以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、端末側の構成として、NCU20(NCU : Network Control Unit)、ゲートウェイ無線機21、複数の無線機22,22,…,22及びメータ23,23,…,23を備える。メータ23は、例えば個人宅、会社、各種施設等の需要家毎に設置され、ガス、水道、電気等の使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。無線テレメータシステムでは、メータ23の検針値を示すデータ、無線機22の動作状態を示すデータなど端末側から出力される各種データを、無線通信を利用してセンタ10へ送信すると共に、無線機22及びメータ23の動作を制御するための制御指令等を含んだ各種データをセンタ10から端末側へ送信する。
センタ10は、例えば、PHS網、FOMA網などの広域無線網N1を介して端末側と通信を行う通信装置、端末側から送信されるデータを蓄積する記憶装置を含む(不図示)。
NCU20は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介してセンタ10と無線通信を行う。なお、NCU20とセンタ10との間の通信は無線通信に限らず、有線の通信であってもよい。この場合、NCU20及びセンタ10は有線の通信網により接続される。
ゲートウェイ無線機21とNCU20とは、Uバス等のバスラインを介して接続される。ゲートウェイ無線機21は、バスラインを介して接続されたNCU20を通じて、センタ10と通信が行えるように構成されている。
また、ゲートウェイ無線機21は、無線機22,22,…,22により構築される狭域無線網N2に参加することにより、各無線機22,22,…,22と通信が行えるように構成されている。なお、狭域無線網N2に属するゲートウェイ無線機21及び各無線機22,22,…,22は、狭域無線網N2内でそれぞれを識別するための識別子として、番号発行無線機30より発行される無線機番号を有するものとする。ゲートウェイ無線機21及び各無線機22,22,…,22は、無線機番号により指定した通信相手と無線通信を行う。
各無線機22は、それぞれに接続されているメータ23から検針値を含むパケット(検針パケットともいう)をバスラインを通じて受信した場合、狭域無線網N2を介してゲートウェイ無線機21へ送信する。このとき、各無線機22から送信されるパケットは、直接的又は1又は複数の他の無線機22を経由して、ゲートウェイ無線機21に到達する。ゲートウェイ無線機21は、狭域無線網N2を通じて無線機22から送信されるパケットを受信した場合、及び自機においてセンタ10へ通知すべきイベントが発生した場合等において、NCU20を通じてセンタ10との通信を行い、所望のパケットをセンタ10へ送信する。
なお、以下の説明において、ゲートウェイ無線機21及び無線機22を区別して説明する必要がない場合には、単に無線機とも記載する。
図2はNCU20の内部構成を示すブロック図である。NCU20は、制御部200、記憶部201、広域無線通信部202、接続部203、表示部204、操作部205などを備える。NCU20が備えるハードウェア各部は、図に示していない内蔵電池又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを備える。制御部200内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、機器全体を本願の中継装置として機能させる。また、制御部200は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部201は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、NCU20の動作に関する設定情報、接続部203に接続されたゲートウェイ無線機21のアドレス等の情報などを記憶するともに、狭域無線網N2に設置された各メータ23,23,…,23のID(メータID)等の情報を記憶するメータ管理テーブルを備える。
広域無線通信部202は、アンテナ202aを通じて電波を発信または受信することによって、センタ10との通信を行う。例えば、メータ23から送信されるパケットをゲートウェイ無線機21を通じて受信した場合、広域無線通信部202は、アンテナ202aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した形式のパケットをセンタ10へ送信する。
また、広域無線通信部202は、アンテナ202aにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより所定の形式のデータを取得する。広域無線通信部202は、受信電波をデコードして得られるデータを制御部200へ出力する。制御部200は、広域無線通信部202から出力されたデータを取得した場合、そのデータに基づいて各種の制御を行う。
接続部203は、Uバスなどのバスラインを介して各種機器を接続するインタフェースを備える。本実施の形態では、後述するゲートウェイ無線機21が接続部203に接続されているものとする。
表示部204は、LEDランプ(LED : Light Emitting Diode)、液晶表示パネル等により構成されており、制御部200から出力される制御信号に基づいて、NCU20の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部205は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部200は、操作部205から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部201に記憶させる。
図3はゲートウェイ無線機21の内部構成を示すブロック図である。ゲートウェイ無線機21は、制御部210、記憶部211、接続部212、狭域無線通信部213、表示部214、操作部215などを備える。ゲートウェイ無線機21が備えるハードウェア各部は、図に示していない内蔵電池又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部210は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部210内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御する。また、制御部210は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部211は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、ゲートウェイ無線機21の動作に関する設定情報、ゲートウェイ無線機21の固有の識別子である固有ID、番号発行無線機30より発行された無線機番号等を記憶する。また、記憶部211は、通信の際に参照する各種テーブルを備える。記憶部211が備えるテーブルには、例えば、各無線機22,22,…,22の無線機番号と、ゲートウェイ無線機21から各無線機22,22,…,22に至るホップ数とを関連付けて記憶するホップ数テーブルが含まれる。
接続部212は、ゲートウェイ無線機21をNCU20側の接続部203に接続するためのインタフェースを備える。ゲートウェイ無線機21は、Uバス等のバスラインを介して接続部212に接続されたNCU20とパケットの送受信を行う。
狭域無線通信部213は、アンテナ213aを通じて電波を発信または受信することによって、無線機22,22,…,22と所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えばUバスエアの規格に準拠した通信方式が採用される。ゲートウェイ無線機21の狭域無線通信部213は、無線機22から送信されるパケットを受信することが可能である場合、ゲートウェイ無線機21の無線機番号を含むID通知信号(RNO)を間欠的に送信する。また、狭域無線通信部213は、無線機22から送信されるRNOを受信した場合であって、自機が送信すべきパケットを有するとき、当該パケットをRNOの送信元へ送信する。
表示部214は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部210から出力される制御信号に基づいて、ゲートウェイ無線機21の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部215は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部210は、操作部215から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部211に記憶させる。
図4は無線機22の内部構成を示すブロック図である。無線機22は、制御部220、記憶部221、狭域無線通信部222、接続ポート223、表示部224、操作部225などを備える。無線機22が備えるハードウェア各部は、電池229から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部220は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部220内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、機器全体を本発明に係る無線機として機能させる。また、制御部220は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部221は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、各種動作に関する設定情報、自機の固有の識別子である固有ID、番号発行無線機30より発行された無線機番号等を記憶する。また、記憶部221は、通信の際に参照する各種テーブルを備える。記憶部221が備えるテーブルには、例えば、他の無線機の無線機番号と、自機から他の無線機に至るホップ数とを関連付けて記憶するホップ数テーブルが含まれる。
狭域無線通信部222は、アンテナ222aを通じて電波を発信または受信することによって、ゲートウェイ無線機21及び他の無線機22,22,…,22との間で所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えばUバスエアの規格に準拠した通信方式が採用される。無線機22の狭域無線通信部222は、自機がゲートウェイ無線機21又は他の無線機22から送信されるデータを受信することが可能である場合、RNO(自機の無線機番号)を間欠的に送信する。また、狭域無線通信部222は、ゲートウェイ無線機21又は他の無線機22から送信されるRNOを受信した場合であって、自機が送信すべきパケットを有するとき、当該パケットをRNOの送信元へ送信する。
接続ポート223は、ガス、水道、電気等の使用量を計測するためのメータ23を接続するインタフェースを備える。無線機22は、Uバス等のバスラインを介して接続ポート223に接続されたメータ23との間でパケットの送受信を行う。
表示部224は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部220から出力される制御信号に基づいて、無線機22の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部225は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部220は、操作部225から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部221に記憶させる。
以下、無線テレメータシステムの動作について説明する。
図5は参考例として示す従来の無線テレメータシステムの動作を説明する模式的説明図である。図5では簡略化のために、狭域無線網に接続された無線機を1台だけ示している。センタからメータに至る通信経路上の各機器は固有IDを有する。ここで、固有IDは、各機器に予め付与されているシリアル番号等の各機器固有の識別子であり、例えば14バイトの英数字により構成される。図5の例では、メータ、無線機、ゲートウェイ無線機、NCU、センタの固有IDを「aaaaaaa」〜「eeeeeee」としている。
また、狭域無線網に接続されたゲートウェイ無線機及び無線機は、固有IDに加え、無線機番号を有する。ここで、無線機番号は、狭域無線網内に新たな無線機が接続された場合、新たに接続された無線機を他の無線機と識別するために、図に示していない番号発行無線機によって発行される識別子であり、例えば1バイトの整数値が採用される。
センタからメータに対してパケットを送信する場合、センタは、NCUとの通信接続を確立させ、センタの固有IDを送信元アドレス(SADR)、メータの固有IDを送信先アドレス(DADR)としたパケットを送信する。センタから送信されるメータ宛のパケットは、広域無線網に接続されたNCUを通じてゲートウェイ無線機に到達する。
ゲートウェイ無線機は、宛先のメータが接続されている無線機を管理するために、メータ管理テーブル及び無線機管理テーブルを備える。メータ管理テーブルでは、メータが接続されている無線機の無線機番号と、メータの固有ID(メータID)とを関連付けて記憶する。また、無線機管理テーブルでは、無線機の無線機番号と、無線機の固有ID(無線機ID)とを関連付けて記憶する。
ゲートウェイ無線機は、メータの固有IDを宛先としたパケットをNCUから受信した場合、メータ管理テーブル及び無線機管理テーブルを参照することにより、宛先のメータが接続された無線機を特定することができる。ゲートウェイ無線機は、特定した無線機の無線機番号を宛先として、受信したパケットを転送する。
ゲートウェイ無線機から転送されるパケットは、直接的、または、1又は複数の無線機を経由して、宛先の無線機に到達する。宛先の無線機は、接続ポートに接続されたメータ宛のパケットを受信した場合、Uバス等のバスラインを通じてパケットを転送する。
メータから検針値を含んだパケットをセンタへ送信する場合についても同様である。すなわち、メータは、メータの固有IDを送信元アドレス(SADR)、センタの固有IDを送信先アドレス(DADR)に指定することにより、狭域無線網内の各無線機、及び広域無線網に接続されるNCUを通じて、検針値を含むパケットをセンタへ送信することができる。
センタ及びメータ間において互いの固有IDを指定してパケットを送受信する従来の通信形態において、センタは、検針値を含むメータからのパケットを受信した場合、メータによる検針値をメータIDに関連付けて管理することが可能である。その一方で、ガス等を供給する事業者の中には、需要家の電話番号等の需要家を特定し得る情報(以下、需要家IDという)を、メータIDに関連付けて管理していない事業者も存在する。この場合、検針値を通信により取得したとしても、どの需要家の検針値が得られたのかを特定することができないという問題点を有している。
そこで、本実施の形態では、メータIDと需要家IDとの関連付けを事前に行っていない場合であっても、需要家毎の検針値を管理することができるシステムを提案する。
本実施の形態では、メータ23の固有の識別子であるメータIDとは別に、設定IDを導入する。設定IDは、各メータ23について新たに設定される任意のIDである。メータ23の設定IDとして、例えば、当該メータ23が設置されている需要家を特定するための需要家IDを用いることができる。
無線機22は、自機に接続されたメータ23のメータID及び設定IDを関連付けて記憶する変換テーブルを備える。図6は変換テーブルの一例を示す概念図である。変換テーブルは、設定ID及びメータIDを関連付けて記憶したテーブルであり、無線機22の記憶部221内に記憶される。無線機22は、センタ10からメータ23へ送信するパケット、又はメータ23からセンタ10へ送信するパケットを中継する際、変換テーブルを参照して、設定IDとメータIDとを相互に変換する。
例えば、送信先アドレスを設定IDとしたセンタ10からのパケットを狭域無線通信部222にて受信した場合、制御部220は、変換テーブルを参照して、送信先アドレスを設定IDからメータIDに書き換える処理を行う。また、送信元アドレスをメータIDとしたメータ23からのパケットを接続ポート223にて受信した場合、制御部220は、送信元アドレスをメータIDから設定IDに書き換える処理を行う。以上の書き換え処理により、無線機22からセンタ10に至る通信経路上では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23の設定IDを使用して通信することが可能であり、無線機22とメータ23との間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23のメータIDを使用して通信することが可能である。
図7は狭域無線網N2内に無線機22を新たに設置する際の手順を説明するタイミングチャートである。図7では、狭域無線網N2内に新たに設置する無線機22を新設無線機、狭域無線網N2に接続済みの既存の無線機22を既設無線機と記載している。新設無線機は、適宜の設置場所に設置され、接続ポート223にバスラインを介してメータ23が接続される。
新設無線機は、設定IDの入力を受付け(ステップS101)、受付けた設定IDを変換テーブルに登録する(ステップS102)。なお、新設無線機は、操作部225を用いた作業員の操作により設定IDを受付ける構成としてもよく、設定IDを新設無線機に設定させるための設定器を接続ポート223に接続し、設定器を通じて設定IDを受付ける構成としてもよい。
次いで、新設無線機は、デバイス検索を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、接続ポート223に接続された各種機器を検索するためにデバイス検索を実行する(ステップS103)。メータ23は、新設無線機からのデバイス検索に対し、メータ23の固有のIDであるメータIDを含んだデバイス応答を返信する(ステップS104)。新設無線機は、メータ23より返信されるデバイス応答からメータIDを取り出し、取り出したメータIDを変換テーブルに登録する(ステップS105)。
上述した手順では、設定IDを登録した後に、メータ23から取得したメータIDを登録する構成としたが、設定ID及びメータIDの登録順序はこの順序に限定されるものではなく、メータ23から取得したメータIDを先に登録した後に、設定IDを登録する構成としてもよい。
次に、新設無線機に対して無線機番号を付与するための処理を行う。
新設無線機及び既設無線機の双方において、番号発行起動を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、新設無線機及び既設無線機は番号発行起動を行う(ステップS106,S107)。
新設無線機は、番号発行起動を行った後、既設無線機に対して番号発行要求を送信する(ステップS108)。なお、新設無線機は、番号発行無線機30から発行される無線機番号を取得するまで、仮の無線機番号(例えばFEh)を用いて既設無線機との無線通信を行う。
既設無線機は、新設無線機から送信される番号発行要求を受信した場合、番号発行要求を受信した旨を示す番号発行応答を返信すると共に(ステップS109)、番号発行無線機30に対して間接番号発行要求を送信する(ステップS110)。
番号発行無線機30は、既設無線機から間接番号発行要求を受信した場合、新設無線機に対して付与する無線機番号(例えば未使用の無線機番号のうち最も小さな番号)を決定し、決定した無線機番号を含む間接番号発行応答を既設無線機へ返信する(ステップS111)。
既設無線機は、番号発行無線機30から送信された間接番号発行応答を受信した場合、新設無線機宛の無線機番号を含む番号設定要求を新設無線機へ送信する(ステップS112)。
新設無線機は、既設無線機から番号設定要求を受信した場合、番号設定要求に含まれる自機宛の無線機番号を取り出し、自機の無線機番号として記憶部221に記憶させる(ステップS113)。また、新設無線機は、無線機番号を設定した旨の番号設定応答を既設無線機に返信する(ステップS114)。
新設無線機は、起動後、他の無線機22とホップ数テーブルの交換を行い(ステップS115)、狭域無線網N2内に接続された各無線機22の無線機番号を取得する。ホップ数テーブルの交換は隣接無線機間で順次実行される。ゲートウェイ無線機21(GW無線機21)を含む各無線機は、ホップ数テーブルの交換を通じて新設無線機の存在を認識することができる。このようなホップ数テーブルの交換により、新設無線機は、狭域無線網N2内の各無線機と無線機番号を用いた無線通信が可能となる。
ゲートウェイ無線機21は、隣接無線機とのホップ数テーブルの交換を通じて新設無線機の存在を認識した場合、NCU更新通知を新設無線機へ送信する(ステップS116)。
新設無線機は、ゲートウェイ無線機21からのNCU更新通知を受信することにより、ゲートウェイ無線機の存在を認識した場合、NCU更新応答を返信する(ステップS117)。また、新設無線機は、自機の変換テーブルに登録されている設定IDを含むメータ更新通知をゲートウェイ無線機へ送信する(ステップS118)。
ゲートウェイ無線機21は、新設無線機からメータ更新通知を受信した場合、メータ更新通知を受信した旨を示すメータ更新応答を返信すると共に(ステップS119)、メータ更新通知に含まれる設定IDを取り出して記憶部211に記憶させる(ステップS120)。
また、ゲートウェイ無線機21は、新設無線機から取得したメータ23の設定IDをセンタ10に通知する(ステップS121)。センタ10は、ゲートウェイ無線機21からメータ23の設定IDが通知されることにより、該当需要家宅に無線機22が設置されたことを認識する。
以上の手順により、新設無線機(無線機22)の変換テーブルには、メータ23のメータID及び設定IDが関連付けられて登録される。また、ゲートウェイ無線機21及びセンタ10には、メータ23について設定された設定IDが通知される。よって、センタ10とメータ23との間で行う通信では、センタ10と無線機22との間で、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23の設定IDを使用して通信することが可能であり、無線機22とメータ23との間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23のメータIDを使用して通信することが可能である。
図8はセンタ10からメータ23宛にパケットを送信する際の手順を説明するタイミングチャートである。センタ10は、例えばメータ23に対するポーリングを行う場合、NCU20との通信接続を確立させ、送信元アドレス(SADR)をセンタID、送信先アドレス(DADR)を設定IDとしたパケットを送信する(ステップS131)。センタ10から送信されたパケットは、NCU20及びゲートウェイ無線機21によって転送され、送信先アドレスに対応するメータ23が接続された無線機22に到達する。
無線機22は、メータ23宛のパケットを受信した場合、送信先アドレスを設定IDからメータIDに書き換え(ステップS132)、送信先アドレスを書き換えたメータ23宛のパケットを接続ポート223を通じてメータ23へ送信する(ステップS133)。
メータ23は、センタ10から送信されるパケットを受信した場合、送信元アドレスをメータID、送信先アドレスをセンタIDとしたセンタ10宛の応答パケットを自機が接続された無線機22へ送信する(ステップS134)。
無線機22は、メータ23からの応答パケットを受信した場合、送信元アドレスをメータIDから設定IDに書き換え(ステップS135)、送信元アドレスを書き換えたセンタ10宛の応答パケットを狭域無線通信部222を通じて送信する(ステップS136)。無線機22から送信される応答パケットは、直接的に、または、1又は複数の他の無線機22を経由して、ゲートウェイ無線機21に到達する。
ゲートウェイ無線機21に到達したセンタ10宛の応答パケットは、NCU20を通じて、センタ10へ転送される。
図9はメータ23からセンタ10宛のパケットを送信する際の手順を説明するタイミングチャートである。メータ23は、例えば検針値を取得し、検針値を含むパケットをセンタ10宛に送信する場合、送信元アドレスをメータID、送信先アドレスをセンタIDとしたセンタ10宛のパケットを自機が接続された無線機22へ送信する(ステップS151)。
無線機22は、メータ23からのパケットを受信した場合、送信元アドレスをメータIDから設定IDに書き換え(ステップS152)、送信元アドレスを書き換えたセンタ10宛のパケットを狭域無線通信部222を通じて送信する(ステップS153)。無線機22から送信されるパケットは、直接的に、または、1又は複数の他の無線機22を経由して、ゲートウェイ無線機21に到達する。
ゲートウェイ無線機21に到達したセンタ10宛の応答パケットは、NCU20を通じて、センタ10へ転送される。
センタ10は、メータ23から送信されるパケットを受信した場合、送信元アドレスをセンタID、送信先アドレスを設定IDとしたメータ23宛の応答パケットを送信する(ステップS154)。センタ10から送信されたパケットは、NCU20及びゲートウェイ無線機21によって転送され、送信先アドレスに対応するメータ23が接続された無線機22に到達する。
無線機22は、メータ23宛のパケットを受信した場合、送信先アドレスを設定IDからメータIDに書き換え(ステップS155)、送信先アドレスを書き換えたメータ23宛のパケットを接続ポート223を通じてメータ23へ送信する(ステップS156)。
以上のように、実施の形態1では、センタ10とメータ23との間で行う通信において、センタ10と無線機22との間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23の設定IDを使用して通信することが可能であり、無線機22とメータ23との間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータ23のメータIDを使用して通信することが可能である。よって、センタ10では、メータ23のメータIDを管理していない場合であっても、需要家を特定し得るような設定IDを用いて各メータ23からの検針値を管理することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、無線機22を新たに設置する際に作業員等がメータ23の設定IDを設定する構成としたが、無線機22の固有のIDである無線機IDから設定IDを生成する構成としてもよい。
実施の形態2では、無線機22の無線機IDからメータ23の設定IDを生成し、変換テーブルに登録する構成について説明する。
図10は実施の形態2における設定IDの登録例を説明する説明図である。図10Aは需要家宅に設置された無線機22及びメータ23の固有IDの関係を示している。需要家宅に設置されているメータ23は、固有IDとして「aaaaaaa」のメータIDを有し、このメータ23に接続された無線機22は、固有IDとして「bbbbbb0」の無線機IDを有するものとする。
無線機22の制御部220は、出荷時等の適宜のタイミングにて、無線機IDからメータ23の設定IDを生成し、生成した設定IDを変換テーブルに登録する。本実施の形態では、制御部220は、無線機IDと一部が共通するようにメータ23のメータIDを設定する。例えば、無線機22の無線機IDを「bbbbbb0」とした場合、制御部220は、無線機IDの下位一桁を異ならせた「bbbbbb1」を設定IDとして生成し、変換テーブルに登録する。図10Bは設定IDの登録例を示している。
次いで、無線機22の制御部220は、設置時におけるデバイス検索により、Uバスを介して接続ポート223に接続されたメータ23からメータIDを取得し、取得したメータIDを設定IDに関連付けて変換テーブルに登録する。図10CはメータIDの登録例を示しており、設定ID「bbbbbb1」に対し、メータ23から取得したメータID「aaaaaaa」を関連付けて変換テーブルに登録した状態を示している。
以上のように、実施の形態2では、無線機22に予め付与されている無線機IDよりメータ23に対する設定IDを設定することができるので、新設無線機を設置する都度、作業員がメータ23の設定IDを新設無線機に設定する必要がなくなり、作業員の手間を省くことができる。また、無線機IDと設定IDとを連番にすることにより、無線機IDから設定IDを類推することが可能となる。
なお、本実施の形態では、無線機IDの下位一桁を異ならせることにより設定IDを生成する構成としたが、上位一桁を異ならせてもよく、また二桁以上を異ならせてもよい。また、予め定めた関数等を利用して、無線機IDから設定IDを生成する構成としてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、無線機22の接続ポート223にメータ23を含む複数のUバス機器が接続された形態について説明する。
図11は実施の形態3における設定IDの登録例を説明する説明図である。需要家宅に設置された無線機22の接続ポート223には、Uバスを介して、メータ23及び3台のUバス機器24〜26が接続されているものとする。図11Aは、無線機22、メータ23、及びUバス機器24〜26の固有IDの関係を示している。需要家宅に設置されているメータ23は、固有IDとして「aaaaaaa」のメータIDを有し、このメータ23に接続された無線機22は、固有IDとして「bbbbbb0」の無線機IDを有するものとする。また、Uバス機器24〜26は、それぞれ固有IDとして「fffffff」〜「hhhhhhh」の機器IDを有するものとする。
無線機22の制御部220は、出荷時等の適宜のタイミングにて、無線機IDからメータ23の設定IDを生成し、生成した設定IDを変換テーブルに登録する。本実施の形態では、制御部220は、無線機IDと一部が共通するようにメータ23のメータIDを設定する。例えば、無線機22の無線機IDを「bbbbbb0」とした場合、制御部220は、無線機IDの下位一桁を異ならせた「bbbbbb1」を設定IDとして生成し、変換テーブルに登録する。図11Bは設定IDの登録例を示している。
次いで、無線機22の制御部220は、設置時におけるデバイス検索により、Uバスを介して接続ポート223に接続されたメータ23からメータIDを取得し、取得したメータIDを設定IDに関連付けて変換テーブルに登録する。図11Bでは、設定ID「bbbbbb1」に対し、メータ23から取得したメータID「aaaaaaa」を関連付けて変換テーブルに登録した状態を示している。
また、デバイス検索により、メータ23以外のUバス機器(Uバス機器24〜26)を検出した場合、制御部220は、Uバス機器24〜26の設定IDを無線機IDから生成し、Uバス機器24の機器IDに関連付けて変換テーブルに登録する。図11Bに示した例では、Uバス機器24〜26に「bbbbbb2」〜「bbbbbb4」の設定IDを設定し、それぞれの機器ID「fffffff」〜「hhhhhhh」に関連付けて変換テーブルに登録した状態を示している。
図12は実施の形態3に係るゲートウェイ無線機21が備えるID管理テーブルの一例を示す概念図である。従来の無線テレメータシステムでは、ゲートウェイ無線機がセンタから送信されるパケットを受信した場合、無線機の無線機IDと無線機番号とを関連付けて記憶する無線機管理テーブル、及びメータのメータIDとメータが接続されている無線機の無線機番号とを関連付けて記憶するメータ管理テーブルを参照して、センタから受信したパケットの宛先を判別していた。
これに対し、実施の形態3では、無線機22が有する無線機IDと、メータ23及びUバス機器24〜26に設定された設定IDとの間には関連性があるため、ゲートウェイ無線機21において各Uバス機器毎に管理テーブルを有する必要はなく、1つの無線機管理テーブルにメータ23及びUバス機器24〜26の情報を纏めることができる。
図12に示すID管理テーブルでは、無線機22の無線機番号「yy」と、無線機22を代表するID「bbbbbb*」とを関連付けて記憶している。このIDの下位一桁の「*」は任意の文字を表している。例えば、下位一桁が「0」である場合には無線機22を表し、「1」である場合にはメータ23を表し、「2」〜「4」である場合にはUバス機器24〜26を表している。
ゲートウェイ無線機21は、センタ10から送信されるパケットを受信した場合、下位一桁を除くIDの共通部分より、転送先の無線機22を判別することが可能である。
一方、無線機22は、ゲートウェイ無線機21から転送されるパケットを受信した場合、下位一桁により、自機宛のパケットであるか否かを判別することが可能である。自機宛のパケットであると判別した場合(例えば下位一桁が0の場合)、制御部220は、受信したパケットに応じた処理を実行する。下位一桁により、自機宛のパケットでないと判別した場合、制御部220は、変換テーブルを参照し、Uバスに接続された何れの機器宛のパケットであるのかを判別する。例えば、受信したパケットの送信先アドレスが「bbbbbb1」の場合、メータ23宛のパケットであると判別できるので、制御部220は、送信先アドレスを「bbbbbb1」から「aaaaaaa」に書き換えて、メータ23へ転送する。
以下、実施の形態3に係る無線テレメータシステムの動作を説明する。
図13はセンタ10からメータ23宛にパケットを送信する際の手順を説明するタイミングチャートである。センタ10は、例えばメータ23に対するポーリングを行う場合、NCU20との通信接続を確立させ、送信元アドレス(SADR)をセンタID、送信先アドレス(DADR)を「bbbbbb1」としたパケットを送信する(ステップS301)。センタ10から送信されたパケットは、NCU20を通じてゲートウェイ無線機21に到達する。
ゲートウェイ無線機21は、送信先アドレスの共通部分「bbbbbb」により宛先の無線機22を判別し、判別した宛先の無線機22へパケットを転送する。
無線機22は、ゲートウェイ無線機21から転送されるパケットを受信した場合、送信先アドレスより宛先の判別を行う(ステップS302)。具体的には、制御部220は、送信先アドレスの下位一桁が「0」である場合、自機宛のパケットであると判別し、下位一桁が「0」以外の場合、変換テーブルを参照して宛先の機器を判別する。図13に示す例では、「bbbbbb1」を送信先アドレスとするパケットを受信しているので、制御部220は、このパケットの宛先がメータ23であると判別することができる。
メータ23宛のパケットを受信したと判別した場合、制御部220は、送信先アドレスを設定ID「bbbbbb1」からメータID「aaaaaaa」に書き換え(ステップS303)、送信先アドレスを書き換えたパケットを接続ポート223を通じてメータ23へ送信する(ステップS304)。
図13に示すタイミングチャートでは、センタ10からメータ23宛にパケットを送信する際の手順を示したが、センタ10からUバス機器24〜26宛にパケットを送信する際の手順についても同様であり、センタ10及び無線機22間では設定IDを用いて通信を行い、無線機22及びUバス機器24〜26間では機器固有の固有IDを用いて通信を行う。また、メータ23がセンタ10からのパケットを受信した場合、実施の形態1と同様の手順にて、応答パケットを返信してもよいことは勿論のことである。
以上のように、実施の形態3では、設定IDの上位桁により無線機22宛のパケットであるのか、無線機22に接続された機器宛のパケットであるのかを判別することができるので、ゲートウェイ無線機21において無線機22に接続された各Uバス機器を管理するための管理テーブルを個別に備える必要はなく、1つのID管理テーブルで管理することが可能であり、メモリ容量の削減を図ることができる。また、メータ23以外のUバス機器24〜26を指定するために、サブアドレスを用いる必要がなくなるので、データ長の短縮を図ることができる。
なお、実施の形態3では、無線機22にUバスを介して接続された機器(メータ23及びUバス機器24〜26)に対して設定IDを付与し、変換テーブルを用いて管理する構成としたが、固有IDを持たない従来の機器についても、設定IDを付与することにより管理する構成としてもよい。
図14は固有IDを持たない機器の登録例を説明する説明図である。図14Aは、上述したメータ23、Uバス機器24〜26以外に、固有IDを持たない5ビットメータ27、8ビットメータ28、接点機器29が無線機22に接続された状態を示している。
無線機22の制御部220は、固有IDを持たない機器(図14Aの例では、5ビットメータ27、8ビットメータ28、及び接点機器29)の接続を検出した場合、無線機IDの下位一桁を異ならせた設定IDを付与し、機器名等の各機器を識別する情報と共に変換テーブルに登録する。図14Bに示す変換テーブルでは、5ビットメータ27に対して、設定ID「bbbbbb5」が付与され、機器名「5ビットメータ」と共に変換テーブルに登録された状態を示している。8ビットメータ28及び接点機器29についても同様である。
以上の構成により、固有IDを持たない従来の機器に対しても、Uバス通信のフォーマット上で機器の分類が可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、無線機22を新規設置する際に設定IDを割り当てる構成について説明したが、以下の実施の形態では、無線機22を交換する際に、元の無線機22に割り当てられていた無線機番号と同一の無線機番号を交換後の無線機22に割り当てる構成について説明する。
従来、狭域無線網内に接続済みの無線機を取り外し、取り外した無線機の代わりに新たな無線機を接続した場合、この無線機には新たな無線機番号が付与される(例えば、特開2010−28177号公報を参照)。交換された新たな無線機の存在は、各無線機同士のホップ数テーブルの交換を経て、既存の無線機により認識される。
このため、従来では、各無線機が通信可能なタイミングで自発的に行うホップ数テーブルの交換が完了するまで、新たな無線機による通信を開始させることはできない。すなわち、無線機を交換した場合であっても、交換直後に運用を開始することはできず、運用の開始には新規設置時と同等の時間を要する。
このような課題を解決するために、実施の形態4に係る無線テレメータシステムでは、無線機22を交換する際、元の無線機22に割り当てられていた無線機番号と同一の無線機番号を交換後の無線機22に割り当てる。交換前の無線機22に割り当てられていた無線機番号を交換後の無線機22に割り当てることにより、ホップ数テーブルの交換を行わずに通信を開始することができ、交換直後の運用開始が可能となる。
以下では、狭域無線網N2に接続済みの無線機22を既設無線機、既設無線機に代えて狭域無線網N2に接続する無線機22を交換無線機という。実施の形態4では、交換無線機からの番号発行要求(交換用番号取得要求)をゲートウェイ無線機21へ転送し、ゲートウェイ無線機21から交換無線機に対し、交換前の既設無線機に付与されていた無線機番号を通知する。
図15は交換無線機に対する無線機番号の設定手順を説明するタイミングチャートである。交換無線機は、既設無線機に代えて設置され、接続ポート223にバスラインを介してメータ23が接続される。
交換無線機は、デバイス検索を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、接続ポート223に接続されたデバイスを検索するためにデバイス検索を実行する(ステップS401)。メータ23は、交換無線機からのデバイス検索に対し、メータ23の固有のIDであるメータIDを含んだデバイス応答を返信する(ステップS402)。交換無線機は、メータ23より返信されるデバイス応答からメータIDを取り出し、取り出したメータIDを記憶部221に記憶する(ステップS403)。
次に、交換無線機に対して無線機番号を設定するための処理を行う。
交換無線機及び既設無線機の双方において、交換番号取得起動を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、交換無線機及び既設無線機は交換番号取得起動を行う(ステップS404,S405)。
交換無線機は、交換番号取得起動を行った後、ステップS403で取得したメータ23のメータIDを含む番号取得要求を既設無線機へ送信する(ステップS406)。なお、新設無線機は、自機宛の無線機番号を取得するまで、仮の無線機番号(例えばFEh)を用いて既設無線機との無線通信を行う。
既設無線機は、交換無線機から送信される番号取得要求を受信した場合、番号取得要求を受信した旨を示す番号取得応答を返信し(ステップS407)、ゲートウェイ無線機21へ番号取得要求を転送する(ステップS408)。
ゲートウェイ無線機21は、既設無線機から番号取得要求を受信した場合、交換無線機に対して付与する無線機番号を決定する。このとき、ゲートウェイ無線機21は、記憶部211が備えるメータ管理テーブル及び無線機管理テーブルを参照して、交換無線機に付与する無線機番号を決定する。
図16は交換前の無線機22に関するメータ管理テーブル及び無線機管理テーブルの一例を示す概念図である。交換前の無線機22の無線機IDが「bbbbbbb」、無線機番号が「yy」、接続されているメータ23のメータIDが「aaaaaaa」であった場合、ゲートウェイ無線機21が備えるメータ管理テーブルには、無線機番号「yy」及びメータID「aaaaaaa」が関連付けられて記憶されおり、無線機管理テーブルには、無線機番号「yy」及び無線機ID「bbbbbbb」が関連付けられて記憶されている。
ゲートウェイ無線機21は、既設無線機から番号取得要求を受信した場合、メータ管理テーブルを参照し、番号取得要求に含まれるメータIDに関連付けられて記憶されている無線機番号を取得する。ゲートウェイ無線機21は、取得した無線機番号を、交換無線機に付与する無線機番号として決定する。
ゲートウェイ無線機21は、決定した無線機番号を含む番号取得応答を既設無線機へ返信する(ステップS409)。
既設無線機は、ゲートウェイ無線機21から送信された番号取得応答を受信した場合、交換無線機宛の無線機番号を含む番号設定要求を交換無線機へ送信する(ステップS410)。
交換無線機は、既設無線機から番号設定要求を受信した場合、番号設定要求に含まれる自機宛の無線機番号を取り出し、自機の無線機番号として記憶部221に記憶させる(ステップS411)。また、交換無線機は、無線機番号を設定した旨の番号設定応答を既設無線機に返信する(ステップS412)。狭域無線網N2内の各無線機22は、通信相手を無線機番号により指定して無線通信を行うので、交換無線機がゲートウェイ無線機21から自機宛の無線機番号を取得した時点で、他の無線機22との通信が可能となる。
交換無線機は、起動後の適宜のタイミングで、他の無線機22とホップ数テーブルの交換を行う(ステップS413)。交換無線機は、他の無線機22とのホップ数テーブルの交換を通じて、ゲートウェイ無線機21の存在を認識した場合、交換無線機の無線機IDを含む無線機更新通知をゲートウェイ無線機21へ送信する(ステップS414)。
ゲートウェイ無線機21は、交換無線機からの無線機更新通知を受信した場合、無線機更新通知を受信した旨を示す無線機更新応答を交換無線機へ返信すると共に(ステップS415)、受信した無線機更新通知に含まれる無線機IDを基に無線機管理テーブルを更新する(ステップS416)。
図17は交換後の無線機22に関するメータ管理テーブル及び無線機管理テーブルの一例を示す概念図である。ゲートウェイ無線機21の制御部210は、無線機更新通知により交換無線機の無線機IDを取得した場合、記憶部211が備える無線機管理テーブルを更新する。例えば、交換前の無線機22の無線機IDが「bbbbbbb」であり、交換無線機の無線機IDが「zzzzzzz」である場合、無線機管理テーブルの無線機IDの欄を「bbbbbbb」から「zzzzzzz」に書き換える処理を行う。
ゲートウェイ無線機21は、無線機管理テーブルの更新を行った後、交換無線機の無線機ID及びメータIDをセンタ10に通知する(ステップS417)。センタ10は、ゲートウェイ無線機21から通知される無線機ID及びメータIDを記憶装置に記憶させる。
また、交換無線機は、番号発行無線機30に対して、交換無線機の無線機IDを含む無線機更新通知を送信する(ステップS418)。
番号発行無線機30は、交換無線機からの無線機更新通知を受信した場合、無線機更新通知を受信した旨を示す無線機更新応答を交換無線機へ返信すると共に(ステップS419)、受信した無線機更新通知に含まれる無線機IDを無線機番号に関連付けて記憶する(ステップS420)。
以上のように、実施の形態4では、既設無線機に代えて新たな無線機22を接続する際、既設無線機に割り当てられていた無線機番号と同一の無線機番号を交換後の無線機22に割り当てる構成であるため、無線機番号を指定して無線通信を行う狭域無線網N2内の各無線機は、交換無線機とホップ数テーブルの交換を行わずに通信を開始することが可能となる。また、既設無線機に代えて交換無線機を設置する際、既設無線機の記憶部221に記憶された無線機を読み出し、交換無線機にコピーするといった設置場所での作業が不要となる。
なお、本実施の形態では、交換無線機から既設無線機に対して番号取得要求を送信する際、交換無線機は、交換番号取得起動を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付ける構成としたが、交換番号取得起動を指示するためのスイッチを操作部225に設け、このスイッチが押下操作された場合に、交換番号取得起動を指示するために予め定められた操作を受付けたと判断してもよい。
また、交換無線機用の無線機番号の取得と、新設無線機用の無線機番号の取得とを切り分けるために、それぞれ専用のスイッチを操作部225に設けてもよい。例えば、交換番号取得起動に係るスイッチが押下操作された場合、無線機22(交換無線機)は、既設無線機を介してゲートウェイ無線機21に番号取得要求を行い、番号発行起動に係るスイッチが押下操作された場合、無線機22(新設無線機)は、既設無線機を介して番号発行無線機30に対して番号発行要求を行う。
更に、交換無線機用の無線機番号の取得と、新設無線機用の無線機番号の取得とを切り分けるために、交換番号取得起動モードと番号発行起動モードとを切り替える切替スイッチを操作部225に設けてもよい。例えば、交換番号取得モードに切り替えた後に起動指示が操作部225から与えられた場合、無線機22(交換無線機)は、既設無線機を介してゲートウェイ無線機21に番号取得要求を行い、番号発行モードに切り替えた後に起動指示が操作部225から与えられた場合、無線機22(新設無線機)は、既設無線機を介して番号発行無線機30に対して番号発行要求を行う。
更に、番号発行起動を行える無線機22とは別に、交換専用の無線機22を用意してもよい。この場合、既設無線機に代えて交換する無線機22は、交換専用の無線機22となる。交換専用の無線機22は、交換番号取得起動を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、上述した手順にて交換用の無線機番号をゲートウェイ無線機21から取得する。
(実施の形態5)
実施の形態5では、無線機22が狭域無線網N2内に設置された際、自機が交換無線機であるのか、新設無線機であるのかを判別する構成について説明する。
図18は設置時に無線機22が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。無線機22は、適宜の設置場所に設置され、デバイス検索を行った後、自機宛の無線機番号を取得するために予め定められた操作(番号取得操作)を操作部225にて受付ける(ステップS501)。
無線機22は、番号取得操作を受付けた場合、狭域無線通信部222を通じて、無線機番号に係る番号取得要求を既設端末を介してゲートウェイ無線機21へ送信する(ステップS502)。この番号取得要求には、無線機22に接続されているメータ23のメータIDが付加される。番号取得要求は、実施の形態4と同様の手順により、既設無線機を介してゲートウェイ無線機21に到達する。
ゲートウェイ無線機21は、既設無線機から番号取得要求を受信した場合、メータ管理テーブルを参照し、番号取得要求に含まれるメータIDに関連付けられた無線機番号の有無を判断する。メータIDに関連付けられた無線機番号が存在する場合、ゲートウェイ無線機21は、無線機番号を含む番号取得応答を返信する。また、メータIDに関連付けられた無線機番号が存在しない場合、ゲートウェイ無線機21は、その旨を含む番号取得応答を返信する。
無線機22の制御部220は、既設無線機を通じてゲートウェイ無線機21から返信される番号取得応答に自機宛の無線機番号が含まれているか否かを判断する(ステップS503)。含まれていると判断した場合(S503:YES)、制御部220は、その無線機番号を自機の無線機番号として設定する(ステップS505)。
一方、番号取得応答に自機宛の無線機番号が含まれていない場合(S503:NO)、制御部220は、通常の番号発行通信を実行する(ステップS504)。すなわち、無線機22は、既設無線機を通じて番号発行無線機30に対して番号発行要求を行い、自機宛の無線機番号を取得するための通信を行う。番号発行通信により、自機宛の無線機番号を番号発行無線機30から取得した場合、制御部220は、その無線機番号を自機の無線機番号として設定する(S505)。
以上のように、実施の形態5では、無線機22が交換用であるか、新規設置用であるかを意識することなく設置することができる。
(実施の形態6)
実施の形態5では、無線機22からゲートウェイ無線機21に対して番号取得要求を行い、自機宛の無線機番号が得られなかった場合、番号発行無線機30に対して番号発行要求を行う構成としたが、ゲートウェイ無線機21が番号発行機能を有する場合、交換無線機に対する無線機の割り当て、及び新設無線機に対する無線機番号の発行を、ゲートウェイ無線機21の内部で完結することができる。
実施の形態5では、ゲートウェイ無線機21が番号発行機能を有する構成について説明する。
図19は無線機22に対する無線機番号の設定手順を説明するタイミングチャートである。無線機22(交換無線機又は新設無線機)は、デバイス検索を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、接続ポート223に接続されたデバイスを検索するためにデバイス検索を実行する(ステップS601)。メータ23は、無線機22からのデバイス検索に対し、メータ23の固有のIDであるメータIDを含んだデバイス応答を返信する(ステップS602)。無線機22は、メータ23より返信されるデバイス応答からメータIDを取り出し、取り出したメータIDを記憶部221に記憶する(ステップS603)。
次に、無線機22に対して無線機番号を設定するための処理を行う。
無線機22及び既設無線機の双方において、番号取得起動を指示するために予め定められた操作を操作部225にて受付けた場合、無線機22及び既設無線機は交換番号取得起動を行う(ステップS604,S605)。
無線機22は、番号取得起動を行った後、ステップS603で取得したメータ23のメータIDを含む番号取得要求を既設無線機へ送信する(ステップS606)。なお、無線機22は、自機宛の無線機番号を取得するまで、仮の無線機番号(例えばFEh)を用いて既設無線機との無線通信を行う。
既設無線機は、無線機22から送信される番号取得要求を受信した場合、番号取得要求を受信した旨を示す番号取得応答を返信し(ステップS607)、ゲートウェイ無線機21へ番号取得要求を転送する(ステップS608)。
ゲートウェイ無線機21は、既設無線機から番号取得要求を受信した場合、無線機22に対して付与する無線機番号を決定する。このとき、ゲートウェイ無線機21は、記憶部211が備えるメータ管理テーブル及び無線機管理テーブルを参照して、無線機22に付与する無線機番号を決定する。
このとき、ゲートウェイ無線機21の制御部210は、メータ管理テーブルを参照し、番号取得要求に含まれるメータIDに関連付けられた無線機番号を検索する。メータIDに関連付けられた無線機番号が存在する場合、制御部210は、メータ管理テーブルから得られた無線機番号を無線機22に付与する無線機番号として決定する。一方、メータIDに関連付けられた無線機番号が存在しない場合、制御部210は、既設無線機から受信した番号取得要求が新設無線機から送信されたものと判断し、新設無線機に付与する無線機番号(例えば未使用の無線機番号のうち最も小さな番号)を発行する。
ゲートウェイ無線機21は、決定した無線機番号を含む番号取得応答を既設無線機へ返信する(ステップS609)。
既設無線機は、ゲートウェイ無線機21から送信された番号取得応答を受信した場合、無線機22宛の無線機番号を含む番号設定要求を無線機22へ送信する(ステップS610)。
無線機22は、既設無線機から番号設定要求を受信した場合、番号設定要求に含まれる自機宛の無線機番号を取り出し、自機の無線機番号として記憶部221に記憶させる(ステップS611)。また、無線機22は、無線機番号を設定した旨の番号設定応答を既設無線機に返信する(ステップS612)。狭域無線網N2内の各無線機22は、通信相手を無線機番号により指定して無線通信を行うので、無線機22がゲートウェイ無線機21から自機宛の無線機番号を取得した時点で、他の無線機22との通信が可能となる。
無線機22は、起動後の適宜のタイミングで、他の無線機22とホップ数テーブルの交換を行う(ステップS613)。無線機22は、他の無線機22とのホップ数テーブルの交換を通じて、ゲートウェイ無線機21の存在を認識した場合、無線機22の無線機IDを含む無線機更新通知をゲートウェイ無線機21へ送信する(ステップS614)。
ゲートウェイ無線機21は、無線機22からの無線機更新通知を受信した場合、無線機更新通知を受信した旨を示す無線機更新応答を無線機22へ返信すると共に(ステップS615)、受信した無線機更新通知に含まれる無線機IDを基に無線機管理テーブルを更新する(ステップS616)。
また、ゲートウェイ無線機21は、無線機管理テーブルの更新を行った後、無線機22の無線機ID及びメータIDをセンタ10に通知する(ステップS617)。センタ10は、ゲートウェイ無線機21から通知される無線機ID及びメータIDを記憶装置に記憶させる。
以上のように、実施の形態6では、無線機22が交換用であるか、新規設置用であるかを意識することなく設置することができる。また、ゲートウェイ無線機21において交換無線機からの番号取得要求であるか、新設無線機からの番号取得要求であるかを判別するため、設置対象の無線機22が交換用又は新規設置用の何れであっても、一度の番号取得要求により自機宛の無線機番号を取得することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
本願の無線機は、メータを接続する接続部(223)と、他の無線機(21)と無線通信を行う無線通信部(222)とを備え、前記接続部(223)に接続されたメータ(23)と前記他の無線機(21)との間で、送信元アドレス又は送信先アドレスに前記メータ(23)の識別子が指定されたパケットを中継する無線機(22)において、前記メータ(23)の固有の識別子である固有ID、及び前記メータ(23)について設定された識別子である設定IDを関連付けて記憶する記憶部(221)と、前記メータ(23)から受信したパケットの送信元アドレスに前記固有IDが指定されている場合、該固有IDを前記設定IDに書き換え、前記他の無線機(21)から受信したパケットの送信先アドレスに前記設定IDが指定されている場合、該設定IDを前記固有IDに書き換えるアドレス書換部(220)とを備えることを特徴とする。
本願では、センタとメータとの間で行う通信において、センタ及び無線機間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータの設定IDを使用して通信することが可能であり、無線機及びメータ間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータの固有IDを使用して通信することが可能である。よって、センタでは、メータの固有ID(メータID)を管理していない場合であっても、需要家を特定し得るような設定IDを用いて各メータからの検針値を管理することができる。
本願の無線機は、自機の固有の識別子である無線機IDを記憶するID記憶部(221)と、該ID記憶部(221)に記憶された無線機IDから前記メータ(23)の設定IDを生成するID生成部(220)を備え、前記ID生成部(220)が生成した前記設定IDを前記固有IDに関連付けて前記記憶部(221)に記憶させることを特徴とする。
本願では、作業員により設定IDを設定する手間を省くことができる。
本願の無線機は、前記ID生成部(220)は、前記無線機IDと一部が共通する設定IDを生成することを特徴とする。
本願では、ゲートウェイ無線機において無線機を管理するための管理テーブル、及び無線機に接続された機器を管理するための管理テーブルを備える必要はなく、1つの管理テーブルで無線機及び無線機に接続された機器を管理できるので、メモリ容量の削減を図ることができる。また、メータ以外の機器を指定するために、サブアドレスを用いる必要がなくなるので、データ長の短縮を図ることができる。
本願の無線テレメータシステムは、メータ(23)が接続されたメータ接続無線機(22)と、該メータ接続無線機(22)と無線網(N2)を介して通信可能であると共に、前記無線網(N2)とは異なる通信網(N1)に接続された外部通信装置(10)と通信可能であるゲートウェイ無線機(21)とを備え、前記メータ(23)と前記外部通信装置(10)との間で送受され、送信元アドレス又は送信先アドレスに前記メータの識別子が指定されたパケットを前記メータ接続無線機(22)及び前記ゲートウェイ無線機(21)により中継する無線テレメータシステムにおいて、前記メータ接続無線機(22)は、前記メータ(23)の固有の識別子である固有ID、及び前記メータ(23)について設定された識別子である設定IDを関連付けて記憶する記憶部(221)と、前記メータ(23)から受信したパケットの送信元アドレスに前記固有IDが指定されている場合、該固有IDを前記設定IDに書き換え、前記無線網(N2)を通じて受信したパケットの送信先アドレスに前記設定IDが指定されている場合、該設定IDを前記固有IDに書き換えるアドレス書換部(220)とを備えることを特徴とする。
本願では、センタとメータとの間で行う通信において、センタ及び無線機間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータの設定IDを使用して通信することが可能であり、無線機及びメータ間では、送信元アドレス又は送信先アドレスにメータの固有IDを使用して通信することが可能である。よって、センタでは、メータの固有ID(メータID)を管理していない場合であっても、需要家を特定し得るような設定IDを用いて各メータからの検針値を管理することができる。
本願の無線テレメータシステムは、前記メータ接続無線機(22)は、前記無線網(N2)内で前記メータ接続無線機(22)を識別するために付与された無線機番号と、前記メータ接続無線機(22)の固有の識別子である無線機IDとを記憶するID記憶部(221)と、該ID記憶部(221)に記憶された無線機IDと一部が共通するように前記メータ(23)の設定IDを生成するID生成部(220)とを備え、前記ゲートウェイ無線機(21)は、前記無線機ID及び前記設定IDの共通部分を、前記無線機番号に関連付けて記憶するテーブルを備えることを特徴とする。
本願では、ゲートウェイ無線機において無線機を管理するための管理テーブル、及び無線機に接続された機器を管理するための管理テーブルを備える必要はなく、1つの管理テーブルで無線機及び無線機に接続された機器を管理できるので、メモリ容量の削減を図ることができる。また、メータ以外の機器を指定するために、サブアドレスを用いる必要がなくなるので、データ長の短縮を図ることができる。