JP2017088935A - 真空処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理対象物に付着した付着物を容易に除去することができる真空処理装置を提供することである。【解決手段】 実施の形態の真空処理装置1は、 真空処理スペース12を有し、大気圧よりも減圧された雰囲気に減圧可能なメインチャンバ2と、前記メインチャンバ2に接続されたロードロックスペース13と、成膜対象物7を前記メインチャンバ2と前記ロードロックスペース13との間で搬送する回転テーブル5と、ロードロック室と真空容器の外部に配置された投入部41との間で成膜対象物7を搬送する外部搬送機構30を備え、成膜対象物7は、成膜対象物7を保持するホルダ8に保持された状態で、前記外部搬送機構30によって搬送される真空処理装置1において、前記外部搬送機構30は、搬送時に前記成膜対象物7にガスを吹きつけるガス吹き付け部35を備えたことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明の実施の形態は真空処理装置に関する。
近年、眼鏡、レンズ、特定の波長の光を遮断するフィルター等に用いられる光学薄膜または自動車の部品、腕時計等に用いられる装飾膜を成膜する装置としてスパッタリング装置が用いられる。(例えば特許文献1参照。)
光学レンズや自動車部品等のように、成膜対象物が凹凸のある立体形状の場合、ホルダに成膜対象物を載置して搬送するのが一般的である。
ホルダは、例えば、底部を有した筒状の形状をしており、底の部分で成膜対象物を保持することができる。
スパッタリング装置では、成膜処理時に、上述のホルダにも成膜する膜が付着する。この付着した膜は、大気に暴露されると水分を吸着し、膜応力変化を起こす。
ところで、ホルダは、ある程度の期間、または、回数、繰り返して使用される。そのため、上述の膜応力を持つ膜の上に膜応力を持つ別の膜が積層されていく。この結果、ホルダに付着された膜は、積層されるに伴い膜応力が増加し、ついには、ホルダ内側面および底部から剥がれる。
このようなホルダから剥がれた膜(以後、「剥がれた膜」と呼ぶ。)が、搬送中に成膜対象物上に落下し付着する。または、ホルダの底部に落下した剥がれた膜が、搬送動作により発生した気流のために舞い上がり、成膜対象物上へと付着する。成膜対象物上へ付着した剥がれた膜は、付着物となる。付着物が、成膜対象物上に付着したまま成膜処理を行うと、歩留まりを低下させるという問題がある。
特開2002−256428号公報
本発明が解決しようとする課題は、処理対象物に付着した付着物を容易に除去することができる真空処理装置を提供することである。
本発明に係る真空処理装置の実施の形態は、処理対象物に真空処理が行なわれる真空処理室を有し、大気圧よりも減圧された雰囲気に減圧可能な真空容器と、
前記真空容器に接続され、前記真空容器とは独立して減圧可能なロードロック室と、
前記処理対象物を前記真空処理室と前記ロードロック室との間で搬送する搬送機構と、
前記真空処理室に配置され、前記処理対象物に対して真空処理を施す真空処理源と、
前記ロードロック室と真空容器の外部に配置された投入部との間で前記処理対象物を搬送する外部搬送機構とを備え、
前記処理対象物は、前記処理対象物を保持する処理対象物保持部に保持された状態で、前記搬送機構および前記外部搬送機構によって搬送される真空処理装置において、
前記外部搬送機構は、搬送時に前記処理対象物にガスを吹きつけるガス吹き付け部を備えたことを特徴とする真空処理装置である。
本発明に係る真空処理装置の全体図である。 本発明に係る搬送装置の断面図である。 第1の実施の形態の真空蓋の拡大図であり、(a)は、真空蓋の正面図であり、(b)は、X−X断面の断面図である。 第1の実施の形態における真空蓋に設けた放電電極を模式的に示した底面図である。 本発明に係る搬送装置の第2の実施の形態における真空蓋の正面図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る真空処理装置の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態において、真空処理装置は、具体的には、枚葉式マグネトロンスパッタリング装置である。
本実施の形態の真空処理装置1は、図1に示すように、真空容器としてのメインチャンバ2を有する。メインチャンバ2は、平面視で略円形であり、本体2aと本体2aの上に配置され、本体2aを気密に閉塞する上壁部2bとで構成される。メインチャンバ2の内部空間Sは図示しない真空排気系により真空排気される。
そして、メインチャンバ2の内部空間Sの中央には、メインチャンバ2の底壁を貫通して垂直に延在する回転軸3が設けられる。この回転軸3の下端は、メインチャンバ2の下面に固定されたモータ(不図示)と連結され、回転軸3の上端は、平面視で円板状の回転テーブル5の中心と連結される。回転テーブル5には、複数の円形開口5aが形成されている。この複数の円形開口5aは、回転軸3を中心とした同一円周上に配置される。
回転テーブル5は、搬送機構として機能する。
本実施の形態では、円形開口5aは、2つである。それぞれの円形開口5aは、回転テーブル5の回転中心に対して点対称の位置に配置される。
回転テーブル5上における各円形開口5aに対応する位置には、円形開口5aよりも大きな直径の底部を有する円筒状のワークチャンバ6がそれぞれ支持される。ワークチャンバ6には、上部開口6aと下部開口6bとがそれぞれ設けられている。ワークチャンバ6の内壁には、スパッタ粒子が付着するのを防ぐリフレクタ(不図示)が配置されている。
処理対象物としての成膜対象物7は、処理対象物保持部としてのホルダ8に載置された状態でメインチャンバ2の内部へ供給される。したがって、図1でワークチャンバ6に保持される成膜対象物7は、ホルダ8に載置された状態でワークチャンバ6に保持される。
ホルダ8は、図3に示すように、平面視で円板状の底部8aと、この底部8aの上面の外周部に設けられた受け部8bとを有する。受け部8bは、四角柱であり、その自由端部には、開口部8cが設けられている。本実施の形態では、受け部8bは、3つであり、底部8aの上面の外周部に等間隔(ここでは、120°間隔)で配置される。
また、ホルダ8は、底部8a上面に4つの円柱状の保護部材8dを有する。
保護部材8dは、成膜対象物7を囲むように、成膜対象物7の側面に接する位置にそれぞれ配置されている。保護部材8dの高さは、成膜対象物7の側面の上端の高さと比べて低いことが好ましい。これは、保護部材8dが成膜対象物7の側面よりも高いと、保護部材8dがスパッタ粒子を遮蔽してしまい、遮蔽された部分に膜を形成することができないためである。
この保護部材8dにより、ホルダ8に対する成膜対象物7の位置決めおよび後述するガス吹きつけによる成膜対象物7の位置ずれを防止する。
また、メインチャンバ2には、回転軸3を挟んでプッシャ9,10が設けられる。プッシャ9,10の下端は、アクチュエータ(不図示)に接続されており、プッシャ9,10は、アクチュエータ(不図示)により昇降される。プッシャ9,10は、メインチャンバ2の底壁を貫通し、回転テーブル5の円形開口5aを通過して、ワークチャンバ6を支持した状態で内部空間S中を昇降する。下降状態のプッシャ9,10においては、その上面が、回転テーブル5の下面の高さ位置よりも下方に位置付けられるようになっている。
図1は、プッシャ9、10がそれぞれ上がった状態を示す。なお、図1に示されるように、プッシャ9とプッシャ10の上端位置は異なる。この点は、後述する。
一方、メインチャンバ2の上壁部2bには、真空処理用開口部2cとロードロック用開口部2dとが設けられている。真空処理用開口部2cとロードロック用開口部2dとは、回転テーブル5の円形開口5aが配置された同一円周上であり、回転テーブル5の回転中心に対して点対称の位置に形成されている。これにより、回転テーブル5の一方の円形開口5aが真空処理用開口部2cと対向する位置に回転移動すると、もう一方の円形開口5aがロードロック用開口部2dと対向する位置となる。
上述したプッシャ9、10のうち、プッシャ9は、真空処理用開口部2cの下方に位置し、プッシャ10は、ロードロック用開口部2dの下方に位置している。
また、上壁部2bの真空処理用開口部2c上には、円柱状の蓋部20が設けられる。
ワークチャンバ6がプッシャ9により上方に持ち上げられた状態において、真空処理用開口部2cとワークチャンバ6および蓋部20とで形成される空間は、成膜対象物7の真空処理を行う真空処理室としての真空処理スペース12となる。また、ワークチャンバ6がプッシャ10により上方に持ち上げられた状態において、ロードロック用開口部2dとワークチャンバ6と後述する真空蓋33とで形成される空間は、ロードロック室としてのロードロックスペース13となる。すなわち、メインチャンバ2は、真空処理室およびロードロック室を有する。
なお、プッシャ9によって最高上昇位置まで持ち上げられたワークチャンバ6の上部開口6aと真空処理用開口部2cの下側縁部との間には、数mmの間隔が設けられ、気密に閉塞はされない。これは、内部空間Sを真空排気する前述の真空排気系により真空処理スペース12を真空排気するためである。
真空処理用開口部2cの側壁には、メインチャンバ2の内壁へスパッタ粒子が付着するのを防ぐための概略円環形状のリフレクタ14が配置される。
蓋部20は、その外周部に鍔部20aを有する。蓋部20は、鍔部20aにて真空処理用開口部2cの上側縁部と接続され、真空処理用開口部2cを気密に閉塞する。
また、蓋部20は、真空処理源としてのスパッタ源21を備えている。
スパッタ源21は、ターゲット22と磁石(不図示)を備えている。スパッタ源21は、蓋部20を貫通して、その先端部が真空処理用開口部2cに対向するように、配置される。末端部は、蓋部20上方の装置外部に配置される。
ターゲット22は、成膜物質からなるディスク状の形状をしており、スパッタ源21の先端部に図示しないバッキングプレート等を介して固定される。ターゲット22の材質は、例えばAl、Agなどである。
メインチャンバ2の側壁部には、メインチャンバ2内にガスを導入するためのガス導入口(不図示)が設けられる。このガス導入口には、ガス導入管(不図示)が接続され、例えばアルゴン(Ar)ガス等の放電ガスが供給される。
なお、メインチャンバ2への放電ガスの導入量は、ガス導入管の途中に設けられたバルブを介してマスフローコントローラで制御することにより調整される。
ロードロック用開口部2d近傍のメインチャンバ2の側壁部に設けられた台座17上に外部搬送機構30が配置される。外部搬送機構30の詳細な構成については後ほど述べるが、外部搬送機構30には、2つの真空蓋33が設けられている。真空蓋33は、成膜対象物7が載置されたホルダ8を保持したり、この保持を解除したりする保持装置としての機能を備える。
ロードロック用開口部2dは、真空蓋33のうち、ロードロック用開口部2d上に位置付けられた真空蓋33によって、気密に閉塞される。
成膜対象物7が載置されたホルダ8を投入する投入部41が、メインチャンバ2に隣接して配置されている。
そこで、外部搬送機構30は、ロードロック用開口部2dの上に真空蓋33の一方が位置付けられたとき、他方の真空蓋33は、投入部41の上に位置付けられるように構成される。これにより、ホルダ8は、真空蓋33により投入部41から内部空間S中のワークチャンバ6へと供給される。
なおここで、投入部41は、ホルダ8を位置決めする位置決め部材(不図示)を有する。この位置決め部材(不図示)により、真空蓋33のチャック部33b(図3参照)がホルダ8の受け部8bに設けられた開口部8cを保持することができる。また、投入部41へのホルダ8の投入は、作業者が行っても良いし、ロボットなどにより自動で投入されても良い。
真空蓋33によってロードロック用開口部2dが閉じられたときには、ロードロックスペース13は、前述の真空排気系とは別の図示しない排気ポンプにより真空排気され、真空蓋33によってロードロック用開口部2dが開放されるときには、図示しない真空破壊弁によりロードロックスペース13は大気解放される。
また、メインチャンバ2の外部には、電源42と制御装置43が設けられる。電源42は、例えば直流電源であり、電力供給線44を介してスパッタ源21に電力を供給する。
制御装置43は、例えばマイクロプロセッサを含む回路装置であり、電源42のスパッタ源21への電力供給を制御する。制御装置43は、電源42の制御の他にも、モータやアクチュエータ、マスフローコントローラ、外部搬送機構30、バルブ等の動作も制御する。
次に、上述の真空処理装置1を用いた成膜処理について図を用いて説明する。
外部搬送機構30の搬送動作の詳細については後ほど述べるが、図1に示すように、成膜対象物7は、外部搬送機構30によりメインチャンバ2内に搬入される。そして、成膜対象物7がメインチャンバ2内に搬入されると、ロードロック用開口部2dは、真空蓋33により気密に閉塞される。
なお、成膜対象物7が、外部搬送機構30によりメインチャンバ2内に搬入される間、ワークチャンバ6は、プッシャ10により上方に持ち上げられている。これにより、ロードロック用開口部2dが開放されている状態でも、メインチャンバ2の内部空間Sを図示しない真空排気系が減圧状態に常に保つことができる。また、これにより、ロードロック用開口部2dが真空蓋33により気密に閉塞されると、ロードロックスペース13が直ちに形成される。
ロードロックスペース13は、図示しない排気ポンプによって減圧される。このとき、真空蓋33に保持されていたホルダ8は、成膜対象物7とともに、ワークチャンバ6内へ載置される。
ロードロックスペース13が十分減圧、好ましくは、メインチャンバ内の圧力まで減圧された後、プッシャ10は下降して、ホルダ8を載置したワークチャンバ6は、回転テーブル5により支持される。回転テーブル5によりワークチャンバ6が支持されたとき、プッシャ9も、下降状態とされている。
不図示のモータにより回転軸3が回転され、これにより回転テーブル5が水平面内で回転される。ロードロック用開口部2dに対向する位置にある、ホルダ8を支持したワークチャンバ6は、回転テーブル5の上に支持された状態で回転テーブル5の回転に伴い、円形の軌跡を移動し、真空処理用開口部2cに対向する位置に移動される。
ここで、プッシャ9が上昇され、プッシャ9によってワークチャンバ6(ホルダ8を載置している)は、持ち上げられる。前述したように、プッシャ9によって最高上昇位置まで持ち上げられたワークチャンバ6の上部開口6aと真空処理用開口部2cの下側縁部との間には、数mmの間隔が設けられる。この数mmの間隔を設けることで、真空処理スペース12は、図示しない真空排気系により減圧された状態に常に保たれる。
真空処理スペース12には、放電ガスとして、例えば、アルゴン(Ar)ガスがガス導入管およびガス導入口を介して導入される。ワークチャンバ6がプッシャ9によって最高上昇位置まで持ち上げられた後、真空処理スペース12内の圧力が所望の圧力(例えば、0.5〜1[Pa])に安定したところで、電源42をオンさせ、ターゲット22に電力を供給する。この電力の供給により、ターゲット22をカソード、真空処理スペース12の壁部をアノードとする放電が生じ、アルゴン(Ar)ガスが電離して真空処理スペース12内にプラズマが生起され、加速されたアルゴン(Ar)イオンによってターゲット22がスパッタされる。
スパッタされたターゲット22の構成原子は、成膜対象物7の成膜面に付着堆積され、成膜対象物7にターゲット材料の膜が形成される。このとき、ホルダ8にもターゲット材料が付着堆積される。しかも、ホルダ8は、成膜対象物7とは異なり、設定された使用回数、または、設定された期間、例えば、1週間、だけ繰り返して使用される。この結果、この使用期間だけターゲット材料は、ホルダ8に付着堆積することとなる。
成膜処理が終了すると、プッシャ9が下降され、ワークチャンバ6は、回転テーブル5上に戻される。次いで、回転テーブル5が回転され、処理を終えた成膜対象物7を保持したホルダ8は、ロードロック用開口部2dに対向する位置にワークチャンバ6ごと回転移動される。そして、ホルダ8を載置したワークチャンバ6は、プッシャ10により持ち上げられ、ロードロック用開口部2dの下側縁部に密着する。この後、ロードロックスペース13は、大気開放される。
大気解放後、外部搬送機構30は、真空蓋33の一方の下面に処理済みの成膜対象物7を保持したホルダ8を保持し、真空蓋33の他方の下面に処理前の成膜対象物7を保持したホルダ8(投入部41に投入されたホルダ8)を保持する。
この状態で、外部搬送機構30は、水平面内で回転され、これにより、処理済みの成膜対象物7がメインチャンバ2の外部に搬出されると共に、処理前の成膜対象物7がロードロック用開口部2dに臨む位置に移動される。ロードロック用開口部2dに臨む位置に移動された処理前の成膜対象物7に対しては、上述と同様の動作および処理が行われる。
以上のことが繰り返され、成膜対象物7は1枚ずつ次々と成膜処理される。
この成膜処理を繰り返し行っていると、ホルダ8に付着堆積した膜がホルダ8から剥がれ、搬送中の成膜対象物7上に付着することがある。
すなわち、ホルダ8は、成膜対象物7とは異なり、予め設定された使用回数だけ繰り返し使用される。そのため、ホルダ8には使用回数に応じた数だけ膜が積層されることとなる。
上述の減圧雰囲気下で堆積された膜は、大気に暴露されると水分を吸着して膜応力変化を起こす。ホルダ8が繰り返し使用されることで、この膜応力を持つ膜の上に膜応力を持つ膜がさらに積層されていくため、積層数の増加に伴い膜応力が増加し、ついには、ホルダ8から剥がれるということが生じる。このようにして、ホルダ8から剥がれた膜(以後、「剥がれた膜」と呼ぶ。)が成膜処理前、あるいは成膜処理後の成膜対象物7上に付着することがあり、このような場合、次のような不具合が生じる。なお、本明細書中では、ホルダ8から剥がれ、成膜対象物7に付着した膜を「付着物」と呼ぶ。
すなわち、成膜処理前の成膜対象物7上に付着物が付着したまま、成膜処理を行うと、付着物が付着した部分に膜を形成することができない。
成膜面の極一部(付着物が付着した部分)でも、成膜処理できないと、例えば、成膜する膜が光学薄膜の場合は、所望の光学特性を得ることができない。また、装飾膜の場合は、剥がれた膜が付着した部分の色が異なって見える。
このように、付着物が付着したまま成膜処理を行った成膜対象物7は、成膜処理後の品質検査を合格することができない。これは、歩留まりの低下につながってしまう。
また、成膜処理後の搬送中に成膜対象物7上に剥がれた膜が付着すると、以後の工程、例えば、蒸着やCVDによる成膜処理が行われる場合、上述と同様の問題が発生する。やはり、この場合も歩留まりの低下につながってしまう。
このため、成膜対象物7上に付着した剥がれた膜を除去する必要がある。
そこで、本実施の形態の外部搬送機構30は、ガス吹き付け部35を備える。
以下、ガス吹き付け部35を備えた外部搬送機構30について図を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、外部搬送機構30は、回転機構31、ベース部32、真空蓋33、ガス吹き付け部35を備えている。
回転機構31は、メインチャンバ2の側壁に設けられた台座17の上に配置されている。回転機構31は、垂直方向に延在する中空の円柱状に形成されたロッド36を備えている。ロッド36は、回転機構31により180°正逆回転される。
ロッド36は、回転機構31と連結している端部近傍の側面に開口部36aを有する。また、ロッド36は、その上端に開口部36bを有する。さらにロッド36の上端には、ベース部32が接続されている。
ベース部32は、長尺な水平アーム321と、この水平アーム321の両端に一つずつ配置された垂直アーム322とを備えて構成され、水平アーム321の中央がロッド36の上端に支持されている。
水平アーム321は、高さよりも幅の大きな直方体であり、水平アーム321の中央には、ロッド36の開口部36bと連通する開口部323が設けられている。
垂直アーム322は、水平アーム321の両端にリニアガイド37を介して設けられている。
リニアガイド37は、ガイドレール37aおよびガイドブロック37b、ガイドブロック37bを駆動させるアクチュエータ(不図示)を備えている。ガイドレール37aが水平アーム321と接続され、ガイドブロック37bが垂直アーム322と接続されているつまり、垂直アーム322は、リニアガイド37により、垂直方向に移動する。
垂直アーム322は、正面視でL字状に形成された板である。そして、垂直アーム322の水平部分の下面には、真空蓋33が取付けられている。さらに、垂直アーム322の水平部分には、真空蓋33の中心に対応する部分には円形の開口部324が設けられ、真空蓋33の中心に設けられた円形の開口部33aと気密に接続されている。
垂直アーム322の開口部324の上側縁部には、真空用フランジ38が接続されている。真空用フランジ38は、円筒部38aと鍔部38bで構成されており、鍔部38bで垂直アーム322と気密に接続されている。
真空蓋33は、図3に示すように、その下面に3つのチャック部33bを有する。チャック部33bは、かぎ爪型チャックであり、真空蓋33の外周部に等間隔(ここでは、120°間隔)で配置され、成膜対象物7が載置されたホルダ8の開口部8cを保持したり、この保持を解除したりする。
上述したロッド36の180°の正逆回転により、真空蓋33の一方が、メインチャンバ2のロードロック用開口部2dの上の位置に移動した場合、真空蓋33の他方は、投入部41の上の位置に移動する。
ガス吹き付け部35は、クリーンエア供給装置39、真空用チューブ35a、バルブ35b、噴射部35cで構成されている。
クリーンエア供給装置39は、圧縮空気を供給する高圧ガス供給部39a、ダストを除去するダストフィルタ39b、水分を除去するミストフィルタ39cから構成されている。クリーンエア供給装置39は、高圧ガス供給部39aから供給された圧縮空気からダストフィルタ39bと、ミストフィルタ39cを介してクリーンエアを生成する。生成されたクリーンエアは、真空用チューブ35aの中を通過して、成膜対象物7まで供給される。
真空用チューブ35aは、例えば、ポリウレタンやエラストマー等で形成されたチューブである。
真空用チューブ35aの一端は、クリーンエア供給装置39のミストフィルタ39cと接続され、他端は、ロッド36の開口部36aから外部搬送機構30の中へと導入される。このとき、真空用チューブ35aは、開口部36aの外側でたわみ部Fが形成されるように、メインチャンバ2の台座17に長さに余裕を持たせた状態で不図示の支持具を用いて支持される。このように真空用チューブ35aを支持することで、搬送動作時に、ロッド36等との擦れを防止できる。真空用チューブ35aは、ロッド36の中を通り、水平アーム321の開口部323から外部搬送機構30外部に導出され、二股に分岐される。
二股に分岐された真空用チューブ35aの一方は、水平アーム321の開口部323と垂直アーム322との間の水平アーム上に配置されたバルブ35bを介して真空用フランジ38の円筒部38aに気密に接続される。
他方も同様に、もう一方の真空用フランジ38に接続される。
このとき、真空用チューブ35aは、バルブ35bと垂直アーム322との間に、たわみ部Fを形成するように、垂直アーム322の上端で長さに余裕を持たせた状態で不図示の固定具を用いて固定される。このように真空用チューブ35aが固定されることで、垂直アーム322の昇降時に、垂直アーム322との擦れを防止できる。
ここで、真空用フランジ38、垂直アーム322の開口部324、真空蓋33の中心に設けられた円形の開口部33aは、ガス吹き付け部35の噴射部35cとして機能する。
上述のように、真空用チューブ35aを真空用フランジ38に接続させた後、バルブ35bを開閉することで、成膜対象物7上へのクリーンエアの供給を開始したり、終了したりすることができる。
次に、ガス吹き付け部35を用いた外部搬送機構30の動作について図を用いて説明する。
外部搬送機構30の真空蓋33は、ロッド36の180°の正逆回転により、ロードロック用開口部2dの上の位置または投入部41の上の位置で停止するようになっている。つまり、真空蓋33は、投入部41にホルダ8が投入されるとき、投入部41の上の位置で待機するようになっている。
図2に示すように、投入部41にホルダ8(成膜対象物7が載置されている。)を投入する。このとき、前述の位置決め部材(不図示)により、ホルダ8は、位置決めされる。
投入部41にホルダ8を投入後、リニアガイド37により、真空蓋33が下降し、真空蓋33のチャック部33bがホルダ8を保持する。
チャック部33bがホルダ8を保持した後、クリーンエア供給装置39から供給されたクリーンエアが、真空蓋33の開口部33aから成膜対象物7の成膜面上に吹きつけられる。具体的には、チャック部33bによるホルダ8の保持が完了した時点でバルブ35bが開き、クリーンエア供給装置39から供給されたクリーンエアが真空蓋33の開口部33aへ供給され、成膜対象物7の成膜面上に吹き付けられる。このとき、前述の保護部材8dにより、成膜対象物7の位置ずれが防止されている。
真空蓋33の下面にホルダ8を保持した状態で、リニアガイド37により、真空蓋33が上昇する。上昇後、回転機構31により、ベース部32が時計回り方向に180°回転し、真空蓋33は、ロードロック用開口部2dの上に移動する。そして、リニアガイド37により、真空蓋33が下降し、ロードロック用開口部2dは、真空蓋33により気密に閉塞される。
このようにして、成膜対象物7は、外部搬送機構30によりメインチャンバ2内に搬入される。
このとき、クリーンエアの吹き付けは、真空蓋33が投入部41でホルダ8を保持したときから開始され、真空蓋33がロードロック用開口部2dの上に移動し、ロードロック用開口部2dを閉塞する直前まで継続される。具体的には、閉塞と同時か、または閉塞する1〜2秒前にクリーンエアの吹き付けは、停止する。
クリーンエアの供給を停止するタイミングは、予め算出したり、実験で求めたりして 決定すると良い。
クリーンエアの吹き付けが停止するのと同時に、または停止してから1〜2秒後、ロードロック用開口部2dは、真空蓋33により気密に閉塞される。
ロードロック用開口部2dが閉塞されるとすぐに、ロードロックスペース13が、図示しない排気ポンプによって減圧される。このとき、真空蓋33に保持されていたホルダ8は、ワークチャンバ6内へ載置される。
本実施の形態における外部搬送機構30では、ガス吹き付け部35は、真空蓋33が投入部41でホルダ8を保持したときから、成膜対象物7の成膜面に対しクリーンエアの吹き付けを開始する。その後、クリーンエアの吹き出しは継続され、そして、真空蓋33がロードロック用開口部2dを閉塞するのと同時に、または閉塞する1〜2秒前にクリーンエアの吹き付けは、停止する。
このため、成膜対象物7上に付着した付着物を除去することができる。さらに、搬送中にホルダ8に付着した膜が剥がれ落ちたとしても、その剥がれた膜が成膜対象物7に付着することが防止できる。また、剥がれた膜が仮に成膜対象物7に付着したとしてもそれを吹き飛ばして除去することができる。また、投入部41に投入された時点で工場内を漂っているパーティクルが付着していたとしても、それを除去することができる。また、搬送中に工場内を漂っているパーティクルが成膜対象物7に付着することも防止できる。
なお、図4に示すように、真空蓋33の開口部33aに放電電極35dを設けて、成膜対象物7が搬送される間、イオン化された気体を成膜対象物7の成膜面上に常に吹き付けてもよい。このように構成することで、剥がれた膜、または、成膜対象物7が静電気を帯びていたとしても、その静電気を除去することで、剥がれた膜をより除去しやすくできる。また、成膜対象物7が帯電することも防止できるので、工場内を漂っているパーティクルが成膜対象物7に引き寄せられて付着することも防止できる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について図を用いて説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同じ構成部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する
第2の実施の形態では、図5に示すように、外部搬送機構30が成膜対象物7の成膜面を撮像するカメラ部51を備えている点で第1の実施の形態と相違する。このため、垂直アーム322および真空蓋33の構成も相違する。すなわち、本実施の形態では、付着物が付着したままでの成膜処理を防止する効果のより確実性を増すために、成膜対象物7に付着した付着物が除去されたことを確認するカメラ部51を真空蓋33毎に備える。このカメラ部51は、垂直アーム322に後述のように支持されるが、まずは、垂直アーム322の構成から順次説明する。
垂直アーム322は、図5に示すように、その水平部分において、真空用フランジ38に隣接する位置に円形の開口部325が形成されている。なお、真空蓋33には、開口部325と連通する円形の開口部33dが形成されており、気密に接続されている。
開口部325の上部には、のぞき窓52が設けられる。のぞき窓52は、ガラス製の覗き板52aと覗き板52aを係止する係止片52bによって構成されている。のぞき窓52は、開口部325を上から覆うように設けられ、気密が保持される。
のぞき窓52の上方には、カメラ部51をのぞき窓52に対向する位置で固定する四角柱状の固定部53が、垂直アーム322の垂直部分に設けられている。
固定部53は、のぞき窓52の上方において、カメラ部51の焦点が成膜対象物7の成膜面に合う位置で、カメラ部51を固定する。図5においては、便宜上、カメラ部51を成膜対象物7の縁部の上方に示し、また、開口部325とそれにつながる開口部33dの長さが比較的に長く示していることから、カメラ部51による撮像範囲が成膜対象物7の縁部近辺に限られるようにも見えるが、実際には、カメラ部51の配置位置や開口部325、33dの大きさ等を適宜選択することで、成膜対象物7全体を撮像することが可能である。なお、真空蓋33の開口部33dに広角レンズなどの視野を拡大するレンズを適宜設けてもよい。
カメラ部51はケーブル54を有する。このケーブル54は、カメラ部51からの撮像情報を制御装置43に伝えるため、外部搬送機構30の搬送動作を阻害しないよう誘導され、制御装置43に接続されている。
次に、動作について図を用いて説明する。
投入部41に投入されたホルダ8は、外部搬送機構30によって、第1の実施の形態で説明したのと同様の動作で、ロードロック用開口部2dへと搬送される。そして、クリーンエアの供給が終了し、ロードロック用開口部2dが真空蓋33により気密に閉塞され、ロードロックスペース13内の減圧が開始される。
カメラ部51による成膜対象物7の成膜面の撮像は、ロードロック用開口部2dが真空蓋33により気密に閉塞され、ロードロックスペース13内の減圧が開始されるまでの間で行われる。
この撮像画像のデータが、ケーブル54を介して制御装置43に送信される。制御装置43は、送られてきたデータを解析し、成膜対象物7の成膜面上に付着物が付着しているかどうかを判断する。
具体的には、予め記憶しておいたきれいな成膜面の画像と上述で撮像した成膜面の画像を公知の画像処理技術を用いて比較して、付着物の付着の有無を判断する。
制御装置43により、成膜対象物7の成膜面上に付着物が付着していないと判断されると、ロードロックスペース13が、図示しない排気ポンプによって減圧される。
また、制御装置43により、成膜対象物7の成膜面の上に付着物が付着していると判断されると、制御装置43から処理停止の信号が送られ、装置が停止する。このとき、真空処理スペース12において成膜処理が行われていた場合は、その成膜処理が終了後、装置が停止されるようになっている。
本実施の形態によれば、先の実施の形態と同様の効果が得られる。さらに、外部搬送機構30では、成膜処理が行われる前に成膜対象物7の成膜面上に付着物が付着していないことを確認するため、付着物が付着していたときには、その成膜対象物7に対する成膜処理を行わないようにすることができる。また、その成膜対象物7をメインチャンバ2から取り出して洗浄を行った後に、再び成膜処理を行うこともできる。このことから、結果的に歩留まりが向上する。
以上説明した実施の形態の真空処理装置1によれば、外部搬送機構30がガス吹き付け部35を持ち、真空蓋33が投入部41でホルダ8を保持したときから、クリーンエアの吹き付けを成膜対象物7の成膜面に対し開始する。その後、真空蓋33がロードロック用開口部2dを閉塞するまで、または閉塞する1〜2秒前までクリーンエアの吹き付けが継続されることにより、成膜処理前の段階で成膜対象物7上に付着した付着物を除去することができる。これにより、付着物が付着した部分に膜が形成できないことによる歩留まり低下を防止することができる。
さらに、搬送中にホルダ8に付着した膜が剥がれ落ちたとしても、その剥がれた膜が成膜対象物7に付着することが防止できる。また、剥がれた膜が仮に付着したとしてもそれを吹き飛ばして除去することができる。
また、投入部41に投入された時点で工場内を漂っているパーティクルが付着していたとしても、それを除去することもできる。また、搬送中に工場内を漂っているパーティクルが成膜対象物7に付着することも防止できる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、保護部材8dは4つに限定されず、その取り付け位置および数量は、成膜対象物7の形状により適宜変更することができる。
また、真空蓋33の開口部33aは1つに限定されず、複数個あってもよい。
また、真空蓋33の下面にシャワーヘッドを設け、シャワーヘッドと開口部33aを接続するようにしてもよい。こうすることで、複数箇所から、成膜対象物7へクリーンエアを吹き付けることができる。
また、真空用チューブ35aは、金属製のパイプを用いてもよいし、チューブと金属製のパイプの両方を組み合せて用いてもよい。
また、実施の形態では、バルブ35bを水平アーム321上に配置したが、これに限定されず、垂直アーム上あるいは真空蓋上に配置してもよい。
また、実施の形態では、リニアガイド37を用いてベース部32、具体的には垂直アーム322の垂直方向への移動を行ったが、これに限定されず、回転機構31に垂直方向への駆動機構を持たせて、ベース部を回動および昇降させてもよい。
また、実施の形態では、成膜対象物7の成膜面上に吹き付けるガスは、クリーンエアを用いたが、これに限定されず、ミストフィルタ39cのみを介して生成されたドライエアでもよいし、高圧ガス供給部39aから供給される圧縮空気をそのまま用いてもよい。また、アルゴン(Ar)や窒素(N)、酸素(O)等の高純度のガスでもよい。
また、実施の形態では、クリーンエアの吹き付けを停止するタイミングは、真空蓋33によりロードロック用開口部2dが閉塞される直前、または、閉塞する1〜2秒前としたが、これに限定されず、真空蓋33によりロードロック用開口部2dが閉塞されてから数秒後にクリーンエアの吹き付けを停止してもよい。
この場合、真空蓋33によりロードロック用開口部2dが閉塞される直前に、図示しない排気ポンプにより、排気を開始するとよい。こうすることで、成膜対象物7が、メインチャンバ2内に搬入後もクリーンエアをふきつけるので、付着物が付着するのをより防止できる。また、ロードロックスペース13内に付着物が混入された場合でも、図示しない排気ポンプにより、装置外へ排気されるので、付着物が再び成膜対象物7へ付着することを防止できる。
また、第2の実施の形態では、カメラ51を外部搬送機構30に設置したが、これに限定されず、ロードロック用開口部2dの上側外縁および投入部41上に配置してもよい。
また、カメラ部51は、同軸の光源を有し、暗視野にて撮像した画像を公知の画像処理技術を用いて処理し、剥がれた膜の付着の有無を判断してもよい。
また、1つの真空蓋33に対して、複数のカメラ部51を設けて成膜面の全体を切り分けて撮像してもよい。複数のカメラ51を設ける場合、カメラ51の数量に対応したのぞき窓52を真空蓋33上に複数配置する。また、成膜対象物7上のある範囲に剥がれた膜(リフレクタ14からも含む)が付着することが分かっていれば、その範囲のみ撮像を行ってもよい。
また、のぞき窓52を、水平アーム222上に設けたが、これに限定されず、真空蓋33上に設けても良い。
また、剥がれた膜が付着していると判断したときに、装置を停止する前に、ロードロックスペース13の排気を行った後、クリーンエアの供給を再度実行し、その後改めて、カメラ部51で成膜対象物7を撮像し付着物の付着の有無の判断を行ってもよい。その際に、クリーンエアの供給圧力を搬送中の圧力よりも高い圧力に設定してもよいし、排気と供給を複数回行ってもよい。こうすることで、ガス吹き付け部35の除去能力が向上する。
また、クリーンエアの供給とロードロックスペース13の排気を同時に行ってもよい。こうすることで、クリーンエアにより成膜面から除去された付着物をロードロックスペース13から装置外に排出するので、この付着物が再び付着することを防止することができる。
また、成膜処理後の成膜対象物7が、ロードロック用開口部2d直下に配置された状態において、ロードロックスペース13内が大気解放される前に、成膜処理後の成膜対象物7の成膜面をカメラ51により撮像してもよい。成膜処理後の成膜対象物7の成膜面を撮像することで、真空処理用開口部2cに設けられたリフレクタ14からの膜剥がれを評価することもでき、最適なタイミングでリフレクタ14の交換を行うことができる。
また、投入部41にて真空蓋23がホルダ8を保持した直後にも、カメラ部51が成膜対象物7の成膜面を撮像してもよい。こうすることで、成膜対象物7の成膜面の搬送前(投入部41にホルダ8が投入された直後)と搬送後(ロードロックスペース13にホルダ8が搬入された直後)とを比較することができる。これにより、成膜面の上の付着物が、搬送前または搬送後に付着したかが判断できる。
例えば、搬送前なら成膜対象物7の洗浄工程を追加する、搬送後ならホルダを洗浄するあるいは新品と交換する等、対策を施すことができるので、歩留まり低下を防止できる。
また、搬送前、搬送後、成膜処理後の成膜面を撮像することで、それぞれの成膜面の状態を比較することもできる。これにより、歩留まり低下の原因が、搬送前、搬送後、成膜処理前のどの段階で発生しているかが分かる。このため、最適な対策を行うことができるので、歩留まり低下をより防止できる。
また、実施の形態では、成膜処理前の成膜対象物7にクリーンエアを吹き付けるものであったが、成膜処理後の成膜対象物7を投入部41まで搬送する間にクリーンエアを成膜
対象物7に吹き付けてもよい。成膜処理後の搬送中に成膜対象物上に剥がれた膜が付着すると、以後の工程、例えば、蒸着やCVDによる成膜処理が行われる場合、上述と同様の問題が発生するが、この問題も解決できる。
また、実施の形態では、真空処理としての枚葉式マグネトロンスパッタリング装置の成膜処理について述べた。しかし、成膜処理としては、例えば、蒸着、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)、イオンプレーティングなどを挙げることができ、スパッタリング法に限定されない。
1 真空処理装置
2 メインチャンバ(真空容器)
2a 本体
2b 上壁部
3 回転軸
5 回転テーブル(搬送機構)
5a 円形開口
6 ワークチャンバ
6a 上部開口
6b 下部開口
7 成膜対象物
8 ホルダ(処理対象物保持部)
8a 底部
8b 受け部
8c 開口部
8d 保護部材
9 プッシャ
10 プッシャ
12 真空処理スペース(真空処理室)
13 ロードロックスペース(ロードロック室)
14 リフレクタ
17 台座
20 蓋部
21 スパッタ源(真空処理源)
22 ターゲット
30 外部搬送機構
31 回転機構
32 ベース部
33 真空蓋
33a、33d 開口部
33b チャック部
35 ガス吹き付け部
35a 真空用チューブ
35b バルブ
35c 噴射部
35d 放電電極
36 ロッド
36a、36b 開口部
37 リニアガイド
37a ガイドレール
37b ガイドブロック
38 真空用フランジ
38a 円筒部
38b 鍔部
39 クリーンエア供給装置
39a 高圧ガス供給部
39b ダストフィルタ
39c ミストフィルタ
41 投入部
42 電源
43 制御装置
44 供給線
51 カメラ部
52 のぞき窓
52a 覗き板
52b 係止片
53 固定部
54 ケーブル
321 水平アーム
322 垂直アーム
323、324、325 開口部
S 内部空間
F たわみ部

Claims (5)

  1. 処理対象物に真空処理が行なわれる真空処理室を有し、大気圧よりも減圧された雰囲気に減圧可能な真空容器と、
    前記真空容器に接続され、前記真空容器とは独立して減圧可能なロードロック室と、
    前記処理対象物を前記真空処理室と前記ロードロック室との間で搬送する搬送機構と、
    前記真空処理室に配置され、前記処理対象物に対して真空処理を施す真空処理源と、
    前記ロードロック室と、前記真空容器の外部に配置された投入部との間で前記処理対象物を搬送する外部搬送機構とを備え、
    前記処理対象物は、前記処理対象物を保持する処理対象物保持部に保持された状態で、前記搬送機構および前記外部搬送機構によって搬送される真空処理装置において、
    前記外部搬送機構は、搬送時に前記処理対象物にガスを吹きつけるガス吹き付け部を備えたことを特徴とする真空処理装置。
  2. 前記ガス吹き付け部は、前記処理対象物が前記投入部から前記ロードロック室へ搬送される間、前記処理対象物にガスを絶えず吹き付けることを特徴とする請求項1に記載の真空処理装置。
  3. 前記ガス吹き付け部は、ガスをイオン化する放電電極を備えたことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の真空処理装置
  4. 前記外部搬送機構に設けられた前記処理対象物を撮像するカメラ部と、
    前記カメラ部で撮像した画像に基づいて前記処理対象物の成膜面の上の付着物の有無を判断する制御装置とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空処理装置。
  5. 前記付着物は、成膜処理時に前記処理対象物保持部に付着堆積した膜が剥がれ落ちることで生じた剥がれた膜であることを特徴とする請求項4に記載の真空処理装置。
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