JP2017085383A - 信号処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を低減させることができるようにする。【解決手段】放送信号を受信する受信機は、放送信号の復調を行う復調部と、復調部での復調を制御する受信制御部とを有している。受信制御部は、放送信号における受信したいPLPが含まれていない区間において、復調部を制御して、サブフレーム単位またはOFDMシンボル単位で復調部による復調を停止させる。本技術は受信機に適用することができる。【選択図】図5
Description
本技術は信号処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、消費電力を低減させることができるようにした信号処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
放送規格であるDVB(Digital Video Broadcasting)-T2では、コンテンツを伝送する信号にFEF(Future Extension Frame)と呼ばれるフレームが挿入され、FEFに基づいて受信機側で受信対象ではないフレームであると判定した場合にフレーム全体で復調を停止する仕組みが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなDVB-T2に対して、新たな放送規格であるATSC(Advanced Television Systems Committee)3.0においては、サブフレームという処理単位が追加され、サブフレームごとに異なるロバストネスを持たせてコンテンツを送信することができる仕組みが採用された(例えば、非特許文献1参照)。
また、ATSC3.0規格では映像や音声、メタデータなどの複数のサービスが多重化されて送信されることが示唆されている。さらにATSC3.0規格では、各サービスはPLP(Physical Layer Pipe)と呼ばれる単位で多重化されて伝送されるが、受信機に対して映像、音声、ロバストな音声、およびメタデータのPLPをデコード(復号)可能な4PLPデコードが要求されることも示唆されている。
Advanced Television Systems Committee,"ATSC Candidate Standard:Physical Layer Protocol",Doc.S32-230r21,28 September 2015
ところで、ATSC3.0規格について、実際にはサービスを複数同時に受信するケースは稀である。また、サービスをデコードする側のハードウェアの静的な制約や動的な制約によっては、例えばコンテンツ視聴時に映像のみ視聴したい場合、ロバストな音声で視聴したい場合、低レートの映像で視聴したい場合など、受信したPLPのうちの一部のPLPが利用されない状況が発生し得る。
ここで、ハードウェアの静的な制約とは、例えばPLPの同時デコード可能数や、映像、音声、メタデータなどの出力IF(Interface)の数とその有無などである。具体的には、例えばデコード側のデバイスでは、ステレオの音声出力はできるが5.1chの音声出力には対応していないなどといった場合がある。
また、ハードウェアの動的な制約とは、例えばデコード側のモバイルデバイスにおけるバッテリ状態や処理負荷状態などである。具体的には、例えばモバイルデバイスにおいて、コンテンツ視聴のためのプロセスとは異なる他のプロセスが動作しているため、供給電力をコンテンツの受信機に割り当てる余裕がないなどといった場合がある。
以上のことからモバイルデバイスにおいて更なる低消費電力化、さらにいえばモバイルデバイスで発生する動的な需要変化にこたえることが受信機にも求められてきている。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、消費電力を低減させることができるようにするものである。
本技術の一側面の信号処理装置は、複数のデータが多重化された受信信号を復調する復調部と、前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる受信制御部とを備える。
信号処理装置には、前記受信信号における前記データの配置を特定するためのシグナリング情報を前記受信信号から抽出する抽出部をさらに設け、前記受信制御部には、前記シグナリング情報に基づいて、前記復調を停止させる区間を決定させることができる。
前記受信制御部には、前記復調部における少なくとも一部の処理を停止させることで、前記復調を停止させることができる。
前記受信制御部には、前記復調部の少なくとも一部に供給されるクロックについて、前記クロックの供給を停止させるか、または前記クロックの周波数を低減させることで、前記復調を停止させることができる。
前記受信制御部には、前記復調部の少なくとも一部に供給される電源について、前記電源の供給を停止させるか、または前記電源の電圧を低減させることで、前記復調を停止させることができる。
前記受信制御部には、前記復調を停止させる区間において、自身に供給されるクロックの周波数を低減させることができる。
前記受信制御部には、前記復調を停止させる区間において、自身に供給される電源の電圧を低減させることができる。
前記受信制御部には、前記復調を行う区間直前にある、必要な前記データが含まれていない区間において、前記受信信号を復調する処理のうち、少なくとも前記受信信号の位相誤差を補正する処理、および前記受信信号の伝送路特性を推定する処理の何れか一方を復調予備動作として前記復調部に実行させることができる。
前記受信制御部には、前記伝送路特性の推定結果および前記受信信号に含まれるノイズの推定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、前記復調予備動作をさせる区間の長さを決定させることができる。
前記受信制御部には、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへのクロック供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給されるクロックの周波数を低減させるようにすることができる。
前記受信制御部には、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへの電源供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給される電源の電圧を低減させるようにすることができる。
前記受信制御部には、前記復調部を制御させて、前記復調を停止させる区間において、前記受信信号を復調する処理のうちのアナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させるようにすることができる。
前記受信制御部には、前記復調部を制御させて、前記復調を停止させる区間において前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させた後、前記復調を停止させる区間の終了までの所定時間長の区間において、前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を実行させるようにすることができる。
本技術の一側面の信号処理方法またはプログラムは、複数のデータが多重化された受信信号を復調し、前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させるステップを含む。
本技術の一側面においては、複数のデータが多重化された受信信号が復調され、前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調が停止される。
本技術の一側面によれば、消費電力を低減させることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
〈本技術について〉
本技術は、コンテンツが時間多重されて送信されてくる放送信号のうちの所望の放送信号を選択的に処理することで、消費電力を低減させることができるようにするものである。
〈本技術について〉
本技術は、コンテンツが時間多重されて送信されてくる放送信号のうちの所望の放送信号を選択的に処理することで、消費電力を低減させることができるようにするものである。
本技術では、複数のコンテンツを構成する音声や映像、メタデータ等のサービスが多重化されて送信される信号を受信する際に、受信すべきコンテンツが格納されているサブフレームまたはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを特定し、該当のサブフレームまたはOFDMシンボル単位で復調部を動作させる。また、受信すべきコンテンツが格納されていない不必要な区間では、適切に復調機能停止、クロック遮断やクロック周波数低下、電源遮断、供給電圧低下などを行うことで、放送信号を受信する受信機の低消費電力駆動を実現することができる。
さらに、本技術では、クロックや電源の遮断からの復帰前にクロック誤差補正と伝送路推定を実施する復調予備動作区間が設けられる。これにより、クロックや電源の遮断により生じるチップ内温度変化を起因とするクリスタルの特性変化によるクロック誤差と、クロックや電源の遮断中の伝送路特性変動による性能劣化を最小限に抑えることができる。
それでは、以下、より具体的に本技術について説明していく。なお、以下においては、本技術をATSC3.0規格に準拠した放送信号を受信する受信機に適用した場合を例として説明を続ける。また、放送信号がOFDM方式により変調されている例について説明するが、他のデジタル変調方式であってもよい。
ATSC3.0規格では、コンテンツを構成する映像や音声、メタデータ等を伝送するための放送信号は、図1に示すように複数のATSC3.0フレームから構成される。
図1では、図中、横方向は時間を示しており、縦方向は周波数を示している。この例では、文字「ATSC3.0 Frame」が記されている1つの長方形が1つのATSC3.0フレーム(以下、単にフレームと称する)を表している。
また、各フレームはブートストラップ信号、プリアンブル信号、およびサブフレーム(サブフレーム信号)から構成されている。
図1では、文字「BootStrap」が記された長方形がブートストラップ信号を表しており、文字「Preamble」が記された長方形がプリアンブル信号を表している。また、文字「SubFrame#0」乃至「SubFrame#N-1」のそれぞれが記された長方形が各サブフレームを表している。
各フレームでは、先頭にブートストラップ信号が配置され、そのブートストラップ信号に続いてプリアンブル信号が配置され、さらにプリアンブル信号の後に1または複数のサブフレームが配置される。
ここで、ブートストラップ信号は、放送信号におけるフレームの先頭を検出するための信号であり、ブートストラップ信号には、プリアンブル信号がどのような情報構成となっているかを示す情報が記述されている。つまり、受信機では、ブートストラップ信号を解析することで、プリアンブル信号を読み解くことが可能となる。
また、プリアンブル信号は、各サブフレームがどのような情報構成となっているかを示す情報が記述された信号である。例えば、受信機はプリアンブル信号を解析することで、各サブフレームがどのようなパラメータで変調されているかを特定することができる。
さらに、各サブフレームは、例えば図2に示すように複数のOFDMシンボルで構成される。なお、図2において図1における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜、省略する。
図2では、文字「OFDM Symbol」が記された長方形が1つのOFDMシンボルを表しており、サブフレームが、時間方向に並ぶ複数のOFDMシンボルから構成されていることが分かる。サブフレームでは、各時刻に1つのOFDMシンボルが配置されている。
また、OFDMシンボルは、周波数方向に並べられた各周波数(サブキャリア)に対応するデータセルから構成されている。これらのデータセルにコンテンツを構成する映像データや音声データ、メタデータなどの各種のデータが格納される。
特に、ATSC3.0規格では、映像や音声、メタデータなどのサービスは、複数のデータセルからなるPLPと呼ばれる単位で多重化されてサブフレーム内に格納される。また、より詳細には、プリアンブル信号の一部にもPLPを構成するデータが格納される。
各PLPは、1つのOFDMシンボルだけでなく、複数のOFDMシンボルにまたがって設定されることもある。すなわち、例えば図3に示すように、各サービスは時間多重されるか、周波数多重されるか、またはそれらを組み合わせて多重化されて放送信号により送信される。なお、図3において図1における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
図3では、各サブフレーム内の文字「PLP#0」乃至「PLP#9」のそれぞれが記された領域が複数のデータセルからなるPLPを表している。
この例では、プリアンブル信号の最後尾の一部分と、文字「SubFrame#0」が記されたサブフレーム#0の最初の3つのOFDMシンボルと、サブフレーム#0の4番目のOFDMシンボルの一部分とからなる領域(データ)が1つのPLPであるPLP#0とされている。また、サブフレーム#0では、PLP#0以外の部分がPLP#1となっており、サブフレーム#0では、PLP(サービス)が時間多重されていることが分かる。
これに対して、文字「SubFrame#1」が記されたサブフレーム#1では、所定幅の周波数帯域における時間方向に並ぶデータセルからなる領域(データ)が1つのPLPとされ、サブフレーム#1が3つのPLP#2乃至PLP#4に分けられている。したがって、各OFDMシンボルにはPLP#2を構成するデータセル、PLP#3を構成するデータセル、およびPLP#4を構成するデータセルが含まれている。このようにサブフレーム#1では、PLP(サービス)が周波数多重されている。
さらに、文字「SubFrame#2」が記されたサブフレーム#2では、そのサブフレーム#2内の全てのOFDMシンボルにより1つのPLP#5が構成されている。
また、文字「SubFrame#3」が記されたサブフレーム#3では、先頭の3つのOFDMシンボルにより1つのPLP#6が構成され、残りのOFDMシンボルからなる部分が3つの帯域に分けられて、それらの各帯域の部分がPLP#7乃至PLP#9とされている。つまり、サブフレーム#3では、PLP(サービス)が時間多重および周波数多重されている。
以上のような構成とされる放送信号を受信する受信機では、受信した放送信号を復調した後、多重化されたPLPのうちの必要なサービスが格納されたPLPだけを選択的に復号して処理することが知られている。
この場合、受信機においては、復号では必要なPLPのみが処理対象とされるが、復調についてはフレームの全区間が処理対象となる。つまり、フレームの全区間について復調処理が行われる。
しかし、放送信号に含まれているPLPをサブフレームやOFDMシンボルといった単位でみると、例えば図4に示すように必要となるサービス、つまり放送信号から取り出したいサービスが内部に存在しないサブフレームやOFDMシンボルが存在する。なお、図4において図3における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
図4に示す例では、10個のPLP#0乃至PLP#9のうち、斜線が施されたPLP#0、およびPLP#4乃至PLP#6の4つのPLPが、取り出したいサービスが含まれていないPLPとなっている。
この場合、PLP#0を構成するOFDMシンボルのみからなる区間T1、PLP#5を構成するOFDMシンボルのみからなる区間T2、およびPLP#6を構成するOFDMシンボルのみからなる区間T3は、受信したいデータ、つまり必要なデータが含まれていない区間である。そのため、これらの区間T1乃至区間T3は、必ずしも復調する必要のない区間となる。
これに対して、例えばサブフレーム#1には、不要であるPLP#4が含まれているものの、受信したいデータが格納されたPLP#2およびPLP#3も含まれているので、サブフレーム#1は復調すべき区間となる。
このように、フレームが複数のサブフレームから構成され、各サブフレーム内でサービス、つまりPLPが時間多重や周波数多重されるATSC3.0規格では、フレーム全体をサブフレームやOFDMシンボルといった単位でみると、必ずしも復調する必要のない区間が生じ得る。そこで、本技術では、サブフレーム単位またはOFDMシンボル単位で、放送信号の復調を制御することで、受信機の消費電力を低減できるようにした。
すなわち、例えば欧州向け地上デジタル放送規格であるDVB-T2では放送信号のフレーム単位で復調停止処理をしていた。これに対して、本技術では、通常、復調処理を行う復調部では利用しないプリアンブル信号内に含まれるPLPのマッピング情報を復調部でも活用し、DVB-T2における場合よりもさらに細かいサブフレームやOFDMシンボルを単位とする区間で復調停止処理を行うことで、さらなる低消費電力化を実現するようにした。
ここで、受信機において行われる復調部の復調停止処理は、以下の処理PR1乃至処理PR5のうちの何れか1つの処理、またはそれらの処理のうちの任意のものを組み合わせた処理であるとする。換言すれば、受信機では、復調停止処理として以下の処理PR1乃至処理PR5のうちの少なくとも何れか1つの処理が実行される。
(処理PR1)
復調部内の所定ブロックへの放送信号から得られたデータの供給停止や、復調時の処理を実行させるための起動トリガの発火停止等の機能停止処理
(処理PR2)
復調部の少なくとも一部へのクロックの供給を停止(遮断)するクロック供給停止処理
(処理PR3)
復調部の少なくとも一部に供給されるクロックの周波数を低減(低下)させるクロック周波数低減処理
(処理PR4)
復調部の少なくとも一部への電力(電源)の供給を停止(遮断)する電源供給停止処理
(処理PR5)
復調部の少なくとも一部に供給される電源の電圧を低減(低下)させる供給電源電圧低減処理
復調部内の所定ブロックへの放送信号から得られたデータの供給停止や、復調時の処理を実行させるための起動トリガの発火停止等の機能停止処理
(処理PR2)
復調部の少なくとも一部へのクロックの供給を停止(遮断)するクロック供給停止処理
(処理PR3)
復調部の少なくとも一部に供給されるクロックの周波数を低減(低下)させるクロック周波数低減処理
(処理PR4)
復調部の少なくとも一部への電力(電源)の供給を停止(遮断)する電源供給停止処理
(処理PR5)
復調部の少なくとも一部に供給される電源の電圧を低減(低下)させる供給電源電圧低減処理
基本的に復調部において、復調部の少なくとも一部の機能(動作)、すなわち一部の処理を停止させる機能停止処理を実行して復調停止させれば、復調部が通常動作している場合よりも、復調部における消費電力を低減させることができる。
さらに、機能停止処理に加えて、クロック供給停止処理や、クロック周波数低減処理、電源供給停止処理、供給電源電圧低減処理などを適宜行うことにより、復調部の消費電力をさらに低減させることができる。
なお、復調停止処理の実行によって放送信号の復調が行われていない状態、より詳細にはデジタル信号である放送信号に対して行われる処理を停止させた状態では、復調時に行われる放送信号の伝送路の状態(特性)を推定する処理が実行されないことになる。
この場合、伝送路特性の推定結果が更新されないので、復調停止処理を終えた後、復調処理を再開する時点で、伝送路特性の推定結果が最新のものとなっていない。つまり、復調停止処理中に伝送路の状態が変化したときには、正確な伝送路状態を把握するまでに時間がかかってしまう。そうすると、復調処理再開直後における復調性能が低下してしまうおそれがある。
また、復調停止処理としてクロック供給停止処理や、クロック周波数低減処理、電源供給停止処理、供給電源電圧低減処理などを行った場合、復調処理時からの消費電力の変化に伴ってクロックを生成する発振器が設けられたチップの温度が変化してしまう。そうすると、発振器(クリスタル)の温度特性によってクロックの発振周波数が変化し、その結果、クロック誤差により復調性能が低下してしまうおそれもある。
そこで本技術では、復調停止処理を行う場合、放送信号から取り出したいサービスが格納されたOFDMシンボルまたはサブフレームの直前にある、取り出したいサービスが格納されていない、いくつかの連続するOFDMシンボルの区間において復調予備動作を行うようにした。
本技術では、受信機において、復調予備動作として、その区間のOFDMシンボルに含まれるパイロット信号に基づいて、クロック誤差補正(位相誤差補正)と伝送路特性の推定が行われる。これにより、伝送路状態の追従の遅れによる復調性能の低下や、チップの温度変化に起因するクロック誤差による復調性能の低下を抑制することができる。
〈受信機の構成例〉
次に、本技術を適用した受信機の構成例について説明する。図5は、本技術を適用した受信機の一実施の形態の構成例を示す図である。
次に、本技術を適用した受信機の構成例について説明する。図5は、本技術を適用した受信機の一実施の形態の構成例を示す図である。
図5に示す受信機11は、アンテナ21、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、通常動作時有効復調部24、誤り訂正部25、受信制御部26、クロック制御部27、PLL(Phase Locked Loop)群28、電源制御部29、およびレギュレータ群30を有している。
アンテナ21は、放送局の送信装置等から無線により送信された放送信号を受信してアナログ部22に供給する。アナログ部22は、アンテナ21から供給された放送信号であるRF(Radio Frequency)信号をIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換する変換処理や、放送信号に対するA/D(Analog/Digital)変換処理を行って、予備動作時有効復調部23に供給する。
予備動作時有効復調部23は、アナログ部22から供給された放送信号に対して直交復調や位相誤差補正、FFT(Fast Fourier Transform)、時間方向の伝送路推定などを行い、それらの処理結果を通常動作時有効復調部24に供給する。すなわち、予備動作時有効復調部23から通常動作時有効復調部24には、FFTにより得られた周波数領域のOFDM信号と、時間方向の伝送路特性の推定結果とが供給される。
通常動作時有効復調部24は、予備動作時有効復調部23から供給された周波数領域のOFDM信号および時間方向の伝送路特性の推定結果に基づいて、周波数方向の伝送路特性の推定や等化処理を行い、その結果得られた周波数領域のOFDM信号を誤り訂正部25に供給する。
ここで、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24によって、放送信号の復調処理を行う復調部41が実現されている。これらのアナログ部22乃至通常動作時有効復調部24は、受信制御部26の制御に従って、レギュレータ群30から電力供給を受け、PLL群28から供給されたクロックに同期して各動作を行う。
アナログ部22はアナログ信号である放送信号を処理するブロックであり、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24は、デジタル信号に変換された放送信号を処理するブロックである。
特に、予備動作時有効復調部23は、復調停止時に復調停止処理の対象となって動作を停止し、復調予備動作時には動作するブロックである。これに対して、通常動作時有効復調部24は、予備動作時有効復調部23の後段にあるブロックであり、通常動作時、つまり通常の復調動作時にのみ動作し、復調停止時および復調予備動作時には動作を停止する。
誤り訂正部25は、通常動作時有効復調部24から供給されたOFDM信号に対して誤り訂正を行って、その結果得られた信号を後段のブロックに供給する。
また、誤り訂正部25は抽出部42を有しており、抽出部42は、誤り訂正により得られた信号から、放送信号のフレーム内の全PLPの配置を示す情報を得るためのシグナリング情報を抽出し、受信制御部26に供給する。
受信制御部26は、誤り訂正部25から供給されたシグナリング情報に基づいて、受信機11の各部を制御する。
例えば受信制御部26は、通常の復調動作や、復調停止処理の実行、復調予備動作を復調部41の各部に指示する。また、受信制御部26は、クロック供給停止処理やクロック周波数低減処理の実行をクロック制御部27に指示したり、電源供給停止処理や供給電源電圧低減処理の実行を電源制御部29に指示したりする。
クロック制御部27は、受信制御部26の指示に従って、クロックの生成を制御するためのクロック制御情報をPLL群28および電源制御部29に供給し、クロック制御情報によりPLL群28によるクロック生成を制御する。
PLL群28は、例えば1または複数の発振器やPLL回路などからなり、クロック制御部27から供給されたクロック制御情報に基づいてクロック(クロック信号)を生成し、得られたクロックを受信機11の各部に供給する。
例えばPLL群28からは、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、通常動作時有効復調部24、受信制御部26、クロック制御部27、および電源制御部29にクロックが供給される。特に、この例ではアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24には、個別に同一または異なるクロックが供給され、受信制御部26、クロック制御部27、および電源制御部29には同じクロックが同時に供給される。
なお、PLL群28の構成は、受信機11の各部にクロックを供給することのできる構成であれば、どのような構成であってもよい。
例えばPLL群28は、1つのクロック源(発振器)のクロックのみを用いて各部に供給するクロックを生成してもよいし、複数のクロック源から分周クロックを生成してもよい。また、例えばPLL群28は、複数のクロック源を有する構成とされてもよいし、可変のクロック源を有する構成とされてもよい。
電源制御部29は、受信制御部26の指示に従って、適宜、クロック制御部27から供給されたクロック制御情報を参照しながら、電源の供給を制御するための電源制御情報をレギュレータ群30に供給し、電源制御情報によりレギュレータ群30による電源供給を制御する。
レギュレータ群30は、1または複数のレギュレータからなり、電源制御部29から供給された電源制御情報に基づいて所定電圧の電源(電力)を生成して受信機11の各部に供給する。
例えばレギュレータ群30からは、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、通常動作時有効復調部24、受信制御部26、クロック制御部27、および電源制御部29に電源が供給される。特に、この例ではアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24には、個別に同一または異なる電圧の電源が供給され、受信制御部26、クロック制御部27、および電源制御部29には同じ電圧の電源が同時に供給される。
なお、電源制御部29による電源供給制御においては、受信機11の各部への電源供給が継続して行われ、電源供給の停止は行われないようにしてもよいし、電源供給が行われる状態と電源供給が遮断される状態とが適宜切り替えられるようにしてもよい。また、レギュレータ群30を構成する複数の固定電圧電源を切り替えて供給電源電圧低減処理を実現したり、レギュレータ群30を構成する可変電圧電源により供給電源電圧低減処理を実現したりするようにしてもよい。
〈アナログ部、予備動作時有効復調部、および通常動作時有効復調部の構成例〉
また、図5に示したアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24の各部はより詳細には、例えば図6に示すように構成される。なお、図6において図5における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
また、図5に示したアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24の各部はより詳細には、例えば図6に示すように構成される。なお、図6において図5における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図6の例では、アナログ部22は、チューナ71およびA/D変換部72を有している。
また、予備動作時有効復調部23は、直交復調部73、位相誤差補正部74、FFT部75、時間方向伝送路推定部76、位相誤差検出部77、およびFFT区間制御部78を有している。
さらに、通常動作時有効復調部24は、周波数方向伝送路推定部79、等化部80、およびノイズ推定部81を有している。
チューナ71は、アンテナ21から供給された放送信号であるRF信号をIF信号に周波数変換し、A/D変換部72に供給する。A/D変換部72は、チューナ71から供給されたIF信号に対してA/D変換を行って、IF信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、直交復調部73に供給する。
直交復調部73は、搬送波を用いて、A/D変換部72から供給されたIF信号を直交復調し、その結果得られたベースバンドのOFDM信号を位相誤差補正部74に供給する。このようなベースバンドのOFDM信号は、実軸成分(I成分)と虚軸成分(Q成分)を含む時間領域の複素信号である。
位相誤差補正部74は、位相誤差検出部77から供給された位相誤差、すなわちOFDM信号の搬送波周波数誤差の検出結果に基づいて、直交復調部73から供給されたOFDM信号の位相誤差を補正し、FFT部75に供給する。ここで、搬送波周波数誤差は、PLL群28から出力されるクロックの誤差などに起因するチューナ71での基準周波数のずれ等により生じるOFDM信号の中心周波数位置の誤差である。
FFT部75は、FFT区間制御部78から供給されたFFTトリガパルス信号に基づいて、位相誤差補正部74から供給されたOFDM信号に対してFFT演算を行い、その結果得られた周波数領域のOFDM信号を等化部80、時間方向伝送路推定部76、ノイズ推定部81、および位相誤差検出部77に供給する。FFTトリガパルス信号は、OFDM信号におけるFFT演算を行う区間、より詳細にはFFT演算の対象とする区間の開始位置を示す信号である。
時間方向伝送路推定部76は、FFT部75から供給されたOFDM信号からパイロット信号を抽出するとともに、OFDM信号の各周波数(サブキャリア)のパイロット信号の時間方向の歪み(ずれ)に基づいて、時間方向の伝送路特性を推定する。時間方向伝送路推定部76は、時間方向の伝送路特性の推定結果とパイロット信号の抽出結果とを周波数方向伝送路推定部79に供給する。
位相誤差検出部77は、FFT部75から供給されたOFDM信号からパイロット信号を抽出するとともに、その抽出結果に基づいてOFDM信号の位相誤差(搬送波周波数誤差)を検出し、その検出結果を位相誤差補正部74およびFFT区間制御部78に供給する。ここでは、例えばパイロット信号の回転度合いに基づいて位相誤差が検出される。
FFT区間制御部78は、位相誤差検出部77から供給された位相誤差の検出結果に基づいてFFTトリガパルス信号を生成し、FFT部75に供給する。
周波数方向伝送路推定部79は、時間方向伝送路推定部76から供給された時間方向の伝送路特性の推定結果とパイロット信号の抽出結果とに基づいて、周波数方向の伝送路特性を推定し、時間方向および周波数方向の伝送路特性の推定結果を示す伝送路特性データを等化部80に供給する。ここでは、例えば、OFDM信号の各周波数(サブキャリア)のパイロット信号の周波数方向の歪み(ずれ)に基づいて、周波数方向の伝送路特性が推定される。
等化部80は、周波数方向伝送路推定部79から供給された伝送路特性データに基づいて、FFT部75から供給されたOFDM信号から伝送路による振幅と位相の歪みの成分を除去(補正)し、歪み成分が除去されたOFDM信号を誤り訂正部25に供給する。例えば、OFDM信号を伝送路特性データで除算することにより歪み成分の除去、つまり等化処理が行われる。
ノイズ推定部81は、FFT部75から供給されたOFDM信号に基づいて、そのOFDM信号に含まれるパイロット信号と、本来そうであるべきパイロット信号とを比較することで、OFDM信号に含まれるノイズを推定し、その推定結果を誤り訂正部25に供給する。例えばノイズ推定の結果として、信号成分とノイズ成分との比率(SN比(signal to noise ratio))などが求められる。
誤り訂正部25は、ノイズ推定部81から供給されたノイズ推定の結果に基づいて、等化部80から供給されたOFDM信号に対して誤り訂正処理、例えばデインターリーブやデパンクチャ、ビタビ復号、LDPC(Low Density Parity Check)復号、リードソロモン復号などを行い、後段のブロックに出力する。
〈受信機での復調停止および復調予備動作について〉
以上のように構成される受信機11では、例えば図1に示した構成のATSC3.0規格に準拠した放送信号が受信され、処理される。
以上のように構成される受信機11では、例えば図1に示した構成のATSC3.0規格に準拠した放送信号が受信され、処理される。
上述したように一般的には、放送信号の受信するフレーム中に存在する全てのOFDMシンボル、すなわち放送信号のフレーム全体が復調されていた。しかし、受信するコンテンツや、フレーム内のPLPの構成次第では、必ずしも復調を行う必要のないOFDMシンボルが存在する。
そこで、受信機11は、放送信号のフレーム内に存在する全てのPLPで送られるコンテンツ情報に基づいて、フレーム内に含まれるPLPのうちの受信すべきPLP(以下、受信PLPとも称することとする)を決定し、その決定結果に応じてフレームの復調を制御するようにした。受信PLPは、取り出そうとする必要なサービスが格納されているPLPである。
例えばコンテンツ情報は、コンテンツを構成する映像や音声のデータやメタデータなどの各サービスのデータがどのPLPに格納されているか、つまりサービスとPLPとのマッピング関係を示す情報であり、このコンテンツ情報はPLPに格納されている。また、プリアンブル信号にはPLPにコンテンツ情報が格納されているかを示すフラグが含まれている。
受信制御部26は、例えば誤り訂正部25や、誤り訂正部25の後段の復号を行うブロック等から、OFDM信号から抽出されたコンテンツ情報を取得し、取得したコンテンツ情報に基づいて、これから受信しようとする放送信号の各フレームについて受信PLPを決定する。なお、受信PLPの決定方法は、コンテンツ情報に限らず、受信制御部26が他の情報などから決定するようにしてもよい。
また、受信機11が放送信号のフレームのブートストラップ信号とプリアンブル信号を復調すると、そのフレーム内においてPLPがどのような配置で格納されているかを特定することができる。
例えば図7に示すように、放送信号の1つのフレームは、ブートストラップ信号B11と、プリアンブル信号B12と、それらに続く1または複数のサブフレームB13とから構成される。また、プリアンブル信号B12にはL1-Basic信号B21、L1-Detail信号B22、およびペイロードB23が含まれている。
L1-Basic信号B21を復調することでL1-Basicシグナリング情報が得られ、L1-Detail信号B22を復調することでL1-Detailシグナリング情報が得られる。また、ペイロードB23には、サービスのデータ等が格納される。つまり、最初のサブフレームの一部と、ペイロードB23とからPLPが構成される。なお、以下では、説明を簡単にするため、PLPはサブフレーム内のデータセルのみから構成されるものとして説明を続ける。
L1-Basicシグナリング情報は、L1-Detailシグナリング情報を読み解くための情報、例えばL1-Detailシグナリング情報の長さや種別などを示す情報からなり、L1-Basicシグナリング情報によってL1-Detailシグナリング情報内に含まれる情報を正しく抽出することが可能となる。また、L1-Detailシグナリング情報には、フレームを構成する各サブフレーム内においてどのPLPがどのように配置されているかを示す情報が含まれている。
これらのL1-Basicシグナリング情報とL1-Detailシグナリング情報から、放送信号のフレーム内の全PLPの配置位置を示す配置情報と、データセルの時間方向のインターリーブ配置を示す時間インターリーブ情報とを生成することができる。L1-Basicシグナリング情報やL1-Detailシグナリング情報、それらの情報から生成される配置情報、時間インターリーブ情報については、例えばATSC3.0の規格書(candidate standard)である「Advanced Television Systems Committee,"ATSC Candidate Standard:Physical Layer Protocol",Doc.S32-230r21,28 September 2015」等に記載されている。
なお、以下では、L1-Basicシグナリング情報とL1-Detailシグナリング情報を特に区別する必要のない場合には、単にシグナリング情報とも称することとする。
受信制御部26は、抽出部42から供給されたシグナリング情報に基づいて配置情報および時間インターリーブ情報を生成し、配置情報および時間インターリーブ情報と、受信PLPの決定結果とから、フレーム内の受信PLPが含まれるOFDMシンボルやサブフレームを特定する。そして、受信制御部26は、その特定結果に従って、受信PLPが含まれていないOFDMシンボルやサブフレームの区間で復調を停止させ、受信機11の消費電力を低減させる。
受信制御部26は、復調停止時には、上述したように処理PR1乃至処理PR5のうちの少なくとも何れか1つを実行させる。
例えば受信制御部26は、アナログ部22乃至通常動作時有効復調部24の動作を制御して機能停止処理を実行させ、A/D変換部72から直交復調部73へのIF信号の供給を停止させたり、FFT区間制御部78からFFT部75へのFFTトリガパルス信号の供給を停止させたりする。
また、例えば受信制御部26はクロック制御部27を制御して、PLL群28から予備動作時有効復調部23や通常動作時有効復調部24に供給されるクロックについて、クロックの供給の遮断または供給クロックの周波数低減を行わせる。つまり、復調停止処理として、クロック供給停止処理またはクロック周波数低減処理の実行が制御される。
機能停止処理やクロック供給停止処理、クロック周波数低減処理が行われる場合には、受信制御部26は、さらに例えば電源制御部29を制御して、レギュレータ群30から予備動作時有効復調部23や通常動作時有効復調部24に供給される電源について、電源供給の遮断または供給電源の電圧低減を行わせる。つまり、復調停止処理として、電源供給停止処理または供給電源電圧低減処理の実行が制御される。
このような復調停止処理により、より細かい時間制御単位で復調処理を制御し、復調時における受信機11の消費電力を低減させることができる。
また、上述したように復調停止処理を行うと、PLL群28やレギュレータ群30の温度が変化したり、時間方向伝送路推定部76による伝送路特性の推定の追従が間に合わなかったりして、復調停止からの復帰直後において復調性能が劣化してしまうおそれがある。
そこで、受信制御部26は、受信PLPが含まれるOFDMシンボルやサブフレームからなる区間の直前の連続する複数のOFDMシンボルからなる区間において、復調予備動作を実行させる。これにより、復調停止が解除された直後から、復調停止中の伝送路特性の変動や、温度変化によるクロック誤差などの影響の少ない復調処理を実現することができる。
復調予備動作時には、予備動作時有効復調部23の各部において処理が行われる。すなわち、例えば時間方向伝送路推定部76による時間方向の伝送路特性の推定、つまり伝送路特性の更新や、位相誤差検出部77による位相誤差の検出、位相誤差補正部74による位相誤差の補正が行われる。
なお、ここでは復調予備動作として、放送信号を復調する処理のうち、時間方向の伝送路特性の推定や、位相誤差の検出、位相誤差の補正などが行われる例について説明したが、それらのうちの少なくとも何れかの処理が行われるようにすればよい。すなわち、少なくとも復調性能の劣化を抑制できるような処理が行われるようにすればよい。
また、受信機11では、復調停止処理と復調予備動作とを行うので、復調部がそれらの動作に必要なブロック(ドメイン)に分割されている。
すなわち、図5を参照して説明したように、クロック供給ドメインや電源供給ドメインが、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、通常動作時有効復調部24、および受信制御部26に分けられている。
これにより、例えば復調停止時には、予備動作時有効復調部23と通常動作時有効復調部24に対してクロック供給遮断および電源供給遮断を行い、受信制御部26に対しては供給クロック周波数の低減および供給電源の電圧低減を行うといった制御が可能となる。
また、例えば復調予備動作時には、通常動作時有効復調部24に対してクロック供給遮断および電源供給遮断を行い、予備動作時有効復調部23と受信制御部26に対しては通常通りクロック供給と電源供給を行うといった制御が可能となる。
このようにドメイン分割を行い、より細かなクロック供給制御と電源供給制御を行うことができるようにすることで、受信機11の消費電力を低減させることができる。
〈受信機での復調停止および復調予備動作の具体例1〉
以下では、受信機11による復調時の動作状態を示す復調モードとして、通常通り復調を行う通常復調モード、復調を停止させる復調停止モード、および復調予備動作を行う復調予備モードの3つのモードがあるものとする。
以下では、受信機11による復調時の動作状態を示す復調モードとして、通常通り復調を行う通常復調モード、復調を停止させる復調停止モード、および復調予備動作を行う復調予備モードの3つのモードがあるものとする。
例えば通常復調モードでは、アナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24において通常通り復調が行われる。
また、復調停止モードでは、例えば図8に示すようにアナログ部22では通常通り復調動作が行われ、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24では、復調停止処理により動作(復調動作)が停止される。なお、図8において図6における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図8では、斜線の施されたブロックが動作を停止させるブロックを表しており、この例では予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24が動作を停止するブロックとなっている。
さらに、復調予備モードでは、例えば図9に示すようにアナログ部22および予備動作時有効復調部23では通常通り復調動作が行われ、通常動作時有効復調部24では動作(復調動作)が停止される。なお、図9において図6における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図9では、斜線の施されたブロックが動作を停止させるブロックを表しており、この例では通常動作時有効復調部24が動作を停止するブロックとなっている。
このような通常復調モード、復調停止モード、および復調予備モードを適宜、切り替えながら受信した放送信号の復調を行う場合に、受信機11で、例えば図10に示す放送信号のフレームが受信されたとする。なお、図10において図2における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
図10に示す例では、1つのフレームに、サブフレーム#0乃至サブフレーム#3の4つのサブフレームが含まれている。
ここで、サブフレーム単位で復調動作を制御し、サブフレーム#1およびサブフレーム#3に受信PLPが含まれているものとする。つまり、サブフレーム#0およびサブフレーム#2には受信PLPが含まれていないものとする。また、復調予備動作を行う区間の長さを4OFDMシンボル分の長さの区間とするものとする。
そのような場合、受信制御部26は、ブートストラップ信号とプリアンブル信号からなる、フレーム先頭の区間T11では通常復調モードにより復調処理を実行させる。
受信制御部26は、区間T11に続く、受信PLPのないサブフレーム#0の大部分のOFDMシンボルからなる区間T12では復調停止モードとする。また、受信制御部26は区間T12に続く、受信PLPのあるサブフレーム#1の直前の4つのOFDMシンボルからなるサブフレーム#0内の区間T13では復調予備モードとする。
さらに、受信制御部26は区間T13に続く、受信PLPのあるサブフレーム#1からなる区間T14では通常復調モードとする。
以降、同様にして受信制御部26は、受信PLPのないサブフレーム#2の大部分のOFDMシンボルからなる区間T15で復調停止モードとし、その後の4つのOFDMシンボルからなる区間T16では復調予備モードとし、受信PLPのあるサブフレーム#3からなる区間T17では通常復調モードとする。
〈受信機での復調停止および復調予備動作の具体例2〉
また、例えばOFDMシンボル単位で復調を制御し、図11に示す放送信号のフレームが受信された場合、受信制御部26は次のように復調モードを切り替えて復調を制御する。なお、図11において、図2における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
また、例えばOFDMシンボル単位で復調を制御し、図11に示す放送信号のフレームが受信された場合、受信制御部26は次のように復調モードを切り替えて復調を制御する。なお、図11において、図2における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
また、図11では、サブフレーム#0を構成するOFDMシンボルと、各OFDMシンボルを構成するデータセルが長方形により表されている。すなわち、文字「A00」乃至文字「F31」のそれぞれが記された長方形は、1つのデータセルを表しており、図中、縦方向に並ぶデータセルの列から1つのOFDMシンボルが構成されている。
例えば文字「A00」乃至文字「A09」のそれぞれが記されたデータセルからなるデータセルの列が1つのOFDMシンボルを構成している。また、図中、いくつかのOFDMシンボルの上側には、サブフレーム内においてOFDMシンボルを区別するためのシンボル番号が記されており、図中、左端のOFDMシンボルには、シンボル番号#0が付与されている。以下では、特定のOFDMシンボルを指すときには、例えばシンボル番号#0のOFDMシンボルをOFDMシンボル#0などといったように、OFDMシンボルにシンボル番号を付して記すこととする。
また図11では、データセル内の英文字はPLPを特定するPLPidを表しており、データセル内において英文字に続く数字はPLP内の何個目のデータセルであるかを表している。例えば文字「A00」が記されたデータセルは、PLPid=AであるPLP内の最初のデータセルとなっている。
したがって、この例ではPLPid=AであるPLPは、OFDMシンボル#0を構成する全データセルと、OFDMシンボル#1を構成する、文字「A10」および文字「A11」のそれぞれが記された2つのデータセルとからなることが分かる。
また、サブフレーム#0には、PLPidがPLPid=A乃至PLPid=Fのそれぞれである合計6個のPLPが含まれており、サブフレーム#0ではそれらのPLPが時分割で多重化されていることが分かる。
以下では、各データセルを、必要に応じて、例えばデータセルA00のように、それらのデータセル内に記された文字を用いて記すこととし、同様にPLPも必要に応じて、例えばPLP AのようにPLPidを用いて記すこととする。
サブフレーム#0がこのようなPLP構成とされる場合で、PLP A、PLP C、およびPLP Fが受信PLPとされ、復調予備動作を行う区間の長さが1OFDMシンボル分の長さの区間とされるものとする。
そのような場合、受信制御部26は、受信PLPであるPLP Aが含まれる、OFDMシンボル#0およびOFDMシンボル#1からなる区間T21を通常復調モードとし、その区間T21に続く、OFDMシンボル#2からなる区間T22を復調予備モードとする。
通常、通常復調モードの区間の次の区間は復調停止モードとされるが、この例では、通常復調モードとされた区間T21と、その次に通常復調モードとすべき区間T23との間には、復調予備動作を行うべき区間として確保すべき1OFDMシンボル分の区間しかない。そのため、その区間を復調停止モードとすると、復調予備動作を行う区間が確保できなくなってしまう。そこで、ここでは、区間T21に続く区間T22では、復調予備モードとされる。
また、受信制御部26は、受信PLPであるPLP Cが含まれる、OFDMシンボル#3乃至OFDMシンボル#11からなる区間T23を通常復調モードとし、その区間T23に続く、OFDMシンボル#12乃至OFDMシンボル#20からなる区間T24を復調停止モードとする。さらに受信制御部26は、復調停止後のOFDMシンボル#21からなる区間T25を復調予備モードとし、その後の受信PLPであるPLP Fが含まれる区間T26を通常復調モードとする。
このようにサブフレーム内のOFDMシンボル単位という、より細かい時間単位で復調を制御することにより、受信機11の低消費電力化を実現することができる。
〈受信機での復調停止および復調予備動作の具体例3〉
さらに、例えばOFDMシンボル単位で復調を制御し、図12に示す放送信号のサブフレームが受信された場合、受信制御部26は次のように復調モードを切り替えて復調を制御する。なお、図12において、図11における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
さらに、例えばOFDMシンボル単位で復調を制御し、図12に示す放送信号のサブフレームが受信された場合、受信制御部26は次のように復調モードを切り替えて復調を制御する。なお、図12において、図11における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
この例では、サブフレーム内には、PLPidがPLPid=A乃至PLPid=Fのそれぞれである合計6個のPLPが含まれており、サブフレームではそれらのPLPが時分割と周波数分割が組み合わせられて多重化されている。
サブフレームがこのようなPLP構成とされる場合で、PLP A、PLP D、およびPLP Fが受信PLPとされ、復調予備動作を行う区間の長さが4OFDMシンボル分の長さの区間とされるものとする。
そのような場合、受信制御部26は、受信PLPであるPLP AおよびPLP Dが含まれる、OFDMシンボル#0乃至OFDMシンボル#8からなる区間T31を通常復調モードとする。また、受信制御部26は区間T31に続く、受信PLPが含まれず、かつ復調予備動作も不要であるOFDMシンボル#9乃至OFDMシンボル#11からなる区間T32を復調停止モードとする。
さらに受信制御部26は、受信PLPであるPLP Fが含まれるOFDMシンボル#16の直前にある4つのOFDMシンボルからなる区間T33を復調予備モードとし、その後の受信PLPであるPLP Fが含まれる区間T34を通常復調モードとする。
このように時分割と周波数分割を組み合わせてサブフレーム内にPLPが配置されている場合においても、より細かい時間単位で復調を制御することにより、受信機11の低消費電力化を実現することができる。
〈復調処理の説明〉
次に、受信機11の具体的な動作について説明する。
次に、受信機11の具体的な動作について説明する。
受信機11は、放送信号が送信されてくると、その放送信号を受信して復調する復調処理を行う。以下、図13のフローチャートを参照して、受信機11による復調処理について説明する。
なお、この復調処理は、アンテナ21により放送信号であるRF信号が受信されてチューナ71に供給されると開始される。また、復調処理はフレームごとに行われる。
ステップS11において、チューナ71は、アンテナ21から供給されたRF信号をIF信号に周波数変換し、A/D変換部72に供給する。
ステップS12においてA/D変換部72は、チューナ71から供給されたIF信号をA/D変換して直交復調部73に供給する。また、例えばA/D変換されたIF信号は、A/D変換部72から受信制御部26にも供給される。受信制御部26は、A/D変換部72から供給されたIF信号のサンプルの数をカウントしていくことで、放送信号のフレームのどの部分を受信したかを把握することができる。
ステップS13において、直交復調部73は、A/D変換部72から供給されたIF信号を直交復調し、その結果得られたベースバンドのOFDM信号を位相誤差補正部74に供給する。そして、ステップS14において、位相誤差補正部74は、位相誤差検出部77から供給された位相誤差の検出結果に基づいて、直交復調部73から供給されたOFDM信号の位相誤差を補正し、FFT部75に供給する。
ステップS15において、FFT部75は、FFT区間制御部78から供給されたFFTトリガパルス信号に基づいて、位相誤差補正部74から供給されたOFDM信号に対してFFT演算を行い、その結果得られた周波数領域のOFDM信号を等化部80、時間方向伝送路推定部76、ノイズ推定部81、および位相誤差検出部77に供給する。
ステップS16において、位相誤差検出部77は、FFT部75から供給されたOFDM信号に基づいてOFDM信号の位相誤差を検出し、その検出結果を位相誤差補正部74およびFFT区間制御部78に供給する。
ステップS17において、FFT区間制御部78は、位相誤差検出部77から供給された位相誤差の検出結果に基づいてFFTトリガパルス信号を生成し、FFT部75に供給する。
ステップS18において、時間方向伝送路推定部76は、FFT部75から供給されたOFDM信号に基づいて、時間方向の伝送路特性を推定し、その推定結果と、OFDM信号からのパイロット信号の抽出結果とを周波数方向伝送路推定部79に供給する。
ステップS19において、周波数方向伝送路推定部79は、時間方向伝送路推定部76から供給された時間方向の伝送路特性の推定結果とパイロット信号の抽出結果とに基づいて、周波数方向の伝送路特性を推定し、その結果得られた伝送路特性データを等化部80に供給する。
ステップS20において、等化部80は、周波数方向伝送路推定部79から供給された伝送路特性データに基づいて、FFT部75から供給されたOFDM信号から伝送路による振幅と位相の歪み成分を除去し、誤り訂正部25に供給する。
ステップS21において、ノイズ推定部81は、FFT部75から供給されたOFDM信号に基づいてノイズ推定を行い、その推定結果を誤り訂正部25に供給する。
ステップS22において、誤り訂正部25は、ノイズ推定部81から供給されたノイズ推定の結果に基づいて、等化部80から供給されたOFDM信号に対して誤り訂正処理を行う。
ステップS23において、抽出部42は、誤り訂正処理されたOFDM信号からシグナリング情報を抽出し、受信制御部26に供給する。
例えば抽出部42は、OFDM信号先頭のブートストラップ信号を読み解くことで、プリアンブル信号からL1-Basicシグナリング情報を抽出し、さらにL1-Basicシグナリング情報に基づいてプリアンブル信号内からL1-Detailシグナリング情報を抽出する。そして、抽出部42は、これらのシグナリング情報を受信制御部26に供給する。
また、誤り訂正部25は、誤り訂正処理されたOFDM信号を後段のブロックに出力し、復調処理は終了する。
〈復調制御処理の説明〉
以上のようにして受信機11は、受信された放送信号を復調する。なお、図13を参照して説明した復調処理は、通常復調モード時における処理である。受信制御部26により復調モードが切り替えられると、受信機11の各部は、切り替え後の復調モードに応じた処理を行う。
以上のようにして受信機11は、受信された放送信号を復調する。なお、図13を参照して説明した復調処理は、通常復調モード時における処理である。受信制御部26により復調モードが切り替えられると、受信機11の各部は、切り替え後の復調モードに応じた処理を行う。
以下、図14のフローチャートを参照して、受信機11が復調モードを適宜、切り替えて復調を制御する復調制御処理について説明する。なお、この復調制御処理は、図13を参照して説明した復調処理が開始されたときに開始される。また、復調制御処理も放送信号のフレームごとに行われる。
ステップS51において、受信制御部26は、抽出部42からシグナリング情報を取得する。このステップS51の処理では、図13のステップS23で抽出されたシグナリング情報が抽出部42から取得される。
ステップS52において、受信制御部26は、予め誤り訂正部25または誤り訂正部25の後段の復号を行うブロックから取得したコンテンツ情報と、シグナリング情報とに基づいて、処理対象のフレーム全体における受信PLPの配置位置を特定する。
すなわち、例えば受信制御部26は、コンテンツ情報に基づいて受信PLPを決定する。また、受信制御部26は、シグナリング情報に基づいて、放送信号のフレーム内の全PLPの配置位置を示す配置情報と時間インターリーブ情報とを生成し、それらの配置情報と時間インターリーブ情報から、受信PLPの配置位置を特定する。
ステップS53において、受信制御部26は、受信PLPの配置位置の特定結果に基づいて、放送信号のフレームの各区間での復調モードを決定する。例えば図10や、図11、図12を参照して説明したように、フレーム内における、サブフレームやOFDMシンボルを単位とする各区間で、どの復調モードとするかが決定される。
ステップS54において、受信制御部26は、通常復調モードとするか否かを判定する。
例えば受信制御部26は、図13のステップS12で得られたIF信号の供給を受けて、そのIF信号のサンプル数をカウントすることで、フレーム内のどの部分、つまり何番目のサブフレーム内の何番目のOFDMシンボルを受信しているかを特定する。そして、受信制御部26は、その特定結果と、ステップS53で得られた復調モードの決定結果とに基づいて、通常復調モードとした区間の信号が受信されたタイミングとなった場合に、通常復調モードとすると判定する。
ステップS54において、通常復調モードとすると判定された場合、ステップS55において、受信制御部26はアナログ部22乃至通常動作時有効復調部24を制御して、復調処理を実行させ、その後、処理はステップS59へと進む。
これにより、図13を参照して説明した復調処理が継続して行われる。また、このとき受信制御部26は、クロック制御部27および電源制御部29を制御して、通常通り、クロック供給と電源供給を行わせる。
これに対して、ステップS54において通常復調モードとしないと判定された場合、ステップS56において、受信制御部26は、復調停止モードとするか否かを判定する。
ステップS56において復調停止モードとすると判定された場合、ステップS57において、受信制御部26は、アナログ部22乃至通常動作時有効復調部24を制御して復調を停止させ、その後、処理はステップS59へと進む。
例えば受信制御部26は、アナログ部22を通常通り動作させるとともに、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24に機能停止処理を実行させ、復調を停止させる。これにより、例えば放送信号のフレームの復調停止モードとされた区間では、図13を参照して説明した復調処理のステップS13乃至ステップS22の処理の実行が停止されることになる。
また、受信制御部26はクロック制御部27を制御して、受信機11の各部に対して、それぞれ個別に通常通りクロック供給をさせるか、クロック供給停止処理をさせるか、またはクロック周波数低減処理をさせる。
なお、このときクロック供給停止または供給クロック周波数低減の対象とされるのは、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24とされ、受信制御部26も供給クロック周波数低減の対象とされるようにしてもよい。例えば予備動作時有効復調部23への供給クロック周波数が低減され、通常動作時有効復調部24へのクロック供給が停止されるなどとしてもよい。
同様に受信制御部26は電源制御部29を制御して、受信機11の各部に対して、それぞれ個別に通常通り電源供給をさせるか、電源供給停止処理をさせるか、または供給電源電圧低減処理をさせる。
なお、このとき電源供給停止または供給電源電圧低減の対象とされるのは、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24とされ、受信制御部26も供給電源電圧低減の対象とされるようにしてもよい。例えば予備動作時有効復調部23への供給電源電圧が低減され、通常動作時有効復調部24への電源供給が停止されるなどとしてもよい。
さらに、ステップS56において、復調停止モードとしないと判定された場合、つまり復調予備モードとすると判定された場合、ステップS58において、受信制御部26は、アナログ部22乃至通常動作時有効復調部24を制御して復調予備動作をさせ、その後、処理はステップS59へと進む。
例えば受信制御部26は、アナログ部22および予備動作時有効復調部23に通常通り動作させて復調予備動作をさせるとともに、通常動作時有効復調部24に機能停止処理を実行させる。これにより、例えば放送信号のフレームの復調予備モードとされた区間では、図13を参照して説明した復調処理のステップS11乃至ステップS18の処理が行われるが、その後のステップS19乃至ステップS22の処理の実行は停止されることになる。
また、受信制御部26はクロック制御部27を制御して、通常動作時有効復調部24に対して通常通りクロック供給をさせるか、クロック供給停止処理をさせるか、またはクロック周波数低減処理をさせる。同様に受信制御部26は、電源制御部29を制御して、通常動作時有効復調部24に対して通常通り電源供給をさせるか、電源供給停止処理をさせるか、または供給電源電圧低減処理をさせる。
なお、このときアナログ部22や予備動作時有効復調部23、受信制御部26など、通常通り動作するブロックに対しては通常通りクロック供給および電源供給が行われる。
ステップS55、ステップS57、またはステップS58の処理が行われて各復調モードでの動作が行われると、ステップS59において受信制御部26は、放送信号の処理対象となっているフレームの全区間を処理したか否かを判定する。
ステップS59において、まだ全ての区間を処理していないと判定された場合、処理はステップS54に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対してステップS59において、全ての区間を処理したと判定された場合、処理対象となっているフレームの復調が終了したので復調制御処理は終了する。この場合、次のフレームがある場合には、その次のフレームについて復調制御処理が開始される。
以上のようにして受信機11は、シグナリング情報に基づいて放送信号のフレームの各区間について、サブフレームやOFDMシンボルを単位として復調モードを決定し、その決定に従って、適宜、復調を停止させたり、復調予備動作を行ったりする。これにより、受信機11の消費電力を低減させるとともに、復調性能の劣化を抑制することができる。
〈第1の実施の形態の変形例1〉
〈復調モードの決定について〉
ところで、受信機11では、復調時に放送信号の伝送路特性の推定や、放送信号に含まれるノイズの状態の推定であるノイズ推定が行われる。
〈復調モードの決定について〉
ところで、受信機11では、復調時に放送信号の伝送路特性の推定や、放送信号に含まれるノイズの状態の推定であるノイズ推定が行われる。
復調予備動作を行う場合、復調性能の劣化を抑制するのに十分な復調予備動作区間の長さは、チャネル状態、つまり伝送路特性の変化の有無といった伝送路の状態や、放送信号に含まれるノイズ量といったノイズ状態によっても変化する。そこで、受信機11において、復調動作時に得られた伝送路特性の推定結果やノイズ推定結果に基づいて、復調予備動作を行う区間の長さを決定するようにしてもよい。
そのような場合、受信機11におけるアナログ部22乃至受信制御部26の部分の構成は、例えば図15に示すような構成とされる。なお、図15において、図6における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図15に示すアナログ部22乃至受信制御部26の構成は、図6に示した構成と基本的には同じであるが、時間方向伝送路推定部76およびノイズ推定部81と、受信制御部26との接続関係のみが異なる。
すなわち、図15に示す例では、時間方向伝送路推定部76は時間方向の伝送路特性の推定結果を、周波数方向伝送路推定部79だけでなく受信制御部26にも供給する。また、ノイズ推定部81は、ノイズ推定の結果を誤り訂正部25だけでなく受信制御部26にも供給する。
そして、受信制御部26は、シグナリング情報から得られた受信PLPのフレーム内での配置位置の特定結果と、時間方向伝送路推定部76から供給された時間方向の伝送路特性の推定結果と、ノイズ推定部81から供給されたノイズ推定結果とに基づいて各区間での復調モードを決定する。
したがって、図14を参照して説明した復調制御処理におけるステップS53では、受信制御部26は、受信PLPの配置位置の特定結果だけでなく、時間方向の伝送路特性の推定結果とノイズ推定結果も用いて放送信号のフレームの各区間での復調モードを決定する。
このとき、例えば伝送路の状態がよくない場合、すなわち例えば各パイロット信号の時間方向の位置の歪みや変動量が大きい場合や、放送信号に含まれるノイズが多い場合、すなわち例えばSN比が低い場合などに復調予備モードとする区間の長さが通常の長さよりも長くなるようにされる。
例えば伝送路の状態がよくない場合でも復調予備動作を行う区間を長くすることで、伝送路特性の変動に対する追従が可能となり、復調性能の劣化を十分に抑制することができる。また、例えば放送信号のSN比が低い場合でも復調予備動作を行う区間を長くすることで、より多くのパイロット信号を用いて伝送路特性やノイズの推定精度を向上させることができ、復調性能の劣化を十分に抑制することができる。
なお、復調停止モードとする区間も設けつつ復調予備モードとする区間を長くするようにしてもよいし、通常時には復調停止モードとする区間が全て復調予備モードとされるようにしてもよい。また、時間方向の伝送路特性の推定結果およびノイズ推定結果の少なくとも何れかに基づいて復調予備モードとする区間の長さを決定すればよく、必ずしもそれらの両方の情報を用いなくてもよい。
さらに、ここでは時間方向の伝送路特性の推定結果やノイズ推定の結果を復調モードの決定に用いる場合、シグナリング情報が取得された時点でフレーム全体の各区間の復調モードが決定される例について説明した。しかし、これに限らず、例えば復調停止モードや復調予備モードの区間の直前の通常復調モードの区間における時間方向の伝送路特性の推定結果やノイズ推定の結果に基づいて、その通常復調モードの区間に続く復調停止モードや復調予備モードの区間の長さが決定されてもよい。
ここで、時間方向の伝送路特性の推定結果やノイズ推定の結果を用いて復調モードを決定する場合における、放送信号のサブフレーム内の復調モード選択の具体例を示す。
例えば図12に示したPLP構成のサブフレームが受信されるとする。また、PLP A、PLP D、およびPLP Fが受信PLPとされ、通常時には復調予備モードとする区間の長さが4OFDMシンボル分の長さとされるものとする。
この場合、例えば受信制御部26は、通常時、つまり伝送路の状態がよく、かつノイズ状態としてのSN比が高いときには、図12を参照して説明したように各区間の復調モードを決定する。すなわち、区間T31が通常復調モードとされ、区間T32が復調停止モードとされ、区間T33が復調予備モードとされ、区間T34が通常復調モードとされる。
これに対して、受信制御部26は伝送路の状態がよくない場合、またはノイズ状態としてのSN比が低い場合には、例えば図16に示すように区間T33だけでなく区間T32も復調予備モードとする。なお、図16において、図12における場合と対応する部分には同一の文字を記してあり、その説明は省略する。
図16に示す例では、通常時には復調停止モードとされていた区間T32も復調予備モードとされている。つまり、通常復調モードとされる区間T31と、同じく通常復調モードとされる区間T34との間の区間である、区間T32および区間T33からなる区間が全て復調予備モードとされている。
このように、例えば伝送路状態が悪い場合や、SN比が低い場合には、復調予備モードとする区間の長さを通常よりも長くしたり、通常時には復調停止モードとされる区間を全て復調予備モードとしたりすることで、復調性能の劣化を抑制することができる。
〈第2の実施の形態〉
〈復調モードについて〉
なお、以上においては、復調モードとして通常復調モード、復調停止モード、および復調予備モードを用意し、復調時にはそれらの3つのモードの何れかとする例について説明した。そのような場合、復調停止モード時にもアナログ部22において放送信号の復調のための処理が行われていた。
〈復調モードについて〉
なお、以上においては、復調モードとして通常復調モード、復調停止モード、および復調予備モードを用意し、復調時にはそれらの3つのモードの何れかとする例について説明した。そのような場合、復調停止モード時にもアナログ部22において放送信号の復調のための処理が行われていた。
これに対して、復調を停止させる際に、適宜、アナログ部22での処理も停止させるようにしてもよい。そのような場合、例えば復調モードは通常復調モード、アナログ停止モード、アナログ再起動待ちモード、および復調予備モードのうちの何れかとされる。
ここでアナログ停止モードでは、例えば図17に示すようにアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24で復調停止処理により動作(復調動作)が停止される。なお、図17において図6における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図17では、斜線の施されたブロックが動作を停止させるブロックを表しており、この例ではアナログ部22、予備動作時有効復調部23、および通常動作時有効復調部24が動作を停止するブロックとなっている。
アナログ停止モードでは、例えばアナログ部22への電源供給およびクロック供給が停止され、これによりアナログ部22において、アナログ信号である放送信号に対して行われる各処理が停止される。
また、アナログ停止モードでは、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24で機能停止処理が行われる。その他、アナログ停止モードで予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24に対して、適宜、個別にクロック供給停止処理や、クロック周波数低減処理、電源供給停止処理、供給電源電圧低減処理が行われてもよい。また、受信制御部26に対してクロック周波数低減処理や、供給電源電圧低減処理が行われてもよい。
さらに、アナログ再起動待ちモードでは、例えば図8に示した復調停止モードと同様に、アナログ部22は通常通り動作し、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24で復調停止処理により動作(復調動作)が停止される。
したがって、この例では上述した復調停止モードが、さらにアナログ停止モードとアナログ再起動待ちモードに分けられて復調制御が行われることになる。
このように各区間において、通常復調モード、アナログ停止モード、アナログ再起動待ちモード、または復調予備モードにより定められた動作が行われる場合、例えば図18に示すように各区間の復調モードが決定される。なお、図18において図10における場合と対応する部分には同一の文字が記されており、その説明は適宜省略する。
図18に示す例において、サブフレーム#1およびサブフレーム#3に受信PLPが含まれており、サブフレーム#0およびサブフレーム#2には受信PLPが含まれていないものとする。また、復調予備動作を行う区間の長さを4OFDMシンボル分の長さの区間とするものとする。
そのような場合、受信制御部26は、ブートストラップ信号とプリアンブル信号からなる、フレーム先頭の区間T41では通常復調モードにより復調処理を実行させる。
受信制御部26は、区間T41に続く、受信PLPのないサブフレーム#0の一部分のOFDMシンボルからなる区間T42ではアナログ停止モードとし、その区間T42に続く、区間T43をアナログ再起動待ちモードとする。
すなわち、復調を停止させる区間のうち、アナログ部22の機能停止を解除した時点から、その復調を停止させる区間の終了までの所定時間長の区間T43が、アナログ部22を安定して動作させるための待機期間であるアナログ再起動待ちモードの区間とされる。
このアナログ再起動待ちモードとされる区間T43の長さは、例えばアナログ部22の機能を停止させた状態、つまり電源供給を遮断した状態から復帰(再起動)させたときに、再びアナログ部22が安定して動作できるようになるのに必要な長さの時間などとされる。このようなアナログ再起動待ちモードとされる区間の長さは、OFDMシンボル単位ではなく、例えば予め定められた固定長の時間とされる。
また、受信制御部26は区間T43に続く、受信PLPのあるサブフレーム#1の直前の4つのOFDMシンボルからなるサブフレーム#0内の区間T44では復調予備モードとし、その後の受信PLPのあるサブフレーム#1からなる区間T45では通常復調モードとする。
以降、同様にして受信制御部26は、受信PLPのないサブフレーム#2の一部のOFDMシンボルからなる区間T46でアナログ停止モードとし、その後の固定時間長の区間T47でアナログ再起動待ちモードとする。さらに、受信制御部26は、区間T47後の4つのOFDMシンボルからなる区間T48では復調予備モードとし、受信PLPのあるサブフレーム#3からなる区間T49では通常復調モードとする。
なお、例えば通常復調モードとする区間と、復調予備モードとする区間との間の区間が十分な長さの区間ではない場合には、その区間内にアナログ停止モードとする区間と、アナログ再起動待ちモードとする区間を設けるのではなく、その区間全体をアナログ再起動待ちモードの区間とするようにしてもよい。
〈復調制御処理の説明〉
次に、図19のフローチャートを参照して、各区間で通常復調モード、アナログ停止モード、アナログ再起動待ちモード、および復調予備モードのうちの何れかが復調モードとして選択される場合に受信機11により行われる復調制御処理について説明する。
次に、図19のフローチャートを参照して、各区間で通常復調モード、アナログ停止モード、アナログ再起動待ちモード、および復調予備モードのうちの何れかが復調モードとして選択される場合に受信機11により行われる復調制御処理について説明する。
なお、ここでは受信機11は、図5および図6に示した構成とされるものとする。また、この場合、復調制御処理は放送信号のフレームごとに行われ、図13を参照して説明した復調処理も行われる。
復調制御処理が開始されると、ステップS91乃至ステップS95の処理が行われるが、これらのステップS91乃至ステップS95の処理は、図14のステップS51乃至ステップS55の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、ステップS93では、例えば図18を参照して説明したように、フレーム内における各区間で、通常復調モード、アナログ停止モード、アナログ再起動待ちモード、および復調予備モードのうちのどのモードとするかが決定される。
また、ステップS94において通常復調モードとしないと判定された場合、ステップS96において、受信制御部26は、アナログ停止モードとするか否かを判定する。
ステップS96においてアナログ停止モードとすると判定された場合、ステップS97において、受信制御部26は、受信機11の各部を制御して復調を停止させ、その後、処理はステップS101へと進む。
例えば受信制御部26は、クロック制御部27および電源制御部29を制御して、アナログ部22へのクロック供給および電源供給を停止させることにより、アナログ部22の機能を停止させる。また、受信制御部26は、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24に機能停止処理を実行させ、復調を停止させる。
この場合、例えば放送信号のフレームのアナログ停止モードとされた区間では、図13を参照して説明した復調処理のステップS11乃至ステップS22の処理の実行が停止されることになる。
なお、このとき図14のステップS57における場合と同様に、予備動作時有効復調部23や通常動作時有効復調部24に対して個別にクロック供給の停止、供給クロック周波数の低減、電源供給の停止、供給電源の電圧低減などを行ってもよい。また、受信制御部26に対しても供給クロック周波数の低減や供給電源の電圧低減を行ってもよい。
一方、ステップS96においてアナログ停止モードとしないと判定された場合、ステップS98において、受信制御部26はアナログ再起動待ちモードとするか否かを判定する。
ステップS98においてアナログ再起動待ちモードとすると判定された場合、ステップS99において、受信制御部26はアナログ部22を通常動作させるとともに、予備動作時有効復調部23と通常動作時有効復調部24に機能停止処理を実行させ、復調を停止させたままの状態とする。ステップS99の処理が行われると、その後、処理はステップS101へと進む。
ステップS99では受信制御部26はクロック制御部27および電源制御部29を制御して、アナログ部22へのクロック供給および電源供給を再開させるとともに、予備動作時有効復調部23および通常動作時有効復調部24を制御して機能停止処理を実行させる。
この場合、例えば放送信号のフレームのアナログ再起動待ちモードとされた区間では、図13を参照して説明した復調処理のステップS11およびステップS12の処理が再開され、ステップS13乃至ステップS22の処理の実行が停止されたままとされる。
また、このとき受信制御部26は、図14のステップS57における場合と同様に、予備動作時有効復調部23や通常動作時有効復調部24に対して個別にクロック供給の停止、供給クロック周波数の低減、電源供給の停止、供給電源の電圧低減などを行ってもよい。また、受信制御部26に対しても供給クロック周波数の低減や供給電源の電圧低減を行ってもよい。
さらに、ステップS98においてアナログ再起動待ちモードとしないと判定された場合、すなわち復調予備モードとすると判定された場合、ステップS100において、受信制御部26は、アナログ部22乃至通常動作時有効復調部24を制御して復調予備動作をさせ、その後、処理はステップS101へと進む。なお、ステップS100の処理は、図14のステップS58の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS95、ステップS97、ステップS99、またはステップS100の処理が行われて各復調モードでの動作が行われると、ステップS101において受信制御部26は、放送信号の処理対象となっているフレームの全区間を処理したか否かを判定する。
ステップS101において、まだ全ての区間を処理していないと判定された場合、処理はステップS94に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
これに対してステップS101において、全ての区間を処理したと判定された場合、処理対象となっているフレームの復調が終了したので復調制御処理は終了する。この場合、次のフレームがある場合には、その次のフレームについて復調制御処理が開始される。
以上のようにして受信機11は、シグナリング情報に基づいて放送信号のフレームの各区間について復調モードを決定し、その決定に従って、適宜、復調を停止させたり、復調予備動作を行ったりする。これにより、受信機11の消費電力を低減させるとともに、復調性能の劣化を抑制することができる。
以上のように本技術によれば、放送信号を受信して復調する受信機において復調時の消費電力を低減させることができるとともに、復調性能の劣化を抑制することができる。
例えば従来通り復調処理を行う場合(以下、通常手法とも称する)と比較して、本技術による手法では、サブフレーム単位やOFDMシンボル単位で、クロックや電源の供給制御、復調制御を行うので、不要な信号が復調されることがなく、消費電力を削減することができる。
具体的には、例えばフレーム内の全OFDMシンボルのうち、70%のOFDMシンボルが受信PLPに含まれる場合に、本技術による手法によって適切に復調停止、クロック供給停止、および電源供給停止を行った場合、図20に示すように大幅に消費電力を低減させることができる。なお、図20において、縦軸は復調時の消費電力を示している。特に矢印Q11に示されるものは通常手法での消費電力を示しており、矢印Q12に示されるものは本技術による手法での消費電力を示している。
図20では、矢印Q12に示される消費電力のうち、斜線が施されていない部分がアナログ部22乃至通常動作時有効復調部24での消費電力を示しており、斜線部分が受信制御部26での消費電力を示している。
この例では、アナログ部22乃至通常動作時有効復調部24での消費電力に注目すると、本技術の手法では、通常手法における場合の70%程度まで消費電力を削減することができる。これに斜線部分により示される受信制御部26での消費電力の増加分を加算しても、本技術の手法によれば、全体として通常手法よりも大幅に消費電力を削減できることが分かる。
さらに、クロック供給制御と電源供給制御を行い、かつ復調予備動作を行わない場合と比較して、クロック供給制御と電源供給制御を行い、かつ復調予備動作を行う場合には、上述したチップ内温度変化を起因とするクロック誤差や、伝送路特性変動による復調性能劣化を抑制することができる。すなわち、クロック誤差の低減、および伝送路推定の追従により、復調停止からの復帰直後における復調性能を改善することができる。また、サブフレーム単位でのクロック供給制御および電源供給制御を行わない場合と比較しても、少ない復調性能劣化で抑えることができる。
例えばクロック供給源として、温度特性によって発生するクロック誤差量が小さいものの方が高価になることがある。しかし、本技術の手法によって低消費電力化と位相誤差補正を適切に行えば、安価なクロック供給源(発振器)を選択し、低コストと低消費電力とを両立した受信システムを構築することができる。また、本技術の手法によれば、急な伝送路特性変動があるような環境下でも低消費電力と高復調性能を両立した受信システムを構築することができる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどが含まれる。
図21は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)501,ROM(Read Only Me mory)502,RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、入力部506、出力部507、記録部508、通信部509、及びドライブ510が接続されている。
入力部506は、キーボード、マウス、マイクロホン、撮像素子などよりなる。出力部507は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部508は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部509は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体511を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体511に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
複数のデータが多重化された受信信号を復調する復調部と、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる受信制御部と
を備える信号処理装置。
(2)
前記受信信号における前記データの配置を特定するためのシグナリング情報を前記受信信号から抽出する抽出部をさらに備え、
前記受信制御部は、前記シグナリング情報に基づいて、前記復調を停止させる区間を決定する
(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記受信制御部は、前記復調部における少なくとも一部の処理を停止させることで、前記復調を停止させる
(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4)
前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給されるクロックについて、前記クロックの供給を停止させるか、または前記クロックの周波数を低減させることで、前記復調を停止させる
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(5)
前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給される電源について、前記電源の供給を停止させるか、または前記電源の電圧を低減させることで、前記復調を停止させる
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(6)
前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給されるクロックの周波数を低減させる
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(7)
前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給される電源の電圧を低減させる
(1)乃至(6)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(8)
前記受信制御部は、前記復調を行う区間直前にある、必要な前記データが含まれていない区間において、前記受信信号を復調する処理のうち、少なくとも前記受信信号の位相誤差を補正する処理、および前記受信信号の伝送路特性を推定する処理の何れか一方を復調予備動作として前記復調部に実行させる
(1)乃至(7)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(9)
前記受信制御部は、前記伝送路特性の推定結果および前記受信信号に含まれるノイズの推定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、前記復調予備動作をさせる区間の長さを決定する
(8)に記載の信号処理装置。
(10)
前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへのクロック供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給されるクロックの周波数を低減させる
(8)または(9)に記載の信号処理装置。
(11)
前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへの電源供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給される電源の電圧を低減させる
(8)乃至(10)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(12)
前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において、前記受信信号を復調する処理のうちのアナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させる
(1)乃至(11)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(13)
前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させた後、前記復調を停止させる区間の終了までの所定時間長の区間において、前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を実行させる
(12)に記載の信号処理装置。
(14)
複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む信号処理方法。
(15)
複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
複数のデータが多重化された受信信号を復調する復調部と、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる受信制御部と
を備える信号処理装置。
(2)
前記受信信号における前記データの配置を特定するためのシグナリング情報を前記受信信号から抽出する抽出部をさらに備え、
前記受信制御部は、前記シグナリング情報に基づいて、前記復調を停止させる区間を決定する
(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記受信制御部は、前記復調部における少なくとも一部の処理を停止させることで、前記復調を停止させる
(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4)
前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給されるクロックについて、前記クロックの供給を停止させるか、または前記クロックの周波数を低減させることで、前記復調を停止させる
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(5)
前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給される電源について、前記電源の供給を停止させるか、または前記電源の電圧を低減させることで、前記復調を停止させる
(1)乃至(4)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(6)
前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給されるクロックの周波数を低減させる
(1)乃至(5)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(7)
前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給される電源の電圧を低減させる
(1)乃至(6)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(8)
前記受信制御部は、前記復調を行う区間直前にある、必要な前記データが含まれていない区間において、前記受信信号を復調する処理のうち、少なくとも前記受信信号の位相誤差を補正する処理、および前記受信信号の伝送路特性を推定する処理の何れか一方を復調予備動作として前記復調部に実行させる
(1)乃至(7)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(9)
前記受信制御部は、前記伝送路特性の推定結果および前記受信信号に含まれるノイズの推定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、前記復調予備動作をさせる区間の長さを決定する
(8)に記載の信号処理装置。
(10)
前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへのクロック供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給されるクロックの周波数を低減させる
(8)または(9)に記載の信号処理装置。
(11)
前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへの電源供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給される電源の電圧を低減させる
(8)乃至(10)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(12)
前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において、前記受信信号を復調する処理のうちのアナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させる
(1)乃至(11)の何れか一項に記載の信号処理装置。
(13)
前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させた後、前記復調を停止させる区間の終了までの所定時間長の区間において、前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を実行させる
(12)に記載の信号処理装置。
(14)
複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む信号処理方法。
(15)
複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
11 受信機, 22 アナログ部, 23 予備動作時有効復調部, 24 通常動作時有効復調部, 26 受信制御部, 41 復調部, 42 抽出部, 74 位相誤差補正部, 76 時間方向伝送路推定部, 77 位相誤差検出部
Claims (15)
- 複数のデータが多重化された受信信号を復調する復調部と、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる受信制御部と
を備える信号処理装置。 - 前記受信信号における前記データの配置を特定するためのシグナリング情報を前記受信信号から抽出する抽出部をさらに備え、
前記受信制御部は、前記シグナリング情報に基づいて、前記復調を停止させる区間を決定する
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部における少なくとも一部の処理を停止させることで、前記復調を停止させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給されるクロックについて、前記クロックの供給を停止させるか、または前記クロックの周波数を低減させることで、前記復調を停止させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部の少なくとも一部に供給される電源について、前記電源の供給を停止させるか、または前記電源の電圧を低減させることで、前記復調を停止させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給されるクロックの周波数を低減させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調を停止させる区間において、自身に供給される電源の電圧を低減させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調を行う区間直前にある、必要な前記データが含まれていない区間において、前記受信信号を復調する処理のうち、少なくとも前記受信信号の位相誤差を補正する処理、および前記受信信号の伝送路特性を推定する処理の何れか一方を復調予備動作として前記復調部に実行させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記伝送路特性の推定結果および前記受信信号に含まれるノイズの推定結果の少なくとも何れか一方に基づいて、前記復調予備動作をさせる区間の長さを決定する
請求項8に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへのクロック供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給されるクロックの周波数を低減させる
請求項8に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部に前記復調予備動作を実行させる場合、前記復調部のうちの前記復調予備動作を実行するブロックの後段にある後段ブロックへの電源供給を停止させるか、または前記後段ブロックに供給される電源の電圧を低減させる
請求項8に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において、前記受信信号を復調する処理のうちのアナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させる
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記受信制御部は、前記復調部を制御して、前記復調を停止させる区間において前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を停止させた後、前記復調を停止させる区間の終了までの所定時間長の区間において、前記アナログ信号である前記受信信号に対して行われる処理を実行させる
請求項12に記載の信号処理装置。 - 複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む信号処理方法。 - 複数のデータが多重化された受信信号を復調し、
前記受信信号のフレームを構成するサブフレームまたはOFDMシンボルを単位として、前記受信信号における必要な前記データが含まれていない区間の前記復調部による復調を停止させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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