JP2017090131A - ヨウ素酸イオン還元材、及びその製造方法 - Google Patents

ヨウ素酸イオン還元材、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶液中のヨウ素酸を除去するために、高効率でヨウ素酸イオンをヨウ素イオン又はヨウ素化合物に還元することができるヨウ素酸イオン還元材、及びその製造方法の提供。【解決手段】ジチオカルバミン酸鉄化合物、またはさらにジチオカルバミン酸鉄の塩化合物、及びチオランの塩化合物を含む、ヨウ素酸イオン還元材。鉄塩とチウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させた後、得られた化合物に、樹脂を混合して造粒するヨウ素酸イオン還元材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ素酸イオンをヨウ素イオンまたはヨウ素化合物に還元するためのヨウ素酸イオン還元材及びその製造方法に関する。
2011年の原子力発電所の事故により多量に、且つ多様な放射性元素が放出されたため、該放射性元素の除去が要求されている。その中でもウラン235の核分裂で生成するセシウム、ストロンチウム、ヨウ素が多く存在し、特にヨウ素は甲状腺等に蓄積されることから除去することが求められている。核分裂で生成するヨウ素は、ヨウ素129、ヨウ素131、ヨウ素135が知られており、ヨウ素131、ヨウ素135の半減期はそれぞれ約8日、約6.6時間と短いのに対し、ヨウ素129の半減期は約1570万年と長く、除去が必要不可欠となっている。
原子力施設から排出される放射性ヨウ素の主な化学種は、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ素酸等の無機ヨウ素、及びヨウ化メチル等の有機ヨウ素である。これらの中で、ヨウ素、ヨウ化水素、及びヨウ化メチルの除去には、活性炭にヨウ化カリウム(KI)を添着したKI添着活性炭、ゼオライトに銀(Ag)を添着したAgゼオライト、及び活性炭にトリエチレンジアミン(TEDA:Triethylene Diamine)を添着したTEDA炭などのヨウ素吸着材が用いられている(例えば、特許文献1)。しかしながら、これらのヨウ素吸着材は、溶液中では活性炭やゼオライト等の担体から添着物が分離するため、溶液中での使用に不向きであり、また、同時に生成している溶液中に存在するヨウ素酸イオンを除去することができない。
そこで、溶液中のヨウ素酸であるヨウ素酸イオンを除去する方法として、ヨウ素酸イオンに還元材を作用させて分子状ヨウ素とした後、吸着体に該分子状ヨウ素を吸着させ除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、別の除去方法として、母体にアミノ基等のカチオン性基を導入し、陰イオン交換する方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2002−350588号公報 特開2012−250198号公報 特開2010−253453号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、実用上、別途還元材を添加・溶解させ反応させるため、反応槽が必要であり、また、処理水中に還元材が残留するため、再浄化が必要であるなど課題があった。
また、特許文献3に記載の方法では、3価の陰イオン、2価の陰イオン、及びヨウ素イオン等と比較して、ヨウ素酸イオンのイオン選択性が低いため、これらイオンが共存している環境下では、ヨウ素酸イオンの除去効率が悪いなど課題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高効率でヨウ素酸イオンをヨウ素イオン又はヨウ素化合物に還元することができるヨウ素酸イオン還元材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ジチオカルバミン酸鉄化合物(A)を含むヨウ素酸イオン還元材が、高効率でヨウ素酸イオンをヨウ素イオン又はヨウ素化合物に還元することができることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]ジチオカルバミン酸鉄化合物(A)を含む、ヨウ素酸イオン還元材。
[2]さらにジチオカルバミン酸鉄の塩化合物(B)、及びチオランの塩化合物(C)を含む、上記[1]に記載のヨウ素酸イオン還元材。
[3]さらに樹脂を含む、上記[1]又は[2]に記載のヨウ素酸イオン還元材。
[4]担体に少なくとも成分(A)を添着させてなる添着体である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のヨウ素酸イオン還元材。
[5]鉄塩と、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させる工程を有する、ヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
[6]鉄塩と、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させた後、得られた化合物に、樹脂を混合して造粒する工程を有する、上記[5]に記載のヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
[7]担体に、前記チウラム化合物又は前記カルバミン酸化合物を添着させた後、前記化合物に前記鉄塩を反応させる工程を有する、上記[5]に記載のヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
本発明によれば、高効率でヨウ素酸イオンをヨウ素イオン又はヨウ素化合物に還元することができるヨウ素酸イオン還元材、及びその製造方法を提供することができる。
[ヨウ素酸イオン還元材]
本発明のヨウ素酸イオン還元材は、ジチオカルバミン酸鉄化合物(A)を含むことを特徴とする。
前記成分(A)のジチオカルバミン酸鉄化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rは単結合、又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Xはハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、又はチオシアネート基である。nは1〜3の整数を表す。
前記R及びRの炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基等が挙げられる。R及びRとしては、親水性の観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記Rは、単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、耐酸性、耐アルカリ性の観点から、単結合であることが好ましい。
炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
前記Xは、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、又はチオシアネート基であり、本発明の効果を発揮する観点から、ハロゲン原子であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、中でも、塩素原子が好ましい。
アミノ基は、モノアミノアルキル基でもよく、ジアミノアルキル基でもよい。
nは1〜3の整数であり、本発明の効果を発揮する観点から、好ましくは2又は3である。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−4)で表される化合物が挙げられる。中でも、本発明の効果を発揮する観点から、式(1−1)及び(1−2)で表される化合物が好ましい。
本発明のヨウ素酸イオン還元材は、更に、ジチオカルバミン酸鉄の塩化合物(B)及びチオランの塩化合物(C)を含むことが、ヨウ素酸イオンを高効率で還元する観点から好ましい。また、成分(B)及び成分(C)は、前記成分(A)を合成する際に生成されるものを用いてもよい。
前記成分(B)のジチオカルバミン酸鉄の塩化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であり、Rは単結合、又は炭素数1〜5のアルキレン基であり、Xはハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、又はチオシアネート基であり、Xはハロゲン原子である。nは1〜3の整数を表す。
前記R、R、R、及びXの具体例、及び好ましい基は、前記と同じである。また、前記Xのハロゲン原子の具体例としては、前記Xと同じものが挙げられ、好ましい基も同じものが挙げられる。nは1〜3の整数であり、好ましくは3である。
また、前記一般式(2)で表される化合物中のR、R、及びRは、それぞれ前記一般式(1)で表される化合物中のR、R、及びRと同じであることが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−3)で表される化合物が挙げられる。中でも、本発明の効果を発揮する観点から、式(2−1)で表される化合物が好ましい。
前記成分(C)のチオランの塩化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
一般式(3)中、Rはスルフィド結合又はジスルフィド結合であり、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。
前記R〜Rの炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、前記R及びRと同じものが挙げられ、好ましい基も同じものが挙げられる。また、前記Xのハロゲン原子の具体例としては、前記Xと同じものが挙げられ、好ましい基も同じものが挙げられる。
また、前記一般式(3)で表される化合物中のR〜Rは、前記一般式(1)で表される化合物中のR又はRと同じであることが好ましい。
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、下記式(3−1)及び(3−2)で表される化合物が挙げられる。中でも、本発明の効果を発揮する観点から、式(3−1)で表される化合物が好ましい。
前記成分(A)、前記成分(B)、及び前記成分(C)は、鉄塩とチウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させることにより得られる。
鉄塩としては、例えば、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)等が挙げられる。中でも、難溶性、親水性の観点から、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)が好ましく、塩化鉄(III)がより好ましい。
チウラム化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルブチルモノスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。中でも、難溶性、親水性の観点から、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドが好ましく、テトラメチルチウラムモノスルフィドがより好ましい。
カルバミン酸化合物としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等が挙げられる。
チウラム化合物又はカルバミン酸化合物の使用量は、特に限定されないが、鉄原子1molに対して0.5〜10molであることが好ましく、1〜6molであることがより好ましい。0.5mol以上とすることで、得られる化合物の収率を高めることができ、10mol以下とすることで、未反応物の量を抑制し、該未反応物の水への溶解、汚染を抑えることができる。
本発明のヨウ素酸イオン還元材の形状は特に限定されないが、還元材として機能させることから、比表面積が大きいことが重要であるため、粉末状であることが好ましい。
また、ヨウ素酸イオン還元材の平均粒子径も同様に特に限定されないが、0.1〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがより好ましい。0.1μm以上とすることで、造粒しやすくなり、500μm以下とすることで、十分な還元能力が得られる。
なお、ヨウ素酸イオン還元材の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めることができる。
本発明のヨウ素酸イオン還元材は、更に樹脂を含む造粒体としてもよい。
造粒に用いられる樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、ポリエチレンビニルアルコール共重合体樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。中でも、親水性等の観点から、ブチラール樹脂、ポリエチレンビニルアルコール共重合体樹脂が好ましく用いられる。
なお、前記造粒体は、還元材を分散させるため、更に界面活性剤等を含んでもよい。
造粒体中に含まれる前記成分(A)の含有量は特に限定されないが、造粒体の総質量に対して、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%である。10質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、95質量%以下とすることで、造粒しやすくなり、また、親水性を高め、水環境下での使用を良好なものとすることができる。
また、造粒体が前記成分(B)及び前記成分(C)を含有する場合、造粒体中に含まれる前記成分(A)、前記成分(B)、及び前記成分(C)の総含有量は、造粒体の総質量に対して、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%である。10質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、95質量%以下とすることで、造粒しやすくなり、また、親水性を高め、水環境下での使用を良好なものとすることができる。
また、造粒体中に含まれる樹脂の含有量は特に限定されないが、造粒体の総質量に対して、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜70質量%である。5質量%以上とすることで、造粒体が崩壊しにくく、90質量%以下とすることで、十分な還元能力を発揮することができる。
また、本発明のヨウ素酸イオン還元材は、担体に少なくとも成分(A)を添着させてなる添着体としてもよく、更に該担体に成分(B)及び成分(C)を添着させてもよい。
担体としては、公知の活性炭、アルミナ、ゼオライト等が挙げられる。中でも、活性炭が好ましく用いられる。
活性炭の原料としては、ヤシ殻、木質、石炭、石油系ピッチ等が挙げられる。中でも、吸着性能、強度のバランスがとれたヤシ殻活性炭が好ましい。これらの原料を炭化、賦活して活性炭とするが、その賦活方法は特に限定されず、公知の方法が利用できる。例えば、ガス賦活法や薬品賦活法などが挙げられる。
また、賦活された活性炭のBET比表面積は、強度と吸着性能のバランスから、好ましくは100〜2500m/gであり、より好ましくは500〜2200m/gであり、更に好ましくは1000〜2000m/gである。BET比表面積は、気体吸着法により測定することができる。
また、活性炭の形状としては、球状、繊維状、棒状等が挙げられ、比表面積を大きくし、圧力損失を低減させる観点から、球状の活性炭を用いることが好ましい。
上記活性炭の平均粒子径は、処理効率の観点から、好ましくは0.075〜5mmであり、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.2〜1.5mmである。
なお、上記活性炭の平均粒子径は、JIS K1474:2013「粒度分布」に従い、測定した値を意味する。
前記成分(A)、前記成分(B)、及び前記成分(C)は、担体表面全体に添着していてもよいし、担体の一部に添着していてもよい。
添着体中に含まれる前記成分(A)の含有量は特に限定されないが、添着体の総質量に対して、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。0.1質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、40質量%以下とすることで、還元材の脱離を防止することができる。
また、添着体が前記成分(B)及び前記成分(C)を含有する場合、添着体中に含まれる前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の総含有量は、添着体の総質量に対して、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。0.1質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、40質量%以下とすることで、還元材の脱離を防止することができる。
前記造粒体の平均粒子径、及び前記添着体の平均粒子径は、特に限定されないが、いずれも100〜5000μmであることが好ましく、200〜1000μmであることがより好ましく、300〜600μmであることが更に好ましい。100μm以上とすることで、取り扱いやすく、5000μm以下とすることで、還元塔の充填密度の低下が抑制され、十分な還元能力を発揮することができる。
なお、前記造粒体の平均粒子径、及び前記添着体の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めることができる。
[ヨウ素酸イオン還元材の製造方法]
本発明のヨウ素酸イオン還元材の製造方法としては、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができる。例えば、鉄塩とチウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させる工程を有する方法が挙げられる。具体的には、例えば、塩化鉄(III)の溶液に、テトラメチルチウラムモノスルフィドを加え、反応させ、成分(A)のジチオカルバミン酸鉄化合物、成分(B)のジチオカルバミン酸鉄の塩化合物、及び成分(C)のチオランの塩化合物の混合物を生成する方法が挙げられる。
上記反応の際の反応温度及び反応時間は特に限定されないが、例えば、反応温度を室温(25℃)とすることが好ましく、また、反応時間を1〜48時間とすることが好ましい。
このようにして得られる成分(A)、成分(B)、及び成分(C)は、必要に応じて、極性溶剤、イオン交換水等の洗浄液で洗浄し、40〜150℃で加熱、乾燥することが好ましい。
また、造粒によるヨウ素酸イオン還元材の製造方法としては、例えば、前記反応で得られた化合物に、樹脂を混合して造粒する工程を有する方法が挙げられる。具体的には、鉄塩と、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させて、成分(A)のジチオカルバミン酸鉄化合物、又は成分(A)のジチオカルバミン酸鉄化合物と、成分(B)のジチオカルバミン酸鉄の塩化合物と、成分(C)のチオランの塩化合物との混合物を得た後、樹脂を混合し、押出造粒する方法が挙げられる。
前記樹脂としては、上記[ヨウ素酸イオン還元材]の項で説明したものを用いることができる。
前記成分(A)の配合量は特に限定されないが、造粒体の総質量に対して、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%である。10質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、95質量%以下とすることで、造粒しやすくなり、また、親水性を高め、水環境下での使用を良好なものとすることができる。
また、前記成分(B)及び前記成分(C)を配合する場合、前記成分(A)、前記成分(B)、及び前記成分(C)の総配合量は、造粒体の総質量に対して、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、更に好ましくは30〜85質量%である。10質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、95質量%以下とすることで、造粒しやすくなり、また、親水性を高め、水環境下での使用を良好なものとすることができる。
樹脂の配合量は特に限定されないが、造粒体の総質量に対して、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜80質量%、更に好ましくは15〜70質量%である。5質量%以上とすることで、造粒体が崩壊しにくく、90質量%以下とすることで、十分な還元能力を発揮することができる。
添着によるヨウ素酸イオン還元材の製造方法としては、例えば、担体に、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物を添着させ後、該化合物に鉄塩を反応させる工程を有する方法が挙げられる。また、前記反応で得られた成分(A)、又は成分(A)と、成分(B)と、成分(C)との混合物を有機溶媒等に溶解し、担体に塗布・添着させてもよい。
前記担体としては、上記[ヨウ素酸イオン還元材]の項で説明したものを用いることができる。
前記成分(A)の配合量は特に限定されないが、添着体の総質量に対して、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。0.1質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、40質量%以下とすることで、還元材の脱離を防止することができる。
また、前記成分(B)及び前記成分(C)を配合する場合、前記成分(A)、前記成分(B)、及び前記成分(C)の総配合量は特に限定されないが、添着体の総質量に対して、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。0.1質量%以上とすることで、十分な還元能力を発揮することができ、40質量%以下とすることで、還元材の脱離を防止することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
(実施例1)
ヨウ素酸イオン還元材として、下記式(1−1)で表されるジメチルジチオカルバミン酸第二鉄(平均粒子径29.3μm)を用いた。
(実施例2)
塩化鉄(III)・無水物0.5g、アセトン1.5gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムモノスルフィド0.32g、酢酸エチル20gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物を酢酸エチル、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させることによりヨウ素酸イオン還元材を得た。
得られたヨウ素酸イオン還元材は、FT−IRスペクトル分析、UV−visスペクトル分析により、下記式(1−2)で表されるクロロビス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(III)、下記式(2−1)で表されるテトラクロロ鉄(III)酸トリス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(IV)、及び下記式(3−1)で表されるペンタクロロ鉄(III)酸3,5−ビス(N,N−ジメチルイミニウム)−1,2,4−トリチオランの混合物であることを確認した。
(実施例3)
塩化鉄(III)・無水物0.5g、アセトン1.5gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムモノスルフィド0.64g、酢酸エチル20gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物を酢酸エチル、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させることによりヨウ素酸イオン還元材を得た。
得られたヨウ素酸イオン還元材は、FT−IRスペクトル分析、UV−visスペクトル分析により、式(1−2)で表されるクロロビス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(III)、式(2−1)で表されるテトラクロロ鉄(III)酸トリス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(IV)、及び式(3−1)で表されるペンタクロロ鉄(III)酸3,5−ビス(N,N−ジメチルイミニウム)−1,2,4−トリチオランの混合物であることを確認した。
(実施例4)
塩化鉄(III)・無水物0.5g、アセトン1.5gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムモノスルフィド1.40g、酢酸エチル40gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物を酢酸エチル、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させることによりヨウ素酸イオン還元材を得た。
得られたヨウ素酸イオン還元材は、FT−IRスペクトル分析、UV−visスペクトル分析により、式(1−2)で表されるクロロビス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(III)、式(2−1)で表されるテトラクロロ鉄(III)酸トリス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(IV)、及び式(3−1)で表されるペンタクロロ鉄(III)酸3,5−ビス(N,N−ジメチルイミニウム)−1,2,4−トリチオランの混合物であることを確認した。
(実施例5)
塩化鉄(III)・無水物0.9g、アセトン1.0gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムジスルフィド1.15g、エタノール30gを加え、室温(25℃)で24時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物をエタノール、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させることによりヨウ素酸イオン還元材を得た。
得られたヨウ素酸イオン還元材は、FT−IRスペクトル分析、UV−visスペクトル分析により、式(1−2)で表されるクロロビス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(III)、式(2−1)で表されるテトラクロロ鉄(III)酸トリス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(IV)、及び式(3−1)で表されるペンタクロロ鉄(III)酸3,5−ビス(N,N−ジメチルイミニウム)−1,2,4−トリチオランの混合物であることを確認した。
(実施例6)
実施例2で得られたヨウ素酸イオン還元材0.3gにブチラール樹脂溶液(20質量%、酢酸エチル/エタノール=1/1溶液)1.0gを加え、攪拌混合した後、直径1mmのノズルより押出しを行い、約2mm間隔で切断し、粒子形状の造粒体(ヨウ素酸イオン還元材)を作成した。
(実施例7)
実施例2で得られたヨウ素酸イオン還元材0.3gにエチレンビニルアルコール共重合体樹脂溶液(10.0質量%、イソプロピルアルコール/水=1/1溶液)2.0gを加え、攪拌混合した後、直径1mmのノズルより押出しを行い、約2mm間隔で切断し、粒子形状の造粒体(ヨウ素酸イオン還元材)を作成した。
(実施例8)
あらかじめテトラメチルチウラムモノスルフィド0.2g、アセトン2gの溶液を調製した。この溶液を粒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、粒状活性炭、平均粒子径0.21〜1mm、BET比表面積1000〜2000m/g)0.5gに添加し、60℃で乾燥を行った。得られた添着活性炭を塩化鉄(III)・無水物0.2g、イオン交換水20gの水溶液に添加し、室温(25℃)で24時間攪拌を行い、添着体(ヨウ素酸イオン還元材)を得た。
得られたヨウ素酸イオン還元材は、FT−IRスペクトル分析、UV−visスペクトル分析により、式(1−2)で表されるクロロビス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(III)、式(2−1)で表されるテトラクロロ鉄(III)酸トリス(N,N−ジメチルジチオカルバメート)鉄(IV)、及び式(3−1)で表されるペンタクロロ鉄(III)酸3,5−ビス(N,N−ジメチルイミニウム)−1,2,4−トリチオランの混合物であることを確認した。
(比較例1)
テトラメチルチウラムモノスルフィドを用いた。
(比較例2)
塩化銅(I)・無水物0.5g、アセトン5.0gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムモノスルフィド1.0g、アセトン10gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物をアセトン、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させて、ジメチルジチオカルバミン酸銅を得た。
(比較例3)
硝酸銀0.5g、水1g、アセトン10gを入れた100mLフラスコに、テトラメチルチウラムモノスルフィド1.4g、アセトン10gを加え、室温(25℃)で1時間攪拌し反応させた。生成した沈殿物をろ別した後、該沈殿物をアセトン、イオン交換水で洗浄し、60℃で終夜乾燥させた。
(比較例4)
比較例2で得られたジメチルジチオカルバミン酸銅0.3gに、ブチラール樹脂溶液(20質量%、酢酸エチル/エタノール=1/1溶液)1.0gを加え、攪拌混合した後、直径1mmのノズルより押出しを行い、約2mm間隔で切断し、粒子形状の造粒体を作成した。
[還元試験]
(1)ヨウ素酸イオン還元材(粉状)の還元試験
あらかじめヨウ素酸ナトリウム77.94ppm(ヨウ素として50ppm)になるように試験液を調整した。
実施例1〜5で得られたヨウ素酸イオン還元材10mg、及び比較例1〜3の化合物10mgを準備し、それぞれ試験液50mLに浸漬し、サンプルを作成した。各サンプルを卓上小型振とう機を用いて回転数60rpmで24時間振とうした。その後、穴径0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離を行い、試験液中のヨウ素酸イオン濃度、及びヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(DIONEX社製 ICS−90)によりヨウ素イオン濃度(ppm−I)として測定した。
また、ヨウ素酸イオンの還元率は下記式(I)により求め、還元率75%以上を合格と判定した。結果を表1に示す。
(2)ヨウ素酸イオン還元材(造粒体又は添着体)の還元試験
実施例6〜8で得られたヨウ素酸イオン還元材10mg、及び比較例4で得られた造粒体10mgを準備し、それぞれ試験液50mLに浸漬し、サンプルを作成した。各サンプルを卓上小型振とう機を用いて回転数60rpmで24時間、及び168時間、振とうした。その後、穴径0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離を行い、24時間振とう後、及び168時間振とう後の試験液中のヨウ素酸イオン濃度、及びヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(DIONEX社製 ICS−90)によりヨウ素イオン濃度(ppm−I)として測定した。また、ヨウ素酸イオンの還元率を式(I)により求めた。結果を表2に示す。
表1から明らかなように、本発明のヨウ素酸イオン還元材は、ヨウ素酸イオンを効率よくヨウ素イオンへと還元することが確認された。一方、チウラム化合物を単独で用いた比較例1ではヨウ素酸イオンの還元は確認されなかった。また、金属塩にセリウムを用いた比較例2及び銀を用いた比較例3では、比較例1同様にヨウ素酸イオンの還元は確認されなかった。
また、表2から、本発明のヨウ素酸イオン還元材は、有効なヨウ素酸イオンの還元能を有することが確認できた。
本発明によれば、放射性廃液からヨウ素酸イオンを除去可能なヨウ素イオンへと効率よく還元することができ、また、ヨウ素化合物製造時に酸化により精製したヨウ素酸イオンを効率よくヨウ素イオンへと還元し、生産効率を向上させる方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. ジチオカルバミン酸鉄化合物(A)を含む、ヨウ素酸イオン還元材。
  2. さらにジチオカルバミン酸鉄の塩化合物(B)、及びチオランの塩化合物(C)を含む、請求項1に記載のヨウ素酸イオン還元材。
  3. さらに樹脂を含む、請求項1又は2に記載のヨウ素酸イオン還元材。
  4. 担体に少なくとも成分(A)を添着させてなる添着体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヨウ素酸イオン還元材。
  5. 鉄塩と、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させる工程を有する、ヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
  6. 鉄塩と、チウラム化合物又はカルバミン酸化合物とを反応させた後、得られた化合物に、樹脂を混合して造粒する工程を有する、請求項5に記載のヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
  7. 担体に、前記チウラム化合物又は前記カルバミン酸化合物を添着させた後、前記化合物に前記鉄塩を反応させる工程を有する、請求項5に記載のヨウ素酸イオン還元材の製造方法。
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EP4264638A4 (en) * 2020-12-18 2024-04-10 Univ America Catholic METHOD FOR REMOVING IODATE FROM AQUEOUS SOLUTIONS

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