以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、複数の導体を有するフレキシブルケーブル又はフレキシブル基板として構成されるフレキシブル導電部材が接続されるコネクタとして、種々の用途に広く適用することができるものである。
[コネクタの概略]
図1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ1を示す斜視図であって、フレキシブル導電部材100の一部及び基板101の一部とともに示す図である。図2は、コネクタ1を示す斜視図であって、基板101の一部とともに示す図である。図3は、フレキシブル導電部材100の一部を示す斜視図である。図4は、図1に示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100及び基板101を正面側から見た状態を示す図である。図5は、図1に示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100及び基板101を上面側から見た状態を示す図である。図6は、図1に示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100及び基板101を下面側から見た状態を示す図である。
図1、図2、図4乃至図6に示すコネクタ1は、フレキシブル導電部材100が接続されるコネクタとして構成されている。また、本実施形態では、フレキシブル導電部材100と基板101とを電気的に接続する形態のコネクタ1を例示している。
尚、図1乃至図6においては、フレキシブル導電部材100及び基板101は、それらの一部のみが切り欠き状態で模式的に図示されている。より具体的には、図1、図3乃至図6では、フレキシブル導電部材100については、コネクタ1に対して接続されるフレキシブル導電部材100の端部100aの部分とその近傍の部分とが図示されている。また、図1、図2、図4乃至図6では、基板101については、コネクタ1に接続されている部分とその近傍の部分とが図示されている。
コネクタ1は、複数のコンタクト11、複数のコンタクト11を保持するハウジング12、ハウジング12の内側に設けられた係合保持部13、等を備えて構成されている。コネクタ1は、基板100に対して電気的及び機械的に接続される。そして、基板100に対して接続されたコネクタ1に対して、フレキシブル導電部材100が電気的及び機械的に接続される。
尚、図1、図4乃至図6において一部のみが切欠き状態で模式的に図示された基板101は、導電回路パターンが表裏面のうちの少なくともいずれか一方に設けられた基板として構成されている。図1、図4乃至図6では、基板101における導電回路パターンの図示は省略されている。
[フレキシブル導電部材]
図1、図3乃至図6に示すフレキシブル導電部材100は、本実施形態においては、絶縁被覆された複数の導体を有するフレキシブルケーブルとして構成されている。より具体的には、フレキシブル導電部材100は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)として構成されている。フレキシブル導電部材100は、複数の導体102、被覆部103、補強板104、等が設けられている。
フレキシブル導電部材100は、全体形状が平坦な形状で細長く延びる形態を有している。しかし、図1、図3乃至図6では、前述の通り、フレキシブル導電部材100の端部100aの部分とその近傍の部分とが切り欠き状態で図示されている。即ち、図1、図3乃至図6では、フレキシブル導電部材100の長手方向における端部100aを含む一部が図示されている。
複数の導体102は、それぞれ細長く延びる形状に形成され、フレキシブル導電部材100において等間隔で配列されている。そして、複数の導体102は、フレキシブル導電部材100において、互いに平行に延びるように設けられている。各導体102は、例えば、1本の細長くて平たい箔状の金属線材として、或いは細かい金属線材が束ねられた集合体として構成されている。本実施形態では、各導体102が1本の平たい箔状の金属線材として構成された形態が、例示されている。
被覆部103は、絶縁性材料で形成されて、複数の導体102を被覆するように設けられている。即ち、複数の導体102は、被覆部103によって絶縁被覆されている。本実施形態では、被覆部103として、フレキシブル導電部材100の表面側及び裏面側のそれぞれに設けられた一対の絶縁シート或いは絶縁フィルムを備えて構成された形態が例示されている。この例では、例えば、一対の絶縁シート或いは一対の絶縁フィルムが、平行に配置された複数の導体102を挟んだ状態で、一体化される。これにより、複数の導体102を絶縁性材料で被覆する被覆部103が構成される。
補強板104は、例えば、樹脂材料で形成され、フレキシブル導電部材100の端部100aに設けられている。補強板104は、フレキシブル導電部材100の端部100aの先端の剛性を増大させて補強するための細長い平板状の部材として設けられている。尚、フレキシブル導電部材100の端部100aがコネクタ1に対して挿入されて接続される際に、その挿入接続工程が円滑に行われるように、フレキシブル導電部材100の端部100aに補強板104が設けられている。
補強板104は、フレキシブル導電部材100の端部100aの先端における表裏面のうちの一方の面に張り付けられて固定されている。そして、補強板104は、フレキシブル導電部材100の端部100aに対して、フレキシブル導電部材100の長手方向に対して垂直な幅方向に沿って、且つ、端部100aの縁部分に沿って延びるように取り付けられている。尚、図3及び図5において、フレキシブル導電部材100の長手方向が両端矢印Aで示されており、フレキシブル導電部材100の幅方向が両端矢印Bで示されている。
また、フレキシブル導電部材100には、その端部100aにおいて、複数の導体102の端部が露出した導体露出部105が設けられている。導体露出部105は、フレキシブル導電部材100の端部100aにおいて、平坦に広がる表裏面のうち補強板104が取り付けられる側と反対側の面において複数の導体102の端部を露出させる部分として設けられている。
尚、図1、図3、図5においては、フレキシブル導電部材100について、複数の導体102が露出した導体露出部105が形成された表面側から見た状態が図示されている。一方、図6においては、フレキシブル導電部材100について、複数の導体102の端部が露出していない裏面側から見た状態が図示されている。補強板104は、フレキシブル導電部材100の端部100aに対して、導体露出部105が設けられていない側、即ち裏面側において取り付けられている。尚、フレキシブル導電部材100について、表裏面が上記とは逆に定義されてもよい。即ち、フレキシブル導電部材100において、導体露出部105が設けられている側が裏面側と定義され、導体露出部105が設けられていない側が表面側と定義されてもよい。
また、フレキシブル導電部材100の端部100aには、その幅方向における中央部分において、切り欠き穴106が設けられている。切り欠き穴106は、フレキシブル導電部材100の端部100aがコネクタ1に接続される際に、コネクタ1における後述の係合保持部13によって係合される被係合部として設けられている。本実施形態では、切り欠き穴106は、フレキシブル導電部材100の端部100aを貫通する略矩形の貫通穴として設けられている。
尚、上記の通り、本実施形態では、切り欠き穴106がフレキシブル導電部材100の幅方向における中央部分に設けられている。このため、フレキシブル導電部材100は、その幅方向における中央部分に導体102が配置されていない形態として構成されている。
本実施形態では、コネクタ1に対してフレキシブルケーブルとして構成されたフレキシブル導電部材100が接続される形態を例にとって説明するが、この通りでなくてもよい。即ち、コネクタ1に接続されるフレキシブル導電部材は、上述した形態のフレキシブルケーブルに限らず、複数の導体を有するフレキシブル導電部材であればよい。例えば、フレキシブル導電部材として、上述した形態とは異なる層構造或いは導体配置構造を有するフレキシブルケーブルが用いられてもよい。また、フレキシブル導電部材として、フレキシブルフラットケーブル以外の形態として構成されたフレキシブルケーブルが用いられてもよい。また、フレキシブル導電部材として、フレキシブルプリント回路基板(FPC)などのフレキシブル基板が用いられてもよい。
[コンタクト]
次に、コネクタ1の構成について、詳しく説明する。まず、コネクタ1に備えられる複数のコンタクト11について説明する。図7は、図4のC−C線矢視方向から見たコネクタ1、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図である。
コンタクト11は、導電性を有する金属材料で形成されたコンタクトとして設けられている。複数のコンタクト11は、フレキシブル導電部材100の端部100aで露出した複数の導体102に対して電気的に接続される。即ち、各コンタクト11は、フレキシブル導電部材100の導体露出部105において露出した各導体102に対して接触することで、各導体102に対して電気的に接続される。
複数のコンタクト11のそれぞれは、一体に形成されている。そして、複数のコンタクト11のそれぞれは、例えば、一本のコンタクト素材が折り曲げ加工されることで形成されている(図7を参照)。尚、本実施形態では、複数のコンタクト11には、折り曲げ加工されて形成された際の屈曲部の個数が異なる2種類のコンタクト11が含まれている。
各コンタクト11は、ハウジング12に対して挿入されて嵌め込まれ、ハウジング12に保持されている。ハウジング12に保持される複数のコンタクト11は、ハウジング12の幅方向に沿って並んで配置される。また、複数のコンタクト11は、互いに平行な面に沿って配置された状態で、ハウジング12に保持されている。尚、ハウジング12の幅方向については、図5において、両端矢印Eで示されている。ハウジング12の幅方向は、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12に対して挿入される方向に対して直交する方向であって、ハウジング12において複数のコンタクト11が並んで配置される方向である。
複数のコンタクト11は、ハウジング12に複数設けられたスリット状に開口する溝15からハウジング12の内側に挿入されて嵌め込まれる。スリット状に開口してコンタクト11が挿入される上記の溝15は、ハウジング12において、フレキシブル導電部材100の端部100aが挿入される側の端部と反対側の端部で開口している。即ち、コンタクト11は、ハウジング12に対して、フレキシブル導電部材100の端部100aが挿入される側の端部と反対側の端部から挿入されて嵌め込まれる。
各コンタクト11には、本体部11a、接点部11b、基板接続部11c、等が設けられている。本体部11aは、1本のコンタクト素材が複数個所において折り曲げ加工されることで形成されている。本体部11aの一方の端部には、接点部11bが設けられている。そして、本体部11aの長手方向における接点部11bが設けられている側と反対側の一部は、基板接続部11cとして構成されている。
また、本体部11aには、上記のコンタクト素材が約180°程度に亘って折り曲げられることで形成された屈曲部11dと、上記のコンタクト素材が約90°に亘って折り曲げられることで形成された屈曲部11eとが設けられている。屈曲部11dは、本体部11aの長手方向において、接点部11b側に設けられている。屈曲部11eは、本体部11aの長手方向において、屈曲部11dに対して、基板接続部11c側に設けられている。また、複数のコンタクト11には、本体部11aにおいて屈曲部11eが3つ設けられたコンタクト11と、本体部11aにおいて屈曲部11eが1つ設けられたコンタクト11との2種類のコンタクト11が含まれている。
接点部11bは、フレキシブル導電部材100の導体露出部105における導体102に対して接触して電気的に接続される部分として設けられている。即ち、複数のコンタクト11は、各接点部11bにおいて、フレキシブル導電部材100の各導体102に対して電気的に接続される。
また、接点部11bは、本体部11において、屈曲部11dよりも先端側の部分に設けられている。そして、本体部11における屈曲部11dよりも先端側で接点部11bが設けられた部分は、コネクタ1にフレキシブル導電部材100の端部100aが挿入されて接続された際に、上記の端部100aに当接することで弾性変形して撓むように構成されている。このため、コネクタ1にフレキシブル導電部材100の端部100aが挿入されて接続された際には、接点部11bは、上記の弾性変形により、導体102に対して、押し付けられた状態で接触することになる。
また、コネクタ1における複数のコンタクト11の全ての接点部11bは、ハウジング12の幅方向に沿って延びる同一直線上に沿って一列に並んで配置されている。即ち、本体部11aに屈曲部11eが3つ設けられたコンタクト11、及び、本体部11aに屈曲部11eが1つ設けられたコンタクト11、のいずれの種類のコンタクト11であっても、接点部11bは、ハウジング12の幅方向に沿って延びる同一直線上に沿って一列に並んで配置されている
基板接続部11cは、基板101に対して電気的に接続されるとともに機械的に固定される部分として設けられている。また、基板接続部11cは、本体部11aの長手方向における接点部11bが設けられている側と反対側の一部として構成されている。基板接続部11cは、基板101において貫通孔として設けられたスルーホール101aに対して挿通される。そして、基板接続部11cは、スルーホール101aに挿通された状態で、基板101に対してはんだ付けされて固定される。尚、図4乃至図7においては、基板接続部11cを基板101に対してはんだ付けによって固定するはんだの図示は省略されている(後述する他の全ての図面も同様)。
基板接続部11cは、上記のように基板101にはんだ付けされることで、基板101の表裏面のうちの少なくともいずれか一方に設けられた導電回路パターンに対して電気的に接続される。これにより、コンタクト11は、基板101に対して電気的に接続される。尚、本実施形態では、基板101においては、その表裏面のうち、コネクタ1のハウジング12が配置される面とは反対側の面において、導電回路パターンが設けられている。即ち、コンタクト11は、基板101に対して、ハウジング12が配置される側と反対側の面において、はんだを介して電気的に接続される。
また、基板接続部11cは、上記のように基板101にはんだ付けされることで、基板101に対して機械的に固定される。複数のコンタクト11の基板接続部11cが基板101にはんだ付けされることにより、コネクタ1が基板101に対して固定されることになる。
また、複数のコンタクト11の基板接続部11cは、ハウジング12の幅方向に沿って平行に延びる2つの直線上に沿って並んで配置されている(図6及び図7を参照)。より具体的には、本体部11aに屈曲部11eが3つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cと、本体部11aに屈曲部11eが1つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cとは、ハウジング12の幅方向に沿って互いに平行に延びる異なる直線上に沿ってそれぞれ並んで配置されている。また、基板101に設けられたスルーホール101cも、上述した基板接続部11cの配置に対応して、平行に延びる2つの直線上に沿って並んで配置されている。
尚、ハウジング12において、本体部11aに屈曲部11eが3つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cの位置と、本体部11aに屈曲部11eが1つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cの位置とは、ハウジング12に対してフレキシブル導電部材100が挿入される方向において、ずれた位置に設定されている。このため、ハウジング12において、本体部11aに屈曲部11eが3つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cの位置と、本体部11aに屈曲部11eが1つ設けられたコンタクト11の基板接続部11cの位置とは、所謂、千鳥配置の関係で配置されている。
[ハウジング]
図1、図2、図4乃至図7に示すハウジング12は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されたコネクタ1のハウジング部材として設けられている。また、ハウジング12は、幅方向に長く延びるハウジング部材として設けられ、幅方向に沿って並んで配置される複数のコンタクト11を保持するように構成されている。
ハウジング12は、幅方向に亘って開口した開口14が設けられている。開口14は、フレキシブル導電部材100の端部100aが挿入される開口として設けられている。そして、ハウジング12における開口14の内側には、ハウジング12に保持された複数のコンタクト11の接点部11bが配置されている。
また、ハウジング12には、スリット状に開口した溝15が複数設けられている。複数の溝15のそれぞれは、複数のコンタクト11のそれぞれが挿入されて嵌め込まれる溝として設けられている。複数の溝15は、ハウジング12において、幅方向に沿って並ぶように設けられている。そして、複数の溝15は、ハウジング12において開口14とは反対側に設けられている。また、複数の溝15のそれぞれは、ハウジング12において、ハウジング12に対してフレキシブル導電部材100が開口14から挿入される方向と平行に延びるように設けられている。
図8は、図4のD−D線矢視方向から見たコネクタ1、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図である。図1、図2、図5、図8に示すように、ハウジング12には、窓16が設けられている。窓16は、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100の端部100aの位置をハウジング12の外部から視認可能にするための窓として設けられている。
本実施形態では、窓16は、ハウジング12において、ハウジング12の幅方向における中央部分に設けられている。そして、窓16は、例えば、矩形の形状の孔として設けられ、ハウジング12の内部からハウジング12の外部に向かって貫通するように設けられている。また、窓16は、開口14から奥側の領域であってハウジング12の内部における後述の係合保持部13の近傍の領域におけるハウジング12の内部を、外部から視認可能なように、開口して設けられている。
尚、窓16は、ハウジング12における厚み方向に対して垂直な両面である表裏面のうちの一方の面において外部に開口するように設けられている。より具体的には、窓16は、ハウジング12の表裏面のうち、基板101に配置される面とは反対側の面において、外部に開口するように設けられている。ここで、ハウジング12の厚み方向は、ハウジング12に対してフレキシブル導電部材100が挿入される方向、及び、ハウジング12の幅方向、の両方向に対して垂直な方向である。
フレキシブル導電部材100の端部100aをハウジング12の開口14から挿入してフレキシブル導電部材100をコネクタ1に接続する作業を行う作業者は、ハウジング12の外部から窓16を介してハウジング12の内側を視ることができる。そして、作業者は、ハウジング12の内側におけるフレキシブル導電部材100の端部100aの位置を容易に確認することができる。これにより、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを作業者が容易に確認することができる。
また、図1、図2、図5、図8に示すように、ハウジング12には、窓16の縁部分において、ハウジング12の内側に挿入されるフレキシブル導電部材100の端部100aの挿入完了位置を指標するための挿入完了位置指標部17が設けられている。本実施形態では、挿入完了位置指標部17は、ハウジング12の表裏面のうち、窓16が開口する面において、ハウジング12の幅方向に沿って直線状に延びる細い溝として、設けられている。
挿入完了位置指標部17は、例えば、コネクタ1へのフレキシブル導電部材100の接続が適切に完了した状態においてフレキシブル導電部材100の端部100aの先端側の縁部分が到達する位置を指標するように構成されている。ハウジング12の開口14からフレキシブル導電部材100の端部100aを挿入した作業者は、窓16から端部100aの先端側の縁部分の位置を確認することができる。更に、作業者は、窓16から視認できた端部100aの先端側の縁部分の位置と窓16の縁部分における挿入完了位置指標部17とを比較することができる。そして、作業者は、端部100aが挿入完了位置指標部17に対応する位置まで到達しているか否かを確認することができる。これにより、作業者は、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを作業者が容易に確認することができる。
[係合保持部]
図1、図2、図4、図5、図8に示す係合保持部13は、ハウジング12の内側に設けられ、本実施形態では、ハウジング12と一体に設けられている。このため、係合保持部13は、ハウジング12と同様に、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。そして、係合保持部13は、フレキシブル導電部材100の端部100aに係合することでフレキシブル導電部材100の端部100aを保持するように構成されている。
係合保持部13は、ハウジング12の内側において、複数のコンタクト11が並んで配置される方向であるハウジング12の幅方向における中央部分に設けられている。そして、係合保持部13は、本体部18、係合凸部19、解除操作部20、を備えて構成されている。尚、ハウジング12において基板101に対して設置される部分である底部21は、ハウジング12の幅方向における中央部分が凹み形成されている。そして、係合保持部13は、底部21において凹み形成された領域に配置されている。
本体部18は、ハウジング12に一体に設けられているとともにハウジング12の内側においてハウジング12の内面から片持ち状に延びるように設けられている。より具体的には、本体部18は、ハウジング12の底部21における凹み領域に対応する部分の内面21aから片持ち状に延びるように設けられている。そして、本体部18は、底部21の内面21aからこの内面21aに対して略垂直に短く突出した後に、略90°湾曲し、更に、内面21aと略平行に延びるように設けられている。また、本実施形態では、本体部18は、内面21aから突出して略90°湾曲した後、開口14の奥側に向かって、内面21aと略平行に延びるように設けられている。片持ち状に延びる本体部18の断面形状は、例えば、略長方形の形状に設定されている。
本体部18は、上記のように設けられていることで、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100によって付勢されることで弾性変形して撓むように構成されている。尚、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際には、フレキシブル導電部材100の端部100aは、本体部18に一体に設けられた後述の係合凸部19に当接する。これにより、本体部18は、フレキシブル導電部材100の端部100aによって、係合凸部19を介して付勢され、弾性変形して撓むことになる。
係合凸部19は、係合保持部13において、フレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106に係合する部分として設けられている。そして、係合凸部19は、本体部18におけるハウジング12の底部21の内面21aと略平行に延びる部分の中途位置において、本体部18に一体に設けられいてる。
また、係合凸部19は、本体部18において、底部21側と反対側に向かって突出した突起状の凸部として設けられている。更に、係合凸部19は、本体部18に対して、ハウジング12の開口14側から開口14と反対側の奥側に向かってテーパ状に隆起した後、底部21の内面21aと略垂直な方向に沿って段状に高さが低くなる形状に形成されている。
上記のように係合凸部19が形成されているため、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入されると、その端部100aは、係合凸部19のテーパ状に隆起した部分に当接する。これにより、本体部18は、係合凸部19を介して、フレキシブル導電部材100の端部100aによって付勢され、撓むことになる。そして、開口14から挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106が係合凸部19に対応する位置まで到達すると、切り欠き穴106に係合凸部19が嵌まり込んで係合することになる。また、このとき、弾性変形して撓んでいた本体部18は、弾性回復し、底部21の内面21aと略平行に延びた状態に戻ることになる。このように、係合凸部19は、本体部18が一旦弾性変形した後に弾性回復したときに、被係合部である切り欠き穴106に係合するように構成されている。
上述したように、係合保持部13は、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12の開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100の端部100aが当接することで一旦弾性変形するように構成されている。更に、係合保持部13は、一旦弾性変形した後に、弾性回復し、フレキシブル導電部材100の端部100aに設けられた切り欠き穴106に対して係合するように構成されている。
解除操作部20は、係合保持部13の係合凸部19とフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106との係合を解除するために用いられる解除器具がハウジング12の内側に挿入された際に上記解除器具に当接する部分として設けられている。解除操作部20は、本体部18に一体に設けられている。
また、解除操作部20は、ハウジング12の底部21の内面21aから片持ち状に延びる本体部18の先端側の部分として設けられている。より具体的には、解除操作部20は、屈曲延長部20aと器具当接部20bとを備えて構成されている。屈曲延長部20aは、本体部18の先端側において、本体部18の長手方向に対して底部21側と反対側に向かって略90°に屈曲して延びた部分として設けられている。そして、器具当接部20bは、屈曲延長部20aの更に先端側において、本体部18の長手方向と略平行に略90°屈曲して短く延びた部分として構成されている。上記の解除器具がハウジング12の内側に挿入された際には、その解除器具は、解除操作部20に対して、器具当接部20bにおいて、当接する。
尚、上述した解除器具は、例えば、細長い棒状の部分、細長い軸状の部分、細長い板状の部分、等の細長く延びる部分を有する器具として設けられる。後述する図11、図12においては、細長い角柱状の軸状の部分を有する解除器具107が、係合保持部13の係合凸部19とフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106との係合を解除するために用いられる形態が例示されている。解除器具107は、ハウジング12の窓16又は開口14から挿入され、解除操作部20に対して当接する。
[コネクタの作動]
次に、コネクタ1の作動について説明する。図9は、基板101に接続されたコネクタ1に対してフレキシブル導電部材100が接続されている途中の状態を示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図であって、図4のD−D線矢視位置に対応する断面における断面図である。図10は、基板101に接続されたコネクタ1に対してフレキシブル導電部材100が接続された状態を示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図であって、図4のD−D線矢視位置に対応する断面における断面図である。
図9に示すように、基板101に対して複数のコンタクト11がはんだ付けされることでコネクタ1が基板101に接続された状態で、コネクタ1に対してフレキシブル導電部材100が接続される。コネクタ1にフレキシブル導電部材100が接続される際には、まず、フレキシブル導電部材100の端部100aが、コネクタ1のハウジング12の開口14に挿入される。
フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12の開口14からハウジング12の奥側に向かって挿入されると、フレキシブル導電部材100の端部100aは、ハウジング12の内側において、係合保持部13の係合凸部19と当接する。フレキシブル導電部材100の端部100aには、十分な強度を有する補強板104が設けられている。このため、係合凸部19においてフレキシブル導電部材100の端部100aが当接した片持ち状の係合保持部13は、フレキシブル導電部材100の端部100aに付勢され、図9に示すように、弾性変形して撓むことになる。
フレキシブル導電部材100の端部100aが、図9に示される状態から更にハウジング12の内側に挿入されると、フレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106が係合凸部19に対応する位置まで到達する。そして、切り欠き穴106が係合凸部19に対応する位置に到達すると、図10に示すように、切り欠き穴106に係合凸部19が嵌まり込んで係合する。これにより、フレキシブル導電部材100の端部100aが、係合保持部13に保持される。また、このとき、弾性変形して撓んでいた本体部18は、弾性回復し、図10に示すように、底部21の内面21aと略平行に延びた状態に戻ることになる。
上記のように、切り欠き穴106と係合凸部19とが係合し、フレキシブル導電部材100の端部100aが係合保持部13に保持されると、フレキシブル導電部材100のコネクタ1からの脱落が防止される。即ち、フレキシブル導電部材100がコネクタ1から抜き出される方向に付勢された場合であっても、フレキシブル導電部材100がコネクタ1から抜き出されてしまうことが防止される。これにより、フレキシブル導電部材100とコネクタ1とが機械的に強固に接続された状態が維持されることになる。
また、図10に示すように、コネクタ1に対してフレキシブル導電部材100が機械的に接続された状態においては、コネクタ1とフレキシブル導電部材100とは、電気的にも接続されている。即ち、図10に示す状態においては、フレキシブル導電部材100の端部100aにおいて露出した複数の導体102のそれぞれが、ハウジング12の内部において、複数のコンタクト11のそれぞれの接点部11bと接触している。これにより、コネクタ1とフレキシブル導電部材100とが、電気的に接続されている。
また、ハウジング12の開口14から挿入されてコネクタ1に接続されたフレキシブル導電部材100の端部100aは、ハウジング12の底部21と複数のコンタクト11との間で挟まれた状態で、コネクタ1に保持されている。即ち、ハウジング12の内側に開口14から挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aは、底部21における中央の凹んだ領域以外の部分の内面と、複数のコンタクト11の接点部11bとの間で、挟まれて保持されている。
上記のように、コネクタ1にフレキシブル導電部材100が接続されると、接続作業を行った作業者は、ハウジング12の外部から窓16を介してハウジング12の内側を視ることができる。そして、作業者は、ハウジング12の内側におけるフレキシブル導電部材100の端部100aの位置を確認し、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを確認することができる。
また、コネクタ1とフレキシブル導電部材100との接続作業を行った作業者は、窓16から端部100aの先端側の縁部分の位置を確認し、窓16の縁部分における挿入完了位置指標部17の位置と比較することができる。そして、作業者は、端部100aが挿入完了位置指標部17に対応する位置まで到達しているか否かを確認できる。これにより、作業者は、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを確認することができる。
図11及び図12は、基板101に接続されたコネクタ1からフレキシブル導電部材100が取り外される途中の状態を示すコネクタ1、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図であって、図4のD−D線矢視位置に対応する断面における断面図である。コネクタ1からフレキシブル導電部材100を取り外す際には、取り外し作業を行う作業者は、例えば、解除器具107を用いる。解除器具107は、前述の通り、係合保持部13の係合凸部19とフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106との係合を解除するために用いられる。そして、解除器具107は、例えば、細長い角柱状の軸状の部分を有して構成されている。
コネクタ1からフレキシブル導電部材100を取り外す際には、作業者は、例えば、図11に示すように、解除器具107の軸状の部分の先端部を窓16からハウジング12の内側に向かって挿入する。このとき、解除器具107は、その先端部が係合保持部13における解除操作部20の器具当接部20bに当接するように、窓16からハウジング12の内側に挿入される。
窓16からハウジング12の内側に挿入された解除器具107の先端部が、片持ち状の係合保持部13の先端側の器具当接部20bに当接すると、係合保持部13の本体部18が弾性変形して撓むことになる。これにより、フレキシブル導電部材100の切り欠き穴106に嵌まり込んで係合していた係合保持部13の係合凸部19が、切り欠き穴106から外れることになる。即ち、係合凸部19と切り欠き穴106との係合が解除されることになる。
上記のように、係合凸部19と切り欠き穴106との係合が解除されると、作業者により、フレキシブル導電部材100がコネクタ1のハウジング12の開口14から抜き出される。これにより、フレキシブル導電部材100がコネクタ1から取り外される作業が完了することになる。
また、作業者は、図11に基づいて説明した上記の作業手順とは異なる作業手順によって、コネクタ1からフレキシブル導電部材100を取り外すこともできる。この場合、作業者は、図12に示すように、解除器具107の軸状の部分の先端部を開口14からハウジング12の内側に向かって挿入する。このとき、解除器具107の先端部は、コネクタ1に接続されているフレキシブル導電部材100の端部100aと略平行に、端部100aにおける補強板104と反対側の面に対向した状態で、ハウジング12の内側に挿入される。更に、解除器具107は、その先端部が係合保持部13における解除操作部20の器具当接部20bに当接するように、開口14からハウジング12の内側に挿入される。
開口14からハウジング12の内側に挿入された解除器具107の先端部が、片持ち状の係合保持部13の先端側の器具当接部20bに当接すると、係合保持部13の本体部18が弾性変形して撓むことになる。これにより、フレキシブル導電部材100の切り欠き穴106に嵌まり込んで係合していた係合保持部13の係合凸部19が、切り欠き穴106から外れることになる。即ち、係合凸部19と切り欠き穴106との係合が解除されることになる。
上記のように、係合凸部19と切り欠き穴106との係合が解除されると、作業者により、フレキシブル導電部材100がコネクタ1のハウジング12の開口14から抜き出される。これにより、フレキシブル導電部材100がコネクタ1から取り外される作業が完了することになる。
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態によると、フレキシブル導電部材100がコネクタ1に接続される際には、まず、フレキシブル導電部材100の端部100aが、ハウジング12の開口14からハウジング12の内側に挿入される。そして、ハウジング12の内側に挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aは、ハウジング12の内側に設けられた係合保持部13に当接する。これにより、係合保持部13は、一旦弾性変形する。そして、フレキシブル導電部材100の端部100aが更にハウジング12の内側へと挿入されることで、係合保持部13は、弾性回復し、フレキシブル導電部材100の端部100aにおける切り欠き穴(被係合部)106に対して係合する。これにより、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12に保持される。また、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12に保持された状態では、フレキシブル導電部材100の複数の導体102とコネクタ1の複数のコンタクト11とが電気的に接続され、フレキシブル導電部材100とコネクタ1との接続が完了することになる。
そして、本実施形態によると、フレキシブル導電部材100の端部100aに係合してフレキシブル導電部材100の端部100aを保持する係合保持部13が、ハウジング12の内側に設けられている。これにより、フレキシブル導電部材100の端部100aを保持しているハウジング12に対して、外部から、操作によって負荷されるような外力ではない変則的な外力が作用した場合であっても、係合保持部13に対してその外力が作用することが抑制される。このため、フレキシブル導電部材100が接続されたコネクタ1に対して変則的な外力が作用しても、係合保持部13とフレキシブル導電部材100の切り欠き穴(被係合部)106との係合が解除されてしまうことが抑制される。そして、コネクタ1からフレキシブル導電部材100が外れてしまうことが抑制される。
従って、本実施形態によると、変則的な外力が作用した場合であっても、フレキシブル導電部材100が外れてしまうことを抑制することができるコネクタ1を提供することができる。
また、本実施形態によると、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12の内側に挿入されると、係合保持部13の本体部18が撓んだ後に弾性回復することで、係合保持部13の係合凸部19がフレキシブル導電部材100の切り欠き穴(被係合部)106に係合する。よって、本実施形態によると、ハウジング12の内側で片持ち状に設けられた本体部18とその本体部18に一体に設けられた係合凸部19とを備えた簡素な構造で、係合保持部13を構成することができる。また、本実施形態によると、係合保持部13がハウジング12に一体に設けられた構成となる。このため、別体の係合保持部を設ける必要がなく、部品点数の増大を抑制することができる。
また、本実施形態によると、コネクタ1とフレキシブル導電部材100とが接続された状態で、解除器具107がハウジング12の内側に挿入されると、解除器具107は、ハウジング12の内側で片持ち状に延びる本体部18の先端側の解除操作部20に当接する。そして、解除器具107が解除操作部20に当接することで、係合保持部13の本体部18が撓み、係合保持部13の係合凸部19とフレキシブル導電部材100の切り欠き穴(被係合部)106との係合が解除される。これにより、ハウジング12の内側に解除器具107を挿入することで、容易に、コネクタ1とフレキシブル導電部材100との接続を解除でき、フレキシブル導電部材100をコネクタ1から取り外すことができる。また、本実施形態によると、解除操作部20は、ハウジング12の内側に設けられた係合保持部13の本体部18の先端側の部分として設けられる。このため、操作によって負荷されるような外力ではない変則的な外力がハウジング12の外部に作用した場合であっても、その変則的な外力が解除操作部20に作用してしまうことも防止される。そして、解除操作部20は、係合保持部13の先端側の部分として設けられた簡素な構造で実現される。よって、変則的な外力の作用によって係合保持部13とフレキシブル導電部材100との係合が解除されることを抑制でき、且つ、係合保持部13とフレキシブル導電部材100との係合を解除する際には容易に解除操作が可能な構造を、簡素な構成で実現することができる。
また、本実施形態によると、ハウジング12に挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aは、ハウジング12の幅方向の中央部分に設けられた係合保持部13と係合する。このため、フレキシブル導電部材100の端部100aは、ハウジング12の幅方向の中央部分に対応する位置で、安定して保持される。即ち、コネクタ1に接続されたフレキシブル導電部材100に外力が作用した場合であっても、フレキシブル導電部材100の幅方向の一方側に荷重の偏りが生じることが抑制され、フレキシブル導電部材100の端部100aが安定した状態でコネクタ1に保持される。よって、フレキシブル導電部材100の端部100aを安定した状態で保持することができる構造を、ハウジング12の幅方向の中央部分に1つの係合保持部13を設けた簡素な構造で、実現することができる。
また、本実施形態によると、フレキシブル導電部材100をコネクタ1に接続する作業を行った作業者は、ハウジング12の外部から窓16を介してハウジング12の内側を視ることにより、ハウジング12の内側におけるフレキシブル導電部材100の端部100aの位置を容易に確認することができる。これにより、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを作業者が容易に確認することができる構造を、ハウジング12に窓16を設けた簡素な構造で実現することができる。
また、本実施形態によると、フレキシブル導電部材100の端部100aの位置を視認可能にする窓16の縁部分に挿入完了位置指標部17が設けられている。このため、フレキシブル導電部材100をコネクタ1に接続する作業を行った作業者は、フレキシブル導電部材100の端部100aの位置と挿入完了位置指標部17とを容易に比較することができる。これにより、コネクタ1に適切に接続される位置までフレキシブル導電部材100がハウジング12に挿入されているか否かを作業者が更に容易に確認することができる構造を、ハウジング12に窓16及び挿入完了位置指標部17を設けた簡素な構造で実現することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、フレキシブル導電部材と基板とを接続するコネクタの形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、フレキシブル導電部材と複数の電線とを接続する形態のコネクタが実施されてもよい。
(2)前述の実施形態では、コンタクトの基板接続部が基板のスルーホールに対して挿入されてはんだ付けされる挿入型のコネクタを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、表面実装型のコネクタが実施されてもよい。
(3)前述の実施形態では、基板に接続されたコネクタに対して、フレキシブル導電部材が、基板におけるコネクタが設置される面と略平行な方向に沿って挿入される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。基板に接続されたコネクタに対して、フレキシブル導電部材が、基板におけるコネクタが設置される面に対して略垂直な方向に沿って挿入される形態が実施されてもよい。
(4)前述の実施形態では、係合保持部が、ハウジングの内側において、ハウジングの幅方向における中央部分に設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。係合保持部が、ハウジングの内側において、ハウジングの幅方向における中央部分以外の部分に設けられた形態が実施されてもよい。例えば、係合保持部が、ハウジングの内側において、ハウジングの幅方向における端部又はその近傍に設けられた形態が実施されてもよい。
(5)前述の実施形態では、係合保持部が、1つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。係合保持部が、2つ以上設けられた形態が実施されてもよい。例えば、係合保持部が、ハウジングの内側において、ハウジングの幅方向における両端部又は両端部の近傍に、一対で設けられた形態が実施されてもよい。又は、係合保持部が、ハウジングの内側において、3つ設けられ、ハウジングの幅方向における中央部分と両端部とに設けられた形態が実施されてもよい。或いは、係合保持部が、ハウジングの内側において、複数設けられ、ハウジングの幅方向に沿って略均等な間隔で配置された形態が実施されてもよい。
(6)前述の実施形態では、コネクタに接続されるフレキシブル導電部材に設けられる被係合部が、フレキシブル導電部材の幅方向の中央部分に形成された切り欠き穴として構成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。被係合部は、コネクタにおける係合保持部の形態に応じて、種々の位置に設けられてもよい。また、被係合部は、コネクタにおける係合保持部の個数に応じて、複数設けられてもよい。また、フレキシブル導電部材において、切り欠き穴以外の形態の被係合部が設けられてもよい。例えば、フレキシブル導電部材において、切り欠き溝状などの他の切り欠き形状の形態の被係合部が設けられてもよい。或いは、フレキシブル導電部材の端部の補強板に凹み形成された凹み穴として設けられてもよい。
(7)前述の実施形態では、フレキシブル導電部材の端部の位置をハウジングの外部から視認可能にするための窓が、ハウジングにおいて、幅方向における中央部分に1つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。フレキシブル導電部材の端部の位置を視認可能にするための窓が、ハウジングにおいて、幅方向における中央部分以外の部分に設けられた形態が実施されてもよい。また、フレキシブル導電部材の端部の位置を視認可能にするための窓が、ハウジングにおいて、複数設けられた形態が、実施されてもよい。また、窓の形状は、前述の実施形態で例示された形状に限らず、種々変更されてもよい。
(8)係合保持部は、前述の実施形態で例示された形態に限らず、種々変更されてもよい。例えば、図13に例示された変形例が実施されてもよい。図13は、変形例に係るコネクタ2を示す断面図であって、フレキシブル導電部材100の一部及び基板101の一部とともに示す図である。図13に示すコネクタ2は、係合保持部22の形態において、コネクタ1とは異なっている。尚、以下のコネクタ2についての説明においては、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、説明を省略する。
コネクタ2は、コネクタ1の係合保持部13とは形態の異なる係合保持部22を備えて構成されている。係合保持部22は、ハウジング12の内側に設けられ、ハウジング12と一体に設けられている。そして、係合保持部22は、フレキシブル導電部材100の端部100aに係合することでフレキシブル導電部材100の端部100aを保持するように構成されている。係合保持部22は、ハウジング12の内側において、ハウジング12の幅方向における中央部分に設けられている。そして、係合保持部22は、本体部23、係合凸部24、を備えて構成されている。
本体部23は、ハウジング12に一体に設けられているとともにハウジング12の内側においてハウジング12の内面から片持ち状に延びるように設けられている。より具体的には、本体部23は、ハウジング12の底部21における凹み領域に対応する部分の内面21aから片持ち状に延びるように設けられている。そして、本体部23は、底部21の内面21aからこの内面21aに対して略垂直に短く突出した後に、略90°湾曲し、更に、内面21aと略平行に延びるように設けられている。また、本体部23は、内面21aから突出して略90°湾曲した後、開口14の奥側から開口14側に向かって、内面21aと略平行に延びるように設けられている。
本体部23は、上記のように設けられていることで、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100によって付勢されることで弾性変形して撓むように構成されている。尚、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際には、フレキシブル導電部材100の端部100aは、本体部23に一体に設けられた係合凸部24に当接する。これにより、本体部23は、フレキシブル導電部材100の端部100aによって、係合凸部24を介して付勢され、弾性変形して撓むことになる。
係合凸部24は、係合保持部22において、フレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106に係合する部分として設けられている。そして、係合凸部24は、本体部23におけるハウジング12の底部21の内面21aと略平行に延びる部分の中途位置において、本体部23に一体に設けられている。
また、係合凸部24は、本体部23において、底部21側と反対側に向かって突出した突起状の凸部として設けられている。更に、係合凸部24は、本体部23に対して、ハウジング12の開口14側から開口14と反対側の奥側に向かってテーパ状に隆起した後、底部21の内面21aと略垂直な方向に沿って段状に高さが低くなる形状に形成されている。
上記のように係合凸部24が形成されているため、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入されると、その端部100aは、係合凸部24のテーパ状に隆起した部分に当接する。これにより、本体部23は、係合凸部24を介して、フレキシブル導電部材100の端部100aによって付勢され、撓むことになる。そして、開口14から挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106が係合凸部24に対応する位置まで到達すると、切り欠き穴106に係合凸部24が嵌まり込んで係合することになる。また、このとき、弾性変形して撓んでいた本体部23は、弾性回復し、底部21の内面21aと略平行に延びた状態に戻ることになる。このように、係合凸部24は、本体部23が一旦弾性変形した後に弾性回復したときに、被係合部である切り欠き穴106に係合するように構成されている。
上述したように、係合保持部22は、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12の開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100の端部100aが当接することで一旦弾性変形するように構成されている。更に、係合保持部22は、一旦弾性変形した後に、弾性回復し、フレキシブル導電部材100の端部100aに設けられた切り欠き穴106に対して係合するように構成されている。
上述した係合保持部22を備えたコネクタ2も、前述の実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、コネクタ2によると、変則的な外力が作用した場合であっても、フレキシブル導電部材100が外れてしまうことを抑制することができる。
(9)前述の実施形態では、係合保持部がハウジングに一体に設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、図14及び図15に例示された変形例に係るコネクタ3のように、ハウジングとは別体に設けられた係合保持部を備えた形態が実施されてもよい。図14は、図13に示す変形例とは異なる他の変形例に係るコネクタ3を示す平面図であって、フレキシブル導電部材100の一部及び基板101の一部とともに示す図である。図15は、コネクタ3、フレキシブル導電部材100の一部、及び基板101の一部の断面図である。尚、以下のコネクタ3についての説明においては、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、説明を省略する。
コネクタ3は、コネクタ1とは、係合保持部において形態が異なっている。具体的には、コネクタ3は、ハウジング12とは別体に設けられた係合保持部25を備えて構成されている。係合保持部25は、ハウジング12の内側に設けられ、例えば、金属材料で形成されており、ハウジング12に固定されている。そして、係合保持部25は、フレキシブル導電部材100の端部100aに係合することでフレキシブル導電部材100の端部100aを保持するように構成されている。係合保持部25は、ハウジング12の内側において、ハウジング12の幅方向における中央部分に固定されて設けられている。
図16は、コネクタ3の係合保持部25のみを示す斜視図である。図14乃至図16に示す係合保持部25は、固定部26、本体部27、係合凸部28、を備えて構成されている。
固定部26は、ハウジング12の内側においてハウジング12に対して固定される部分として設けられている。より具体的には、固定部26は、細長い平板状の部分として設けられ、ハウジング12の底部21の内面21aに設けられた溝に対して嵌め込まれることで、ハウジング12の底部21に固定される部分として構成されている。また、固定部26には、細長く延びる長手方向に対して略垂直な方向に沿って外側に向かって一対で突出する突起部26aが設けられている。尚、図16では、一対の突起部(26a、26a)のうちの一方の突起部26aのみが表れている。固定部26がハウジング12の底部21に固定される際、一対の突起部(26a、26a)が、底部21に係合した状態で嵌め込まれる。これにより、係合保持部25は、ハウジング12に対して、より強固に固定される。
本体部27は、固定部26と一体に設けられ、固定部26と略平行に延びる細長い平板状の部分を有して構成されている。また、本体部27には、固定部26に連続する部分において、固定部26から略180°に亘って屈曲した部分が設けられている。上記のように構成されていることで、本体部27は、ハウジング12の内側において、ハウジング12に固定された固定部26から片持ち状に延びるように設けられている。この構成により、本体部27は、ハウジング12の底部21における凹み領域に対応する部分の内面21aから片持ち状に延びるように設けられている。そして、上記の構成により、本体部27は、底部21の内面21aに対して短く突出した後に、略90°湾曲し、更に、内面21aと略平行に延びるように設けられている。また、本体部27は、内面21aから突出して略90°湾曲した後、開口14の奥側に向かって、内面21aと略平行に延びるように設けられている。
本体部27は、上記のように設けられていることで、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100によって付勢されることで弾性変形して撓むように構成されている。尚、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入された際には、フレキシブル導電部材100の端部100aは、本体部27に一体に設けられた係合凸部28に当接する。これにより、本体部27は、フレキシブル導電部材100の端部100aによって、係合凸部28を介して付勢され、弾性変形して撓むことになる。
係合凸部28は、係合保持部25において、フレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106に係合する部分として設けられている。係合凸部28は、本体部27に対して一対で設けられている。そして、一対の係合凸部(28、28)は、本体部27において、本体部27が細長く延びる長手方向に対して略垂直な方向における両縁部分に設けられている。また、一対の係合凸部(28、28)は、本体部27において、その長手方向における中途位置に設けられている。
また、各係合凸部28は、固定部26にてハウジング12に固定された係合保持部25の本体部27において、底部21側と反対側に向かって突出した突起状の凸部として設けられている。更に、各係合凸部28は、固定部26にてハウジング12に固定された係合保持部25の本体部27に対して、ハウジング12の開口14側から開口14と反対側の奥側に向かってテーパ状に隆起した後、底部21の内面21aと略垂直な方向に沿って段状に高さが低くなる形状に形成されている。
上記のように各係合凸部28が形成されているため、フレキシブル導電部材100の端部100aが開口14からハウジング12の内側に挿入されると、その端部100aは、各係合凸部28のテーパ状に隆起した部分に当接する。これにより、本体部27は、一対の係合凸部(28、28)を介して、フレキシブル導電部材100の端部100aによって付勢され、撓むことになる。そして、開口14から挿入されたフレキシブル導電部材100の端部100aの切り欠き穴106が一対の係合凸部(28、28)に対応する位置まで到達すると、切り欠き穴106に一対の係合凸部(28、28)が嵌まり込んで係合することになる。また、このとき、弾性変形して撓んでいた本体部27は、弾性回復し、底部21の内面21aと略平行に延びた状態に戻ることになる。このように、一対の係合凸部(28、28)は、本体部27が一旦弾性変形した後に弾性回復したときに、被係合部である切り欠き穴106に係合するように構成されている。
上述したように、係合保持部25は、フレキシブル導電部材100の端部100aがハウジング12の開口14からハウジング12の内側に挿入された際に、フレキシブル導電部材100の端部100aが当接することで一旦弾性変形するように構成されている。更に、係合保持部25は、一旦弾性変形した後に、弾性回復し、フレキシブル導電部材100の端部100aに設けられた切り欠き穴106に対して係合するように構成されている。
尚、コネクタ3からフレキシブル導電部材100が取り外される際には、例えば、作業者は、窓16から自分の指をハウジング12の内側の一対の係合凸部(28、28)に向かって挿入する。作業者の指によって一対の係合凸部(28、28)が底部21側に向かって付勢されることで、係合保持部25の本体部27が弾性変形して撓むことになる。これにより、フレキシブル導電部材100の切り欠き穴106に嵌まり込んで係合していた係合保持部25の一対の係合凸部(28、28)が、切り欠き穴106から外れることになる。即ち、一対の係合凸部(28、28)と切り欠き穴106との係合が解除されることになる。一対の係合凸部(28、28)と切り欠き穴106との係合が解除されると、作業者により、フレキシブル導電部材100がコネクタ3のハウジング12の開口14から抜き出される。これにより、フレキシブル導電部材100がコネクタ3から取り外される作業が完了することになる。
上述した係合保持部25を備えたコネクタ3も、前述の実施形態のコネクタ1と同様の効果を奏することができる。即ち、コネクタ3によると、変則的な外力が作用した場合であっても、フレキシブル導電部材100が外れてしまうことを抑制することができる。