JP2017094310A - 被処理流体の分離処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離膜のファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制でき、被処理流体の分離処理効率を高めることができる被処理流体の分離処理方法を提供すること。【解決手段】被処理流体の分離処理方法は、多孔質である柱状の基材21と、基材21を軸方向に貫通して形成された複数のセル32と、セル32の内壁面321に設けられた分離膜22と、を備えた分離膜構造体11を用いる。分離膜構造体11の各セル32において、分離膜22の内側には、被処理流体Aを流通させる流路33が形成されている。流路33の流路径は、1.5mm以下である。被処理流体Aの分離処理を行う際、分離膜構造体11の流路33内に、膜面線速6m/s以上の条件で被処理流体Aを流通させる。【選択図】図1

Description

本発明は、被処理流体の分離処理方法に関する。
従来、固液分離等に用いる分離膜構造体が知られている(特許文献1参照)。分離膜構造体は、多孔質である柱状の基材と、その基材を軸方向に貫通して形成された複数のセルと、セルの内壁面に設けられた分離膜とを備えている。分離膜構造体の各セルにおいて、分離膜の内側には、被処理流体を流通させる流路が形成されている。
特開平10−109022号公報
しかしながら、分離膜構造体を用いて被処理流体の分離処理を長時間行うと、被処理流体に含まれる固形物等が分離膜の表面に付着し、分離膜のファウリング(膜閉塞)が生じる。従来、分離膜構造体のセルの内径を小さくする等、構造的な面で様々な対策が行われているが、分離膜のファウリングを十分に抑制できるとは言えなかった。また、分離処理の条件については、十分な検討が行われているとは言えなかった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、分離膜のファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制でき、被処理流体の分離処理効率を高めることができる被処理流体の分離処理方法を提供する。
本発明の一の態様は、多孔質である柱状の基材と、基材を軸方向に貫通して形成された複数のセルと、セルの内壁面に設けられた分離膜と、を備えた分離膜構造体を用いた被処理流体の分離処理方法であって、分離膜構造体の各セルにおいて、分離膜の内側には、被処理流体を流通させる流路が形成され、流路の流路径は、1.5mm以下であり、被処理流体の分離処理を行う際、分離膜構造体の流路内に、膜面線速6m/s以上の条件で被処理流体を流通させる。
上記被処理流体の分離処理方法によれば、分離膜構造体の流路の流路径を1.5mm以下とし、膜面線速を6m/s以上として被処理流体の分離処理を行う。そのため、被処理流体が分離膜構造体の流路内を流通する際に、流路の内壁面(分離膜の表面)に作用するせん断応力を大きくすることができ、分離膜の表面に固形物等が付着しにくくなると共に、分離膜の表面に付着した固形物等をこそぎ取る力が強くなる。
これにより、分離膜の表面に付着する固形物等に起因する分離膜のファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制でき、被処理流体の分離処理効率を高めることができる。すなわち、被処理流体が流通する流路の流路径と膜面線速とを上記特定の範囲にすることで、上述の効果を得ることができる。
上記被処理流体の分離処理方法において、分離膜構造体の流路の流路径は、1.5mm以下である。流路の流路径が1.5mmを超える場合には、被処理流体が流路内を流通する際に、流路の内壁面(分離膜の表面)に作用するせん断応力が小さくなるため、分離膜のファウリングを抑制する効果を十分に得られない。
一方、流路の流路径を小さくしすぎると、圧力損失が大きくなり、被処理流体の速度(流速)が遅くなるため、固形分率が高い被処理流体、高粘度の被処理流体等の分離処理が困難となるおそれがある。したがって、被処理流体の性状に合わせて、被処理流体の分離処理が良好に行えるように、流路の流路径を設定すればよい。流路の流路径は、0.3mm以上であることが好ましい。
ここで、流路の流路径(内径)とは、流路の断面が円形状の場合にはその直径をいい、流路の断面が楕円形状、多角形状等の場合にはその水力直径をいう。水力直径(Hydraulic Diameter)とは、等価水力直径をいい、ある開口の断面と等価な円管の直径のことである。等価水力直径は、一般的に4S/L(S:開口平面積)、L:開口長(開口の周の長さ)で表される。
また、流路の断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形状、楕円形状、多角形状(三角形状、四角形状、六角形状等)等とすることができる。分離膜のファウリングを抑制する効果を高くするためには、流路の断面形状をファウリングが起こりやすい角部を有しない断面形状、例えば円形状とすることが好ましい。
また、流路の数は、特に限定されるものではない。流路の数が多ければ被処理流体の分離処理をより効率的に行うことができるが、分離膜構造体の成形後、流路間にクラック等が発生する可能性が高くなるため、分離膜構造体の成形困難性を考慮して流路の数を設定すればよい。
上記被処理流体の分離処理方法において、被処理流体の分離処理を行う際、分離膜構造体の流路内に、膜面線速6m/s以上の条件で被処理流体を流通させる。被処理流体の膜面線速が6m/s未満の場合には、被処理流体が流路内を流通する際に、流路の内壁面(分離膜の表面)に作用するせん断応力が小さくなるため、分離膜のファウリングを抑制する効果を十分に得られない。
一方、被処理流体の膜面線速を速くしすぎると、被処理流体の分離処理性能(効率)が低下するおそれがある。したがって、被処理流体の分離処理が良好に行えるように、被処理流体の膜面線速を設定すればよい。ここで、被処理流体の膜面線速とは、分離膜構造体に対する被処理流体の流量を各流路の断面積の合計値で除した値をいう。
上記被処理流体の分離処理方法において、被処理流体の分離処理を行う際、分離膜の表面(膜面)に作用する圧力が低ければ低いほど、分離膜の表面に固形物等が付着しにくくなり、分離膜のファウリングが起こりにくくなる。したがって、例えば、分離膜の膜間差圧を0.5MPa以下とすることが好ましい。
上記被処理流体の分離処理方法において、分離膜は、固液分離用の分離膜であってもよい。固液分離用の分離膜は、ファウリングを起こしやすい。そのため、分離膜のファウリングを抑制する効果をより有効に発揮することができる。なお、固液分離用の分離膜とは、例えば、固形物を含んだ被処理流体を分離するための分離膜である。
また、分離膜は、ナノろ過膜、限外ろ過膜及び精密ろ過膜から選択される1種以上のろ過膜を含んでいてもよい。この場合には、被処理流体の分離処理を良好に行いながら、各種の分離膜に対して、分離膜のファウリングを抑制する効果を十分に得ることができる。
ここで、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltration Membrane)とは、細孔の大きさ(細孔径)が例えば1〜2nmの分離膜である。ナノろ過膜は、例えば、中〜高分子量有機物、多価イオン等の通過を阻止する膜として用いられる。ナノろ過膜の用途としては、例えば、中〜高分子量有機物の濃縮、硬水の軟水化、有害物質の除去等が挙げられる。
また、限界ろ過膜(UF膜:Ultrafiltration Membrane)とは、細孔の大きさ(細孔径)が例えば0.001〜0.05μmの分離膜である。限界ろ過膜は、例えば、分子量数百〜数百万程度の有機物、エマルジョン、菌、ウィルス、蛋白質等の通過を阻止する膜として用いられる。限界ろ過膜の用途としては、例えば、蛋白質の除去、エマルジョンの除去、CMP排水処理等が挙げられる。
また、精密ろ過膜(MF膜:Microfiltration Membrane)とは、細孔の大きさ(細孔径)が例えば0.05〜10μmの分離膜である。精密ろ過膜は、例えば、バクテリア、菌、コロイド、粒子等の通過を阻止する膜として用いられる。精密ろ過膜の用途としては、例えば、ポリマー触媒除去、菌体除去、研磨廃液処理、上下水の浄化施設での浄化処理等が挙げられる。
分離膜構造体モジュールの構造を示す断面説明図である。 分離膜構造体を示す斜視図である。 図2のIII−III線矢視断面図である。 セル周辺を拡大して示す断面図である。 実験例2の分離膜構造体(基材)の断面を示す断面図である。 実験例3の分離膜構造体(基材)の断面を示す断面図である。 実験例4の分離膜構造体(基材)の断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の被処理流体の分離処理方法は、図1に示すように、多孔質である柱状の基材21と、基材21を軸方向に貫通して形成された複数のセル32と、セル32の内壁面321に設けられた分離膜22と、を備えた分離膜構造体11を用いる。以下、分離膜構造体11及びそれを備えた分離膜構造体モジュール1について詳細に説明する。
図1に示すように、分離膜構造体モジュール1は、分離膜構造体11と、分離膜構造体11を内部に収容する筐体12とを備えている。筐体12及び筐体12内の構造については後述する。
図1、図2に示すように、分離膜構造体11は、基材21と、分離膜22と、第1シール層23と、第2シール層24とを備えている。円柱状に形成された基材21は、軸方向の一端面である円形状の第1端面211と、軸方向の他端面である円形状の第2端面212と、外周面213とを有する。本実施形態では、基材21は、分離膜支持体31と、中間層34(後述する図4)とを備えている。
図1〜図4に示すように、分離膜支持体31は、直径30mm、全長約1000mmの円柱状に形成されたアルミナ製の多孔質体である。分離膜支持体31には、複数の連通孔311が設けられている。各連通孔311は、分離膜支持体31の軸方向の両端面を貫通(連通)するように、分離膜支持体31の軸方向に沿って形成されている。
分離膜支持体31の連通孔311の内壁面312には、分離膜22の下地となる中間層34が設けられている。中間層34は、多孔質のアルミナにより構成されている。中間層34の平均厚みは100μmである。なお、図1〜図3では、中間層34の図示を省略した。
中間層34の内側には、セル32が形成されている。すなわち、セル32は、中間層34の内側に形成された空間である。各セル32は、基材21の軸方向の両端面(第1端面211、第2端面212)を貫通(連通)するように、分離膜支持体31の軸方向に沿って形成されている。基材21の軸方向に直交する断面には、127個のセル32が同心円状に配置されている。セル32の断面形状は円形状である。
分離膜22は、基材21のセル32の内壁面321に設けられている。分離膜22は、分離膜支持体31及び中間層34よりも細孔径が小さい微細孔を多数有するアルミナ製の多孔質膜である。分離膜22は、細孔径が0.05〜10μmの精密ろ過膜(MF膜)である。分離膜22は、固形物を含んだ被処理流体Aを固形物とその他の成分とに分離するための固液分離用の分離膜である。分離膜22は、基材21のセル32内(具体的には後述する流路33内)を流通する被処理流体Aを分離処理(ろ過)する。なお、図2、図3では、分離膜22の図示を省略した。
各セル32において、分離膜22の内側には、被処理流体Aを流通させる流路33が形成されている。すなわち、流路33は、各セル32の内壁面321に設けられた分離膜22の内側に形成された空間である。流路33の断面形状は円形状である。流路33の流路径Bは、1.5mm以下である。本実施形態において、流路33の流路径B(図4)は、1.24mmである。流路33の流路径Bは、セル32の内径をC、分離膜22の膜厚をDとした場合、B=C−2×Dの式で表される。
図1、図2に示すように、第1シール層23は、基材21の第1端面211と、分離膜22の第1端面211近傍と、基材21の外周面213の第1端面211近傍とを被覆している。第1シール層23は、基材21の第1端面211から連続して、基材21の外周面213及び分離膜22の表面に形成されている。
第2シール層24は、基材21の第2端面212と、分離膜22の第2端面212近傍と、基材21の外周面213の第2端面212近傍とを被覆している。第2シール層24は、基材21の第2端面212から連続して、基材21の外周面213及び分離膜22の表面に形成されている。
第1シール層23及び第2シール層24を構成する材料は、被処理流体Aが分離膜22を通過せずに多孔質体である基材21内を通って漏洩することを防止できれば、特に限定されない。第1シール層23及び第2シール層24は、基材21及び分離膜22の細孔内に侵入しており、基材21及び分離膜22との密着性を高めている。
図1に示すように、分離膜構造体モジュール1における筐体12は、内部に分離膜構造体11を収容する空間を有する中空の金属製容器である。筐体12は、被処理流体Aを導入する導入口131と、被処理流体Aが分離膜構造体11によって濃縮された濃縮液A1を排出する排出口132と、被処理流体Aが分離膜構造体11によってろ過されたろ過液A2を回収する第1回収口133及び第2回収口134とを有する。
分離膜構造体11における基材21の外周面213に設けられた第1シール層23上には、Oリング141が取り付けられている。このOリング141を介して環状の金属製の遮断部材142が基材21の第1端面211側に嵌設されている。基材21の外周面213に設けられた第2シール層24上には、Oリング151が取り付けられている。このOリング151を介して環状の金属製の遮断部材152が基材21の第2端面212側に嵌設されている。分離膜構造体11は、筐体12の内壁面と金属製の遮断部材142、152との間にOリング143、153を介して、筐体12内に収容されている。
分離膜構造体11を内部に収容した筐体12内には、基材21の第1端面211と筐体12の内壁面とで囲まれた第1空間161と、基材21の第2端面212と筐体12の内壁面とで囲まれた第2空間162と、基材21の外周面213と筐体12の内壁面とで囲まれた第3空間163とが形成されている。第1空間161、第2空間162及び第3空間163は、それぞれ密閉性が保たれている。
次に、分離膜構造体11の製造方法について説明する。
<分離膜支持体作製工程>
この工程では、分離膜支持体31を作製した。具体的には、所定量のアルミナ粉末、メチルセルロース、水、潤滑剤等をミキサーで混合・混練し、押出成形用坏土を得た。そして、押出成形機を用いて、外径(直径)30mm、複数の連通孔311を有する分離膜支持体31の前駆体を成形した。その後、温風乾燥機で乾燥を行い、焼成前の成形体を得た。
次いで、焼成前の成形体を大気雰囲気下で焼成し、分離膜支持体31を得た。そして、焼成後の分離膜支持体31の両端部を切除・研磨し、全長1000mmとなるように分離膜支持体31の寸法を整えた。これにより、分離膜支持体31を得た。
<中間層形成工程>
この工程では、分離膜支持体31の連通孔311の内壁面312に、分離能を有する分離膜22の下地となる中間層34を形成した。具体的には、所定量のアルミナ粉末、分散剤、水等を混合用ポットに投入し、回転架台上で粉砕混合を行った。そして、所定量の有機バインダを投入してさらに混合し、アルミナスラリーを得た。
次いで、アルミナスラリー中に分離膜支持体31を浸漬し、各セル32内にアルミナスラリーを接触させて成膜を行った。このとき、分離膜支持体31の側面にマスキングを施した。その後、アルミナスラリー中から分離膜支持体31を引き上げ、温風乾燥機で乾燥した。乾燥後の分離膜支持体31を大気雰囲気下で焼成し、中間層34の焼き付けを行った。これにより、分離膜支持体31の連通孔311の内壁面312に、中間層34を形成し、分離膜支持体31及び中間層34を有する基材21を得た。
<分離膜成膜工程>
この工程では、中間層34上に、分離能を有する分離膜22を成膜した。具体的には、アルミナ粉末、分散剤、水等を混合用ポットに投入し、回転架台上で粉砕混合を行った。そして、所定量の有機バインダを投入してさらに混合し、アルミナスラリーを得た。
次いで、アルミナスラリー中に基材21を浸漬し、各セル32内にアルミナスラリーを接触させて成膜を行った。このとき、基材21の側面にマスキングを施した。その後、アルミナスラリー中から基材21を引き上げ、温風乾燥機で乾燥した。乾燥後の基材21を大気雰囲気下で焼成し、分離膜22の焼き付けを行った。これにより、中間層34上に、分離膜22を成膜した。
<端面シール工程>
この工程では、基材21の両端面(第1端面211、第2端面212)及びその近傍に、第1シール層23及び第2シール層24を形成した。具体的には、基材21の両端部を除いた外周部をマスキングし、分離膜22を形成した基材21の両端部をガラス釉薬スラリー中に浸漬し、基材21の両端面(第1端面211、第2端面212)及びその近傍をコーティングした。そして、温風乾燥機で乾燥した。その後、大気雰囲気下で釉薬部の焼き付けを行った。これにより、基材21の両端面及びその近傍に、第1シール層23及び第2シール層24を形成した。
以上により、図1〜図4に示すような、基材21(分離膜支持体31、複数のセル32、複数の流路33、中間層34)と、分離膜22と、第1シール層23と、第2シール層24とを備えた分離膜構造体11を得た。
次に、本実施形態の被処理流体の分離処理方法について説明する。
本実施形態の被処理流体の分離処理方法は、図1〜図4に示す分離膜構造体11を用いる。分離膜構造体11の各セル32において、分離膜22の内側には、被処理流体Aを流通させる流路33が形成され、流路33の流路径は、1.5mm以下である。そして、被処理流体Aの分離処理を行う際、分離膜構造体11の流路33内に、膜面線速6m/s以上の条件で被処理流体Aを流通させる。以下、この被処理流体の分離処理方法について詳細に説明する。
まず、図1に示すように、被処理流体Aを分離膜構造体モジュール1の筐体12の導入口131から筐体12の第1空間161に導入する。そして、被処理流体Aを分離膜構造体11の流路33内に膜面線速6m/s以上の条件で流通させ、いわゆるクロスフローろ過方式によって、被処理流体Aを分離処理(ろ過)する。具体的には、固形物を含んだ被処理流体Aを固形物とその他の成分とに分離する。
分離膜構造体11の流路33内を流通する被処理流体Aは、分離膜22を通過可能な成分(固形物以外のその他の成分)だけが分離膜22を通過する。分離膜22を通過したろ過液A2は、基材21の内部を通過し、基材21の外周面213から筐体12の第3空間163に流出した後、第1回収口133及び第2回収口134から回収される。一方、分離膜構造体11を通過して濃縮された濃縮液A1は、筐体12の第2空間162に流出した後、排出口132から排出される。
次に、本実施形態の被処理流体の分離処理方法における作用効果について説明する。
本実施形態の被処理流体の分離処理方法によれば、分離膜構造体11の流路33の流路径Bを1.5mm以下とし、膜面線速を6m/s以上として被処理流体Aの分離処理を行う。そのため、被処理流体Aが分離膜構造体11の流路33内を流通する際に、流路33の内壁面、つまり分離膜22の表面に作用するせん断応力を大きくすることができ、分離膜22の表面に付着した固形物等をこそぎ取る力が強くなる。
これにより、分離膜22の表面に付着する固形物等に起因する分離膜22のファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制でき、被処理流体Aの分離処理効率を高めることができる。すなわち、被処理流体Aが流通する流路33の流路径Bと膜面線速とを上記特定の範囲にすることで、上述の効果を得ることができる。
また、本実施形態において、分離膜22は、固液分離用の分離膜である。固液分離用の分離膜は、ファウリングを起こしやすい。そのため、分離膜22のファウリングを抑制する効果をより有効に発揮することができる。
また、分離膜22は、精密ろ過膜(MF膜)である。そのため、分離膜22によって被処理流体Aの分離処理(ろ過)を良好に行いながら、分離膜22のファウリングを抑制する効果を十分に得ることができる。
このように、本実施形態の被処理流体の分離処理方法によれば、被処理流体Aが流通する流路33の流路径Bと膜面線速とを上記特定の範囲にすることで、分離膜22のファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制でき、被処理流体Aの分離処理効率を高めることができる。
(実験例)
本実験例では、本発明の被処理流体の分離処理方法について、その効果を調べた。具体的には、複数の分離膜構造体(実験例1〜4)を準備し、各分離膜構造体に対してモデル液を用いたろ過テストを行い、ファウリング(膜閉塞)を評価した。
実験例1の分離膜構造体は、上述した図1〜図4に示すように、実施形態1の分離膜構造体11であり、セル32の数は127個、流路33の流路径は1.24mmである。
実験例2の分離膜構造体は、図5に示すように、上述の実施形態1と基本的な構成が同じ分離膜構造体11であり、セル32の数が91個、流路33の流路径が1.44mmである。
実験例3の分離膜構造体は、図6に示すように、上述の実施形態1と基本的な構成が同じ分離膜構造体911であり、セル32の数は91個、流路33の流路径は1.84mmである。
実験例4の分離膜構造体は、図7に示すように、上述の実施形態1と基本的な構成が同じ分離膜構造体911であり、セル32の数が37個、流路33の流路径が2.84mmである。
<ファウリング(膜閉塞)評価>
各分離膜構造体に対して、モデル液(被処理流体)を用いたろ過テストを実施した。具体的には、実施形態1と同様の分離膜構造体モジュールに分離膜構造体を取り付け、その分離膜構造体に対して供給タンクからモデル液を供給し、クロスフローろ過方式でろ過を行った。なお、分離膜構造体(分離膜)を通過した濃縮液及びろ過液は、再び供給タンクに戻る配管系とし、供給タンクから供給されるモデル液の濃度は、常に一定となるようにした。モデル液としては、脱脂粉乳粉末を水で溶解した液を用いた。ろ過条件は、分離膜の膜間差圧を0.2MPa、モデル液の膜面線速を4〜7m/s、モデル液の液温25℃とした。
クロスフローろ過方式で2時間ろ過を行った後、純水を用いて分離膜構造体を洗浄した。洗浄条件は、分離膜の膜間差圧を0MPa、純水の膜面線速を2m/sとした。洗浄後、分離膜構造体モジュールから分離膜構造体を取り出し、80℃の温風乾燥機中で2時間乾燥を行った。乾燥後に分離膜構造体の質量を測定し、ろ過テスト前の質量に対して増加分を算出した。この増加分をファウリングに寄与する固形物分の質量とみなし、0.1%以上の質量増加があったか否かでファウリングの有無を判定した。すなわち、質量増加が0.1%未満の場合をファウリング無し(○)、質量増加が0.1%以上の場合をファウリング有り(×)とした。

表1からわかるように、実験例1、2は、分離膜構造体の流路の流路径が1.5mm以下であるため、モデル液(被処理流体)の膜面線速を6m/s以上とすることにより、ファウリング(膜閉塞)を抑制する効果が十分に得られることがわかった。
一方、実験例3、4は、分離膜構造体の流路の流路径が1.5mmを超えるため、モデル液(被処理流体)の膜面線速を6m/s以上にしたとしても、ファウリング(膜閉塞)を抑制する効果が得られないことがわかった。
以上の結果から、本発明の被処理流体の分離処理方法は、分離膜構造体の流路の流路径を1.5mm以下とし、被処理流体の膜面線速を6m/s以上とすることにより、ファウリング(膜閉塞)を効果的に抑制できることがわかった。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)上述の実施形態では、基材21の断面形状が円形状であるが、基材21の断面形状はこれに限定されるものではなく、例えば、楕円形状、多角形状(三角形状、四角形状、六角形状等)等であってもよい。
(2)上述の実施形態では、基材21としてアルミナ製の多孔質体を用いたが、基材21を構成する材料は、これに限定されるものではなく、例えば、ムライト、チタニア、ジルコニア等のセラミックであってもよいし、ステンレス、チタン等の金属材料であってもよい。
(3)上述の実施形態では、セル32及び流路33の断面形状が円形状であるが、セル32及び流路33の断面形状はこれに限定されるものではなく、例えば、楕円形状、多角形状(三角形状、四角形状、六角形状等)等であってもよい。
(4)上述の実施形態では、分離膜22としてアルミナ製の多孔質膜を用いたが、分離膜22を構成する材料は、これに限定されるものではなく、例えば、ムライト、チタニア、ジルコニア、ゼオライト、パラジウム、カーボン、アモルファスシリカ、MOF(金属有機構造体)等であってもよい。
(5)上述の実施形態では、分離膜22として固液分離用の分離膜を用いたが、他の用途の分離膜を用いてもよい。
(6)上述の実施形態では、分離膜22として精密ろ過膜(MF膜)を用いたが、ナノろ過膜(NF)、限外ろ過膜(UF)等の他のろ過膜を用いてもよい。
(7)上述の実施形態では、分離膜22が1層で構成されているが、複数層で構成されていてもよい。また、中間層34を1層設けているが、複数層設けてもよい。
(8)上述の実施形態では、分離膜支持体31と中間層34とにより基材21を構成したが、分離膜支持体31のみで基材21を構成してもよい。すなわち、分離膜支持体31と分離膜22との間に中間層34を設けたが、このような中間層34を設けない構成としてもよい。この場合、分離膜支持体31の連通孔311が「セル」となり、連通孔311の内壁面312が「セルの内壁面」となる。
11…分離膜構造体
21…基材
22…分離膜
32…セル
321…内壁面(セルの内壁面)
33…流路
A…被処理流体

Claims (3)

  1. 多孔質である柱状の基材と、該基材を軸方向に貫通して形成された複数のセルと、該セルの内壁面に設けられた分離膜と、を備えた分離膜構造体を用いた被処理流体の分離処理方法であって、
    前記分離膜構造体の前記各セルにおいて、前記分離膜の内側には、前記被処理流体を流通させる流路が形成され、該流路の流路径は、1.5mm以下であり、
    前記被処理流体の分離処理を行う際、前記分離膜構造体の前記流路内に、膜面線速6m/s以上の条件で前記被処理流体を流通させることを特徴とする被処理流体の分離処理方法。
  2. 前記分離膜は、固液分離用の分離膜であることを特徴とする請求項1に記載の被処理流体の分離処理方法。
  3. 前記分離膜は、ナノろ過膜、限外ろ過膜及び精密ろ過膜から選択される1種以上のろ過膜を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の被処理流体の分離処理方法。
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