JP2017091889A - 面状発熱体及び面状発熱体の製造方法 - Google Patents

面状発熱体及び面状発熱体の製造方法 Download PDF

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【課題】雨や凍結等に起因する曇りを防止することができるとともに、曇りが発生した場合には、曇りを除去することが可能であるとともに、安定した視界の確保が可能な面状発熱体を提供する。【解決手段】樹脂製の基体と、基体上に形成された基本セル12の集合体である熱線12a,12bと、基本セル同士を接続する接続線13と、熱線と接続された給電線14とを備えた面状発熱体10であって、熱線を構成する基本セルは、線により構成され、閉じた形状をなし、基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線又は給電線と接続される接点12cを有し、基本セルの集合体は、一連の基本セルが接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループからなるか、又は、基本セル接続グループが複数個集合したものであることを特徴とする面状発熱体。【選択図】図1

Description

本発明は、面状発熱体及び面状発熱体の製造方法に関する。
自動車用のウインドウに、樹脂板を用いる試みがなされているが、樹脂板を自動車用のリアウインドウとして用いる場合、雨や凍結等に起因する曇りの除去又は曇りを防止するための発熱線をどのように設けるかが問題となる。
通常、ポリカーボネート等からなる樹脂板は、ガラスと比べて熱伝導率が低いため、樹脂板上に導電線を設けても、導電線の発熱による熱が樹脂板全体に広がるのに時間がかかり、短時間で曇りを除去しにくいという問題があった。
特許文献1には、上記問題を解決するために、樹脂基材と、前記樹脂基材に設けられた導電性メッシュと、前記導電性メッシュに接続された給電線とを備え、前記導電性メッシュは、互いに間隔を空けて延在する複数本の第1の導電線と、互いに間隔を空けて延在する複数本の第2の導電線とを含み、開口部が形成されるように前記第1の導電線と前記第2の導電線とが交差してなる部材であり、前記給電線は、前記第1の導電線および前記第2の導電線に電流を流すことができるように前記導電性メッシュの両端に設けられている面状発熱体が開示されている。
上記した面状発熱体では、基材が曲面形状となるように曲げ加工を行った際に、導電線の太さが異なることとなり、発熱量が場所により異なることを避けるために、メッシュ状の金網と同様に、縦の導電線が横の複数の導電線と交差する際、横の導電線の上側を通った後、次の横の導電線の下側を通るというように、横や縦に並んだ多数の導電線が互いに上側と下側を交互に通過するとように組み合わされており、これらの導電線は、交差部で融着されている。
特開2015−60793号公報
しかしながら、導電線を上記のような構成とするためには、複雑な形状のメッシュ状の導電線を作製し、それを基体に埋設する必要があり、製品製造価格が高くなってしまう。
また、メッシュ目開きを細かくし、一定間隔とすると、後続車のライトの光や街灯による光の干渉により後方のクリアな視界の確保が困難になるという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、雨や凍結等に起因する曇りを防止することができるとともに、曇りが発生した場合には、曇りを除去することが可能であるとともに、安定した視界の確保が可能な面状発熱体及び該面状発熱体の製造方法を提供することを目的とする。
以下、本発明の面状発熱体について説明する。単に、本発明の面状発熱体と記載している場合には、「発明の詳細な説明」の項で記載した第一の本発明の面状発熱体及び第二の本発明の面状発熱体の両方を含む発明を指している。
上記課題を解決するための本発明の面状発熱体は、樹脂製の基体と、上記基体上に形成された基本セルの集合体である熱線と、基本セル同士を接続する接続線と、上記熱線と接続された給電線とを備えた面状発熱体であって、
上記熱線を構成する基本セルは、線により構成され、閉じた形状をなし、上記基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に上記接続線又は上記給電線と接続される接点を有し、上記基本セルの集合体は、一連の基本セルが上記接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループからなるか、又は、上記基本セル接続グループが複数個集合したものであることを特徴とする。
本発明の面状発熱体では、基本セルを構成する熱線に電流を流して発熱させることにより、基本セル及びその周囲の温度が上昇するとともに周囲に拡散し、窓等に曇りが発生するのを防止することができ、窓等に曇りが発生している場合であっても、熱線に電流を流して発熱させると、基本セル及びその周囲の温度が上昇し、曇りが除去される。
また、本発明の面状発熱体では、基本セルの大きさや基本セルの集合状態(単位面積当たりの基本セルの存在個数、以下、密度という場合がある)を自由に設定することができるので、充分に窓等を通した視界を確保することができる程度の密度で配置を工夫することにより、基本セルから発生した熱を周囲に拡散させることができ、曇りを除去することができる。
また、基本セルの配置が縦横方向に、一定間隔とならないため、後方からの光干渉を起こしにくく、安定した視界確保が可能となる。
本発明の面状発熱体においては、上記面状発熱体は、さらに、上記熱線及び上記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、上記基体及び上記樹脂フィルムの間に形成された充填層とが形成されていることが望ましい。
本発明の面状発熱体においては、上記熱線及び上記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、上記基体及び上記樹脂フィルムの間に形成された充填層とを加えた構成とすると、樹脂熱上の拡散層によって熱を拡散させた場合の樹脂基体自身の膨張による熱線の脱落を防ぎ、充填層の接着効果によって、迅速な曇りの除去と熱線剥離の相反する矛盾を同時に解消できる。
さらに、上記基体と上記樹脂フィルムとの間には充填層が形成されていると、空気等のガスが基体と樹脂フィルムとの間に存在していないので、熱によりガスが膨張し、樹脂フィルム等が持ち上げられて剥離するおそれがない。
さらに、熱線が、樹脂フィルム、充填層により囲まれていると、空気や水分等と接触するおそれがないので、酸化等により熱線が劣化するのを防止することができる。
上記した面状発熱体において、「基本セルが閉じた形状をなし」とは、線により構成される基本セルの外周に線が欠けた部分がなく、基本セルの内部と外部が線により分離されていることをいう。このような基本セルの外形としては、四角形、六角形のような多角形、円、楕円、レーストラックのような形状が挙げられる。上記した形状の基本セルは、内部に外周と接続された線分を有していてもよい。線分は、直線であっても、曲線であってもよい。
また、一連の基本セルが上記接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループとは、以下のものをいう。すなわち、一の基本セルには、2本の接続線が接続されており、この基本セルから延びる2本の接続線の他端が他の基本セルと接続され、他の基本セルに接続された接続線がさらに他の基本セルと接続されるというように、接続線を介して数珠繋ぎ状態で複数の基本セルが接続されているが、この一連の基本セルのグループを基本セル接続グループという。なお、基本セル接続グループの両末端は、上記のように給電線と接続され、上記基本セルに電流が流れると基本セルが発熱する。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルは、2カ所の接点を結ぶ線を軸とした線対称であることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルが、2カ所の接点を結ぶ線を軸とした線対称であると、上記基本セルを流れる電流が全ての部分で同じとなり易いため、発熱量がほぼ同じとなり、発熱に偏りが発生しにくい。従って、基本セルの形状として、基本セルの所定の位置に線を引いたときに線対称となる形状を選定するとともに、2カ所の接点を結ぶ線を軸とした際、線対称となるように、接点を決定することが望ましい。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルは、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の正方形、その図形中心点を通りかつ一組の対辺に平行な線分及び他の一組の対辺に平行な線分の合計二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の菱型、その図形中心点を起点とし、互いに120°の角度を成す三本の線分を有してなり、その面積が三等分される六角形、その図形中心点を起点とした四本の線分を有してなり、四分割される形状の円であることが望ましい。
本発明の面状発熱体において、基本セルが上記した形状であると、比較的単純な形状であるので、形成が容易で形成しやすく、所定の適切な配置間隔となるように接続線で各基本セルを繋ぐことにより、基本セルからの発熱が基体の全体に広がり、短時間で窓等の曇りを均一に除去することができる。適切な配置間隔とは、光干渉の影響を起こり難くする間隔での配置をいい、これによって安定した後方視界の確保が可能となる。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルは、角部を有し、当該角部は曲線から構成されてなることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記角部を有する基本セルの角部が曲線から構成されていると、基本セルの発熱により角部の熱線に熱応力が作用しても、熱線に切断等が発生しにくい。
本発明の面状発熱体において、上記接続線の幅は、上記基本セルを構成する熱線の幅よりも広いことが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記接続線の幅が、上記基本セルを構成する熱線の幅よりも広いと、接続線の抵抗が低くなるため、基本セルが設定どおり発熱し、短時間で窓等の曇りを除去することができる。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルは、中心に近づくに従って単位面積当たりの基本セルの存在個数が多くなっていることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記基本セルが、中心に近づくに従って単位面積当たりの基本セルの存在個数が多くなっていると、中心付近の発熱量が大きくなり、中心付近から曇りが除去されるので、迅速に視界を確保し易くなる。また、基本セルの配置が縦横方向に、一定間隔とならないため、後方からの光干渉を起こしにくく、安定した視界確保が可能となる。
上記面状発熱体では、さらに、上記基体上に形成された炭化ケイ素からなる熱拡散層を備え、上記熱線は、熱拡散層上に形成されていることが望ましい。
上記した面状発熱体では、基本セルを構成する熱線に電流を流して発熱させることにより、基本セル及びその周囲の温度が上昇するとともに熱拡散層を介して熱が周囲に拡散し、窓等に曇りが発生するのを防止することができる。また、基本セルの直下にSiCからなる熱拡散層が形成されているので、熱線に電流を流して発熱させた際、短時間で熱が熱拡散層を介して拡散するため、窓等の曇りが発生している場合であっても、より短時間で曇りが除去される。
本発明の面状発熱体において、上記充填層は、上記樹脂フィルムと上記熱拡散層との間に形成された空間を充填するとともに、上記樹脂フィルムと上記熱拡散層とを接着する接着剤として機能していることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記充填層は、上記樹脂フィルムと上記熱拡散層との間に形成された空間を充填していると、空気等のガスが基体と樹脂フィルムとの間に存在しないので、熱によりガスが膨張し、樹脂フィルム等が持ち上げられて剥離するおそれがない。また、充填層が樹脂フィルム及び基体と強く接着しているため、樹脂フィルム、熱線及び給電線が基体より剥離しにくい。
本発明の面状発熱体において、上記基体は、ポリカーボネートからなることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記基体は、ポリカーボネートからなると、透明性に優れるとともに、機械的特性にも優れ、自動車用の窓として最適である。
本発明の面状発熱体において、上記充填層は、シリコーン系樹脂からなることが好ましい。
本発明の面状発熱体において、上記充填層がシリコーン系樹脂からなる場合、耐熱性、耐候性に優れているので、熱線が発熱を繰り返しても変性等が発生しにくく、また、充填層が高硬度であるので、面状発熱体が変形しにくい。
本発明の面状発熱体は、自動車用のリアデフォッガーとして用いられることが好ましい。
本発明の面状発熱体は、上記のような効果を有するので、自動車用のリアデフォッガーとして最適である。
本発明の面状発熱体の製造方法は、上記面状発熱体の製造方法であって、上記樹脂フィルム上に金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、上記金属箔をエッチングすることにより所定パターンの熱線、接続線及び給電線を形成するエッチング工程とを含むことを特徴とする。
本発明の面状発熱体の製造方法では、光リソグラフィー等の方法を用いたエッチングにより所定パターンの熱線、接続線及び給電線を形成することができ、上記した優れた効果を有する面状発熱体を製造することができる。
上記本発明の面状発熱体の製造方法では、さらに、上記基体上に物理蒸着法により炭化ケイ素からなる熱拡散層を形成する熱拡散層形成工程と、上記熱線、接続線及び給電線が形成された樹脂フィルムに、接着剤として機能する充填層を形成する充填層形成工程と、フィルム上に熱線、接続線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、上記充填層を介して基材に貼り付ける樹脂フィルム貼付工程とを含み、上記樹脂フィルム貼付工程では、フィルム上に熱線、接続線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、上記熱線が上記熱拡散層上に配置されるように上記充填層を介して上記基体上の上記熱拡散層に貼り付けることが望ましい。
本発明の面状発熱体の製造方法では、熱拡散層を形成する際、物理蒸着法を用いるので、樹脂製の基板上に熱伝導率の高い炭化ケイ素からなる熱拡散層を形成することができるとともに、接着剤として機能する充填層を形成した後、基体に貼り付けることにより、基体との密着性に優れる面状発熱体を形成することができる。
図1(a)は、第一の本発明の面状発熱体の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す面状発熱体のA−A線断面図であり、図1(c)は、所定長さの線状の熱線の組み合わせにより形成された基本セルを模式的に示す平面図である。 図2(a)〜(c)は、種々の形状の基本セルを模式的に示す平面図である。 図3(a)は、第二の本発明の面状発熱体の一例を模式的に示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す面状発熱体のB−B線断面図であり、図3(c)は、所定長さの線状の熱線の組み合わせにより形成された基本セルを模式的に示す平面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の面状発熱体について詳述する。
第一の本発明の面状発熱体は、樹脂製の基体と、上記基体上に形成された基本セルの集合体である熱線と、基本セル同士を接続する接続線と、上記熱線と接続された給電線とを備えた面状発熱体であって、上記熱線を構成する基本セルは、線により構成され、閉じた形状をなし、上記基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に上記接続線又は上記給電線と接続される接点を有し、上記基本セルの集合体は、一連の基本セルが上記接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループからなるか、又は、上記基本セル接続グループが複数個集合したものであることを特徴とする。
上記した第一の本発明の面状発熱体の形状、構造等の具体例は、以下のとおりである。
すなわち、第一の本発明の面状発熱体は、基体と、基体の表面に形成された所定長さの線状の熱線の組み合わせからなる基本セルと、基本セル同士を接続する接続線と、基本セル、接続線及び給電線を覆って形成された樹脂フィルムと、基体及び樹脂フィルムと熱線が囲む部位に形成された充填層と、熱線と接続された給電線とを備えている。
上記基本セルは閉じた形状をなしており、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線を有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、この基本セルは、図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線又は給電線と接続される接点を有している。
第一の本発明の基本セルの集合体では、一連の基本セルが接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続されている。また、第一の本発明の面状発熱体では、両末端が給電線と接続された基本セル接続グループが複数個集合して面状発熱体が構成されている。
第一の本発明の面状発熱体では、両末端が給電線と接続された基本セル接続グループは、1つであってもよい。この場合には、基本セル接続グループを構成する基本セルの個数が多くなる。ただし、基本セル接続グループが1個であると、接続線が断線した場合に、全ての基本セルが発熱しなくなり、窓等の曇りを除去することが難しくなるため、基本セル接続グループは、多数存在することが望ましい。
第一の本発明の面状発熱体では、基本セルを構成する熱線に電流を流して発熱させることにより、基本セル及びその周囲の温度が上昇するとともに周囲に拡散し、窓等に曇りが発生するのを防止することができ、窓等に曇りが発生している場合であっても、熱線に電流を流して発熱させると、基本セル及びその周囲の温度が上昇し、曇りが除去される。
また、第一の本発明の面状発熱体では、基本セルの大きさや基本セルの密度を自由に設定することができるので、充分に窓等を通した視界を確保することができる密度で配置を工夫することにより、基本セルから発生した熱を周囲に拡散させることができ、短時間で曇りを除去することができる。
本発明の面状発熱体では、さらに、上記熱線及び上記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、上記基体及び上記樹脂フィルムの間に形成された充填層とが形成されていることが望ましい。
本発明の面状発熱体においては、上記熱線及び上記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、上記基体及び上記樹脂フィルムの間に形成された充填層とを加えた構成とすると、樹脂熱上の拡散層によって熱を拡散させた場合の樹脂基体自身の膨張による熱線の脱落を防ぎ、充填層の接着効果によって、迅速な曇りの除去と熱線剥離の相反する矛盾を同時に解消できる。
また、基本セルを小さくしても、基本セルが一定間隔の配置ではないため,後方からの光による干渉を起こしにくく、後方視界の良好な確保が可能となる。
さらに、上記基体と上記樹脂フィルムとの間には充填層が形成されていると、空気等のガスが基体と樹脂フィルムとの間に存在していないので、熱によりガスが膨張し、樹脂フィルム等が持ち上げられて剥離するおそれがない。
さらに、第一の本発明の面状発熱体では、熱線が、樹脂フィルム及び充填層により囲まれていると、空気や水分等と接触するおそれがないので、酸化等により熱線が劣化するのを防止することができる。
上記した第一の本発明の面状発熱体の形状、構造等の一例について、さらに詳述する。
図1(a)は、第一の本発明の面状発熱体の一例を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す面状発熱体のA−A線断面図である。また、図1(c)は、所定長さの線状の熱線の組み合わせにより形成された基本セルを模式的に示す平面図である。
図1(a)、(b)及び(c)に示す面状発熱体10は、基体11と、基体11の表面に形成された所定長さの線状の熱線12a、12bの組み合わせからなる基本セル12と、基本セル12同士を接続する接続線13と、基本セル12、接続線13及び給電線14を覆って形成された樹脂フィルム15と、基体11及び樹脂フィルム15の間に形成された充填層16と、熱線12a、12bと接続された給電線14(14a、14b)とを備えている。
図1(c)に示すように、基本セル12は閉じた形状をなしており、その図形中心点12dを通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線12bを有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、この基本セル12は、図形中心点12dに対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線13又は給電線14bと接続される接点12cを有している。
また、図1(a)及び(c)に示すように、基本セル12の集合体は、一連の基本セル12が接点12cに接続された接続線13を介して相互に接続され、その両末端が給電線14(14a、14b)と接続されている。
図1(a)、(b)及び(c)に示す面状発熱体10では、両末端が給電線14(14a、14b)と接続された基本セル接続グループ130が複数個集合して面状発熱体10が構成されている。
第一の本発明の面状発熱体を構成する基体は、樹脂製である。上記基体を構成する透光性樹脂としては、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボネート(PC)系樹脂等が好ましい。
第一の本発明の面状発熱体において、基体の表面の表面粗さRzJISは、10nm以上が望ましい。上記した表面粗さRzJISは、JIS B 0601(2001)で定義される十点平均粗さである。
上記基体の粗化面の表面粗さRzJISが10nm未満であると、基体の表面積が小さくなるため、基体上に形成する熱拡散層や充填層との密着性が充分に得られにくくなり、熱拡散層や充填層が剥離し易くなる。一方、基体表面の表面粗さRzJISが50nmを超えると、気体の透明性が劣るようになる。
なお、基体表面の表面粗さRzJISは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−X200violet仕様)を用いて表面の輪郭曲線を測定した後、JIS B 0601(2001)に準拠して、走査距離は30μmとして測定することができる。
基体上には、通電により発熱し、基体に発生した曇りを除去するための熱線が形成されている。
熱線は、銅、ニッケル、モリブデン、タンタル、タングステン、ニッケル−クロム系、鉄−クロム−アルミ系等の導電性の金属又は合金により形成されている。
第一の本発明の面状発熱体では、熱線は、基本セルの集合体として存在する。上述したように、基本セルは、複数の線分からなる熱線により構成され、閉じた形状をなし、上記基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線又は給電線と接続される接点を有している。基本セルは、2カ所の接点を結ぶ線を軸とした線対称であることが好ましい。
さらに、基本セルは、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の正方形、その図形中心点を通り、かつ一組の対辺に平行な一本の線分と、他の一組の対辺に平行な二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の菱型、その図形中心点を起点とし、互いに120°の角度を成す三本の線分を有してなり、その面積が三等分される六角形、その図形中心点を起点とした四本の線分を有してなり、四分割される形状の円であることが望ましい。
基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に設けられた接点間の電流の経路は、どれをとってもほぼ同じ長さであるので、ほぼ同じ電流が流れ、ほぼ同様に発熱する。
基本セル同士を接続する接続線や基本セル接続グループの両末端に接続される給電線は、発熱しないように構成されている。接続線及び給電線が熱線と同じ材料で構成されていることが望ましい。一枚の金属箔のエッチング等により、容易に形成することができるからである。接続線及び給電線が熱線と同じ材料で構成されている場合には、接続線や給電線の幅は、熱線よりも広いことが望ましい。単位長さ当たりの抵抗値を低下させることができるからである。
上記した基本セルの形状、構造等について、さらに詳述する。
図2(a)〜(c)は、種々の形状の基本セルを模式的に示す平面図である。
図2(a)は、基本セル22が、その図形中心点22dを通りかつ一組の対辺(熱線)22aに平行な線分及び他の一組の対辺(熱線)22aに平行な線分の合計二本の線分(熱線)22bとを有してなり、その面積が四等分される形状の菱型である場合を示している。基本セル22の図形中心点22dに対して互いに対向する位置となる2カ所に設けられた接点22c間の電流の経路は、どれをとっても同じ長さであるので、同じ電流が流れ、同様に発熱する。一方、接続線23は、単位長さ当たりの抵抗値が低いので、発熱しない。接続線を、基本セルを構成する熱線と同じ材料で形成する場合、接続線の幅は、熱線よりも広いことが望ましい。
図2(b)は、基本セル32が、その図形中心点32dを起点とし、互いに120°の角度を成す三本の線分(熱線)32bと外周を構成する線分(熱線)32aとを有してなり、その面積が三等分される六角形である場合を示している。この場合も、図2(a)の場合と同様、基本セル32の図形中心点32dに対して互いに対向する位置となる2カ所に設けられた接点32c間の電流の経路は、どれをとっても同じ長さであるので、同じ電流が流れ、同様に発熱する。一方、接続線33は、単位長さ当たりの抵抗値が低いので、発熱しない。
図2(c)は、基本セル42が、その図形中心点42dを起点とした四本の線分42bと外周を構成する曲線(熱線)42aとを有してなり、4分割される形状の円である場合を示している。なお、接点42cは、図形中心点42dに対して互いに対向する位置となる2カ所に設けられており、四本の線分42bは、図形中心点42dを通過するように設けられた2本の直線として示されており、二本の直線のなす角度は、接点42cを含む側の角度が約60°であり、接点42cを含まない側の角度が120°である。
基本セル42の図形中心点42dに対して互いに対向する位置となる2カ所に設けられた接点42c間の電流の経路は、どれをとってもほぼ同じ長さであるので、ほぼ同じ電流が流れ、ほぼ同様に発熱する。一方、接続線43は、単位長さ当たりの抵抗値が低いので、発熱しない。
熱線の厚さは、5〜50μmが好ましく、熱線の幅は、0.2〜0.8mmが好ましい。熱線の幅が0.2mmよりも細い場合には、熱線が細すぎるため、発熱の繰り返しにより断線が発生するおそれがある。一方、熱線の幅が0.8mmよりも太い場合には、単位長さ当たりの抵抗値を大きくすることが難しくなり、発熱させにくくなるばかりでなく、施工が目立ち、デザイン上の観点からもふさわしくない。
複数個の基本セルが接続線で接続された基本セル接続グループの両端の基本セルには、端子電極として機能する給電線が形成されており、この給電線を介して基本セルを構成する熱線に電流が流れ、熱線が発熱する。この給電線は、電源に接続されている。
第一の本発明の面状発熱体において、基本セルの角部は、曲線から構成されていることが好ましい。上記基本セルの角部が曲線から構成されていると、基本セルの発熱により角部の熱線に熱応力が作用しても、熱線に切断等が発生しにくい。
第一の面状発熱体において、上記基本セルは、中心に近づくに従って単位面積当たりの基本セルの存在個数が多くなっていることが望ましい。上記面状発熱体において、上記基本セルが、中心に近づくに従って単位面積当たりの基本セルの存在個数が多くなっていると、中心付近の発熱量が大きくなり、中心付近から曇りが除去されるので、迅速に視界を確保し易くなる。また、基本セルの配置が縦横方向に一定間隔での位置ではないため、基本セルを一定以上に小さくしても、後続車や街灯等の光干渉を受けることはなく、安定した視界確保が可能となる。
第一の本発明の面状発熱体では、樹脂フィルムが熱線(基本セル)の全体を覆って形成されている。
樹脂フィルムは、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、又は、シリカハイブリッドコンポジットからなることが望ましい。上記樹脂フィルムは、高い硬度を有するので、面状発熱体の表面が傷つきにくい。
シリコーン系樹脂は、4官能型のテトラアルコキシシランを主成分に、トリアルコキシシラン等を組み合わせたもので、最終的には、樹脂中にSiOの3次元的な構造が形成される。また、シリコーン系樹脂は、触媒を用いることにより、又は、加熱により硬化させることができる。このように、樹脂フィルムとしてシリコーン系樹脂を用いた場合、SiOの3次元的な構造を有するので、硬く、耐摩耗性に優れている。
アクリル系樹脂は、多官能モノマー/単官能モノマー/ポリマー系からなり、多官能モノマーの種類、量によって架橋度を制御したものである。多官能モノマーとしては、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。このように、樹脂フィルムとしてアクリル系樹脂を用いた場合、紫外線により短時間で硬化させることができという特徴を有している。
シリカハイブリッドコンポジットとは、シリカゾル等の無機微粒子又は上記したシリコーン系樹脂を用いたSiOの3次元的な構造体とハードコート層の形成に用いられるアクリル系樹脂やその他の樹脂を組み合わせたものであり、ラジカル重合性のアクリロイル基(AC)、メタクリロイル基(MAC)、又は、カチオン重合性のオキセタニル基(OX)を有する樹脂を組み合わせることにより、紫外線等の光により硬化させることができる。
基体と樹脂フィルムとの間には、充填層が形成されている。この充填層は、樹脂フィルムと基体との間に形成された空間を充填するとともに、樹脂フィルムと基体とを接着する接着剤として機能している。
この充填層を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、変性シリコーン系接着剤等が挙げられる。
この面状発熱体で、樹脂フィルムと基材上の熱拡散層とに挟まれた熱線が発熱するため、上記接着剤は、耐熱性が要求されるとともに、発熱により溶剤等が揮発すると、剥離し易くなるので、溶剤等が含まれていない接着剤を使用することが望ましい。
第一の本発明の面状発熱体において、後述する熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等の厚さは、例えば、レーザー顕微鏡を用いて測定することができる。
基体の表面に熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等が形成された部分と熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等が形成されていない部分がある試料を準備し、基体の表面に熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等が形成された部分と熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等が形成されていない部分の境界の段差をまたぐようにレーザー顕微鏡を走査して、その段差の高さを熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等の厚さとして測定することができる。
上記測定用試料は、形成した熱拡散層、熱線、樹脂フィルム等の一部を除去することによって作製してもよい。
第一の本発明の面状発熱体は、防曇性能を必要とする用途に使用することができ、例えば、自動車、航空機、船舶、鉄道、2輪車等の窓に防曇性能を備えた面状発熱体を使用することができる。
このため、基体は、平板である必要はなく、自動車のフロント部分やリア部分の窓のように、曲面からなるものであってもよい。
次に、第一の本発明の面状発熱体の製造方法について説明する。
下記の面状発熱体の製造方法では、(4)充填層形成工程及び(5)樹脂フィルム貼付工程を記載しているが、充填層及び樹脂フィルムを使用しない場合には、上記工程を必要としない。
(1)基体の準備
第一の本発明の面状発熱体の製造方法では、はじめに、基体を準備する。
基体としては、第一の本発明の面状発熱体を構成する基体の説明で説明した材料を使用することができる。
樹脂材料を基体として使用する場合、使用する用途に応じて所定の形状に切削加工した板状の材料を準備する。
また、基体の表面の不純物を除去するために洗浄処理を行うことが好ましい。
上記洗浄処理としては特に限定されず、従来公知の洗浄処理を用いることができ、具体的には、例えば、水やアルコール溶媒中で超音波洗浄を行う方法等を用いることができる。
また、スパッタリング装置内に基体を設置し、プラズマを発生させることによって基体の表面をプラズマ洗浄してもよい。この場合、プラズマ洗浄の後にそのままスパッタリング等の方法により熱拡散層を形成してもよい。
また、上記洗浄処理後には、必要に応じて、基体の表面の粗さを調整するために、基体の表面に鏡面化処理や粗化処理を施してもよい。具体的には、例えば、サンドブラスト処理、エッチング処理等の処理を施してもよい。これらの処理は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記処理の後に、さらに洗浄処理を施してもよい。
基体を構成する材料や基体表面の好ましい表面粗さ等については、既に第一の本発明の面状発熱体を構成する基体の説明で説明したので、ここでは、その説明を省略する。
(2)金属箔貼付工程
第一の本発明の面状発熱体の製造方法では、基体の準備とは別に、金属箔貼付工程として、樹脂フィルム上に金属箔を貼り付ける。
金属箔は、接着剤を用いて貼り付けるが、接着剤は、銅張積層板等を作製する際に用いる接着剤を用いて接着することができる。
金属箔を構成する材料や厚さ等の特性については、第一の本発明の面状発熱体の説明において説明したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。
(3)エッチング工程
上記金属箔貼付工程の後、エッチング工程として、金属箔をフォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングすることにより所定パターンの熱線及び給電線を形成する。すなわち、金属箔上に熱線のパターン及び給電線のパターンに対応した部分以外が露出したエッチングレジストを形成し、その後、エッチングを行うことにより所定パターンの熱線及び給電線を形成することができる。
熱線及び給電線を構成する材料や厚さ等の特性については、第一の本発明の面状発熱体の説明において説明したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。
(4)充填層形成工程
上記エッチング工程の後、充填層形成工程として、熱線及び給電線が形成された樹脂フィルムに、接着剤として機能する充填層を塗布等の方法を用いて形成する。
塗布方法としては、例えば、スキージを用いた塗布法、スプレー塗布法、ローラー塗布法、静電塗布法、カーテン塗布法等を用いることができる。
充填層を構成する材料(接着剤)や厚さ等の特性については、第一の本発明の面状発熱体の説明において説明したので、ここでは、その詳しい説明を省略する。
(5)樹脂フィルム貼付工程
上記充填層形成工程の後、樹脂フィルム貼付工程として、基体に、熱線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、充填層(接着剤)を介して貼り付ける。
また、上記充填層形成工程で、基体上に充填層として機能する接着剤を塗布し、上記樹脂フィルム貼付工程で、充填層(接着剤)を介して上記基体を熱線等が形成された樹脂フィルムに接着してもよい。
さらに、例えば、2液性の接着剤を用い、基体に一の接着剤を塗布し、熱線等が形成された樹脂フィルムに他の接着剤を塗布し、熱線が熱拡散層上に配置されるように上記接着剤を介して樹脂フィルムを基体に接着してもよい。
次に、本発明の面状発熱体の形状、構造等の他の一例について、説明する。
第二の本発明の面状発熱体は、樹脂製の基体と、基体上に形成された基本セルの集合体である熱線と、基本セル同士を接続する接続線と、上記熱線と接続された給電線とを備えた面状発熱体であって、上記熱線を構成する基本セルは、線により構成され、閉じた形状をなし、上記基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に上記接続線又は上記給電線と接続される接点を有し、上記基本セルの集合体は、一連の基本セルが上記接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループからなるか、又は、上記基本セル接続グループが複数個集合したものであることを特徴とする。
第二の本発明の面状発熱体では、さらに、上記基体上に形成された炭化ケイ素からなる熱拡散層と、上記熱線及び上記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、上記基体及び上記樹脂フィルムの間に形成された充填層とが形成されており、熱線は、熱拡散層に形成されていることが望ましい。
上記した第二の本発明の面状発熱体の形状、構造等の具体例は、以下のとおりである。
第二の本発明の面状発熱体は、基体と、基体の表面に形成された熱拡散層と、熱拡散層の上に形成された所定長さの線状の熱線の組み合わせからなる基本セルと、基本セル同士を接続する接続線と、基本セル、熱拡散層、接続線及び給電線を覆って形成された樹脂フィルムと、基体及び樹脂フィルムの間に形成された充填層と、熱線と接続された給電線とを備えている。
第二の本発明の面状発熱体では、第一の本発明の面状発熱体と同様に、基本セルは閉じた形状をなしており、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線を有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、この基本セルは、図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線又は給電線と接続される接点を有している。
また、第二の本発明の面状発熱体では、基本セルの集合体は、一連の基本セルが接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続されている。また、第二の本発明の面状発熱体では、両末端が給電線と接続された基本セル接続グループが複数個集合して面状発熱体が構成されている。
第二の本発明の面状発熱体は、上記のように、上記基体上に形成された炭化ケイ素からなる熱拡散層を備え、上記熱線(基本セル)は、熱拡散層上に形成されている。
熱拡散層は、その上に形成する熱線の熱を速やかに周囲に拡散させる機能を有するものであり、透明性及び高い熱伝導性が要求される。
第二の本発明の面状発熱体では、熱線に電流を流して発熱させることにより、窓等の基体に曇りが発生するのを防止することができるとともに、熱線の直下にSiCからなる熱拡散層が形成されているので、熱線に電流を流して発熱させた際、短時間で熱が熱拡散層を介して拡散するため、窓等に曇りが発生している場合であっても、より短時間で曇りが除去される。
また、第二の本発明の面状発熱体では、基本セルの大きさや基本セルの密度を自由に設定することができるので、充分に窓等を通した視界を確保することができる密度で配置を工夫することにより、基本セルから発生した熱を周囲に拡散させることができ、短時間で曇りを除去することができる。
さらに、第二の本発明の面状発熱体では、上記基体と上記樹脂フィルムとの間には充填層が形成されており、空気等のガスが基体と樹脂フィルムとの間に存在していないので、熱によりガスが膨張し、樹脂フィルム等が持ち上げられて剥離するおそれがない。
さらに、熱線は、樹脂フィルム、充填層及び熱拡散層により囲まれており、空気や水分等と接触するおそれがないので、酸化等により熱線が劣化するのを防止することができる。
上記した第二の本発明の面状発熱体の形状、構造等の一例について、さらに詳述する。
図3(a)は、第二の本発明の面状発熱体の一例を模式的に示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す面状発熱体のB−B線断面図である。また、図3(c)は、所定長さの線状の熱線の組み合わせにより形成された基本セルを模式的に示す平面図である。
図3(a)及び(b)に示す面状発熱体50は、基体51と、基体51の表面に形成された熱拡散層57と、熱拡散層57の上に形成された所定長さの線状の熱線52a、52bの組み合わせからなる基本セル52と、基本セル52同士を接続する接続線53と、基本セル52、熱拡散層57、接続線53及び給電線54を覆って形成された樹脂フィルム55と、基体51と樹脂フィルム55との間に形成された充填層56と、熱線52と接続された給電線54(54a、54b)とを備えている。
図3(c)に示すように、基本セル52は閉じた形状をなしており、その図形中心点52dを通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線52bを有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、この基本セル52は、図形中心点52dに対して互いに対向する位置となる2カ所に接続線53又は給電線54bと接続される接点52cを有している。
また、図3(a)及び(c)に示すように、基本セル52の集合体は、一連の基本セル52が接点52cに接続された接続線53を介して相互に接続され、その両末端が給電線54(54a、54b)と接続されている。
図3(a)、(b)及び(c)に示す面状発熱体50では、両末端が給電線54(54a、54b)と接続された基本セル接続グループ530が複数個集合して面状発熱体50が構成されている。
上述したように、本発明の面状発熱体を構成する基体の表面には、熱拡散層が形成されている。
熱拡散層は、その上に形成する熱線の熱を速やかに周囲に拡散させる機能を有するものであり、透明性及び高い熱伝導性が要求される。
上記要求に答える材料として、熱拡散層は、炭化ケイ素にからなる。熱拡散層の厚さは、20〜500nmが望ましい。
熱拡散層の厚さが20nm未満であると、熱拡散層が薄すぎるため、熱線から発生した熱を良好に周囲に拡散することが難しくなる。一方、上記熱拡散層の厚さが500nmを超えると、熱拡散層を形成するのに時間がかかりすぎ、面状発熱体の製造コストが高くなってしまう。
熱線で発生した熱を周囲に効率よく拡散させ、曇りを除去するためには、熱拡散層は、基本セルが形成されている領域を含み、基本セルより広い領域に形成されていることが望ましい。
熱拡散層の面積は、基本セルの面積の1〜2倍であることが好ましい。
熱拡散層の面積が基本セルの面積の1倍未満であると、熱拡散層の幅が狭すぎるため、熱線から発生した熱が周囲に拡散しにくく、窓等の曇りを短時間で除去するのが困難となる。
一方、基本セルの面積が上記熱線の幅の2倍を超えると、熱線から発生した熱が周囲に拡散する速度が低下し、熱拡散層が2倍を超えた領域に存在しない場合と大きな差がなくなる。
より短時間で曇りを除去するためには、熱拡散層は、基本セルが形成されている領域の全体に形成されていることが望ましい。
第二の本発明の面状発熱体において、熱線からなる基本セル、基本セル接続グループ、接続線及び給電線の一部又は全部が熱拡散層の上に形成されていること以外、基本セル接続グループ、接続線及び給電線は、第一の本発明の面状発熱体と同様に構成されており、樹脂フィルム及び充填層も、第一の本発明の面状発熱体と同様に構成されている。従って、ここではその説明を省略する。
次に、第二の本発明の面状発熱体の製造方法について説明する。
第二の本発明の面状発熱体の製造方法では、第一の本発明の製造方法とほぼ同様に、(1)基体の準備、(2)金属箔貼付工程、(3)エッチング工程、(4)充填層形成工程、(5)樹脂フィルム貼付工程を行うが、基体を準備した後、基体の表面に熱拡散層を形成する熱拡散層成形工程が加わることが第一の本発明の面状発熱体の製造方法と異なる。(6)熱拡散層形成工程は、(5)樹脂フィルム貼付工程に行う必要があるが、(1)基体の準備の後であって、(5)樹脂フィルム貼付工程の前であれば、どのタイミングで行ってもよい。
以下では、第一の本発明の面状発熱体の製造方法と異なる部分のみについて説明する。
(6)熱拡散層形成工程
第二の本発明の面状発熱体の製造方法では、基体を準備した後、熱拡散層形成工程として、基体上に物理蒸着法により炭化ケイ素からなる熱拡散層を形成する。
熱拡散層は、物理蒸着(PVD)法を用い、上述した態様で形成する。
物理蒸着法により熱拡散層を形成する場合、基体の温度が高温にならず、基体に樹脂材料を用いた場合であっても、樹脂材料の耐熱温度以下の温度で熱拡散層を形成することができるので、熱拡散層の形成方法として適している。
具体的には、物理蒸着を5〜200℃で行うことが好ましい。この温度はチャンバー内の設定温度であり、常温(25℃±15℃)であることも好ましい。
本発明の面状発熱体の製造方法では、物理蒸着法は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、又は、イオンビーム蒸着により行われることが好ましい。
これらの中でもスパッタリングにより行われることがより好ましく、スパッタリングは、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、2極スパッタリング法、反応性スパッタリング法、又は、ECRスパッタリング法であることが好ましい。
特に、RF(交流、高周波)スパッタリング法であることが好ましく、RFマグネトロンスパッタリング法であることがより好ましい。
RFスパッタリング法であると、絶縁体であるセラミックターゲットについてもスパッタリングが可能であり、マグネトロンスパッタリング法とすることによって成膜速度を速くすることができる。
RFマグネトロンスパッタリング法による物理蒸着を行う場合には、スパッタリング装置に熱拡散層の材料となるターゲットを設置して、反射層が形成された基体をチャンバー内に載置し、チャンバー内をアルゴン雰囲気としてチャンバー内の圧力を例えば0.2〜1.2Paに減圧する。
そして、高周波電圧を印加してスパッタリングを所定時間行い、上記面状発熱体の説明において説明した幅、厚さの熱拡散層を基体上に形成する。
熱拡散層のパターンは、フォトリソグラフィーの手法を用いて形成することができる。すなわち、基体にレジストを塗布、固化した後、マスクを介して光を照射し、熱拡散層を形成する部分を除く。その後、物理蒸着を行い、エッチング等により不要な部分を除くことにより、所定パターンの熱拡散層を形成することができる。
(4)充填層形成工程では、用いる基体に熱拡散層が形成されている点が第一の本発明の面状発熱体の製造方法と異なるが、実質的な方法は、第一の本発明の面状発熱体の製造方法と同様である。また、樹脂フィルム貼付工程では、フィルム上に熱線、接続線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、熱線が熱拡散層上に配置されるように充填層を介して基体上の熱拡散層に貼り付ける。
(5)樹脂フィルム貼付工程においては、基体上に熱拡散層が形成されており、樹脂フィルムを、熱線が熱拡散層上に配置されるように充填層を介して基体上の熱拡散層に貼り付ける点が、第一の本発明の面状発熱体の製造方法と異なるが、その他の部分は、第一の本発明の面状発熱体の製造方法における樹脂フィルム貼付工程と同様である。
第二の本発明の面状発熱体の製造方法において、上記した工程以外の(1)基体の準備、(2)金属箔貼付工程、(3)エッチング工程は、第一の本発明の面状発熱体の製造方法と同様に行う。
以下に、本発明の面状発熱体の作用効果について列挙する。以下においては、第一の本発明及び第二の本発明の効果の両方について記載する。特に、第一、第二等の記載がない場合は、第一の本発明の面状発熱体及び第二の本発明の面状発熱体の両方の効果について説明している。
(1)本発明の面状発熱体では、基本セルを構成する熱線に電流を流して発熱させることにより、基本セル及びその周囲の温度が上昇するとともに周囲に拡散し、窓等に曇りが発生するのを防止することができ、窓等に曇りが発生している場合であっても、熱線に電流を流して発熱させると、基本セル及びその周囲の温度が上昇し、曇りが除去される。
(2)本発明の面状発熱体では、また、本発明の面状発熱体では、基本セルの密度を自由に設定することができるので、充分に窓等を通した視界を確保することができる密度で配置を工夫することにより、基本セルから発生した熱を周囲に拡散させることができ、短時間で曇りを除去することができる。
(3)本発明の面状発熱体では、上記基体と上記樹脂フィルムとの間に充填層が形成されていると、空気等のガスが基体と樹脂フィルムとの間に存在していないので、熱によりガスが膨張し、樹脂フィルム等が持ち上げられて剥離するおそれがない。
(4)本発明の面状発熱体では、熱線が、樹脂フィルム、充填層及び熱拡散層により囲まれていると、空気や水分等と接触するおそれがないので、酸化等により熱線が劣化するのを防止することができる。
(5)第二の本発明の面状発熱体では、熱線に電流を流して発熱させることにより、窓等の基体に曇りが発生するのを防止することができるとともに、熱線の直下にSiCからなる熱拡散層が形成されていると、熱線に電流を流して発熱させた際、短時間で熱が熱拡散層を介して拡散するため、窓等に曇りが発生している場合であっても、より短時間で曇りが除去される。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
鏡面加工された厚さ2mm、縦300mm、横300mmのアクリル樹脂製の基体を準備する。
次に、シリコーン樹脂製の厚さ0.2mm、縦290mm、横290mmの樹脂フィルムに銅箔を接着剤により貼り付け、フォトレジストを銅箔上に形成した後、熱線を形成する部分以外の部分に光を照射して硬化させる。この後、エッチングにより硬化していないフォトレジスト及びフォトレジストの下の銅箔を除去し、熱線のパターンを形成する。なお、図1(a)、(b)及び(c)に示すように、基本セルは閉じた形状をなしており、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線を有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、基本セルの集合体は、一連の基本セルが接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続されている。さらに、実施例1に係る面状発熱体では、両末端が給電線と接続された基本セル接続グループが複数個集合して面状発熱体が構成されている。
次に、スキージを用い、熱線が形成された樹脂フィルムに、接着剤として機能するシリコーン系樹脂を塗布し、塗布層が乾かないうちに、シリコーン系樹脂層が形成された樹脂フィルムを基体に貼り付け、熱プレス法により硬化させる。
(実施例2)
実施例1と同様、鏡面加工された厚さ2mm、縦300mm、横300mmのアクリル樹脂製の基体をスパッタ装置に搬入し、1×10−5Paとなるまで排気する。
次に、SiCターゲットを使用し、RF電源を用いて500Wで20nmの厚さのSiC膜(熱拡散層)を形成する。SiC膜からなる熱拡散層を形成する際には、熱拡散層を形成する部分以外の部分には、テープを張り付けてマスクし、SiC膜(熱拡散層)を形成した後、テープを剥がすことにより、所定パターンの熱拡散層を形成する。本実施例では、図3(a)及び(b)に示すように、基本セルが形成されている領域の全体を覆うように熱拡散層を形成する。
次に、シリコーン樹脂製の厚さ0.2mm、縦290mm、横290mmの樹脂フィルムに銅箔を接着剤により貼り付け、フォトレジストを銅箔上に形成した後、熱線を形成する部分以外の部分に光を照射して硬化させる。この後、エッチングにより硬化していないフォトレジスト及びフォトレジストの下の銅箔を除去し、基本セル(熱線)のパターンを形成する。なお、図3(a)、(b)及び(c)に示すように、基本セルは閉じた形状をなしており、その図形中心点を通り、かつ各辺と直角に交わる二本の線分からなる熱線を有しており、二本の線分によりその面積が四等分される形状の正方形である。また、基本セルの集合体は、一連の基本セルが接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続されている。さらに、実施例2に係る面状発熱体では、両末端が給電線と接続された基本セル接続グループが複数個集合して面状発熱体が構成されている。
次に、スキージを用い、熱線が形成された樹脂フィルムに、接着剤として機能するシリコーン系樹脂を塗布し、塗布層が乾かないうちに、熱線が熱拡散層上に配置されるように、シリコーン系樹脂層が形成された樹脂フィルムを熱拡散層が形成された基体に貼り付け、熱プレス法により硬化させる。
(実施例1及び実施例2に係る面状発熱体の効果の測定)
製造された実施例1及び実施例2に係る面状発熱体を、温度5℃、相対湿度105%の部屋に搬入し、基体の表面に曇りを発生させた後、基本セルの集合体である熱線に通電する。
その結果、実施例1に係る面状発熱体では、約4.2分後に、実施例2に係る面状発熱体では、約3.7分後に、曇りが除去される。
10、50 面状発熱体
11、51 基体
12、22、32、42、52 基本セル
12(12a、12b)、22(22a、22b)、32(32a、32b)、42(42a、42b)、52(52a、52b) 熱線
12c、22c、32c、42c、52c 接点
12d、22d、32d、42d、52d 図形中心点
13、23、33、43、53 接続線
14(14a、14b)、54(14a、14b) 給電線
15、55 樹脂フィルム
16、56 充填層
17、57 熱拡散層

Claims (14)

  1. 樹脂製の基体と、前記基体上に形成された基本セルの集合体である熱線と、基本セル同士を接続する接続線と、前記熱線と接続された給電線とを備えた面状発熱体であって、
    前記熱線を構成する基本セルは、線により構成され、閉じた形状をなし、前記基本セルの図形中心に対して互いに対向する位置となる2カ所に前記接続線又は前記給電線と接続される接点を有し、前記基本セルの集合体は、一連の基本セルが前記接点に接続された接続線を介して相互に接続され、その両末端が給電線と接続された基本セル接続グループからなるか、又は、前記基本セル接続グループが複数個集合したものであることを特徴とする面状発熱体。
  2. さらに、前記熱線及び前記接続線の全体を覆って形成された樹脂フィルムと、前記基体及び前記樹脂フィルムの間に形成された充填層とが形成されている請求項1に記載の面状発熱体。
  3. 前記基本セルは、2カ所の接点を結ぶ線を軸とした線対称である請求項1又は2に記載の面状発熱体。
  4. 前記基本セルは、その図形中心点を通りかつ各辺と直角に交わる二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の正方形、その図形中心点を通りかつ一組の対辺に平行な線分及び他の一組の対辺に平行な線分の合計二本の線分を有してなり、その面積が四等分される形状の菱型、その図形中心点を起点とし、互いに120°の角度を成す三本の線分を有してなり、その面積が三等分される六角形、その図形中心点を起点とした四本の線分を有してなり、四分割される形状の円である請求項1〜3のいずれかに記載の面状発熱体。
  5. 前記基本セルは、角部を有し、当該角部は曲線から構成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の面状発熱体。
  6. 前記接続線の幅は、前記基本セルを構成する熱線の幅よりも広い請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体。
  7. 前記基本セルは、中心に近づくに従って単位面積当たりの基本セルの存在個数が多くなっている請求項1〜6いずれかに記載の面状発熱体。
  8. 前記面状発熱体は、さらに、前記基体上に形成された炭化ケイ素からなる熱拡散層を備え、前記熱線は、熱拡散層上に形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の面状発熱体。
  9. 前記充填層は、前記樹脂フィルムと前記熱拡散層との間に形成された空間を充填するとともに、前記樹脂フィルムと前記熱拡散層とを接着する接着剤として機能している請求項8に記載の面状発熱体。
  10. 前記基体は、ポリカーボネートからなる請求項1〜9のいずれかに記載の面状発熱体。
  11. 前記充填層は、シリコーン系樹脂からなる請求項2〜10のいずれかに記載の面状発熱体。
  12. 自動車用のリアデフォッガーとして用いられる請求項1〜11のいずれかに記載の面状発熱体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の面状発熱体の製造方法であって、
    前記樹脂フィルム上に金属箔を貼り付ける金属箔貼付工程と、
    前記金属箔をエッチングすることにより所定パターンの熱線、接続線及び給電線を形成するエッチング工程とを含むことを特徴とする面状発熱体の製造方法。
  14. さらに、前記基体上に物理蒸着法により炭化ケイ素からなる熱拡散層を形成する熱拡散層形成工程と、
    前記熱線、接続線及び給電線が形成された樹脂フィルムに、接着剤として機能する充填層を形成する充填層形成工程と、
    フィルム上に熱線、接続線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、前記充填層を介して基材に貼り付ける樹脂フィルム貼付工程とを含み、
    前記樹脂フィルム貼付工程では、フィルム上に熱線、接続線、給電線及び充填層が形成された樹脂フィルムを、前記熱線が前記熱拡散層上に配置されるように前記充填層を介して前記基体上の前記熱拡散層に貼り付ける請求項13に記載の面状発熱体の製造方法。
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