JP2017088040A - 船外機 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油の循環効率を高めることにより、潤滑油の温度上昇を抑えることができる船外機を提供する。【解決手段】ギヤ機構6の回転によりギヤ機構6から上方に流れる潤滑油をギヤ室30から上方に送る送り通路は、第1上流通路56と螺旋状通路58と上ベアリングB1の内部とをこの順に介してギヤ室30から接続通路53、54に延びる第1送り通路51と、バイパス通路62で螺旋状通路58を迂回しながら、第1上流通路56から接続通路53、54に延びる第2送り通路52とを含む。バイパス通路62は、ドライブシャフト5の径方向において螺旋状通路58よりも外方に位置している。ドライブシャフト5の中心線に直交するバイパス通路62の断面の直径は、ドライブシャフト5の最大径よりも小さい。【選択図】図3
Description
本発明は、船外機に関する。
特許文献1には、水中に配置されるギヤケース内に収容されたギヤ機構を潤滑油で潤滑する船外機が開示されている。潤滑油は、ギヤケースに設けられたギヤ室内に貯留されている。ギヤ室内の潤滑油は、ギヤ機構に含まれるベベルギヤの回転によって上方に跳ね上げられ、ドライブシャフトに設けられたオイルスリンガまで上方に送られる。オイルスリンガに供給された潤滑油は、ドライブシャフトの回転によって螺旋状のオイル溝に沿って上方に案内される。これにより、ドライブシャフトを回転可能に支持するテーパーローラベアリングの内部隙間に潤滑油が供給される。テーパーローラベアリングを上方に通過した潤滑油は、メイン潤滑循環部とサブ潤滑循環部とによってギヤ室に戻される。
特許文献2は、従来からある潤滑油用の循環路の一例を開示している。ギヤ室内の潤滑油は、特許文献1と同様に、ピニオン、前進ギヤ、および後進ギヤの回転によって上方に送られる。潤滑油は、ギヤ室から上方に延びる下部連通路を介してギヤ室から挿入空間に送られる。ドライブシャフトを取り囲むスリーブは、挿入空間に配置されている。挿入空間に供給された潤滑油は、スリーブの外周面で開口する開口部からスリーブ内に入り、スリーブの内周面に形成された螺旋状のリード部によって上方に送られる。潤滑油は、リード部から上方に延びる送油部を介して上ベアリングに供給される。上ベアリングに供給された潤滑油は、挿入空間の内周面とスリーブの外周面との間を下方に流れ、上ベアリングとリード部との間の高さに位置する上部連通路を介して挿入空間から排出される。挿入空間の内周面とスリーブの外周面との間に形成された通路の外径は、ドライブシャフトの外径よりも大きい。
従来の船外機では、水中に配置されるロワーケースの内部に設けられた循環路で潤滑油を循環させる。これにより、ギヤやベアリングなどが潤滑されると共に、これらの部材が潤滑油で冷却される。ギヤ等を冷却した潤滑油は、循環路を循環する間にロワーケース等によって冷却される。これにより、潤滑油の温度が適正な範囲に維持される。しかしながら、ギヤなどの回転体の大型化や船外機の高出力化が進むにつれてロワーケースで発生する熱量が増加するので、潤滑油の温度が適正な範囲を超えることを防止するために、潤滑油の温度上昇を抑える必要がある。
ロワーケース内を循環する潤滑油の総量を増やせば、潤滑油全体の熱容量が大きくなるので、潤滑油の温度上昇を抑えることができる。また、潤滑油の循環効率を高めれば、つまり、潤滑油の滞留を防止するまたは潤滑油の循環流量を増やせば、潤滑油からの放熱が効果的に行われるので、潤滑油の総量を増やさなくても、潤滑油の温度上昇を抑えることができる。
しかしながら、潤滑油の総量を増やす方法では、ロワーケース内で潤滑油を貯留するオイル貯留室を拡大する必要がある。船外機によってはそのような大きなオイル貯留室をロワーケースに設けることができない場合がある。また、オイル貯留室を拡大するためにロワーケースを大型化すると、船外機に加わる水の抵抗が増すので、船外機の推進効率が低下してしまう。
特許文献1の船外機では、ギヤケースを大型化することなく潤滑油を円滑に循環させるために、テーパーローラベアリングを潤滑した潤滑油をギヤ室に戻す2つの潤滑循環部(メイン潤滑循環部およびサブ潤滑循環部)が設けられている。しかしながら、潤滑油の循環流量は、テーパーローラベアリングに潤滑油を送るオイルスリンガの供給能力に依存するので、オイルスリンガの供給能力を超える流量で潤滑油を循環させることはできない。すなわち、オイルスリンガにおける潤滑油の供給能力を増加させなければ、サブ潤滑循環部を追加したとしても循環系全体の循環流量を増加させることができない。
ベベルギヤの回転によってオイルスリンガに供給される潤滑油の流量、および、オイルスリンガによって送られる潤滑油の流量は、いずれもエンジンの回転速度が増加するのに伴って増加する。しかし、高速回転時には、ベベルギヤの回転によってオイルスリンガに供給される潤滑油の流量がオイルスリンガによって送られる潤滑油の流量よりも大きくなる。オイルスリンガに供給される潤滑油の流量が、オイルスリンガによって送られる潤滑油の流量を超えたとしても、潤滑油はオイルスリンガの供給能力を超える流量で循環しない。さらに、この場合、ベベルギヤとオイルスリンガとの間に潤滑油が滞留するので、潤滑油の圧力が上昇し、潤滑油の温度が上昇する。
特許文献2の船外機についても同様に、螺旋状のリード部の供給能力を超える流量で潤滑油を循環させることはできない。
そこで、本発明の目的の一つは、潤滑油の循環効率を高めることにより、潤滑油の温度上昇を抑えることができる船外機を提供することである。
そこで、本発明の目的の一つは、潤滑油の循環効率を高めることにより、潤滑油の温度上昇を抑えることができる船外機を提供することである。
本発明の一実施形態は、原動機と、前記原動機の下方で上下方向に延びており、前記原動機の回転が伝達されるドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの下端部に連結されており、前記ドライブシャフトの回転が伝達されるギヤ機構と、前記ギヤ機構の回転が伝達されるプロペラシャフトと、前記ギヤ機構と潤滑油とを収容するギヤ室を形成しており、前記ドライブシャフトが挿入されたロワーケースと、前記ギヤ機構の上方に位置しており、前記ロワーケース内で前記ドライブシャフトを回転可能に支持する上ベアリングと、前記ギヤ機構の回転により前記ギヤ機構から上方に流れる潤滑油を、前記ギヤ室から上方に送る送り通路と、前記送り通路によって送られた潤滑油を前記ギヤ室に戻す、前記送り通路とは別の戻り通路と、前記送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内する接続通路とを含む、船外機を提供する。
前記送り通路は、前記ギヤ室から上方に延びる第1上流通路と、前記上ベアリングの下方で前記ドライブシャフトを螺旋状に取り囲む螺旋状通路とを含み、前記第1上流通路と前記螺旋状通路と前記上ベアリングの内部とをこの順に介して、前記ギヤ室から前記接続通路に延びる第1送り通路と、前記螺旋状通路から隔てられたバイパス通路を含み、前記バイパス通路で前記螺旋状通路を迂回しながら、前記第1上流通路から前記接続通路に延びる第2送り通路とを含む。前記バイパス通路は、前記ドライブシャフトの径方向において前記螺旋状通路よりも外方に位置している。前記ドライブシャフトの中心線に直交する前記バイパス通路の断面の直径は、前記ドライブシャフトの最大径よりも小さい。「前記ドライブシャフトの中心線に直交する前記バイパス通路の断面の直径」は、バイパス通路の断面の輪郭線上の2点を結ぶ直線の最大値を意味する。前記バイパス通路の断面は、円形、楕円形、または多角形であってもよいし、ドライブシャフトの周方向に延びるC字状であってもよい。
この構成によれば、原動機がドライブシャフトを回転させると、ロワーケースのギヤ室に収容されたギヤ機構が回転し、ギヤ室内の潤滑油が上方に送られる。これにより、潤滑油は、第1送り通路の第1上流通路、螺旋状通路、および上ベアリングの内部をこの順に流れる。第2送り通路は、バイパス通路で螺旋状通路を迂回しながら、第1上流通路から接続通路に延びている。ギヤ機構から上方に流れる潤滑油の一部は、螺旋状通路を通らずに、接続通路に向かってバイパス通路を流れる。
このように、螺旋状通路を迂回するバイパス通路が、第2送り通路に設けられているので、ギヤ室、送り通路、接続通路、および戻り通路を含む循環路を流れる潤滑油の流量が螺旋状通路によって制限されない。そのため、螺旋状通路の供給能力を超える流量で潤滑油を循環させることができる。これにより、循環路を流れる潤滑油の循環効率を高めることができ、ロワーケース内の潤滑油を効果的に冷却することができる。
前記バイパス通路の流路面積は、前記螺旋状通路の流路面積よりも大きくてもよい。
この構成によれば、螺旋状通路を迂回するバイパス通路の流路面積が、螺旋状通路の流路面積よりも大きい。したがって、螺旋状通路を流れる潤滑油の流量よりも大きな流量でバイパス通路に潤滑油を案内させることができる。これにより、潤滑油の循環効率を高めることができる。
この構成によれば、螺旋状通路を迂回するバイパス通路の流路面積が、螺旋状通路の流路面積よりも大きい。したがって、螺旋状通路を流れる潤滑油の流量よりも大きな流量でバイパス通路に潤滑油を案内させることができる。これにより、潤滑油の循環効率を高めることができる。
前記送り通路は、前記接続通路の上流で前記第1送り通路および第2送り通路を互いに接続する合流部を含んでいてもよい。合流部は、上ベアリングの上流および下流のいずれで第1送り通路および第2送り通路を互いに接続していてもよい。
この構成によれば、第1送り通路および第2送り通路が、接続通路の上流で合流部によって互いに接続されているので、余剰の潤滑油を第1送り通路および第2送り通路の一方から第1送り通路および第2送り通路の他方に逃がすことができる。これにより、第1送り通路および第2送り通路での潤滑油の圧力上昇を抑えることができる。
この構成によれば、第1送り通路および第2送り通路が、接続通路の上流で合流部によって互いに接続されているので、余剰の潤滑油を第1送り通路および第2送り通路の一方から第1送り通路および第2送り通路の他方に逃がすことができる。これにより、第1送り通路および第2送り通路での潤滑油の圧力上昇を抑えることができる。
前記合流部は、前記上ベアリングの上流でかつ前記螺旋状通路の下流の位置で前記第1送り通路および第2送り通路を互いに接続していてもよい。
この構成によれば、螺旋状通路を迂回した潤滑油が、上ベアリングの上流でかつ螺旋状通路の下流の位置で第2送り通路から第1送り通路に供給される。合流部で第1送り通路に供給された潤滑油は、合流部の下流に位置する上ベアリングの内部隙間に供給される。これにより、上ベアリングに供給される潤滑油の流量を増やすことができる。さらに、余剰の潤滑油を合流部を介して第1送り通路から第2送り通路に逃がすこともできるので、潤滑油の圧力が上ベアリングと螺旋状通路との間で高まることを抑えることができる。
この構成によれば、螺旋状通路を迂回した潤滑油が、上ベアリングの上流でかつ螺旋状通路の下流の位置で第2送り通路から第1送り通路に供給される。合流部で第1送り通路に供給された潤滑油は、合流部の下流に位置する上ベアリングの内部隙間に供給される。これにより、上ベアリングに供給される潤滑油の流量を増やすことができる。さらに、余剰の潤滑油を合流部を介して第1送り通路から第2送り通路に逃がすこともできるので、潤滑油の圧力が上ベアリングと螺旋状通路との間で高まることを抑えることができる。
前記第2送り通路は、前記上ベアリングの内部を迂回する少なくとも一つの外周通路をさらに含んでいてもよい。少なくとも一つの外周通路の流路面積は、上ベアリングの内部隙間よりも大きいことが好ましい。具体的には、少なくとも一つの外周通路が複数の外周通路である場合、複数の外周通路の流路面積の和は、上ベアリングの内部隙間よりも大きいことが好ましい。少なくとも一つの外周通路が単一の外周通路である場合、外周通路の流路面積は、上ベアリングの内部隙間よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第2送り通路は、外周通路で上ベアリングの内部隙間を迂回しながら接続通路に向かって延びている。流路面積が小さい上ベアリングの内部隙間を迂回することにより、第2送り通路を流れる潤滑油の流量が上ベアリングの内部隙間によって制限されることを防止できる。これにより、潤滑油の循環効率を高めることができ、潤滑油を効果的に冷却することができる。
前記外周通路の一部は、前記上ベアリングの外周面によって形成されていてもよい。
この構成によれば、外周通路を形成する外周通路の内壁面が上ベアリングの外周面を含んでおり、上ベアリングの外周面が外周通路の一部を形成している。外周通路内の潤滑油は、上ベアリングの外周面に接しながら流れる。したがって、上ベアリングは、外周通路を流れる潤滑油によって冷却される。そのため、潤滑油の循環効率を高めながら、上ベアリングを冷却できる。
この構成によれば、外周通路を形成する外周通路の内壁面が上ベアリングの外周面を含んでおり、上ベアリングの外周面が外周通路の一部を形成している。外周通路内の潤滑油は、上ベアリングの外周面に接しながら流れる。したがって、上ベアリングは、外周通路を流れる潤滑油によって冷却される。そのため、潤滑油の循環効率を高めながら、上ベアリングを冷却できる。
前記少なくとも一つの外周通路は、前記ドライブシャフトの周方向に間隔を空けて配置された複数の外周通路であってもよい。
この構成によれば、上ベアリングの内部を迂回する複数の外周通路が、第2送り通路に設けられている。これにより、第2送り通路の流路面積が増加するので、潤滑油の循環効率をさらに高めることができる。
この構成によれば、上ベアリングの内部を迂回する複数の外周通路が、第2送り通路に設けられている。これにより、第2送り通路の流路面積が増加するので、潤滑油の循環効率をさらに高めることができる。
前記接続通路は、互いに異なる第1接続通路および第2接続通路を含んでいてもよい。前記第1接続通路は、前記第1送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内し、前記第2接続通路は、前記第2送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内する。
この構成によれば、第1送り通路内の潤滑油が、第1接続通路によって戻り通路に案内され、第2送り通路内の潤滑油が、第2接続通路によって戻り通路に案内される。第1接続通路および第2接続通路は、互いに交わらない別々の通路である。したがって、接続通路の流路面積を増やすことができ、循環路を流れる潤滑油の流量が接続通路で制限されることを防止できる。
この構成によれば、第1送り通路内の潤滑油が、第1接続通路によって戻り通路に案内され、第2送り通路内の潤滑油が、第2接続通路によって戻り通路に案内される。第1接続通路および第2接続通路は、互いに交わらない別々の通路である。したがって、接続通路の流路面積を増やすことができ、循環路を流れる潤滑油の流量が接続通路で制限されることを防止できる。
前記第1送り通路は、前記第1接続通路だけに接続されていてもよいし、前記第2送り通路は、前記第2接続通路だけに接続されていてもよい。もしくは、前記第2送り通路は、前記第1接続通路および第2接続通路の両方に接続されていてもよい。
第2送り通路が第1接続通路および第2接続通路の両方に接続されている場合、第2送り通路は、第1接続通路に交差する部分と、第2接続通路に交差する部分とを含む。第2送り通路を流れる潤滑油が多い場合、潤滑油の一部は、第2送り通路から第2接続通路に流れ、残りの潤滑油は、第2送り通路から第1接続通路に流れる。このように、第2送り通路を流れる潤滑油の一部を第1接続通路に逃がすことができるので、潤滑油の循環流量が第2接続通路で制限されることを防止できる。
第2送り通路が第1接続通路および第2接続通路の両方に接続されている場合、第2送り通路は、第1接続通路に交差する部分と、第2接続通路に交差する部分とを含む。第2送り通路を流れる潤滑油が多い場合、潤滑油の一部は、第2送り通路から第2接続通路に流れ、残りの潤滑油は、第2送り通路から第1接続通路に流れる。このように、第2送り通路を流れる潤滑油の一部を第1接続通路に逃がすことができるので、潤滑油の循環流量が第2接続通路で制限されることを防止できる。
前記螺旋状通路は、前記ドライブシャフトの中心線を螺旋状に取り囲みながら上下方向に延びる螺旋溝を含んでいてもよい。前記バイパス通路の少なくとも一部は、前記螺旋溝の上端および下端の間の高さに位置していてもよい。たとえば、前記バイパス通路の上端および下端の両方が、前記螺旋溝の上端および下端の間の高さに位置していてもよい。螺旋溝は、ドライブシャフトの外周面に設けられていてもよいし、ドライブシャフトを取り囲む円筒面に設けられていてもよい。円筒面は、ロワーケースの一部であってもよいし、ロワーケースとは別の部材の一部であってもよい。
前記バイパス通路は、前記ロワーケースと一体であってもよい。
前記接続通路は、前記送り通路に接続された上流端と、前記戻り通路に接続された下流端とを含んでいてもよい。前記接続通路の上流端および下流端の少なくとも一方は、前記原動機が停止しているときの潤滑油の油面の上方に位置していてもよい。
前記接続通路は、前記送り通路に接続された上流端と、前記戻り通路に接続された下流端とを含んでいてもよい。前記接続通路の上流端および下流端の少なくとも一方は、前記原動機が停止しているときの潤滑油の油面の上方に位置していてもよい。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
以下では、基準姿勢の船外機2について説明する。基準姿勢は、プロペラシャフト7の回転軸線が前後方向に水平に延びる姿勢である。
図1は、本発明の一実施形態に係る船外機2の左側面を示す模式図である。図2は、船外機2に設けられたロワーケース17の内部を示す鉛直断面図である。図1および図2は、船外機2が基準姿勢にある状態を示している。
以下では、基準姿勢の船外機2について説明する。基準姿勢は、プロペラシャフト7の回転軸線が前後方向に水平に延びる姿勢である。
図1は、本発明の一実施形態に係る船外機2の左側面を示す模式図である。図2は、船外機2に設けられたロワーケース17の内部を示す鉛直断面図である。図1および図2は、船外機2が基準姿勢にある状態を示している。
図1に示すように、船舶推進機1は、船舶を推進させる推力を発生する船外機2と、船外機2を船体H1に取り付ける懸架装置とを含む。
船外機2は、プロペラ8を回転させる動力を発生する原動機3と、原動機3の動力をプロペラ8に伝達する動力伝達装置とを含む。原動機3の回転は、動力伝達装置のドライブシャフト5、ギヤ機構6、およびプロペラシャフト7を介してプロペラ8に伝達される。これにより、プロペラ8がプロペラシャフト7と共に回転し、船舶を前方または後方に推進させる推力が発生する。
船外機2は、プロペラ8を回転させる動力を発生する原動機3と、原動機3の動力をプロペラ8に伝達する動力伝達装置とを含む。原動機3の回転は、動力伝達装置のドライブシャフト5、ギヤ機構6、およびプロペラシャフト7を介してプロペラ8に伝達される。これにより、プロペラ8がプロペラシャフト7と共に回転し、船舶を前方または後方に推進させる推力が発生する。
懸架装置は、船体H1の後部に設けられたトランサムに固定される一対のクランプブラケット9と、左右方向に水平に延びる姿勢で一対のクランプブラケット9に支持されたチルティングシャフト10とを含む。懸架装置は、さらに、チルティングシャフト10を介して一対のクランプブラケット9に支持されたスイベルブラケット11と、上下方向に鉛直に延びる姿勢でスイベルブラケット11に支持されたステアリングシャフト12とを含む。
船外機2は、ステアリングシャフト12の上端部および下端部に連結されている。ステアリングシャフト12は、上下方向に延びるステアリングシャフト12の中心線まわりにスイベルブラケット11に対して回転可能である。スイベルブラケット11は、左右方向に延びるチルティングシャフト10の中心線まわりにクランプブラケット9に対して回転可能である。船外機2は、船体H1に対して左右方向に回動可能であり、船体H1に対して上下方向に回動可能である。
船舶推進機1は、船外機2をクランプブラケット9に対してステアリングシャフト12まわりに回動させるステアリング機構と、船外機2をクランプブラケット9に対してチルティングシャフト10まわりに回動させるパワートリム&チルト機構(以下では「PTT」という。)とを含む。PTTの油圧シリンダ13は、一対のクランプブラケット9の間に配置されている。PTTは、プロペラ8が水中に位置するチルトダウン位置(図1に示す位置)から、プロペラ8が水面の上方に位置するチルトアップ位置までの、任意の位置に船外機2を位置させる。
船外機2は、原動機3を収容するカウリング14と、動力伝達装置を収容するケーシングとを含む。ケーシングは、原動機3の下方に配置されたエギゾーストガイド15と、エギゾーストガイド15の下方に配置されたアッパーケース16と、アッパーケース16の下方に配置されたロワーケース17とを含む。ロワーケース17は、前後方向に延びる円筒状のトーピード部17aを含む。トーピード部17aは、水中に配置される部分である。トーピード部17aは、閉じられた前端と、後方に開いた後端と、前端に近づくにしたがって細くなるテーパー状の外表面とを含む。
ドライブシャフト5は、エギゾーストガイド15、アッパーケース16、およびロワーケース17内で上下方向に延びている。ギヤ機構6は、ドライブシャフト5の下端部に連結されている。プロペラシャフト7は、トーピード部17a内で前後方向に延びている。ギヤ機構6は、プロペラシャフト7の前端部に連結されている。プロペラ8は、トーピード部17aの後端から後方に突出したプロペラシャフト7の後端部に取り外し可能に取り付けられている。ドライブシャフト5は、ドライブシャフト5の中心線(ドライブ軸線Ad)まわりにケーシングに対して回転可能である。プロペラシャフト7は、プロペラシャフト7の中心線(プロペラ軸線Ap)まわりにケーシングに対して回転可能である。
原動機3は、エンジン(内燃機関)である。原動機3は、電動モータであってもよいし、エンジンおよび電動モータの両方を備えていてもよい。プロペラ8の後端部は、排気を水中に排出する排気口19を形成している。原動機3で生成された排気は、船外機2の内部に設けられた排気通路18を介して排気口19から水中に排出される。原動機3は、クランクシャフト4の回転軸線Acが鉛直な姿勢で、原動機支持部材としてのエギゾーストガイド15上に配置されている。ドライブシャフト5からプロペラシャフト7に伝達される回転の方向は、ギヤ機構6によって切り替えられる。プロペラ8は、プロペラシャフト7と同じ方向に回転する。したがって、プロペラ8の回転方向は、正転方向および逆転方向の間で切り替えられる。これにより、推力の方向が切り替えられる。
図2に示すように、ギヤ機構6は、ドライブシャフト5と共にドライブ軸線Adまわりに回転する筒状のピニオン21と、ピニオン21に噛み合う筒状の前ギヤ22および後ギヤ23と、前ギヤ22および後ギヤ23の一方に選択的に噛み合う筒状のドッグクラッチ24とを含む。船外機2は、ドッグクラッチ24をプロペラシャフト7の軸方向(前後方向)に移動させることにより、ギヤ機構6のシフト状態を切り替えるシフト機構を含む。
ピニオン21は、ドライブシャフト5の下端部に連結されている。ドライブシャフト5は、ロワーケース17に設けられたシャフト挿入穴25に挿入されている。ドライブシャフト5は、ドライブシャフト5を取り囲む上ベアリングB1および下ベアリングB2を介して回転可能にロワーケース17に支持されている。ピニオン21は、下ベアリングB2の下方に配置されており、上ベアリングB1は、下ベアリングB2の上方に配置されている。
上ベアリングB1および下ベアリングB2は、ボールベアリング、ローラベアリング、およびニードルベアリングのいずれであってもよい。図2は、上ベアリングB1が複列テーパーローラベアリングであり、下ベアリングB2がニードルベアリングである例を示している。上ベアリングB1は、ドライブシャフト5を取り囲む内輪と、内輪を取り囲む外輪と、内輪と外輪との間に介在する複数のローラとを含む。下ベアリングB2は、ドライブシャフト5を取り囲む外輪と、ドライブシャフト5と外輪との間に介在する複数のニードルとを含む。
上ベアリングB1の内輪は、ドライブシャフト5に取り付けられた環状のナット26とドライブシャフト5に設けられた環状段部とによってドライブシャフト5の軸方向に挟まれている。上ベアリングB1の外輪は、シャフト挿入穴25の内周面に取り付けられた環状の固定リング27とシャフト挿入穴25に設けられた環状段部とによってドライブシャフト5の軸方向に挟まれている。固定リング27は、ドライブシャフト5の径方向に間隔を空けてナット26を取り囲んでいる。ナット26および固定リング27は、上ベアリングB1とシャフトキャップ28との間に位置している。シャフト挿入穴25の上端は、ドライブシャフト5を取り囲む筒状のシャフトキャップ28によって塞がれている。
前ギヤ22は、ドライブ軸線Adよりも前方に配置されている。後ギヤ23は、ドライブ軸線Adよりも後方に配置されている。ドッグクラッチ24は、前ギヤ22および後ギヤ23の間に配置されている。プロペラシャフト7の前端部は、筒状の前ギヤ22、後ギヤ23、およびドッグクラッチ24内に挿入されている。前ギヤ22および後ギヤ23は、プロペラ軸線Apまわりに回転可能にロワーケース17に支持されている。原動機3がドライブシャフト5を回転させると、ドライブギヤとしてのピニオン21の回転が、ドリブンギヤとしての前ギヤ22および後ギヤ23に伝達され、前ギヤ22および後ギヤ23が互いに反対の方向に回転する。
前ギヤ22は、前ギヤ22を取り囲む前ベアリングB3を介してロワーケース17に回転可能に支持されている。後ギヤ23は、後ギヤ23を取り囲む後ベアリングB4を介してロワーケース17に回転可能に支持されている。前ベアリングB3は、トーピード部17a内に挿入されており、後ベアリングB4は、プロペラシャフト7を取り囲む筒状のベアリングハウジング29内に挿入されている。後ベアリングB4は、ベアリングハウジング29を介してロワーケース17に支持されている。
ドッグクラッチ24は、プロペラシャフト7にスプライン結合されている。ドッグクラッチ24は、プロペラシャフト7に対してプロペラシャフト7の軸方向に移動可能であり、プロペラ軸線Apまわりにプロペラシャフト7と一体回転する。ドッグクラッチ24は、前ギヤ22の噛み合い部に対向する前噛み合い部24aと、後ギヤ23の噛み合い部に対向する後噛み合い部24bとを含む。ドッグクラッチ24は、前噛み合い部24aが前ギヤ22の噛み合い部に噛み合う正転位置と、後噛み合い部24bが後ギヤ23の噛み合い部に噛み合う逆転位置との間で、プロペラシャフト7に沿って前後方向に移動可能である。正転位置および逆転位置の間の位置は、ドッグクラッチ24が前ギヤ22および後ギヤ23のいずれにも噛み合わない中立位置(図2に示す位置)である。
ピニオン21、前ギヤ22、後ギヤ23、およびドッグクラッチ24は、トーピード部17aに設けられたギヤ室30内に配置されている。ギヤ室30は、トーピード部17aの内表面によって形成されている。ギヤ室30は、ギヤ機構6を潤滑する潤滑油(ギヤオイル)で満たされている。シャフト挿入穴25は、ギヤ室30の上方に位置している。シャフト挿入穴25は、下ベアリングB2のまわりに設けられた下ベアリング迂回溝57を介してギヤ室30に接続されている。潤滑油は、下ベアリング迂回溝57を介してギヤ室30とシャフト挿入穴25との間を移動可能である。
シフト機構は、正転位置、逆転位置、および中立位置のいずれかのシフト位置にドッグクラッチ24を位置させる。シフト機構は、ユーザーのシフト操作に応じて駆動されるシフトアクチュエータ31(図1参照)と、シフトアクチュエータ31によって回転駆動されるシフトロッド32とを含む。シフト機構は、さらに、シフトロッド32によって前後方向に駆動されるスライドシャフト33と、スライドシャフト33とドッグクラッチ24とを連結する連結ピン34とを含む。
シフトロッド32は、上下方向に延びるロッド部32aと、ロッド部32aの下方に配置されたディスク部32bと、ディスク部32bの下方に配置されたクランク部32cとを含む。ロッド部32aおよびディスク部32bは同軸であり、クランク部32cの一部(偏心部)は、ロッド部32aおよびディスク部32bに対して偏心している。ディスク部32bの外径は、ロッド部32aの外径よりも大きい。
ロッド部32aは、ドライブシャフト5の前方に位置しており、ドライブシャフト5と平行である。ロッド部32aは、ロワーケース17に設けられたロッド挿入穴36に挿入されている。ロッド挿入穴36は、ロッド部32aに沿って上下方向に延びている。ロッド挿入穴36の内周面は、シフトロッド32の径方向に間隔を空けてロッド部32aを取り囲んでいる。ロッド部32aは、ロッド挿入穴36の上端から上方に突出している。ロッド挿入穴36の上端は、ロッド部32aを取り囲む環状のロッドキャップ35によって塞がれている。ロッド挿入穴36の下端は、ディスク部32bによって塞がれている。ロッド部32aは、ロッドキャップ35を介してロッド部32aの中心線まわりに回転可能にロワーケース17に支持されている。
ロッド挿入穴36の内周面とロッドキャップ35とディスク部32bとは、ロッド部32aを収容するシフト室37を形成している。シフト室37は、ギヤ室30の上方に位置している。シフト室37は、ディスク部32bのまわりに配置された複数のロッド迂回溝38を介してギヤ室30に接続されている。シフト室37は、さらに、シフトロッド32とピニオン21との間に位置するロワーケース17の一部を前後方向に貫通する貫通穴39を介してギヤ室30に接続されている。貫通穴39は、シフトロッド32とピニオン21との間に位置している。潤滑油は、ロッド迂回溝38または貫通穴39を介してギヤ室30とシフト室37との間を移動可能である。
ギヤやベアリング等を潤滑する潤滑油は、ギヤ室30だけでなく、シャフト挿入穴25およびシフト室37にも貯留されている。ギヤ室30、シャフト挿入穴25、およびシフト室37は、潤滑油を貯留するオイル貯留室を形成している。原動機3が停止しているとき及びアイドリングしているとき、潤滑油の油面(オイルレベルL1)は、上ベアリングB1の上端と上ベアリングB1の下端との間に位置している。つまり、ギヤ室30の全体が潤滑油で満たされており、シャフト挿入穴25およびシフト室37の一部が潤滑油で満たされている。潤滑油の油面の位置(高さ)は、潤滑油の温度に応じて変化する。
スライドシャフト33は、クランク部32cに取り付けられたフロントシャフト33aと、連結ピン34に取り付けられたリアシャフト33bとを含む。リアシャフト33bは、プロペラシャフト7の前方からプロペラシャフト7内に挿入されており、フロントシャフト33aは、リアシャフト33bから前方に延びている。フロントシャフト33aは、プロペラシャフト7の前端から前方に突出している。クランク部32cは、プロペラシャフト7の前方でフロントシャフト33aに取り付けられている。
ユーザーが操船席に設けられたシフトレバーを操作すると、シフトアクチュエータ31(図1参照)がシフトロッド32をロッド部32aの中心線まわりに回動させる。クランク部32cの一部がロッド部32aに対して偏心しているので、シフトロッド32が回動すると、クランク部32cの一部が前後方向に移動する。これにより、フロントシャフト33aが、クランク部32cによって前方または後方に押され、前後方向に移動する。それに伴って、リアシャフト33b、連結ピン34、およびドッグクラッチ24が前後方向に一体移動する。これにより、ドッグクラッチ24が、正転位置、逆転位置、および中立位置のいずれかに配置される。
船外機2は、原動機3を含む船外機2の各部を冷却する水冷装置を含む。水冷装置は、船外機2の外表面で開口する第1取水口41および第2取水口42と、第1取水口41および第2取水口42に流入した船外機2の外の水を船外機2の各部に案内する冷却水通路と、船外機2の外の水を第1取水口41および第2取水口42に吸引させる吸引力を発生するウォーターポンプ45とを含む。
原動機3によって駆動されるウォーターポンプ45は、船外機2の内部に設けられた冷却水通路上に配置されている。冷却水通路は、船外機2の外の水を船外機2の各部に案内する第1給水路43および第2給水路44と、船外機2の各部を冷却した水を船外機2の外に排出する排水路とを含む。第1給水路43は、ドライブシャフト5よりも前方に配置された第1取水口41からウォーターポンプ45に延びており、第2給水路44は、ドライブシャフト5よりも後方に配置された第2取水口42からウォーターポンプ45に延びている。
ウォーターポンプ45は、ドライブシャフト5と共に回転するインペラ45aと、インペラ45aを収容するポンプケース45bとを含む。原動機3がドライブシャフト5を回転させると、インペラ45aがポンプケース45bに対して回転する。ポンプケース45bは、ロワーケース17に設けられた第1給水路43および第2給水路44を介して第1取水口41および第2取水口42に接続されている。原動機3がドライブシャフト5を回転させると、冷却水としての船外機2の外の水が、第1給水路43および第2給水路44を介して第1取水口41および第2取水口42からポンプケース45bの内部に吸引され、ポンプケース45bから原動機3等に送られる。これにより、船外機2の各部が冷却される。
ギヤ室30、シャフト挿入穴25、およびシフト室37を含むオイル貯留室は、水中に配置されるロワーケース17に設けられている。ロワーケース17は、樹脂よりも熱伝導率の高い金属で形成されている。したがって、オイル貯留室内の潤滑油は、船外機2の外の水によって冷却される。さらに、ロワーケース17の第1仕切壁17xだけが、第1給水路43とシフト室37との間に介在しており、ロワーケース17の第2仕切壁17yだけが、第2給水路44とシャフト挿入穴25との間に介在している。そのため、シフト室37およびシャフト挿入穴25内の潤滑油は、第1給水路43および第2給水路44を流れる冷却水によって効果的に冷却される。
次に、船外機2内の潤滑油を循環させるオイル循環システムについて説明する。
図3は、図2の一部を拡大した図である。図4(a)は、ドライブ軸線Adを含み、プロペラ軸線Apに直交する鉛直断面を後方から見た図である。図4(b)は、図4(a)に示すB−B線に沿う水平断面を示す図であり、図4(c)は、図4(a)に示すC−C線に沿う水平断面を示す図である。
図3は、図2の一部を拡大した図である。図4(a)は、ドライブ軸線Adを含み、プロペラ軸線Apに直交する鉛直断面を後方から見た図である。図4(b)は、図4(a)に示すB−B線に沿う水平断面を示す図であり、図4(c)は、図4(a)に示すC−C線に沿う水平断面を示す図である。
図3に示すように、オイル循環システムは、潤滑油をギヤ室30から上方に送る送り通路51、52と、送り通路によって送られた潤滑油をギヤ室30に戻す戻り通路55と、送り通路から戻り通路55に潤滑油を案内する接続通路53、54とを含む。
送り通路は、上ベアリングB1と下ベアリングB2との間で互いに隔てられた第1送り通路51および第2送り通路52を含む。戻り通路55は、前述のシフト室37および複数のロッド迂回溝38によって形成されている。接続通路は、送り通路から戻り通路55に延びる1つ以上の通路を含む。図3は、第1接続通路53および第2接続通路54が接続通路に設けられている例を示している。
送り通路は、上ベアリングB1と下ベアリングB2との間で互いに隔てられた第1送り通路51および第2送り通路52を含む。戻り通路55は、前述のシフト室37および複数のロッド迂回溝38によって形成されている。接続通路は、送り通路から戻り通路55に延びる1つ以上の通路を含む。図3は、第1接続通路53および第2接続通路54が接続通路に設けられている例を示している。
ギヤ室30、送り通路、接続通路、および戻り通路55は、ロワーケース17内の潤滑油を潤滑させる循環路を形成している。原動機3がドライブシャフト5を回転させると、ギヤ機構6の回転によってギヤ室30内の潤滑油が上方に送られると共に、螺旋溝59およびポンプ形成面60によって形成されたネジポンプによって潤滑油が上方に送られる。これにより、ギヤ室30内の潤滑油は、送り通路、接続通路、および戻り通路55をこの順に通り、ギヤ室30に戻る。潤滑油は、この間にロワーケース17等によって冷却される。
第1送り通路51は、ギヤ室30から上方に延びる第1上流通路56と、ドライブシャフト5のまわりに設けられた螺旋状の第1中間通路58と、上ベアリングB1の内部隙間と、上ベアリングB1とシャフトキャップ28との間に設けられた第1下流通路61とを含む。上ベアリングB1の内部隙間は、上ベアリングB1の内輪および外輪の間の隙間を意味する。第1中間通路58は、螺旋状通路の一例である。
第2送り通路52は、ギヤ室30から上方に延びる第2上流通路と、ロワーケース17の一部によって第1中間通路58から隔てられた第2中間通路62と、上ベアリングB1の内部を迂回しながら第2中間通路62から上方に延びる1つ以上の第2下流通路63とを含む。図3は、2つの下流通路63が設けられており、第2上流通路が第1上流通路56と同じ通路である例を示している。第2中間通路62は、バイパス通路の一例であり、第2下流通路63は、外周通路の一例である。
第1上流通路56は、たとえば下ベアリングB2の前方に位置している。下端に相当する第1上流通路56の上流端は、下ベアリングB2よりも下方に位置しており、ピニオン21および前ギヤ22の噛み合い部に上下方向に対向している。上端に相当する第1上流通路56の下流端は、下ベアリングB2の上方に位置しており、ドライブシャフト5の外周面に径方向に対向している。ギヤ室30から上方に延びていれば、第1上流通路56は、鉛直であってもよいし、傾斜していてもよい。
第1上流通路56は、ロワーケース17に設けられた下ベアリング迂回溝57の内表面と、下ベアリングB2の外周面とによって形成されている。下ベアリング迂回溝57は、下ベアリングB2の外周面に沿って上下方向に延びている。下ベアリング迂回溝57は、下ベアリングB2の外輪の外周面に接触する円筒面から外方に凹んでいる。第1上流通路56の流路面積は、第1中間通路58の流路面積よりも大きい。
第1中間通路58は、ドライブシャフト5を螺旋状に取り囲みながらドライブシャフト5に沿って上下方向に延びている。第1中間通路58は、ドライブシャフト5の溝形成部5aの外周面に設けられた螺旋溝59と、シャフト挿入穴25の内周面の一部である円筒状のポンプ形成面60とによって形成されている。螺旋溝59とポンプ形成面60とは、ドライブシャフト5の回転に伴って潤滑油を上方に送るネジポンプを形成している。螺旋溝59の回転方向は、ドライブシャフト5の回転に伴って潤滑油が上方に送られるように設定されている。ドライブシャフト5の回転方向がたとえば上から見て右まわりの場合、螺旋溝59は上から見て右まわりに延びている。
螺旋溝59は、ドライブシャフト5の中心線を螺旋状に取り囲みながら上下方向に延びている。螺旋溝59の上端は、第1中間通路58の下流端に相当し、螺旋溝59の下端は、第1中間通路58の上流端に相当する。螺旋溝59の上端および下端は、上ベアリングB1の下端と下ベアリングB2の上端との間の高さに位置している。螺旋溝59の下端は、第1上流通路56の下流端と等しい高さに位置している。
第1下流通路61は、上ベアリングB1から上方に延びている。第1下流通路61は、上ベアリングB1の内部隙間に連通している。第1下流通路61は、上ベアリングB1の内部隙間を上方に通過した潤滑油を第1接続通路53の方に案内する。第1下流通路61は、上ベアリングB1とシャフトキャップ28との間に位置している。第1下流通路61は、ナット26の外周面と固定リング27の内周面との間を通って上ベアリングB1からシャフトキャップ28に延びている。
第2中間通路62は、第1上流通路56から上方に延びている。第2中間通路62は、上ベアリングB1の下方に位置している。第2中間通路62は、ドライブシャフト5の前方に位置している。第2中間通路62は、シャフト挿入穴25とシフト室37との間の位置している。第2中間通路62は、ロワーケース17によって形成されたロワーケース17と一体の通路である。
第2中間通路62は、第1中間通路58に交わらない、第1中間通路58とは別の通路である。第2中間通路62の流路面積は、第1中間通路58の流路面積よりも大きい。第2中間通路62は、ドライブシャフト5の径方向において第1中間通路58よりも外方に位置している。第2中間通路62は、ロワーケース17の隔離壁17zによって第1中間通路58から隔てられている。隔離壁17zは、ドライブシャフト5の径方向における第1中間通路58と第2中間通路62との間に位置している。
第2中間通路62の上端は、第2中間通路62の下流端に相当し、第2中間通路62の下端は、第2中間通路62の上流端に相当する。第2中間通路62の上端および下端は、いずれも、螺旋溝59の上端および下端の間の高さに位置している。第2中間通路62は、その上端からその下端まで鉛直であってもよいし、鉛直方向に対して斜めに傾いていてもよい。また、第2中間通路62は、折れ線状または曲線状であってもよい。上下方向への第2中間通路62の長さは、上ベアリングB1の下端から下ベアリングB2の上端までの上下方向の距離よりも短く、上ベアリングB1の外径よりも長い。
図4(a)に示すように、第2中間通路62は、第1上流通路56および第2下流通路63よりも上下方向に長い。図4(b)および図4(c)に示すように、第2中間通路62は、ポンプ形成面60を取り囲む環状の領域の一部だけに設けられている。第2中間通路62は、たとえば円形の水平断面を有している。図4(c)に示すように、第2中間通路62の内径、つまり、ドライブシャフト5の中心線に直交する第2中間通路62の断面の直径D2は、ドライブシャフト5の外径の最大値である溝形成部5aの外径D1よりも小さい。
図3に示すように、第2下流通路63は、上ベアリングB1の外周面に沿って上下方向に延びている。第2下流通路63は、上ベアリングB1よりも上下方向に長い。複数の第2下流通路63は、上ベアリングB1の前方に位置する前方下流通路63fと、上ベアリングB1の側方に位置する側方下流通路63Lとを含む。複数の第2下流通路63は、ドライブシャフト5の周方向に間隔を空けて配置されている。第2下流通路63は、ロワーケース17に設けられた上ベアリング迂回溝64の内表面と、上ベアリングB1の外周面とによって形成されている。
下流端に相当する第2下流通路63の上端は、上ベアリングB1の上端とロッドキャップ35の下端との間の高さに位置している。第2下流通路63の上端は、固定リング27のまわりに位置している。上流端に相当する第2下流通路63の下端は、第2中間通路62の上端と上ベアリングB1の下端との間の高さに位置している。第2下流通路63は、第2中間通路62の上端と上ベアリングB1の下端との間の高さに位置する合流部65を介して第1送り通路51に接続されている。合流部65は、間隔を空けてドライブシャフト5の外周面に径方向に対向している。
第1接続通路53および第2接続通路54は、互いに交わらない別々の通路である。第1接続通路53および第2接続通路54は、互いに平行であり、シャフト挿入穴25からシフト室37に斜め下方に延びている。第1接続通路53および第2接続通路54は、シャフト挿入穴25の上端25aと上ベアリングB1の下端との間の高さに位置している。第1接続通路53は、第2接続通路54の上方に位置している。第2接続通路54は、ナット26および固定リング27よりも下方に位置している。第1接続通路53および第2接続通路54は、平面視で互いに重なっている。
第1接続通路53の上流端は、シャフト挿入穴25の内周面で開口している。第2接続通路54の上流端は、上ベアリング迂回溝64の内表面で開口している。第1接続通路53および第2接続通路54の下流端は、いずれも、シフト室37の内表面で開口している。原動機3が停止しているとき、第1接続通路53の上流端および下流端は、いずれも、潤滑油の油面(オイルレベルL1)よりも上方に配置されている。第1接続通路53の長さ、つまり、第1接続通路53の中心線の長さは、上ベアリングB1の外径よりも短く、第1接続通路53の内径よりも長い。第2接続通路54についても同様である。
第1接続通路53の上流端の上部は、固定リング27よりも上方に位置しており、第1下流通路61と等しい高さに配置されている。第1接続通路53の上流端の下部は、固定リング27のまわりに位置しており、第2下流通路63の上端と等しい高さに配置されている。第2接続通路54の上流端は、上ベアリングB1のまわりに位置しており、間隔を空けて上ベアリングB1の外周面に径方向に対向している。第2接続通路54は、第2下流通路63に直接接続されている。第1接続通路53は、第1下流通路61および第2下流通路63のそれぞれに直接接続されている。第2接続通路54は、第2下流通路63を介して第1下流通路61および第1接続通路53に間接的に接続されている。
次に、図3を参照して、ロワーケース17内での潤滑油の流れについて説明する。
原動機3(図1参照)がドライブシャフト5を回転させると、ピニオン21、前ギヤ22、および後ギヤ23がそれぞれの中心線まわりに回転すると共に、ドライブシャフト5の溝形成部5aに設けられた螺旋溝59がドライブ軸線Adまわりに回転する。それと同時に、ウォーターポンプ45が回転し、冷却水としての船外機2の外の水が、第1給水路43および第2給水路44を介してウォーターポンプ45に供給される。
原動機3(図1参照)がドライブシャフト5を回転させると、ピニオン21、前ギヤ22、および後ギヤ23がそれぞれの中心線まわりに回転すると共に、ドライブシャフト5の溝形成部5aに設けられた螺旋溝59がドライブ軸線Adまわりに回転する。それと同時に、ウォーターポンプ45が回転し、冷却水としての船外機2の外の水が、第1給水路43および第2給水路44を介してウォーターポンプ45に供給される。
ピニオン21、前ギヤ22、および後ギヤ23が収容されたギヤ室30は、潤滑油で満たされている。前ギヤ22が回転すると、ギヤ室30内の潤滑油が、前ギヤ22から上方に流れ、第1送り通路51および第2送り通路52に共有された第1上流通路56に供給される。第1上流通路56に供給された潤滑油の一部は、螺旋溝59とポンプ形成面60とによって形成されたネジポンプによって第1中間通路58に沿って上方に送られる。第1上流通路56に供給された残りの潤滑油は、第2中間通路62によって上方に案内される。
第1中間通路58によって上方に案内された潤滑油は、上ベアリングB1の内部隙間に供給される。第2中間通路62によって上方に案内された潤滑油の一部は、合流部65を介して第1送り通路51に供給され、残りの潤滑油は、上ベアリングB1の前方に位置する前方下流通路63fに供給される。合流部65を介して第1送り通路51に供給された潤滑油の一部は、上ベアリングB1の内部隙間に供給され、残りの潤滑油は、上ベアリングB1の側方に位置する側方下流通路63Lに供給される。
前方下流通路63fによって案内された潤滑油は、第1接続通路53の下方に配置された第2接続通路54に供給される。また、側方下流通路63Lによって案内された潤滑油は、上ベアリングB1の上方に位置する第1下流通路61に供給される。上ベアリングB1の内部隙間から上方に排出された潤滑油も、第1下流通路61に供給される。第1下流通路61に供給された潤滑油は、第1接続通路53に供給される。
第1下流通路61は、第1接続通路53だけでなく、前方下流通路63fを介して第2接続通路54にも接続されている。第1下流通路61での潤滑油の圧力が前方下流通路63fでの潤滑油の圧力よりも高い場合、第1下流通路61内の潤滑油の一部は、第1接続通路53に流入し、残りの潤滑油は、前方下流通路63fを逆流した後、第2接続通路54に供給される。これとは反対に、第1下流通路61での潤滑油の圧力が前方下流通路63fでの潤滑油の圧力よりも低い場合、前方下流通路63f内の潤滑油の一部は、第2接続通路54に流入し、残りの潤滑油は、第1接続通路53に供給される。
第1接続通路53および第2接続通路54に供給された潤滑油は、送り通路のシャフト挿入穴25から戻り通路55のロッド挿入穴36に案内される。ロッド挿入穴36内に供給された潤滑油は、ロワーケース17によって冷却されながら、重力によってロッド挿入穴36内を下方に流れる。シフトロッド32のディスク部32b付近に達した潤滑油は、ロッド迂回溝38を介してギヤ室30に流入する。これにより、潤滑油が戻り通路55によってギヤ室30に戻される。そして、ギヤ室30に戻った潤滑油は、ギヤ機構6の回転によって再び上方に送られる。
以上のように本実施形態では、原動機3がドライブシャフト5を回転させると、ロワーケース17のギヤ室30に収容されたギヤ機構6が回転し、ギヤ室30内の潤滑油が上方に送られる。これにより、潤滑油は、第1送り通路51の第1上流通路56、第1中間通路58、および上ベアリングB1の内部をこの順に流れる。第2送り通路52は、第2中間通路62で第1中間通路58を迂回しながら、第1上流通路56から接続通路に延びている。ギヤ機構6から上方に流れる潤滑油の一部は、第1中間通路58を通らずに、接続通路に向かって第2中間通路62を流れる。
このように、螺旋状の第1中間通路58を迂回する第2中間通路62が、第2送り通路52に設けられているので、ギヤ室30、送り通路、接続通路、および戻り通路55を含む循環路を流れる潤滑油の流量が第1中間通路58によって制限されない。そのため、第1中間通路58の供給能力を超える流量で潤滑油を循環させることができる。これにより、循環路を流れる潤滑油の循環効率を高めることができ、ロワーケース17内の潤滑油を効果的に冷却することができる。
さらに、潤滑油が第2中間通路62に逃げるので、ギヤ機構6から上方に流れる潤滑油の流量が大きくなったとしても、潤滑油の圧力が第1上流通路56で上昇することを抑えることができる。さらに、第2中間通路62が螺旋状の第1中間通路58よりも内側ではなく螺旋状の第1中間通路58の外側に設けられているので、通路構造の複雑化を防止できる。しかも、第2中間通路62の断面の直径D2がドライブシャフト5の最大径D1よりも小さいので、ロワーケース17の大型化を防止できる。
本実施形態では、螺旋状の第1中間通路58を迂回する第2中間通路62の流路面積が、第1中間通路58の流路面積よりも大きい。したがって、第1中間通路58を流れる潤滑油の流量よりも大きな流量で第2中間通路62に潤滑油を案内させることができる。これにより、潤滑油の循環効率を高めることができる。
本実施形態では、第1送り通路51および第2送り通路52が、接続通路の上流で合流部65によって互いに接続されているので、余剰の潤滑油を第1送り通路51および第2送り通路52の一方から第1送り通路51および第2送り通路52の他方に逃がすことができる。これにより、第1送り通路51および第2送り通路52での潤滑油の圧力上昇を抑えることができる。
本実施形態では、第1送り通路51および第2送り通路52が、接続通路の上流で合流部65によって互いに接続されているので、余剰の潤滑油を第1送り通路51および第2送り通路52の一方から第1送り通路51および第2送り通路52の他方に逃がすことができる。これにより、第1送り通路51および第2送り通路52での潤滑油の圧力上昇を抑えることができる。
本実施形態では、螺旋状の第1中間通路58を迂回した潤滑油が、上ベアリングB1の上流でかつ第1中間通路58の下流の位置で第2送り通路52から第1送り通路51に供給される。合流部65で第1送り通路51に供給された潤滑油は、合流部65の下流に位置する上ベアリングB1の内部隙間に供給される。これにより、上ベアリングB1に供給される潤滑油の流量を増やすことができる。さらに、余剰の潤滑油を合流部65を介して第1送り通路51から第2送り通路52に逃がすこともできるので、潤滑油の圧力が上ベアリングB1と第1中間通路58との間で高まることを抑えることができる。
本実施形態では、第2送り通路52は、複数の第2下流通路63で上ベアリングB1の内部隙間を迂回しながら接続通路に向かって延びている。流路面積が小さい上ベアリングB1の内部隙間を迂回することにより、第2送り通路52を流れる潤滑油の流量が上ベアリングB1の内部隙間によって制限されることを防止できる。さらに、複数の第2下流通路63が第2送り通路52に設けられているので、上ベアリングB1を迂回する通路の流路面積を十分に確保することができる。
本実施形態では、第2下流通路63を形成する第2下流通路63の内壁面が上ベアリングB1の外周面を含んでおり、上ベアリングB1の外周面が外周通路の一部を形成している。第2下流通路63内の潤滑油は、上ベアリングB1の外周面に接しながら流れる。したがって、上ベアリングB1は、第2下流通路63を流れる潤滑油によって冷却される。そのため、潤滑油の循環効率を高めながら、上ベアリングB1を冷却できる。
本実施形態では、第1送り通路51内の潤滑油が、第1接続通路53によって戻り通路55に案内され、第2送り通路52内の潤滑油が、第2接続通路54によって戻り通路55に案内される。第1接続通路53および第2接続通路54は、互いに交わらない別々の通路である。したがって、接続通路の流路面積を増やすことができ、循環路を流れる潤滑油の流量が接続通路で制限されることを防止できる。
本実施形態では、第2送り通路52が、第2接続通路54だけでなく第1接続通路53にも接続されている。第2送り通路52は、第1接続通路53に交差する部分と、第2接続通路54に交差する部分とを含む。第2送り通路52を流れる潤滑油が多い場合、潤滑油の一部は、第2送り通路52から第2接続通路54に流れ、残りの潤滑油は、第2送り通路52から第1接続通路53に流れる。このように、第2送り通路52を流れる潤滑油の一部を第1接続通路53に逃がすことができるので、潤滑油の循環流量が第2接続通路54で制限されることを防止できる。
本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の実施形態では、第1上流通路56が、第1送り通路51および第2送り通路52に共有されている場合について説明した。しかし、第2送り通路52は、第1上流通路56とは別の第2上流通路を備えていてもよい。
たとえば、前述の実施形態では、第1上流通路56が、第1送り通路51および第2送り通路52に共有されている場合について説明した。しかし、第2送り通路52は、第1上流通路56とは別の第2上流通路を備えていてもよい。
前述の実施形態では、第1上流通路56が下ベアリングB2に隣接しており、第2下流通路63が上ベアリングB1に隣接している場合について説明した。しかし、第1上流通路56は、下ベアリングB2から離れていてもよい。同様に、第2下流通路63は、上ベアリングB1から離れていてもよい。
前述の実施形態では、第2中間通路62が、ロワーケース17と一体である場合について説明した。しかし、第2中間通路62は、ロワーケース17とは別の部材によって形成されていてもよい。
前述の実施形態では、第2中間通路62が、ロワーケース17と一体である場合について説明した。しかし、第2中間通路62は、ロワーケース17とは別の部材によって形成されていてもよい。
前述の実施形態では、第2中間通路62が、ドライブシャフト5の前方に位置している場合について説明した。しかし、第2中間通路62は、ドライブシャフト5の側方または後方に配置されていてもよい。第1上流通路56についても同様である。
前述の実施形態では、第2中間通路62の上端および下端の両方が、螺旋溝59の上端および下端の間の高さに位置している場合について説明した。しかし、第2中間通路62の一部が、螺旋溝59よりも上方または下方に配置されていてもよい。
前述の実施形態では、第2中間通路62の上端および下端の両方が、螺旋溝59の上端および下端の間の高さに位置している場合について説明した。しかし、第2中間通路62の一部が、螺旋溝59よりも上方または下方に配置されていてもよい。
第2中間通路62の断面が円形である場合について説明した。しかし、第2中間通路62の断面は、円形でなくてもよい。たとえば、第2中間通路62の断面は、楕円形または多角形であってもよいし、シャフト挿入穴25に沿って延びるC字状であってもよい。
前述の実施形態では、上流端に相当する第2下流通路63の下端が、合流部65によって第1送り通路51に接続されている場合について説明した。しかし、合流部65の代わりに、第2下流通路63の下端を第1送り通路51から隔てる仕切壁を設けてもよい。
前述の実施形態では、上流端に相当する第2下流通路63の下端が、合流部65によって第1送り通路51に接続されている場合について説明した。しかし、合流部65の代わりに、第2下流通路63の下端を第1送り通路51から隔てる仕切壁を設けてもよい。
前述の実施形態では、第2接続通路54が、上ベアリングB1の下端よりも上方に位置している場合について説明した。しかし、第2接続通路54の少なくとも一部が上ベアリングB1の下端よりも下方に位置していてもよい。この場合、第2下流通路63が省略されてもよい。つまり、第2接続通路54は、第2中間通路62から戻り通路55に延びていてもよい。
前述の全ての構成の2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 :船外機
3 :原動機
5 :ドライブシャフト
6 :ギヤ機構
7 :プロペラシャフト
17 :ロワーケース
17z :隔離壁
25 :シャフト挿入穴
26 :ナット
27 :固定リング
28 :シャフトキャップ
30 :ギヤ室
32 :シフトロッド
35 :ロッドキャップ
36 :ロッド挿入穴
37 :シフト室
38 :ロッド迂回溝
39 :貫通穴
51 :第1送り通路
52 :第2送り通路
53 :第1接続通路
54 :第2接続通路
55 :戻り通路
56 :第1上流通路
57 :下ベアリング迂回溝
58 :第1中間通路
59 :螺旋溝
60 :ポンプ形成面
61 :第1下流通路
62 :第2中間通路
63 :第2下流通路
63L :側方下流通路
63f :前方下流通路
64 :上ベアリング迂回溝
65 :合流部
B1 :上ベアリング
D1 :外径(最大径)
D2 :第2中間通路の断面の直径
L1 :オイルレベル
3 :原動機
5 :ドライブシャフト
6 :ギヤ機構
7 :プロペラシャフト
17 :ロワーケース
17z :隔離壁
25 :シャフト挿入穴
26 :ナット
27 :固定リング
28 :シャフトキャップ
30 :ギヤ室
32 :シフトロッド
35 :ロッドキャップ
36 :ロッド挿入穴
37 :シフト室
38 :ロッド迂回溝
39 :貫通穴
51 :第1送り通路
52 :第2送り通路
53 :第1接続通路
54 :第2接続通路
55 :戻り通路
56 :第1上流通路
57 :下ベアリング迂回溝
58 :第1中間通路
59 :螺旋溝
60 :ポンプ形成面
61 :第1下流通路
62 :第2中間通路
63 :第2下流通路
63L :側方下流通路
63f :前方下流通路
64 :上ベアリング迂回溝
65 :合流部
B1 :上ベアリング
D1 :外径(最大径)
D2 :第2中間通路の断面の直径
L1 :オイルレベル
Claims (13)
- 原動機と、
前記原動機の下方で上下方向に延びており、前記原動機の回転が伝達されるドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトの下端部に連結されており、前記ドライブシャフトの回転が伝達されるギヤ機構と、
前記ギヤ機構の回転が伝達されるプロペラシャフトと、
前記ギヤ機構と潤滑油とを収容するギヤ室を形成しており、前記ドライブシャフトが挿入されたロワーケースと、
前記ギヤ機構の上方に位置しており、前記ロワーケース内で前記ドライブシャフトを回転可能に支持する上ベアリングと、
前記ギヤ機構の回転により前記ギヤ機構から上方に流れる潤滑油を、前記ギヤ室から上方に送る送り通路と、
前記送り通路によって送られた潤滑油を前記ギヤ室に戻す、前記送り通路とは別の戻り通路と、
前記送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内する接続通路とを含み、
前記送り通路は、
前記ギヤ室から上方に延びる第1上流通路と、前記上ベアリングの下方で前記ドライブシャフトを螺旋状に取り囲む螺旋状通路とを含み、前記第1上流通路と前記螺旋状通路と前記上ベアリングの内部とをこの順に介して、前記ギヤ室から前記接続通路に延びる第1送り通路と、
前記螺旋状通路から隔てられたバイパス通路を含み、前記バイパス通路で前記螺旋状通路を迂回しながら、前記第1上流通路から前記接続通路に延びる第2送り通路とを含み、
前記バイパス通路は、前記ドライブシャフトの径方向において前記螺旋状通路よりも外方に位置し、
前記ドライブシャフトの中心線に直交する前記バイパス通路の断面の直径は、前記ドライブシャフトの最大径よりも小さい、船外機。 - 前記バイパス通路の流路面積は、前記螺旋状通路の流路面積よりも大きい、請求項1に記載の船外機。
- 前記送り通路は、前記接続通路の上流で前記第1送り通路および第2送り通路を互いに接続する合流部を含む、請求項1または2に記載の船外機。
- 前記合流部は、前記上ベアリングの上流でかつ前記螺旋状通路の下流の位置で前記第1送り通路および第2送り通路を互いに接続している、請求項3に記載の船外機。
- 前記第2送り通路は、前記上ベアリングの内部を迂回する少なくとも一つの外周通路をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の船外機。
- 前記外周通路の一部は、前記上ベアリングの外周面によって形成されている、請求項5に記載の船外機。
- 前記少なくとも一つの外周通路は、前記ドライブシャフトの周方向に間隔を空けて配置された複数の外周通路である、請求項5または6に記載の船外機。
- 前記接続通路は、互いに異なる第1接続通路および第2接続通路を含み、
前記第1接続通路は、前記第1送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内し、
前記第2接続通路は、前記第2送り通路から前記戻り通路に潤滑油を案内する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船外機。 - 前記第2送り通路は、前記第1接続通路および第2接続通路の両方に接続されている、請求項8に記載の船外機。
- 前記螺旋状通路は、前記ドライブシャフトの中心線を螺旋状に取り囲みながら上下方向に延びる螺旋溝を含み、
前記バイパス通路の少なくとも一部は、前記螺旋溝の上端および下端の間の高さに位置している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の船外機。 - 前記バイパス通路の上端および下端の両方が、前記螺旋溝の上端および下端の間の高さに位置している、請求項10に記載の船外機。
- 前記バイパス通路は、前記ロワーケースと一体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の船外機。
- 前記接続通路は、前記送り通路に接続された上流端と、前記戻り通路に接続された下流端とを含み、
前記接続通路の上流端および下流端の少なくとも一方は、前記原動機が停止しているときの潤滑油の油面の上方に位置する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の船外機。
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JP2008025603A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Yamaha Marine Co Ltd | 船外機の潤滑構造 |
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WO2023008195A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 株式会社アイシン | 車両用駆動装置 |
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