JP2017093972A - 遺体収納部屋 - Google Patents

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覚 松岡
Satoru Matsuoka
覚 松岡
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Abstract

【課題】広いエリアを確保するのが難しい所であっても、効率よく多数の遺体を安置できる遺体収納部屋を提供する。【解決手段】遺体を複数安置する密閉可能な部屋であって、遺体を収納する移動可能な収納部3と、収納部を移動させるための移動装置、部屋全体を冷却するための冷却装置を有するものにおいて、収納部は上下左右に移動可能であり、且つ高さの異なる位置に複数収納可能であるもの。【選択図】図3

Description

本発明は、遺体収納部屋に関するものである。
ここでいう遺体収納部屋とは、病院等で死亡した人が、身元引受人が遺体を引き取るまで、もしくは身元引受人が判明しないまま荼毘に付すまでの期間、安置する場所をいう。
通常、病院で死亡した場合、身内の者(親戚の者)がそのまま家に遺体を引き取るため、この安置場は不要である。しかし、最近では、身元不明の人が病院で亡くなることや、事故でなくなりまったく身元がわからない場合、さらには身元引受人が遺体を引き取りに来ない等の事態が増えてきている。
このような場合、遺体は病院においておくことはできず、現実問題としては、近くに葬儀場の安置場に安置しておくことが行われている。しかし、葬儀場においても、葬儀を執り行うことが仕事であり、引取り人のない遺体を安置しておく場所が広く確保されていることはない。また、腐敗その他を防止するため、ドライアイスその他も必要であり、手間もかかるものである。
上記のような遺体が多数になると、葬儀場であっても、都会にある施設では、簡単に場所を確保することは難しい。特に、大きな災害等があると多数の遺体を安置しなければならなくなる。
そこで、広いエリアを確保するのが難しい所であっても、効率よく多数の遺体を安置できる遺体収納部屋を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、本発明遺体収納部屋を完成したものであり、その特徴とするところは、遺体を複数安置する密閉可能な部屋であって、遺体を収納する移動可能な収納部と、該収納部を移動させるための移動装置、部屋全体を冷却するための冷却装置を有するものにおいて、該収納部は上下左右に移動可能であり、且つ高さの異なる位置に複数収納可能である点にある。
ここで収納部とは、遺体又は棺を載置、収容する場所であり、枠だけでも、箱体(蓋があってもよい)であってもよい。要するに遺体が乗ればいいのである。
この収納部は、上下左右に移動可能である。ここでいう左右は平面状で少なくとも1方向に前後動可能(上下を伴う前後動でもよい)であればよい。上下動が必須であり、平面状にしか移動できないものは入らない。
移動装置は、収納部を移動させるものであって、チェーンやクランクその他の連結、接続部材であり、モーターやエンジンによって駆動されるものである。
本発明遺体収納部屋は、密閉可能であり、その中が冷却できるものである。冷却装置は、通常のものでよく、部屋内を2℃〜10℃に冷却できるものであればよい。さらに、遺体を上下に少なくとも2段載置できるものである。これによって、遺体収納部屋の面積を軽減できる。これは、種々の形式が考えられるが、そのどれでもよい。例えば、垂直循環方式、エレベーター方式等である。
ここで、垂直循環方式はメリーゴーランド方式とも呼ばれ、垂直方向に周回(長穴状に周回するタイプ、楕円状に周回するタイプ等)する移動装置(チェーン等)に固定され、その移動装置の周回に従って収納部が移動するものである。周回はどの方向でもよい。また、エレベーター方式は、垂直に上下し、所定高さの所で左右に収納するタイプである。
また、本発明部屋には、送風機を設けるのがよい。これは、部屋の温度を均一化し、その結果として冷却効率の向上が期待できる。送風機としては、通常のファンでよい。
また、殺菌剤噴霧装置を設けてもよい。これは、殺菌剤(液体)を噴霧して腐敗を防止するものである。噴霧の方法や殺菌剤は通常のものでよく特別なものを用いる必要はない。
また、本発明では、できるだけ狭いスペースに多人数分の遺体を収納したいという要望に鑑み、平面視7m×4m、好ましくは平面視5m×3mで実施可能である。これなら、大都会でもエリアは確保しやすい。即ち、部屋を高くしているため、所要面積が少なくて済むのである。
収納部の数は自由であり、10以上、より好ましくは30以上がよい。勿論、これ以上でも問題はない。
各収納部には、番号や記号を割り当て、コンピューター制御してもよい。即ち、入口に設けた入力装置にその番号や記号を入力すると、その収納部が出口(入口と出口が同一なら入口)に移動する。
本発明の部屋の使用方法としては、まず、遺体を本発明遺体収納部屋の入口前部に移送し、ドアを開け、内部の収納部に遺体のみ又は棺ごと移す。この時、その遺体の名前、又は名前がわからない場合には仮に付けた名前や番号等の識別記号、及び必要ならばその他のデータをコンピューターに入力する。移動装置での位置は、手動又は自動で入力する。勿論、まったく入力しないタイプでもよい。
また、遺体を搬出する場合には、入口又は管理室その他の場所の入力装置からその遺体の名前等を入力する。そうすると、自動的にその遺体が出口近くに移送される。そして、ドアを開けて搬出する。
本発明遺体収納部屋には次のような効果がある。
(1) 本発明部屋は、遺体を複数、上下に収納できるため、所要面積が小さくて済む。
(2) 部屋全体として、冷却されているため、ドライアイス等の軽減になる。
(3) 殺菌剤を噴霧する例では、より腐敗や他の菌に感染するのを防止することができる。
(4) コンピューターを用いるタイプでは、遺体の確認や、迅速な搬出が可能である。
本発明に用いる移動装置の1例を示す概略正面図である。 本発明に用いる移動装置の他の例を示す概略正面図である。 (a)は、本発明に用いる移動装置の1例を示す概略正面図、(b)は収納部の斜視図である。 図3(a)の側面図である。 本発明の部屋の1例を示す概略断面図である。
以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明に用いる移動装置1の1例を示す概略正面図である。これは、垂直循環方式(メリーゴーランド方式)の移動装置であり、その概念図である。チェーン2が縦方向に循環(周回)するものであり、それに収納部3が固定されている。この最下部(途中でも可)で、遺体の搬入、搬出を行う。
図2は、図1と同様の概略正面図であるが、これはエレベーター方式のものである。中央部の収納部3が上下し、空いている左右の場所に移動させるタイプである。
図3(a)は、垂直循環方式の1例を示すもので、概略正面図である。上下の回転板4の回転に従って収納部3が上下するものである。図3(b)は、図3(a)の収納部3に棺5を入れたところを示す。上記回転板4の回転に従って移動する左右のチェーン2に掛けられたバー6に吊り下げられている。この図では、収納部3は、枠体状であるが、箱タイプで前の開閉部から収納するようなものでもよい。この回転板4は、コンピューター(図示略)によって制御されるモーターによって駆動されている。
また、この図のように棺5を収納するものでなく、遺体のみを収納するタイプでもよい。
この収納部3には、収納が容易なように、レールやローラーを設けてもよい。
図4は、図3(a)の側面図である。回転板4にチェーン2が掛けられ、回転板4の回転に従って上下し、その左右のチェーン2にバー6が掛けられている。このバー6に収納部3が固定(吊り下げ)されている。
最下層の収納部3の位置が部屋のドアの前である。
図5は、本発明の部屋7の概略側面断面図である。この図は、図4と同方向の図であり、図1から図4までの移動装置は省略している。入口8から遺体が搬入される。また、上部には、冷却装置9が固定されている。この冷却装置9は、本体ではなく、冷却風の吹き出し口だけでもよい。この本体は別途、低い位置に置いてもよい。
さらに、送風機10が2ヶ所に設けられている。




Claims (7)

  1. 遺体を複数安置する密閉可能な部屋であって、遺体を収納する移動可能な収納部と、該収納部を移動させるための移動装置、部屋全体を冷却するための冷却装置を有するものにおいて、該収納部は上下左右に移動可能であり、且つ高さの異なる位置に複数収納可能であることを特徴とする遺体収納部屋。
  2. 該収納部は、垂直循環方向の移動手段に固定されているものである請求項1記載の遺体収納部屋。
  3. 送風機を設けたものである請求項1又は2記載の遺体収納部屋。
  4. 上部に殺菌剤噴霧装置を設けたものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遺体収納部屋。
  5. 全体のサイズが、平面視、5m×3m以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遺体収納部屋。
  6. 収納部の数は、10以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遺体収納部屋。
  7. 搬入、搬出、位置を制御するコンピューターを設けたものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遺体収納部屋。
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