JP2017088295A - 糸吸引装置、ボビン準備装置及び繊維機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボビンから効率よく糸端を吸引する。【解決手段】糸端巻付装置24の吸引体72の内部空間73は、上方にいくほど、給糸ボビン10と反対側に広がっている。また、吸引体72には、内部空間73の給糸ボビン10側の端部と接続されたスリット74が形成されている。スリット74は、給糸ボビン10と対向し、給糸ボビン10の全長にわたって鉛直方向に延びている。また、吸引体72の下端部の、給糸ボビン10側の端部には、内部空間73を大気連通させる大気連通口75が形成されている。また、吸引体72には、鉛直方向に延び、内部空間73の上端部の、給糸ボビン10と反対側の部分と接続された接続路76が設けられている。接続路76の上端部は、吸引源と接続されたダクト77と接続されている。接続路76とダクト77との接続部分にはカッター装置78が設けられている。【選択図】図13
Description
本発明は、ボビンの糸端の吸引する糸吸引装置、糸吸引装置を有するボビン準備装置、及び、ボビン準備装置を有する繊維機械に関する。
特許文献1には、ボビンの側方に配置された糸吸引装置が開示されている。この糸吸引装置では、ボビンの軸方向に沿って延びるスリットが形成されたサクション管と、サクション管の上部に配置された糸切断装置とを有する。特許文献1の糸吸引装置では、ボビン表面上の糸端を、スリットからサクション管内に吸い込み、吸い込んだ糸端を、上方の糸切断装置が配置された位置まで引き込む。なお、サクション管の下端は、封止されている(図1参照)。
特許文献1の糸吸引装置では、上記のように、サクション管に吸い込まれた糸端を、糸切断装置が配置された位置まで上方に引き込む必要がある。しかしながら、サクション管の下端部では、空気の滞留が発生しやすい。そのため、糸端がボビンの低い位置にあるときには、糸端は、サクション管内に吸い込まれても上方に引き込まれにくく、糸端の吸引に失敗することがある。
本発明の目的は、ボビンの糸端を確実に吸引することが可能な糸吸引装置を提供することである。
本発明の糸吸引装置は、直立状態のボビンの側方に設置され、前記ボビンの糸端を吸い出す糸吸引装置であって、上端部が吸引源に接続されている吸引体を備え、前記吸引体には空気を吸引する複数の開口が設けられ、前記複数の開口は、前記ボビンの軸方向に延び、かつ前記ボビンに対向する位置に設けられた吸引口と、前記吸引口が形成された位置とは異なる位置に設けられた大気連通口である。
本発明によると、糸吸引装置は、ボビンの軸方向に延びる吸引口が形成された吸引体を有する。そして、吸引体の上端部が吸引源と接続されている。一方、吸引体の、吸引口が形成されているのと別の部分には、大気連通口が形成されている。そのため、吸引源から吸引が行われたときに、吸引体内には、吸引口に加えて、下端部の大気連通口からも空気が流れ込む。したがって、吸引体内の空気が、大気連通口から流れ込んだ空気によって上方に浮かされる。これにより、吸引源から離れた吸引体の下側の部分にも、上方に向かう空気の流れが生じやすくなり、糸端の吸引の成功率を高くすることができる。
また、本発明の糸吸引装置は、前記大気連通口は前記吸引体の下端部に設けられ、前記吸引体は、上方に向かうほど前記吸引口から離れる方向に広がっている。
鉛直方向の位置によらず、吸引体とボビンとの対向方向における吸引体の長さが一定であると、吸引源から遠い下端部の、ボビンから離れた部分において、空気が滞留したり、空気の渦が発生したりしやすくなる。本発明では、吸引体は、上方に向かうほど吸引口から離れる方向に広がっている。逆に言えば、吸引体は、吸引体とボビンとの対向方向における長さが一定の吸引体から、空気の滞留や空気の渦の発生が生じやすい部分が削られたものとなっている。これにより、本発明の吸引体内には、空気の滞留や空気の渦の発生が生じやすい部分がなく、糸端の吸引の成功率を高くすることができる。
また、本発明の糸吸引装置は、前記吸引体の、前記吸引源との接続部は、前記大気連通口よりも、前記ボビンの軸方向と直交する方向において、前記吸引口から離れた位置にある。
本発明によると、吸引体内に、大気連通口から吸引源との接続部に向かう、斜め上向きの気流が発生するため、吸引体内に空気が滞留しにくい。
また、本発明の糸吸引装置は、前記吸引体内に配置され、吸引された糸を切断するとともに前記吸引源との接続を遮断する、カッター装置を有する。
本発明によると、吸引体内に吸い込まれた糸端をカッター装置でカットすることで、その糸端を後工程(例えば、口出し装置での口出し)で処理することができる。
本発明のボビン準備装置は、本発明のボビン準備装置と、前記糸吸引装置で吸引された糸端を、前記ボビンの芯管内に挿入する口出し装置と、備えている。
本発明によると、糸吸引装置において糸端の吸引の成功率が高くなることにより、ボビン準備装置の処理効率を高くすることができる。
本発明の繊維機械は、本発明のボビン準備装置と、前記ボビン準備装置に対して、糸が巻かれた前記ボビンを供給するボビン供給装置と、前記ボビン準備装置から前記ボビンが供給され、前記ボビンから解舒された糸を巻き取る糸巻取装置と、を備えている。
本発明によると、ボビン準備装置の処理効率が高くなることで、繊維機械全体でのパッケージ生産性を高くすることができる。
本発明によると、吸引源から吸引が行われたときに、吸引体内には、吸引口に加えて、下端部の大気連通口からも空気が流れ込む。したがって、吸引体内の空気が、大気連通口から流れ込んだ空気によって上方に浮かされる。これにより、吸引源から離れた吸引体の下側の部分にも、上方に向かう空気の流れが生じやすくなり、糸端の吸引の成功率を高くすることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る自動ワインダシステム1(本発明の「繊維機械」)は、自動ワインダ2と、ボビン供給装置3と、ボビン準備装置4と、を備えている。
(自動ワインダ)
自動ワインダ2は、1列に配列された複数の糸巻取装置11を備えている。糸巻取装置11は、給糸ボビン10から糸を解舒し、解舒した糸を巻取ボビンに巻き取ることによってパッケージを形成するためのものである。糸巻取装置11の構成は、公知のものであるため、ここでは、これ以上の詳細な説明は省略する。
自動ワインダ2は、1列に配列された複数の糸巻取装置11を備えている。糸巻取装置11は、給糸ボビン10から糸を解舒し、解舒した糸を巻取ボビンに巻き取ることによってパッケージを形成するためのものである。糸巻取装置11の構成は、公知のものであるため、ここでは、これ以上の詳細な説明は省略する。
また、自動ワインダ2は、搬送路12と回収路13とを備えている。搬送路12は、ボビン準備装置4から各糸巻取装置11に給糸ボビン10を搬送するためのものである。回収路13は、各糸巻取装置11から排出された給糸ボビン10をボビン準備装置4まで搬送するためのものである。搬送路12及び回収路13は、ベルトコンベア等によって構成され、搬送トレイ9を搬送する。搬送トレイ9は、給糸ボビン10を、軸方向が鉛直方向と平行となる直立状態で載置することができるように構成されている。
(ボビン供給装置)
ボビン供給装置3は、芯管10aに糸を巻き取ることによって給糸ボビン10を製造するリング精紡機で、製造した給糸ボビン10を、ボビンシュート15から排出することによって、搬送トレイ9に載置する。また、リング精紡機では、異なる給糸ボビン10間で糸端同士が絡まってしまうこと等を防止するために、給糸ボビン10の製造時に、図2に示すように、給糸ボビン10の糸端をらせん状に巻き付けて、バックワインド糸10bを形成し、さらに糸端を芯管10aの下端部に巻き付けてボトムバンチ10cを形成する。
ボビン供給装置3は、芯管10aに糸を巻き取ることによって給糸ボビン10を製造するリング精紡機で、製造した給糸ボビン10を、ボビンシュート15から排出することによって、搬送トレイ9に載置する。また、リング精紡機では、異なる給糸ボビン10間で糸端同士が絡まってしまうこと等を防止するために、給糸ボビン10の製造時に、図2に示すように、給糸ボビン10の糸端をらせん状に巻き付けて、バックワインド糸10bを形成し、さらに糸端を芯管10aの下端部に巻き付けてボトムバンチ10cを形成する。
(ボビン準備装置)
ボビン準備装置4は、自動ワインダ2とボビン供給装置3との間に配置されている。ボビン準備装置4は、搬送トレイ9を搬送するための搬送路21を備えている。搬送路21は、ベルトコンベア等によって構成され、自動ワインダ2の搬送路12及び回収路13と接続されている。また、搬送路21は、ボビン供給装置3側の端部が、ボビンシュート15の下方に位置している。ボビン供給装置3は、給糸ボビン10が載置されていない搬送トレイ9が、搬送路21のこの部分に位置しているときに、ボビンシュート15から給糸ボビン10が排出することによって、給糸ボビン10を搬送トレイ9に載置する。そして、給糸ボビン10が載置された搬送トレイ9は、自動ワインダ2に向けて搬送路21を搬送される。
ボビン準備装置4は、自動ワインダ2とボビン供給装置3との間に配置されている。ボビン準備装置4は、搬送トレイ9を搬送するための搬送路21を備えている。搬送路21は、ベルトコンベア等によって構成され、自動ワインダ2の搬送路12及び回収路13と接続されている。また、搬送路21は、ボビン供給装置3側の端部が、ボビンシュート15の下方に位置している。ボビン供給装置3は、給糸ボビン10が載置されていない搬送トレイ9が、搬送路21のこの部分に位置しているときに、ボビンシュート15から給糸ボビン10が排出することによって、給糸ボビン10を搬送トレイ9に載置する。そして、給糸ボビン10が載置された搬送トレイ9は、自動ワインダ2に向けて搬送路21を搬送される。
また、ボビン準備装置4は、搬送路21の、ボビンシュート15から給糸ボビン10が排出される位置のすぐ上流側の位置に、ボビンプロー16が設けられている。ボビンプロー16は、回収路13から搬送路21に戻ってきた搬送トレイ9から空の給糸ボビン10を抜き取る。
また、ボビン準備装置4は、搬送路21の、ボビンシュート15から給糸ボビン10が排出される位置と、搬送路12との接続部分との間の部分に、バンチ解舒装置22、糸端剥離装置23、糸端巻付装置24、及び、口出し装置25を備えている。
(バンチ解舒装置)
バンチ解舒装置22は、給糸ボビン10のボトムバンチ10cを除去する。バンチ解舒装置22の構成、及び、バンチ解舒装置22でボトムバンチ10cを除去する方法は、公知のものであるため、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
バンチ解舒装置22は、給糸ボビン10のボトムバンチ10cを除去する。バンチ解舒装置22の構成、及び、バンチ解舒装置22でボトムバンチ10cを除去する方法は、公知のものであるため、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
(糸端剥離装置)
糸端剥離装置23は、搬送路21のバンチ解舒装置22よりも下流側に配置されている。糸端剥離装置23は、図3〜図6に示すように、メイン装置23aと、トレイ回転装置26aとを備えている。
糸端剥離装置23は、搬送路21のバンチ解舒装置22よりも下流側に配置されている。糸端剥離装置23は、図3〜図6に示すように、メイン装置23aと、トレイ回転装置26aとを備えている。
メイン装置23aは、固定フレーム41と可動フレーム42とを備えている。固定フレーム41と可動フレーム42とは、シリンダ43を介して連結されている。そして、シリンダ43を駆動すると、可動フレーム42が昇降する。また、固定フレーム41には、ガイド部44と、カム45とが設けられている。ガイド部44は、鉛直方向に延び、可動フレーム42の昇降時に、可動フレーム42を鉛直方向に案内する。カム45は、下側の部分に2つのカム部46を有している。2つのカム部46は、鉛直方向(本発明の「ボビンの軸方向」)に並び、給糸ボビン10側(搬送路21側)に突出している。カム部46の上面は、給糸ボビン10から離れるほど下側に位置するように緩やかに湾曲したカム面46aとなっている。
可動フレーム42には、2つの剥離ユニット51と、シリンダ52とが取り付けられている。2つの剥離ユニット51は、鉛直方向に並んで配置されている。各剥離ユニット51は、サーチャー61、エアブラスト62、支持部材63、2つのリンク部材64、及びバネ65を備えている。
サーチャー61は、板状の部材であり、その表面が給糸ボビン10と対向するように配置されている。また、サーチャー61の給糸ボビン10との対向面には、図6に示すように、バックワインド糸10bを引っ掛けるための、へら状の引掛部61aが形成されている。エアブラスト62は、サーチャー61の給糸ボビン10と反対側(図3〜図5の左側)に配置されている。エアブラスト62は、給糸ボビン10の上端部に向けて、斜め上方にエアを噴射する。
支持部材63は、板状の部材であり、サーチャー61及びエアブラスト62を支持している。また、支持部材63には、サーチャー61と給糸ボビン10との対向方向における中央部に、鉛直方向及び上記対向方向のいずれとも直交する方向(図3〜図5の紙面垂直方向)に延びた突起63aが形成されている。また、支持部材63には、給糸ボビン10と反対側の端部に、水平で且つ上記対向方向のいずれとも直交する方向に延びた突起63bが形成されている。
2つのリンク部材64は、サーチャー61と給糸ボビン10との対向方向(図3〜図5の左右方向)に並んで配置されている。各リンク部材64は、下側の端部において、回転軸受64aを介して支持部材63に回動自在に連結されている。また、各リンク部材64は、上側の端部において、回転軸受64bを介して、可動フレーム42に回動自在に連結されている。
また、2つのリンク部材64のうち、給糸ボビン10から遠い方(図3〜図5の左側)のリンク部材64は、可動フレーム42との連結部分よりも、支持部材63との連結部分と反対側まで延びており、その先端部にバネ65が取り付けられている。バネ65のリンク部材64と反対側の端部は、可動フレーム42に設けられたバネ取付部材66に取り付けられている。そして、リンク部材64は、バネ65の収縮力により、可動フレーム42に接続された部分を中心に、図3〜図5の反時計回り方向に付勢されている。すなわち、バネ65の直線的な付勢力が、リンク部材64の揺動方向の力に変換されている。これにより、リンク部材64に取り付けられた支持部材63、並びに、支持部材63に取り付けられたサーチャー61及びエアブラスト62は、給糸ボビン10に向かう方向に付勢される。また、バネ取付部材66は、可動フレーム42に対して鉛直方向の位置を変更することができるようになっている。そして、バネ取付部材66の可動フレーム42に対する位置を変更することにより、バネ65の付勢力を調整することができる。このとき、バネ取付部材66を可動フレーム42に対して下側に位置させるほど、バネ65による付勢力が大きくなる。
シリンダ52は、その先端部に押さえ板53が取り付けられており、押さえ板53を、サーチャー61と給糸ボビン10との対向方向に移動させる。押さえ板53は、突起63aよりも給糸ボビン10側に位置し、2つの剥離ユニット51の突起63aにまたがって鉛直方向に延びている。これにより、シリンダ52を駆動して、押さえ板53を給糸ボビン10から離れる方向に移動させると、2つの剥離ユニット51の突起63aが押さえ板53に押され、2つの剥離ユニット51の支持部材63が、バネ65の付勢力に抗して、一体的に給糸ボビン10から離れる方向に移動する。一方、シリンダ52によって、押さえ板53を給糸ボビン10に近づける方向に移動させると、2つの剥離ユニット51の支持部材63が、バネ65の付勢力によって給糸ボビン10に近づく方向に移動する。そして、押さえ板53をある一定以上給糸ボビン10に近づけると、支持部材63は、バネ65の付勢力によって最大限給糸ボビン10に近づいた状態となり、押さえ板53が突起63aから離れる。本実施の形態では、2つの剥離ユニット51に対して共通にシリンダ52及び押さえ板53を設けているため、2つの剥離ユニット51に対して個別にシリンダや押さえ板を設ける場合と比較して、装置の構成を簡単にすることができる。
トレイ回転装置26aは、図7(a)、(b)に示すように、1つの駆動ローラ31と、2つの従動ローラ32とを備えている。1つの駆動ローラ31と、2つの従動ローラ32とは、搬送路21を挟むように配置されている。駆動ローラ31は、図示しないモータに接続され、モータに駆動されることで回転する。
2つの従動ローラ32は、図示しない駆動機構によって、図7(a)に示すように、搬送されてきた搬送トレイ9から離れた位置と、図7(b)に示すように、搬送されてきた搬送トレイ9と接触して、駆動ローラ31に向けて押し付ける位置との間で移動させることができるように構成されている。
トレイ回転装置26aでは、待機状態で図7(a)の状態となっており、搬送トレイ9が搬送されてきたときに、図7(b)の状態に切り換わり、駆動ローラ31と従動ローラ32とによって搬送トレイ9を把持する。また、駆動ローラ31と従動ローラ32とによって搬送トレイ9を把持した状態で、駆動ローラ31を駆動すると、搬送トレイ9及びその上に載置された給糸ボビン10が回転する。
なお、本実施の形態では、トレイ回転装置26aと、後述のトレイ回転装置26b、26cとは同様の構成を有するものであるため、トレイ回転装置26a〜26cを、共通の図7(a)、(b)で示している。
次に、糸端剥離装置23の動作について説明する。糸端剥離装置23は、待機状態では、図3〜図5に示すように、シリンダ43により、可動フレーム42が、昇降範囲の最上点近傍の位置に位置している。また、シリンダ52により、押さえ板53を、最大限給糸ボビン10から離れた位置に位置させている。この状態では、突起63a(支持部材63)が押さえ板53によって、給糸ボビン10から離れる方向に押されており、サーチャー61が給糸ボビン10の表面に接触することはない。
そして、糸端剥離装置23では、搬送トレイ9が搬送されてきたときに、まず、トレイ回転装置26aに、搬送トレイ9を把持させる。そして、図8に示すように、シリンダ52を駆動して、押さえ板53を、突起63aから離れる位置まで給糸ボビン10側に移動させる。すると、リンク部材64がバネ65の付勢力によって図の時計回り方向に回動し、支持部材63が給糸ボビン10側に移動する。これにより、サーチャー61が、給糸ボビン10の表面に接触する。このとき、サーチャー61は、給糸ボビン10の表面と直交する方向に対して若干傾いた方向から給糸ボビン10の表面に接触する。
続いて、図9に示すように、トレイ回転装置26aに、搬送トレイ9を、給糸ボビン10において糸が巻き付けられた糸巻付方向に回転させつつ、シリンダ43を駆動して可動フレーム42を降下させる。このとき、サーチャー61が給糸ボビン10の表面に接触した状態で降下する。これにより、給糸ボビン10のバックワインド糸10bが、サーチャー61の引掛部61aに引っかかり、給糸ボビン10の表面から剥離される。本実施の形態では、2つの剥離ユニット51のサーチャー61が、個別のバネ65の付勢力によって、給糸ボビン10に向けて付勢されているため、給糸ボビン10の表面に凹凸があっても、2つの剥離ユニット51のサーチャー61は、独立に、給糸ボビン10の表面の凹凸に追従しつつ降下する。これにより、給糸ボビン10の糸端の剥離の成功率を高くすることができる。
ここで、本実施の形態とは異なり、2つの支持部材63を、個別の直動軸受によって、給糸ボビン10との対向方向に移動可能に支持するとともに、個別のバネによって給糸ボビン10に向けて付勢する構成とすることによっても、2つのサーチャー61を、独立して給糸ボビン10の表面の凹凸に追従させることができる。しかしながら、直動軸受は、一般に、回転軸受と比較して部品コストが高い。例えば、本実施の形態では、1つの剥離ユニット51において4つの回転軸受64a、64bを用いているが、1つの直動軸受の部品コストが、4つの回転軸受の部品コストよりも高くなることがある。また、直動軸受は、回転軸受よりも、風綿の混入に対して弱く、耐久性にも問題がある。そこで、本実施の形態では、各剥離ユニット51を、回転軸受64aを介して、リンク部材64の一方の端部と、サーチャー61を支持する支持部材63とを回転自在に連結し、回転軸受64bを介して、リンク部材64の他方の端部と可動フレーム42とを回転自在に連結し、一方のリンク部材64をバネ65によって付勢する構成としている。これにより、バネ65の直線的な付勢力がリンク部材64の揺動方向の力に変換され、この力によってサーチャー61が給糸ボビン10に向けて付勢される。このように、本実施の形態では、直動軸受を用いず、回転軸受を用いて剥離ユニット51を構成しているため、剥離ユニット51の部品コストを抑えることができる。また、風綿の混入に対する剥離ユニット51の耐久性を高くすることもできる。
また、このとき、図9に矢印Aで示すように、エアブラスト62からエアを噴射させる。これにより、剥離された糸端は、エアブラスト62から噴射されたエアによって上方に吹き上げられる。給糸ボビン10が回転しているため、吹き上げられた糸端は、芯管10aの上端部に巻き付けられる。
そして、シリンダ43により、可動フレーム42を昇降可能な範囲の最下点近傍の位置まで降下させると、2つの剥離ユニット51の突起63bが、2つのカム部46のカム面46aに接触する。この状態から、可動フレーム42をさらに降下させると、図10に示すように、突起63bがカム部46のカム面46aに案内されることで、支持部材63が、バネ65の付勢力に抗して給糸ボビン10から離れる方向に移動する。これにより、サーチャー61が給糸ボビン10から離れる。すなわち、本実施の形態では、カム部46が、支持部材63の降下を、支持部材63の給糸ボビン10から離れる方向への移動に変換している。このとき、突起63bがカム部46のカム面46aに案内されて移動することにより、サーチャー61は、所定のタイミングで可動フレーム42の降下に合わせて確実に給糸ボビン10から離れる方向に移動する。
ここで、本実施の形態と異なり、シリンダ52を駆動して、押さえ板53を給糸ボビン10から離れる方向に移動させることによって、支持部材63を給糸ボビン10から離れる方向に移動させることも考えられる。しかしながら、押さえ板53をゆっくりと移動させるようにシリンダ52を制御することは難しい。一方で、押さえ板53を速く移動させると、サーチャー61が給糸ボビン10から急に離れることになる。この場合には、サーチャー61が、給糸ボビン10の表面の糸層を荒らしてしまう可能性があり好ましくない。また、後述するようにシリンダ43によりサーチャー61を上方に戻す際に、サーチャー61が給糸ボビン10に接触していると、サーチャー61の引掛部61aが給糸ボビン10の表面に食い込んでしまう。そこで、本実施の形態では、上述したように、シリンダ43によりサーチャー61が最下点にきたときに、支持部材63の突起63bを、カム部46のカム面46aに案内することによって、サーチャー61を給糸ボビン10の表面から所定のタイミングで確実に離間させている。なお、このとき、サーチャー61は、給糸ボビン10の表面と直交する方向に対して若干傾いた方向に給糸ボビン10の表面から離れる。
そして、可動フレーム42を、昇降可能な範囲の最下点まで移動させた後、図11に示すように、シリンダ52により、押さえ板53を、突起63aと接触する位置まで移動させてから、シリンダ43により可動フレーム42を上昇させて、図3〜図5の位置に戻す。
(糸端巻付装置)
糸端巻付装置24は、搬送路21の糸端剥離装置23よりも下流側に配置されている。図12〜図14に示すように、糸端巻付装置24は、側方吸引装置70(本発明の「糸吸引装置」)と、ビーター71と、トレイ回転装置26aと同様のトレイ回転装置26bとを備えている。ただし、図12では、図面を見やすくするために、搬送トレイ9、給糸ボビン10などの図示を省略している。
糸端巻付装置24は、搬送路21の糸端剥離装置23よりも下流側に配置されている。図12〜図14に示すように、糸端巻付装置24は、側方吸引装置70(本発明の「糸吸引装置」)と、ビーター71と、トレイ回転装置26aと同様のトレイ回転装置26bとを備えている。ただし、図12では、図面を見やすくするために、搬送トレイ9、給糸ボビン10などの図示を省略している。
側方吸引装置70は、吸引体72を備えている。吸引体72は、給糸ボビン10と対向して配置されている。吸引体72には、内部空間73が形成されている。内部空間73は、鉛直方向に延び、上方に向かうほど、図13の右側(吸引体72と給糸ボビン10との対向方向(図13の左右方向)において、後述のスリット74から離れる方向)に広がっている。逆に言えば、内部空間73は、吸引体72と給糸ボビン10とが対向する方向(図13の左右方向)の長さが、鉛直方向の位置によらず一定である空間から、この空間の下側の部分のうち、給糸ボビン10と反対側の部分が削られた空間となっている。また、内部空間73は、給糸ボビン10から離れるほど、鉛直方向及び上記対向方向のいずれとも直交する方向(図14の上下方向)の長さが長くなっている。
また、吸引体72の、給糸ボビン10側の端部には、スリット74(本発明の「吸引口」)が形成されている。スリット74は、給糸ボビン10の全長にわたって鉛直方向に延び、給糸ボビン10と反対側において内部空間73と接続されている。また、吸引体72の下端部の、給糸ボビン10側の端部には、内部空間73を大気連通させる、円形の大気連通口75が形成されている。
また、吸引体72には、接続路76(本発明の「接続部」)が形成されている。接続路76は、鉛直方向に延び、その下端部が、内部空間73の上端部の、スリット74と反対側の端部(図13の右側の端部)に接続されている。これにより、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向において、接続路76は、大気連通口75よりも、給糸ボビン10から離れた位置において内部空間73と接続される。接続路76の上端部は、ダクト77を介して図示しない吸引源と接続されている。
接続路76とダクト77との接続部分には、カッター装置78(本発明の「カッター装置」)が設けられている。カッター装置78は、接続路76とダクト77との連通を遮断可能なカッター刃78aを備えている。そして、カッター装置78では、カッター刃78aを、接続路76とダクト77とが連通しているときの位置から、この連通を遮断するときの位置に移動させることによって、糸を切断することができるように構成されている。また、ダクト77のカッター装置78近傍の部分には、糸を検出するためのセンサ79が設けられている。
ビーター71は、搬送路21の、吸引体72のすぐ上流側に配置されている。ビーター71は、鉛直方向に並んだ複数のブラシ71aを備えている。また、ビーター71は、図示しない駆動装置により、給糸ボビン10と対向する方向(図13の紙面垂直方向)に移動される。
次に、糸端巻付装置24の動作について説明する。糸端巻付装置24では、搬送トレイ9が搬送されてきたときに、まず、トレイ回転装置26bに搬送トレイ9を把持させる。そして、トレイ回転装置26bに、搬送トレイ9を糸巻付方向と反対方向に回転させつつ、カッター装置78に、接続路76とダクト77とを連通させる。これにより、図15に示すように、内部空間73に矢印Bで示すような、スリット74から接続路76に向かう斜め上向きの空気の流れが生じ、給糸ボビン10の糸端が、スリット74から吸引される。吸引された糸端は、スリット74、内部空間73、接続路76、カッター装置78、ダクト77の順に吸引源に向けて引き込まれる。また、このとき、ビーター71を、給糸ボビン10との対向方向に繰り返し往復移動させる。これにより、給糸ボビン10の表面上の糸が複数のブラシ71aによって繰り返しはたかれ、給糸ボビン10の表面から糸端が離れやすくなる。そして、センサ79により糸が検出されるまでこの動作を継続する。
ここで、本実施の形態では、上述したように、糸端剥離装置23において、給糸ボビン10の糸端を芯管10aの上端部に巻き付けている。そのため、給糸ボビン10の糸端は、芯管10aの上端部に位置している。ただし、糸端剥離装置23では、給糸ボビン10を回転させ、エアブラスト62で、給糸ボビン10から剥離された糸端を、給糸ボビン10の上端部に向けて吹き上げているだけであるため、吹き上げられた糸端が芯管10aの上端部に巻き付かないこともある。この場合には、給糸ボビン10の糸端は、給糸ボビン10のより下側の部分に垂れ下がっている。
本実施の形態では、スリット74が、給糸ボビン10の全長にわたって鉛直方向に延びているため、給糸ボビン10の糸端が、給糸ボビン10のどの部分に位置していても、確実に糸端を吸引することができる。
さらに、本実施の形態では、吸引体72の下端部に、内部空間73を大気連通させる大気連通口75が形成されている。したがって、側方吸引装置70により糸端を吸引するときに、スリット74から内部空間73に空気が流れ込むのに加えて、矢印Cで示したように大気連通口75から内部空間73に空気が流れ込む。そして、大気連通口75から流れ込んだ空気の流れによって、内部空間73の下端部の空気が上方に浮かされる。これにより、接続路76から離れた、内部空間73の下端部の空気も、接続路76に向かって流れやすくなり、給糸ボビン10の糸端の吸引の成功率が高くなる。
さらに、このとき、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向において、接続路76が内部空間73の、大気連通口75よりも給糸ボビン10から離れた部分に接続されているため、大気連通口75から接続路76に向かう斜め上向きの気流が発生する。これにより、吸引体72の下側の部分において、空気が滞留したり、空気の渦が発生したりしにくくなる。
また、本実施の形態と異なり、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向における内部空間73の長さが、鉛直方向の位置によらず一定であるとすると、内部空間73の下端部の、給糸ボビン10と反対側の端部において、空気が滞留したり、空気の渦が発生したりしやすくなる。これに対して、本実施の形態では、内部空間73が、上方に向かうほど給糸ボビン10と反対側に延びている。逆に言えば、内部空間73は、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向における内部空間73の長さが、鉛直方向の位置によらずほぼ一定である空間から、この空間の下側の部分のうち、給糸ボビン10と反対側の部分が削られた空間となっている。したがって、内部空間73には、空気が滞留したり、空気の渦が発生したりしやすい部分がなく、内部空間73における空気の流れがスムーズになる。これにより、給糸ボビン10の糸端の吸引の成功率をさらに高くすることができる。
センサ79により糸が検出されたときには、トレイ回転装置26bに、搬送トレイ9をそれまでと反対の糸巻付方向に回転させる。これにより、図16に示すように、吸引された糸端が、芯管10aの上端部に巻き付けられる。そして、給糸ボビン10の上端部への糸端の巻付の完了後、カッター装置78に、接続路76とダクト77との連通を遮断させることで、吸引した糸を切断させる。
ここで、本実施の形態では、上述したように、糸端剥離装置23においても、糸を給糸ボビン10の上端部に巻き付けている。ただし、上記のとおり、糸端剥離装置23では、給糸ボビン10の糸端が芯管10aの上端部に巻き付かないこともある。
これに対して、糸端巻付装置24では、上述したように、糸端が吸引された状態で、給糸ボビン10を回転させることによって、給糸ボビン10の糸端を芯管10aに巻き付けている。したがって、給糸ボビン10の糸端は、確実に芯管10aの上端部に巻き付けられる。
(口出し装置)
口出し装置25は、図17に示すように、上方吸引装置81と、下方吸引装置82と、トレイ回転装置26a、26bと同様のトレイ回転装置26cとを備えている。
口出し装置25は、図17に示すように、上方吸引装置81と、下方吸引装置82と、トレイ回転装置26a、26bと同様のトレイ回転装置26cとを備えている。
上方吸引装置81は、サクション筒91と、カッター装置92とを備えている。サクション筒91は、鉛直方向に延び、給糸ボビン10のほぼ真上に位置している。また、サクション筒91は、鉛直方向の中央部に、伸縮部91aが設けられている。伸縮部91aは、蛇腹状に形成され、鉛直方向に伸縮可能となっている。また、サクション筒91の下端部は、昇降装置94と接続されている。昇降装置94を駆動させると、サクション筒91の下端部が昇降する。このとき、サクション筒91の下端部が降下するときには、伸縮部91aが鉛直方向に伸長し、サクション筒91の下端部が上昇するときには、伸縮部91aが鉛直方向に収縮する。
また、サクション筒91の上端部は、ダクト95を介して図示しない吸引源に接続されている。カッター装置92は、サクション筒91とダクト95との接続部分に設けられている。カッター装置92は、サクション筒91とダクト95との連通を遮断することが可能なカッター刃92aを有する。そして、カッター装置92では、カッター刃92aを、サクション筒91とダクト95とが連通しているときの位置から、この連通を遮断するときの位置に移動させることによって、糸を切断することができるように構成されている。また、ダクト95のカッター装置92近傍の部分には、糸を検出するためのセンサ96が設けられている。
下方吸引装置82は、トレイ回転装置26cの下方に配置されている。下方吸引装置82は、芯管10aの下側から糸を吸引する。
次に、口出し装置25の動作について説明する。口出し装置25では、搬送トレイ9が搬送されてきたときに、トレイ回転装置26cに搬送トレイ9を把持させる。そして、この状態で、トレイ回転装置26cに、搬送トレイ9を糸巻付方向と反対方向に回転させ、カッター装置92にサクション筒91とダクト95とを連通させ、昇降装置94を駆動してサクション筒91の下端部を降下させる。すると、図18に示すように、給糸ボビン10のほぼ全体がサクション筒91によって覆われ、給糸ボビン10の糸端が上方に吸引される。このとき、上述したように、糸端巻付装置24において、給糸ボビン10の糸端を、芯管10aの上端部に巻き付けているため、給糸ボビン10の吸引の成功率を高くすることができる。センサ96によって糸が検出されるまで、この動作を継続する。
そして、センサ96によって糸が検出されたときに、昇降装置94にサクション筒91の下端部を上昇させる。そして、この状態で、トレイ回転装置26cに、搬送トレイ9を糸巻付方向に回転させる。すると、図19に示すように、吸引された糸が、芯管10aの上端部に巻き付けられる。また、このとき、オペレータによって予め設定された給糸ボビン10の種類に関する情報に基づいて、給糸ボビン10の高さが低い場合ほど、搬送トレイ9を回転させる時間を長くする。これにより、給糸ボビン10の高さが低い場合ほど、芯管10aの上端部に巻き付ける糸の長さが長くなる。
続いて、カッター装置92に、サクション筒91とダクト95との連通を遮断させることによって糸を切断させ、下方吸引装置82を駆動させる。すると、切断された糸の糸端が、下方吸引装置82に吸引されることで、給糸ボビン10の芯管10a内に引き込まれる。口出し装置25では以上のようにして、給糸ボビン10の糸の口出しが行われる。
そして、口出しの完了後、搬送トレイ9が搬送路21を自動ワインダ2の糸巻取装置11に向けて搬送される。糸巻取装置11では、芯管10a内に引き込まれた糸端が吹き上げられたうえで捕捉される。
ここで、本実施の形態と異なり、口出しの際に、給糸ボビン10の糸端を吸引した後、糸を芯管10aの上端部に巻き付けることなく、カッター装置92で糸を切断し、下方吸引装置82を駆動することで、糸端を芯管10a内に引き込むことも考えられる。しかしながら、この場合には、口出しの完了後、給糸ボビン10が自動ワインダ2の糸巻取装置11まで搬送されるときに、糸端が芯管10aから抜け落ちてしまう可能性が高くなる。糸端が芯管10aから抜け落ちてしまうと、糸巻取装置11において、給糸ボビン10の糸端を吹き上げることができず、糸端の捕捉に失敗してしまう。そこで、本実施の形態では、上述したように、芯管10aの上端部に糸を巻き付けたうえで、糸端を芯管10aの内部空間に引き込んでいる。これにより、糸端が、芯管10aから抜け落ちにくくなる。
また、本実施の形態では、口出しの際に、給糸ボビン10の糸端を芯管10aの上端部に巻き付けているため、糸巻取装置11において、糸端を捕捉可能な位置まで吹き上げるのに必要な長さの糸を確保することができる。
また、給糸ボビン10の糸端を上方に吹き上げて捕捉する際には、給糸ボビン10の高さが低い場合ほど、芯管10aの上端部の高さと、糸巻取装置11の糸端を捕捉する位置の高さとの差が大きくなる。本実施の形態では、上述したように、口出しの際に、給糸ボビン10の高さが低い場合ほど、給糸ボビン10の上端部に巻き付ける糸の長さを長くしている。これにより、給糸ボビン10の高さによらず、糸巻取装置11において、糸端を捕捉可能な位置まで吹き上げるのに必要な長さの糸を確保することができる。
ここで、本実施の形態と異なり、例えば、口出しの際に、給糸ボビン10の高さによらず、芯管10aの上端部に多めに糸を巻き付けるようにしても、糸巻取装置11において、糸端を捕捉可能な位置まで吹き上げるのに必要な長さの糸を確保することができる。しかしながら、この場合には、給糸ボビン10の高さが高い場合に、糸巻取装置11において、給糸ボビン10の糸端が捕捉された後に、無駄に廃棄される糸の長さが長くなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、口出しの際に、芯管10aの上端部に、給糸ボビン10の高さに応じた長さだけ糸を巻き付ける。これにより、糸巻取装置11において糸端が捕捉された後に無駄に廃棄される糸の長さを極力短くすることができる。
そして、本実施の形態では、以上に説明したように、糸端剥離装置23において、糸端の剥離の成功率を高くすることができる。また、糸端巻付装置24において、糸端の吸引の成功率を高くすることができる。また、口出し装置25において、口出しの成功率(糸端の吸引の成功率)を高くすることができる。そして、これらのことから、ボビン準備装置4における処理効率を高くすることができる。さらに、ボビン準備装置4における処理効率が高くなることにより、自動ワインダシステム1全体でのパッケージの生産性を高くすることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、接続路76が、内部空間73の上端部の、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向において、大気連通口75よりも給糸ボビン10から離れた部分に接続されていたが、これには限られない。接続路76は、内部空間73の上端部の、上記対向方向の位置が大気連通口75と同じとなる部分に接続されていてもよい。あるいは、接続路76が、内部空間73の上端部の、上記対向方向において大気連通口75よりも給糸ボビン10側の部分に接続されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、上方に向かうほど、内部空間73が、給糸ボビン10と反対側の広がっていたが、これには限られない。例えば、内部空間73は、鉛直方向の位置によらず、吸引体72と給糸ボビン10との対向方向の長さがほぼ一定であってもよい。
また、上述の実施の形態では、大気連通口75が、吸引体72の下端部に設けられていたが、これには限られない。大気連通口75は、吸引体72の下端部よりも少し上の部分などに設けられていてもよい。
また、上述の実施の形態では、口出し装置25において、オペレータによって予め設定された給糸ボビン10の情報に基づいて、給糸ボビン10の高さに応じた長さだけ、芯管10aの上端部に糸を巻き付けたが、これには限られない。一変形例では、図20に示すように、搬送トレイ9にICタグ9aが取り付けられている。ICタグ9aには、例えば、ボビン供給装置3からの給糸ボビン10の供給時に、図示しないタグライターによって給糸ボビン10の種類に関する情報等が書き込まれる。また、口出し装置25には、搬送されてきた搬送トレイ9のICタグ9aと対向するように配置され、ICタグ9aに記憶された給糸ボビン10の種類に関する情報を読み取るタグリーダ27が設けられている。そして、口出し装置25において、ICタグ9aから読み取った給糸ボビン10の種類に基づいて、給糸ボビン10の高さに応じた長さだけ、芯管10aの上端部に糸を巻き付ける。
また、上述の実施の形態では、口出し装置25において、芯管10aの上端部に、給糸ボビン10の種類に応じた長さの糸を巻き付けたが、これには限られない。芯管10aの上端部に、給糸ボビン10の種類によらず、一定の長さの糸を巻き付けるようにしてもよい。
また、口出し装置25において、芯管10aの上端部に給糸ボビン10の糸端を巻き付けることにも限られない。口出し装置25において、上方吸引装置81で給糸ボビン10の糸端を吸引した後、芯管10aの上端部に給糸ボビン10の糸端を巻き付けることなく、カッター装置92で吸引した糸を切断し、下方吸引装置82で切断された糸端を吸引して芯管10a内に引き込んでもよい。
また、口出し装置25において、下方吸引装置82で糸端を吸引して、芯管10a内に引き込むことにも限られない。口出し装置25において、下方吸引装置82で糸端を吸引する以外の方法で、糸端を芯管10a内に引き込むようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、サーチャー61によって給糸ボビン10の表面から剥離させた糸端を、エアブラスト62によって吹き上げることで、糸端を芯管10aの上端部に巻き付けたが、これには限られない。エアブラスト62による糸端の吹き上げは行わなくてもよい。この場合には、給糸ボビン10の表面から剥離させた糸端が給糸ボビン10から垂れ下がった状態となる。しかしながら、この場合でも、この後、糸端巻付装置24により、上述したのと同様に、給糸ボビン10の糸端を芯管10aの上端部に巻き付けることができる。
また、糸端剥離装置23の構造は、上述の実施の形態ものには限られない。糸端剥離装置23は、給糸ボビン10の表面から糸端を剥離することが可能な別の構造を有するものであってもよい。
1 自動ワインダシステム
4 ボビン準備装置
10 給糸ボビン
24 糸端巻付装置
25 口出し装置
26b、26c ボビン回転装置
70 側方吸引装置
72 吸引体
74 スリット
75 大気連通口
76 接続路
78 カッター装置
4 ボビン準備装置
10 給糸ボビン
24 糸端巻付装置
25 口出し装置
26b、26c ボビン回転装置
70 側方吸引装置
72 吸引体
74 スリット
75 大気連通口
76 接続路
78 カッター装置
Claims (6)
- 直立状態のボビンの側方に設置され、前記ボビンの糸端を吸い出す糸吸引装置であって、
上端部が吸引源に接続されている吸引体を備え、
前記吸引体には空気を吸引する複数の開口が設けられ、
前記複数の開口は、
前記ボビンの軸方向に延び、かつ前記ボビンに対向する位置に設けられた吸引口と、
前記吸引口が形成された位置とは異なる位置に設けられた大気連通口であることを特徴とする糸吸引装置。 - 前記大気連通口は前記吸引体の下端部に設けられ、
前記吸引体は、上方に向かうほど前記吸引口から離れる方向に広がっていることを特徴とする請求項1に記載の糸吸引装置。 - 前記吸引体の、前記吸引源との接続部は、前記大気連通口よりも、前記ボビンの軸方向と直交する方向において、前記吸引口から離れた位置にあることを特徴とする請求項2に記載の糸吸引装置。
- 吸引された糸を切断するとともに前記吸引源との接続を遮断する、カッター装置を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の糸吸引装置。
- 請求項1〜4の何れかに記載の糸吸引装置と、
前記糸吸引装置で吸引された糸端を、前記ボビンの芯管内に挿入する口出し装置と、
備えていることを特徴とするボビン準備装置。 - 請求項5に記載の糸端準備装置を備えたボビン準備装置と、
前記ボビン準備装置に対して、糸が巻かれた前記ボビンを供給するボビン供給装置と、
前記ボビン準備装置から前記ボビンが供給され、前記ボビンから解舒された糸を巻き取る糸巻取装置と、
を備えた繊維機械。
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