JP2021112925A - 船外機 - Google Patents

船外機 Download PDF

Info

Publication number
JP2021112925A
JP2021112925A JP2020005017A JP2020005017A JP2021112925A JP 2021112925 A JP2021112925 A JP 2021112925A JP 2020005017 A JP2020005017 A JP 2020005017A JP 2020005017 A JP2020005017 A JP 2020005017A JP 2021112925 A JP2021112925 A JP 2021112925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive shaft
bevel gear
bearing
rotating body
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020005017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7406381B2 (ja
Inventor
和之 小林
Kazuyuki Kobayashi
和之 小林
勇人 高津
Yuto Takatsu
勇人 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohatsu Corp
Original Assignee
Tohatsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohatsu Corp filed Critical Tohatsu Corp
Priority to JP2020005017A priority Critical patent/JP7406381B2/ja
Publication of JP2021112925A publication Critical patent/JP2021112925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7406381B2 publication Critical patent/JP7406381B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】潤滑オイルの温度上昇に起因した潤滑性の低下により、船外機のドライブシャフトを支持するベアリングの寿命が短くなるのを防止する。【解決手段】下部がベアリング5を介してハウジング1に支持されてエンジンにより駆動されるドライブシャフト3と共に回転する回転体11に、該回転体11の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルをドライブシャフト3側に流動させるオイル導入流路30を形成し、オイル導入流路30を通してドライブシャフト3側に流動した潤滑オイルをベアリング5内に導入することにより、ベアリング5内の潤滑油を冷却してベアリング5の潤滑状態を適正な状態に保つ。【選択図】 図3

Description

本発明は、船舶を推進させるために船体の後部に取り付けられる船外機に関するものである。
船外機は、例えば特許文献1に示されているように、エンジンと、上下方向に延びるよう設けられて上端がエンジンのクランク軸に連結されたドライブシャフトと、ドライブシャフトの下方にドライブシャフトに対して直角な方向に向けた状態で配置されたプロペラシャフトと、ドライブシャフトの回転をプロペラシャフトに伝達する減速機構と、プロペラシャフトに取り付けられたプロペラとを備えて、エンジンの回転をドライブシャフトと減速機構とを介してプロペラシャフトに伝達してプロペラを回転させることにより推進力を得るように構成されている。
船外機は、その構成要素を収容するために、熱伝導性が良好な金属のダイカストからなるハウジングを備えている。ハウジング内には上下方向に延びるドライブシャフトが収容され、ハウジングの上端に取り付けられたエンジン支持ベースに取り付けられたエンジンのクランク軸がドライブシャフトに連結されている。ハウジング内の下部には、プロペラシャフトと、ドライブシャフトの回転をプロペラシャフトに伝達する減速機構とが収容されている。
ドライブシャフトは、ハウジングにベアリングを介して回転自在に支持される。ハウジング内にはドライブシャフトを支持するために、上下に並べて配置されたドライブシャフト支持用上部ベアリングとドライブシャフト支持用下部ベアリングとが設けられ、下部ベアリングから下方に突出したドライブシャフトの下端に、減速機構の入力部を構成するドライブ側ベベルギアが取り付けられる。各ベアリング及び減速機構の構成要素の潤滑を行うため、ハウジング内には潤滑オイルが収容され、この潤滑オイル中に上部及び下部ベアリングと減速機構とが浸漬されている。
特開2013−49372号公報
船外機においては、ドライブ軸が上下に長く伸びているため、該ドライブシャフトの下端寄りの部分にある程度の心振れが生じるのを避けられない。そのため、ドライブシャフトの高速回転時には、該ドライブシャフトの下部を支持する下部ベアリングに大きな負荷がかかって、該下部ベアリング内の潤滑オイルの温度が上昇し、これによりオイルの粘度が低下して潤滑性が低下することがある。ベアリング内のオイルの潤滑性が低下すると、ベアリングを構成している転動体(例えばニードル又はローラ)の摩耗が進み、軸受の寿命が短くなるのを避けられない。またドライブシャフトの下部を支持するベアリングとして、ニードルやローラからなる転動体が直接ドライブシャフトに接触して回転するシェル形のベアリングを用いる場合には、ベアリング内のオイルの潤滑性が低下すると、ベアリングの転動体が摩耗するだけでなく、該ベアリングにより支持されているドライブシャフト側でも摩耗が進むことになる。
本発明の目的は、船外機のドライブシャフトを支持する軸受けの寿命が短くなるのを防ぐことにある。
本発明は、鉛直方向に延びるように設けられてエンジンにより駆動されるドライブシャフトの下部がドライブシャフト支持用ベアリングを介してハウジング内に支持されて、前記ドライブシャフト支持用ベアリングから下方に突出したドライブシャフトの下端が減速機構を介してプロペラシャフトに結合され、前記ドライブシャフト支持用ベアリング及び減速機構は前記ハウジング内に収容された潤滑オイル中に浸漬されている船外機を対象とする。
本発明においては、前記ドライブシャフト支持用ベアリングに隣接した位置でドライブシャフトと共に回転する回転体の前記ドライブシャフト支持用ベアリングに隣接して配置された部分に、該回転体の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルを該回転体の内周側に流動させるオイル導入流路が設けられ、前記オイル導入流路を通して前記回転体の内周側に流動した潤滑オイルを、前記ドライブシャフトに沿って前記ベアリング内に流入させるように構成されている。
上記のように構成すると、ドライブシャフトの回転に伴って、潤滑オイルをドライブシャフト支持用ベアリング内に強制的に導入して、該ベアリング内の潤滑オイルの温度上昇を抑制することができるため、ドライブシャフト支持用ベアリング内のオイルの潤滑性が低下するのを防ぐことができる。従って、ドライブシャフトからベアリングに高負荷がかかった際に、ベアリングが消耗してその寿命が短くなるのを防ぐことができる。
本発明の一態様では、上記オイル導入流路を、全体が前記回転体の前記ベアリング側の端面に開口すると共に一端が前記回転体の外周側に開口し、他端が前記回転体の内周に開口するか又は前記回転体の内周寄りの部分に達するように設けられた溝部により構成する。この場合、溝部の一端の中心と他端の中心とを結ぶ直線が、該溝部の他端の中心と前記回転体の中心とを結ぶ直線に対して回転体の回転方向の前方側に傾斜した状態になるように、溝部が延びる方向が設定される。
本発明の他の態様では、オイル導入流路が、その一端を前記回転体の外周に開口させ、その他端を前記回転体の内周側に位置させた状態で前記回転体の前記ドライブシャフト支持用下部ベアリングに隣接する部分に穿設された孔部により構成される。この場合、孔部の一端の中心と孔部の他端の中心とを結ぶ直線が、孔部の一端の中心と回転体の中心とを結ぶ直線に対して回転体の回転方向の前方側に傾斜した状態になるように、孔部が延びる方向が設定される。
本発明は、ドライブシャフト支持用下部ベアリングの形式が如何なる場合にも適用できるが、多くの場合、ドライブシャフト支持用下部ベアリングとしては、ローラ又はニードルを転動体として用いたベアリングが用いられる。ドライブシャフト支持用下部ベアリングは内輪を有するものでもよく、内輪を有しないものでもよい。
ドライブシャフトの下端には前記減速機構の入力部を構成するドライブ側ベベルギアが取り付けられているので、このドライブ側ベベルギアを前記オイル導入流路を設ける回転体として用いることができる。
しかしながら、本発明は、上記のようにオイル導入流路を設ける回転体として、ドライブシャフトの下端に取り付けられたベベルギアを用いる場合に限定されるものではなく、ドライブシャフトの下端に取り付けられたベベルギアと別体に形成された回転体を、ドライブシャフトの下端に取り付けられたベベルギアとドライブシャフト支持用ベアリングとの間に位置させた状態でドライブシャフトに取り付けて、この回転体にオイル導入流路を設けるようにしてもよい。
一般に、ドライブシャフトの回転をプロペラシャフトに伝達する減速機構は、ドライブシャフトの下端に取り付けられたドライブ側ベベルギアと、プロペラシャフトの軸線方向に対向させた状態で、かつプロペラシャフトを回転自在に貫通させた状態で配置されるとともに前記ハウジングに回転自在に支持されてドライブ側ベベルギアに噛み合わされた前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアと、プロペラシャフトを前記前進用ベベルギア又は後進用ベベルギアに選択的に結合するクラッチ機構とを備えている。プロペラシャフトの前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアを貫通した部分は前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアを介して前記ハウジングに支持され、プロペラシャフトのプロペラが取り付けられる端部寄りの部分は、プロペラシャフト支持用ベアリングを介してハウジングに支持される。
減速機構が上記のように構成されている場合、前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアのうち、プロペラ側に配置されたベベルギアと共に回転する回転部材に、該回転部材の回転に伴って該回転部材の外周側から取り入れた潤滑オイルをプロペラシャフト側に流動させるオイル導入通路を設けて、該オイル導入通路を通してプロペラシャフト側に流動したオイルをプロペラシャフトに沿ってプロペラシャフト支持用ベアリング内に導入するように構成しておくのが好ましい。
このように構成しておくと、プロペラシャフト支持用ベアリング内の潤滑オイルの温度上昇を抑制することができるため、該ベアリングの寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、ドライブシャフト支持用下部ベアリングに隣接した位置でドライブシャフトと共に回転する回転体のドライブシャフト支持用ベアリングに隣接して配置された部分に、該回転体の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルを該回転体の内周側に流動させるオイル導入流路を設けて、ドライブシャフトの回転に伴って、潤滑オイルをベアリング内に強制的に導入するようにしたので、ドライブシャフト支持用下部ベアリング内の潤滑オイルの温度上昇を抑制することができる。従って、ドライブシャフト支持用下部ベアリング内のオイルの潤滑性が低下するのを防ぐことができ、ドライブシャフトから該ベアリングに高負荷がかかった際に、該ベアリングが消耗してその寿命が短くなるのを防ぐことができる。
図1は、船外機の要部の縦断面図である。 図2は、本発明の一実施形態の要部の構造を一部断面して模式的に示した斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。 図4は、図3に示した実施形態において、ドライブシャフトを断面してドライブシャフトの下端に取り付けられたベベルギアを上方から見た上面図である。 図5は、本発明の他の実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。 図6は、本発明の更に他の実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。 図7は、本発明の更に他の実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。 図8は、本発明の更に他の実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。 図9は、本発明の更に他の実施形態の要部の構造を模式的に示した縦断面図である。
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る船外機の一実施形態の要部を示したものである。図1において、1は、熱伝導性が良好なアルミニウムをダイキャスト成形することにより形成されたハウジングである。ハウジング1の上端には、エンジン支持ベースを介して4サイクルエンジンが支持される。
ハウジング1内には、鉛直方向に延びるドライブシャフト3が収容されている。このドライブシャフトの上端は、エンジン(図示せず。)のクランク軸に直結されている。ドライブシャフト3は、ドライブシャフト支持用の上部ベアリング4及び下部ベアリング5を介してハウジング1に回転自在に支持されている。上部ベアリング4はテーパローラベアリングからなり、下部ベアリング5はローラベアリングまたはニードルベアリングからなっている。
ハウジング1内の下部には、ドライブシャフト3に対して直角な方向に延びるプロペラシャフト6が配置されている。下部ベアリング5から下方に突出したドライブシャフトの下端が減速機構10を介してプロペラシャフト6に結合され、ドライブシャフト3の回転が減速機構10を通してプロペラシャフト6に伝達される。
減速機構10は、下部ベアリング5から下方に突出したドライブシャフト3の下端に取り付けられて減速機構の入力部を構成するドライブ側ベベルギア11と、プロペラシャフト6の軸線方向に対向した状態で配置されて、ドライブ側ベベルギア11に噛み合わされた前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13とを備えている。前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13は、それぞれの中心軸線を一致させた状態で配置されて、それぞれベアリング14及び15を介してハウジング1に回転自在に支持されている。プロペラシャフト6は、前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13を回転自在に貫通した状態で設けられて、前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13を介してハウジング1に支持されている。
プロペラシャフト6の減速機構10から離れた側の端部は、ハウジング1に固定されて該ハウジングの一部をなす筒状部材100内に挿入されて、ニードル又はローラを転動体としたプロペラシャフト支持用ベアリング19を介して筒状部材100に回転自在に支持されている。ベアリング19を貫通して外部に導出されたプロペラシャフト6の外端部にプロペラ7のボス部8が取り付けられている。
減速機構10はまた、プロペラシャフト6にスプライン結合されて、前進用ベベルギア12に設けられたクラッチ係合部に係合した状態になる前進位置と、前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13の何れにも係合しないニュートラル位置と、後進用ベベルギア13に設けられたクラッチ係合部に係合した状態になる後進位置とに変位させられるドグクラッチ16と、ドグクラッチ16を前進位置側に付勢するバネ17と、ドグクラッチ16をバネ17の付勢力に抗して前進位置からニュートラル位置を経て後退位置まで変位させるプッシュロッド18とを有するクラッチ機構を備えている。
またハウジング1には、該ハウジング1の上部に取り付けられたシフトレバーにより操作されて上下するカムロッド20が支持されている。カムロッド20の下端には、プッシュロッド18と係合するクラッチカム21が取り付けられ、カムロッド20を下降させてクラッチカム21によりバネ17の付勢力に抗してプッシュロッド18を押すことにより、ドグクラッチ16を、前進位置からニュートラル位置を経て後退位置まで変位させることができるようになっている。
ハウジング1内のドライブシャフト支持用下部ベアリング5と減速機構10とが収容された空所には潤滑オイルが充填され、ベアリング5と減速機構10とがこの潤滑オイル中に浸漬されている。
プロペラ7のボス部8の内側には、前進航行時にエンジンの排気ガスを水中に排出するための排気孔22が形成されている。ハウジング1内には、エンジンの排気ガスが導入される排気空間23が設けられ、排気空間23に導入された排気ガスが、ハウジング1の下部に設けられた排気通路(図示せず。)を通して排気孔22に導かれるようになっている。船体が前進する際には、プロペラ7のボス部8の内側に導入された排気ガスが、プロペラ7の回転に伴って生じる水流の力を借りてプロペラの後方の水中に排出される。
図1において24は、エンジンに冷却水を供給するために、ドライブシャフト3により歯車機構を介して回転駆動されて、ハウジング1内の下部に存在する水をパイプ25を通して汲み上げるウォータポンプである。ウォータポンプ24により汲み上げられた水は、図示しないパイプを通してエンジンのウォータジャケット内に供給される。
船外機においては、鉛直方向(上下方向)に延びるドライブシャフト3の下端寄りの部分にある程度の心振れが生じるのを避けられないため、ドライブシャフト3の高速回転時に、ドライブシャフト3の下部が振動して、ドライブシャフト支持用下部ベアリング5に大きな負荷がかかる傾向にある。そのため、ドライブシャフト3を高速回転させた際に、ベアリング5の温度が上昇して該ベアリング内の潤滑オイルの温度が上昇し、これによりオイルの粘度が低下してその潤滑性が低下することがある。ベアリング5内のオイルの潤滑性が低下すると、ベアリング5を構成している転動体(本実施形態ではニードル又はローラ)の摩耗が進み、軸受の寿命が短くなる。またベアリング5として、ニードルやローラからなる転動体がドライブシャフト3に直接接触して回転するシェル形のベアリングを用いる場合には、ベアリング5内のオイルの潤滑性が低下すると、ベアリング5の転動体が摩耗するだけでなく、該ベアリングにより支持されているドライブシャフト3側でも摩耗が進むことになる。
上記のような問題が生じるのを防ぐため、本発明においては、ドライブシャフト支持用下部ベアリング5に隣接させた状態でドライブシャフト3の下端に取り付けられてドライブシャフト3と共に回転する回転体のベアリング5に隣接して配置された部分に、該回転体の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルをドライブシャフト3側に流動させるオイル導入流路を設けて、このオイル導入流路を通してドライブシャフト3側に流動した潤滑オイルを、ドライブシャフト3に沿ってベアリング5内に流入させるように構成されている。
上記回転体は、ドライブシャフト3の下端に取り付けられるベベルギアであってもよく、該ベベルギアとは別体に構成された部材からなっていてもよい。本実施形態では、上記回転体として、ドライブシャフト3の下端に取り付けられたベベルギア11が用いられ、このベベルギアにオイル導入流路が設けられている。図2ないし図3を参照すると、ドライブシャフト3の下端を支持するベアリング5と、ドライブシャフト3の下端に取り付けられたベベルギア11とを含むドライブシャフト3の下端付近の構造が模式的に示されている。図2はドライブシャフト3の下端部付近の構造を一部断面して模式的に示した斜視図であり、図3はドライブシャフトの下端部付近の縦断面図である。
本実施形態では、ドライブシャフト3の下部をハウジング1に対して支持するベアリング5として、ローラ又はニードルからなる転動体5aをホルダ5bに保持してなるローラベアリング又はニードルベアリングが用いられている。ベアリング5は内輪を有しないシェル形のベアリングで、ドライブシャフト3はベアリング5の転動体5aに直接接触した状態で支持される。
図2ないし図3に示したように、本実施形態では、ベベルギア11のボス部11aの上端に、全体が該ボス部の上端面(ベアリング5側の端面)に開口すると共に、長さ方向の一端30aがベベルギア11の外周側に開口し、長さ方向の他端30bがベベルギア11のボス部11aの内周に開口した溝部30が設けられ、この溝部30によりオイル導入流路が構成されている。
本実施形態では、オイル導入流路を構成する溝部30が2個設けられ、該2個の溝部30が、ベベルギア11の周方向に等角度間隔をあけて(対称位置に)配置されている。溝部30は3個以上設けてもいいが、溝部30を複数設ける場合には、該複数の溝部を等角度間隔で設けるのが好ましい。
図3に示した断面図においては、溝部30の存在を分かりやすく示すために、便宜上溝部30が回転体(ベベルギア11)の径方向に延びるように図示されているが、溝部30は、回転体が回転した際に、該回転体の周囲のオイルを該溝部の外周側の開口部から積極的に取り入れるのに適した向きに延びるように設けることが好ましい。そのためには,溝部30を回転体の径方向に対して、回転体の回転方向の前方側に傾斜した方向に延びるように設けることが好ましい。例えば図4に示されているように、溝部30の一端30aの中心aと他端30bの中心bとを結ぶ直線L1が、溝部30の他端30bの中心と回転体の中心Oとを結ぶ直線L2に対してベベルギア(回転体)11の回転方向RAの前方側に角度θ(<90°)だけ傾斜した状態になるように、溝部30が延びる方向を設定するのが好ましい。
図示の溝部30は、直線的に延びる形状を有しているが、溝部30は必ずしも直線的に伸びるように設けられる必要はなく、オイルの流れを阻害しない範囲で適宜に変形されていてもよい。例えば、溝部30の形状を湾曲した形状としてもよい。
上記のように構成すると、ドライブシャフト3の回転に伴って、ベベルギア11の周囲の潤滑オイルを、溝部30内に取り入れて、取り入れたオイルを矢印A1(図3参照)で示したように溝部30を通してドライブシャフト3側に流動させ、ドライブシャフト3に当たったオイルを矢印A2で示したようにベアリング5側に流動させることができるため、ベベルギア11の周囲のオイルをベアリング5内に強制的に導入して、ベアリング5内の潤滑オイルの温度が上昇するのを抑制することができる。従って、ドライブシャフト3からベアリング5に高負荷がかかった際に、ベアリング5内のオイルの潤滑性が低下するのを防ぐことができ、ベアリングが消耗してその寿命が短くなるのを防ぐことができる。
上記の実施形態では、溝部30の他端30bがドライブシャフト3の外周に達するように溝部30が形成されているが、図5に示したように、ベベルギア(回転体)11のボス部11aのベアリング5側の端部の内周に拡大径部を形成することにより、ベベルギア11のベアリング側の端部に環状の溝部11bを形成して、この環状溝部11b内に溝部30の他端30bを開口させるように溝部30を設けてもよい。このように回転体の内周側に環状溝部11bを設けておくと、オイル導入流路を構成する溝部30を通してドライブシャフト3側に流動した潤滑オイルのベアリング5内への流入を容易にすることができる。
オイル導入流路を構成する溝部30は、ベベルギア11の回転に伴って該ベベルギアの外周側から取り入れた潤滑オイルをドライブシャフト3側に流すように設けられていればよく、溝部30の他端30bは必ずしもベベルギア11の内径側に開口していなくてもよい。例えば、図6に示したように、溝部30の他端30bをベベルギア11の内周面の手前の位置で終端させるように、溝部30を設けてもよい。
上記の実施形態では、回転体(上記の例ではベベルギア11)に設けるオイル導入流路を、全体が回転体のベアリング5側の端面に開口した溝部30により構成したが、本発明は、オイル導入流路を溝部により構成する場合に限定されるものではない。
例えば図7に示したように、一端30a′をベベルギアの外周に開口させ、他端30b′をベベルギアの内周側に開口させた状態でベベルギア11のドライブシャフト支持用ベアリング5に隣接する部分に穿設された孔部30′によりオイル導入流路を構成してもよい。この場合も、孔部30′の一端30a′の中心と孔部の他端30b′の中心とを結ぶ直線が、孔部30′の他端の中心とベベルギア11の中心とを結ぶ直線に対してベベルギア11の回転方向の前方側に傾斜した状態になるように、孔部が延びる方向を設定しておくのが好ましい。
孔部30′によりオイル導入流路を構成する場合、該孔部の他端30b′から流出したオイルをベアリング5側に導く流路を孔部30′の他端側に設けておくのが好ましい。例えば、図7に示したように、ベベルギア11のベアリング5寄りの部分の内径を拡大することにより、ベベルギア11とドライブシャフト3との間に、ベアリング5側に開口した環状の溝部11bを形成して、孔部30′の他端30b′を溝部11b内に開口させることにより、孔部30′の他端30b′から流出したオイルをベアリング5側に導く流路を構成することができる。
またベベルギア11のベアリング5側の端部に環状の溝部11bを形成する代わりに、ベベルギア11のベアリング5側の端部の内径寄りの部分に孔部30′の他端30b′をベアリング5側に開口させるオイル流出用の孔又は切り欠きを形成して、ベベルギア11の回転に伴って孔部30′を通してドライブシャフト3側に流動したオイルを上記オイル流出用の孔又は切り欠きを通してベアリング5内に導入するようにしてもよい。
上記の実施形態では、ドライブシャフト3の下端に取り付けられたベベルギア11をオイル導入流路を形成する回転体として用いたが、オイル導入流路を形成する回転体をベベルギア11と別体に設けてもよい。図8は、オイル導入流路を形成する回転体をベベルギア11と別体に設けた例を示したものである。図8に示した例では、プロペラシャフト3を支持するプロペラシャフト支持用ベアリング5に隣接させ、ベアリング5とベベルギア11との間に位置させた状態で、円板状に形成された回転体31をドライブシャフト3に取り付け、この回転体31にオイル導入流路を構成する溝部30を設けている。
上記の実施形態では、ドライブシャフト支持用下部ベアリング5に隣接した位置でドライブシャフト3と共に回転する回転体のベアリング5に隣接して配置された部分に、該回転体の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルを該回転体の内周側に流動させるオイル導入流路を設けて、このオイル導入流路を通してドライブシャフト3側に流動させた潤滑オイルを、ドライブシャフト3に沿ってベアリング5内に流入させることにより、ベアリング5内の潤滑オイルの温度が上昇するのを防ぐようにしているが、プロペラシャフト支持用ベアリング19内の潤滑オイルの温度が上昇して該ベアリング19内でのオイルの潤滑性能が低下するおそれがある場合には、ドライブシャフト支持用下部ベアリング5内に潤滑オイルを導入するオイル導入流路に加えて、更に、プロペラシャフト支持用ベアリング19内にオイルを導入するための手段を設けることが好ましい。
プロペラシャフト支持用ベアリング19内にオイルを導入するためには、例えば、前進用ベベルギア12及び後進用ベベルギア13のうち、プロペラ7側に配置されたベベルギア(図示の例では後進用ベベルギア13)と共に回転する回転部材を設けて、この回転部材に、該回転部材の回転に伴って該回転部材の外周側から取り入れた潤滑オイルをプロペラシャフト6側に流動させるオイル導入通路を設け、該オイル導入通路を通してプロペラシャフト6側に流動したオイルを、プロペラシャフト6に沿ってプロペラシャフト支持用ベアリング19内に導入するようにすればよい。
例えば、図9に示すように、後進用ベベルギア13のボス部13aをベアリング19側に延長して、後進用ベベルギア13のボス部13aの延長された部分に円板状の回転部材32を取り付け、この回転部材32に、該回転部材の回転に伴って該回転部材の外周側から取り入れた潤滑オイルをプロペラシャフト6側に流動させる溝部又は孔部33を設けることによりオイル導入通路を構成することができる。このオイル導入通路を通してプロペラシャフト6側に流動したオイルは、プロペラシャフト6とギアハウジングに固定された筒状部材100との間に形成された間隙Gを通してプロペラシャフト支持用ベアリング19内に導入することができる。
図5ないし図9に示した断面図においても、図3に示した断面図と同様に、オイル導入流路又はオイル導入通路を構成する溝部又は孔を分かりやすく示すために、便宜上、オイル導入流路を構成する溝部又は孔部を、回転体の径方向に延びるように描いてあるが、図5ないし図9に示した実施形態においても、オイル導入流路内へのオイルの流入を容易にするために、オイル導入流路又はオイル導入通路を構成する溝部又は孔部は、図4に示した例と同様に、回転体の径方向に対して傾斜させた状態で設けるのが好ましいのは勿論である。
1 ハウジング
3 ドライブシャフト
4 ドライブシャフト支持用上部ベアリング
5 ドライブシャフト支持用下部ベアリング
5a 転動体
5b ホルダ
6 プロペラシャフト
7 プロペラ
8 プロペラのボス部
10 減速機構
11 ベベルギア(回転体)
11a ベベルギアのボス部
12 前進用ベベルギア
13 後進用ベベルギア
13a ベベルギア13のボス部
14 軸受
15 軸受
16 ドグクラッチ
17 バネ
18 プッシュロッド
19 軸受
20 カムロッド
21 クラッチカム
22 排気孔
23 排気空間
24 ウォータポンプ
30 オイル導入流路を構成す溝部
30a 溝部30の一端
30b 溝部30他端
30′ オイル導入流路を構成する孔部
30a′孔部30′の一端
30b′孔部30′の他端
31 回転体
32 回転部材
33 オイル導入通路を構成する溝部

Claims (7)

  1. 鉛直方向に延びるように設けられてエンジンにより駆動されるドライブシャフトの下部がドライブシャフト支持用下部ベアリングを介してハウジング内に支持されて、前記ドライブシャフト支持用下部ベアリングから下方に突出したドライブシャフトの下端が減速機構を介してプロペラシャフトに結合され、前記ドライブシャフト支持用下部ベアリング及び減速機構は前記ハウジング内に収容された潤滑オイル中に浸漬されている船外機において、
    前記ドライブシャフト支持用下部ベアリングに隣接した位置で前記ドライブシャフトと共に回転する回転体の前記ドライブシャフト支持用下部ベアリングに隣接して配置された部分に、該回転体の回転に伴って該回転体の外周側から取り入れた潤滑オイルを該回転体の内周側に流動させるオイル導入流路が設けられ、
    前記オイル導入流路を通して前記回転体の内周側に流動した潤滑オイルを、前記ドライブシャフトに沿って前記ドライブシャフト支持用下部ベアリング内に流入させるように構成されていること、
    を特徴とする船外機。
  2. 前記オイル導入流路は、全体が前記回転体の前記ドライブシャフト支持用下部ベアリング側の端面に開口すると共に長さ方向の一端が前記回転体の外周側に開口し、長さ方向の他端が前記回転体の内周に開口するか又は前記回転体の内周寄りの部分に達するように設けられた溝部からなり、
    前記溝部の前記一端の中心と前記溝部の前記他端の中心とを結ぶ直線が、前記溝部の前記他端の中心と前記回転体の中心とを結ぶ直線に対して前記回転体の回転方向の前方側に傾斜した状態になるように、前記溝部が延びる方向が設定されている請求項1に記載の船外機。
  3. 前記オイル導入流路は、一端を前記回転体の外周に開口させ、他端を前記回転体の内周側に位置させた状態で前記回転体の前記ドライブシャフト支持用ベアリングに隣接する部分に穿設された孔部からなり、
    前記孔部の前記一端の中心と前記孔部の前記他端の中心とを結ぶ直線が、前記孔部の前記他端の中心と前記回転体の中心とを結ぶ直線に対して前記回転体の回転方向の前方側に傾斜した状態になるように、前記孔部が延びる方向が設定されている請求項1に記載の船外機。
  4. 前記ドライブシャフト支持用ベアリングは、ローラ又はニードルを転動体として用いたベアリングである請求項1,2又は3に記載の船外機。
  5. 前記ドライブシャフトの下端に前記減速機構の入力部を構成するドライブ側ベベルギアが取り付けられ、該ベベルギアが前記回転体を構成している請求項1ないし4のいずれか一つに記載の船外機。
  6. 前記ドライブシャフトの下端に前記減速機構の入力部を構成するドライブ側ベベルギアが取り付けられ、前記回転体は、前記ドライブ側ベベルギアと別体に形成されて、前記ドライブ側ベベルギアと前記ドライブシャフト支持用ベアリングとの間に位置させた状態で前記ドライブシャフトに取り付けられている請求項1ないし4のいずれか一つに記載の船外機。
  7. 前記減速機構は、前記ドライブシャフトの下端に取り付けられたドライブ側ベベルギアと、前記プロペラシャフトの軸線方向に対向させた状態で、かつ前記プロペラシャフトを回転自在に貫通させた状態で配置されるとともに前記ハウジングに回転自在に支持されて前記ドライブ側ベベルギアに噛み合わされた前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアと、前記プロペラシャフトを前記前進用ベベルギア又は後進用ベベルギアに選択的に結合するクラッチ機構とを備え、
    前記プロペラシャフトの前記前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアを貫通した部分は前記前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアを介して前記ハウジングに支持され、
    前記プロペラシャフトのプロペラが取り付けられる端部寄りの部分はプロペラシャフト支持用ベアリングを介して前記ハウジングに支持され、
    前記前進用ベベルギア及び後進用ベベルギアのうち、前記プロペラ側に配置されたベベルギアと共に回転する回転部材が設けられて、該回転部材の回転に伴って該回転部材の外周側から取り入れた潤滑オイルを前記プロペラシャフト側に流動させるオイル導入通路が前記回転部材に設けられ、
    前記オイル導入通路を通して前記プロペラシャフト側に流動したオイルを前記プロペラシャフトに沿って前記プロペラシャフト支持用ベアリング内に導入するように構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の船外機。
JP2020005017A 2020-01-16 2020-01-16 船外機 Active JP7406381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020005017A JP7406381B2 (ja) 2020-01-16 2020-01-16 船外機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020005017A JP7406381B2 (ja) 2020-01-16 2020-01-16 船外機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021112925A true JP2021112925A (ja) 2021-08-05
JP7406381B2 JP7406381B2 (ja) 2023-12-27

Family

ID=77076506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020005017A Active JP7406381B2 (ja) 2020-01-16 2020-01-16 船外機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7406381B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE2251031A1 (en) * 2021-11-11 2023-05-12 Volvo Penta Corp A marine drive unit with a bi-directional integrated oil channel

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025603A (ja) 2006-07-18 2008-02-07 Yamaha Marine Co Ltd 船外機の潤滑構造
US9429224B2 (en) 2014-02-17 2016-08-30 Deere & Company Gearbox lubrication system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE2251031A1 (en) * 2021-11-11 2023-05-12 Volvo Penta Corp A marine drive unit with a bi-directional integrated oil channel

Also Published As

Publication number Publication date
JP7406381B2 (ja) 2023-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4749254B2 (ja) 駆動軸を備える船舶推進機
JP2008025603A (ja) 船外機の潤滑構造
US10295046B2 (en) Outboard motor
JP2021112925A (ja) 船外機
US20080014804A1 (en) Propulsion unit for marine drive
US9731803B2 (en) Outboard motor
JP2008144803A (ja) 歯車変速機
JP5719728B2 (ja) 船外機
JP4969165B2 (ja) 船外機の推進装置
US9656734B1 (en) Outboard motor
JP2008196396A (ja) クランク軸の給油構造
JP6386239B2 (ja) 船外機
JP4912769B2 (ja) 駆動軸を備える船舶推進機
JP5169954B2 (ja) ティルティングパッド軸受
JP4749251B2 (ja) 駆動軸を備える船舶推進機
KR100828605B1 (ko) 자동변속기 오일가이드 및 스러스트와셔 어셈블리
US11772767B2 (en) Outboard motor
KR100196742B1 (ko) 차량용 수동변속기의 윤활패널
KR200483658Y1 (ko) 자동변속기 케이스의 펌프 플레이트
JP7421331B2 (ja) ヘリコプターのトランスミッション構造
JP2008190690A (ja) ディファレンシャル装置の潤滑構造
KR200406256Y1 (ko) 자동변속기의 메인샤프트 오일순환구조
JP2010091053A (ja) 円すいころ軸受装置
JP4749252B2 (ja) 駆動軸を備える船舶推進機
JP2022135453A (ja) 船外機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7406381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150