JP2017088421A - 微粒子無機粉体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
化粧料や塗料等の用途において、ビーズミル等を用いた強いシェアの分散処理を行わなくてもマトリックス中に容易に分散が可能で、粒度分布がシャープな微粒子無機粉体を得られる製造方法を提供する。
【解決手段】
平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び
工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)を含む、微粒子無機粉体の製造方法。
さらに、工程(1)によって得られた無機粉末を有機表面処理剤にて、表面処理する工程(1−2)を含む微粒子無機粉体の製造方法。
【選択図】図1
化粧料や塗料等の用途において、ビーズミル等を用いた強いシェアの分散処理を行わなくてもマトリックス中に容易に分散が可能で、粒度分布がシャープな微粒子無機粉体を得られる製造方法を提供する。
【解決手段】
平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び
工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)を含む、微粒子無機粉体の製造方法。
さらに、工程(1)によって得られた無機粉末を有機表面処理剤にて、表面処理する工程(1−2)を含む微粒子無機粉体の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、微粒子無機粉体の製造方法に関する。
微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛は、透明性を有する紫外線遮蔽剤として知られており、化粧料用の紫外線吸収剤や、樹脂組成物、塗料への添加剤として使用されている。
上記のような微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛は、粒子径が小さいため凝集が生じやすく、強固な二次凝集物を生成することが知られている。一方、化粧料や塗料等の用途において所望の物性を得るためには、一次粒子の状態でマトリックス中に分散させることが好ましいため、化粧料等の作製時には強い分散シェアを付与することによって二次凝集物を解砕することが必要であった。しかしながら、このような解砕処理は、分散処理に長時間を要したり、分散に伴う発熱のために併用する他の物質が変性したりする場合があった。
また、上記のような問題を解決するために、予め乾式粉砕によって凝集が少ない乾粉を得た後にマトリックスへの分散を行う方法もあるが、乾式粉砕では二次凝集物の解砕に限界があり、またエネルギー効率から見ても分散にエネルギーを要することには変わりがなかった。更に乾粉を粉砕することにより、粉の見掛け比重が軽くなりハンドリング性にも難があった。そのため、粒度分布が高度に制御され、強い分散処理がなくても分散が容易である、すなわち易分散性に優れた無機粉体が求められていた。
例えば特許文献1では、微粒子酸化チタンの製造方法として、実施例に酸化チタン水和物から微粒子の酸化チタンケーキを得る方法、およびその微粒子酸化チタンケーキを水に懸濁させてスラリーとし、乾燥させた後、表面処理、粉砕をして微粒子酸化チタンを得る方法が記載されている。当該文献には乾燥方法については、詳細に記載されていないが、乾燥方法として一般的である静置乾燥を行った後に表面処理、粉砕を行った場合、得られる微粒子酸化チタンは粒度分布が整っておらず、分散性が悪いものであった。
本発明は、強い分散処理を必要とせず、容易に分散が可能で、粒度分布がシャープな微粒子無機粉体を得られる製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)により、易分散性に優れ、粒度分布が整った微粒子無機粉体を得られることを発見した。
すなわち本発明は、平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)を含む、微粒子無機粉体の製造方法である。
上記製造方法は、さらに、工程(1)によって得られた無機粉末を有機表面処理剤にて表面処理する工程(1−2)を含むことが好ましい。
上記無機粒子は、酸化チタンまたは酸化亜鉛であることが好ましい。
上記無機粒子は、酸化チタンまたは酸化亜鉛であることが好ましい。
本発明は、平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)を含む、微粒子無機粉体の製造方法である。このような製造方法によって得られる微粒子無機粉体は、分散性に優れるため、ビーズミルなどの特殊な機械を使用せずとも容易に分散し、化粧料や塗料への配合が簡便である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の工程(1)は、平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150〜300℃で噴霧乾燥する工程である。当該工程によって、無機粒子の造粒物である無機粉末を得ることができる。なお、本明細書中、上記工程(1)によって得られた無機粉末を「造粒物」とも呼ぶ場合がある。
上記平均結晶子径が5〜40nmである無機粒子は特に限定されず、例えば、酸化チタン粒子および酸化亜鉛粒子であることが好ましい。なお、平均結晶子径は後述する実施例記載の方法で測定した値である。
上記無機粒子は、その製造方法、粒子形状等は特に限定されないが、例えば、市販の酸化チタン粒子(例えば、堺化学工業製のSTR−100)や酸化亜鉛粒子(例えば、堺化学工業製のFINEX−50)を用いてもよい。また、前述の特許文献1(WO2007/039953)記載のような酸化チタン水和物を塩基性化合物で処理した後、塩酸で処理して得られる酸化チタンケーキを用いてもよい。
上記無機粒子は、含水シリカ、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄、水酸化鉄、セリアの1種または複数の無機材料でさらに表面処理をしたものであることが好ましい。その被覆量は無機粒子全体に対して、1〜30質量%が好ましく、更に2〜20質量%が好ましい。このような無機材料の表面処理は、母体である粒子の触媒活性や反応性を抑制する事により、他の薬剤や樹脂などの共存する媒体の特性を失活させる事を抑制するという点で好ましい。また、上記無機材料以外にも、シリコーンオイル、アルキルシラン、アルキルチタネート、アルキルアルミネート、ポリオレフィン、ポリエステル、脂肪酸、金属石鹸、アミノ酸、アミノ酸塩等の有機表面処理剤にて表面処理をしたものであってもよい。
さらに、表面処理方法は、公知の方法を好適に用いることができる。
さらに、表面処理方法は、公知の方法を好適に用いることができる。
上記平均結晶子径が5〜40nmである無機粒子を含むスラリーの調製方法は特に限定されず、市販の無機粒子を液体媒体に添加してもよいし、無機粒子の製造工程における反応後のスラリーをそのまま使用してもよい。上記スラリーに使用する液体媒体は特に限定されず、水や有機溶剤(アルコール類、シリコーンオイル類、グリコール類)が挙げられる。例えば、当該無機粒子を水に添加し、5〜40℃で10〜30分間、分散させることによって、無機粒子の濃度が10〜1000g/Lの均一なスラリーとすることができる。
上記スラリーは必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で分散剤等を使用してもよい。
上記噴霧乾燥の方法は特に限定されないが、スラリーを2流体式、4流体式等のノズル方式、又は回転ディスク方式などにより噴霧することが好適である。例えば、スプレードライヤーを使用して行うことができ、その場合、回転ディスクの回転数に特に制限はないが、例えば10000〜20000rpmである。また、噴霧乾燥の温度は150〜300℃であることが好ましく、より好ましくは、200〜250℃であることが好ましい。
上記工程(1)によって得られた無機粉末(造粒物)は、嵩が低く、流動性が高いため、取り扱いが容易であり、粒度分布もシャープで分散性が良い。このような造粒物を用いることによって、後の工程(1−2)において、造粒物の表面に均一に有機表面処理剤を処理することが可能であり、工程(2)において、より高度な粒子径制御が可能になり、微細で分散が容易な微粒子無機粉体を得ることができる。
さらに、本発明では上記工程(1)で得られた無機粉末(造粒物)を有機表面処理剤で表面処理する工程(1−2)を含んでもよい。上記工程(1−2)で得られた表面処理された造粒物を、工程(2)に供することによって、均一な表面処理が施された微細で分散が容易な微粒子無機粉体を得ることができる。
上記有機表面処理剤としては、シリコーンオイル、アルキルシラン、アルキルチタネート、アルキルアルミネート、ポリオレフィン、ポリエステル、脂肪酸、金属石鹸、アミノ酸、アミノ酸塩等が挙げられ、特にジメチルポリシロキサンが好ましい。
上記表面処理方法は、特に限定されず、上記工程(1)で得られた造粒物と上記表面処理剤を乾式混合して処理する方法や、上記工程(1)で得られた造粒物を水または有機溶剤に添加してスラリーとし、さらに上記表面処理剤を加えて湿式混合して処理する方法が挙げられるが、コスト面から乾式混合による処理が好ましい。
次に、本発明の工程(2)について説明する。
工程(2)は、工程(1)によって得られた無機粉末(造粒物)を粉砕する工程である。工程(1)得られた造粒物を粉砕することによって、微細で分散が容易な微粒子無機粉末を得ることができる。
工程(2)は、工程(1)によって得られた無機粉末(造粒物)を粉砕する工程である。工程(1)得られた造粒物を粉砕することによって、微細で分散が容易な微粒子無機粉末を得ることができる。
粉砕方法としては、特に限定はされず、ハンマーミル、ピンミル、ローラミル、ボールミル、ジェトミル、高速せん段ミルを使用することができるが、粒度分布をよりシャープにすることができる点で、ジェットミルが特に好ましい。
以下の実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(嵩比重)
嵩比重は、JIS K5101−12−1「見掛け密度又は見掛け比容」静置法により得られた値である。
嵩比重は、JIS K5101−12−1「見掛け密度又は見掛け比容」静置法により得られた値である。
(粒度分布D50)
粒度分布D50とは、(株)島津製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用いて得られた、体積基準による粒度分布メディアン径である。なお、水に添加した試料を、分散処理を施すことなく測定を行った。
粒度分布D50とは、(株)島津製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用いて得られた、体積基準による粒度分布メディアン径である。なお、水に添加した試料を、分散処理を施すことなく測定を行った。
(安息角)
安息角は、粉末を平面に堆積させたときに、平面と粉末の稜線とのなす角度のことであり、本発明では、JIS R 9301−2−2アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角 により得られた値である。
安息角は、粉末を平面に堆積させたときに、平面と粉末の稜線とのなす角度のことであり、本発明では、JIS R 9301−2−2アルミナ粉末−第2部:物性測定方法−2:安息角 により得られた値である。
(平均結晶子径)
平均結晶子径は、(株)リガク製X線回折装置RINT Ultima III型(管球:Cu)を使用し、2θが10〜90°の範囲で測定した回折ピーク曲線から、下記シェラーの式を用いて計算された値である。
結晶子サイズ=K×λ/βcosθ
但し、K=シェラー定数(=1)
λ=X線の波長(Cu Kα線 1.5418Å)
β=積分幅(ラジアン単位)
θ=回折角(各結晶面の回折ピークに対応)
平均結晶子径は、(株)リガク製X線回折装置RINT Ultima III型(管球:Cu)を使用し、2θが10〜90°の範囲で測定した回折ピーク曲線から、下記シェラーの式を用いて計算された値である。
結晶子サイズ=K×λ/βcosθ
但し、K=シェラー定数(=1)
λ=X線の波長(Cu Kα線 1.5418Å)
β=積分幅(ラジアン単位)
θ=回折角(各結晶面の回折ピークに対応)
(実験例1:酸化チタンの造粒物Aの製造)
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーに、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加、混合した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度が250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、酸化チタンの造粒物Aを得た。得られた酸化チタンの造粒物Aの物性を表1に示した。
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーに、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加、混合した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度が250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、酸化チタンの造粒物Aを得た。得られた酸化チタンの造粒物Aの物性を表1に示した。
(実験例2:酸化チタンの造粒物Bの製造)
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度が75g/Lのスラリーを調製し、80℃に加温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、SiO2として20重量%となる量のケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。
添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記含水ケイ素酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物被覆酸化チタンの造粒物Bを得た。得られた造粒物BのSEM写真を図1に示した。また、得られた造粒物Bの物性を表1に示した。
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度が75g/Lのスラリーを調製し、80℃に加温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、SiO2として20重量%となる量のケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。
添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記含水ケイ素酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物被覆酸化チタンの造粒物Bを得た。得られた造粒物BのSEM写真を図1に示した。また、得られた造粒物Bの物性を表1に示した。
(実験例3:酸化チタンの造粒物Cの製造)
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度75g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、Al2O3として10重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタンの造粒物Cを得た。また、得られた造粒物Cの物性を表1に示した。
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度75g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、Al2O3として10重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタンの造粒物Cを得た。また、得られた造粒物Cの物性を表1に示した。
(実験例4:酸化チタンの造粒物Dの製造)
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度75g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、SiO2として10重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、さらにスラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、Al2O3として5重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加し、10分間熟成した後、10分かけて硫酸を加えて、pH7.0に中和した。
その後、30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、内側に含水ケイ素酸化物からなる被覆層を有し、外側に含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタンの造粒物Dを得た。また、得られた造粒物Dの物性を表1に示した。
酸化チタン水和物を水に添加し、TiO2濃度が100g/Lの酸化チタン水和物のスラリー10Lを調製した。上記酸化チタン水和物のスラリーを撹拌しながら、濃度10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lを添加した後、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗して、塩基処理チタン化合物を得た。
なお、上記反応(処理)において、酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
次に、上記得られた塩基処理チタン化合物を水に添加し、TiO2濃度が20g/Lの塩基処理チタン化合物のスラリーを調製した。上記塩基処理チタン化合物のスラリーを加熱し、液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
その後、冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5になるように中和し、濾過、水洗後、平均結晶子径が16nmの酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた上記酸化チタン粒子のケーキを水に添加し、TiO2濃度75g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記スラリーに、スラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、SiO2として10重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、180分かけてさらに硫酸を加え、pH7.0に中和した。その後30分間熟成し、さらにスラリー中の酸化チタン粒子100重量%に対して、Al2O3として5重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加し、10分間熟成した後、10分かけて硫酸を加えて、pH7.0に中和した。
その後、30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、内側に含水ケイ素酸化物からなる被覆層を有し、外側に含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を有する酸化チタン粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタン粒子のケーキを、水に添加して、TiO2濃度250g/Lの酸化チタン粒子のスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化チタンの造粒物Dを得た。また、得られた造粒物Dの物性を表1に示した。
(実験例5:酸化亜鉛の造粒物Eの製造)
平均結晶子径が11nmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50)を水に添加し、
ZnO濃度が50g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記酸化亜鉛粒子のスラリーに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対して、SiO2として25重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、60分かけてさらに硫酸を加え、pH6.5に中和した。その後、30分間、熟成した後、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物被覆酸化亜鉛粒子のケーキを、水に添加して、ZnO濃度300g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物被覆酸化亜鉛の造粒物Eを得た。得られた造粒物Eの物性を表1に示した。
平均結晶子径が11nmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50)を水に添加し、
ZnO濃度が50g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記酸化亜鉛粒子のスラリーに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対して、SiO2として25重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、60分かけてさらに硫酸を加え、pH6.5に中和した。その後、30分間、熟成した後、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物被覆酸化亜鉛粒子のケーキを、水に添加して、ZnO濃度300g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物被覆酸化亜鉛の造粒物Eを得た。得られた造粒物Eの物性を表1に示した。
(実験例6:酸化亜鉛の造粒物Fの製造)
平均結晶子径が11nmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50)を水に添加し、
ZnO濃度が50g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記酸化亜鉛粒子のスラリーに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対して、SiO2として10重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、60分かけてさらに硫酸を加え、pH6.5に中和した。その後、30分間熟成し、さらに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対してAl2O3として5重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加した。添加後、10分間熟成した後、10分かけて硫酸を加えて、pH7.0に中和した。さらに30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、内側に含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有し、外側に含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を有する酸化亜鉛粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化亜鉛粒子のケーキを、水に添加して、ZnO濃度300g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化亜鉛の造粒物Fを得た。得られた造粒物Fの物性を表1に示した。
平均結晶子径が11nmの酸化亜鉛粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50)を水に添加し、
ZnO濃度が50g/Lのスラリーを調製し、80℃に昇温した。上記酸化亜鉛粒子のスラリーに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対して、SiO2として10重量%となる量のケイ酸ナトリウムの水溶液(SiO2濃度:150g/L)を添加した。添加後、10分間熟成し、60分かけてさらに硫酸を加え、pH6.5に中和した。その後、30分間熟成し、さらに、スラリー中の酸化亜鉛粒子100重量%に対してAl2O3として5重量%となる量のアルミン酸ナトリウムの水溶液(Al2O3濃度:260g/L)を添加した。添加後、10分間熟成した後、10分かけて硫酸を加えて、pH7.0に中和した。さらに30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗した後、内側に含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有し、外側に含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を有する酸化亜鉛粒子のケーキを得た。
得られた含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化亜鉛粒子のケーキを、水に添加して、ZnO濃度300g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー((株)坂本技研製DCR−2型)にて250℃で噴霧乾燥し、含水ケイ素酸化物および含水アルミニウム酸化物被覆酸化亜鉛の造粒物Fを得た。得られた造粒物Fの物性を表1に示した。
実施例1
実験例3で得られた酸化チタンの造粒物Cをスーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化チタンの造粒物100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した後、気流式粉砕機(日清エンジニアリング(株)製スーパージェットミルSJ−500)にて粉砕し、微粒子酸化チタン粉体を得た。得られた微粒子酸化チタン粉体の物性を表2に示した。
実験例3で得られた酸化チタンの造粒物Cをスーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化チタンの造粒物100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した後、気流式粉砕機(日清エンジニアリング(株)製スーパージェットミルSJ−500)にて粉砕し、微粒子酸化チタン粉体を得た。得られた微粒子酸化チタン粉体の物性を表2に示した。
実施例2
実験例5で得られた酸化亜鉛の造粒物Eをスーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化亜鉛の造粒物100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した後、気流式粉砕機(日清エンジニアリング(株)製スーパージェットミルSJ−500)にて粉砕し、微粒子酸化亜鉛粉体を得た。得られた微粒子酸化亜鉛粉体の物性を表2に示した。
実験例5で得られた酸化亜鉛の造粒物Eをスーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化亜鉛の造粒物100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した後、気流式粉砕機(日清エンジニアリング(株)製スーパージェットミルSJ−500)にて粉砕し、微粒子酸化亜鉛粉体を得た。得られた微粒子酸化亜鉛粉体の物性を表2に示した。
比較例1(噴霧乾燥を静置乾燥に変えたもの)
実験例3において、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを噴霧乾燥する代わりに、静置型乾燥機にて130℃で5時間、加熱乾燥し、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粉末を得た。得られた酸化チタン粉末を、スーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化チタン粉末100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した微粒子酸化チタン粉体を得た。得られた微粒子酸化チタン粉体の物性を表2に示した。
実験例3において、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粒子のケーキを噴霧乾燥する代わりに、静置型乾燥機にて130℃で5時間、加熱乾燥し、含水アルミニウム酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化チタン粉末を得た。得られた酸化チタン粉末を、スーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化チタン粉末100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した微粒子酸化チタン粉体を得た。得られた微粒子酸化チタン粉体の物性を表2に示した。
比較例2(噴霧乾燥を静置乾燥に変えたもの)
実験例5において、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子のケーキを噴霧乾燥する代わりに、静置型乾燥機にて130℃で5時間、加熱乾燥し、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粉末を得た。得られた酸化亜鉛粉末を、スーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化亜鉛粉末100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した微粒子酸化亜鉛粉体を得た。得られた微粒子酸化亜鉛粉体の物性を表2に示した。
実験例5において、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粒子のケーキを噴霧乾燥する代わりに、静置型乾燥機にて130℃で5時間、加熱乾燥し、含水ケイ素酸化物からなる被覆層を表面に有する酸化亜鉛粉末を得た。得られた酸化亜鉛粉末を、スーパーミキサー内で撹拌しながら、上記酸化亜鉛粉末100重量%に対して5重量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−9901)を噴霧して、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理した微粒子酸化亜鉛粉体を得た。得られた微粒子酸化亜鉛粉体の物性を表2に示した。
(造粒物A〜Fの物性)
表1より、噴霧乾燥で得られた造粒物は、嵩比重が高く、流動性が高い粉末であることがわかる。
比較例1は、微粒子酸化チタン粉体の製造工程において、噴霧乾燥工程を静置乾燥に変更した例である。平均結晶子径はほぼ同じであるが、実施例1に比べると、分散処理を施さない条件で測定した粒度分布D50の値が大きいことから、分散性が悪く、一定以上の分散処理を施さないと単分散しづらい粉体であることがわかる。
比較例2は、微粒子酸化亜鉛粉体の製造工程において、噴霧乾燥工程を静置乾燥に変更した例である。平均結晶子径は同じであるが、実施例2に比べると、分散処理を施さない条件で測定した粒度分布D50の値が大きいことから、分散性が悪く、一定以上の分散処理を施さないと単分散しづらい粉体であることがわかる。
一方、噴霧乾燥を用いた実施例1および実施例2は、分散処理を施さない条件で測定した粒度分布D50の値が小さいことから、容易に分散する粉体であることがわかる。
本発明により、強い分散処理をしなくても、容易に分散する微粒子無機粉体を得ることができる。このような微粒子無機粉体は、化粧料や塗料、樹脂組成物等において好適に使用することができる。
Claims (3)
- 平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子を含むスラリーを150℃〜300℃で噴霧乾燥する工程(1)、及び
工程(1)によって得られた無機粉末を粉砕する工程(2)を含む、微粒子無機粉体の製造方法。 - さらに、工程(1)によって得られた無機粉末を有機表面処理剤にて、表面処理する工程(1−2)を含む、請求項1記載の微粒子無機粉体の製造方法。
- 上記平均結晶子径が5〜40nmの無機粒子が、酸化チタンまたは酸化亜鉛である、請求項1または2記載の微粒子無機粉体の製造方法。
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JP2015216464A JP2017088421A (ja) | 2015-11-04 | 2015-11-04 | 微粒子無機粉体の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020085241A1 (ja) * | 2018-10-24 | 2020-04-30 | テイカ株式会社 | 無機粉体複合体およびその製造方法、油中水型乳化組成物、日焼け止め化粧料 |
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2015
- 2015-11-04 JP JP2015216464A patent/JP2017088421A/ja active Pending
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