JP2017093031A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドア開状態における安全性を確保しつつ、ドア閉状態における意図しない挙動を回避することのできる制御装置を提供する。【解決手段】制御装置100は、モータ300により駆動する電動車両に設けられる。制御装置は、ドアの開閉の状態を監視するドア制御部10と、シフトレバー400に電気的に接続され、シフトレバーの位置に基づいてシフトレンジを制御するシフト制御部20と、シフト制御部が判定した結果としてのシフトレンジに基づいてモータの駆動を制御するモータ制御部30と、を備える。シフト制御部は、ドアが開状態にあっては、シフトレバーの位置に依らずシフトレンジを一時的にニュートラルレンジに遷移させ、且つ、シフトレバーの操作によるシフトレンジの変更を無効化する。【選択図】図1

Description

モータにより駆動する電動車両においてシフトレンジを制御する制御装置に関する。
車両において、安全性の観点から乗降用のドアが開いているときには、エンジンやモータによる駆動力を車輪に伝達しないようにしているものがある。このような技術は例えばワンマンバスに適用されている。これにより、ドアが開いた状態で車両が移動しないので安全性の向上に貢献する。
具体的には、エンジンを駆動源とする車両においては、シフトレンジがニュートラルレンジ(Nレンジ)でなければドアが開けられないようにし、ドアが開いている間はシフトレバーを機械的に固定するようになっている。また、アクセルにインターロックを設ける技術も知られている。
一方、モータを駆動源とする電動車両においては、トランスミッション等の機械的機構を介することなくモータのトルク制御によって駆動力の伝達を制御できる。特許文献1には、シフトレバーの位置がドライブレンジ(Dレンジ)にあっても、ドアが開いている間はシフトレンジがNレンジであると読み替えることにより、モータにトルクを生じさせない技術が開示されている。
特開2010−110108号公報
特許文献1に記載の技術は、ドアが開いた状態でシフトレバーが操作された場合において、実際にはシフトレバー位置が変化しているにもかかわらず、シフトレンジをNレンジに読み替えている。そして、シフトレバーが操作されたことによるシフトレンジの変化は、ドアが閉められたときに反映される。
仮にドアが開いた状態でのシフトレバーの操作が意図的でなかった場合、ドアが閉じた瞬間に、車両が運転者の意図しない挙動を示す虞がある。具体的には、シフトレンジがNレンジとされたうえでドアを開いた状態において、シフトレバーが誤操作されてレンジ位置がDレンジやリバースレンジ(Rレンジ)に移動していたとする。ドアが開いている間、車両はシフトレンジをNレンジに読み替えているので車両は発進しないが、ドアが閉じられた瞬間にシフトレンジがDレンジあるいはRレンジに遷移して誤発進、逆進する虞がある。
特に、近年の電動車両におけるシフトレバーは、レンジ切り替え操作後に原点位置に戻るモーメンタリ方式が多く採用されている。このため、運転者が現在のシフトレンジの状態を直観的に判断できないことが考えられ、上記の問題は顕著になる。
なお、特許文献1には、誤発進防止を目的に、ドアが開状態から閉状態に遷移する際にブレーキ操作がされていない場合にはシフトレンジのNレンジへの読み替えを継続する旨が記載されているが、ブレーキ操作が行われた瞬間に読み替えが解除されてシフトレンジが切り替わることに変わりはない。すなわち、シフトレンジの遷移による急発進は回避できるがシフトレンジが運転者の意図しない位置に変化してしまう問題は解消されていない。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、ドア開状態における安全性を確保しつつ、ドア閉状態における意図しない挙動を回避することのできる制御装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、モータ(300)により駆動する電動車両において、ドアの開閉の状態を監視するドア制御部(10)と、シフトレバー(400)に電気的に接続され、シフトレバーの位置に基づいてシフトレンジを制御するシフト制御部(20)と、シフト制御部が判定した結果としてのシフトレンジに基づいてモータの駆動を制御するモータ制御部(30)と、を備え、シフト制御部は、ドアが開状態にあっては、シフトレバーの位置に依らずシフトレンジを一時的にニュートラルレンジに遷移させ、且つ、シフトレバーの操作によるシフトレンジの変更を無効化することを特徴としている。
これによれば、ドアが開いている状態ではシフトレンジがニュートラルレンジ(Nレンジ)になるので、ドアが開いている状態で誤って発進することを防止でき、安全性を確保することができる。そのうえで、ドアが開いている状態でのシフトレバーの操作は無効化されるので、運転者の意図しないシフトレンジに遷移することを回避することができる。
第1実施形態にかかる制御装置およびその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。 従来構成における制御装置の動作フローを示すタイミングチャートである。 第1実施形態にかかる制御装置の動作フローにおけるメインルーチンを示すフローチャートである。 ドア開操作処理を示すフローチャートである。 シフト操作処理を示すフローチャートである。 ブレーキ操作処理を示すフローチャートである。 ドア閉操作処理を示すフローチャートである。 制御装置の動作フローを示すタイミングチャートである。 制御装置の動作フローを示すタイミングチャートである。 変形例1にかかる制御装置の動作フローを示すタイミングチャートである。 第2実施形態にかかる制御装置のシフト操作処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る制御装置の概略構成について説明する。
この制御装置は、例えばハイブリッド仕様のワンマンバスにおけるHV−ECUである。ワンマンバスでは、乗客が乗降するためのドアが運転者から見えづらい位置に設けられることがある。本実施形態における制御装置は、車両が停留所等に停車してドアの開閉を行うようなシチュエーションを想定して、以下に説明する制御を行う。
図1に示すように、この制御装置100は、ドアの開閉を指示するためのユーザーインターフェースであるドア開閉スイッチ200と、ドアを動かすためのアクチュエータ210と、モータ300と、シフトレバー400と、ブレーキペダル500と、に通信可能に接続されている。制御装置100はシフトレバー400の操作に基づいてシフトレンジを設定してモータ300の駆動を制御している。加えて、本実施形態における制御装置100は、ドアの開閉の状態やブレーキペダルの状態に応じてモータ300の駆動を制御するようになっている。以下、具体的に説明する。
制御装置100は、ドア制御部10と、シフト制御部20と、モータ制御部30と、を備えている。
ドア制御部10はドアの開閉に係る制御を担っている。ドア制御部10は、図1に示すように、ドア開閉スイッチ200に接続されている。運転者がドア開閉スイッチ200を介してドアを開くように指示すると、ドア制御部10はアクチュエータ210に対してドアを開くように指示する。反対に、運転者がドア開閉スイッチ200を介してドアを閉めるように指示すると、ドア制御部10はアクチュエータ210に対してドアを閉めるように指示する。また、ドア制御部10はドアの開閉の状態を監視している。ドア制御部10はドアが開いている状態(開状態)と、閉じている状態(閉状態)とを判定して後述のシフト制御部20に出力している。
シフト制御部20は、運転者がシフトレンジの変更を指示するためのシフトレバー400およびブレーキペダル500に通信可能に接続される。また、シフト制御部20は、ドア制御部10およびモータ制御部30に通信可能に接続されている。シフト制御部20は、運転者により操作されたシフトレバー400の位置に応じてシフトレンジを制御している。本実施形態では、シフトレンジとして、モータ300が正回転するドライブレンジ(Dレンジ)と、モータ300が逆回転するリバースレンジ(Rレンジ)と、モータ300のトルクがゼロになるニュートラルレンジ(Nレンジ)と、が存在する。例えば、運転者がシフトレバー400をNレンジからDレンジに切り替えた場合、シフト制御部20は、モータ300のトルクをゼロから正値に変更するようにモータ制御部30に指示を出力する。
上記したように、本実施形態におけるシフト制御部20は、ドア制御部10およびブレーキペダル500に接続されている。シフト制御部20は、シフトレバー400から入力されるシフトレンジの変更命令に加えて、ドアの開閉の状態やブレーキペダル500の踏み込み状態も加味してシフトレンジの制御している。シフト制御部20の詳しい動作は追って説明する。
モータ制御部30は、シフト制御部20により入力されるシフトレンジ情報に基づいてモータ300の駆動を制御している。モータ制御部30は、例えばシフトレンジがDレンジに設定されればモータ300を正回転させる。モータ制御部30は、例えばシフトレンジがRレンジに設定されればモータ300を逆回転させる。モータ制御部30は、例えばシフトレンジがNレンジに設定されればモータ300のトルクをゼロに設定する。
次に、制御装置100の動作についての理解を助けるため、図2を参照して従来の構成における制御装置の動作について説明する。なお、従来構成の説明にあっては符号を付さない。
図2に示すように、シフトレンジがDレンジの状態で、時刻t21においてドア開閉スイッチが閉状態から開状態に切り替えられたとする。このとき、従来の構成では、シフトレバー位置がDレンジであることから、シフト制御部はモータ制御部に対してシフトレンジをDレンジとするように指示を出力しているが、モータ制御部はシフトレンジをNレンジに読み替える。このため、時刻t21において、モータのトルクは実質ゼロとなり、ドアが開いた状態では安全に停止している。
ドア開閉スイッチが開状態とされた状態の時刻t22において、図2に示すように、運転者の意図しないシフトレバー位置の変化(Dレンジ→Rレンジ)があったと仮定する。シフト制御部はモータ制御部に対してシフトレンジをDレンジからRレンジに変更するように指示するが、ドアが開状態であることから、モータ制御部はシフトレンジをNレンジに読み替える。よって、意図しないシフトレバーの操作があっても、ドアが開状態であれば車両は移動しない。
そして、時刻t23においてドア開閉スイッチが操作されてドアが開状態から閉状態に切り替えられたとする。このとき、モータ制御部はシフトレンジの読み替えを解除するため、シフトレンジはRレンジとなる。
このように、従来の構成では、ドアが開状態の間にシフトレバーが操作されると、ドアが開いた後に再び閉められるとシフトレンジが変化してしまっている。シフトレバーの操作が運転者の意図しないものであったとすれば、ドアが再び閉められた後の車両の挙動は、運転者の意図しないものとなってしまう。とくに、ドアが再び閉められた後のシフトレンジがNレンジ以外の場合には、車両が意図せずに動き出してしまう。
次に、図3〜図9を参照して、制御装置100の動作フローを説明する。
図3に示すように、制御装置100は、主に4つのステップS10〜S40を経てドアの開閉状態が考慮されたシフトレンジの制御を行う。図3は動作フローにおけるメインルーチンを示し、各ステップS10〜S40に相当するサブルーチンはそれぞれ図4〜7に示す。また、図8および図9は図2に対応したタイミングチャートである。図8は、ドアが開状態の間にシフトレバー400の操作が行われた場合のタイミングチャートである。一方、図9は、ドアの開状態の間にシフトレバー400の操作が行われなかった場合のタイミングチャートである。
最初に、図3に示すように、ステップS10が実行される。ステップS10はドア開操作処理である。このステップS10は、ドアが閉状態から開状態に切り替えられた場合の処理を行うステップである。具体的な処理フローを図4に示す。
ドア開操作処理ステップでは、まずステップS11が実行される。ステップS11は、ドア制御部10が、運転者によるドアの開操作があったか否かを判定するステップである。ドア制御部10は、ドアが閉状態から開状態になる操作を受けると、このステップをYESと判定し、閉じられたままであればNOと判定する。ステップS11がNO判定であればドア開操作処理(ステップS10)は終了する。一方、ステップS11がYES判定であれば、ステップS12に進む。
ステップS12は、シフト制御部20がシフトレンジをNレンジに変更するステップである。このステップS12では、変更以前のシフトレンジの種類にかかわらず強制的にNレンジに変更される。これに伴って、モータ制御部30は、モータ300に対して、Nレンジ相当の制御を行う。すなわち、モータ300のトルクを実質ゼロにする。そして、ステップS13に進む。
ステップS13は、シフト制御部20がフラグをONにするステップである。ここでのフラグとは、ドアが開かれることによってシフトレンジが強制的にNレンジにされている状態を示す指標である。フラグがONであれば強制Nレンジを実施中であり、フラグがOFFであれば、ドアが閉状態にあってはシフトレンジがシフトレバー400によって変更可能な状態であることを示す。すなわち、このフラグは、後述するドア閉操作処理(ステップS40)において参照され、ドア閉操作時にドア開操作時点でのシフトレンジに戻すか否かの判定に用いられる。
図8における時刻t81および図9における時刻t91は、ステップS11がYES判定となってドア開操作処理(ステップS10)がステップS11〜S13を経て実行された時刻である。
図3に示すように、ドア開操作処理(ステップS10)の後、ステップS20が実行される。ステップS20はシフト操作処理である。このステップS20は、シフトレバーによるシフト操作が行われた場合の処理を行うステップである。具体的な処理フローを図5に示す。
シフト操作処理ステップでは、まずステップS21が実行される。ステップS21は、シフト制御部20が、運転者によるシフトレバー400の操作が行われたか否かを判定するステップである。シフト制御部20は、シフトレバー400の操作が行われた場合にYESと判定し、行われなかった場合にNOと判定する。ステップS21がNO判定であればシフト操作処理(ステップS20)は終了する。ステップS21がNO判定である状態は図9に示すタイミングチャートで説明できる。一方、ステップS21がYES判定であれば、ステップS22に進む。ステップS21がYES判定である状態は図8に示すタイミングチャートで説明できる。
ステップS22は、シフト制御部20が、ドアが開状態にあるか、あるいは、フラグがONであるか否かを判定するステップである。なお、ドアの開状態については、シフト制御部20が、ドア制御部10からドアの開閉状態に関する情報を受け取ることで、ドアが開状態にあるか否かを判定している。また、ドアが閉状態でフラグがONの状態は実質存在しない。
ここで、ステップS22がNO判定とは、ドアが閉状態であり、且つ、フラグがOFFであることを示している。この状態は、通常の走行状態あるいはドアを閉めて停止している状態であるから、ステップS25が実行される。ステップS25は、シフト制御部20がシフトレンジを、シフトレバー400の操作が行われた通りの操作レンジに変更するステップである。なお、このステップによるシフトレンジの遷移は、通常の運転操作であるから図8や図9において図示していない。
一方、ステップS22がYES判定であればステップS23に進む。ステップS23は、シフト制御部20がシフトレンジをNレンジに変更するステップである。このステップS23では、シフトレバー400の操作によるシフトレンジの変更が無効化され、変更以前のシフトレンジの種類にかかわらず強制的にNレンジに変更される。これに伴って、モータ制御部30は、モータ300に対して、Nレンジ相当の制御を行う。すなわち、モータ300のトルクを実質ゼロにする。そして、ステップS24に進む。
ステップS24は、シフト制御部20がフラグをOFFにするステップである。これにより、ドア閉操作時において、開動作によるNレンジ遷移前のシフトレンジに戻らないようにできる。すなわち、ドアが開状態から閉状態に遷移した後も、シフトレバー400の操作がない限りはシフトレンジとしてNレンジを継続するようにできる。
図8における時刻t82は、ステップS21がYES判定となってシフト操作処理(ステップS20)がステップS21〜S24を経て実行された時刻である。
図3に示すように、シフト操作処理(ステップS20)の後、ステップS30が実行される。ステップS30はブレーキ操作処理である。このステップS30は、ブレーキペダル500によるブレーキ操作が行われた場合の処理を行うステップである。具体的な処理フローを図6に示す。なお、このステップS30は、ブレーキペダル500が踏まれた状態で停止している状態を想定している。ブレーキ操作処理(ステップS30)は必ずしも必要ではないが、このステップを実行することによって、ブレーキの踏み込みが解除された状態で車両が意図しない挙動を示すことを回避でき、安全性を向上することができる。
ブレーキ操作処理ステップでは、まずステップS31が実行される。ステップS31は、シフト制御部20が、運転者によるブレーキの解除が行われたか否かを判定するステップである。ブレーキの解除とは、運転者がブレーキペダル500を踏み込んだ状態から踏み込みを止めることを指している。シフト制御部20は、ブレーキの解除が行われた場合にYESと判定し、行われなかった場合にNOと判定する。ステップS31がNO判定であればブレーキ操作処理(ステップS30)は終了する。一方、ステップS31がYES判定であればステップS32に進む。
ステップS32は、シフト制御部20がフラグをOFFにするステップである。これにより、ドア閉操作時において、開動作によるNレンジ遷移前のシフトレンジに戻らないようにできる。すなわち、ブレーキペダル500の踏み込みがなくブレーキが解除された状態であっても、ドアが開状態から閉状態に遷移した後にシフトレンジがNレンジで維持されるようにできる。このため、ドアが閉じた後に意図せず車両が進行あるいは逆進することがなく、安全性を向上することができる。
図3に示すように、ブレーキ操作処理(ステップS30)の後、ステップS40が実行される。ステップS40はドア閉操作処理である。このステップS40は、ドアが開状態から閉状態に切り替えられた場合の処理を行うステップである。具体的な処理フローを図7に示す。
ドア閉操作処理ステップでは、まずステップS41が実行される。ステップS41は、ドア制御部10が、運転者によるドアの閉操作があったか否かを判定するステップである。ドア制御部10は、ドアが開状態から閉状態になる操作を受けると、このステップをYESと判定し、開かれたままであればNOと判定する。ステップS41がNO判定であればドア閉操作処理(ステップS40)は終了する。一方、ステップS41がYES判定であれば、ステップS42に進む。
ステップS42は、シフト制御部20が、フラグの状態がONか否かを判定するステップである。ステップS42では、フラグがONであればYESと判定され、フラグがOFFであればNOと判定される。
ステップS42がNO判定の場合、ドア閉操作処理(ステップS40)は終了する。ここで、ステップS42がNO判定であるとは、ドアが開状態でブレーキ解除やシフト操作が行われたうえで、ドアが再び閉められたことを示している。すなわち、図8に示す時刻t83のような状況である。このような場合はシフトレンジの変更は行われず、現状を維持する。例えば図8に示すように、シフトレンジが強制的にNレンジとされた状態であれば、ドアが閉じられた後もNレンジを維持する。これにより、運転者の意図しないシフトレバー400の操作が行われた状況下やブレーキが解除された状況下であっても、ドアの閉動作と同時に車両が進行あるいは逆進することがない。すなわち、安全性を向上することができる。
一方、ステップS42がYES判定であるとは、ブレーキ解除やドアが開状態でのシフト操作が行われなかったうえでドアが再び閉められた状況を示している。すなわち、図9に示す時刻t92のような状況である。ステップS42がYES判定の場合、ステップS43に進む。
ステップS43は、シフト制御部20が、シフトレンジを、強制的にNレンジに変更される前のレンジに戻すステップである。これに伴って、モータ制御部30は、モータ300に対して、戻された後のシフトレンジ相当の制御を行う。そして、ステップS44に進む。ステップS44は、シフト制御部20がフラグをOFFにリセットするステップである。
次に、本実施形態に係る制御装置100を採用することによる作用効果について説明する。
この制御装置100では、図8の時刻t81および図9の時刻t91に示すように、ドアが閉状態から開状態に切り替わったときにシフトレンジがNレンジに遷移するので、ドアが開かれた状態で車両が動き出すことを防止できる。すなわち、安全性を確保することができる。
また、この制御装置100は、図8の時刻t82に示すように、ドアが開状態の間にシフトレバー400が操作されても、図2に示す従来構成のようにシフトレンジが変化することなく、シフトレバー400の操作を無効化することができる。このように、シフトレンジが意図せず操作されたシフトレバー400の影響を受けることがないので、車両の挙動が運転者の関知しない状況に陥ることを防止することができる。
なお、本実施形態における制御装置100は、図8の時刻t83に示すように、ドアが閉められた後も、ドアが開状態のときに操作されたシフトレバー400に依ることなく、シフトレンジがNレンジで維持される。このため、万一シフトレバー400が誤操作されていたとしても、ドアの閉操作と同時に動き出すことがない。すなわち、安全性を向上することができる。時刻t83以降では、フラグがOFFになっているので、運転者のシフトレバー400の操作に従ってシフトレンジが変化する。よって、ドアが閉状態になった後は、運転者の意思でNレンジを解除して進行あるいは逆進を行うことができる。
(変形例1)
上記した実施形態では、シフト操作処理(ステップS20)のステップS24において、ドアが開状態でシフト操作が行われるとフラグをOFFにするようになっていた。これは、フラグのONとOFFを管理することによって、ドアが閉状態になった後もシフトレンジをNレンジのまま維持することを目的にしている。しかしながら、必ずしもフラグ管理を行わなくても良い。
フラグ管理を行わない場合、ドアが開状態においてシフトレバー400が操作された場合であっても、ドアが閉じられれば、図7に示したドア閉操作処理(ステップS40)においてステップS42を行わない処理が実行される。このため、シフトレンジは元のレンジに戻ることになる。すなわち、図10に示すように、時刻t83においてDレンジに戻ることになる。したがって、図2に示した従来の構成のように運転者が関知せずに行われたシフトレバー400の操作が反映されることはないので、安全性を保つことができる。
ただし、より好ましくは、第1実施形態に記載のように、ドアが再び閉じられた後もNレンジを維持するようにすれば、より安全性を向上することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、シフト操作処理のステップS20において、ステップS24としてフラグをOFFにするステップを経るようになっている。これにより、ドアが再び閉じられた後もNレンジが維持されるようになる。これに対して、本実施形態では、図11に示すように、ステップS24をステップS26で置換している。
ステップS26は、シフト制御部20が、モータ制御部30に対して、Nレンジから異なるシフトレンジに遷移する際のモータ300のトルクを抑制するように指示するステップである。この例では、第1実施形態のようにシフト操作処理のステップS20においてはフラグがOFFにならないので、ドア閉操作処理においてドアの閉操作が確認されると、シフトレンジが元のレンジに戻ることになる。例えば図8あるいは図10の例では、時刻t83においてシフトレンジはDレンジに戻ることになるが、モータ300のトルクが通常よりも小さく制限されているので、通常よりも車両の加速度を抑制することができる。したがって、トルクを制限しない態様に較べて安全性を向上することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
第1実施形態の説明でも記載したように、ステップS30に記載したブレーキ操作処理は必ずしも必要なわけではない。ただし、ブレーキ操作処理を実行することによって、ブレーキの踏み込みが解除された状態で車両が意図しない挙動を示すことを回避でき、安全性を向上することができる。
また、上記した各実施形態において、ドア開操作処理(ステップS10)のステップS12とステップS13はその実行順序を逆にしてもよい。また、シフト操作処理(ステップS20)のステップS23とステップS24はその実行順序を逆にしてもよい。ステップS23とステップS26の実行順序も逆にしてよい。さらに、ドア閉操作処理(ステップS40)のステップS43とステップS44はその実行順序を逆にしてもよい。
上記した各実施形態では、制御装置100の適用先としてワンマンバスを例示したが、ドアを有し、シフトレンジとして少なくともDレンジとNレンジとを有する車両であれば適用できるのであって乗用車やトラック等にも適用可能である。
10…ドア制御部,20…シフト制御部,30…モータ制御部,100…制御装置,200…ドア開閉スイッチ,300…モータ,400…シフトレバー,500…ブレーキペダル

Claims (6)

  1. モータ(300)により駆動する電動車両において、
    ドアの開閉の状態を監視するドア制御部(10)と、
    シフトレバー(400)に電気的に接続され、前記シフトレバーの位置に基づいてシフトレンジを制御するシフト制御部(20)と、
    前記シフト制御部が判定した結果としてのシフトレンジに基づいて前記モータの駆動を制御するモータ制御部(30)と、を備え、
    シフト制御部は、
    前記ドアが開状態にあっては、前記シフトレバーの位置に依らずシフトレンジを一時的にニュートラルレンジに遷移させ、且つ、前記シフトレバーの操作によるシフトレンジの変更を無効化する制御装置。
  2. 前記ドアが開状態から閉状態に遷移した後に、シフトレンジを、ニュートラルレンジに遷移させる前の状態に戻す請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記シフト制御部は、前記ドアが開状態のときに前記ドアの開閉を除く操作が行われた場合には、前記ドアが開状態から閉状態に遷移した後も、シフトレンジとしてニュートラルレンジを継続する請求項1または請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記ドアが閉状態から開状態に遷移してシフトレンジが一時的にニュートラルレンジにされた場合において、前記シフトレバーの操作行われた場合には、前記ドアが開状態から閉状態に遷移した後も、シフトレンジとしてニュートラルレンジを継続する請求項3に記載の制御装置。
  5. ブレーキペダル(500)が踏み込まれた状態で前記ドアが閉状態から開状態に遷移してシフトレンジが一時的にニュートラルレンジにされた場合において、
    前記ドアが開状態において前記ブレーキペダルの踏み込みが解除された場合には、前記ドアが開状態から閉状態に遷移した後も、シフトレンジとしてニュートラルレンジを継続する請求項3または請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記モータ制御部は、前記ドアが開状態の間に前記シフトレバーの操作があった場合には、前記モータのトルクを、通常のトルクよりも小さく制限する請求項1に記載の制御装置。
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