JP2017088130A - 車両のサイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、エアバッグ展開時の乗員と車室内の壁面との間の隙間の大きさに拘わらず、エアバッグの厚みや内圧を適切な状態に維持することが可能な車両のサイドエアバッグ装置を提供する。【解決手段】本発明のサイドエアバッグ装置のエアバッグ13は、エアバッグの外周面をなし、エアバッグ内部ガスを外部へ排出する外ベントホール25を有する外チャンバ17と、外チャンバと連通される内ベント機構21を有し外チャンバ内に収められた外チャンバより容量が小な内チャンバ19とを備え、内ベント機構を、外チャンバ内と内チャンバ内を連通する第1内ベントホールと、第1内ベントホール27aと隣接配置され外チャンバ内と内チャンバ内を連通する第1内ベントホールより小さい第2内ベントホール27bと、第2ベントホールを塞ぐ位置を基点に、展開幅が所定幅以上に拡がった際に第1ベントホールを塞ぐ位置に変位可能なベントホール切換部材29とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、乗員と車室内の壁面との間でエアバッグを展開させる車両のサイドエアバッグ装置に関する。
自動車(車両)では、シートに着座した乗員を車両の側面衝突時の衝撃から保護するため、サイドエアバッグ装置が装備される場合がある。
サイドエアバッグ装置の多くは、シートを構成するシートバックの側部に、インフレータと折り畳んだエアバッグとを収納した構造が用いられる。つまり、側面衝突が生ずると、折り畳まれたエアバッグが、インフレータから発生するガスにより、乗員と車室内の壁面(ドアの側部)との隙間で展開し、シート上の乗員を保護する。
ところで、エアバッグが展開される時の乗員と車室内の壁面との隙間は、乗員の体格や衝突速度によって変化する。乗員の体格が大柄であるほど隙間が狭くなり、乗員の体格が小柄であるほど隙間が広くなる。また、側面衝突の場合、車室内の壁面は衝撃を受けて車室内に侵入するが、壁面の侵入速度が衝突速度で変化するため、衝突速度が高い場合と低い場合とで、エアバッグ展開時の壁面の侵入量が異なる。つまり、同じ体格でも衝突速度が高いほど隙間が狭くなり、衝突速度が低いほど隙間が広くなる。
ところが、エアバッグの大きさ(展開幅)は予め決められているため、乗員の体格や衝突速度によっては、展開時のエアバッグの内圧が変化してしまい常に最適な状態で展開するのは難しい。
そこで、従来、特許文献1のように乗員の体格を検知し、体格に応じ展開幅を変えてエアバッグの内圧の変化を抑制する技術が提案されている。
特許第4952321号公報
しかしながら、上記特許文献1のような従来の技術では、衝突速度による影響までは考慮されていないため、乗員の体格を検出して展開幅を制御した場合でも、衝突速度によっては、エアバッグ内の圧力が増加したり、逆に圧力が低下したりすることが考えられ、乗員の保護性能を向上する上でさらなる改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、エアバッグ展開時における乗員と車室内の壁面との間の隙間の大きさに拘わらず、エアバッグの厚みと内圧を適切な状態に維持し得る車両のサイドエアバッグ装置を提供する。
本発明の態様は、シートに着座した乗員と車室内の壁面との間でエアバッグを展開させる車両のサイドエアバッグ装置であって、エアバッグは、当該エアバッグの外周面を形成し、エアバッグ内部ガスを外部へ排出する外ベントホールを有する外チャンバと、外チャンバと連通される内ベント機構を有して外チャンバ内に収められた外チャンバより容量の小さい内チャンバとを備え、内ベント機構は、外チャンバ内と内チャンバ内とを連通する第1内ベントホールと、同第1内ベントホールと隣接して配置されて外チャンバ内と内チャンバ内とを連通する第1内ベントホールより小さい第2内ベントホールと、第2ベントホールを塞ぐ位置を基点に、エアバッグの車幅方向での展開幅が所定幅以上に拡がった際に第1ベントホールを塞ぐ位置に変位可能に設けられたベントホール切換部材とを有するものとした。
本発明によれば、側面衝突時、内チャンバの内部にガスが供給されて内チャンバが膨らみ、内ベント機構から外チャンバ内にガスが流れて外チャンバが膨らむことでエアバッグが乗員と車室内の壁面との間に展開される。このとき、エアバッグ展開時の乗員と車室内の壁面との隙間の大きさに応じて、内ベント機構のベントホール切換部によって閉塞される内ベントホールが大径の第1内ベントホールから小径の第2内ベントホールへと切り換えられるので、内チャンバから外チャンバへ供給されるガス量が可変され、エアバッグの外部へ排出されるガスの排出量が調整される。
これにより、乗員と車室内の壁面との隙間が所定幅以下の比較的小さい場合(例えば、衝突速度:高)には、内チャンバに流入したガスは、大きな径の第1内ベントホールから、外チャンバ内を経て、外ベントホールから外部へ積極的に排気されるため、エアバッグの内圧の増加を抑制することができる。反対に乗員と車室内の壁面との隙間が所定幅以上の比較的大きい場合(例えば衝突速度:低)には、第1内ベントホールより小さい第2内ベントホールに切り換えられて内チャンバから外チャンバへガスが流出しにくくなるため、内チャンバの内圧が確保され、エアバッグの内圧を適切な状態とすることができる。
それ故、乗員の体格や衝突速度で変わる、エアバッグ展開時の乗員と車室内の壁面との間の隙間の大きさに拘わらず、エアバッグの厚み(展開幅)と内圧を適切な状態に維持することができ、より一層の乗員保護性能の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る態様となるサイドエアバッグ装置を示す斜視図。 (a)は同サイドエアバッグ装置のエアバッグを拡大した側面図、(b)はバンド部材が配置される傾斜面部を示す断面図。 同エアバッグの構造を説明する斜視図。 乗員と車室内の壁面との間の隙間が小さいときにおけるエアバッグの展開を説明する図2中のA矢視から見た正面図。 同じく図2中のB−B線に沿う平断面図。 乗員と車室内の壁面との間の隙間が大きいときにおけるエアバッグの展開を説明する斜視図。 同じく図6中のC矢視から見た正面図。 同じく図6中のD−D線に沿う平断面図。
以下、本発明を図1から図8に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、本発明を適用したサイドエアバッグ装置を、同装置を搭載した車両の一部と共に示している。
図1において、1は車体(図示しない)に形成された車室内、3は車室内1の側部に設けられたフロントドア(本願の車室内の壁面に相当)、5はフロントドア3と隣接して車室内1のフロア1aに据え付けられたフロントシート(本願のシートに相当)である。
フロントシート5は、乗員Mが座るシートクッション5aと乗員Mの背を支えるシートバック5bとを有している。そして、例えばシートバック5bのドア側の側部には、サイドエアバッグ装置11が収納されている。
サイドエアバッグ装置11は、所定の大きさに折り畳んだ布製のエアバッグ13(図1中の二点鎖線で図示)と、同エアバッグ13をガスで膨張させるインフレータ15とを有している。インフレータ15は、図示はしないが側面衝突を検知する衝突検知センサに接続されている。そして、衝突検知センサにて側面衝突が検知されると、インフレータ15が作動し、発生するガスがエアバッグ13に供給される。これにより、折り畳まれたエアバッグ13は、図1中の実線、図2および図6に示されるように乗員Mの側部とフロントドア3の内面(車室内の壁面)との間の隙間へ侵入し、車幅方向に展開(扁平袋状)される。
図3には、この展開したエアバッグ13が示され、図4および図5や図6〜図8には、乗員Mとフロントドア3間の異なる隙間でエアバッグ13が展開したときが示されている。
具体的にはエアバッグ13は、エアバッグ13の外周面を形成し、展開時に乗員Mと当接される外チャンバ17と(図2、図3(a))、この外チャンバ17内に収められて外チャンバ17内で展開される内チャンバ19(図2、図3(b))とを有した二袋構造をなしている。
外チャンバ17は、エアバッグ13の外観を成し、乗員Mの側部の保護領域に対応した大きさに形成されている。また、外チャンバ17には、外チャンバ17内(エアバッグ13内)のガスをエアバッグ13の外部に排出してエアバッグ13の内圧を調整するための外ベントホール25が形成されている。なお、本実施形態では、外ベントホール25は、1つの大径な通孔で形成され、外チャンバ17の前面側の部位に2箇所、ここでは、上下に間隔を空けた二箇所に設けられている。
一方、内チャンバ19は、内部にインフレータ15が保持され、外チャンバ17より容量が小さく形成されている。内チャンバ19には、外チャンバ17内に連通され、内チャンバ19から外チャンバ17にガスを供給するための内ベント機構21が設けられている。本実施形態では、内ベント機構21は、内チャンバ19の前面側の部位に設けられ、ここでは、外チャンバ17の外ベントホール25の位置に対応して二箇所に設けられている。
上記構成のサイドエアバッグ装置11では、側面衝突時には、インフレータ15から内チャンバ19内にガスが供給されて内チャンバ19が膨らみ、続いて内チャンバ19から内ベント機構21を通じて外チャンバ17内へガスが流入されて外チャンバ19が膨らむことで、エアバッグ13が乗員Mとフロントドア3との間に展開される。
ここで、エアバッグ13は、展開時における乗員Mとフロントドア3の隙間の幅(乗員の体格や衝突速度により変化)に応じて、内チャンバ19から外チャンバ17へ流入するガスの量を可変可能とされている。
つまり、内ベント機構21には、外チャンバ17へ流すガスの量を可変させる機能が設けられている。つぎに、この内ベント機構21の構造について、詳しく説明する。
図2および図6に示されるように内ベント機構21は、内チャンバ19の前面側の部位のうち外チャンバ17の外ベントホール25の位置に対応した二個所に上下方向で間隔を空けて設けられている。なお、上下どちらの内ベント機構21も同じ構造である。
図3(b)に示されるように内ベント機構21は、内チャンバ19の前面側に設けられて外チャンバ17に連通される通孔で構成された複数の内ベントホール27と、内ベントホール27に開閉可能に設けられたバンド部材29(本願のベントホール切換部材に相当)とで構成されている。
このうち内ベントホール27は、外ベントホール25と向き合う位置に設けた第1内ベントホール27aと、同第1内ベントホール27aと隣接した位置、例えば第1内ベントホール27aの下方近傍の位置に並んで設けた第2内ベントホール27bとから構成される。このうち第1内ベントホール27aは、外ベントホール25と同じ大きさ、あるいは若干小さい円形の通孔であり、外ベントホール25とほぼ同じ大きさに形成される。第2内ベントホール27bは、第1内ベントホール27aよりも小さい円形(小径)の通孔で形成される。すなわち、内ベントホール27は、大きさ(ガス流出量)の異なる第1内ベントホール27aと第2内ベントホール27bとが上下に隣接して配置された構成とされている。
また、内ベント機構21が設けられる内チャンバ19の前面部の二箇所の部位は、図3に示されるように車両前方側に向かって膨らんだ膨出部31とされている。膨出部31は、前方に凸となる円弧面部31aと円弧面部31aの下方で下側に向かうにしたがい後方へ退避するように急激に傾斜された傾斜面部31bとを有する。そして、第1内ベントホール27aがこの膨出部31の円弧面部31aの頂部領域に形成され、第2内ベントホール27bが傾斜面部31bに形成されている。
バンド部材29は、例えば図6および図7に示されるように大きい方の内ベントホール27である第1内ベントホール27aを塞ぐ幅寸法をもつ所定長さを有した布製の帯部材で構成される。このバンド部材29の中間部が第2内ベントホール27bを塞ぐ位置に配置され、両端側が図5に示されるように内チャンバ19の幅方向両側に沿って延びている。バンド部材29は、その両端部が、外チャンバ17の車幅方向両側の基布の内面部分に、例えば縫合等によって固定されている。図5中の符号30は、そのバンド部材29端を外チャンバ17部分に固定する固定部を示している。
ここで、バンド部材29は、外チャンバ17(エアバッグ13)の車幅方向での展開幅が所定幅以上となるまでは、弛んだ状態とされ、エアバッグ13の展開幅が所定幅以上となると車幅方向に張った状態となるようその長さが設定されている。つまり、エアバッグ13の展開幅が拡がるにしたがってバンド部材29が弛んだ状態から車幅方向に引かれて次第に車幅方向に張った状態とされる。そして、エアバッグ13の展開幅が所定幅未満の状態では、バンド部材29の中間部が膨出部31の下方側の傾斜面部31bに沿うように配置されて第2内ベントホール27bを覆う位置に維持され、展開幅が所定幅以上となるとバンド部材29の中間部が傾斜面部31bから上方側に移動し、膨出部31の円弧面31aの頂部領域の位置、すなわち第1内ベントホール27aを覆う位置に変位されるよう構成されている。
つまり、内ベント機構21は、図2〜図8に示されるようにバンド部材29を用いて、内ベントホール27の大きさ、すなわち第1内ベントホール27aと第2内ベントホール27bとを切り換える仕組みとなっている。具体的には、エアバッグ13の車幅方向での展開幅が所定の展開幅となるまでは、バンド部材29で第2内ベントホール27bを塞ぎ、エアバッグ13の車幅方向での展開幅が所定の展開幅以上に拡がると、第1内ベントホール27aを塞ぐよう切り換わる。
より具体的には、内ベント機構21は、エアバッグ13(外チャンバ17)の車幅方向での展開幅が所定幅になるまでは、傾斜面部31bにてバンド部材29が、第2内ベントホール27bを塞ぐ位置(覆う位置)に位置決められ、第2内ベントホール27bが閉塞された状態に維持される。そして、エアバッグ13(外チャンバ17)の車幅方向での展開幅が所定幅以上となったときは、バンド部材29の弛みがなくなり、バンド部材29の中間部が傾斜面部31bに押し付けられ、内チャンバ19を後方(シート側)へ押圧しながら上方へ変位する。すなわち、バンド部材29の中間部は、傾斜面部31bを押圧しながら第1内ベントホール27a側(上側)へ滑り上がり、円弧面部31aの第1内ベントホール27aを覆う位置まで変位される。これにより、小径の第2内ベントホール27bに代えて、大径の第1内ベントホール27aを塞ぐよう切り換えられる(図6)。むろん、第1内ベントホール27aを覆う位置にバンド部材29が位置決められるよう、第1内ベントホール27aの有る円弧面部31aの各部が適切に設定されたり、バンド部材29の端部を固定する固定部30の位置やバンド部材29の長さが適切に設定されたりしている。なお、本実施形態では、傾斜面部31bでバンド部材29の位置決めをしているが、第2内ベントホール27bを塞いだ状態でバンド部材29の中間部を縫製等によって固定しておき、エアバッグ13(外チャンバ17)の車幅方向での展開幅が所定幅以上となったときに固定が解除される(縫製が破断される)ように構成しておいてもよい。
同構造によってバンド部材29は、第2内ベントホール27bを覆う位置を基点に、エアバッグ13(外チャンバ17)の展開幅が所定幅以上に拡がるにしたがい、第1内ベントホール27aを塞ぐ位置へ変位される。そして、第1内ベントホール27aと第2内ベントホール27bとの切り換えにより、エアバッグ13が所定幅までの展開のときは、発生ガスが、大径の第1内ベントホール27aから、外チャンバ17を経て、外ベントホール25から外部へ排気され、エアバッグ13が所定幅以上に展開するときは、発生ガスが、小径の第2内ベントホール27bから、外チャンバ17を経て、外ベントホール25から外部へ排気される。
つまり、エアバッグ13の展開幅が比較的小さい、すなわち乗員Mの側部とフロントドア3の内面(車室内の壁面)との間の隙間が比較的狭い場合には、内チャンバ19から外チャンバ17へのガス流出量が多くなり、エアバッグ13の外部へガスが多く排出されるよう調整される。またエアバッグ13の展開幅が所定以上となったとき、すなわち乗員Mの側部とフロントドア3の内面(車室内の壁面)との間の隙間が比較的大きい場合には、内チャンバ19から外チャンバ17へのガス流出量が少なくなり、エアバッグ13外部へのガス排出量が少なくなるよう調整される。
つぎに、このように構成されたサイドエアバッグ装置11の作用を説明する。
側面衝突が衝突検知センサ(図示しない)にて検知されると、インフレータ15が作動され、発生するガスが内チャンバ19および外チャンバ17へ供給される。これにより、シートバック5bに収められたエアバッグ13は、シートバック5bから乗員M横の隙間、すなわち乗員Mの側部とフロントドア3の内面(車室内の壁面)との間の隙間へ侵入する。続いてエアバッグ13は、乗員Mの側部とフロントドア3の内面との隙間を埋めるよう展開(車幅方向)される。
ここで、例えば、衝突速度が比較的高く、エアバッグ13の展開時、乗員Mの側部とフロントドア3の内面との間が所定幅以下の比較的小さい隙間δ1であった場合について説明する(図2〜図4)。
この場合、エアバッグ13(外チャンバ17)は、フロントドア3と乗員Mとによって車幅方向での展開幅が規制されるため、内ベント機構21のバンド部材29は、中央部が垂れ下がった状態とされるとともに傾斜面部31により、同位置に止まるよう位置決められ、第2内ベントホール27b(小)を閉塞し続ける。つまり、第1内ベントホール27a(大)が、外ベントホール25と対向した状態のまま、開放され続ける。これにより、インフレータ15から内チャンバ19に供給された発生ガスは、第1内ベントホール27aから、外チャンバ17内を経て、外ベントホール25から外部へ排気される。
つまり、フロントドア3と乗員Mとの隙間が所定幅より狭い隙間δ1のときは、図2、図4および図5に示されるようにエアバッグ13は、ガス(圧力)が逃げやすい状態を保ちつつ展開される。そのため、内チャンバ19は、低圧で展開し、外チャンバ17は、その内チャンバ19の周りで盤状に展開(低圧)する。
このため、エアバッグ13の内圧の増加が抑制される。これにより、エアバッグ13は、侵入速度が比較的高いにもかかわらず、適切な内圧に維持される。
つぎに、例えば、衝突速度が比較的低く、エアバッグ13の展開時、乗員Mの側部とフロントドア3の内面との間が比較的大きい隙間δ2の場合を説明する(図6〜図8)。
この場合、エアバッグ13は、車幅方向での展開幅が所定幅以上に展開されるため、内ベント機構21のバンド部材29は、図7中の矢印aのように車幅方向に拡がる外チャンバ17の挙動を受けて、車幅方向両側(左右)から引っ張られ、左右方向(車幅方向)に張った状態とされる。これにより、バンド部材29の中間部は、下方側へ垂れ下がった状態から上方側に変位される。より具体的にはバンド部材29は、内チャンバ19を後方(シート側)へ押圧しながら上方へ滑り上がる。そして、バンド部材29は、図7中の矢印bのように第1内ベントホール27aを塞ぐ位置まで変位され、図6および図7に示されるように第1内ベントホール27aを閉塞する。ちなみに、第1内ベントホール27aの有る円弧面部分は、押圧されながらバンド部材29を受ける。このときの円弧面部分の反力や変形により、バンド部材29は、第1内ベントホール27aを塞いだ状態に規制され続ける。
これにより、内ベントホール27は、大径の第1内ベントホール27aから小径の第2内ベントホール27bに切り換わり、内チャンバ19から外チャンバ17へガスを流出しにくくする(ガス排気量:減少)。つまり、内チャンバ19の内圧は、上記所定幅未満の比較的小さい隙間δ1のときよりも高い圧力(内圧上昇による)となり、所定幅以上の比較的大きい隙間δ2の状況に適した圧力を保ち続ける。すなわち、エアバッグ13は、比較的低い侵入速度の状況に適した内圧に保てる。
以上のようにサイドエアバッグ装置11は、バンド部材29を用い、エアバッグ13(外チャンバ17)の展開状況に応じ、大小二つの内ベントホール27a,27bを切り換えるようにしたので、乗員Mとフロントドア3との隙間が比較的小さいときと、乗員Mとフロントドア3との隙間が比較的大きいときとで、エアバッグ13からのガス排出量を調整することができる。このため、エアバッグ13の内圧は、乗員Mとフロントドア3との間の隙間具合に応じて可変できる。
それ故、エアバッグ13は、乗員Mの体格や衝突速度で変わる、乗員Mとフロントドア3(車室内の壁面)との間の隙間δ1,δ2の大きさに拘わらず、エアバッグ13の厚み(展開幅)と内圧を適切な状態に維持することができ、より一層の乗員保護性能の向上を図ることができる。特に内チャンバ19の第1内ベントホール27aと外チャンバ17の外ベントホール25とを向き合わせて配置させたことにより、2重袋構造のエアバッグ13の特徴である、外チャンバ17の内圧を内チャンバ19よりも低くさせる挙動が確保しやすい。
しかも、第1内ベントホール27aと第2内ベントホール27bの切換構造には、外チャンバ17の幅方向両側に固定されるバンド部材29を用いて、外チャンバ17の展開幅が所定幅になるまでは、バンド部材29弛んだ中間部にて第2内ベントホール27bを塞ぎ、外チャンバ17の展開幅が所定幅を上回るとき、バンド部材29が引かれることで第1内ベントホール27aを覆う位置まで変位させる構造を用いたので、簡単な構造ですむ。特に第2内ベントホール27bが有る内チャンバ部分に、膨出可能な傾斜面部31bを形成したことで、バンド部材29との組み合わせから、2重袋構造でありながら、簡単な構造で第1内ベントホール27aを所定幅になるまで開口し続ける設定や、所定幅を上回るときにだけ第2内ベントホール27bに切り換える設定ができる。
なお、上述した一実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、上述した一実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば一実施形態では、第1内ベントホールと外ベントホールとを向き合うように配置した例を挙げたが、異なる位置に設けても構わない。
3 フロントドア(車室内の壁面)
5 フロントシート(シート)
11 サイドエアバッグ装置
13 エアバッグ
17 外チャンバ
19 内チャンバ
21 内ベント機構
25 外ベントホール
27a 第1内ベントホール
27b 第2内ベントホール
29 バンド部材(ベントホール切換部材)
31b 傾斜面部
M 乗員

Claims (4)

  1. シートに着座した乗員と車室内の壁面との間でエアバッグを展開させる車両のサイドエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、
    当該エアバッグの外周面を形成し、前記エアバッグ内部ガスを外部へ排出する外ベントホールを有する外チャンバと、
    外チャンバと連通される内ベント機構を有して前記外チャンバ内に収められた前記外チャンバより容量の小さい内チャンバとを備え、
    前記内ベント機構は、
    前記外チャンバ内と前記内チャンバ内とを連通する第1内ベントホールと、同第1内ベントホールと隣接して配置されて前記外チャンバ内と前記内チャンバ内とを連通する前記第1内ベントホールより小さい第2内ベントホールと、
    前記第2ベントホールを塞ぐ位置を基点に、前記エアバッグの車幅方向での展開幅が所定幅以上に拡がった際に前記第1ベントホールを塞ぐ位置に変位可能に設けられたベントホール切換部材と
    を有したことを特徴とする車両のサイドエアバッグ装置。
  2. 前記第1内ベントホールは、前記外ベントホールと向き合う位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記第1内ベントホールが前記内チャンバの前面部に設けられるとともに前記第2内ベントホールが前記第1内ベントホールの下方に隣接して前記内チャンバの前面部に設けられ、
    前記ベントホール切換部材は、前記内チャンバの前方側で車幅方向両側に延び、前記外チャンバの車幅方向両側の内面部分に固定されるバンド部材から構成され、
    前記バンド部材は、前記外チャンバの車幅方向での展開幅が所定幅になるまでは、同バンド部材の中間部が弛んだ状態とされて前記第2内ベントホールを塞ぐ位置に配置され、前記外チャンバの車幅方向での展開幅が所定幅以上に拡がった際に、車幅方向に引かれるとともに上方側に変位して前記第1内ベントホールを塞ぐ位置に配置されるよう構成された
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記内チャンバの前記バンド部材で覆われる前記第2内ベントホールの有る部分は、前記第1内ベントホール側から下方に離れるにしたがい後方へ退避する方向に傾斜した傾斜面部で構成され、
    前記バンド部材が、前記外チャンバの展開幅が前記所定幅になるまでは、前記傾斜面部に沿って配置されることで、前記第2ベントホールを覆う位置に位置決められる
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
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