JP2016036790A - ヨウ素吸着材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水中で使用することができ、ヨウ素の吸着量が良好であるとともに銀の溶出を抑制することができるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に、塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたヨウ素吸着材。
【選択図】なし
【解決手段】ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に、塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたヨウ素吸着材。
【選択図】なし
Description
本発明は、液中のヨウ素を吸着、除去するためのヨウ素吸着材及びその製造方法に関する。
ヨウ素は、医薬、工業、農業など幅広い産業で利用されている。その一方、ヨウ素は産地が偏在する貴重な天然資源である。
また、ヨウ素は原子力発電所で発生する排気ガスや冷却水中にも放射性ヨウ素として含有されていることが知られている。そのため、原子力発電所で不具合が発生した際には、放射性ヨウ素が大気中や排水中に大量に混入する場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。
また、ヨウ素は原子力発電所で発生する排気ガスや冷却水中にも放射性ヨウ素として含有されていることが知られている。そのため、原子力発電所で不具合が発生した際には、放射性ヨウ素が大気中や排水中に大量に混入する場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。
ヨウ素を回収する方法としては、ブローアウト法、イオン交換法、活性炭吸着法、澱粉吸着法、銅法、銀法など種々の方法が提案されている。原子力発電所の排気ガス中のヨウ素回収では、活性炭、銀添着活性炭、及び銀添着ゼオライト等を用いた吸着法が利用されている。
原子力施設から排出される放射性ヨウ素を除去する具体的な方法としては、例えば、特許文献1には、ヨウ素含有気体又は液体を、トリエチレンジアミン(TEDA)を添着した添着活性炭に接触させて、3級アミノ基とヨウ化メチルとを反応させることによって除去する方法が提案されている。
また、特許文献2には、ヨウ素含有気体又は液体を、銀担持ゼオライトに接触させて、ヨウ化銀として捕集する方法が提案されている。
また、ゼオライトに還元銀を添着した吸着材も提案されている。
また、特許文献2には、ヨウ素含有気体又は液体を、銀担持ゼオライトに接触させて、ヨウ化銀として捕集する方法が提案されている。
また、ゼオライトに還元銀を添着した吸着材も提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載のトリエチレンジアミン(TEDA)を添着した添着活性炭に接触させて、3級アミノ基とヨウ化メチルとを反応させることによって除去する方法では、大量の活性炭を必要とするためにコストが高くなるとともに、使用後の活性炭の処理が困難であるという問題があった。
また、特許文献2では、硝酸銀水溶液中にゼオライトを分散させ、銀イオンとゼオライト中の陽イオン(ナトリウム、カリウム等)を交換して得られる銀担持ゼオライトは、被吸着物質水溶液に多価のカチオン原子、若しくは銀イオンより原子番号の大きいカチオン原子が共存した場合、それらのイオンと銀イオンとが再交換され、銀の溶出が起こるため、水中での使用ができないという問題があった。
一方、ゼオライトに還元銀を添着した吸着材は、水中で使用した場合の銀の溶出を防止することはできるが、ヨウ素の吸着量が少ないといった問題があった。
また、特許文献2では、硝酸銀水溶液中にゼオライトを分散させ、銀イオンとゼオライト中の陽イオン(ナトリウム、カリウム等)を交換して得られる銀担持ゼオライトは、被吸着物質水溶液に多価のカチオン原子、若しくは銀イオンより原子番号の大きいカチオン原子が共存した場合、それらのイオンと銀イオンとが再交換され、銀の溶出が起こるため、水中での使用ができないという問題があった。
一方、ゼオライトに還元銀を添着した吸着材は、水中で使用した場合の銀の溶出を防止することはできるが、ヨウ素の吸着量が少ないといった問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、水中で使用することができ、ヨウ素の吸着量が良好であるとともに銀の溶出を抑制することができるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ゼオライトに塩化銀を担持させた吸着材が、水中での利用を可能とし、ヨウ素の吸着量が良好であるとともに銀の溶出を抑制することができることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]ゼオライトに塩化銀を担持させたヨウ素吸着材。
[2]ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたヨウ素吸着材。
[3]銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程(1)と、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程(2)を含むヨウ素吸着材の製造方法。
[1]ゼオライトに塩化銀を担持させたヨウ素吸着材。
[2]ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたヨウ素吸着材。
[3]銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程(1)と、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程(2)を含むヨウ素吸着材の製造方法。
本発明によれば、水中で使用した場合でも銀の溶出がなく、安定したヨウ素吸着を行うことができるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供することができる。
まず、本発明のヨウ素吸着材について説明する。
[ヨウ素吸着材]
本発明のヨウ素吸着材は、ゼオライトに塩化銀を担持させたものである。
また、本発明のヨウ素吸着材は、ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に、塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたものともいえる。
[ヨウ素吸着材]
本発明のヨウ素吸着材は、ゼオライトに塩化銀を担持させたものである。
また、本発明のヨウ素吸着材は、ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に、塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたものともいえる。
本発明で用いるゼオライトとしては、例えば、アナルシン、チャバサイト、クリノプチロライト、エリオナイト、フォジャサイト、モルデナイト、フィリップサイト等の天然ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト等の人工ゼオライト等が挙げられる。中でも、吸着性能、強度のバランスの観点から、A型、X型ゼオライトが好ましい。
ゼオライトの強度と吸着性能のバランスから、ゼオライトのBET比表面積は、好ましくは100〜1000m2/gであり、より好ましくは200〜800m2/gであり、更に好ましくは300〜600m2/gである。BET比表面積は、気体吸着法により測定することができる。
また、ゼオライトの平均粒径は、カラム内での処理速度、処理効率の観点から、好ましくは10〜3000μmであり、より好ましくは50〜2500μmであり、更に好ましくは100〜2000μmである。
なお、ゼオライトの平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めた。
これらは、2種以上混合して用いることができる。
また、ゼオライトの平均粒径は、カラム内での処理速度、処理効率の観点から、好ましくは10〜3000μmであり、より好ましくは50〜2500μmであり、更に好ましくは100〜2000μmである。
なお、ゼオライトの平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めた。
これらは、2種以上混合して用いることができる。
ゼオライトに担持された塩化銀は、例えば、ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子の銀を塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの水溶性塩化物により塩化処理することで得られる。
塩化銀はゼオライト表面全体に担持されていても良いし、一部に担持されていても良い。
塩化銀はゼオライト表面全体に担持されていても良いし、一部に担持されていても良い。
また、本発明のヨウ素吸着材に含まれる塩化銀の含有量は、該ヨウ素吸着材の総質量に対して、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。0.1質量%以上とすることで、ヨウ素の吸着量を増やすことができる。50質量%以下とすることで、余分なイオンの混入を抑え、また、担体のマクロ孔及びミクロ孔が埋まることによる比表面積の低下を防ぐことができ、ヨウ素吸着量を増やすことができる。
なお、本発明のヨウ素吸着材に含まれる塩化銀の含有量は、EDX(エネルギー分散型X線分光法)により確認することができる。
なお、本発明のヨウ素吸着材に含まれる塩化銀の含有量は、EDX(エネルギー分散型X線分光法)により確認することができる。
[ヨウ素吸着材の製造方法]
次に、前述するヨウ素吸着材の製造方法について説明する。
本発明のヨウ素吸着材の製造方法は、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程(1)と、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程(2)を含む。
以下、各工程について詳しく説明する。
次に、前述するヨウ素吸着材の製造方法について説明する。
本発明のヨウ素吸着材の製造方法は、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程(1)と、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程(2)を含む。
以下、各工程について詳しく説明する。
(工程(1))
本工程は、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程である。
本工程においては、まず、ゼオライトと銀化合物水溶液を準備する。
ゼオライトは、上記[ヨウ素吸着材]の項で説明したものを用いることができる。
銀化合物水溶液は、銀化合物を水に溶解させ、調製する。銀化合物としては、水溶性であれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀などが挙げられる。中でも、溶解度の観点から、硝酸銀を用いることが好ましい。
なお、これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、銀化合物を溶解させる水は、特に限定されず、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水などを用いることができる。
本工程は、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程である。
本工程においては、まず、ゼオライトと銀化合物水溶液を準備する。
ゼオライトは、上記[ヨウ素吸着材]の項で説明したものを用いることができる。
銀化合物水溶液は、銀化合物を水に溶解させ、調製する。銀化合物としては、水溶性であれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀などが挙げられる。中でも、溶解度の観点から、硝酸銀を用いることが好ましい。
なお、これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、銀化合物を溶解させる水は、特に限定されず、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水などを用いることができる。
銀化合物水溶液の固形分濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。0.1質量%以上とすることで、イオン交換に要する時間を抑えることができる。50質量%以下とすることで、ゼオライトと銀化合物水溶液の量比が最適となり、ゼオライトに銀を均一に担持させることができる。
担持方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させて、ゼオライト中のナトリウムイオン等のカチオンと銀イオンとをイオン交換する方法や、ゼオライトに銀化合物水溶液を吹き付ける方法が挙げられる。
次に、銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させる。これにより、ゼオライト中に含まれるナトリウムイオン等のカチオンと水溶液中に含まれる銀イオンとがイオン交換され、該ゼオライトに銀が担持された銀‐ゼオライト粒子を得ることができる。
上記イオン交換に要する反応時間は、ゼオライトに担持させる銀の量により適宜調製すれば良いが、好ましくは30分〜6時間であり、より好ましくは1〜4時間であり、更に好ましくは2〜3時間である。
上記イオン交換に要する反応時間は、ゼオライトに担持させる銀の量により適宜調製すれば良いが、好ましくは30分〜6時間であり、より好ましくは1〜4時間であり、更に好ましくは2〜3時間である。
イオン交換反応後の反応物を水系の洗浄液で洗浄し、必要に応じて乾燥する。
洗浄方法としては、公知の洗浄方法を採用することができ、例えば、固液分離後に固相に水シャワー処理をする、固液分離後に固相を再度水分散させるリスラリーなどが挙げられる。洗浄は、ろ液から銀イオンが認められなくなるまで行うことが望ましい。
乾燥処理は、乾燥機により、通常、室温(25℃)〜80℃の範囲で、1〜24時間で行う。
なお、原子吸光度法、TBF比色法などにより、銀イオンの検出を行うことができる。
洗浄方法としては、公知の洗浄方法を採用することができ、例えば、固液分離後に固相に水シャワー処理をする、固液分離後に固相を再度水分散させるリスラリーなどが挙げられる。洗浄は、ろ液から銀イオンが認められなくなるまで行うことが望ましい。
乾燥処理は、乾燥機により、通常、室温(25℃)〜80℃の範囲で、1〜24時間で行う。
なお、原子吸光度法、TBF比色法などにより、銀イオンの検出を行うことができる。
銀‐ゼオライト粒子は、ゼオライト表面全体に銀が担持されていても良いし、一部に担持されていても良い。
銀‐ゼオライト粒子中の銀の含有量は、該粒子の総質量に対して、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。0.1質量%以上とすることで、ヨウ素の吸着量を増やすことができる。50質量%以下とすることで、余分なイオンの混入を抑え、また、担体のマクロ孔及びミクロ孔が埋まることによる比表面積の低下を防ぐことができ、ヨウ素吸着量を増やすことができる
銀‐ゼオライト粒子中の銀の含有量は、該粒子の総質量に対して、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%である。0.1質量%以上とすることで、ヨウ素の吸着量を増やすことができる。50質量%以下とすることで、余分なイオンの混入を抑え、また、担体のマクロ孔及びミクロ孔が埋まることによる比表面積の低下を防ぐことができ、ヨウ素吸着量を増やすことができる
(工程(2))
本工程は、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程である。
塩化処理の方法としては、塩化物を含む水溶液中に銀‐ゼオライト粒子を分散させ、該粒子中の銀と水溶液中に遊離した塩化物イオンとを反応させて、該粒子中の銀を塩化銀とする方法が挙げられる。
本工程は、前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程である。
塩化処理の方法としては、塩化物を含む水溶液中に銀‐ゼオライト粒子を分散させ、該粒子中の銀と水溶液中に遊離した塩化物イオンとを反応させて、該粒子中の銀を塩化銀とする方法が挙げられる。
塩化処理に用いられる塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの水溶性塩化物が挙げられる。銀の溶出を抑制するために、塩化ナトリウム、塩化カリウムを用いることが好ましく、これらを含む水溶液を用いて塩化処理することが好ましい。また、塩化物を含む水溶液は、飽和溶液以下の濃度で使用することが好ましく、その濃度は、銀‐ゼオライト粒子の分散性の観点から、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは3〜5質量%である。
また、銀‐ゼオライト粒子中に含有される銀(mol換算)に対する塩化物の量は、好ましくは50〜110mol%であり、より好ましくは60〜105mol%であり、更に好ましくは80〜105mol%である。50mol%以上とすることで、銀の溶出を抑制し、ヨウ素の吸着量を増やすことができる。110mol%以下とすることで、余分なイオンの混入を抑え、また、ゼオライトのマクロ孔及びミクロ孔が埋まることによる比表面積の低下を防ぐことができ、ヨウ素吸着量を増やすことができる。
塩化処理後の反応物を水系の洗浄液で洗浄し、必要に応じて乾燥させる。
洗浄方法は上述の公知の方法を採用することができる。また、乾燥温度及び乾燥時間は、上述の範囲で行うことができる。
洗浄方法は上述の公知の方法を採用することができる。また、乾燥温度及び乾燥時間は、上述の範囲で行うことができる。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種評価は次のようにして実施した。
[銀‐ゼオライト粒子中の銀含有量の確認試験]
SEM(走査型電子顕微鏡)((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いて、銀‐ゼオライト粒子の表面写真を撮影した。また、該粒子の表面及び断面をエネルギー分散型X線分光器((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素分析を行い、該粒子の銀含有量を測定した。結果を第1表に示す。
SEM(走査型電子顕微鏡)((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いて、銀‐ゼオライト粒子の表面写真を撮影した。また、該粒子の表面及び断面をエネルギー分散型X線分光器((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素分析を行い、該粒子の銀含有量を測定した。結果を第1表に示す。
[銀‐ゼオライト粒子の塩化処理確認試験]
SEM(走査型電子顕微鏡)((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いて、銀‐ゼオライト粒子を塩化処理して製造したヨウ素吸着材の表面写真を撮影し、及び、元素分析を行い、該ヨウ素吸着材に含まれるハロゲン(Cl)量を測定した。結果を第1表に示す。
SEM(走査型電子顕微鏡)((株)日立ハイテクノロジーズ製、S−3400(商品名))を用いて、銀‐ゼオライト粒子を塩化処理して製造したヨウ素吸着材の表面写真を撮影し、及び、元素分析を行い、該ヨウ素吸着材に含まれるハロゲン(Cl)量を測定した。結果を第1表に示す。
[ヨウ素吸着試験]
あらかじめヨウ素カリウム653ppm(ヨウ素500ppm)と、妨害イオンとして500ppmの塩化ナトリウムとの混合試験液を調整した。試験管にヨウ素吸着材50mg、及び上記で調製した試験液50mlを混合し、卓上小型振とう機を用いて60rpmで1時間、24時間、及び168時間、振とうした。その後、穴径0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離を行い、液中のヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス(株)製、Dionex ICS−90)により測定した。試験液中に含まれる最初のヨウ素濃度とイオンクロマトグラフィーで測定した液中のヨウ素イオン濃度の差からヨウ素吸着量を算出し、その結果を第1表に示す。
あらかじめヨウ素カリウム653ppm(ヨウ素500ppm)と、妨害イオンとして500ppmの塩化ナトリウムとの混合試験液を調整した。試験管にヨウ素吸着材50mg、及び上記で調製した試験液50mlを混合し、卓上小型振とう機を用いて60rpmで1時間、24時間、及び168時間、振とうした。その後、穴径0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離を行い、液中のヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス(株)製、Dionex ICS−90)により測定した。試験液中に含まれる最初のヨウ素濃度とイオンクロマトグラフィーで測定した液中のヨウ素イオン濃度の差からヨウ素吸着量を算出し、その結果を第1表に示す。
[銀溶出確認試験]
あらかじめ人工海水((株)カイスイマレン、人工海水マリンソルト)25L用1袋を純水25Lに溶解し、人工海水25000mlを調製した。蓋付き容器にヨウ素吸着材10mgと、上記で調製した人工海水20mlを混合し、卓上小型振とう機(アズワン製、ロータリーミキサー(商品名))を用いて60rpmで24時間振とうした。該容器の上澄みをデカンテーションにより分離し、簡易水質検査キット((株)共立理化学研究所、パックテスト)を用いて、TBF比色法により溶出した銀イオンの濃度を測定した。結果を第1表に示す。
あらかじめ人工海水((株)カイスイマレン、人工海水マリンソルト)25L用1袋を純水25Lに溶解し、人工海水25000mlを調製した。蓋付き容器にヨウ素吸着材10mgと、上記で調製した人工海水20mlを混合し、卓上小型振とう機(アズワン製、ロータリーミキサー(商品名))を用いて60rpmで24時間振とうした。該容器の上澄みをデカンテーションにより分離し、簡易水質検査キット((株)共立理化学研究所、パックテスト)を用いて、TBF比色法により溶出した銀イオンの濃度を測定した。結果を第1表に示す。
(実施例1)
[銀‐ゼオライト粒子の製造]
純水450gの入ったビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)50gを溶解させ、濃度10質量%の硝酸銀水溶液を調製した。該硝酸銀水溶液に、15質量%の水を含水させたゼオライト(ジョンソン・マッセイ、Alfa Aecer、球状ゼオライト)117.65g(固形分換算100g)を投入し、常温下で2時間攪拌し、ゼオライトに銀を担持させた。2時間静置した後、固液分離を行い、固相を純水で銀イオンが検出されなくなるまで洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、銀‐ゼオライト粒子を得た。
得られた銀‐ゼオライト粒子を用いて、上記の銀含有量確認試験を行った。
[銀‐ゼオライト粒子の製造]
純水450gの入ったビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)50gを溶解させ、濃度10質量%の硝酸銀水溶液を調製した。該硝酸銀水溶液に、15質量%の水を含水させたゼオライト(ジョンソン・マッセイ、Alfa Aecer、球状ゼオライト)117.65g(固形分換算100g)を投入し、常温下で2時間攪拌し、ゼオライトに銀を担持させた。2時間静置した後、固液分離を行い、固相を純水で銀イオンが検出されなくなるまで洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、銀‐ゼオライト粒子を得た。
得られた銀‐ゼオライト粒子を用いて、上記の銀含有量確認試験を行った。
[ヨウ素吸着材の製造]
純水533.5gの入ったビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)16.5gを溶解させ、濃度3質量%の塩化ナトリウム水溶液(塩化ナトリウムのmol数;0.28mol)を調製した。該塩化ナトリウム水溶液に、上記の銀‐ゼオライト粒子130.2g(該粒子中の銀のmol数;0.28mol)を投入し、常温下で2時間攪拌し、該粒子中の銀を塩化した。2時間静置した後、固液分離を行い、廃液のpH値が7になるまで固相を純水で洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、ヨウ素吸剤を得た。
得られたヨウ素吸着材を用いて、上記の各種評価を行った。
純水533.5gの入ったビーカーに塩化ナトリウム(和光純薬工業(株)製)16.5gを溶解させ、濃度3質量%の塩化ナトリウム水溶液(塩化ナトリウムのmol数;0.28mol)を調製した。該塩化ナトリウム水溶液に、上記の銀‐ゼオライト粒子130.2g(該粒子中の銀のmol数;0.28mol)を投入し、常温下で2時間攪拌し、該粒子中の銀を塩化した。2時間静置した後、固液分離を行い、廃液のpH値が7になるまで固相を純水で洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、ヨウ素吸剤を得た。
得られたヨウ素吸着材を用いて、上記の各種評価を行った。
(実施例2)
濃度3質量%の塩化ナトリウムの代わりに濃度5質量%の塩化カリウムを用いた以外は実施例1と同様にして、ヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
濃度3質量%の塩化ナトリウムの代わりに濃度5質量%の塩化カリウムを用いた以外は実施例1と同様にして、ヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
(実施例3)
硝酸銀を30gに変更し、塩化ナトリウム水溶液の濃度を10質量%とした以外は実施例1と同様にして、ヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
硝酸銀を30gに変更し、塩化ナトリウム水溶液の濃度を10質量%とした以外は実施例1と同様にして、ヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
(比較例1)
[銀‐ゼオライト粒子の製造]
純水450gの入ったビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)50gを溶解させ、濃度10質量%の硝酸銀水溶液を調製した。該硝酸銀水溶液に、15質量%の水を含水させたゼオライト(ジョンソン・マッセイ、Alfa Aecer、球状ゼオライト)117.65g(固形分換算100g)を投入し、常温下で2時間攪拌し、ゼオライトに銀を担持させた。2時間静置した後、固液分離を行い、固相を純水で銀イオンが検出されなくなるまで洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、銀‐ゼオライト粒子を得た。
得られた銀‐ゼオライト粒子を用いて、上記の各種評価を行った。
[銀‐ゼオライト粒子の製造]
純水450gの入ったビーカーに硝酸銀(和光純薬工業(株)製)50gを溶解させ、濃度10質量%の硝酸銀水溶液を調製した。該硝酸銀水溶液に、15質量%の水を含水させたゼオライト(ジョンソン・マッセイ、Alfa Aecer、球状ゼオライト)117.65g(固形分換算100g)を投入し、常温下で2時間攪拌し、ゼオライトに銀を担持させた。2時間静置した後、固液分離を行い、固相を純水で銀イオンが検出されなくなるまで洗浄した。更に、40℃の温風乾燥機で乾燥し、銀‐ゼオライト粒子を得た。
得られた銀‐ゼオライト粒子を用いて、上記の各種評価を行った。
表1から明らかなように、本発明のゼオライトに塩化銀を担持させたヨウ素吸着材では、銀の溶出はなかった(実施例1〜3)。一方、塩化処理されていないゼオライトに銀を担持させたヨウ素吸着材では、銀の溶出が確認された(比較例1)。
本発明のヨウ素吸着材は、水中で使用した場合でも銀の溶出がなく、安定したヨウ素吸着を行うことができるため、海水中からのヨウ素回収、油田かん水、工業排水中からのヨウ素回収、特に核施設から流出する放射性ヨウ素の回収に用いることができる。
Claims (3)
- ゼオライトに塩化銀を担持させたヨウ素吸着材。
- ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子に、塩化処理を行い、該銀‐ゼオライト粒子中の銀を塩化銀にしたヨウ素吸着材。
- 銀化合物水溶液中にゼオライトを分散させ、該ゼオライトに銀を担持させた銀‐ゼオライト粒子を得る工程(1)と、
前記銀‐ゼオライト粒子を塩化処理し、該粒子中の銀を塩化銀とする工程(2)を含むヨウ素吸着材の製造方法。
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