JP6924092B2 - 複数遺体保存装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の遺体を保存するための複数遺体保存装置に関する。
遺体の保存方法としては、棺(棺桶)に納められた遺体の周囲にドライアイスを置いて遺体を冷却保存する方法が一般的である。近年、特に都市部において火葬施設が混雑し、そのため遺体の保存期間が長期化する傾向にあるが、ドライアイスを用いる方法は、所定量のドライアイスを毎日補充する必要があるので、保存期間が長期化するとコストが大きく嵩んでしまう。また、火葬する際に棺内に残っていたドライアイスから発生する二酸化炭素によって火葬炉が腐食するという問題や、ドライアイスによって低温燃焼状態となりダイオキシンが発生するという問題も指摘されている。
ドライアイスを用いない遺体保存方法として、冷凍装置により遺体を冷凍保存する方法が知られている。この方法は、遺体を長期保存することが可能であるが、凍結した遺体を葬儀の前に解凍する作業が必要となるので作業工程が複雑となり、また解凍する際に遺体が損傷する虞もある。これらの従来手法に替わる遺体保存方法として近年、遺体をマイナスの温度環境下に置きながら、遺体周囲の空間に電場を形成することにより、遺体を凍結しない状態(以下「氷点下非凍結状態」とも称する)で保存する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1,2を参照)。
特開2016−87054号公報 特開2015−173908号公報
上記特許文献1,2に記載された遺体保存手法は、1つの遺体を非凍結状態で保存する技術に関するものであるが、1箇所において複数の遺体を同時に非凍結状態で保存したいという要望もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数の遺体を非凍結状態で保存することが可能な複数遺体保存装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る複数遺体保存装置は、外部環境から断熱された庫内空間を画定する遺体収納庫と、前記遺体収納庫内に設けられた、それぞれに遺体を載置可能な複数段の棚部を有する遺体載置用ラックと、前記庫内空間に冷気を循環させて前記庫内空間の温度をマイナスの設定温度に制御する庫内温度制御手段と、前記庫内空間に静電気を放出して前記庫内空間に電場を形成する空間電位発生手段と、を備え、前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内を少なくとも一方向に移動可能に構成される。
上記構成の複数遺体保存装置において、前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内に複数設けられることが好ましい。
上記構成の複数遺体保存装置において、前記棚部は、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を有し、当該複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とされていることが好ましい。
上記構成の複数遺体保存装置において、車輪付きの基部と、前記基部に対して昇降可能な昇降部とを有し、前記昇降部に遺体を載置して運搬可能に構成された移動架台を備えることが好ましい。
上記構成の複数遺体保存装置において、前記昇降部は、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を有し、当該複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とされていることが好ましい。
上記構成の複数遺体保存装置において、前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内に設置された軌道上に複数並んで配置され、前記軌道上に並ぶ所定数の遺体載置用ラックは、前記軌道上をそれぞれ独立して移動可能に、かつ、前記軌道上におけるそれぞれの間隔を変えることにより、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラックの隣に、前記移動架台を横付けすることが可能なスペースを形成可能に構成されていることが好ましい。
上記構成の複数遺体保存装置において、前記庫内空間において細菌および臭気を減少させる除菌・脱臭手段を備えていることが好ましい。
また、上記構成の複数遺体保存装置において、前記設定温度は、−5℃から0℃の範囲内の温度であることが好ましい。
本発明に係る複数遺体保存装置によれば、複数段の棚部のそれぞれに遺体を載置可能な遺体載置用ラックが設けられた、外部環境から断熱された庫内空間に、冷気を循環させて庫内空間の温度をマイナスの設定温度に制御する構成であり、このとき、庫内空間に静電気を放出して庫内空間に電場を形成するので、複数の遺体をマイナスの温度環境下で冷却しながらもそれぞれの遺体を非凍結状態(氷点下非凍結状態)で保存することができる。
上記構成の複数遺体保存装置において、遺体収納庫内に複数の遺体載置用ラックが設けられる構成とすれば、遺体載置用ラックが1つしかない場合と比較してより多くの遺体を、非凍結状態で保存することが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、遺体載置用ラックが遺体収納庫内を少なくとも一方向に移動可能な構成とすれば、遺体載置用ラックを移動させることによって、遺体載置用ラックに対して遺体を出し入れするための作業スペースを適宜の位置に確保することができるので、遺体載置用ラックに対する遺体の出し入れ作業を効率良く行うことが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、遺体載置用ラックの棚部が、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とすれば、棚部に対して遺体の出し入れを行う際に、ローラ部材上に載置された遺体をローラ部材の回転によって軽い力で移動させることができるので、遺体の出し入れ作業を容易に行うことが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、遺体が載置される昇降部を有する移動架台を備えた構成とすれば、移動架台により、遺体収納庫の内部または外部において遺体を容易に運搬することが可能となる。また、移動架台の昇降部を昇降させることにより、昇降部の
高さと遺体載置用ラックの棚部の高さとを揃えることができるので、棚部と昇降部との間での遺体の受け渡し作業を効率良く行うことが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、移動架台の昇降部が、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とすれば、昇降部に対して遺体の出し入れを行う際に、ローラ部材上に載置された遺体をローラ部材の回転によって軽い力で移動させることができるので、遺体の出し入れ作業を容易に行うことが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、軌道上にそれぞれ独立して移動可能に並ぶ所定数の遺体載置用ラックのそれぞれの間隔を変えることにより、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラックの隣に、移動架台を横付けすることが可能なスペースが形成される構成とすれば、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラックの隣に移動架台を横付けして、遺体載置用ラックと移動架台との間での遺体の受け渡し作業を行うことができるので、遺体の受け渡し作業をスムーズに行うことが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、設定温度を−5℃から0℃の範囲内の温度とする構成とすれば、設定温度を−5℃よりも低くした場合に比較して、遺体をより良好に非凍結状態で保存することが可能となる。
上記構成の複数遺体保存装置において、庫内空間において細菌および臭気を減少させる除菌・脱臭手段を備えた構成とすれば、庫内空間における細菌および臭気の増加を抑えることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る複数遺体保存装置の外観を示す斜視図である。 上記複数遺体保存装置の内部を、遺体収納庫を水平方向に切断して示す平断面図である。 上記複数遺体保存装置の内部を、遺体収納庫を縦方向に切断して示す立断面図である。 上記遺体収納庫内に設置された遺体載置用ラックの平面図である。 上記遺体載置用ラックの左側面図である。 上記複数遺体保存装置における遺体搬送用の移動架台の正面図である。 上記移動架台の平面図である。 上記複数遺体保存装置における遺体載置トレイの平面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複数遺体保存装置1について、上記図面を参照しながら説明する。本実施形態の複数遺体保存装置1は、図1〜図3に示すように、建物内に設置される、矩形箱状に形成された遺体収納庫10と、遺体収納庫10内に設置された複数(本例では6個)の遺体載置用ラック20A〜20Fとを備えている。まず、これらの全体的な構成について説明する。
遺体収納庫10は、前壁部11、左側壁部12、後壁部13、右側壁部14、天井部15及び床部16を備えて構成され、外部環境から断熱された庫内空間を画成する。前壁部11には、複数(本例では2個としていが、設置数は適宜変更可)の開口部111,112が設けられており、それぞれの開口部111,112には、開口部開閉用の扉113,114が設置されている。図示した例では扉113,114が、開口部111,112の外側に設置した引き戸タイプのものとなっているが、扉のタイプは適宜変更可能である。例えば、開口部111,112の内側に設置した引き戸タイプ(引違い戸タイプでも可)のものでもよいし、外開きまたは内開きの開き戸タイプ(片開きタイプでも両開きタイプ
でも可)のものでもよいし、折り戸タイプのものでもよい。また、手動式扉でもよいし、自動式扉でもよい。なお、扉113,114を支持するガイドレール等の図示は省略している。また、開口部111,112の前面下部には、遺体収納庫10が設置される建物の床面と遺体収納庫10内の床部16との段差を無くすためのスロープ部115,116がそれぞれ設置されている。
前壁部11、左側壁部12、後壁部13、右側壁部14、天井部15は、それぞれ、複数の矩形板状のパネル部材を組合せて構成されている。各パネル部材は、2枚の金属板(例えば、外面側を電気亜鉛メッキ鋼板により形成し、内面側をステンレス鋼板により形成するが、アルミニウム等の他の金属製パネルや木製パネル等により形成してもよい)の間に、断熱層部(例えば、発泡スチロールにより形成するが、グラスウールやポリスチレンフォーム等の他の断熱材により形成してもよい)を挟み込んで形成されており、断熱性および強度に優れた構造となっている。床部16は、図3に示すように、ベース層部16aと上層部16bとを備えて構成されている。ベース層部16aは、前壁部11等と同様のパネル部材により構成され、上層部16bは、ベース層部16aを構成するパネル部材とは別のパネル部材を複数組合せて構成されている。なお、扉113,114も、前壁部11等と同様のパネル部材を用いて構成することが可能であるが、断熱性を有する、別の構成のものとしてもよい。
図2に示すように、遺体収納庫10内の床部16には、遺体収納庫10の長手方向(図中左右方向)に沿って直線的に、互いに平行に延びる2本の軌道部41A,41Bが設けられている。軌道部41A,41Bは、図3に示すようにそれぞれ、床部16の上層部16bに形成された溝部42と、溝部42内に設置されたレール部材43とを備えて構成されている。また、レール部材43は、その上面が、床部16の上層部16bの上面と同じ高さとなるように構成されている。
図2に示すように、遺体収納庫10内には、6個の遺体載置用ラック20A〜20Fが設置されている。遺体載置用ラック20A〜20Fは、いずれも同等に構成されているので、ここでは、遺体載置用ラック20Aを例にとって、その構成について説明する。図3〜図5に示すように、遺体載置用ラック20Aは、その四隅に配置された4本の柱部21a〜21dと、各柱部21a〜21dに固定された、ラック基部22と3段の棚部23A〜23Cとを備えている。ラック基部22は、2本の柱部21a,21bの間と、2本の柱部21c,21dの間に、それぞれ架設された2本の長手方向梁部24,24(図3に一方のみ図示)と、2本の長手方向梁部24,24の間に架設された2本の短手方向梁部25,25(図5に一方のみ図示)とを備え、各短手方向梁部25の下面部には、(図5の紙面と垂直な回転軸の回りに)回転自在に支持された車輪26(適宜ストッパ機構が設けられる)が、2個ずつ(ラック基部22に計4個)設けられている。
図4に示すように、棚部23A(棚部23B,23Cも同様に構成される)は、2本の柱部21a,21bの間と2本の柱部21c,21dの間にそれぞれ架設された2本の長手方向梁部27a,27bと、2本の柱部21a,21dの間と2本の柱部21b,21cの間にそれぞれ架設された2本の短手方向梁部28a,28bと、2本の長手方向梁部27a,27bの間に架設された2本の中間梁部29a,29bと、を備えて構成されている。また、短手方向梁部28aと中間梁部29aとの間と、短手方向梁部28bと中間梁部29bとの間には、(図5の紙面と垂直な回転軸の回りに)回転自在に支持された複数個(本例では4個)の遺体載置用のローラ部材30がそれぞれ設けられている。さらに、長手方向梁部27a,27bには、ピン状に形成されたストッパ部材31が、2個ずつ設けられている。このストッパ部材31は、取り外し可能に構成されており、棚部23A上に遺体が載置された状態で取付けられることにより、遺体が棚部23A上から落下することを防止する機能を有している。
3段の棚部23A〜23Cは、それぞれ、遺体を載置することが可能な大きさに構成されている。遺体は、棺CK(図3を参照)内に収納(納棺)された状態、または、遺体載置トレイTRに寝具等を介して載置された状態で、各棚部23A〜23C上に載置、収納されるようになっており、各棚部23A〜23Cの高さ、及び、上段の棚部23Aと天井部15との間の距離は、そのような状態の遺体を収納可能な寸法に設定されている。棺CKまたは遺体載置トレイTRは、各ローラ部材30に支持された状態で棚部23A〜23C上に載置される。このため、遺体を載せた状態でも、ローラ部材30の回転方向(各棚部23A〜23Cの短手方向)に、軽い力で移動させることが可能となっている。
各棚部23A〜23Cに載置される棺CKは、葬儀等で使われる種々のタイプのものを用いることが可能であるが、特に背の高い棺CKの場合には、高さに余裕のある上段の棚部23Aに載置するようにしてもよい。遺体載置トレイTRは、図8に示すように、矩形板状のベース板部61と、ベース板部61の周縁部から上方斜めに延び出た縁板部62a〜62dとを備えて構成され、縁板部62a,62cには、遺体載置トレイTRを移動させる際に作業者が手を掛けるための取手部63が設けられている。
図3に示すように、上段の棚部23Aの下面部と、中段の棚部23Aの下面部には、医療用の殺菌灯32が適宜設置される。この殺菌灯32は、紫外線を遺体に照射するものであり、大腸菌、腸チフス菌、赤痢菌、ブドウ球菌、枯草菌、結核菌等の殺菌に優れた効果を発揮する。本実施形態では、6個の遺体載置用ラック20A〜20Fのうち、2個の遺体載置用ラック20A,20Fに、殺菌灯32を設けているが、他の遺体載置用ラック20B〜20Eにも殺菌灯32を設けてもよい。また、上段の棚部23Aに載置された遺体用の殺菌灯32を、天井部15の下面(庫内側の面)側に適宜設けてもよい。なお、天井部15の下面側には、遺体収納庫10内を照明するための庫内灯が適宜設置されるが、それらの図示は省略している。また、各遺体載置用ラック20A〜20Fの各棚部23A〜23Cには、載置された遺体の氏名等を記載するためのプレート部材(図示略)が適宜設置される。殺菌灯32は、1〜2分間程度の照射で十分な殺菌効果を発揮するものであり、強い紫外線を出力する。このため、殺菌灯32が点灯している間は、遺体収納庫10内に作業者等が立ち入らないことが好ましい。そこで、本実施形態では、6本の各殺菌灯をオンオフ(点灯・消灯)するためのスイッチ(計6個、図示略)を、遺体収納庫10の外部(本実施形態では、前壁部11とするが適宜変更可)に設けたスイッチボックス35(図1を参照)内に設け、遺体収納庫10に立ち入ることなく、各殺菌灯をオンオフすることができるように構成している。なお、スイッチボックス35内には、庫内照明用の庫内灯をオンオフするためのスイッチ(図示略)も設けられている。
遺体収納庫10に対する遺体の搬入・搬出、及び各棚部23A〜23Cに対する遺体の出し入れは、図6,図7に示す遺体搬送用の移動架台50を用いて行われる。図6に示すように移動架台50は、4個の車輪54(図6では2個のみ図示)が取付けられた基部51(車輪54には適宜ストッパ機構が設けられる)と、基部51に対して昇降可能な昇降部52と、基部51と昇降部52との間に設けられ、昇降部52の昇降に応じて変位する筋交い部53とを主体として構成される。移動架台50には、油圧ポンプや油圧シリンダ、油圧ホース等により構成される油圧機構(図示略)が搭載されており、この油圧機構による油圧力によって、昇降部52を所定の高さまで昇降させ、その位置で保持することが可能となっている。また、移動架台50は、車輪54を備えたことにより、種々の場所に自在に移動できるように構成されている。
昇降部52は、図7に示すように、矩形枠状に形成された外縁フレーム部55と、外縁フレーム部55の内側においてその短手方向に架設された4本の梁部56a〜56dとを備えて構成されている。梁部56a,56bの間と、梁部56c,56dの間には、昇降
部52の長手方向に延びる回転軸の回りに回転自在に支持された複数個(本例では4個)の遺体載置用のローラ部材57がそれぞれ設けられている。昇降部52には、棺CK(図3を参照)内に収納された状態、または、遺体載置トレイTR(図2を参照)に寝具等を介して載置された状態で、遺体が載置されるようになっている。棺CKまたは遺体載置トレイTRは、各ローラ部材57に支持された状態で昇降部52上に載置される。このため、遺体を載せた状態でも、ローラ部材57の回転方向(昇降部52の短手方向)に、軽い力で移動させることが可能となっている。また、昇降部52の外縁フレーム部55には、4個の柵部材58が設けられている。この柵部材58は、取り外し可能に構成されており、昇降部52上に遺体が載置された状態で取付けられることにより、遺体が昇降部52上から落下することを防止する機能を有している。
図2に示すように、遺体収納庫10内において、6個の遺体載置用ラック20A〜20Fは、並列状態で一列に並んで2本の軌道部41A,41B上に設置されている。遺体載置用ラック20A〜20Fは、図3に示すように、それぞれのラック基部22に設けられた各車輪26が、軌道部41A,41Bのレール部材43に載る(各車輪26は、レール部材43から外れ難い形状に形成されている)ように設置されており、それぞれが独立して、軌道部41A,41B上を、遺体収納庫10の長手方向に沿って移動可能に構成されている(両端の遺体載置用ラック20A,20Fは、図2に示す位置に固定しておいてもよい)。
2本の軌道部41A,41Bの長さは、6個の遺体載置用ラック20A〜20Fの各短手方向の長さを足し合わせた長さよりも、移動架台50の横幅の2倍程度、長くなるように設定されている。そのため、幾つかの遺体載置用ラックを左側壁部12側に寄せ、残りの遺体載置用ラックを右側壁部14側に寄せることにより、両者の間に、移動架台50を横付けして設置することが可能で、かつ、遺体載置用ラックと移動架台50との間での遺体の受け渡し作業を行うことが可能な作業スペースSPを確保できるように構成されている。図2では、遺体載置用ラック20Bと20Cとの間に作業スペースSPが形成された例を示しているが、各遺体載置用ラック20A〜20Fの軌道部41A,41B上での位置(間隔)を適宜変えることにより、任意の遺体載置用ラックの隣に、このような作業スペースSPを確保することが可能となっている。
遺体載置用ラック20A〜20Fへの遺体の収納、及び、遺体載置用ラック20A〜20Fからの遺体の搬出は、基本的には、移動架台50を用いて行われる。ここで、その手順について簡単に説明する。まず、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラック(ここでは遺体載置用ラック20Bとする)の隣に、作業スペースSPが確保されるように、各遺体載置用ラック20A〜20Fを移動させる。次に、その作業スペースSP内に移動架台50を運び入れて、遺体載置用ラック20Bの隣に横付けする。この際、移動架台50の車輪54が、軌道部41Aを越えて通過することになるが、上述のように、レール部材43の上面と床部16の上層部16bの上面とが同じ高さとなるように構成されているので軌道部41Aにおける段差は小さい。このため、移動架台50は、大きな衝撃を受けること無く、スムーズに軌道部41Aを越えることができる。次いで、遺体載置用ラック20Bの各棚部23A〜23Cのうち、遺体を出し入れする棚部(ここでは棚部23Bとする)の高さと、移動架台50の昇降部52の高さとが揃うように、昇降部52の高さを調整するとともに、遺体載置用ラック20B側にある、昇降部52の柵部材58を取り外し、その状態で、棚部23Bと昇降部52との間での遺体の受け渡し作業を、ローラ部材30,57の回転を利用して行う。
次に、複数遺体保存装置1が備える他の構成要素について説明する。図2に示すように遺体収納庫10内の前壁部11には、2個の冷却ユニット70が設置されている。この冷却ユニット70は、庫内温度制御手段を構成するものであり、前面側に送風口及び吸気口
(いずれも図示略)を備えた箱状の筐体部71と、その内部に装備された、冷却器(エバポレータ)やブロアファン、コントローラ等(いずれも図示略)とを備えて構成される。遺体収納庫10内には、庫内空間の温度(以下「庫内温度」と称する)を検出するための温度センサ(図示略)が適宜の位置に設けられている。冷却ユニット70は、指定された設定温度と温度センサにより検出された庫内温度との差に基づき、庫内空間に送り込む冷気の温度や冷気の量を調整しながら、庫内空間内に冷気を循環させることにより、庫内温度が、指定された設定温度となるように制御する。庫内空間の設定温度は、−5℃から0℃の範囲内の所定の温度(例えば、−5℃や−4℃(適宜変更可))に指定される。
冷却ユニット70は、建物の外部等に設置される室外用放熱ユニット(排気口が形成された筐体内に、コンプレッサ、コンデンサ、コンデンサファン等を備えて構成される。いずれも図示略)と、冷媒を循環させるための冷媒管及び庫内空間の空気を排気するための通気管を介して接続されている。これらの冷媒管及び通気管は、遺体収納庫10内の冷却ユニット70内から、天井部15等を貫通して庫外へと引き出され、室外用放熱ユニットまで延びている(図示略)。
図2に示すように遺体収納庫10内には、静電気放出手段81が、左側壁部12に4個、後壁部13に10個(各段の棚部に対応させるため、図3に示すように上下2段に配置することが好ましい)、右側壁部14に4個、それぞれ設置されている(設置数や設置位置は適宜変更可)。また、図2に示すように遺体収納庫10外には、天井部15の前側辺縁部に6個の電場制御装置82が並んで設置されている(設置数や設置位置は適宜変更可)。静電気放出手段81及び電場制御装置82は、特許第5683032号公報に記載された空間電位発生装置と同様の構成の空間電位発生手段を構成する。すなわち、電場制御装置82は、一次コイルと二次コイルとを磁気的に結合してなるトランスと、二次コイルにおける電圧を調整するために二次コイルの一方の端子を一次コイルの端子に戻すフィードバック制御回路と、二次コイルの出力に低周波振動を加えるために二次コイルの他方の端子に設けられた出力制御手段(いずれも図示略)とにより構成される。静電気放出手段81は、電場制御装置82の二次コイルの他方の端子に電気的に接続された、導電性材料からなる板面(図示略)を有し、電場制御装置82の作動によってその板面から静電気を放出して、対向する庫内空間(例えば、静電気放出手段81を中心とした半径略3メートルの範囲内の空間)に電場を形成するように構成されている。1個の電場制御装置82が3個の静電気放出手段81を制御するようになっており、遺体収納庫10内には、電場制御装置82と静電気放出手段81とを電気的に接続するための電線(図示略)が配置される。
また、図2に示すように遺体収納庫10内には、除菌・脱臭手段85が、前壁部11に3個設置されている(設置数や設置位置は適宜変更可)。この除菌・脱臭手段85は、庫内空間にオゾンを放出して、庫内空間における細菌の除菌(殺菌)および臭気の脱臭を行うように構成されている。特に、細菌による遺体の腐敗防止、死臭の原因となるガダベリン、プトレシン、酪酸、アンモニア、メチルメルカブタン等の脱臭に優れた効果を発揮する。
以上のように構成された複数遺体保存装置1によれば、遺体収納庫10により画成された、外部環境から断熱された庫内空間に、複数の遺体が、棺CKに入れられた状態または遺体載置トレイTRに載置された状態で、遺体載置用ラック20A〜20Fに収納される。また、その状態で庫内空間に冷気を循環させて庫内空間の温度を−5℃から0℃の範囲内の設定温度に制御するとともに、静電気放出手段81から庫内空間に静電気を放出して庫内空間に電場を形成するので、複数の遺体をマイナスの温度環境下で冷却しながらも非凍結状態(氷点下非凍結状態)で良好に保存することができる。
さらに、この複数遺体保存装置1によれば、庫内空間において細菌および臭気を減少させる除菌・脱臭手段85を備えているので、庫内空間における細菌および臭気の増加を抑えることが可能となり、これにより、遺体の腐敗進行を抑制できるとともに、庫内空間を良好な環境に維持することも可能となる。また、医療用の殺菌灯32を備えているので、赤痢菌等の有害な細菌の増殖も抑えることが可能となる。
さらに、この複数遺体保存装置1によれば、遺体収納庫10内において、複数の遺体載置用ラック20A〜20Fが、並列状態で一列に並んで2本の軌道部41A,41B上に設置されており、それぞれが独立して、軌道部41A,41B上を、遺体収納庫10の長手方向に沿って移動可能に構成されている。そして、各遺体載置用ラック20A〜20Fの軌道部41A,41B上での位置(間隔)を適宜変えることにより、任意の遺体載置用ラックの隣に、作業スペースSPを確保できるように構成されている。そのため、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラックの隣にスペースSPを確保し、そこに作業移動架台50を横付けすることにより、遺体載置用ラックに対する遺体の出し入れ作業を容易に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、遺体収納庫内に6個の遺体載置用ラックが設置されているが、遺体載置用ラックの設置数は、5個以下あるいは7個以上に適宜変更することが可能であり、その設置数に応じて、遺体収納庫の大きさ(床面積や容積)、静電気放出手段や除菌・脱臭手段の設置数、遺体搬入・搬出用の開口部の数を適宜変更することが可能である。
上述の実施形態では、1個の遺体載置用ラックが遺体載置用の棚部を3段備えた構成となっているが、遺体載置用ラックの棚部は、1段または2段とすることもできるし、4段以上とすることも可能である。また、棚部の段数を、状況に応じて容易に変更できるように構成してもよい。さらに、遺体載置用ラックは、遺体収納庫内の所定位置に固定的に設置される構成としてもよい。上述の実施形態では、遺体載置用ラックに対して遺体を出し入れ際には、遺体載置用ラックの短手方向に遺体を移動させて行われるように構成されているが、遺体載置用ラックの長手方向に遺体を移動させて、遺体の出し入れを行うように構成することも可能である。また、遺体収納庫に、内部の様子を見るための窓部を設けてもよい。
また、遺体収納庫内に収納される遺体の出入庫の管理を、コンピュータを用いて行うようにしてもよい。例えば、遺体収納庫内に遺体が収納される際に、遺体の足首等に、POSシステムで用いられるバーコード(遺体の氏名等の情報が記録される)が付された識別テープを取り付ける。また、遺体が収納される遺体載置用ラックの棚部(例えば上記プレート部材)にも、遺体に取付けたものと同じバーコードが付された識別テープを貼り付ける。そして、両方のバーコードをバーコードリーダーで読み取り、両者が一致することを確認した上で、遺体の出し入れを行うようにする。こうすることにより、遺体を取り違えたり、面会等のために一時的に搬出した遺体を別の棚部に戻したりするミスを防止することができる。また、各遺体載置用ラックの各棚部の状況、例えば、遺体が収納されているのか空いているのか、収納されている場合はどの遺体なのか、空いている場合は一時的に遺体が搬出されたものなのかどうかについても、一括管理することが可能となる。
1 複数遺体保存装置
10 遺体収納庫
20A〜20F 遺体載置用ラック
23A〜23C 棚部
30,57 ローラ部材
32 殺菌灯
41A,41B 軌道部
50 移動架台
51 基部
52 昇降部
70 冷却ユニット
81 静電気放出手段
82 電場制御装置
85 除菌・脱臭手段
111,112 開口部
113,114 扉
115,116 スロープ部
CK 棺
TR 遺体載置トレイ
SP 作業スペース

Claims (8)

  1. 外部環境から断熱された庫内空間を画定する遺体収納庫と、
    前記遺体収納庫内に設けられた、それぞれに遺体を載置可能な複数段の棚部を有する遺体載置用ラックと、
    前記庫内空間に冷気を循環させて前記庫内空間の温度をマイナスの設定温度に制御する庫内温度制御手段と、
    前記庫内空間に静電気を放出して前記庫内空間に電場を形成する空間電位発生手段と、を備え
    前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内を少なくとも一方向に移動可能に構成されていることを特徴とする複数遺体保存装置。
  2. 前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の複数遺体保存装置。
  3. 前記棚部は、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を有し、当該複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とされていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の複数遺体保存装置。
  4. 車輪付きの基部と、前記基部に対して昇降可能な昇降部とを有し、前記昇降部に遺体を載置して運搬可能に構成された移動架台を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複数遺体保存装置。
  5. 前記昇降部は、回転可能な遺体載置用の複数のローラ部材を有し、当該複数のローラ部材を介して遺体を支持する構成とされていることを特徴とする請求項に記載の複数遺体保存装置。
  6. 前記遺体載置用ラックは、前記遺体収納庫内に設置された軌道上に複数並んで配置され、前記軌道上に並ぶ所定数の遺体載置用ラックは、前記軌道上をそれぞれ独立して移動可能に、かつ、前記軌道上におけるそれぞれの間隔を変えることにより、遺体を運ぶ対象となる遺体載置用ラックの隣に、前記移動架台を横付けすることが可能なスペースを形成可能に構成されていることを特徴とする請求項もしくはに記載の複数遺体保存装置。
  7. 前記庫内空間において細菌および臭気を減少させる殺菌・脱臭手段を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複数遺体保存装置。
  8. 前記設定温度は、−5℃から0℃の範囲内の温度であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複数遺体保存装置。
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