JP2017089417A - 燃料噴射装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
燃料噴射装置の流量特性のばらつきを改善することを目的とする。
【解決手段】
複数の燃料噴射弁のそれぞれのソレノイドに対して駆動電圧をかけて駆動電流を流すことで制御する燃料噴射弁の制御装置において、閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)として、0より大きい所定周波数f0においてゲイン0となり、f0が1/(Tb2−Tb1)よりも小さく設定されたフィルタにより閉弁後の駆動電圧のフィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い第1の燃料噴射弁に対して前記フィルタリング処理を行う前に送っていた駆動パルスよりも長い駆動パルスを送ることで前記第1の燃料噴射弁を開弁するように制御する駆動電流制御部を備えた。
【選択図】 図13
Description
閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)として、0より大きい所定周波数f0においてゲイン0となり、f0が1/(Tb2−Tb1)よりも小さく設定されたフィルタにより閉弁後の駆動電圧のフィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い第1の燃料噴射弁に対して前記フィルタリング処理を行う前に送っていた駆動パルスよりも長い駆動パルスを送ることで前記第1の燃料噴射弁を開弁するように制御する駆動電流制御部を備えたこと」を特徴とする。
これにより、弁体204とアンカ205がコア202にくっついている状態を保持する。
また、このとき、シャント抵抗304に生じる電圧からソレノイド203に流れる電流を計測し、この電流値が、設定値メモリ323に記憶されている値Ihになるように、スイッチ302をON−OFFする。
すると、電流は急速に減衰し、磁気吸引力は減衰し、弁体204とアンカ205はセットスプリング207力に押されて弁座206方向へ移動を開始する。またこのとき、電流が減衰する間、電流がコンデンサ309に流れるので、ソレノイド203には逆電圧がかかり、電流が0に収束すると徐々に電圧は0に近づく。
時刻t8までは、アンカ205には弁体204を通してセットスプリング207力と燃圧の力がかかっていたが、時刻t8以降は、アンカ205と弁体204が離れることにより、これらの力はかからなくなる。そのため、アンカ205の加速度は急激に減少する。アンカ205の加速度が変化すると、アンカ205の動きによりソレノイド203に発生する逆起電力が変化し、ソレノイド203の電圧に変曲点が発生する。
さらに、駆動パルスTiを打ち切ると、スプリング力の最も強いINJ Aが最も早く時刻Tb1aで弁体が弁座に到達し、スプリング力が最も弱いINJ Cが最も遅く時刻Tb1cで弁体が弁座に到達する。このように、スプリング力によって弁挙動は異なり、その結果、図8の下図のように流量特性も異なる。また、この場合のINJの組み合わせなら、弁体が弁座に到達する時刻Tb1a、Tb1b、Tb1cからスプリング力の大小がわかる。
図9を用いてスプリング力の大小を調べる手順を説明する。スプリング力によって、図9上図のように弁挙動が異なるとき、これらに対応したソレノイドの電圧は図9の中図のようになる。図に示すように、各燃料噴射装置で弁体が弁座に到達したタイミングTb1と、そこからさらにアンカが慣性で移動してストッパに衝突したタイミングTb2にて、電圧に変曲点が現れる。この電圧を、例えば2階微分のような変化を強調するフィルタに入力すると、その出力は図9の下図のようになり、Tb1とTb2に対応して2つのピークが現れる。この図に示すように、フィルタ出力の最初のピークTb1a、Tb1b、Tb1cが、閉弁完了のタイミングに相当し、この閉弁完了タイミングからセットスプリング力の大小が推定できる。
開弁開始から閉弁完了までの時間のばらつきが低減されることで、燃料噴射量のばらつきも低減される。これまでは、駆動パルス幅を調節して、図5の領域a、cについて流量特性を揃える方法について述べたが、ここでは領域bについても、燃料噴射装置内の弁体のバウンド特性を揃えることで、流量特性を揃えることを狙う。そのために、以下のように、実施例1〜3の駆動電流を補正する手段は、検知されたTb0が早い燃料噴射装置については、昇圧電圧印加時間Tpを長く、昇圧電圧印加を打ち切ってから保持電流保持までの時間を短く保持電流値Ihを大きく補正してもよい。
[Tp補正手段の追加]
実施例1〜3のピーク抽出手段で抽出されたピークタイミングTb0が標準(設定値)より大きいなら、図15上図に示すように、設定値メモリ321のTpの値をTp’へ小さくし、Tb0が標準より小さいならTpの値をTp’’へ大きくする。すると、ピーク電流による弁リフトが図15の中図のように揃う。これにより、流量特性は図15の下図のようになり、流量特性の平坦部がそろうことで図8にくらべれば流量特性がそろってくる。さらにThを個々の燃料噴射装置について補正すれば、なお、流量特性はそろってくることを、以下説明する。
図16の上図に示すように、ピーク抽出手段が出力するTb0の遅い燃料噴射装置、すなわち、スプリング力の弱い燃料噴射装置では、Th=Tp+T2を遅いTh’にすることで、磁気吸引力のたちあがりを遅くし、弁リフトが再び上昇に転じるタイミングを遅くする。また、Tb0のはやい燃料噴射装置、すなわち、スプリング力の強い燃料噴射装置では、Thを早いTh”にすることで、時期吸引力の立ち上がりを早くし、弁リフトが再び上昇に転じるタイミングを早くする。
そこで、図17の上図のように、ピーク抽出手段が出力するTb0の早い燃料噴射装置、すなわち、スプリング力の大きい燃料噴射装置aのIhは大きな値Ih”に補正し、Tb0の遅い燃料噴射装置、すなわち、スプリング力の小さい燃料噴射装置cのIhは小さな値Ih’に補正し、設定値メモリ323に書き込む。
すると、フラット部の終端からフルリフトに至るまでの、弁リフトが上昇する速度が図17の中図のように揃う。また、このときの流量特性は図17の下図のようになり、傾きがそろう。
102 エアフローセンサ
103 スロットル
104 コレクタ
105 吸気ポート
106 シリンダ
111 燃料タンク
112 低圧ポンプ
113 低圧配管
114 高圧ポンプ
115 高圧配管
116 燃料噴射装置
121 点火プラグ
122 ピストン
123 コネクティングロッド
201 ハウジング
202 コア
203 ソレノイド
204 弁体
205 アンカ
206 弁座
207 セットスプリング
208 スプリングアジャスタ
209 噴孔
301 スイッチ
302 スイッチ
303 スイッチ
304 シャント抵抗
305 ダイオード
306 ダイオード
307 ダイオード
308 ダイオード
309 コンデンサ
310 昇圧回路
311 バッテリ
312 駆動電流制御部
321 設定値メモリ
322 設定値メモリ
323 設定値メモリ
341 補正手段
342 補正手段
343 補正手段
331 微分手段
332 微分手段
333 ピーク探索手段
334 ピーク探索手段
Claims (11)
- 複数の燃料噴射弁のそれぞれのソレノイドに対して駆動電圧をかけて駆動電流を流すことで制御する燃料噴射弁の制御装置において、
閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)として、0より大きい所定周波数f0においてゲイン0となり、f0が1/(Tb2−Tb1)よりも小さく設定されたフィルタにより閉弁後の駆動電圧のフィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い第1の燃料噴射弁に対して前記フィルタリング処理を行う前に送っていた駆動パルスよりも長い駆動パルスを送ることで前記第1の燃料噴射弁を開弁するように制御する駆動電流制御部を備えたことを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記駆動電流制御部は、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも遅い第2の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前に送っていた駆動パルスよりも短い駆動パルスを送ることで第2の燃料噴射弁を開弁するように制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記ピーク電流に至るまでの時間は、前記ピーク電流がゼロから立ち上がる時間からピーク電流に至るまでの時間で定義されることを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記駆動電流制御部は、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い前記第1の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前の昇圧電圧印加時間よりも長い時間、昇圧電圧を印加することで前記第1の燃料噴射弁を開弁するように制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記駆動電流制御部は、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも遅い第2の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前の昇圧電圧印加時間よりも長い時間、昇圧電圧を印加することで前記第2の燃料噴射弁を開弁するように制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 複数の燃料噴射弁のそれぞれのソレノイドに対して駆動電圧をかけて駆動電流を流すことで制御する燃料噴射弁の制御装置において、
閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)として、0より大きい所定周波数f0においてゲイン0となり、f0が1/(Tb2−Tb1)よりも小さく設定されたフィルタにより閉弁後の駆動電圧のフィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い第1の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前のピーク電流を遮断してから保持電流を立ち上げるまでの時間Thよりも短い時間Th’’でピーク電流を遮断してから保持電流を立ち上げることで前記第1の燃料噴射弁のリフト量を制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項6に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記駆動電流制御部は、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも遅い第2の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前のピーク電流を遮断してから保持電流を立ち上げるまでの時間Thよりも長い時間Th’でピーク電流を遮断してから保持電流を立ち上げることで前記第2の燃料噴射弁のリフト量を制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 複数の燃料噴射弁のそれぞれのソレノイドに対して駆動電圧をかけて駆動電流を流すことで制御する燃料噴射弁の制御装置において、
閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)として、0より大きい所定周波数f0においてゲイン0となり、f0が1/(Tb2−Tb1)よりも小さく設定されたフィルタにより閉弁後の駆動電圧のフィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも早い第1の燃料噴射弁に対して、前記フィルタリング処理を行う前の保持電流Ihよりも大きい保持電流Ih’’をピーク電流を遮断した後に流すことで前記第1の燃料噴射弁のリフト量を制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項8に記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタリング処理を行った場合で、かつ同一燃料を吐出する場合に、
前記駆動電流制御部は、前記フィルタリング処理の出力のピーク時刻が他の燃料噴射弁よりも遅い第2の燃料噴射弁(INJ C)に対して、前記フィルタリング処理を行う前の保持電流Ihよりも小さい保持電流Ih’をピーク電流を遮断した後に流すことで前記第2の燃料噴射弁のリフト量を制御することを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1、6、8の何れかに記載の燃料噴射弁の制御装置において、
閉弁後のソレノイドの駆動電圧に現れる2つの変曲点の時間差を(Tb2−Tb1)としたときに、前記フィルタのゲインは、周波数0でゲイン0で、周波数0からある周波数fpまでゲインが単調に増加し、周波数fpからゲインが減少に転じ、0より大きく周波数1/(Tb2−Tb1)より低い周波数で再び0になるように設定されることを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。 - 請求項1、6、8の何れかに記載の燃料噴射弁の制御装置において、
前記フィルタは、周波数1/ΔTより低い周波数でゲインが0に減衰するローパスフィルタと、2つの差分手段を直列に並べて構成されることを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。
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