添え字「m」は、「1」、「2」、又は「3」を示す。
線分S11は、駆動回転体25と従動回転体35Aとを結ぶ線分を示す。線分S12は、駆動回転体25と、互いに隣接する2個の第2回転体R2のうちの一方とを結ぶ線分を示す。線分S13は、駆動回転体25と、第1回転体R1に隣接する第2回転体R2とを結ぶ線分を示す。線分S21は、従動回転体35Aと、従動回転体35Aに隣接する第2回転体R2とを結ぶ線分を示す。線分S22は、互いに隣接する2個の第2回転体R2のうちの一方と他方とを結ぶ線分を示す。線分S23は、第1回転体R1に隣接する第2回転体R2と、第1回転体R1とを結ぶ線分を示す。
例えば、線分S11は、軸22と軸82とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S12は、軸22と、互いに隣接する2個の軸89のうちの一方とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S13は、軸22と、軸84に隣接する軸89とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S21は、軸82と、軸82に隣接する軸89とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S22は、互いに隣接する2個の軸89のうちの一方と他方とを結ぶ線分を示す。例えば、線分S23は、軸84に隣接する軸89と、軸84とを結ぶ線分を示す。
角度θmは、実施形態3と同様の理由により、90度であることが好ましい。角度θmは、実施形態3と同様の理由により、鈍角であることが更に好ましい。
なお、軸22、軸82、軸84、及び軸89を、それぞれ、駆動回転体25の軸22、従動回転体35Aの軸82、第1回転体R1の軸84、及び第2回転体R2の軸89と記載する場合がある。
引き続き、図22〜図24を参照して、ロボット1の構成を説明する。支持部87Aは、連結部9Aから延設され、連結部9Aに固定されている。具体的には、支持部87Aは、磁石31と従動回転体35Aとが当接している走行面から離れるように、連結部9Aから斜め上方に延びている。支持部87Aは、第1回転体R1を回転軸線A5の回りに回転自在に支持する。つまり、第1回転体R1は、軸84を回転中心として、回転自在である。また、支持部87Aは、第2回転体R2の各々を回転軸線A6の回りに回転自在に支持する。つまり、複数の第2回転体R2は、それぞれ、複数の軸89を回転中心として、回転自在である。
従動回転体35Aは、連結部9Aによって、支持部87A及び支持部37Aを介して、ボディー3に連結される。従動回転体35Aは、軸82を回転中心として、回転自在である。
支持部37Aは、ボディー3が旋回可能なように、従動回転体35Aを支持する。その結果、ロボット1は旋回可能である。
具体的には、支持部37Aの回動部85は、回動軸線B上に配置された軸86を回動中心として回動する。つまり、回動部85は、回動軸線Bの回りに回動する。回動部85の回動軸線Bは、回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、回転軸線4Aに非平行である。換言すれば、回動軸線Bは回転軸線A4に立体交差する。更に換言すれば、回動軸線Bは回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、支持部37Aを特定の方向から見たときに、回動軸線Bは回転軸線A4に交差している。実施形態4では、特定の方向は方向D1を示す。更に具体的には、実施形態4では、回動軸線Bは回転軸線A4に対して間隔をおいて配置され、支持部37Aを特定の方向から見たときに、回動軸線Bは回転軸線A4に略直交する。また、回動部85は、従動回転体35Aが回転軸線A4の回りに回転自在なように、従動回転体35Aを支持する。なお、回動部85には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。従って、回動部85は回動自在である。
次に、図25を参照して、従動回転部7Cについて説明する。図25(a)は、回動部85が回動していないときの従動回転部7Cを示す斜視図である。図25(b)は、回動部85が回動したときの従動回転部7Cを示す斜視図である。
図25(a)に示すように、回動部85が回動していないときは、従動回転体35Aの回転軸線A4と第1回転体R1の回転軸線A5と複数の第2回転体R2の回転軸線A6とは、互いに略平行である。
そして、回動部85は、回動軸線Bの回りに、時計回り方向又は反時計回り方向に回動自在である。
例えば、図25(b)に示すように、回動部85が回動すると、従動回転体35Aの回転軸線A4の方向が変化し、回転軸線A4は回転軸線A5と回転軸線A6とに非平行になる。つまり、回動部85が回動すると、回転軸線A4が、回動軸線Bの回りに回動する。従って、従動回転体35Aが転動する方向も変化する。
ロボット1は、回動部85の回動による回転軸線A4の方向の変化に応じて、従動回転体35Aの転動と駆動回転体25の転動とによって、任意の方向に旋回できる。つまり、ロボット1の移動に合わせて、従動回転体35Aが最適な方向を向くため、ロボット1は旋回できる。
以上、図22〜図25を参照して説明したように、実施形態4によれば、実施形態3と同様に、ロボット1は、二輪駆動であり、支持部37Aを備える。従って、実施形態4に係るロボット1は、実施形態3と同様に、小回りが利く。
また、実施形態4によれば、実施形態3と同様に、ロボット1は、磁石31を備えるため、走行面が、床面の場合だけでなく、斜面、壁面、又は天面であっても、落下を抑制しつつ、走行面を移動できる。
さらに、実施形態4によれば、実施形態3と同様に、従動回転体35Aが磁石を含むため、ロボット1が、壁面又は天面を移動する際に、落下することを更に抑制できる。
さらに、実施形態4によれば、実施形態3と同様に、第1回転体R1、複数の第2回転体R2、及び支持部87Aを設けることによって、第1回転体R1と複数の第2回転体R2と従動回転体35Aとの全部が、天面と壁面とから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が天面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際に、磁石による吸着力の低下によって、ロボット1が落下することを抑制できる。その他、実施形態4では、実施形態3と同様の効果を有する。
さらに、実施形態4によれば、支持部87Aは、連結部9Aから延設され、連結部9Aに固定されている。従って、一対の回動部85のうちの一方又は双方が回動した場合であっても、一対の支持部87Aのうちの一方と他方とは干渉しない。つまり、回動部85は、支持部87Aを伴うことなく、自在に回動できる。その結果、ロボット1は、方向D1に前進できるだけでなく、方向転換することなく、方向D2に後進できる。
さらに、実施形態4によれば、従動回転体35Aと第1回転体R1との間に、複数の第2回転体R2を配置し、実施形態3よりも、従動回転部7Cに設けられる回転体の間隔を更に短くしている。従って、ロボット1が床面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際、回転体の吸着力によるモーメントを更に小さくできる。その結果、回転体を床面又は壁面から更に容易に離間させることができる。なお、従動回転部7Cに設けられる回転体は、従動回転体35A、第1回転体R1、及び複数の第2回転体R2を示す。
(実施形態5)
図26を参照して、本発明の実施形態5に係るロボット1について説明する。図26は、ロボット1を示す側面図である。図26に示すように、実施形態5に係るロボット1は、実施形態1に係るロボット1の一対の従動回転部7及び一対の連結部9に代えて、一対の従動回転部7D及び一対の連結部9Bを備える。実施形態5に係るロボット1のその他の構成は、実施形態1に係るロボット1のその他の構成と同様であり、説明を省略する。以下、主に、実施形態5が実施形態1と異なる点を説明する。
図26に示すように、一対の駆動回転部5に対応して、一対の従動回転部7Cが設けられている。図26は、側面図であるため、一対の駆動回転部5のうちの一方と、一対の従動回転部7Dのうちの一方とが表れている。
従動回転部7Dは、従動回転ユニット34と、支持部87Aと、第1回転体R1と、複数の第2回転体R2とを含む。従動回転ユニット34は、オムニホイールであり、従動回転体35と、支持部37(従動回転体支持部)とを含む。支持部37は、複数の回転体39(旋回用回転体)を含む。第1回転体R1は、従動回転体35に対して離間して配置される。複数の第2回転体R2は、従動回転体35と第1回転体R1との間に配置される。実施形態5では、従動回転部7Dの各々において、2個の第2回転体R2が設けられる。
従動回転ユニット34は、実施形態1に係る従動回転部7と同様である。つまり、従動回転ユニット34の従動回転体35及び支持部37は、それぞれ、実施形態1に係る従動回転体35及び支持部37と同様である。
第1回転体R1及び第2回転体R2は、それぞれ、実施形態4に係る第1回転体R1及び第2回転体R2と同様である。ただし、第1回転体R1の直径と第2回転体R2の直径とは略同一である。また、第1回転体R1の磁力と第2回転体R2の磁力とは、略同一である。さらに、第1回転体R1及び第2回転体R2の各々の直径は、従動回転体35の直径よりも小さい。
支持部87Aは、軸84と、複数の軸89とを含む。支持部87A、軸84、及び軸89は、それぞれ、実施形態4に係る支持部87A、軸84、及び軸89と同様である。ただし、支持部87Aは、連結部9Bから延設され、連結部9Bに固定されている。具体的には、支持部87Aは、磁石31と従動回転ユニット34とが当接している走行面RSから離れるように、連結部9Bから斜め上方に延びている。支持部87Aは、第1回転体R1を回転軸線A5の回りに回転自在に支持するとともに、第2回転体R2を回転軸線A6の回りに回転自在に支持する。
一対の連結部9Bは、一対の従動回転部7Dに対応して設けられる。図26は、側面図であるため、一対の連結部9Bのうちの一方が表れている。連結部9Bは、ボディー3に固定され、方向D1におけるボディー3の後端部から後方に延びている。そして、連結部9Bは、ボディー3と従動回転体35とを連結し、従動回転体35を回転軸線A2の回りに回転自在に支持する。つまり、連結部9Bは、軸51を含み、従動回転体35は、軸51を回転中心として、回転自在である。
引き続き、図26を参照して、従動回転体35Aと第1回転体R1と第2回転体R2とを関連付けて説明する。回転体39と第1回転体R1と第2回転体R2とは、磁石を含むため、走行面RSに当接すると、走行面に吸着する。従って、ロボット1は、走行面に吸着されつつ移動する。
従動回転体35と複数の第2回転体R2と第1回転体R1とのうち、互いに隣接する2個の回転体だけが走行面RSに同時に当接可能なように、従動回転体35と複数の第2回転体R2と第1回転体R1との配置及び直径が定められる。具体的には、従動回転体35に隣接する第2回転体R2と従動回転体35とが同時に走行面RSに当接可能である。互いに隣接する2個の第2回転体R2が同時に走行面RSに当接可能である。第1回転体R1に隣接する第2回転体R2と第1回転体R1とが同時に走行面に当接可能である。
例えば、ロボット1の側面視において、従動回転体35と複数の第2回転体R2と第1回転体R1とは、弓状の曲線上に配置される。例えば、ロボット1の側面視において、複数の第2回転体R2と第1回転体R1とは、弓状の曲線上に配置される。
互いに隣接する2個の第2回転体R2の間の距離と、第1回転体R1に隣接する第2回転体R2と第1回転体R1との間の距離とは、略同一である。回転軸線A2は、回転軸線A1、回転軸線A5、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A5は、回転軸線A1、回転軸線A2、及び回転軸線A6と異なる位置に位置する。回転軸線A6は、回転軸線A1、回転軸線A2、及び回転軸線A5と異なる位置に位置する。
なお、従動回転体35、第1回転体R1、及び複数の第2回転体R2には、駆動部11からの駆動力は伝達されない。また、従動回転体35、第1回転体R1、及び第2回転体R2のうち、走行面RSに当接している回転体は、実施形態1の従動回転体35と同様に、駆動回転体25に伝達される駆動力による反作用によってボディー3が回転しないように、反作用を支持する。
引き続き、図26を参照して、ロボット1の構造を規定する長さK1、長さK2、及び角度θm、について説明する。長さK1及び長さK2は、それぞれ、図15(a)を参照して説明した実施形態2に係る長さK1及び長さK2と同様である。そして、実施形態5では、実施形態2と同様に、長さK1及び長さK2が定められる。ただし、実施形態2に係る長さK1及び長さK2の説明において、「従動回転体35A」を「従動回転体35」と読み替え、「軸82」を「軸51」と読み替える。
角度θmは、図26を参照して説明した実施形態4に係る角度θmと同様である。そして、実施形態5では、実施形態4と同様に、角度θmが定められる。ただし、実施形態4に係る角度θmの説明において、「従動回転体35A」を「従動回転体35」と読み替え、「軸82」を「軸51」と読み替える。
なお、軸22、軸51、軸84、及び軸89を、それぞれ、駆動回転体25の軸22、従動回転体35の軸51、第1回転体R1の軸84、及び第2回転体R2の軸89と記載する場合がある。
以上、図26を参照して説明したように、実施形態5によれば、実施形態1と同様に、ロボット1は、二輪駆動であり、支持部37を備える。従って、実施形態5に係るロボット1は、実施形態1と同様に、小回りが利く。
また、実施形態5によれば、実施形態1と同様に、ロボット1は、磁石31を備えるため、走行面RSが、床面の場合だけでなく、斜面、壁面、又は天面であっても、落下を抑制しつつ、走行面を移動できる。
さらに、実施形態5によれば、実施形態1と同様に、回転体39が磁石を含むため、ロボット1が、壁面又は天面を移動する際に、落下することを更に抑制できる。その他、実施形態5では、実施形態1と同様の効果を有する。
さらに、実施形態5によれば、実施形態4と同様に、第1回転体R1、複数の第2回転体R2、及び支持部87Aを設けることによって、伸縮機構49(図4)を設けることなしに、第1回転体R1と複数の第2回転体R2と従動回転ユニット34との全部が、天面と壁面とから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が天面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際に、磁石による吸着力の低下によって、ロボット1が落下することを抑制できる。
さらに、実施形態5によれば、実施形態4と同様に、従動回転体35と第1回転体R1との間に、複数の第2回転体R2を配置し、従動回転部7Dに設けられる回転体の間隔を短くしている。従って、ロボット1が床面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際、回転体の吸着力によるモーメントを小さくできる。その結果、回転体を床面又は壁面から容易に離間させることができる。なお、従動回転部7Dに設けられる回転体は、従動回転体35、第1回転体R1、及び複数の第2回転体R2を示す。その他、実施形態5では、実施形態4と同様の効果を有する。
次に、本発明が実施例に基づき具体的に説明されるが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
本発明の実施例として、図1を参照して説明したロボット1を作製した。また、本実施例では、橋梁の点検に使用する目的でロボット1を作製した。
まず、橋梁の点検作業におけるロボット1の有用性について説明する。日本国における橋梁の点検は、通常点検(車内より目視)と、定期点検(5年に1回実施)と、異常時点検(地震のような異常発生時に実施)とに分類される。定期点検は、概略点検と詳細点検とに分類される。特に、鋼橋の詳細点検時では、全区間の全部材を対象として点検する。従って、鋼橋のUリブ部分も点検対象である。例えば、点検作業では、Uリブ部分の亀裂のような破損及び腐食を探索する。
図27は、橋梁における点検対象としてのUリブ部分100を示す図である。図27に示すように、Uリブ部分100は、橋梁箱桁内部の天井に存在する。Uリブ部分100は複数のUリブ100aを含む。Uリブ100aとUリブ100aとの間の部分と、Uリブ100aには、複数の接合部102が形成される。接合部102の各々から、複数のボルト部104が突出している。
一般的に、Uリブ部分100を点検する際には、Uリブ部分100の下部に梯子を設置する。点検員は、梯子を昇り、Uリブ部分100まで移動する。そして、点検員は、目視によって、Uリブ部分100を点検する。しかしながら、点検員がUリブ部分100まで移動する点検方法では、Uリブ部分100の全域を点検するために、梯子を逐一移動させることが要求される。その結果、点検作業に非常に時間がかかる。点検作業が長時間に及ぶため、点検員の疲労又は油断により、梯子が倒れ、点検員が転落する可能性がある。
そこで、Uリブ部分100の点検作業において、本実施例のロボット1を使用し、点検員の安全性を向上させる。
点検員は、遠隔操作によって、ロボット1をUリブ部分100まで移動させる。そして、点検員は、Uリブ部分100において、各ボルト部104を回避しつつ、ロボット1を移動して、ロボット1から送信される映像を見ながら、Uリブ部分100を点検する。Uリブ部分100は、ロボット1の走行面の一例である。
点検作業では、各ボルト部104は、ロボット1の走行を妨げるため、回避対象である。例えば、ロボット1の駆動回転部5がボルト部104に乗り上げると、ロボット1のUリブ部分100への吸着力が低下する可能性がある。なぜなら、ロボット1は、磁石31によって、Uリブ部分100に吸着しているからである。なお、ロボット1の従動回転部7もボルト部104に乗り上げない方が好ましい。
そこで、点検員は、少なくとも駆動回転部5がボルト部104とボルト部104との間をすり抜けるように、ロボット1を遠隔操作する。従って、ロボット1は、各ボルト部104を回避しつつ移動する。その結果、少なくとも駆動回転部5が、ボルト部104に乗り上げることを抑制でき、ロボット1のUリブ部分100への吸着力の低下を抑制できる。
本実施例では、Uリブ部分100のボルト部104を回避するために好適な寸法で、ロボット1を作製した。本実施例では、「M22」のボルト部104を回避対象として設定した。
次に、図28を参照して、ロボット1の寸法について説明する。図28(a)は、本実施例に係るロボット1を示す平面図である。図28(b)は、本実施例に係るロボット1を示す正面図である。図28(a)及び図28(b)では、ボディー3の底部3aがUリブ部分100の表面100bに略平行になるように示されている。なお、X軸及びY軸は、水平面に平行であり、X軸とY軸とZ軸とは直交する。
図28(a)及び図28(b)に示すように、ボルト部104のボルト105の直径Q1は、22mmであり、ボルト部104のナット106の直径Q2は、32mmであり、ボルト部104の高さQ3は、30mmであった。高さQ3は、表面100bに対するボルト部104の高さであった。表面100bは、ロボット1の走行面であった。
社団法人日本道路協会が発行した道路橋示方書に準拠して、互いに隣接するボルト部104とボルト部104との間隔Pを決定した。間隔Pは、75mmであった。
間隔Pが75mmであったため、ロボット1の一対の駆動回転部5の一方と他方との間隔W2を、74mmに設定した。つまり、間隔W2を間隔Pよりも小さくした。従って、一対の駆動回転部5の一方が、互いに隣接するボルト部104の一方に乗り上げていないときは、一対の駆動回転部5の他方も必ず、ボルト部104の他方に乗り上げない。その結果、ロボット1は、互いに隣接するボルト部104とボルト部104との間を容易にすり抜けることができた。さらに、間隔W2は、ボルト部104とボルト部104との間隙GPよりも、大きかった。従って、ロボット1は、ボルト部104とボルト部104との間を更に容易にすり抜けることができた。
ボルト部104の高さQ3が30mmであったため、ボディー3の底部3aの高さH2を、70mmに設定した。その結果、ボディー3の底部3aが、ボルト部104に接触することを回避できた。高さH2は、表面100bに対するボディー3の底部3aの高さであった。
ロボット1の全長Tは、187mmであり、幅W1は、80mmであり、全高H1は、133mmであった。全高H1は、駆動回転部5の直径であった。ロボット1の重量は、362gfであった。コントローラー75(図9)として、FPGAを採用した。FPGAは、ザイリンクス社製のSpartan−6を採用した。
以上、図27及び図28を参照して説明したように、本実施例によれば、ロボット1の一対の駆動回転部5の一方と他方との間隔W2を、複数の整列した回避対象(例えば、ボルト部104)における、互いに隣接する回避対象と回避対象との間隔Pよりも小さくした。その結果、ロボット1は、互いに隣接する回避対象と回避対象との間を容易にすり抜けることができた。
また、本実施例によれば、ロボット1の一対の駆動回転部5の一方と他方との間隔W2を、互いに隣接する回避対象と回避対象との間隙GPよりも、大きくした。その結果、ロボット1は、ボルト部104とボルト部104との間を更に容易にすり抜けることができた。
さらに、本実施例によれば、ボディー3の底部3aの高さH2を、回避対象の高さQ3よりも高くした。その結果、ボディー3の底部3aが、回避対象に接触することを回避できた。
さらに、本実施例によれば、橋梁検査で特に点検時間を要するUリブ部分100の点検に好適なロボット1を作製できた。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態及び実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(6))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)実施形態1において、連結部9及び従動回転部7の各々を1つ設けてもよい。撮像部17の位置は、特に限定されず、例えば、方向D1におけるボディー3の前端部に設けてもよい。回転体39は磁石を含まなくてもよい。
また、駆動回転部5の直径と従動回転部7の直径とが略同一でもよい。この場合、ロボット1が天面から壁面に移動する際、又は、ロボット1が壁面から天面に移動する際に、伸縮機構49を設けることなしに、従動回転部7が、天面と壁面とから同時に離間することを抑制できる。その結果、ロボット1が落下することを抑制できる。
さらに、従動回転部7として、メカナムホイールを採用してもよい。従動回転部7が天面と壁面とから同時に離間しないように、アクチュエーター及び制御回路によって伸縮機構49を制御してもよい。伸縮機構49を設けなくてもよい。重心GCの位置は、回転軸線A1上に限定されない。
(2)実施形態2において、連結部9A及び従動回転部7Aの各々を1つ設けてもよい。撮像部17の位置は、特に限定されず、例えば、実施形態1と同様に配置できる。従動回転体35A及び第1回転体R1は、磁石を含まなくてもよい。従動回転体35Aの直径と第1回転体R1の直径とを異ならせることができる。例えば、第1回転体R1の直径を、従動回転体35Aの直径よりも小さくすることができる。従動回転体35Aの磁力と第1回転体R1の磁力とを異ならせることができる。例えば、第1回転体R1の磁力を、従動回転体35Aの磁力よりも小さくすることができる。この場合、ロボット1が床面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際、第1回転体R1を床面又は壁面から容易に離間させることができる。
(3)実施形態3において、連結部9A及び従動回転部7Bの各々を1つ設けてもよい。撮像部17の位置は、特に限定されず、例えば、実施形態1と同様に配置できる。従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2は、磁石を含まなくてもよい。従動回転体35Aの直径と第1回転体R1の直径と第2回転体R2の直径とは任意の値に設定できる。例えば、第1回転体R1の直径を、従動回転体35Aの直径及び第2回転体R2の直径の各々よりも小さくすることができる。従動回転体35Aの磁力と第1回転体R1の磁力と第2回転体R2の磁力とは任意の大きさに設定できる。例えば、第1回転体R1の磁力を、従動回転体35Aの磁力及び第2回転体R2の磁力の各々よりも小さくすることができる。この場合、ロボット1が床面から壁面に移動する際、又はロボット1が壁面から天面に移動する際、第1回転体R1を床面又は壁面から容易に離間させることができる。また、従動回転部7Bの各々において、複数の第2回転体R2を設けることもできる。
(4)実施形態4において、連結部9A及び従動回転部7Cの各々を1つ設けてもよい。撮像部17の位置は、特に限定されず、例えば、実施形態1と同様に配置できる。従動回転体35A、第1回転体R1、及び第2回転体R2は、磁石を含まなくてもよい。従動回転体35Aの直径と第1回転体R1の直径と第2回転体R2の直径とは任意の値に設定できる。例えば、第1回転体R1の直径を、従動回転体35Aの直径及び第2回転体R2の直径の各々と略同一にできる。従動回転体35Aの磁力と第1回転体R1の磁力と第2回転体R2の磁力とは任意の大きさに設定できる。例えば、第1回転体R1の磁力を、従動回転体35Aの磁力及び第2回転体R2の磁力の各々と略同一にできる。従動回転部7Cの各々において、1個の第2回転体R2を設けることもできるし、5以外の複数の第2回転体R2を設けることもできる。従動回転部7Cの各々において、従動回転体35Aから第1回転体R1に向かって、従動回転体35Aと第2回転体R2と第1回転体R1との磁力を徐々に小さくすることもできる。
(5)実施形態5において、連結部9B及び従動回転部7Dの各々を1つ設けてもよい。撮像部17の位置は、特に限定されず、例えば、実施形態1と同様に配置できる。回転体39、第1回転体R1、及び第2回転体R2は、磁石を含まなくてもよい。従動回転体35の直径と第1回転体R1の直径と第2回転体R2の直径とは任意の値に設定できる。例えば、第1回転体R1の直径を、第2回転体R2の直径よりも小さくできる。回転体39の磁力と第1回転体R1の磁力と第2回転体R2の磁力とは任意の大きさに設定できる。例えば、第1回転体R1の磁力を、第2回転体R2の磁力よりも小さくできる。従動回転部7Dの各々において、1個の第2回転体R2を設けることもできるし、2以外の複数の第2回転体R2を設けることもできる。従動回転部7Cの各々において、従動回転体35に隣接する第2回転体R2から第1回転体R1に向かって、第2回転体R2と第1回転体R1との磁力を徐々に小さくすることもできる。駆動回転部5の直径と従動回転ユニット34の直径とが略同一でもよい。従動回転ユニット34として、メカナムホイールを採用してもよい。
(6)実施形態1〜実施形態5において、駆動回転体25は、リムを有していてもよい。駆動回転部5の各々において、凸部29の数は、8に限定されない。駆動回転体25は、放射状に限定されず、例えば、円板状でもよい。磁石31を、凸部29の延びる方向に沿った軸線回りに回転自在に設けてもよい。磁石31は、円筒状又は円柱状に限定されず、任意の形状をとることができる。
また、モーター61への負荷は、ロボット1が床面から壁面に移動する際に最も大きくなる。従って、モーター61は、ロボット1にかかる重力に抗してロボット1を持ち上げるトルクだけでなく、磁石を床面から離間させるトルクをも発生できるように選定される。