JP2017092922A - アンテナ回路および電子機器 - Google Patents

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勇祐 田端
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Abstract

【課題】電波の偏波方向に対する姿勢に左右されることなく、確実に電波を受信するアンテナ回路及び電子機器を提供する。【解決手段】同軸上に配置された一対のチップアンテナ207と、一端がチップアンテナ207に接続され他端が導電板206に接続された配線209と、配線209の途中に設けられた整合回路208と、を備えるアンテナ回路205において、整合回路208は、一対のチップアンテナ207間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、チップアンテナ207と導電板206間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定できるようにした。【選択図】図5B

Description

この発明は、電波を受信するアンテナ回路および電子機器に関する。
従来、電波修正時計などと称され、アンテナを介して受信した電波に含まれる情報に基づいて、時針・分針・秒針などの指示針が示す時刻を調整する電子機器があった。このような電子機器においては、電波の受信感度を確保するため、具体的には、従来、たとえば、ダイポールアンテナとモノポールアンテナとを同一平面内に設け、水平偏波および垂直偏波のように偏波方向が異なる電波を受信するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
また、具体的には、従来、たとえば、アンテナ素子をダイポールアンテナとして動作させる状態と、当該アンテナ素子をモノポールアンテナとして動作させる状態と、をスイッチ回路によって切り替えるようにした技術(たとえば、下記特許文献2を参照。)や、所定角度をなすように配置された第1のアンテナ素子および第2のアンテナ素子で受信する電波の信号レベルに基づいて、いずれか一方のアンテナ素子を選択するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献3を参照。)。また、具体的には、従来、たとえば、ソーラーパネルなどの導電性部材において、アンテナ素子と重なる位置に、電波が入射する開口を設けた技術があった(たとえば、下記特許文献4を参照。)。
国際公開第2010/087170号 特開2013−239765号公報 特開2003−87037号公報 特許第4937813号公報
しかしながら、電波修正時計のように特定の方向に偏波した電波を受信する、従来の技術による電子機器は、電波の偏波方向に対する電子機器の姿勢によっては電波を受信することが難しいという問題があった。また、上述した特許文献1に記載された従来の技術による電子機器は、ダイポールアンテナとモノポールアンテナとをそれぞれ設けるため、部品点数が多くなり、組み立てにかかる製造工数が多いという問題があった。
また、上述した特許文献2や特許文献3に記載された従来の技術による電子機器は、複数のアンテナ素子を設け、制御回路からの信号に応じてこれらのアンテナ素子を切り替えるだけであり、部品点数が多くなり、組み立てにかかる製造工数が多いという問題があった。また、腕時計などは受信する電波の偏波方向とアンテナの指向性との関係が頻繁に変化するため、上述した特許文献4に記載された従来の技術のように、アンテナの位置が固定されている電子機器では、確実に電波を受信することが難しいという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電波の偏波方向に対する姿勢に左右されることなく、確実に電波を受信することができるアンテナ回路および電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるアンテナ回路は、同軸上に配置された一対のエレメントと、一端がエレメントに接続され他端が導電板に接続された配線と、配線の途中に設けられた整合回路と、を備え、整合回路が、一対のエレメント間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、エレメントと導電板間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定することを特徴とする。
また、この発明にかかるアンテナ回路は、上記の発明において、第1の偏波方向と第2の偏波方向が直交することを特徴とする。
また、この発明にかかるアンテナ回路は、上記の発明において、整合回路が、インダクタを備え、インダクタのインダクタンスを、所定の閾値より小さくすることによりダイポール受信モードを設定し、所定の閾値より大きくすることによりモノポール受信モードを設定することを特徴とする。
また、この発明にかかるアンテナ回路は、上記の発明において、エレメントが、チップアンテナであることを特徴とする。
また、この発明にかかる電子機器は、同軸上に配置された一対のエレメントと、一端がエレメントに接続され他端が導電板に接続された配線と、配線の途中に設けられて、一対のエレメント間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、エレメントと導電板間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定する整合回路と、を備えるアンテナ回路と、時刻を計時し、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードの一方が設定されている場合に受信した電波に含まれる信号に基づいて計時する時刻を調整する計時手段と、計時手段が計時した時刻を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる電子機器は、上記の発明において、表示手段が、エレメントの軸と平行な面内において回転可能に設けられた指針であって、整合回路が、前記指針の位置に応じて、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのいずれかを設定することを特徴とする。
また、この発明にかかる電子機器は、上記の発明において、表示手段とアンテナ回路との間にソーラーパネルを有し、ソーラーパネルが、ダイポール受信モードにおける電界の放射端の位置と、モノポール受信モードにおける電界の放射端の位置とに、開口部を有することを特徴とする。
この発明にかかるアンテナ回路および電子機器によれば、電波の偏波方向に対する姿勢に左右されることなく、確実に電波を受信することができるという効果を奏する。
この発明にかかる実施の形態の時計を正面から見た状態を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の時計の断面を模式的に示す説明図である。 アンテナ回路の構成を示す説明図である。 アンテナ回路の挙動を模式的に示す説明図(その1)である。 アンテナ回路の挙動を模式的に示す説明図(その2)である。 ダイポール受信モードにおけるアンテナ回路の指向性を示す説明図である。 モノポール受信モードにおけるアンテナ回路の指向性を示す説明図である。 指針の位置と受信モードとの関係を示す説明図(その1)である。 指針の位置と受信モードとの関係を示す説明図(その2)である。 指針の位置と受信モードとの関係を示す説明図(その3)である。 指針の位置と受信モードとの関係を示す説明図(その4)である。 ソーラーパネルとアンテナ回路との関係を示す説明図である。 時計の機能的構成を示すブロック図である。 時計の処理手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアンテナ回路および電子機器としての時計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明にかかる実施の形態の時計を正面から見た状態を示す説明図である。図1において、時計100は、外装をなすケース(外装ケース)101を備えている。ケース101は、たとえば、金属材料を用いて形成され、両端が開口した略円筒形状をなす。ケース101の他端側(裏側)には、裏蓋部材(図2における符号201を参照)が設けられている。裏蓋部材は、たとえば、金属材料、あるいはプラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成することができる。
ケース101は、両端が開口した略円筒形状に限るものではない。ケース101は、少なくとも軸心方向における一端側(表側)に、表示窓を実現する開口101aを備えていればよく、軸心方向における他端側(裏側)が塞がれた有底円筒形状(いわゆるワンピース構造)であってもよい。
ケース101には、操作部102が設けられている。操作部102は、たとえば、竜頭によって実現することができる。ケース101に対する竜頭の位置は、ケース101から引っ張られることにより、複数段(たとえば、3段)に調整することができる。また、操作部102は、たとえば、ボタンなどによって実現してもよい。
ケース101の内側には、文字板103が設けられている。文字板103には、指針106と、当該指針106が指示する時刻を示すインデックス(指標)107が設けられている。指針106は、具体的には、たとえば、時針106a、分針106b、秒針106cなどによって実現することができる。指針106は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。指針106は、金属材料に代えて、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されるものであってもよい。
インデックス107は、文字板103において、指針106の軸心を中心とする円周上に配置されている。インデックス107は、たとえば、文字、数字、記号などによって実現することができる。インデックス107は、文字、数字、記号に限るものではなく、たとえば、文字板103に設けられた突起によって実現してもよい。インデックス107は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、インデックス107は、文字板103にプリントされたものであってもよいし、金属などの別部材を設けることによって実現されるものであってもよい。
時計100において、指針106は、インデックス107が設けられた文字板103とともに時刻表示部(図8における符号800を参照)を構成する。時刻表示部は、駆動機構によって指針106を回動(運針)させることによって時刻を表示する。時計100においては、指針106として、時針106a、分針106b、秒針106cに加えて、日板を備えていてもよい。
略円筒形状をなすケース101の一端側(表側)には、光透過性を有する風防109が設けられている。風防109は、ベゼル110によって周縁を支持されている。風防109は、たとえば、サファイヤガラス(サファイヤクリスタル)、無機ガラス(ミネラルガラス)、アクリルガラス(アクリルなどのプラスチック)などの材料を用いて形成することができる。ベゼル110は、風防109の直径と略同一の内径の環形状をなし、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。
図2は、この発明にかかる実施の形態の時計100の断面を模式的に示す説明図である。図2においては、時計100を図1における手前側から奥側に向かって切断した断面を、時計の側方から見た状態を示している。図2において、文字板103の裏蓋部材201側には、ソーラーパネル202が設けられている。文字板103は外光を透過する材料を用いて形成されている。ソーラーパネル202は、文字板103を透過して入射される外光の光エネルギーを、光電効果(光起電力効果)により電力に変換する。
ケース101内において、ソーラーパネル202より裏蓋部材201側には、電池203と、モータ204と、が設けられている。電池203は、充電可能な二次電池であり、ソーラーパネル202によって発電された電力を蓄電する。具体的に、電池203は、たとえば、ボタン型のリチウムイオン電池を用いることができる。
モータ204は、指針106を回転駆動する輪列Gに連結されている。モータ204および輪列Gは、指針106を回転駆動する駆動機構(ムーブメント)を構成する。駆動機構において、指針106は、輪列Gを介してモータ204に連結されており、当該モータ204の駆動力を受けて回転する。時計100は、指針106を回転駆動し、インデックス107に対する指針106の位置によって、現在の時刻などをアナログ表示する。
また、ケース101内において、ソーラーパネル202より裏蓋部材201側には、アンテナ回路205が設けられている。アンテナ回路205は、導電板206と、チップアンテナ207と、整合回路208と、を備えている。ソーラーパネル202は、導電板206の正面側に設けられている。導電板206には、モータ204など、時計100が備える各部を駆動制御する各種の回路基板210が実装される。以降の説明においては、整合回路208はインダクタンス値を任意に変更可能な可変インダクタを有する構成として説明をする。
(アンテナ回路205の構成)
図3は、アンテナ回路205の構成を示す説明図である。説明を容易にするため図3においては、図2に示したアンテナ回路205、ソーラーパネル202(の裏蓋部材201側の面)、指針106を、図2における矢印A方向から見た状態を示している。
図3において、アンテナ回路205は、導電板206と、2つのチップアンテナ(エレメント)207(207a、207b)と、導電板206と各チップアンテナ207との間にそれぞれ設けられる2つの整合回路208と、を備えている。チップアンテナ207および整合回路208は、ソーラーパネル202における裏蓋部材201側に設けられている。
導電板206は、板状の部材であって、金属など導電性の良好な材料を用いて形成されている。チップアンテナ207は、セラミックなどの非導電性の基体の内部に、NMHA(Normal Mode Helical Antenna)やメアンダラインのアンテナ素子を備えており、同軸上に配置されている。チップアンテナ207を用いることにより、アンテナ回路205の設置に要するスペースを小さく抑えることができる。そして、これにより、時計100の小型化を図ることができる。
導電板206は、全体が金属を用いて形成されているものに限らない。導電板206は、たとえば、金属製の板状部材に代えて、整合回路208などを搭載する回路基板の少なくとも一面側に金属材料を隙間なく、いわゆるベタ塗りパターンの金属材料製の層を設けることによって構成してもよい。
あるいは、導電板206は、たとえば、絶縁材料によって形成された基板上に金属などの導体によって形成された配線や各種の制御回路が設けられた層を複数積層することによって形成された多層基板によって実現してもよい。この場合、多層基板における層の積層方向に沿って当該多層基板を見た場合に、全層にわたって、配線や制御回路などを形成する金属材料が設けられていない部分に、金属材料製の層(パターン)を設ける。このような、配線や各種の制御回路などを搭載した多層基板によって導電板206を実現することにより、ケース101内の限られたスペースを有効利用することができる。
また、導電板206は、たとえば、外部磁場からモータなどのムーブメントを保護する耐磁板(図示を省略する)によって実現してもよく、電池を導電板206として代用してもよい。その他、時計100が、液晶パネル(Liquid Crystal Display:LCD)を含む構成である場合は、当該液晶パネルにおける反射板を構成する金属部分によって、導電板206を実現してもよい。液晶パネルにおける反射板を構成する金属部分を導電板206として利用する場合は、配線の影響を考慮する必要がある。
導電板206と各チップアンテナ207とは、配線(回路基板の配線パターン)209によって電気的に接続されており、ダイポールアンテナ301を構成している。チップアンテナ207は、基体の一端側において配線209の先端に接続されており、ダイポールアンテナ301におけるエレメントを実現する。各チップアンテナ207において、基体の他端側は、電磁波の放射端として機能する。
導電板206と各チップアンテナ207との間には、それぞれ、整合回路208が設けられている。具体的に、整合回路208は、たとえば、各配線209(209a、209b)にそれぞれ設けることができる。この実施の形態において、整合回路208は、インダクタンスの調整が可能な可変インダクタを用いることができる。
あるいは、可変インダクタに代えて、インダクタンスが異なる複数のインダクタと、複数のインダクタのうちのいずれかのインダクタンスを選択する選択回路と、によって構成されるインダクタンス可変機構を設けてもよい。このようなインダクタンス値の調整をするための切り替えは後述するインダクタンス調整回路804によっておこなわれる。以降では、可変インダクタ208a、208bを備える構成として説明をする。
(アンテナ回路205の挙動)
つぎに、アンテナ回路205の挙動について説明する。図4Aおよび図4Bは、アンテナ回路205の挙動を模式的に示す説明図である。可変インダクタ208a、208bのインダクタンス値を適宜選択したとき、チップアンテナ207間に電圧をかけると、チップアンテナ207間に電流分布を生じアンテナ回路205は、ダイポールアンテナとして機能させることができる。このときのインダクタンス値の条件をダイポール受信モードと呼ぶ。このときの電気力線の方向は、図4Aに示すように、チップアンテナ207の配列方向に平行な方向となる。
また、可変インダクタ208a、208bをダイポール受信モードのときのインダクタンス値よりも大きくし所定の閾値を超えると、電気力線の方向が、図4Bに示すように、チップアンテナ207の開放端と導電板206とを最短距離で結ぶ直線に平行な方向となる。この場合、各チップアンテナ207を、導電板206をグランドとし、各チップアンテナ207と導電板206におけるグランド位置との間に電流分布を示すモノポールアンテナして機能させることができる。このときのインダクタンス値の条件をモノポール受信モードと呼ぶ。
アンテナ回路205は、モノポールアンテナとして機能させる場合、振動方向および進行方向により特定される偏波方向がチップアンテナ207の配置方向(すなわち、ダイポールアンテナ301として機能させる場合の偏波方向)に交差する電波を受信する。具体的に、時計100においては、ダイポールアンテナとして機能させる場合と、モノポールアンテナとして機能させる場合と、で受信特性を発揮する方向(指向性)が90度変化する。
各受信モードにおける電界分布中に金属部品が存在すると、当該金属部品によって電界が吸収(低減)され、アンテナとして機能しなくなる(アンテナの機能が低下する)。このため、少なくとも、アンテナ回路205においてチップアンテナ207や導電板206が設置される平面に、金属部品を設けないことが好ましい。アンテナとしての機能は、アンテナ回路205においてチップアンテナ207や導電板206が設置される平面に、非金属部品が存在していても低下することはないため、アンテナとしての機能を確保するために、非金属部品の配置に制限が生じることはない。
(各受信モードにおけるアンテナ回路205の指向性)
つぎに、各受信モードにおけるアンテナ回路205の指向性について説明する。図5Aおよび図5Bは、各受信モードにおけるアンテナ回路205の指向性を示す説明図である。図5Aにおいては、第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性を可視化して示している。図5Bにおいては、第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性を可視化して示している。
ダイポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性は、図5Aに示すように、チップアンテナ207の軸に対して回転対称な、ドーナツ状の放射指向性(放射パターン)を示す。すなわち、ダイポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性は、水平面(チップアンテナ207の軸を通りチップアンテナ207の軸方向に平行な面)においては、チップアンテナ207の軸まわりでもっとも弱い強度を示し、当該軸から離れるにしたがって一旦強度が強まってから弱くなる、「8」の字形状の放射パターンを示す。水平面においては、チップアンテナ207の開放端より外側の部分の受信特性は得られない。また、ダイポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性は、垂直面(チップアンテナ207の軸方向に直交する面)においては、どの方向にも均等な最大の強度を示す。このとき、ダイポール受信モードで受信できる電波の偏波方向を第1の偏波方向とする。
一方、モノポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性は、図5Bに示すように、チップアンテナ207の軸方向に直交し、配線209の長さ方向に平行な軸に対して回転対称な、ドーナツ状の放射指向性(放射パターン)を示す。すなわち、モノポール受信モードでのアンテナ回路205の指向性は、水平面においては、どの方向にも均等な最大の強度を示す。このときのモノポール受信モードで受信できる電波の偏波方向を第2の偏波方向とする。また、垂直面においては、配線209の両端位置(チップアンテナ207と配線209との接続位置近傍)でもっとも弱い強度を示し、当該軸から離れるにしたがって一旦強度が強まってから弱くなる、「8」の字形状の放射パターンを示す。垂直面においては、配線209の両端位置より外側の部分の受信特性は得られない。
このように、ダイポールアンテナとして機能する場合に受信特性を発揮する方向(指向性)は、モノポールアンテナとして機能させる場合に受信特性を発揮する方向(指向性)に対して、文字板103と平行な面内において90度回転、つまり直交している。
図5Aおよび図5Bに示すように、ダイポール受信モードが設定されている場合、およびモノポール受信モードが設定されている場合において、それぞれ、受信感度をもたない方向(以下、適宜「死角」という)が存在する。アンテナ回路205においては、受信モードを切り替えることによって受信する偏波方向を切り換えることができるため、ダイポール受信モードにおける死角をモノポール受信モードにおいて補い、モノポール受信モードにおける死角をダイポール受信モードにおいて補うことができる。
これにより、各受信モードにおける死角と、受信する電波の偏波方向との関係により、いずれか一方の受信モードでの受信感度が低い(あるいは受信感度をもたない)場合にも、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのうち、受信感度の高い方の受信モードを選択して設定することによって、確実に電波を受信することができる。どちらの受信モードを選択して設定するかについては、具体的には、たとえば、アンテナ回路205を搭載する時計100を身に付けている使用者の姿勢に応じて判断し、受信感度が良好な受信モードを設定することができる。
使用者の姿勢が固定されている、あるいは、時計100が定位置に置かれている場合であっても、電波の受信状態は、電波を送信する衛星とアンテナ回路205との位置関係や、アンテナ回路205ないし時計100の周囲の環境に応じて異なる。このため、どちらの受信モードを選択して設定するかについては、使用者の姿勢に加えて、アンテナ回路205と電波を送信する衛星との位置関係や、アンテナ回路205が屋内にあるか屋外にあるかなどに応じて判断し、受信感度が良好な受信モードを設定することができる。さらに、どちらの受信モードを選択して設定するかについては、電波受信時点(測定地点)におけるアンテナ回路205ないし時計100の周囲にある建物など、アンテナ回路205ないし時計100の周囲の環境に応じて判断し、受信感度が良好な受信モードを設定することができる。
時計100においては、整合回路208のインダクタンス値を切り替えることにより、電波の受信モードを、第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードと、に切り替えることができる。さらに、モノポール受信モードにおいては、各整合回路208のインダクタンス値をそれぞれ個別に切り替えることにより、いずれか一方のチップアンテナ207を用いて電波を受信するシングルモノポール受信モードと、2つのチップアンテナ207を用いて電波を受信するダブルモノポール受信モードと、を切り替えることができる。
時計100においては、ダイポール受信モードにおいて受信する電波の周波数と、モノポール受信モードにおいて受信する電波の周波数とを、異ならせてもよい。この場合、時計100においては、ダイポール受信モードにおいて受信する電波の周波数や、モノポール受信モードにおいて受信する電波の周波数を選択できるようにしてもよい。具体的には、たとえば、衛星電波、Bluetooth(登録商標)通信に用いる電波、電波時計の長波、ラジオ放送に用いられる電波のうち、任意の2種類の電波を、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードにおいて受信する電波としてそれぞれ選択し、設定することができるようにしてもよい。各受信モードにおいて受信する電波の周波数は、衛星電波、Bluetooth(登録商標)通信に用いる電波、電波時計の長波、および、ラジオ放送に用いられる電波に限るものではなく、これらの電波以外のその他各種の周波数の通信電波を選択し、設定することができるようにしてもよい。
(指針106の位置と受信モードとの関係)
指針106が金属製の場合、各受信モードにおける電界分布上に指針106が存在すると、受信感度に悪影響を与えるおそれがある。このような場合においては、以下のように、指針106の位置によって受信モードを切り替えることが好ましい。指針106がプラスチックなどの樹脂製(非金属材料製)である場合は、指針106の位置による受信感度への影響はほぼない。
以下、図6A〜図6Dを用いて詳細に説明する。図6A〜図6Dは、指針106の位置と受信モードとの関係を示す説明図である。図6A〜図6Dにおいては、時計100の正面側から見た場合の指針106とアンテナ回路205との位置関係を示している。時計100は、チップアンテナ207の開放端と導電板206との間における指針106の有無に応じて、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのいずれかを選択的に設定する。
具体的に、時計100は、2つのチップアンテナ207の開放端の間に時針106aおよび分針106bが存在せず、2つのチップアンテナ207の開放端の間が開放されている場合、ダイポール受信モードを設定する。より具体的に、時計100は、図6Aに示すように、時計100を正面から見た状態において、時針106aおよび分針106bが符号610で示す範囲内に存在し、時針106aおよび分針106bのいずれもチップアンテナ207に重複しない場合に、ダイポール受信モードを設定する。
また、具体的に、時計100は、2つのチップアンテナ207の開放端の間に、少なくとも一つの指針106が存在する場合、モノポール受信モードを設定する。より具体的には、図6B、図6Cおよび図6Dに示すように、時計100を正面から見た状態において、いずれかの指針106がチップアンテナ207に重複し、2つのチップアンテナ207の開放端の間が開放されていない場合に、モノポール受信モードを設定する。
時計100において、2つのチップアンテナ207の開放端の間が開放されていない状況は、さらに、2つのチップアンテナ207のそれぞれに指針106が重複する場合と、いずれか一方のチップアンテナ207に指針106が重複する場合と、に分類できる。具体的に、時計100は、図6Bに示すように、時針106aおよび分針106bがともに符号620で示す範囲内に存在し、2つのチップアンテナ207のそれぞれに指針106が重複する場合、2つのチップアンテナ207の開放端と導電板206との間に電圧をかけ、それぞれがモノポールアンテナとして機能させるダブルモノポール受信モードを設定する。
また、具体的に、時計100は、図6Cに示すように、時針106aおよび分針106bが符号630で示す範囲内に存在する場合、あるいは、図6Dに示すように、時針106aおよび分針106bが符号640で示す範囲内に存在する場合、いずれか一方のチップアンテナ207と導電板206との間に電圧をかけて1つのモノポールアンテナとして機能させるシングルモノポール受信モードを設定するようにしてもよい。シングルモノポール受信モードにおいては、少なくとも一方のチップアンテナ207に指針106が重複するものの、開放端が開放され導電板206との間に指針106が存在していないチップアンテナ207と導電板206との間に電圧をかけ、1つのモノポールアンテナとして機能させることができる。
(ソーラーパネル202とアンテナ回路205との関係)
つぎに、ソーラーパネル202とアンテナ回路205との関係について説明する。図7は、ソーラーパネル202とアンテナ回路205との関係を示す説明図である。図7においては、ソーラーパネル202およびアンテナ回路205を、時計100の正面側から見た状態を示している。
図7に示すように、ソーラーパネル202には、複数の開口部701が設けられている。開口部701は、それぞれ、ダイポールアンテナとして機能する場合の放射端およびモノポールアンテナとして機能する場合の放射端に対応する位置に設けられている。具体的に、開口部701は、各チップアンテナ207の放射端と、モノポールアンテナとして機能する場合の各チップアンテナ207に対応するグランド位置と、に設けられている。
ソーラーパネル202において、ダイポールアンテナとして機能する場合の放射端およびモノポールアンテナとして機能する場合のグランド位置に対応する位置にのみ開口部701を設けることにより、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのときの受信性能の劣化を最小限に抑え、かつ、ソーラーパネル202による発電量を確保することができる。開口部701の形状は、たとえば、各チップアンテナ207の放射端やモノポールアンテナとして機能する場合の各チップアンテナ207に対応するグランド位置を含む円形とすることができる。あるいは、開口部701の形状は、円形に代えて、楕円形、四角形や六角形などの多角形であってもよい。
たとえば、プラスチックなどと称される樹脂材料のように、電波の受信感度に影響を与えない材料によって文字板103が形成されている場合は、当該文字板108に、開口部701と同様の開口部(図示を省略する)を設ける必要性は低い(あるいは不要となる)。一方、金属材料製の文字板103のように電波の受信感度に影響を与える材料によって形成された文字板103を用いる場合、当該文字板103に、ソーラーパネル202に設けた開口部701と同様の開口部(図示を省略する)を設けることが好ましい。
一方で、文字板103に開口部が設けられていると、審美性や美観に劣る。このため、文字板103に開口部701と同様の開口部を設ける場合は、当該開口部を、電波透過性の良好な材料を用いて形成した部材によって閉塞し、目立たないようにすることが好ましい。この場合、文字板103に設けられた開口部を閉塞する部材は、金属文字板と同色、同様の質感や表面性を有するような材料によって形成され、あるいは加工が施されていることが好ましい。これにより、金属製の文字板103を設けることによって受信感度を低下させることなく、文字板103の審美性や美観を確保することができる。
(時計100の機能的構成)
つぎに、時計100の機能的構成について説明する。図8は、時計100の機能的構成を示すブロック図である。図8において、チップアンテナ207により受信された電波は、インダクタ208を経由して制御回路801に入力される。制御回路801は、時計100全体の動作を制御し、内部時刻を計時する機能を有している。
制御回路801は、たとえば、マイクロコンピュータによって実現することができる。制御回路801は、受信した電波(標準電波など)を増幅し、フィルタ回路、整流回路、検波回路などの処理により復調し、受信した電波に含まれる時刻情報に基づいて、適宜、内部時刻を修正する。これにより、時計100は、常に正確な時刻を表示することができる。
制御回路801は、操作部102から、当該操作部102に対する操作に応じた信号が入力される。制御回路801は、操作部102に対する操作に応じた信号が入力された場合に、入力された信号に応じて、時刻調整処理を実行する。時刻調整処理については後述する。
また、制御回路801は、モータ204に対して、内部時刻に基づく駆動信号を出力する。モータ204は、制御回路801から出力された駆動信号に応じて指針106を駆動する。時計100において、モータ204は、1つに限るものではなく、独立して動作させたい指針106の数に応じて複数のモータを備えていてもよい。指針106や文字板103によって構成される時刻表示部800は、制御回路801によって計時された時刻を表示する。
ソーラーパネル202は、スイッチ802を介して電池203に接続されている。スイッチ802は、制御回路801によって駆動制御されて、ソーラーパネル202と電池203とを導通または切断させる。スイッチ802がソーラーパネル202と電池203とを導通させている状態において、ソーラーパネル202により発電された電力は、電池203に蓄電される。電池203は、制御回路801やインダクタンス調整回路804に電力を供給する。
制御回路801は、後述する時刻調整処理に際して、指針106の位置に応じて、インダクタンス調整回路804に調整信号を出力する。インダクタンス調整回路804は、制御回路801から出力された調整信号に基づいて可変インダクタ208a、208bにおけるインダクタンス値を調整し、上記のように、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モード(ダブルモノポール受信モードまたはシングルモノポール受信モード)を選択的に設定する。
具体的に、インダクタンス調整回路804は、可変インダクタ208a、208bのインダクタンス値を、ダイポール受信モードの設定時におけるインダクタ208のインダクタンスよりも大きくなるように調整することによって、モノポール受信モードを設定する。さらに、インダクタンス調整回路804は、シングルモノポール受信モードを設定する場合、いずれか一方の可変インダクタ208a、208bのインダクタンス値を、ダイポール受信モードの設定時における可変インダクタ208a、208bのインダクタンス値よりも大きくなるように調整し、他方の可変インダクタ208a、208bからの信号を無効にするように調整する。
(時計100の処理手順)
図9は、時計100の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示した処理は、操作部102に対する所定の操作がおこなわれた場合、あるいは、あらかじめ定められた所定のタイミングで開始される。具体的に、所定のタイミングは、たとえば、時計100が計時する現在時刻が、あらかじめ定められた時刻調整の実行時刻になった場合や、前回の時刻処理をおこなってからの所定時間が経過した場合とすることができる。
図9のフローチャートにおいて、まず、時針106aおよび分針106bが特定範囲内に存在するか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901においては、時針106aおよび分針106bが範囲610内に存在するか否かを判断する。時針106aおよび分針106bの少なくとも一方が範囲610外に存在する場合(ステップS901:No)、ステップS908へ移行する。
ステップS901において、時針106aおよび分針106bが特定範囲内に存在する場合(ステップS901:Yes)、ダイポール受信モードを設定する(ステップS902)。ステップS902においては、インダクタ208のインダクタンスを閾値よりも小さい値に設定することによってダイポール受信モードを設定する。指針106が金属製ではなく、電波透過性を有する材料で構成されている場合は、このステップS901を省略することができる。
つぎに、ダイポール受信モードにおける受信感度が所定感度よりも大きいか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903においては、たとえば、ダイポール受信モードにおいて受信した電波からノイズ成分を除去して得られる信号から、時刻情報を抽出できるか否かに基づいて、ダイポール受信モードにおける受信感度が所定感度よりも大きいか否かを判断することができる。ステップS903において、ダイポール受信モードにおける受信感度が所定感度以下である場合(ステップS903:No)、ステップS908へ移行する。
一方、ステップS903において、ダイポール受信モードにおける受信感度が所定感度よりも大きい場合(ステップS903:Yes)、時刻調整処理を実行する(ステップS904)。ステップS904においては、たとえば、チップアンテナ207を介して受信した電波(標準電波に含まれるタイムコード)を解析して時刻に変換し、変換した時刻を表示することにより時刻調整処理を実行することができる。時刻調整処理に際しては、電波を複数回受信し、複数回受信した電波に基づく解析結果が一致する場合に、当該解析結果に基づいて変換した時刻を表示してもよい。
受信する電波は、標準電波に限るものではない。時計100は、たとえば、GPS衛星から送信される時刻情報を含むGPS電波、国内の携帯電話各社が基地局から送信する時刻情報(時分秒、日付曜日)が重畳された制御信号、TOT(Time Offset Table)として現在時刻(時分秒)と日付曜日情報が重畳されたテレビ放送(データ放送)の放送波、時刻情報が重畳されたFMラジオの文字多重データなど、各種の電波を受信することができる。
つぎに、ステップS904において実行した時刻調整処理が完了したか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905においては、たとえば1回または複数回電波を受信しておこなう一連の時刻調整処理において、解析が正しくおこなわれ、当該解析結果に基づいて時刻の変換がおこなわれたか否かを判断する。時刻調整処理が完了した場合(ステップS905:Yes)、一連の処理を終了する。
一方、時刻調整処理が完了していない場合(ステップS905:No)、時刻調整処理を連続しておこなった回数が、あらかじめ設定された所定回数に達したか否かを判断する(ステップS906)。所定回数は、時刻調整処理の実行を繰り返す回数であって、時計100の設計者などによって任意に設定することができ、たとえば、2回とすることができる。
ステップS906において、時刻調整処理が完了していないために再度おこなった時刻調整処理の回数が所定回数に達していない場合(ステップS906:No)、ステップS904に戻り、時刻調整処理を再度実行する。一方、ステップS906において、時刻調整処理が完了していないために再度おこなった時刻調整処理の回数が所定回数に達した場合(ステップS906:Yes)、エラー処理をおこなって(ステップS907)、一連の処理を終了する。ステップS907においては、たとえば、時刻調整処理が正しく完了しなかったことを記憶する処理をおこなう。
ステップS908においては、モノポール受信モードを設定する(ステップS908)。具体的に、ステップS908においては、可変インダクタ208a、208bのインダクタンス値を閾値よりも大きい値に設定することによってモノポール受信モードを設定する。また、ステップS908においては、時針106aおよび分針106bの位置に基づいて、いずれか一方のチップアンテナ207と導電板206との間に電圧をかけて1つのモノポールアンテナとして機能させるシングルモノポール受信モードを設定してもよい。所定のモノポール受信モードに設定し終えた後、上述したステップS904に進み、以下同様のステップS905〜ステップS907の処理をおこなう。
この実施の形態の時計100のように、モノポール受信モードと比較して、インダクタ208のインダクタンスが小さいダイポール受信モードを先に設定し、ダイポール受信モードでの受信感度が所定感度を超えている場合はダイポール受信モードでの時刻調整処理を実行することにより、先にモノポール受信モードを設定して時刻調整処理をおこなう場合よりも電力の消費を抑えることができる。
上述した実施の形態においては、指針106の位置に応じてダイポール受信モードまたはモノポール受信モードを設定し、時刻調整処理を実行するようにしたが、各受信モードの設定方法はこれに限るものではない。たとえば、ダイポール受信モードでの受信感度とモノポール受信モードでの受信感度との両方の受信モードでの受信感度を検出し、いずれの受信モードにおける受信感度の方が良好であるかを判断し、受信感度が良好な受信モードを設定し、時刻調整処理を実行するようにしてもよい。
あるいは、まず、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのいずれか一方の受信モードを設定し、先に設定した一方の受信モードでの受信感度が所定の感度閾値を超えているか否かを判断してもよい。この場合、先に設定した一方の受信モードでの受信感度が所定の感度閾値を超えている場合は、先に設定した受信モードでの時刻調整処理を実行し、超えていない場合は、他方の受信モードを設定し、当該他方の受信モードでの時刻調整処理を実行する。
また、上述した実施の形態においては、ステップS906でNo判定となった場合に、ステップS904に戻り、同じ受信モードで再度時刻調整処理を行うとして説明を行ったが、受信感度(受信環境)が経時変化する可能性があることを考慮して、ステップS902に戻り、改めて他方の受信モードでの受信感度を判断し直すようにしてもよい。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のアンテナ回路205は、同軸上に配置された一対のチップアンテナ(エレメント)207と、一端がアンテナ207に接続され他端が導電板206に接続された配線209と、配線209の途中に設けられた整合回路208と、を備え、整合回路208は、一対のチップアンテナ207間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、チップアンテナ207と導電板206間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定することを特徴としている。
この実施の形態のアンテナ回路205によれば、受信感度に応じて、受信する電波の偏波方向が異なるダイポール受信モードおよびモノポール受信モードの一方を選択的に設定することにより、受信感度の良好な受信モードを設定することができる。これにより、電波の偏波方向に対するアンテナ回路205の姿勢に左右されることなく、確実に電波を受信することができる。
また、この実施の形態のアンテナ回路205によれば、ダイポールアンテナ301により受信する電波の周波数と、モノポールアンテナにより受信する電波の周波数とを異ならせることにより、適宜受信モードを切り替えて、受信する電波の偏波方向のみならず、種類が異なる複数の電波を受信することができる。これにより、汎用性の高いアンテナ回路205を実現することができる。
また、この実施の形態のアンテナ回路205は、第1の偏波方向と第2の偏波方向が直交することを特徴としている。すなわち、この実施の形態のアンテナ回路205は、ダイポール受信モードが設定されている場合に良好に受信できる電波の方向である第1の偏波方向と、モノポール受信モードが設定されている場合に良好に受信できる電波の方向である第2の偏波方向と、が直交している。
この実施の形態のアンテナ回路205によれば、一方の受信モードにおいて受信感度が低くなる範囲の電波を他方の受信モードで確実に受信することができ、受信できる電波の方向を広く確保することができる。これにより、各受信モードでの受信感度に応じて、ダイポール受信モードを設定することによりモノポール受信モードでは受信しにくい(あるいは死角になる)第1の偏波方向の電波を確実に受信することができ、モノポール受信モードを設定することによりダイポール受信モードでは受信しにくい(あるいは死角になる)第2の偏波方向の電波を確実に受信することができる。そして、これにより、電波の偏波方向に対するアンテナ回路205の姿勢に左右されることなく、確実に電波を受信することができる。
また、この実施の形態のアンテナ回路205は、整合回路208が、インダクタを備え、該インダクタのインダクタンスを、所定の閾値より小さくすることによりダイポール受信モードを設定し、所定の閾値より大きくすることによりモノポール受信モードを設定することを特徴としている。
この実施の形態のアンテナ回路205によれば、整合回路208であるインダクタのインダクタンスを調整することによりダイポールアンテナとして機能するアンテナ回路205を、モノポールアンテナとして機能させることができる。これにより、それぞれ独立したダイポールアンテナとモノポールアンテナとを設ける場合と比較して、部品点数を減らし、アンテナ回路205および電子機器である時計100の組立工数を減らすことができる。そして、これにより、電波の偏波方向に対する電子機器の姿勢や、受信感度に左右されることのないアンテナ回路205の製造にかかる負担を低減し、製造コストを抑えることができる。
また、この実施の形態のアンテナ回路205は、エレメントが、チップアンテナ207であることを特徴としている。この実施の形態の時計100によれば、アンテナ回路205の実装に要するスペースを小さくすることができる。これにより、アンテナ回路205および時計100の小型化を図ることができる。
また、この実施の形態の時計100は、上記のアンテナ回路205と、時刻を計時し、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードの一方が設定されている場合に受信した電波に含まれる信号に基づいて計時する時刻を調整する計時手段としてのムーブメントと、ムーブメントが計時した時刻を表示する表示手段としての指針106と、を備えたことを特徴としている。
この実施の形態の時計100によれば、電波の偏波方向に対する電子機器である時計100の姿勢や、受信感度に左右されることなく、常に、確実に電波を受信することができるので、当該電波に基づいて時刻を計時することにより、常に正確な時刻を表示することができる。
また、この実施の形態の時計100は、チップアンテナ207の軸と平行な面内において回転可能に設けられた指針106によって表示手段を実現し、整合回路208が、指針106の位置に応じて、ダイポール受信モードおよびモノポール受信モードのいずれかを設定することを特徴としている。
この実施の形態の時計100によれば、受信する電波の偏波方向が異なるダイポール受信モードおよびモノポール受信モードの一方を選択的に設定することができるので、指針の位置にかかわらず、常に電波を受信することができる。これにより、時刻を表示する指針を、電波を受信するために退避させることなく時刻を調整することができる。
腕時計などのように、限られた電力(電池)により動作する小型の電子機器においては、電波を受信するごとに指針を退避させることは、直接的な目的以外の動作に電力が消費されることとなり、好ましくない。これに対し、この実施の形態の時計100によれば、電波を受信するために指針を退避させることなく時刻を調整することができるので、不要な電力消費を抑えることができる。
また、この実施の形態の時計100は、指針106(指針106の回動面)とアンテナ回路205との間にソーラーパネル202を有し、ソーラーパネル202は、ダイポール受信モードにおける電界の放射端の位置と、モノポール受信モードにおける電界の放射端の位置とに、開口部701を有することを特徴としている。
この実施の形態の時計100によれば、ダイポール受信モードにおける電界の放射および入射と、モノポール受信モードにおける電界の放射および入射とを、ソーラーパネルの開口部701を介しておこなうことができる。このように、電波の受信にかかる位置のみに開口部701を設けることにより、電波の受信機能の劣化を最小限に抑えてアンテナ回路205よりも表示窓側にソーラーパネル202を設けることができ、ソーラーパネル202による発電量を確保することができる。
以上のように、この発明にかかるアンテナ回路および電子機器は、電波を受信するアンテナ回路および電子機器に有用であり、特に、腕時計やウェアラブル機器などのように環境における姿勢の変化が著しいアンテナ回路および電子機器に適している。
100 時計
101 ケース
101a 開口
103 文字板
106 指針
109 風防
202 ソーラーパネル
205 アンテナ回路
206 導電板
207 チップアンテナ
208a、208b 可変インダクタ
209 配線
701 開口部
801 制御回路
804 インダクタンス調整回路

Claims (7)

  1. 同軸上に配置された一対のエレメントと、
    一端が前記エレメントに接続され他端が導電板に接続された配線と、
    前記配線の途中に設けられた整合回路と、
    を備え、
    前記整合回路は、前記一対のエレメント間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、前記エレメントと前記導電板間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定することを特徴とするアンテナ回路。
  2. 前記第1の偏波方向と前記第2の偏波方向は直交することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ回路。
  3. 前記整合回路は、インダクタを備え、該インダクタのインダクタンスを、所定の閾値より小さくすることにより前記ダイポール受信モードを設定し、前記所定の閾値より大きくすることにより前記モノポール受信モードを設定することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ回路。
  4. 前記エレメントは、チップアンテナであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のアンテナ回路。
  5. 同軸上に配置された一対のエレメントと、一端が前記エレメントに接続され他端が導電板に接続された配線と、前記配線の途中に設けられて、前記一対のエレメント間に生じる電流分布に基づいて第1の偏波方向の電波を受信するダイポール受信モードと、前記エレメントと前記導電板間に生じる電流分布に基づいて第2の偏波方向の電波を受信するモノポール受信モードとを設定する整合回路と、を備えるアンテナ回路と、
    時刻を計時し、前記ダイポール受信モードおよび前記モノポール受信モードの一方が設定されている場合に受信した電波に含まれる信号に基づいて計時する時刻を調整する計時手段と、
    前記計時手段が計時した時刻を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  6. 前記表示手段は、前記エレメントの軸と平行な面内において回転可能に設けられた指針であって、
    前記整合回路は、前記指針の位置に応じて、前記ダイポール受信モードおよび前記モノポール受信モードのいずれかを設定することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記表示手段と前記アンテナ回路との間にソーラーパネルを有し、
    前記ソーラーパネルは、前記ダイポール受信モードにおける電界の放射端の位置と、前記モノポール受信モードにおける電界の放射端の位置とに、開口部を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の電子機器。
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