JP2017093013A - アキシャルギャップ型回転電機 - Google Patents

アキシャルギャップ型回転電機 Download PDF

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井上 浩司
Koji Inoue
浩司 井上
稗方 孝之
Takashi Hiekata
孝之 稗方
宏明 河合
Hiroaki Kawai
宏明 河合
慎太郎 笹井
Shintaro Sasai
慎太郎 笹井
小川 徹也
Tetsuya Ogawa
徹也 小川
山下 俊郎
Toshiro Yamashita
俊郎 山下
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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型回転電機において、回転ロスを発生させることなく回転子の永久磁石を冷却する。【解決手段】アキシャルギャップ型回転電機は、固定子2、回転子3、ノズル部4及び配管50を含む。回転子3は、内側面31Sに永久磁石32が固定される円盤状の基材31を備え、固定子に対して軸方向に間隔を空けて配置されている。ノズル部4は、基材31の外周縁近傍に配置され、基材31の外側面31Rの径方向中央に向かう方向に冷却流体Lを吐出する。配管50は、ノズル部4に冷却流体Lを供給する供給配管51を含む。ノズル部4から吐出され、外側面31Rの径方向中央付近に降り注がれた冷却流体Lは、回転子3の回転に伴う遠心力で外側面31R全体を潤し、永久磁石32と熱交換する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータや発電機等の回転電機に関し、特に、励磁コイルを備える固定子と、永久磁石を備える回転子とが、軸方向に間隔を空けて配置されるアキシャルギャップ型の回転電機に関する。
アキシャルギャップ型の回転電機は、固定子が回転子の外周側に設けられるラジアルギャップ型のものに比べて、薄型化が可能、大トルクが得られるといった利点があるため、電気自動車等への適用が期待されている。当該回転電機は、励磁コイルを備える固定子と、永久磁石を備える回転子とが、軸方向に微小な間隔(アキシャルギャップ)を空けて配置される構造を有する。前記回転子は、固定子に対向する内側面を備える円盤状の基材と、この基材の前記内側面に固定される複数の永久磁石とを含む。
前記永久磁石は、回転子の回転時において時間的に変化する磁界に曝されため、当該永久磁石には渦電流が誘起される。この渦電流に起因するジュール熱によって、永久磁石は発熱する。永久磁石が限界値を超過する温度まで熱を帯びると、その磁力が低下するという不具合が生じる。特許文献1には、この問題に鑑み、永久磁石に冷媒を直接供給して該永久磁石の発熱を抑制する技術が開示されている。
特開2012−253899号公報(図5)
しかしながら、特許文献1の手法によると、回転電機の回転ロスが発生することがある。すなわち、永久磁石を直接冷却する場合、冷媒の流通経路は、微小なアキシャルギャップを通過するものとならざるを得ない。冷媒としては、粘度が比較的高い絶縁油が一般的に用いられるが、このような冷媒をアキシャルギャップに流通させると、固定子及び回転子の対向面間において油の粘性抵抗が発生する。この粘性抵抗は、回転子の回転ロスを惹起する。また、粘性抵抗を帯びたまま無理に回転させると、絶縁油が空気との混合により発泡し、空気断熱によって冷却能力が低下するという問題も生じる。
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、アキシャルギャップ型回転電機において、回転ロスを発生させることなく回転子の永久磁石を冷却することができる構造を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るアキシャルギャップ型回転電機は、磁性コア及び励磁コイルを備える固定子と、前記固定子と対向する内側面及び該内側面の反対側の外側面とを備える円盤状の基材と、前記基材の内側面に固定され該基材の回転中心軸の周囲に周方向に配列された複数の永久磁石とを備え、前記固定子に対して軸方向に間隔を空けて配置された回転子と、前記円盤状の基材の外周縁近傍に配置され、該基材の外側面の径方向中央に向かう方向に冷却流体を吐出するノズル部と、前記ノズル部に前記冷却流体を供給する配管と、を備える。
この回転電機によれば、ノズル部から吐出された冷却流体が、円盤状基材の外側面の径方向中心付近に降り注がれることになる。その後、注がれた冷却流体は、回転子の回転に伴う遠心力によって、前記外側面上を当該基材の径方向外側に向けて拡散するようになる。つまり、基材の外側面全体が前記冷却流体によって潤される状態となる。従って、基材の内側面に固定された永久磁石がジュール損失により発する熱と、外側面上を流通する冷却媒体とが、基材を介して熱交換することによって、前記永久磁石が冷却される。この冷却手法によると、冷却流体は固定子と回転子との間(アキシャルギャップ)には流通しないので、回転子に回転ロスを発生させることはない。
上記の回転電機において、前記ノズル部は、前記冷却流体を直線状に吐出する吐出口を備えることが望ましい。
この回転電機によれば、前記冷却流体を効率良く前記外側面の前記径方向中央付近まで届かせることができる。
上記の回転電機において、前記ノズル部は、前記冷却流体を拡散させて吐出する吐出口を備えることが望ましい。
この回転電機によれば、冷却流体が拡散状態で吐出されるので、たとえ回転子が停止した状態、つまり遠心力が発生していない状況下であっても、基材の外側面全体に冷却流体を行き渡らせることができる。
上記の回転電機において、前記配管は、前記励磁コイルの配置位置を経由する配管経路を有することが望ましい。
この回転電機によれば、前記冷却流体を流通させる配管を利用して、固定子の励磁コイルも冷却させることが可能となる。
この場合、前記励磁コイルは、コイル巻回層間に流体を通過させることが可能な層間通路を有し、前記配管経路は、前記層間通路を経由する配管経路である構成とすることが望ましい。
この回転電機によれば、冷却流体は、励磁コイルのコイル巻回層間に形成された層間通路を通過する。従って、励磁コイルと前記冷却流体とを直接的に熱交換させることができ、励磁コイルの冷却効率を向上させることができる。
上記のアキシャルギャップ型回転電機において、前記基材は、前記外側面おける前記径方向中央の付近において軸方向に突設され、前記冷却流体の当たり面となる領域を有する凸部を備え、前記ノズル部は、前記当たり面に向けて前記冷却流体を吐出する吐出口を備えることが望ましい。
この回転電機によれば、冷却流体を凸部の当たり面に突き当てるように吐出させ、前記外側面の径方向中央付近に滴下させるという、冷却流体の供給形態を実現することができる。つまり、冷却流体を確実に前記外側面の径方向中央付近に供給することができる。
この場合、前記凸部は、前記外側面おける前記径方向中央の付近において軸方向に突設され、軸部材を取り付けるための円柱状のボス部であり、前記当たり面は前記ボス部の側周面であり、前記吐出口は、前記側周面に向けて前記冷却流体を吐出する構成であることが望ましい。
この回転電機によれば、軸部材を取り付けるボス部を利用して、冷却流体を確実に前記外側面の径方向中央付近に供給する構造を実現することができる。
上記の回転電機において、前記励磁コイルを、前記固定子の外周側から支持する環状のコイル支持部材と、前記コイル支持部材に対して軸方向に並んで配置され、前記コイル支持部材を保持する環状のリム部材と、をさらに備え、前記リム部材は、前記基材の前記外側面よりも軸方向外側に突出した内周面を備え、該内周面は前記外側面を取り囲んでおり、前記ノズル部は、前記内周面に配置され、前記配管の一部は前記リム部材の内部に形成されている構成とすることができる。
この回転電機によれば、コイル支持部材を保持するリム部材を利用して、配管の一部を構築すると共に、ノズル部を形成することができる。従って、当該回転電機における構成部品の数、配置スペースを抑制することができる。
本発明によれば、アキシャルギャップ型回転電機において、回転ロスを発生させることなく回転子の永久磁石を冷却することができる。従って、回転子の永久磁石が熱劣化することのない、アキシャルギャップ型回転電機を提供することができる。
本発明の実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機の構造を概略的に示す図である。 上記回転電機の固定子及び回転子の一般的な構造例を示す分解斜視図である。 上記回転電機の固定子及び回転子の他の構造例を示す分解斜視図である。 本発明の具体的実施形態に係る回転電機の斜視図である。 図4の回転電機の分解斜視図である。 図4の回転電機において、回転子を取り除いた状態を示す斜視図である。 励磁コイルの断面図である。 図5の要部拡大斜視図である。 図4の回転電機の径方向断面を伴う斜視図であり、冷却流体の吐出状態を示す図である。 本発明の変形実施形態に係る回転電機の径方向断面を伴う斜視図であり、冷却流体の吐出状態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るアキシャルギャップ型回転電機1の構造を概略的に示す図である。本発明において、アキシャルギャップ型回転電機1は、例えばモータ又は発電機、若しくはこれらの兼用機の形態をとり得る。本実施形態では、アキシャルギャップ型回転電機の好ましい一例として、アキシャルギャップ型DCブラシレスモータを例示している。
[冷却機構付きアキシャルギャップ型回転電機の全体概略構造]
アキシャルギャップ型回転電機1は、ケーシング10と、このケーシング10からその一部が突出した回転軸11とを備える。回転軸11は、当該回転電機1がモータとして用いられる場合はトルクを発生する出力回転軸となり、発電機として用いられる場合は回転駆動力が入力される入力回転軸となる。
回転電機1は、ケーシング10内に収容された円盤状の固定子2と、2個の円盤状の回転子3と、冷却流体Lを吐出するノズル部4とを含む。この回転電機1に、本実施形態では、回転子3の永久磁石を冷却する冷却機構として、冷却流体Lの循環系統5が付設されている。
固定子2と回転子3とは、回転軸11の軸方向に並ぶように配置されている。本実施形態では、固定子2の一の円盤面に一方の回転子3が対向し、固定子2の他の円盤面に他方の回転子3が対向し、これにより2個の回転子3の間に固定子2が挟まれる形態の、ダブルロータ型の回転電機1を例示している。もちろん、回転電機1は、一の回転子3が一の固定子2と軸方向に対向配置されるシングルロータ型であっても良い。
各回転子3は、固定子2に対して軸方向に間隔Gを空けて配置されている。間隔Gは、いわゆるアキシャルギャップであり、その長さは1mm〜数mm程度である。回転軸11は、円盤状の回転子3に、その回転中心と芯合わせして固定されている。2つの回転子3は、固定子2の中空部を貫通し、回転軸11と同じ軸上に配置された連結軸(図略)によって互いに連結されている。
ここで、本実施形態に係る固定子2及び回転子3の具体的構造を説明する。図2は、固定子2及び回転子3の一例を示す分解斜視図である。図2には、回転子3の回転中心軸AX(回転軸11の軸心)が示されている。固定子2は、周方向(回転子3の回転方向)に配列された複数の電磁石ユニット20を含む。各電磁石ユニット20は、扇形の磁性コア21と、磁性コア21に装着された励磁コイル22とを備える。複数の磁性コア21は、図略のコア支持部材によって支持され、回転中心軸AXの軸回りに円環状に均等に配置されている。
磁性コア21は、圧粉コアであることが好ましい。圧粉コアは、電気絶縁膜で被覆された鉄粉が強固に押し固められることによって形成されたコアである。渦電流を抑制するという観点からは、この圧粉コアに加え、複数枚の電磁鋼板の積層体からなる積層コアも用い得る。圧粉コアは、前記積層コアに比べて気密性が高く、また成型の自由度も高いため、磁性コア21としてはより好ましい。本実施形態では、磁性コア21は、その軸方向の両端面に鍔部211が形成されたボビン形状を有している。
励磁コイル22は、ボビン形状の磁性コア21を巻芯として絶縁電線が所要のターン数だけ巻回されてなる。励磁コイル22への直流電流の通電によって、回転軸11と平行な方向に磁性コア21を貫く磁束が発生する。また、励磁コイル22への直流電流の通電方向を正逆反転させることで、前記磁束の方向を反転させることができる。各励磁コイル22へ通電及び通電方向の切り替えは、図略のドライバ回路によって制御され、これにより回転子3を回転軸11回りに回転させる磁力線が形成される。
回転子3は各々、円盤状の基材31と、この基材31に固定される複数の永久磁石32とを備えている。基材31は、固定子2と対向する内側面31Sと、この内側面31Sの反対側の外側面31Rとを備える。内側面31S及び外側面31Rは、共に回転中心軸AXと直交する円形面である。各永久磁石32は、軸方向視で扇形の平板型の磁石である。複数の永久磁石32は、内側面31Sの中心点O(回転中心軸AXと交差する点)の周囲に、S極とN極とが周方向に交互に並ぶように、内側面31Sの外周縁付近に、環状に配列されている。
円盤状の基材31は、鋼材などの磁性体で形成された部材であり、上述の永久磁石32の支持機能と、永久磁石32のバックヨークとしての機能とを兼ねている。固定子2と対向する表面がS極に着磁されている永久磁石32は、その裏面がN極となる。これに隣接する永久磁石32は、表面がN極で裏面がS極である。基材31は、これら永久磁石32の裏面側を支持すると共に、裏面側のS極−N極との間に磁路を形成する役目を果たす。
永久磁石32は、例えばエポキシ樹脂系接着剤のような接着剤を用いて、基材31の内側面に固定される。これは、ネオジウム等からなる永久磁石32と鋼材等からなる基材31という、線膨張係数の異なる2つの部材を接合させるのに、接着剤が好適だからである。この他、ネジ等の固定具を用いて、永久磁石32を基材31に固定しても良い。この場合、固定具として皿頭ネジを用い、永久磁石32には皿もみ部を設け、皿頭ネジを用いて当該永久磁石32を基材31に締結することが望ましい。この固定構造によれば、アキシャルギャップに固定具が突出しない構造とすることができる。
以上の通り構成された回転電機1において、問題となるのが、永久磁石32の渦電流による発熱である。永久磁石32は、回転子3の回転時に、時間的に変化する磁界に曝される。これにより、永久磁石32には渦電流が誘起され、ジュール熱によって自己加熱するようになる。永久磁石32が限界値を超過するまで高熱化すると、その磁力が低下し且つその磁力は回復せず、もはや当該永久磁石32は使用不可となってしまう。また、接着剤を用いて基材31に永久磁石32を接着している場合は、永久磁石32の発熱により接着剤が脆弱化し、永久磁石32が基材31から剥離する不具合が発生する場合がある。
図3は、渦電流を小さくする工夫を備えた、回転子3の構造例を示す分解斜視図である。ここに示す回転子3は、一の極を形成する永久磁石が、複数の磁石小片321、322、323からなる永久磁石ユニット320にて構成されている。つまり、図2に示した永久磁石32を、円盤状基材31の径方向に3個の磁石小片321、322、323に分割している。
分割された磁石小片321、322、323を用いることで、渦電流の発生量を小さくすることができる。しかしながら、たとえ永久磁石を分割して小容積化しても、これら磁石小片321、322、323には不可避的に渦電流が発生し、発熱する。とりわけ、回転電機1の回転速度を高速にすると、磁界変動の周期が早くなり、つまり電気磁気的周波数が高くなり、渦電流が大きくなる。
このように、永久磁石32は渦電流に基づくジュール損失によって発熱し、この発熱は永久磁石32を小片に分割しても十分には抑制できないことから、永久磁石32を冷却する冷却機構が必要となる。この冷却機構として、本実施形態において回転電機1に付設されているのが、ノズル部4及び循環系統5である。
図1に概略的に示すように、ノズル部4は、ケーシング10内において2つの回転子3の外周縁近傍に各々配置され、回転軸11に向けて冷却流体Lを吐出する吐出口を備えている。詳しくは、ノズル部4は、図2若しくは図3に示している円盤状基材31の外周縁近傍に配置され、該基材31の外側面31Rの径方向中央に向かう方向に冷却流体を吐出する吐出口を備えている。本実施形態では、永久磁石32が担持されている基材31の内側面31Sには、冷却流体Lは供給されない。これは、アキシャルギャップに冷却流体Lが入り込むことによる、粘性抵抗の増加に伴う回転子3の回転ロスの発生を防ぐためである。なお、アキシャルギャップに冷却流体Lが入り込むことを防ぐために、回転子3とケーシング10との間にシール部材などを設けても良い。
ノズル部4の好ましい吐出口は、冷却流体Lを直線状に吐出する吐出口、すなわちスプレーパターン(吐出される流体の、吐出方向と直交する断面の形状)が点状となる吐出口である。このような吐出口であれば、冷却流体Lを効率良く外側面31Rの径方向中央付近まで届かせることができる。このほか、前記吐出口は、冷却流体Lを拡散させて吐出する吐出口、すなわちスプレーパターンが円形、楕円、矩形、線状等であっても良い。但し、スプレー角が大きすぎると、冷却流体Lが径方向中央まで十分に到達しない懸念があるので、スプレー角は60°程度以下に設定することが望ましい。後記の具体的実施形態でも例示するが、冷却流体Lを直線状に吐出するノズル部と拡散して吐出するノズルとを併用しても良い。
循環系統5は、配管50、ポンプP、貯油槽53及び三方弁55を含む。配管50は、ケーシング10内を通して冷却流体Lを循環させる配管であり、供給配管51と、回収配管52とを含む。供給配管51は、ノズル部4へ冷却流体Lを供給するための配管である。回収配管52は、ケーシング10内においてノズル部4から吐出された冷却流体Lを、当該ケーシング10から回収するための配管である。好ましくは、回転子3の下方に冷却流体Lの回収パンが設置され、該回収パンの底面に回収配管52の終端が接続される。
ポンプPは、供給配管51と回収配管52との間に組み入れられ、供給配管51を通してノズル部4から冷却流体Lを吐出させる液流を発生させる。さらにポンプPは、回収配管52を通して冷却流体Lを回収する液流を発生させる。貯油槽53は、所要量の冷却流体Lを貯留する。冷却流体Lは、電気絶縁性の液体であることが望ましく、例えば絶縁油を用いることができる。
貯油槽53と配管50とは、中継配管54及び三方弁55を介して接続されている。三方弁55の3つの出入口の内、常時「開」とされる2つの出入口には供給配管51と回収配管52とが各々接続され、必要に応じて開閉される残り1つの出入口には中継配管54の下流端が接続されている。回転電機1の動作中において、図略のコントローラによる制御下、三方弁55を通して適量の冷却流体Lが配管内に充填されている状態で、ポンプPが駆動される。これにより、ノズル部4から冷却流体Lが吐出され、回転子3の永久磁石32の冷却の役目を果たした冷却流体Lがケーシング10から回収される液体流が配管50内に形成される。
このような回転電機1によれば、ノズル部4から吐出された冷却流体Lは、円盤状基材31の外側面31Rの径方向中心付近に降り注がれることになる。その後、注がれた冷却流体Lは、回転子3の回転に伴う遠心力によって、外側面31R上を当該基材31の径方向外側に向けて拡散するようになる。つまり、外側面31R全体が冷却流体Lによって潤される状態となる。これにより、基材31の内側面31Sに固定された永久磁石32がジュール損失により発する熱と、外側面上を流通する冷却媒体とが、基材31を介して熱交換する。この熱交換によって、永久磁石32が冷却される。このような冷却機構によればと、冷却流体Lは固定子2と回転子3との間の間隔G(アキシャルギャップ)には流通しないので、回転子3に回転ロスを発生させることはない。
[回転電機の具体的実施形態]
以下、上述の冷却機構を備えた回転電機1の具体的な構成例を示す。図4は、本発明の具体的実施形態に係る回転電機1の斜視図、図5はその分解斜視図、図6は、図4の回転電機1において、回転子3を取り除いた状態を示す斜視図である。図5に方向表示を付記している通り、X方向が回転電機1の回転中心軸が延びる軸方向、Y方向が回転子3(基材31)の径方向である。アキシャルギャップ型回転電機1は、固定子2、この固定子2を軸方向において挟み込む一対の回転子3、冷却流体Lを吐出するノズル部40、冷却流体Lを流通させる冷却配管500、環状のコイル支持部材6、及びこのコイル支持部材6を軸方向において挟み込む一対のリム部材7を含む。
固定子2及び回転子3は、先に図2に基づき説明したものと基本的には同じである。固定子2は、磁性コア21と、磁性コア21に装着された励磁コイル22とを含む複数の電磁石ユニット20を備える。回転子3は各々、円盤状の基材31と、この基材31の内側面31Sに固定される複数の永久磁石32とを備える。これらの基本構成については上述の通りであるので割愛し、特に追加説明を要する点のみを説明する。
本実施形態の回転電機1は、冷却流体Lにより、回転子3の永久磁石32だけでなく、固定子2の励磁コイル22も冷却する構成を備える。励磁コイル22の冷却を可能とするため、冷却流体Lを流通させる配管経路は励磁コイル22の配置位置を経由するものとされ、また、励磁コイル22のコイル巻回層間には、次述の通り、冷却流体Lを通過させることが可能な層間通路Gが形成されている。
図7は、固定子2の一つの電磁石ユニット20の軸方向に沿った断面図である。電磁石ユニット20は、実際には−X側の回転子3用及び+X側の回転子3用の磁性コア21及び励磁コイル22を備える(図8、図9参照)が、図7では、これらを図示簡略化のために一体的に描いている。励磁コイル22を構成する巻線としては、断面形状が細長い長方形である平角線221が用いられる。平角線221は、固定子2の径方向(Y方向)中央側に相当する磁性コア21の底部22Bでは密に巻回されている。一方、平角線221は、磁性コア21の径方向外側に相当する上部22Uでは、層間通路22Gをコイル巻回層間に形成するギャップ巻きで巻回されている。
このような励磁コイル22であれば、上部22Uにおいて層間通路22Gが確保されているので、図7において矢印A21及びA22で示す通り、流体を軸方向に通過させることが可能となる。本実施形態では、永久磁石32を冷却する冷却流体Lを運ぶ配管の経路が、この層間通路22Gを経由するように設定されている。つまり、冷却流体Lが層間通路22Gを通過する。従って、励磁コイル22と冷却流体Lとを直接的に熱交換させることができ、励磁コイル22を効率的に冷却させることができる。
図8は、図5の要部拡大斜視図、図9は、図4に示す回転電機1の径方向断面を伴う斜視図である。図4、図5、図9を参照して、回転子3の外側面31Rには、ボス部33(凸部)が軸方向外側に突設されている。ボス部33は、外側面31Rにおける径方向中央付近に配置された円柱状の凸部であり、回転子3の中心点3C(回転中心軸が外側面31Rと交差する点)と同軸である。ボス部33は、回転軸11(軸部材)をインロー形式で取り付けるための突起である。ボス部33は、外側面31Rの平面よりも軸方向外側に突出した環状の側周面33H(当たり面)を有している。
特に図6、図9を参照して、固定子2は、複数の磁性コア21を径方向内側において支持するコア支持部材23を備える。コア支持部材23は、軸方向に貫通する軸受け孔23Hを有する円筒状部材であり、その外周面に磁性コア21の底部22Bを支持する支持部を有し、内周面に半円溝24を有している。この半円溝24には軸受けボール25が収容されている。
軸受け孔23Hには、回転軸11の軸線上に配置された連結軸12が挿通されている。連結軸12は、−X側の回転子3と+X側の回転子3とを、ボス部33の裏面側の位置において互いに連結する円柱状の部材である。連結軸12の外周面には、軸受けボール25を収容する溝部が備えられている。すなわち、連結軸12はコア支持部材23の軸受け孔23Hにおいて、軸受けボール25を介して回転自在に軸支されている。
コイル支持部材6は、励磁コイル22の径方向外側に配置され、固定子2の外周側から励磁コイル22(電磁石ユニット20)を支持する環状の部材である。コイル支持部材6としては、非磁性体で剛性の高い部材が選ばれ、例えばFRPを好適な材料として例示することができる。
特に図8、図9を参照して、固定子2の電磁石ユニット20は、一対の回転子3に各々対応して配置されている。すなわち、−X側の回転子3の永久磁石32に対してアキシャルギャップを介して−X側用の磁性コア21が対向配置され、その磁性コア21に−X側用の励磁コイル22が巻回されている。同様に、+X側の回転子3の永久磁石32に対してアキシャルギャップを介して+X側用の磁性コア21が対向配置され、その磁性コア21に+X側用の励磁コイル22が巻回されている。コイル支持部材6は、これら−X側用及び+X側用の励磁コイル22に対して、各々配置されている。コイル支持部材6の周方向の適所からは、励磁コイル22の終端部22Eが引き出されている。終端部22Eには、給電用のリード線(図略)が接続される。
一対のリム部材7は、コイル支持部材6に対して軸方向に並んで配置され、コイル支持部材6を保持する環状の金属製部材である。図6も参照して、リム部材7は、内周面71、外周面72、外側側面73及び内側側面74を備えている。コイル支持部材6は、一対の内側側面74の間において挟持されている。
内周面71は、回転子3の外径よりもやや大きい内径を有する環状面であり、この内周面71の内側に回転子3が収容されている。内周面71の、当該回転電機1の据え付け時において上端となる位置付近には、冷却流体Lを吐出するノズル部40が取り付けられる円形開口711が穿孔されている。また、当該回転電機1の据え付け時において下端となる位置付近には、吐出された冷却流体Lを回収する回収孔712が設けられている。内周面71は、図4に示す通り、回転子3が連結軸12に組み付けられた状態で、基材31の外側面31Rを取り囲むと共に、この外側面31Rよりも軸方向外側に突出している。これにより、円形開口711は外側面31Rよりも軸方向外側に位置する領域を有しており、ノズル部40から外側面31Rに冷却流体Lを噴射することが可能となっている。
外周面72は、コイル支持部材6の外周面と略同一の外径を有する環状面である。外周面72には、径方向にリム部材7を貫通する複数の受けネジ孔721が、周方向にほぼ等間隔で穿孔されている。この受けネジ孔721には、両端にネジ切り部を有する継ぎ手722の片端が螺合されている。
外側側面73は、軸方向と直交する環状平面である。外側側面73には、軸方向にリム部材7を貫通する複数のボルト孔731が、周方向にほぼ等間隔で穿孔されている。ボルト孔731に対応して、コイル支持部材6にもボルト孔(図示せず)が軸方向に穿孔されている。一対のリム部材7の各ボルト孔731と、一組のコイル支持部材6のボルト孔とが位置合わせされた状態で、これらのボルト孔に締め付け用のボルト732がそれぞれ挿通され、ナット733(図9参照)によって締結されている。この締結によって、コイル支持部材6とリム部材7とは一体化されている。なお、外側側面73には、ケーシング10の一部を構成する蓋部材(図略)が取り付けられ、外側面31Rと内周面71とで区画される空間(冷却流体Lで潤される空間である)は密閉される。
内側側面74は、外側側面73と平行な環状平面である。内側側面74には、各電磁石ユニット20の励磁コイル22の、図7に示した上部22Uに対向する位置に、開口741が穿孔されている。また、リム部材7の内部には、この開口741を一端側の開口とし、外周面72の受けネジ孔721を他端側の開口とする、エルボ型の内部空間であるエルボ通路70E(配管の一部)が形成されている。このエルボ通路70Eには、内周面71の円形開口711も連通している。
コイル支持部材6の径方向内側には、励磁コイル22の周囲に密閉空間を形成するための隔壁61が設けられている。隔壁61は、開口741に対向する位置に開口を有している。内側側面74と隔壁61との間であって開口741の周囲には、シールリング75が介在されている。
ノズル部40は、円形開口711を塞ぐように、リム部材7の内周面71に配置されている。ノズル部40は、冷却流体Lを吐出する吐出口41を備えている。吐出口41からの冷却流体Lの吐出方向は、図9に示している通り、回転子3(基材31)の径方向中央に向かう方向である。吐出口41の形状は、ここでは冷却流体Lを直線状に吐出することができる形状に設定されている。
冷却流体Lは、基材31の外側面31Rよりもやや径方向外側に配置されている。そして、吐出口41から吐出される冷却流体Lのターゲット位置は、外側面31Rから突設されたボス部33の側周面33H(当たり面)に設定されている。つまり、冷却流体Lが側周面33Hへ向かうよう、吐出口41が配向されている。このため、吐出口41から吐出される冷却流体Lは、外側面31Rと略平行に径方向内側へ進行し、側周面33H(実際は回転軸11の根元部分であるインロー接続部分)に突き当たることになる。
冷却配管500は、先に図1に示した循環系統5の配管50の一部に相当する配管であり、導入管501、導出管502及び複数の中継管503を含む。この冷却配管500は、励磁コイル22(層間通路22G)及びノズル部40に冷却流体Lを供給する配管である。導入管501は、−X側のリム部材7へ冷却流体Lを導入する配管であり、図1の供給配管51に相当する。導出管502は、+X側のリム部材7から引き出され、消費されなかった冷却流体Lを回収する配管であり、図1に当て嵌めるならば、回収配管52に接続される配管である。中継管503は、導入管501と導出管502とを連通させるためのU字型の配管であり、−X側及び+X側のリム部材7間に架け渡されている。
導入管501及び導出管502の終端部には、各々固定接続用のナット56が外嵌されている。これらナット56は、リム部材7に一端側のネジ部が螺合されている継ぎ手722の他端側、つまりリム部材7の外周面72から径方向外方に突出した側のネジ部に螺合されている。中継管503の両終端部にも、ナット56が各々外嵌されており、一端側のナット56は+X側のリム部材7の、他端側のナット56は−X側のリム部材7の継ぎ手722のネジ部に、それぞれ螺合されている。
図8、図9を特に参照して、上記の通りナット56が継ぎ手722に接続されることにより、導入管501の内部空間と−X側のリム部材7が備える一つのエルボ通路70Eとが連通する。また、中継管503の内部空間は、その一端側において+X側のリム部材7の一つのエルボ通路70Eと連通し、他端側において、−X側のリム部材7の前記エルボ通路70Eよりも時計方向に一つシフトした他のエルボ通路70Eと連通する。−X側及び+X側のリム部材7の、互いに対向するエルボ通路70E同士は、開口741及び励磁コイル22内の層間通路22Gを通して連通している。
従って、図中、矢印A1、A2、A3で示す通り、順次導入管501、−X側エルボ通路70E、層間通路22G、+X側エルボ通路70E、中継管503を通過する流体流路が形成される。他の中継管503同士、中継管503と導出管502との間においても同様な流体流路が形成されている。このため、導入管501から導出管502に至るまで、−X側及び+X側エルボ通路70Eを交互に経由しながら延びる一筆書き状の流体流路が形成される。かかる流体流路に冷却流体Lが流通される。そして、最も導入管501に近い−X側及び+X側のエルボ通路70Eを冷却流体Lが通過する際、それぞれ−X側及び+X側のノズル部40を通過することになる。
なお、上記の中継管503の配置、リム部材7に形成するエルボ通路70Eは一例であり、種々変更することが可能である。例えば、中継管503を−X側及び+X側のリム部材7間に架け渡すのではなく、−X側又は+X側のリム部材7の時計方向に隣接する継ぎ手722間を中継管503で接続するようにしても良い。また、ノズル部40は、−X側及び+X側のリム部材7に一つずつ設けるのではなく、内周面71に周方向に所定間隔を置いて複数設けるようにしても良い。
[冷却動作の説明]
図1に示した冷却流体Lの循環系統5が、図4〜図9に示した回転電機1に適用されているものとして、冷却動作を説明する。この場合、リム部材7の内周面71に設けられている回収孔712(図6)は、図略の回収パンを介して回収配管52に繋がれる。既述の通り、導入管501は供給配管51に、導出管502は回収配管52に接続される。
励磁コイル22への通電が開始されることによって、回転電機1が始動する。回転子3は、回転中心軸の軸回りに回転を開始し、永久磁石32はジュール損失によって発熱し始める。回転電機1の始動に伴い、循環系統5のポンプPの駆動も開始される。ポンプPの駆動により、図8及び図9に示すように、導入管501、−X側エルボ通路70E、層間通路22G、+X側エルボ通路70E及び中継管503を含む流体流路には、矢印A1、A2、A3で示す方向に冷却流体Lの液流が発生する。シールリング75などによって気密性が確保されているので、前記流体流路内には加圧された冷却流体Lが流通することになる。
導入管501から導入された冷却流体Lは、−X側のエルボ通路70Eを通過する際に−X側のノズル部40を経由し、層間通路22Gを通過して+X側のエルボ通路70Eを通過する際に+X側のノズル部40を経由する。従って、各々のノズル部40の吐出口41からは、図9に示しているように冷却流体Lが直線状に吐出される。吐出された冷却流体Lは、基材31の外側面31Rの径方向中央に向かい、回転している回転子3の、ボス部33の側周面33Hに大部分が突き当たる。
回転子3は回転しているので、側周面33Hに降り注がれた冷却流体Lは、遠心力によって、外側面31Rを伝って基材31の径方向外側へ向かうようになる。また、回転に伴い、側周面33Hの全周に冷却流体Lが降り注ぐ。これにより、外側面31Rの全体が冷却流体Lで潤った状態となる。つまり、外側面31Rの表面が、径方向外側へ流動する冷却流体Lの薄層で覆われた状態となる。
永久磁石32は、ボス部33よりも径方向外側の位置において、基材31の内側面31Sに固定されている。従って、上記の流動する冷却流体Lの薄層は、永久磁石32の固定位置の背面を通過することになる。この通過の際、冷却流体Lは基材31を介して永久磁石32と熱交換し、ジュール損失より発生した熱を奪う。これにより、永久磁石32は冷却される。
冷却流体Lが層間通路22Gを通過する際、励磁コイル22と直接的に熱交換し、当該励磁コイル22を冷却する。冷却流体Lが中継管503を通して時計方向下流側へ向かうに連れて、熱交換する励磁コイル22の個数が増加するので、冷却流体Lは熱を帯びるようになる。しかし、ノズル部40は、冷却流体Lの流通方向において最上流側の導入管501付近に配置されているので、熱交換により熱を帯びる前、若しくは1回だけ励磁コイル22と熱交換しただけの冷却流体Lを吐出口41から吐出させることができる。
遠心力により外側面31Rの外周縁まで流動した冷却流体Lは、リム部材7の内周面71で受け止められる。その後、冷却流体Lは、重力によって内周面71を伝って回収孔712に至る。冷却流体Lは、回収孔712から図略の回収パンに回収され、回収配管52に導かれる。また、ノズル部40から吐出されず、リム部材7を周回して導出管502に戻った冷却流体Lも回収配管52に導かれる。回収された冷却流体Lは、ポンプPの駆動によって、再び導入管501に向けて供給される。以上の動作により、永久磁石32及び励磁コイル22が冷却される。
[変形実施形態]
図10は、本発明の変形実施形態に係る回転電機1Aの径方向断面を伴う斜視図である。上記実施形態では、一つのリム部材7に一つのノズル部40が配置され、該ノズル部40が直線状に冷却流体Lを吐出する吐出口41を備える例を示した。図10の変形実施形態では、一つのリム部材7に複数のノズル部が配置されると共に、スプレーパターンが異なるノズル部が採用された例を示している。
回転電機1Aは、リム部材7の内周面71に、冷却流体Lの吐出用のノズル部として、直線吐出用のノズル部40と、拡散吐出用の拡散ノズル部40Aとを備えている。ノズル部40と拡散ノズル部40Aとは、内周面71の周方向に交互に配置されている。この変形例では、リム部材7内部の全てのエルボ通路70Eに対して、各々ノズル部取り付け用の円形開口711が穿孔される。
ノズル部40は、上記実施形態で説明した通り、冷却流体Lを直線状に吐出する吐出口41を備える。一方、拡散ノズル部40Aは、拡散するスプレーパターンLAで冷却流体Lを吐出する吐出口41Aを備える。スプレーパターンLAは、例えば円形又は楕円であり、冷却流体Lが噴霧状に吐出されるものである。
ノズル部40及び拡散ノズル部40Aとも、冷却流体Lを基材31の外側面31Rにおいてボス部33に向けて吐出する。ノズル部40から吐出される冷却流体Lは、既述の通り、ボス部33の側周面33Hに専ら突き当たる。これに対し、拡散ノズル部40Aから吐出される冷却流体Lは、図10においてスプレーパターンLAで通り、拡散噴霧されるので、側周面33Hへ至る前に外側面31Rを潤す。
すなわち、回転子3の遠心力が作用しなくとも、拡散ノズル部40Aから吐出される冷却流体Lは外側面31Rを湿潤化させ得る。従って、回転電機1Aによれば、回転子3の回転時には、ノズル部40から吐出される冷却流体Lを遠心力で外側面31Rに行き渡らせることができるだけでなく、回転子3の停止時においても、拡散ノズル部40Aから吐出される冷却流体Lにて、外側面31Rを覆うことができる。このように、本変形実施形態によれば、回転子3の回転時及び停止時の双方において、冷却流体Lを外側面31Rに十分に行き渡らせ、永久磁石32と熱交換させることができる。
この他、本発明は様々な変形実施形態を採り得る。例えば、上記実施形態では、基材31の外周縁近傍にノズル部を配置する例として、コイル支持部材6を挟み込んで固定するリム部材7の内周面71にノズル部40を埋め込む態様を示した。これに代えて、リム部材7とは別個に、冷却流体Lを吐出するノズル部を基材31の外周縁近傍に配置し、該ノズル部に冷却流体Lを供給するチューブ等を設けるようにしても良い。
また、回収配管52にオイルクーラー等を設置し、熱交換を終えて回収した冷却流体Lを冷却するようにしてもよい。或いは、リム部材7の径方向外側に突出している中継管503を空冷することで、冷却流体Lを冷却しても良い。さらに、励磁コイル22への冷却流体Lの供給を省き、ノズル部40だけに冷却流体Lを供給する態様としても良い。
以上説明した本発明に係るアキシャルギャップ型回転電機1によれば、回転ロスを発生させることなく回転子3の永久磁石32を冷却することができる。従って、永久磁石32がジュール損失による発熱で熱劣化することのない、アキシャルギャップ型回転電機1を提供することができる。
1 アキシャルギャップ型回転電機
2 固定子
21 磁性コア
22 励磁コイル
22G 層間通路
3 回転子
31 円盤状の基材
31S 内側面
31R 外側面
32 永久磁石
33 ボス部(凸部)
33H 側周面(当たり面)
4、40、40A ノズル部
41、41A 吐出口
5 循環系統
50、500 配管
6 コイル支持部材
7 リム部材
71 内周面
G 間隔(アキシャルギャップ)

Claims (8)

  1. 磁性コア及び励磁コイルを備える固定子と、
    前記固定子と対向する内側面及び該内側面の反対側の外側面とを備える円盤状の基材と、前記基材の内側面に固定され該基材の回転中心軸の周囲に周方向に配列された複数の永久磁石とを備え、前記固定子に対して軸方向に間隔を空けて配置された回転子と、
    前記円盤状の基材の外周縁近傍に配置され、該基材の外側面の径方向中央に向かう方向に冷却流体を吐出するノズル部と、
    前記ノズル部に前記冷却流体を供給する配管と、
    を備えるアキシャルギャップ型回転電機。
  2. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記ノズル部は、前記冷却流体を直線状に吐出する吐出口を備える、アキシャルギャップ型回転電機。
  3. 請求項1に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記ノズル部は、前記冷却流体を拡散させて吐出する吐出口を備える、アキシャルギャップ型回転電機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記配管は、前記励磁コイルの配置位置を経由する配管経路を有する、アキシャルギャップ型回転電機。
  5. 請求項4に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記励磁コイルは、コイル巻回層間に流体を通過させることが可能な層間通路を有し、
    前記配管経路は、前記層間通路を経由する配管経路である、アキシャルギャップ型回転電機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記基材は、前記外側面おける前記径方向中央の付近において軸方向に突設され、前記冷却流体の当たり面となる領域を有する凸部を備え、
    前記ノズル部は、前記当たり面に向けて前記冷却流体を吐出する吐出口を備える、アキシャルギャップ型回転電機。
  7. 請求項6に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記凸部は、前記外側面おける前記径方向中央の付近において軸方向に突設され、軸部材を取り付けるための円柱状のボス部であり、
    前記当たり面は前記ボス部の側周面であり、
    前記吐出口は、前記側周面に向けて前記冷却流体を吐出する、アキシャルギャップ型回転電機。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアキシャルギャップ型回転電機において、
    前記励磁コイルを、前記固定子の外周側から支持する環状のコイル支持部材と、
    前記コイル支持部材に対して軸方向に並んで配置され、前記コイル支持部材を保持する環状のリム部材と、をさらに備え、
    前記リム部材は、前記基材の前記外側面よりも軸方向外側に突出した内周面を備え、該内周面は前記外側面を取り囲んでおり、
    前記ノズル部は、前記内周面に配置され、前記配管の一部は前記リム部材の内部に形成されている、アキシャルギャップ型回転電機。
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