JP2017087798A - 車両の回生システム - Google Patents

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敏貴 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】エンジンの停止時に、油圧機構を作動させる。【解決手段】ディスクブレーキ21が高圧蓄圧器14から吐出されたオイルの吐出圧を利用して作動する。【選択図】図4

Description

本発明は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータと、当該オイルポンプモータを介して接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器及び低圧リザーバとを備えた車両の回生システムに関するものである。
図1を用いて、この種の回生システムの基本構造を説明する。
図1は、回生システムERSを備えた自動車の駆動システムを簡略化したものであり、エンジン1を動力源として走行している状態を表している。エンジン1の出力軸は、エンジンクラッチ2、トランスミッション3、ディファレンシャルギア4を介して駆動輪5に連結されており、駆動輪5は、エンジン1によって回転駆動されている。
回生システムERSは、連結機構11、モータクラッチ12、オイルポンプモータ13、高圧蓄圧器14、低圧リザーバ15などで構成されている。オイルポンプモータ13の回転軸は、モータクラッチ12及び連結機構11を介して、駆動輪5への出力軸に連結されている。モータクラッチ12は切られた状態となっている。
オイルポンプモータ13は、互いに連通した状態でオイルを貯留する高圧蓄圧器14と低圧リザーバ15との間に接続されている。オイルポンプモータ13は、オイルポンプ及び油圧モータの両機能を有し、いずれか一方の装置として利用できる。高圧蓄圧器14には、数100気圧レベルの高圧のオイルが貯留され、低圧リザーバ15には、数気圧から数10気圧レベルの低圧のオイルが貯留される。
図2に示すように、下り坂走行などの制動時には、エンジンクラッチ2が切られてモータクラッチ12が繋げられることで、駆動輪5の動力がオイルポンプモータ13に入力される。
それにより、オイルポンプモータ13はオイルポンプとして駆動され、低圧リザーバ15のオイルが高圧蓄圧器14へ送り込まれる。その結果、高圧蓄圧器14の内圧が上昇し、より高圧なオイルが蓄積される(減速回生)。
図3に示すように、自動車の発進時などには、モータクラッチ12が繋げられた状態で、高圧蓄圧器14のオイルが低圧リザーバ15に向けて流出される。そのオイルの吐出圧により、オイルポンプモータ13は油圧モータとして駆動され、その動力が駆動輪5に出力される(力行補助)。
このような回生システムの一例は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平10−244858号公報
自動車には、エンジンを利用して作動する油圧機構が設置されたものがある。
ところで、上述の如く回生システムを備えた自動車では、エンジンが停止すると、油圧機構が正常に作動しなくなるという課題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、エンジンの停止時に、油圧機構を作動させることにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、オイルポンプモータ又は高圧蓄圧器から吐出されたオイルを利用して油圧機構を作動することを特徴とする。
具体的には、本発明は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータと、当該オイルポンプモータを介して接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器及び低圧リザーバとを備えた車両の回生システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧を利用して作動する油圧機構を更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、油圧機構が、オイルポンプモータ又は高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧を利用して作動するので、エンジンの停止時に、油圧機構を正常に作動させることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記油圧機構は、前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧がブレーキ液に伝達されることでブレーキ力を得る油圧式の摩擦ブレーキ機構であり、前記オイルの吐出圧を調整可能な調整機構と、要求ブレーキ力に基づいて前記調整機構を制御する制御装置とを更に備え、前記高圧蓄圧器の下限内圧が最大ブレーキ力を得ることができる圧力に設定されていることを特徴とするものである。
自動車には、ブレーキペダルと油圧式の摩擦ブレーキ機構のマスターシリンダとの間にエンジンのインテークマニホールド内の負圧を利用した真空式の倍力装置(ブレーキブースター)が設置されるものがある。
倍力装置では、ブレーキペダルを踏み込むと、パワーシリンダ内の大気圧室に外気が吸入され、パワーシリンダ内の負圧室との間に圧力差が発生する。この圧力差によってパワーピストンが押し出され、踏み込み力よりも大きな力がプッシュロッドに伝達され、より大きなブレーキ力が得られる。
ところで、上述の如く回生システムを備えた自動車では、エンジンが頻繁に停止すると、負圧不足によって倍力装置が正常に作動しなくなり、制動に違和感を覚えるという課題がある。
この課題を解決するために、負圧タンクを別途設置することが考えられるが、レイアウト及びコストの点で望ましくない。
ここで、第2の発明によれば、油圧式の摩擦ブレーキ機構が、高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧がブレーキ液に伝達されることでブレーキ力を得るので、負圧タンクを別途設置することなく、エンジンの停止時に、ブレーキ力を得ることができる。
また、高圧蓄圧器の下限内圧が、最大ブレーキ力を得ることができる圧力に設定され、調整機構が、オイルの吐出圧を調整可能に構成され、制御装置が、要求ブレーキ力に基づいて調整機構を制御するので、要求ブレーキ力に応ずるブレーキ力を得ることができる。
以上より、負圧タンクを別途設置することなく、エンジンの停止時に、適切な大きさのブレーキ力を得ることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、シリンダと、当該シリンダの内部にスライド自在に配置され、スライドする方向に当該シリンダの内部を前記摩擦ブレーキ機構に接続され且つ前記ブレーキ液が貯留されるブレーキ液室と前記高圧蓄圧器に接続され且つ前記オイルが貯留されるオイル室とに区画するピストンとを有し、前記ピストンによって前記オイルの吐出圧を前記ブレーキ液に伝達するアクチュエータを更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、アクチュエータが、シリンダと、シリンダの内部にスライド自在に配置され、スライドする方向にシリンダの内部を摩擦ブレーキ機構に接続され且つブレーキ液が貯留されるブレーキ液室と高圧蓄圧器に接続され且つオイルが貯留されるオイル室とに区画するピストンとを有し、ピストンによってオイルの吐出圧をブレーキ液に伝達するので、アクチュエータという簡単な構成で、高圧蓄圧器からのオイルの吐出圧をブレーキ液に伝達することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、前記アクチュエータのオイル室に遮断弁を介して接続され、前記オイルを貯留するオイル貯留容器をさらに備え、前記制御装置は、前記遮断弁も制御し、前記要求ブレーキ力が低減して、前記ブレーキ液が前記アクチュエータに回収されたときに、前記遮断弁を開くことで、前記ピストンによって前記アクチュエータに蓄えられたオイルの一部を前記オイル貯留容器に移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、オイルを貯留するオイル貯留容器が、アクチュエータのオイル室に遮断弁を介して接続され、制御装置が、要求ブレーキ力が低減して、ブレーキ液がアクチュエータのブレーキ液室に回収されたときに、遮断弁を開くことで、アクチュエータのピストンによってアクチュエータに蓄えられたオイルの一部をオイル貯留容器に移動させるので、アクチュエータへのオイル供給流路とアクチュエータからのオイル排出流路とが別流路となる。そのため、オイル供給流路及びオイル排出流路のオイル流れ方向を一方向のみにすることができ、これらの流路を簡単な構成にすることができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、前記オイル貯留容器に蓄えられたオイルを前記低圧リザーバに回収するためのオイル回収通路を更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、オイル回収通路が、オイル貯留容器に蓄えられたオイルを低圧リザーバに回収するので、摩擦ブレーキ機構のブレーキ力を得るために利用したオイルを、オイルポンプモータによる減速回生に再利用することができる。
第6の発明は、上記第5の発明において、前記オイルポンプモータと前記低圧リザーバとの間に接続されたオイル通路と、両端が前記オイル通路の中途部に接続されたバイパス通路と、前記バイパス通路に設置され、前記オイル回収通路に接続され、力行時に、前記オイルポンプモータ側から前記低圧リザーバ側に前記オイルを噴射することで、前記オイル貯留容器のオイルを吸引して前記低圧リザーバに回収するディフューザー型の吸引機構とを更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、ディフューザー型の吸引機構が、力行時、すなわち、摩擦ブレーキ機構の作動解除時に、オイルポンプモータ側から低圧リザーバ側にオイルを噴射することで、オイル貯留容器のオイルを吸引して低圧リザーバに回収するので、吸引機構という簡単な構成で、オイル貯留容器のオイルを低圧リザーバに回収することができるとともに、低圧リザーバへのオイル回収による、摩擦ブレーキ機構のブレーキ性能への影響を抑制することができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、前記オイルの流路を前記オイル通路とする状態と前記バイパス通路とする状態とに切り替える切替弁を更に備え、前記制御装置は、前記切替弁も制御し、力行時であって、前記オイル貯留容器のオイル量が所定量以上のときに、前記オイルの流路を前記バイパス通路とする状態に前記切替弁を切り替えることで、前記吸引機構によって前記オイル貯留容器のオイルを前記低圧リザーバに回収するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、力行時であって、オイル貯留容器のオイル量が所定量以上のときに、オイルポンプモータからのオイルの流路をバイパス通路とする状態に切替弁を切り替えることで、吸引機構によってオイル貯留容器のオイルを低圧リザーバに回収するので、それ以外の通常時には、オイルポンプモータからのオイルの流路がオイル通路(通常通路)とする状態に制御される。そのため、バイパス通路ひいては吸引機構の使用頻度を最小限に抑制することができ、吸引機構による損失を最小限に抑制することができる。
第8の発明は、上記第1の発明において、前記油圧機構は、前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧によってステアリングホイールの操作力を補助する油圧式のパワーステアリング機構であることを特徴とするものである。
自動車には、油圧式のパワーステアリング機構にエンジンの動力を利用したオイルポンプが設置されるものがある。
オイルポンプでは、エンジンが作動すると、油圧が発生する。この油圧がパワーステアリング機構に伝達され、操舵補助力が得られる。
ところで、上述の如く回生システムを備えた自動車では、エンジンが停止すると、オイルポンプが作動しなくなり、操舵補助力が得られないという課題がある。
この課題を解決するために、オイルポンプの動力源を別途設置することが考えられるが、レイアウト及びコストの点で望ましくない。
ここで、第8の発明によれば、油圧式のパワーステアリング機構が、オイルポンプモータ又は高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧によってステアリングホイールの操作力を補助するので、パワーステアリング機構にオイルポンプを設置しない簡単な構成で、エンジンの停止時に、パワーステアリング機構の操舵補助力を得ることができる。
また、パワーステアリング機構にエンジンの動力を利用したオイルポンプを設置しないので、エンジンの燃費を向上させることができる。
第9の発明は、上記第8の発明において、前記オイルポンプモータと前記高圧蓄圧器との間に接続された第1オイル通路を更に備え、前記パワーステアリング機構は、操舵補助力を発生するパワーシリンダと、前記第1オイル通路に接続され、前記ステアリングホイールの回転操作に連動して、前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの前記パワーシリンダへの供給を制御する制御弁とを有することを特徴とするものである。
これによれば、第1オイル通路が、オイルポンプモータと高圧蓄圧器との間に接続され、パワーステアリング機構が、操舵補助力を発生するパワーシリンダと、第1オイル通路に接続され、ステアリングホイールの回転操作に連動して、オイルポンプモータ又は高圧蓄圧器から吐出されたオイルのパワーシリンダへの供給を制御する制御弁とを有するので、制御弁という簡単な構成で、オイルポンプモータ又は高圧蓄圧器からのオイルをパワーシリンダに供給することができる。
第10の発明は、上記第9の発明において、前記制御弁から排出されたオイルを前記低圧リザーバに回収するためのオイル回収通路を更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、オイル回収通路が、制御弁から排出されたオイルを低圧リザーバに回収するので、パワーステアリング機構にオイルを貯留するオイルタンクを設置しない簡単な構成で、パワーステアリング機構の操舵補助力を得るために利用したオイルを、オイルポンプモータによる減速回生に再利用することができる。
第11の発明は、上記第10の発明において、前記オイルポンプモータと前記低圧リザーバとの間に接続された第2オイル通路と、両端が前記第2オイル通路の中途部に接続されたバイパス通路と、前記バイパス通路に設置され、前記オイル回収通路に接続され、エンジンの非作動時に、前記オイルポンプモータ側から前記低圧リザーバ側に前記オイルを噴射することで、前記制御弁のオイルを吸引して前記低圧リザーバに回収するディフューザー型の吸引機構とを更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、ディフューザー型の吸引機構が、エンジンの非作動時に、オイルポンプモータ側から低圧リザーバ側にオイルを噴射することで、制御弁のオイルを吸引して低圧リザーバに回収するので、吸引機構という簡単な構成で、制御弁のオイルを低圧リザーバに回収することができる。
第12の発明は、上記第11の発明において、前記オイルの流路を前記第2オイル通路とする状態と前記バイパス通路とする状態とに切り替える切替弁と、前記パワーステアリング機構の作動時で、前記エンジンの非作動時で、且つ、前記高圧蓄圧器の内圧が所定圧力以上のときに、前記オイルの流路を前記バイパス通路とする状態に前記切替弁を切り替えることで、前記吸引機構によって前記制御弁のオイルを前記低圧リザーバに回収する制御装置とを更に備えたことを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、パワーステアリング機構の作動時で、エンジンの非作動時で、且つ、高圧蓄圧器の内圧が所定圧力以上のときに、オイルの流路をバイパス通路とする状態に切替弁を切り替えることで、吸引機構によって制御弁のオイルを低圧リザーバに回収するので、それ以外の時には、オイルポンプモータからのオイルの流路が第2オイル通路(通常通路)とする状態に制御される。そのため、バイパス通路ひいては吸引機構の使用頻度を最小限に抑制することができ、吸引機構による損失を最小限に抑制することができる。
本発明によれば、エンジンの停止時に、油圧機構を正常に作動させることができる。
オイルポンプモータを利用した自動車の回生システムを示す概略図である。 減速回生時におけるオイルポンプモータを利用した自動車の回生制御を説明する概略図である。 力行補助時におけるオイルポンプモータを利用した自動車の回生制御を説明する概略図である。 実施形態1の自動車の構成を示す概略図である。 実施形態1の自動車の回生システムの主たる構成を示す概略図である。 実施形態1の自動車の回生システムの主たる構成を示す概略図である。 実施形態1の吸引器の構成を示す概略図である。 実施形態1の制御装置の構成を示すブロック図である。 ディスクブレーキ作動時の状態を示す図5相当図である。 ディスクブレーキの要求ブレーキ力低減時の状態を示す図6相当図である。 大気圧貯留槽のオイル液面レベル上昇時の状態を示す図6相当図である。 実施形態1の回生システム制御の一例を示すフローチャートである。 実施形態1のブレーキ液圧制御の一例を示すフローチャートである。 実施形態2の自動車の構成を示す概略図である。 実施形態2のパワーステアリング機構の構成を示す概略図である。 実施形態2の吸引器の構成を示す概略図である。 実施形態2の制御装置の構成を示すブロック図である。 高圧蓄圧器のオイルを利用したパワーステアリング機構の作動時の状態を示す図14相当図である。 オイルポンプモータのオイルを利用したパワーステアリング機構の作動時の状態を示す図14相当図である。 実施形態2の操舵補助力制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図4に、本実施形態の回生システムERSを実装した自動車Cの概要を示す。なお、基本的構成は、図1に示した自動車と同じであるため、同じ機能の構成には同じ符号を用いてその説明は省略する。また、図4において、符号16は、上述したエンジンクラッチ2及びトランスミッション3などに相当するエンジン1の駆動機構を示し、符号17は、連結機構11及びモータクラッチ12などに相当するオイルポンプモータ13の駆動機構を示している。
回生システムERSは、エンジン1、オイルポンプモータ13(図4等では「PM」と記載)、高圧蓄圧器14、低圧リザーバ15、ディスクブレーキ21、アクチュエータ22、大気圧貯留槽23、吸引器24、第1開閉弁OV1、第2開閉弁OV2、第3開閉弁OV3、遮断弁SV、切替弁CV、制御装置41などを備えており、高圧蓄圧器14から吐出されたオイルの吐出圧(高圧蓄圧器14から圧送されたオイルの圧送圧)を利用してディスクブレーキ21のブレーキ力を得ることができるように構成されている。
エンジン1は、レシプロエンジンである。オイルポンプモータ13は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能する装置である。
高圧蓄圧器14は耐圧容器であり、高圧蓄圧器14の下限内圧(高圧蓄圧器14の下限ガス圧)が、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧がディスクブレーキ21のブレーキ液に伝達されることでディスクブレーキ21のフルブレーキング時(全制動時)のブレーキ力(最大ブレーキ力)を得ることができる圧力に設定されている。具体的に、フルブレーキング時のブレーキ液圧は、例えば、90気圧レベルに設定されている。一方、高圧蓄圧器14には、例えば100〜400気圧レベルのオイルと空気とが分離した状態で貯留されている。低圧リザーバ15は耐圧容器であり、そこには、例えば、1〜30気圧レベルのオイルと空気とが分離した状態で貯留されている。
なお、空気は緩衝用であり、気体であれば、その他のガスであってもよい。
図5及び図6に示すように、高圧蓄圧器14には、耐圧性を有する容器14aと、その内部を自在にスライドするピストン14bとが備えられている。高圧蓄圧器14の内部は、ピストン14bによってオイル室ORとガス室GRとに区画されている。ピストン14bのスライドにより、オイル室ORの容量が大きくなればそれだけガス室GRの容量は小さくなり、オイル室ORの容量が小さくなればそれだけガス室GRの容量は大きくなる。
オイル室ORは、オイルポンプモータ13と連通しており、低圧リザーバ15との間を行き来するオイルが貯留されている。そのため、オイル室ORのオイルの貯留量は、オイルポンプモータ13の作動に応じて変化する。対して、ガス室GRは、その内部に空気が貯留されている。
低圧リザーバ15の基本的構成は、高圧蓄圧器14と同じである。すなわち、低圧リザーバ15には、耐圧性を有する容器15aと、その内部を自在にスライドするピストン15bとが備えられている。低圧リザーバ15の内部は、ピストン15bによってオイル室ORとガス室GRとに区画されている。ピストン15bのスライドにより、低圧リザーバ15のオイル室ORの容量が大きくなればそれだけガス室GRの容量は小さくなり、オイル室ORの容量が小さくなればそれだけガス室GRの容量は大きくなる。
低圧リザーバ15のオイル室ORは、オイルポンプモータ13と連通しており、高圧蓄圧器14との間を行き来するオイルが貯留されている。そのため、オイル室ORのオイルの貯留量は、オイルポンプモータ13の作動に応じて変化する。対して、ガス室GRは、その内部に空気が貯留されている。
図4〜図6に示すように、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14のオイル室ORとの間には、第1オイル通路31が接続されている。
第1開閉弁OV1は、第1オイル通路31に設置されている。第1開閉弁OV1は、開状態のときに、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14のオイル室ORとを接続する。通常の第1開閉弁OV1は閉状態に制御されている。
図4及び図6に示すように、オイルポンプモータ13と低圧リザーバ15のオイル室ORとの間には、第2オイル通路32(オイル通路)が接続されている。
図4〜図6に示すように、ディスクブレーキ21は、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧がブレーキ液に伝達されることでブレーキ力を得る油圧式の摩擦ブレーキ機構(油圧機構)である。ディスクブレーキ21は、各ホイールに設置されている。ディスクブレーキ21は、ブレーキパイプ21a、シリンダ21b、ピストン21c、ブレーキパッド21d、ディスクローター21e、キャリパー21f、リターンスプリング21gなどを備えている。
なお、図5及び図6では、図を見易くするため、ディスクブレーキ21を1つだけ図示している。
ブレーキパイプ21aは、その内部に満たされたブレーキ液(ブレーキオイル)の油圧をピストン21cに伝達する配管である。ピストン21cは、シリンダ21bの内部を自在にスライドする。ブレーキパッド21dは、初期段階に、ピストン21cとほぼ接触している。ディスクローター21eは、ホイールハブに取り付けられ、ホイールと一体となって回転する。キャリパー21fの内部には、ピストン21cが配置されている。また、キャリパー21fは、ブレーキパッド21dを保持している。リターンスプリング21gは、ディスクブレーキ21の作動を解除したときに、ディスクローター21eに押し付けられたブレーキパッド21d及びピストン21cを元の位置に戻すばね機構である。
ブレーキペダルを踏み込むと、キャリパー21f内のピストン21cがブレーキ液圧によって押し出される。それにより、ブレーキパッド21dがディスクローター21eに押し付けられ、ブレーキパッド21dとディスクローター21eとが接触して発生する摩擦力でディスクブレーキ21が作動する。
一方、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、リターンスプリング21gがブレーキパッド21d及びピストン21cを元の位置に戻す。それにより、ディスクブレーキ21の作動が解除される。
アクチュエータ22は、その内部のピストン22bによって高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧をディスクブレーキ21のブレーキ液に伝達する装置である。アクチュエータ22には、シリンダ(容器)22aと、その内部を自在にスライドするピストン22bとが備えられている。アクチュエータ22の内部は、ピストン22bによってブレーキ液室BRとオイル室TRとに区画されている。ピストン22bのスライドにより、ブレーキ液室BRの容量が大きくなればそれだけオイル室TRの容量は小さくなり、ブレーキ液室BRの容量が小さくなればそれだけオイル室TRの容量は大きくなる。
ブレーキ液室BRは、ブレーキパイプ21aを介してディスクブレーキ21のシリンダ21bの内部と連通しており、ブレーキ液が貯留されている。アクチュエータ22のオイル室TRと高圧蓄圧器14のオイル室ORとの間には油圧伝達通路33が接続され、アクチュエータ22のオイル室TRは、油圧伝達通路33を介して高圧蓄圧器14のオイル室ORと連通しており、オイルが貯留されている。
ブレーキ液室BRにおけるブレーキ液の貯留量とオイル室TRにおけるオイルの貯留量とは、ディスクブレーキ21の作動に応じて微小変化する。具体的に、ディスクブレーキ21の作動時には、ピストン22bのブレーキ液室BR側への微小移動により、オイル室TRにおけるオイルの貯留量が微小増加し、ブレーキ液室BRにおけるブレーキ液の貯留量は微小低減する。一方、ディスクブレーキ21の作動解除時には、ディスクブレーキ21のブレーキパッド21d及びピストン21cがリターンスプリング21gによって元の位置に戻ることにより、ブレーキ液がブレーキ液室BRに回収され、ブレーキ液室BRにおけるブレーキ液貯留量が微小増加する。それにより、ピストン22bがオイル室TR側に微小移動して、オイル室TRにおけるオイル貯留量は微小低減する。
第2開閉弁OV2は、油圧伝達通路33に設置されている。第2開閉弁OV2は、ディスクブレーキ21のブレーキ液に伝達される、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧を調整可能な調整機構である。具体的に、第2開閉弁OV2は、PWM(Pulse Width Modulation(パルス幅変調))によって開閉制御(以下、「PWM制御」という)されることで、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出力を調整可能に構成されている。通常の第2開閉弁OV2は閉状態に制御されている。
油圧伝達通路33における第2開閉弁OV2とアクチュエータ22のオイル室TRとの間では、オイルの流れ方向が第2開閉弁OV2側からアクチュエータ22側への一方向のみになっている。
アクチュエータ22のオイル室TRと吸引器24との間には、大気圧貯留槽23に蓄えられたオイルを低圧リザーバ15のオイル室ORに回収するためのオイル回収通路34が接続されている。図4及び図6に示すように、オイル回収通路34には、上流側から順に、遮断弁SV、大気圧貯留槽23が設置されている。
遮断弁SVは、開状態のときに、アクチュエータ22のオイル室TRと大気圧貯留槽23とを接続する。通常の遮断弁SVは閉状態に制御されている。
大気圧貯留槽23は、アクチュエータ22から移動してきたオイルを貯留するオイル貯留容器である。
第2オイル通路32には、バイパス通路35が設置され、その両端は、第2オイル通路32の中途部に接続されている。バイパス通路35には、吸引器24が設置されている。
吸引器24は、力行補助時に、オイルポンプモータ13側から低圧リザーバ15側にオイルポンプモータ13からのオイルを噴射することで、大気圧貯留槽23のオイルを吸引して低圧リザーバ15に回収するディフューザー型の吸引機構である。図7に示すように、吸引器24は、上流側から順に、ノズル24a、拡散室24b、ディフューザー24cなどを備えている。
ノズル24aは、その上流端が第2オイル通路32及びバイパス通路35を介してオイルポンプモータ13と連通しており、オイルポンプモータ13からのオイルを拡散室24bに噴射する。拡散室24bには、吸引口24dが設置され、吸引口24dは、オイル回収通路34を介して大気圧貯留槽23の内部と連通している。ディフューザー24cは、その流路の入口側から出口側に行くに従って断面積が次第に拡大しており、その下流端は、バイパス通路35及び第2オイル通路32を介して低圧リザーバ15のオイル室ORと連通している。
オイルポンプモータ13からのオイルがノズル24aから噴射されると(図7の白抜き矢印を参照)、ノズル24aからの噴射オイルによって大気圧貯留槽23のオイルが吸引口24dから拡散室24bに吸引される(図7の黒矢印を参照)。それにより、ノズル24aからの噴射オイルと吸引口24dからの吸引オイルとが拡散室24bで混合されてディフューザー24c内に供給される。そして、ディフューザー24c内の混合オイルが低圧リザーバ15のオイル室ORに供給される。
図4及び図6に示すように、切替弁CVは、バイパス通路35のオイルポンプモータ13側の端と第2オイル通路32との接続部に設置されている。切替弁CVは、オイルポンプモータ13からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態とバイパス通路35とする状態とに切り替える(すなわち、オイルポンプモータ13と低圧リザーバ15のオイル室ORとを接続する状態と、オイルポンプモータ13と吸引器24とを接続する状態とに切り替える)。通常の切替弁CVは、オイルポンプモータ13からのオイルの流路を第2オイル通路32(通常通路)とする状態に制御されている。
第3開閉弁OV3は、バイパス通路35の低圧リザーバ15側の端と第2オイル通路32との接続部に設置されている。すなわち、第2オイル通路32には、オイルポンプモータ13側から順に、切替弁CV、第3開閉弁OV3が設置されている。第3開閉弁OV3は、開状態のときに、オイルポンプモータ13と低圧リザーバ15のオイル室ORとを接続する。通常の第3開閉弁OV3は閉状態に制御されている。
図4及び図8に示すように、制御装置41は、CPUやメモリ等のハードウエアと、制御プログラム等のソフトウエアとで構成されており、自動車Cの減速回生や力行、制動を総合的に制御する機能を有している。例えば、エンジン1やオイルポンプモータ13の駆動制御、第1開閉弁OV1や第3開閉弁OV3の開閉制御、第2開閉弁OV2のPWM制御、遮断弁SVの遮断制御、切替弁CVの切替制御なども制御装置41によって行われる。
この回生システムERSでは、制御装置41により、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧を利用してディスクブレーキ21のブレーキ力を得るように工夫されている。
図4に示すように、減速回生時には、制御装置41により、駆動輪5の動力がオイルポンプモータ13に入力される状態に駆動機構16,17が切り替えられ、第1開閉弁OV1及び第3開閉弁OV2が開状態に切り替えられる。そうして、オイルポンプモータ13(オイルポンプとして機能)により、低圧リザーバ15から高圧蓄圧器14にオイルが送り込まれる。
その時に、図9に示すように、制御装置41により、ディスクブレーキ21に要求されるブレーキ力に基づいて第2開閉弁OV2がPWM制御により駆動される。そうして、第2開閉弁OV2により、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧が要求ブレーキ力に応ずる要求ブレーキ液圧に調整される。そして、その調整されたオイルの吐出圧が油圧伝達通路33を通じてアクチュエータ22のオイル室TRに蓄えられたオイルに伝達され、さらに、ピストン22bによってブレーキ液室BRに蓄えられたブレーキ液、ブレーキパイプ21aに満たされたブレーキ液に伝達される。それにより、ディスクブレーキ21のピストン21cがそのブレーキ液圧によって目標位置に押し出され、要求ブレーキ力に応ずるブレーキ力が得られる。
また、図10に示すように、要求ブレーキ力が低減することで、第2開閉弁OV2のPWM制御信号のデューティ比が低減して、ブレーキ液がアクチュエータ22のブレーキ液室BRに回収されたときには、制御装置41により、遮断弁SVが開状態に切り替えられる。そうして、アクチュエータ22のピストン22bがオイル室TR側に移動して、オイル室TRに蓄えられたオイルの一部をオイル回収通路34を通じて大気圧貯留槽23に移動させる。
図4に示すように、オイルポンプモータ13(油圧モータとして機能)の作動時(力行補助時)には、駆動輪5とオイルポンプモータ13とを接続する状態に駆動機構16,17が切り替えられ、第1開閉弁OV1及び第3開閉弁OV3が開状態に切り替えられる。そうして、オイルポンプモータ13が、高圧蓄圧器14に蓄えられたオイルの吐出力によって駆動輪5を駆動し、高圧蓄圧器14のオイルが低圧リザーバ15に戻される。
その時に、図7及び図11に示すように、大気圧貯留槽23のオイルの液面レベルが所定の上限レベル以上に上昇することで、大気圧貯留槽23のオイル量が所定の上限量以上に増加していれば、制御装置41により、オイルポンプモータ13からのオイルの流路をバイパス通路35とする状態に切替弁CVが切り替えられる。そうして、吸引器24が、ノズル24aから噴射したオイルによって大気圧貯留槽23のオイルを吸引口24dから吸引し、大気圧貯留槽23のオイルがオイル回収通路34、バイパス通路35及び第2オイル通路32を通じて低圧リザーバ15に回収される。
図5、図6及び図8に示すように、回生システムERSを制御するために、自動車Cには、各種センサ42〜46が設置されている。
例えば、高圧蓄圧器14には、その内圧を計測する圧力センサ42が設置されている。大気圧貯留槽23には、その内部のオイルの液面レベルを計測する液面レベルセンサ43が設置されている。自動車Cには、アクセル開度を計測するアクセル開度センサ44と、ブレーキの踏み込み量と踏み込み速度を計測するブレーキ踏み込みセンサ45と、車速を計測する車速センサ46とが設置されている。
自動車Cの運転中は、センサの計測値が、制御装置41に出力されるようになっており、制御装置41は、これらの計測値に基づいて回生システムERSを制御する。
図12に、回生システム制御の一例を示す。
制御装置41は、各種センサ42〜46の計測値を読み込む(ステップSA1)。
そして、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)とブレーキ踏み込みセンサ45の計測値(ブレーキの踏み込み量と踏み込み速度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、自動車Cが減速しているか否かを判断する(ステップSA2)。
自動車Cが減速している場合には(ステップSA2でYES)、制御装置41は、制御をステップSA3に進める。一方、自動車Cが減速していない場合には(ステップSA2でNO)、制御装置41は、制御をステップSA7に進める。
ステップSA3では、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)とブレーキ踏み込みセンサ45の計測値(ブレーキの踏み込み量と踏み込み速度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、ドライバによって要求される減速度G1を演算する。
そして、制御装置41は、圧力センサ42の計測値(高圧蓄圧器14の内圧)とドライバ要求減速度G1とにより、オイルポンプモータ13による減速回生が可能であるか否かを判断する(ステップS4)。
オイルポンプモータ13による減速回生が可能である場合には(ステップSA4でYES)、制御装置41は、制御をステップSA5に進める。一方、オイルポンプモータ13による減速回生が不可能である場合(すなわち、高圧蓄圧器14の内圧を保持すべき場合)には(ステップSA4でNO)、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
ステップSA5では、制御装置41は、第1開閉弁OV1を開状態に切り替える。
そして、制御装置41は、第3開閉弁OV3を開状態に、切替弁CVを、オイルポンプモータ13からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態(通常通路)に切り替える(ステップSA6)。
それにより、オイルポンプモータ13による減速回生が開始される。
その後、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
ステップSA7では、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、自動車Cが加速しているか否かを判断する。
自動車Cが加速している場合には(ステップSA7でYES)、制御装置41は、制御をステップSA8に進める。一方、自動車Cが加速していない場合には(ステップSA7でNO)、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
ステップSA8では、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、ドライバによって要求される加速度を演算する。
そして、制御装置41は、圧力センサ42の計測値(高圧蓄圧器14の内圧)とドライバ要求加速度とにより、オイルポンプモータ13による力行が必要かつ可能であるか否かを判断する(ステップS9)。
オイルポンプモータ13による力行が必要かつ可能である場合には(ステップSA9でYES)、制御装置41は、制御をステップSA10に進める。一方、オイルポンプモータ13による力行が不要である場合又は不可能である場合(すなわち、高圧蓄圧器14の内圧を保持すべき場合)には(ステップSA9でNO)、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
ステップSA10では、制御装置41は、第1開閉弁OV1を開状態に切り替える。
そして、制御装置41は、液面レベルセンサ43の計測値H(大気圧貯留槽23のオイルの液面レベル)が所定の上限値H(所定の上限レベル)以上であるか否かを判断する(ステップSA11)。
液面レベルセンサ43の計測値Hが所定値H以上である場合には(ステップSA11でYES)、制御装置41は、大気圧貯留槽23のオイル量が所定量以上であると判断して、第3開閉弁OV3を開状態に、切替弁CVを、オイルポンプモータ13からのオイルの流路をバイパス通路35とする状態に切り替える(ステップSA12)。
それにより、オイルポンプモータ13による力行が開始される。
また、吸引器24が大気圧貯留槽23のオイルを吸引し、大気圧貯留槽23のオイルが低圧リザーバ15に回収される。
その後、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
一方、液面レベルセンサ43の計測値Hが所定値H未満である場合には(ステップSA11でNO)、制御装置41は、第3開閉弁OV3を開状態に、切替弁CVを、オイルポンプモータ13からのオイルの流路を第2オイル通路32(通常通路)とする状態に切り替える(ステップSA6)。
それにより、オイルポンプモータ13による力行が開始される。
その後、制御装置41は、制御をステップSA1に戻す。
図13に、ブレーキ液圧制御の一例を示す。
制御装置41は、各種センサ42〜46の計測値を読み込む(ステップSB1)。
そして、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)とブレーキ踏み込みセンサ45の計測値(ブレーキの踏み込み量と踏み込み速度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、自動車Cが減速しているか否かを判断する(ステップSB2)。
自動車Cが減速している場合には(ステップSB2でYES)、制御装置41は、制御をステップSB3に進める。一方、自動車Cが減速していない場合には(ステップSB2でNO)、制御装置41は、制御をステップSB1に戻す。
ステップSB3では、制御装置41は、アクセル開度センサ44の計測値(アクセル開度)とブレーキ踏み込みセンサ45の計測値(ブレーキの踏み込み量と踏み込み速度)と車速センサ46の計測値(車速)とにより、ドライバによって要求される減速度G1を演算する。
そして、制御装置41は、圧力センサ42の計測値(高圧蓄圧器14の内圧)により、オイルポンプモータ13による回生減速度G2を演算する(ステップSB4)。具体的に、制御装置41は、高圧蓄圧器14に蓄えられたエネルギー量により、可能な回生減速度を演算し、ドライバ要求減速度G1と比較して可能回生減速度が大きい場合には、ドライバ要求減速度G1を回生減速度G2とし、可能回生減速度が小さい場合には、可能回生減速を回生減速度G2とする。
その後、制御装置41は、ドライバ要求減速度G1から回生減速度G2を減算することにより、ディスクブレーキ21に要求される減速度G3を演算する(ステップSB5)。
続いて、制御装置41は、ブレーキ要求減速度G3により、ディスクブレーキ21に要求されるブレーキ力に応ずるピストン21cの目標位置Pを演算する(ステップSB6)。
次に、制御装置41は、圧力センサ42の計測値(高圧蓄圧器14の内圧)と目標ピストン位置Pとにより、第2開閉弁OV2のPWM制御信号のデューティ比を演算する(ステップSB7)。
そうして、制御装置41は、そのPWM制御信号に基づいて第2開閉弁OV2をPWM制御により駆動する。
それにより、第2開閉弁OV2が高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧を要求ブレーキ液圧に調整する。そして、その調整されたオイルの吐出圧がアクチュエータ22のピストン22bによってブレーキ液に伝達され、ディスクブレーキ21のピストン21cがそのブレーキ液圧によって目標位置Pに押し出され、要求ブレーキ力が得られる。
そして、制御装置41は、第2開閉弁OV2のPWM制御信号の、デューティ比の現在値が前回値よりも低減したか否かを判断する(ステップSB8)。
デューティ比の現在値が前回値よりも低減した場合には(ステップSB8でYES)、制御装置41は、ブレーキ液がアクチュエータ22のブレーキ液室BRに回収されたと判断して、遮断弁SVを開状態に切り替える。
それにより、アクチュエータ22のオイル室TRに蓄えられたオイルの一部が大気圧貯留槽23に移動する。
その後、制御装置41は、制御をステップSB1に戻す。
一方、デューティ比の現在値が前回値と同じ又はこれよりも増加した場合には(ステップSB8でNO)、制御装置41は、遮断弁SVを閉状態に切り替える(ステップSB11)。
その後、制御装置41は、制御をステップSB1に戻す。
−効果−
自動車には、ブレーキペダルとディスクブレーキのマスターシリンダとの間にエンジンのインテークマニホールド内の負圧を利用した真空式の倍力装置(ブレーキブースター)が設置されるものがある。
倍力装置では、ブレーキペダルを踏み込むと、パワーシリンダ内の大気圧室に外気が吸入され、パワーシリンダ内の負圧室との間に圧力差が発生する。この圧力差によってパワーピストンが押し出され、踏み込み力よりも大きな力がプッシュロッドに伝達され、より大きなブレーキ力が得られる。
ところで、上述の如く回生システムESRを備えた自動車Cでは、エンジン1が頻繁に停止すると、負圧不足によって倍力装置が正常に作動しなくなり、制動に違和感を覚えるという課題がある。
この課題を解決するために、負圧タンクを別途設置することが考えられるが、レイアウト及びコストの点で望ましくない。
ここで、本実施形態によれば、ディスクブレーキ21が、高圧蓄圧器14から吐出されたオイルの吐出圧がブレーキ液に伝達されることでブレーキ力を得るので、負圧タンクを別途設置することなく、エンジン1の停止時に、ブレーキ力を得ることができる。
また、高圧蓄圧器14の下限内圧が、最大ブレーキ力を得ることができる圧力に設定され、第2開閉弁OV2が、オイルの吐出圧を調整可能に構成され、制御装置41が、要求ブレーキ力に基づいて第2開閉弁OV2を制御するので、要求ブレーキ力に応ずるブレーキ力を得ることができる。
以上より、負圧タンクを別途設置することなく、エンジン1の停止時に、適切な大きさのブレーキ力を得ることができる。
また、アクチュエータ22が、シリンダ22aと、シリンダ22aの内部にスライド自在に配置され、スライドする方向にシリンダ22aの内部をディスクブレーキ21に接続され且つブレーキ液が貯留されるブレーキ液室BRと高圧蓄圧器14に接続され且つオイルが貯留されるオイル室TRとに区画するピストン22bとを有し、ピストン22bによってオイルの吐出圧をブレーキ液に伝達するので、アクチュエータ22という簡単な構成で、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧をブレーキ液に伝達することができる。
また、オイルを貯留する大気圧貯留槽23が、アクチュエータ22のオイル室TRに遮断弁SVを介して接続され、制御装置41が、要求ブレーキ力が低減して、ブレーキ液がアクチュエータ22のブレーキ液室BRに回収されたときに、遮断弁SVを開くことで、アクチュエータ22のピストン22bによってアクチュエータ22に蓄えられたオイルの一部を大気圧貯留槽23に移動させるので、アクチュエータ22へのオイル供給流路とアクチュエータ22からのオイル排出流路とが別流路となる。そのため、オイル供給流路及びオイル排出流路のオイル流れ方向を一方向のみにすることができ、これらの流路を簡単な構成にすることができる。
また、オイル回収通路34が、大気圧貯留槽23に蓄えられたオイルを低圧リザーバ15に回収するので、ディスクブレーキ21のブレーキ力を得るために利用したオイルを、オイルポンプモータ13による減速回生に再利用することができる。
また、ディフューザー型の吸引器24が、力行時、すなわち、ディスクブレーキ21の作動解除時に、オイルポンプモータ13側から低圧リザーバ15側にオイルを噴射することで、大気圧貯留槽23のオイルを吸引して低圧リザーバ15に回収するので、吸引器24という簡単な構成で、大気圧貯留槽23のオイルを低圧リザーバ15に回収することができるとともに、低圧リザーバ15へのオイル回収による、ディスクブレーキ21のブレーキ性能への影響を抑制することができる。
また、制御装置41が、力行時であって、大気圧貯留槽23のオイル量が所定の上限量以上のときに、オイルポンプモータ13からのオイルの流路をバイパス通路35とする状態に切替弁CVを切り替えることで、吸引器24によって大気圧貯留槽23のオイルを低圧リザーバ15に回収するので、それ以外の通常時には、オイルポンプモータ13からのオイルの流路が第2オイル通路32(通常通路)とする状態に制御される。そのため、バイパス通路35ひいては吸引器24の使用頻度を最小限に抑制することができ、吸引器24による損失を最小限に抑制することができる。
なお、本実施形態では、油圧式の摩擦ブレーキ機構をディスクブレーキ21としたが、これに限らず、例えば、ドラムブレーキとしてもよい。
また、本実施形態では、調整機構を開閉弁OV2としたが、高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧を調整可能な限り、これに限定されず、例えば、一般的な減圧レギュレータ等の油圧機構としてもよい。
(実施形態2)
図14に、本実施形態の回生システムERSを実装した自動車Cの概要を示す。なお、基本的構成は、図4に示した自動車と同じであるため、同じ機能の構成には同じ符号を用いてその説明は省略する。
回生システムERSは、エンジン1、オイルポンプモータ13、高圧蓄圧器14、低圧リザーバ15、パワーステアリング機構51、吸引器24、第1切替弁CV1、第2切替弁CV2、第3切替弁CV3、制御装置41などを備えており、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14から吐出されたオイルの吐出圧を利用してパワーステアリング機構51の操舵補助力を得ることができるように構成されている。
高圧蓄圧器14の下限内圧(高圧蓄圧器14の下限ガス圧)は、パワーステアリング機構51に要求される油圧よりも大きい圧力に設定されている。具体的に、パワーステアリング機構51の要求油圧は、例えば、80気圧レベル未満である一方、高圧蓄圧器14には、例えば100〜400気圧レベルのオイルと空気とが分離した状態で貯留されている。
図14及び図15に示すように、パワーステアリング機構51は、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧によってステアリングホイール61の操作力を補助する油圧式のパワーステアリング機構(油圧機構)である。パワーステアリング機構51は、圧力流量調整器OV、パワーシリンダ52、コントロールバルブ53などを備えている。
なお、図14では、図を見易くするため、パワーシリンダ52などの図示を省略している。
圧力流量調整器OVは、コントロールバルブ53に供給される、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルの油圧及び流量を調整可能な開閉弁(以下、「圧力流量調整器」を「開閉弁」という)である。具体的に、開閉弁OVは、PWMによって開閉制御されることで、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルの油圧及び流量を調整可能に構成されている。通常の開閉弁OVは閉状態に制御されている。開閉弁OVは、第1切替弁SV1とコントロールバルブ53との間を接続するオイル供給通路36に設置されている。
パワーシリンダ52は、操舵補助力を発生するアクチュエータである。パワーシリンダ52には、シリンダ52aと、その内部を自在にスライドするピストン52bとが備えられている。パワーシリンダ52の内部は、ピストン52bによって左側オイル室OR1と右側オイル室OR2とに区画されている。ピストン52bのスライドにより、左側オイル室OR1の容量が大きくなればそれだけ右側オイル室OR2の容量は小さくなり、左側オイル室OR1の容量が小さくなればそれだけ右側オイル室OR2の容量は大きくなる。
コントロールバルブ53は、開閉弁OV及び第1切替弁CV1を介して第1オイル通路31に接続され、ステアリングホイール61の回転操作に連動して、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルのパワーシリンダ52への供給を制御する制御弁である。
コントロールバルブ53は、Pポート、Tポート、Aポート及びBポート(図15では、それぞれ「P」「T」「A」「B」と記載)の4ポートを有する3位置弁である。Pポートは、オイル供給通路36を介して開閉弁OVと連通している。Tポートは、オイル回収通路34を介して吸引器24と連通している。オイル回収通路34は、コントロールバルブ53から排出されたオイルを低圧リザーバ15に回収するための通路である。Aポートは、左側オイル通路54を介してパワーシリンダ52の左側オイル室OR1と連通している。Bポートは、右側オイル通路55を介してパワーシリンダ52の右側オイル室OR2と連通している。
コントロールバルブ53には、スリーブ(不図示)と、その内部を自在に回転するスプール(不図示)とが備えられている。スプールは、ステアリングギアボックス63内に収められたステアリングギア機構(不図示)を介してステアリングシャフト62に連結され、ステアリングホイール61の回転操作によって回転する。ステアリングシャフト62は、ステアリングホイール61等とともにステアリング操作機構を構成しており、ステアリングギアボックス63内のステアリングギア機構を介してステアリングリンク機構のタイロッド64に連結されている。
コントロールバルブ53は、スプールの回転によって、Pポート、Tポート、Aポート及びBポートの4ポートが互いに連通する第1状態と、PポートとAポートとが連通し且つTポートとBポートとが連通する第2状態と、PポートとBポートとが連通し且つTポートとAポートとが連通する第3状態とに切り替わる。
コントロールバルブ53は、ステアリングホイール61が中立位置にあるときに、第1状態に切り替わる。第1状態では、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルがオイル回収通路34に排出されるとともに、パワーシリンダ52の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のオイルもオイル回収通路34に排出される。この状態では、軸力がタイロッド63に付与されない。
コントロールバルブ53は、ステアリングホイール61が中立位置から左側に回転操作されると、第2状態に切り替わる。第2状態では、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルがパワーシリンダ52の左側オイル室OR1に供給されるとともに、右側オイル室OR2のオイルがオイル回収通路34に排出される。それにより、パワーシリンダ52のピストンが右側に移動することで、同じ向きの軸力がタイロッド63に付与され、ステアリングホイール61の左向きの操作力が補助される。
コントロールバルブ53は、ステアリングホイール61が中立位置から右側に回転操作されると、第3状態に切り替わる。第3状態では、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルがパワーシリンダ52の右側オイル室OR2に供給されるとともに、左側オイル室OR1のオイルがオイル回収通路34に排出される。それにより、パワーシリンダ52のピストンが左側に移動することで、同じ向きの軸力がタイロッド63に付与され、ステアリングホイール61の右向きの操作力が補助される。
吸引器24は、エンジン1の非作動時に、オイルポンプモータ13側から低圧リザーバ15側にオイルポンプモータ13からのオイルを噴射することで、コントロールバルブ53のオイルを吸引して低圧リザーバ15に回収するディフューザー型の吸引機構である。図16に示すように、吸引器24は、上流側から順に、ノズル24a、拡散室24b、ディフューザー24cなどを備えている。
ノズル24aは、その上流端が第2オイル通路32及びバイパス通路35を介してオイルポンプモータ13と連通しており、オイルポンプモータ13からのオイルを拡散室24bに噴射する。拡散室24bには、吸引口24dが設置され、吸引口24dは、オイル回収通路34を介してコントロールバルブ53のTポートと連通している。ディフューザー24cは、その流路の入口側から出口側に行くに従って断面積が次第に拡大しており、その下流端は、バイパス通路35及び第2オイル通路32を介して低圧リザーバ15のオイル室ORと連通している。
オイルポンプモータ13からのオイルがノズル24aから噴射されると(図16の白抜き矢印を参照)、ノズル24aからの噴射オイルによってコントロールバルブ53のオイルが吸引口24dから拡散室24bに吸引される(図16の黒矢印を参照)。それにより、ノズル24aからの噴射オイルと吸引口24dからの吸引オイルとが拡散室24bで混合されてディフューザー24c内に供給される。そして、ディフューザー24c内の混合オイルが低圧リザーバ15のオイル室ORに供給される。
図14に示すように、第1切替弁CV1は、第1オイル通路31に設置されている。第1切替弁CV1は、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13及び高圧蓄圧器14と開閉弁OVとを接続しない状態と、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13と開閉弁OVとを接続する状態と、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つ高圧蓄圧器14と開閉弁OVとを接続する状態とに切り替える。通常の第1切替弁CV1は、流路を遮断する状態(閉止位置)に制御されている。
第2切替弁CV2は、バイパス通路35のオイルポンプモータ13側の端と第2オイル通路32との接続部に設置されている。第2切替弁CV2は、オイルポンプモータ13からのオイルの流路を第2オイル通路32(通常通路)とする状態とバイパス通路35とする状態とに切り替える(すなわち、オイルポンプモータ13と低圧リザーバ15のオイル室ORとを接続する状態と、オイルポンプモータ13と吸引器24とを接続する状態とに切り替える)。通常の第2切替弁CV3は、流路を遮断する状態(閉止位置)に制御されている。
第3切替弁CV3は、オイル回収通路34に設置されている。第3切替弁CV3と、第2オイル通路32におけるオイルポンプモータ13と第2切替弁CV2との間の部分との間には、分岐通路37が接続されている。第3切替弁CV3は、分岐通路37及び第2オイル通路32を介してコントロールバルブ53とオイルポンプモータ13とを接続する状態と、コントロールバルブ53と吸引器24とを接続する状態とに切り替える。
図14及び図17に示すように、制御装置41は、CPUやメモリ等のハードウエアと、制御プログラム等のソフトウエアとで構成されており、自動車Cの減速回生や力行、操舵補助を総合的に制御する機能を有している。例えば、エンジン1やオイルポンプモータ13の駆動制御、開閉弁OVのPWM制御、第1切替弁CV1や第2切替弁CV2、第3切替弁CV3の切替制御なども制御装置41によって行われる。
この回生システムERSでは、制御装置41により、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルの吐出圧を利用してパワーステアリング機構51の操舵補助力を得るように工夫されている。
図18に示すように、パワーステアリング機構51の作動時で、エンジン1の非作動時で、且つ、高圧蓄圧器14の内圧が所定圧力以上に上昇することで、高圧蓄圧器14に蓄えられたオイル量が所定量以上に増加していれば、制御装置41により、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つ高圧蓄圧器14と開閉弁OVとを接続する状態に第1切替弁CV1が切り替えられ、オイルポンプモータ13からのオイルの流路をバイパス通路35とする状態に第2切替弁CV2が切り替えられ、コントロールバルブ53と吸引器24とを接続する状態に第3切替弁CV3が切り替えられる。そうして、オイルポンプモータ13(油圧モータとして機能)が、高圧蓄圧器14に蓄えられたオイルの吐出力によって駆動し、高圧蓄圧器14のオイルが低圧リザーバ15に戻される。なお、力行補助時には、駆動輪5とオイルポンプモータ13とを接続する状態に駆動機構16,17が切り替えられ、オイルポンプモータ13が駆動輪5を駆動する。一方、惰性走行時には、オイルポンプモータ13の動力が駆動輪5に入力されない状態に駆動機構16,17が切り替えられ、オイルポンプモータ13は駆動輪5を駆動しない。
その時に、高圧蓄圧器14からのオイルがオイル供給通路36を通じて開閉弁OV、さらに、コントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向側のオイル室に供給される。また、吸引器24が、ノズル24aから噴射したオイルによって、コントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向とは反対側のオイル室のオイルを吸引口24dから吸引し、そのオイル室のオイルがオイル回収通路34、バイパス通路35及び第2オイル通路32を通じて低圧リザーバ15に回収される。それらにより、パワーシリンダ52のピストンがステアリングホイール61の操作方向とは反対側に移動することで、同じ向きの軸力がタイロッド63に付与され、ステアリングホイール61の操作方向の操作力が補助される。
一方、図19に示すように、パワーステアリング機構51の作動時で、エンジン1の作動時であれば、制御装置41により、エンジン1が作動され、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13と開閉弁OVとを接続する状態に第1切替弁CV1が切り替えられ、低圧リザーバ15からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態に第2切替弁CV2が切り替えられ、コントロールバルブ53とオイルポンプモータ13とを接続する状態に第3切替弁CV3が切り替えられる。そうして、オイルポンプモータ13(エンジン1の動力を利用したオイルポンプとして機能)により、低圧リザーバ15から高圧蓄圧器14にオイルが送り込まれる。一方、パワーステアリング機構51の作動時で、エンジン1の非作動時で、且つ、高圧蓄圧器14の内圧が所定圧力未満に下降することで、高圧蓄圧器14のオイル量が所定量未満に減少していれば、制御装置41により、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13と開閉弁OVとを接続する状態に第1切替弁CV1が切り替えられ、低圧リザーバ15からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態に第2切替弁CV2が切り替えられ、コントロールバルブ53とオイルポンプモータ13とを接続する状態に第3切替弁CV3が切り替えられる。そうして、オイルポンプモータ13(駆動輪5の動力を利用したオイルポンプとして機能)により、低圧リザーバ15から高圧蓄圧器14にオイルが送り込まれる。
それらの時に、オイルポンプモータ13からのオイルがオイル供給通路36を通じて開閉弁OV、さらに、コントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向側のオイル室に供給される。また、オイルポンプモータ13がコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向とは反対側のオイル室のオイルを吸引し、そのオイル室のオイルがオイル回収通路34、分岐通路37、第2オイル通路32及び第1オイル通路31を通じて高圧蓄圧器14に回収される。それらにより、パワーシリンダ52のピストンがステアリングホイール61の操作方向とは反対側に移動することで、同じ向きの軸力がタイロッド63に付与され、ステアリングホイール61の操作方向の操作力が補助される。
図17に示すように、回生システムERSを制御するために、自動車Cには、各種センサ42,71,72が設置されている。
例えば、高圧蓄圧器14には、その内圧を計測する圧力センサ42が設置されている。自動車Cには、エンジン1の作動状態を検出する作動状態センサ47と、ステアリングホイール61の回転操作状態を検出する操作状態センサ48が設置されている。
自動車Cの運転中は、圧力センサ72の計測値、作動状態センサ47の検出状態、操作状態センタ48の検出状態が、制御装置41に出力されるようになっており、制御装置41は、これらの計測値、検出状態に基づいて回生システムERSを制御する。
図20に、操舵補助力制御の一例を示す。
制御装置41は、圧力センサ42の計測値、作動状態センサ47の検出状態、操作状態センタ48の検出状態を読み込む(ステップSC1)。
そして、制御装置41は、操作状態センサ48の検出状態により、パワーステアリング機構51が作動しているか否かを判断する(ステップSC2)。
パワーステアリング機構51が作動している場合には(ステップSC2でYES)、制御装置41は、制御をステップSC3に進める。一方、パワーステアリング機構51が作動していない場合には(ステップSC2でNO)、制御装置41は、制御をステップSC1に戻す。
ステップSC3では、制御装置41は、作動状態センサ47の検出状態により、エンジン1が作動しているか否かを判断する。
エンジン1が作動している場合には(ステップSC3でYES)、制御装置41は、制御をステップSC6に進める。一方、エンジン1が作動していない場合には(ステップSC3でNO)、制御装置41は、制御をステップSC4に進める。
ステップSC4では、制御装置41は、圧力センサ42の計測値(高圧蓄圧器14の内圧)により、高圧蓄圧器14のオイル量が所定量以上であるか否かを判断する。
高圧蓄圧器14のオイル量が所定量以上である場合には(ステップSC4でYES)、制御装置41は、制御をステップSC5に進める。一方、高圧蓄圧器14のオイル量が所定量未満である場合には(ステップSC4でNO)、制御装置41は、制御をステップSC7に進める。
ステップSC5では、制御装置41は、第1切替弁CV1を、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つ高圧蓄圧器14と開閉弁OVとを接続する状態に、第2切替弁CV2を、オイルポンプモータ13からのオイルの流路をバイパス通路35とする状態に、第3切替弁CV3を、コントロールバルブ53と吸引器24とを接続する状態に切り替える。
それにより、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する。
また、高圧蓄圧器14からのオイルがコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向側のオイル室に供給され、吸引器24がコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向とは反対側のオイル室のオイルを吸引し、そのオイル室のオイルが低圧リザーバ15に回収される。それらにより、ステアリングホイール61の操作方向の操作力が補助される。
その後、制御装置41は、制御をステップSC1に戻す。
ステップSC6では、制御装置41は、エンジン1を作動し、第1切替弁CV1を、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13と開閉弁OVとを接続する状態に、第2切替弁CV2を、低圧リザーバ15からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態に、第3切替弁CV3を、コントロールバルブ53とオイルポンプモータ13とを接続する状態に切り替える。
それにより、オイルポンプモータ13がエンジン1の動力を利用したオイルポンプとして機能する。
また、オイルポンプモータ13からのオイルがコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向側のオイル室に供給され、オイルポンプモータ13がコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向とは反対側のオイル室のオイルを吸引し、そのオイル室のオイルが高圧蓄圧器14に回収される。それらにより、ステアリングホイール61の操作方向の操作力が補助される。
その後、制御装置41は、制御をステップSC1に戻す。
ステップSC7では、制御装置41は、第1切替弁CV1を、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14とを接続し且つオイルポンプモータ13と開閉弁OVとを接続する状態に、第2切替弁CV2を、低圧リザーバ15からのオイルの流路を第2オイル通路32とする状態に、第3切替弁CV3を、コントロールバルブ53とオイルポンプモータ13とを接続する状態に切り替える。
それにより、オイルポンプモータ13が駆動輪5の動力を利用したオイルポンプとして機能する。
また、オイルポンプモータ13からのオイルがコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向側のオイル室に供給され、オイルポンプモータ13がコントロールバルブ53の左側オイル室OR1及び右側オイル室OR2のうちステアリングホイール61の操作方向とは反対側のオイル室のオイルを吸引し、そのオイル室のオイルが高圧蓄圧器14に回収される。それらにより、ステアリングホイール61の操作方向の操作力が補助される。
その後、制御装置41は、制御をステップSC1に戻す。
−効果−
自動車には、油圧式のパワーステアリング機構にエンジンの動力を利用したオイルポンプが設置されるものがある。
オイルポンプでは、エンジンが作動すると、油圧が発生する。この油圧がパワーステアリング機構に伝達され、操舵補助力が得られる。
ところで、上述の如く回生システムESRを備えた自動車Cでは、エンジン1が停止すると、オイルポンプが作動しなくなり、操舵補助力が得られないという課題がある。
この課題を解決するために、オイルポンプの動力源を別途設置することが考えられるが、レイアウト及びコストの点で望ましくない。
ここで、本実施形態によれば、パワーステアリング機構51が、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14から吐出されたオイルの吐出圧によってステアリングホイール61の操作力を補助するので、パワーステアリング機構51にオイルポンプを設置しない簡単な構成で、エンジン1の停止時に、パワーステアリング機構51の操舵補助力を得ることができる。
また、パワーステアリング機構51にエンジン1の動力を利用したオイルポンプを設置しないので、エンジン1の燃費を向上させることができる。
また、第1オイル通路31が、オイルポンプモータ13と高圧蓄圧器14との間に接続され、パワーステアリング機構51が、操舵補助力を発生するパワーシリンダ52と、第1オイル通路31に接続され、ステアリングホイール61の回転操作に連動して、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14から吐出されたオイルのパワーシリンダ52への供給を制御するコントロールバルブ53とを有するので、コントロールバルブ53という簡単な構成で、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルをパワーシリンダ52に供給することができる。
また、オイル回収通路34がコントロールバルブ53から排出されたオイルを低圧リザーバ15に回収するので、パワーステアリング機構51にオイルを貯留するオイルタンクを設置しない簡単な構成で、パワーステアリング機構51の操舵補助力を得るために利用したオイルを、オイルポンプモータ13による減速回生に再利用することができる。
また、ディフューザー型の吸引器24が、エンジン1の非作動時に、オイルポンプモータ13側から低圧リザーバ15側にオイルを噴射することで、コントロールバルブ53のオイルを吸引して低圧リザーバ15に回収するので、吸引器24という簡単な構成で、コントロールバルブ53のオイルを低圧リザーバ15に回収することができる。
また、制御装置41が、パワーステアリング機構51の作動時で、エンジン1の非作動時で、且つ、高圧蓄圧器14の内圧が所定圧力以上のときに、オイルの流路をバイパス通路35とする状態に第2切替弁CV2を切り替えることで、吸引器24によってコントロールバルブ53のオイルを低圧リザーバ15に回収するので、それ以外の時には、オイルポンプモータ13からのオイルの流路が第2オイル通路32(通常通路)とする状態に制御される。そのため、バイパス通路35ひいては吸引器24の使用頻度を最小限に抑制することができ、吸引器24による損失を最小限に抑制することができる。
なお、本実施形態では、圧力流量調整器を開閉弁OVとしたが、オイルポンプモータ13又は高圧蓄圧器14からのオイルの油圧及び流量を調整可能な限り、これに限定されない。
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、油圧機構を油圧式の摩擦ブレーキ機構やパワーステアリング機構51としたが、自動車Cに設置された油圧装置である限り、これらに限定されない。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、前記各実施形態の構成要素を任意に組み合わせてもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両の回生システムは、エンジンの停止時に、油圧機構を作動させることが必要な用途等に適用することができる。
13 オイルポンプモータ
14 高圧蓄圧器
15 低圧リザーバ
21 ディスクブレーキ(油圧機構、油圧式の摩擦ブレーキ機構)
22 アクチュエータ
22a シリンダ
22b ピストン
BR ブレーキ液室
TR オイル室
23 大気圧貯留槽(オイル貯留容器)
24 吸引器(吸引機構)
32 第2オイル通路(オイル通路)
34 オイル回収通路
35 バイパス通路
41 制御装置
51 油圧式のパワーステアリング機構(油圧機構)
52 パワーシリンダ
53 コントロールバルブ
61 ステアリングホイール
ESR 回生システム
OV2 第2開閉弁(調整機構)
SV 遮断弁
CV 切替弁
CV2 第2切替弁(切替弁)

Claims (12)

  1. オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータと、当該オイルポンプモータを介して接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器及び低圧リザーバとを備えた車両の回生システムであって、
    前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧を利用して作動する油圧機構を更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  2. 請求項1記載の車両の回生システムにおいて、
    前記油圧機構は、前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧がブレーキ液に伝達されることでブレーキ力を得る油圧式の摩擦ブレーキ機構であり、
    前記オイルの吐出圧を調整可能な調整機構と、
    要求ブレーキ力に基づいて前記調整機構を制御する制御装置とを更に備え、
    前記高圧蓄圧器の下限内圧が最大ブレーキ力を得ることができる圧力に設定されていることを特徴とする車両の回生システム。
  3. 請求項2記載の車両の回生システムにおいて、
    シリンダと、当該シリンダの内部にスライド自在に配置され、スライドする方向に当該シリンダの内部を前記摩擦ブレーキ機構に接続され且つ前記ブレーキ液が貯留されるブレーキ液室と前記高圧蓄圧器に接続され且つ前記オイルが貯留されるオイル室とに区画するピストンとを有し、前記ピストンによって前記オイルの吐出圧を前記ブレーキ液に伝達するアクチュエータを更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  4. 請求項3記載の車両の回生システムにおいて、
    前記アクチュエータのオイル室に遮断弁を介して接続され、前記オイルを貯留するオイル貯留容器をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記遮断弁も制御し、
    前記要求ブレーキ力が低減して、前記ブレーキ液が前記アクチュエータに回収されたときに、前記遮断弁を開くことで、前記ピストンによって前記アクチュエータに蓄えられたオイルの一部を前記オイル貯留容器に移動させるように構成されていることを特徴とする車両の回生システム。
  5. 請求項4記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイル貯留容器に蓄えられたオイルを前記低圧リザーバに回収するためのオイル回収通路を更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  6. 請求項5記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイルポンプモータと前記低圧リザーバとの間に接続されたオイル通路と、
    両端が前記オイル通路の中途部に接続されたバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設置され、前記オイル回収通路に接続され、力行時に、前記オイルポンプモータ側から前記低圧リザーバ側に前記オイルを噴射することで、前記オイル貯留容器のオイルを吸引して前記低圧リザーバに回収するディフューザー型の吸引機構とを更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  7. 請求項6記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイルの流路を前記オイル通路とする状態と前記バイパス通路とする状態とに切り替える切替弁を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記切替弁も制御し、
    力行時であって、前記オイル貯留容器のオイル量が所定量以上のときに、前記オイルの流路を前記バイパス通路とする状態に前記切替弁を切り替えることで、前記吸引機構によって前記オイル貯留容器のオイルを前記低圧リザーバに回収するように構成されていることを特徴とする車両の回生システム。
  8. 請求項1記載の車両の回生システムにおいて、
    前記油圧機構は、前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの吐出圧によってステアリングホイールの操作力を補助する油圧式のパワーステアリング機構であることを特徴とする車両の回生システム。
  9. 請求項8記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイルポンプモータと前記高圧蓄圧器との間に接続された第1オイル通路を更に備え、
    前記パワーステアリング機構は、
    操舵補助力を発生するパワーシリンダと、
    前記第1オイル通路に接続され、前記ステアリングホイールの回転操作に連動して、前記オイルポンプモータ又は前記高圧蓄圧器から吐出されたオイルの前記パワーシリンダへの供給を制御する制御弁とを有することを特徴とする車両の回生システム。
  10. 請求項9記載の車両の回生システムにおいて、
    前記制御弁から排出されたオイルを前記低圧リザーバに回収するためのオイル回収通路を更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  11. 請求項10記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイルポンプモータと前記低圧リザーバとの間に接続された第2オイル通路と、
    両端が前記第2オイル通路の中途部に接続されたバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設置され、前記オイル回収通路に接続され、エンジンの非作動時に、前記オイルポンプモータ側から前記低圧リザーバ側に前記オイルを噴射することで、前記制御弁のオイルを吸引して前記低圧リザーバに回収するディフューザー型の吸引機構とを更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
  12. 請求項11記載の車両の回生システムにおいて、
    前記オイルの流路を前記第2オイル通路とする状態と前記バイパス通路とする状態とに切り替える切替弁と、
    前記パワーステアリング機構の作動時で、前記エンジンの非作動時で、且つ、前記高圧蓄圧器の内圧が所定圧力以上のときに、前記オイルの流路を前記バイパス通路とする状態に前記切替弁を切り替えることで、前記吸引機構によって前記制御弁のオイルを前記低圧リザーバに回収する制御装置とを更に備えたことを特徴とする車両の回生システム。
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