JP2011155493A - 放送受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】希望波を受信する受信アンテナの近傍で希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置が通信中であっても、希望波を安定して受信することができる放送受信装置を提供すること。
【解決手段】希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置から通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づいて通信装置が通信中か否かを判定し、通信中でない期間に希望波の通常受信処理を実行し、通信中である期間には、通信装置により通信されている信号波に起因したノイズの影響を低減して希望波を受信する例外受信処理を実行するように放送受信装置を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放送受信装置に関するものであり、特に、希望波を受信する受信アンテナの近傍で希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置が通信中であっても、希望波を安定して受信することができる放送受信装置に関する。
従来、所定の周波数帯域で所望の放送波(以下、「希望波」という)を受信する放送受信装置には、受信した希望波を増幅する増幅器と、増幅器の利得を自動制御するAGC(Automatic Gain Controller)とが設けられている。
かかる放送受信装置では、受信した希望波の信号レベルに応じてAGCが増幅器の利得を自動制御することで受信した希望波の信号レベルを一定に保っている。
ところで、かかる放送受信装置は、希望波の周波数帯域を受信した際に、希望波とは送信元の異なる信号波(以下、「妨害波」という)を受信することがある。このとき、放送受信装置では、受信した妨害波の信号レベルが希望波の信号レベルよりも高い場合、以下のような問題が生じることがある。
たとえば、放送受信装置では、受信した妨害波の信号レベルが希望波の信号レベルより高い場合であっても、希望波の信号レベルが所定レベルに達していなければ、AGCが増幅器の利得を上昇させる。
すると、増幅器は、希望波だけでなく妨害波の信号レベルまで増幅する。このため、放送受信装置では、増幅後の妨害波の信号レベルが増幅器の増幅可能範囲を超えてしまい、妨害波に歪みが生じることがある。
妨害波に歪が生じた場合、妨害波の周波数帯域が広がり、広がった周波数帯域が歪み成分となって希望波の周波数帯域に出現することがある。そして、妨害波の歪み成分が希望波の周波数帯域に出現すると、放送受信装置は、希望波と妨害波との混信により希望波を安定して受信することができなくなるという問題が生じる。
このため、妨害波の信号レベルに応じて増幅器の利得を制御する放送受信装置もある。たとえば、特許文献1に記載の放送受信装置は、放送波を受信すると、受信した放送波から妨害波を分離する。そして、放送受信装置は、分離した妨害波の信号レベルを検出し、検出した信号レベルが高い程、増幅器の利得を低下させる制御を行う。
すなわち、特許文献1に記載の放送受信装置は、希望波の周波数帯域で希望波とともに妨害波を受信した場合、増幅後の妨害波の信号レベルが増幅器の増幅可能範囲を超えないように利得を制御する。
これにより、特許文献1に記載の放送受信装置は、増幅器による増幅後の妨害波が歪むことを抑制し、妨害波の歪み成分が希望波の周波数帯域に出現することを抑制することができるので、希望波を安定して受信することができる。
特開平10−136227号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の放送受信装置は、希望波とともに受信した妨害波の信号レベルが比較的低い場合には有効であるが、受信した妨害波の信号レベルが非常に高い場合には、希望波を安定して受信することができないという問題があった。
たとえば、希望波を受信する受信アンテナの近傍で希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置が通信中の場合、放送受信装置は、希望波とともに通信装置が通信中の信号波を非常に信号レベルの高い妨害波として受信することがある。
具体的には、近年の車載装置には、デジタルテレビ(以下、「DTV」という)放送の希望波を受信する放送受信装置とITS(Intelligent Transportation Systems)へITS用の信号波を送信する通信装置とが一体化したものがある。
このように、放送受信装置と他の通信装置とが一体化した車載装置の場合、DTV用の受信アンテナとITS用の送信アンテナとが近接して設置される。また、車載装置では、受信アンテナの受信性能および送信アンテナの送信性能を確保しつつ目立たなくするという観点から受信アンテナおよび送信アンテナの設置位置は自ずと制限される。
このため、車載装置では、DTV用の放送受信装置とITS用の通信装置とを別体に設けた場合であっても、DTV用の受信アンテナとITS用の送信アンテナとは必然的に近接して設置される。さらに、DTVの放送局のなかには、ITSで使用されている周波数と非常に近い周波数(隣接チャンネル)を用いて放送波を送信しているものがある。
このため、放送受信装置は、希望波の受信中に通信装置が隣接チャンネルで信号波を送信した場合、非常に高い信号レベルで信号波を妨害波として受信する。すると、特許文献1に記載の放送受信装置では、AGCが妨害波の信号レベルに応じて増幅器の利得を大幅に低下させる。
このように、AGCが増幅器の利得を大幅に低下させた場合、妨害波だけでなく希望波の信号レベルまで大幅に低下する。このため、放送受信装置は、希望波を安定して受信することができなくなる。
一方、AGCが増幅器の利得を低下させなかった場合、増幅後の妨害波の信号レベルが増幅器の増幅可能範囲を超えて妨害波に歪みが生じる。そして、妨害波の歪み成分が希望波の周波数帯域に出現した場合、放送受信装置は、希望波を安定して受信することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、希望波を受信する受信アンテナの近傍で希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置が通信中であっても、希望波を安定して受信することができる放送受信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、所定の周波数帯域で希望波を含む信号波を受信する受信アンテナの近傍に、前記所定周波数帯域と近接する周波数の信号波によって通信を行う通信装置の通信アンテナが設置された放送受信装置であって、前記所定周波数帯域で信号波を受信する受信手段と、前記通信装置から該通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づいて該通信装置が通信中か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって通信中でないと判定されている期間に、前記希望波の通常受信処理を実行し、通信中であると判定されている期間には、前記通信装置により通信されている信号波に起因したノイズの影響を低減して前記希望波を受信する例外受信処理を実行する通信制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る放送受信装置は、希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置から通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づいて通信装置が通信中か否かを判定し、通信中でない期間に希望波の通常受信処理を実行し、通信中である期間には、通信装置により通信されている信号波に起因したノイズの影響を低減して希望波を受信する例外受信処理を実行するため、たとえば、希望波を受信する受信アンテナの近傍で希望波の周波数と近接した周波数の信号波によって通信する通信装置が通信中であっても、希望波を安定して受信することができるという効果を奏する。
図1は、従来の放送受信装置による放送波の受信手法の概要を示す図である。 図2は、本発明に係る放送受信装置による放送波の受信手法の概要を示す図である。 図3は、本実施例に係る放送受信装置を備えた車載装置を示すブロック図である。 図4は、本実施例に係る誤り訂正部による尤度の判定手順および尤度の変更手順の一例を示す図である。 図5は、変形例その1に係る放送受信装置を備えた車載装置を示すブロック図である。 図6は、変形例その1に係る放送受信装置による通常受信処理および例外受信処理を示す図である。 図7は、変形例その2に係る放送受信装置を備えた車載装置を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る放送受信装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る放送受信装置の実施例を説明する前に、まず、デジタルテレビ(以下、「DTV」という)放送の一般的な送受信手法を簡単に説明した後、従来の放送受信装置による放送波の受信手法について説明する。
その後、本発明に係る放送受信装置による放送波の受信手法について説明してから本発明に係る放送受信装置の好適な実施例を詳細に説明する。
近年のDTV放送の放送波は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)方式に準拠している。OFDM方式は、互いに直交する複数のキャリア(周波数)を用い、複数のデータを並列的に送信することで通信効率を向上させた信号変調方式である。
OFDM方式を用いて放送波を送信する放送局は、OFDM方式で変調された各データを同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける中心点にマッピングする。
そして、放送局は、マッピングした各データをIFFT(逆高速フーリエ変換:Inverse Fast Fourier Transform)する。そして、放送局は、IFFTしたデータをD/A(デジタル/アナログ)変換し、それぞれ直交する複数のキャリアに分散させて重畳させたOFDM信号を放送波として送信する。
放送受信装置は、所定周波数帯域で放送波を受信し、受信した放送波をA/D(アナログ/デジタル)変換した後、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)することで各キャリアに重畳された各データを取得する。その後、放送受信装置は、取得した各データを同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける受信点にマッピングする。
このとき、受信した放送波が伝送経路でノイズなどの影響を受けていない場合、各データの受信点は、放送局でマッピングした際の中心点と一致する位置にマッピングされる。一方、受信した放送波が伝送経路でノイズなどの影響を受けていた場合、各データの受信点は、中心点からずれた位置にマッピングされる。
受信点が中心点からずれた位置にマッピングされたデータは、伝送経路で受けた影響により誤り(ビットエラー)が発生していることがある。このため、放送受信装置は、マッピングした各データの受信点と中心点との距離に基づき、各データの確からしさ(以下、「尤度」という)を判定する。
また、放送受信装置は、受信した各データの順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。そして、放送受信装置は、インターリーブによって順番が入れ替えられたデータ列に対し、判定した尤度を用いてビタビ復号などの誤り訂正処理を行う。
続いて、放送受信装置は、誤り訂正後のデータ列を映像や音声として再生可能なデータ形式へ復号し、復号後のデータ列をディスプレイやスピーカへ出力することによりデータを再生する。
次に、図1を用いて従来の放送受信装置による放送波の受信手法について説明する。図1は、従来の放送受信装置による放送波の受信手法の概要を示す図である。従来の放送受信装置は、所定の周波数帯域で受信した信号波を増幅する増幅器と、増幅器の利得を自動制御するAGC(Automatic Gain Controller)とを備えている。
そして、従来の放送受信装置は、所定の周波数帯域で信号波を受信した際に、所望の放送波(以下、「希望波」という)とともに希望波とは送信元の異なる妨害波を受信した場合、AGCが妨害波の信号レベルに応じて増幅器の利得を制御する。
具体的には、AGCは、妨害波の信号レベルが高い程、増幅器の利得を低下させる制御を行う。これにより、従来の放送受信装置は、増幅器による増幅後の妨害波が歪むことを抑制することができる。このため、従来の放送受信装置は、妨害波の歪みにより生じる周波数成分が希望波の周波数帯域に出現することを抑制することができるので、希望波を安定して受信することができる。
しかしながら、従来の放送受信装置は、妨害波の送信元が希望波を受信するアンテナの近傍に存在し、希望波および妨害波の周波数が近接していた場合、希望波を安定して受信することができないという問題があった。
たとえば、DTV放送の希望波を受信する放送受信装置とITS(Intelligent Transportation Systems)へITS用の信号波を送信する通信装置とを備えた車載装置では、DTV放送用の受信アンテナとITS用の送信アンテナとが近接して配置される。
また、DTVの放送局のなかには、図1(A)に示すように、ITSで使用されている周波数n+mと非常に近い周波数nを用いてDTV放送の放送波を送信しているものがある。
そして、放送受信装置は、周波数nを含む所定の周波数帯域で希望波を受信中に通信装置が周波数n+mでITS用の信号波を送信した場合、DTV放送用の受信アンテナとITS用の送信アンテナとが近接しているため、非常に高い信号レベルでITS用の信号波を受信する。以下、ITS用の信号波を妨害波という。
このとき、従来の放送受信装置は、図1(B)に示すように、AGCによって増幅器の利得を大幅に低下させる制御を行うことで、妨害波の信号レベルをAGCの基準レベルまで大幅に低下させ、妨害波に歪みが生じることを抑制する。
しかしながら、AGCによって増幅器の利得を大幅に低下させる制御を行った場合、従来の放送受信装置は、同図に示すように、妨害波だけでなく希望波(DTVの放送波)の信号レベルまで大幅に低下させてしまう。そして、希望波の信号レベルが大幅に低下すると、従来の放送受信装置は、希望波を安定して受信することができないという問題が生じる。
一方、AGCにより増幅器の利得を低下させなかった場合、増幅器は、妨害波の信号レベルをさらに増幅するため、図1(C)に示すように、妨害波の信号レベルが増幅器の増幅可能範囲を超えてしまい、増幅後の妨害波に歪みを生じさせてしまう。
そして、妨害波に歪みが生じた場合、図1(D)に示すように、妨害波の歪みにより生じた周波数成分Hが希望波の周波数帯域に出現する。このため、従来の放送受信装置は、希望波および妨害波の歪みによる周波数成分Hの混信によって希望波を正常に受信できなくなるという問題が生じる。
このように、従来の放送受信装置は、妨害波の送信元が希望波を受信する受信アンテナの近傍に存在し、さらに、妨害波および希望波の周波数が互いに近接していた場合、希望波を安定して受信することができないという問題があった。
そこで、本発明に係る放送受信装置は、妨害波となる信号波を送信する通信装置から通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づいて通信装置が通信中か否かを判定する。そして、放送受信装置は、通信装置が通信中でないと判定されている期間に、希望波の通常受信処理を実行する。
一方、本発明に係る放送受信装置は、通信装置が通信中であると判定されている期間には、通信装置により通信されている信号波(妨害波)に起因したノイズの影響を低減して希望波を受信する例外受信処理を実行する。ここで、図2を用いて本発明に係る放送受信装置による放送波の受信手法について説明する。図2は、本発明に係る放送受信装置による放送波の受信手法の概要を示す図である。
ここでは、ITS用の信号波を送信する通信装置とともに車載装置へ搭載される放送受信装置を例に挙げて説明する。以下では、本発明に係る放送受信装置で選局されているDTV放送の放送波を希望波、ITS用の信号波を妨害波として説明する。
なお、妨害波を送信する通信装置は、ITS用の通信装置に限定するものではなく、携帯電話の通信網など任意の通信網を利用して各種情報の送信を行う他の通信装置であってもよい。
本発明に係る放送受信装置は、ITS用の通信装置と接続しており、通信装置から通信装置の動作状態を示す情報の入力を受付ける。そして、本発明に係る放送受信装置は、通信装置から入力される情報に基づき、通信装置が妨害波を送信中か否かを判定する。
そして、本発明に係る放送受信装置は、妨害波の送信期間以外の期間に、希望波の通常受信処理を実行する。具体的には、本発明に係る放送受信装置は、OFDM方式で変調された希望波を所定の周波数帯域で受信すると、受信した希望波をA/D変換する。
その後、本発明に係る放送受信装置は、A/D変換された希望波をFFTすることでキャリアに重畳されている各データを取得する。その後、本発明に係る放送受信装置は、取得した各データを同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける受信点にマッピングする。
続いて、本発明に係る放送受信装置は、マッピングした各データの受信点と中心点との距離に基づき、各データの確からしさを示す尤度を算出する。たとえば、本発明に係る放送受信装置は、各データについてビタビ軟判定を行うことで、図2(A)に示すように、各データの尤度を(0)〜(7)の8段階で判定する。
同図に示すように、尤度(7)は、データの信頼性が高いことの確からしさが最も高いことを示しており、尤度(0)は、データの信頼性が低いことの確からしさが最も高いことを示している。
ここで、本発明に係る放送受信装置が、たとえば、図2(B)に示すように、受信したデータD1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8の尤度をそれぞれ(0)、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)と判定したとする。
すると、本発明に係る放送受信装置は、受信した各データの順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。そして、本発明に係る放送受信装置は、インターリーブによって順番が入れ替えられた各データに対し、対応する尤度の数値に応じた重み付けを行い、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号を行う。
続いて、本発明に係る放送受信装置は、誤り訂正後のデータ列を映像や音声として再生可能なデータ形式へ復号し、復号後のデータ列をディスプレイやスピーカへ出力することによりデータを再生する。
一方、本発明に係る放送受信装置は、通信装置が妨害波を送信している場合、妨害波の影響で各データの尤度を正常に判定できなくなる恐れがある。たとえば、本発明に係る放送受信装置は、所定の周波数帯域で希望波とともに妨害波を受信した場合、実際には信頼度が高くないデータの尤度を誤って(7)と判定したり、実際には信頼度が低くないデータの尤度を誤って(0)と判定したりすることがある。
このため、本発明に係る放送受信装置は、通信装置から取得した通信装置の動作状態に基づき、通信装置が妨害波を送信中であると判定されている期間に、通常受信処理とは異なる例外受信処理を実行する。
具体的には、本発明に係る放送受信装置は、通信装置による妨害波の送信期間に、判定した各データの尤度を通常受信処理時よりも低下させる例外受信処理を行う。たとえば、本発明に係る放送受信装置が、妨害波の送信期間に受信したデータD1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8の尤度をそれぞれ(0)、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)と判定したとする。
この場合、本発明に係る放送受信装置は、例外受信処理として、図2(C)に示すように、データD1の尤度(0)を(2)とし、データD2の尤度(1)を(2)とし、データD3の尤度(2)を(3)とする。
また、本発明に係る放送受信装置は、同様にデータD8、D7、D6の尤度をそれぞれ(5)、(5)、(4)とする。なお、本発明に係る放送受信装置は、元々尤度の低いデータD4、D5については尤度の変更を行わない。
そして、本発明に係る放送受信装置は、各データD1〜8の順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。これにより、各データD1〜D8は、ビタビ復号が行われるデータ列のなかに均等に分散して配置される。
そして、本発明に係る放送受信装置は、インターリーブによって順番が入れ替えられた各データに対し、対応する各尤度の数値に応じた重み付けを行い、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号を行う。
すなわち、本発明に係る放送受信装置は、妨害波の送信期間に受信したデータの尤度を低下させ、妨害波の影響を受けていないデータ列の中に分散させて配置した上で、各データに対応する尤度の数値(データの信頼度)に応じた重み付けを行ってビタビ復号を行う。
このように、例外受信処理では、妨害波の送信期間に受信したデータD1〜D8の尤度を低下させるため、データD1〜D8のなかに極端に信頼度の高いデータや極端に信頼度の低いデータが存在しなくなる。したがって、妨害波の送信期間に受信したデータD1〜D8がビタビ復号時に誤って優先的に使用されることも、ビタビ復号時に使用されるデータから誤って除外されることもない。
このため、本発明に係る放送受信装置は、妨害波の影響を受けていない実際に信頼性の高いデータを優先的に使用し、実際に信頼性の低いデータを除外してビタビ復号を行うことができるのでビタビ復号による誤り訂正の精度を低下させることがない。
これにより、本発明に係る放送受信装置は、妨害波の送信期間中であっても妨害波に起因したノイズを低減することができるので、希望波を安定して受信することができる。
このように、本発明に係る放送受信装置は、通信装置から通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づき、通信装置が妨害波を送信中か否かを判定する。このため、本発明に係る放送受信装置によれば、特に妨害波の影響が懸念される期間、すなわち、通信装置が妨害波を送信している期間を確実に判定することができる。
そして、本発明に係る放送受信装置は、通信装置が妨害波を送信している期間に、妨害波に起因したノイズの影響を低減して希望波を受信する例外受信処理を実行する。
このため、本発明に係る放送受信装置によれば、通信装置が妨害波を送信している期間であっても妨害波に起因したノイズの影響を低減し、希望波を安定して受信することができる。
次に、図3および図4を用いて本発明に係る放送受信装置の好適な実施例を詳細に説明する。図3は、本実施例に係る放送受信装置2を備えた車載装置1を示すブロック図であり、図4は、本実施例に係る誤り訂正部による尤度の判定手順および尤度の変更手順の一例を示す図である。
以下に示す実施例では、ITS用の信号波を送信する通信装置3とともに車載装置1へ搭載される放送受信装置2を例に挙げて説明する。また、以下では、放送受信装置2で選局されているDTV放送の放送波を希望波、ITS用の信号波を妨害波として説明する。
なお、妨害波を送信する通信装置3は、ITS用の通信装置3に限定するものではなく、携帯電話の通信網など任意の通信網を利用して各種情報の送信を行う他の通信装置であってもよい。
また、本実施例では、複数のブランチ(受信系)を備え、各ブランチによって希望波をダイバーシティ受信する放送受信装置2を例に挙げて説明するが、本発明は、一つのブランチによって希望波を受信する放送受信装置に対して適用することもできる。
図3に示すように、車載装置1は、放送受信装置2と通信装置3とを備えている。放送受信装置2は、4本のアンテナ21−1、21−2、21−3、21−4によってDTV放送の希望波をダイバーシティ受信する装置である。また、通信装置3は、アンテナ31を介して妨害波(ITS用の各種信号波)を送受信する装置である。
放送受信装置2は、受信アンテナ21−1、21−2、21−3、21−4にそれぞれ対応した4系統のブランチ22−1、22−2、22−3、22−4と、最大比合成部23と、誤り訂正部24と、復号部25と、制御部26とを備えている。なお、復号部25は、DTV放送の映像を出力するディスプレイ4および音声を出力するスピーカ5に接続されている。
また、各ブランチ(22−1〜22−4)は、チューナ部22aと、A(Analog)D(Digital)変換部22bと、FFT(Fast Fourier Transform)部22cとをさらに備えている。なお、以下では、アンテナ21−1に対応するブランチ22−1について説明するが、他のブランチ(22−2〜22−4)についても同様である。
チューナ部22aは、アンテナ21−1から所定の周波数帯域で希望波を含む信号波を受信し、受信した信号波を検波・増幅する処理部である。そして、チューナ部22aは、検波・増幅後の信号波をAD変換部22bへ出力する。また、AD変換部22bは、チューナ部22aからのアナログ信号をデジタル信号へ変換してFFT部22cへ出力する。
FFT部22cは、各キャリアの搬送波に重畳されたデータをFFT(高速フーリエ変換)によって取得する。FFT部22cは、取得した各データを同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける受信点にマッピングする。
そして、FFT部22cは、取得した各データの同相成分軸(In-Phase)について中心点から受信点までの距離を示す「ΔI」および直交成分軸(Quadrature)について中心点から受信点までの距離を示す「ΔQ」の組を、キャリア数(コンスタレーション数)分出力する。
最大比合成部23は、各ブランチ(22−1〜22−4)からそれぞれ入力されたΔIおよびΔQを最大比合成する処理部である。そして、最大比合成部23は、各データに関する最大比合成後のΔIおよびΔQを誤り訂正部24へ出力する。
誤り訂正部24は、最大比合成部23から入力された各データのΔIおよびΔQによって決定される各データの受信点と各データが放送局でマッピングされた際の中心点との距離に基づき、各データの尤度をビタビ軟判定によって判定する。
すなわち、誤り訂正部24は、各データを同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける中心点と受信点との距離に基づいて各データの尤度を判定する。
また、誤り訂正部24は、受信した各データの順番を放送局でマッピングされる前の所定の順番へ並べ替えるインターリーブを行う。そして、誤り訂正部24は、インターリーブによって順番が入れ替えられたデータ列に対し、判定した尤度の数値に基づく重み付けを行い、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号による誤り訂正処理を行う。
特に、誤り訂正部24は、制御部26による制御に従い、通信装置3が妨害波を送信していない期間に行う通常受信処理時と、通信装置3が妨害波を送信している期間に行う例外受信処理時とで、各データに対する重み付けの高さを変更する。
ここで、図4を用いて誤り訂正部24による尤度の判定手順および尤度の変更手順の一例について説明する。図4(A)に示すように、誤り訂正部24は、あるデータD1の受信点が中心点(Ia、Qa)と一致していた場合、データD1の尤度を(7)と判定する。
また、誤り訂正部24は、あるデータD2の受信点と中心点との距離が所定距離以上であった場合に、データD2の尤度を(0)と判定する。ここでは、一例として、誤り訂正部24は、あるデータD2の受信点が図4(A)に示す円Cの外側位置に存在していた場合、データD2の尤度を(0)と判定している。
また、誤り訂正部24は、あるデータD3の受信点が円Cの内側に存在していた場合、中心点から受信点までの距離に応じてデータD3の尤度を(1)〜(6)の間で判定する。図4(A)に示す例では、誤り訂正部24は、データD3の尤度を(4)と判定している。
なお、同図に示す尤度の数値は、図2を用いて説明したとおり、尤度の高さを示すものではなく、各データの信頼度の高さを示すものである。すなわち、尤度は、(0)、(7)が最も高く、(3)、(4)が最も低い。また、尤度(7)のデータが最も信頼度の高いデータであり、尤度(0)のデータが最も信頼度の低いデータである。
そして、誤り訂正部24は、通常受信処理中である場合、制御部26の制御に従って各データD1、D2、D3に対し、判定した尤度の数値に応じた重み付けを行う。すなわち、誤り訂正部24は、尤度(7)のデータに対して最も高い重み付けを行い、尤度(0)に対して最も低い重み付けを行う。
続いて、誤り訂正部24は、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号による誤り訂正処理を行う。その後、誤り訂正部24は、誤り訂正処理後のデータからなるデータ列を復号部25へ出力する。
一方、誤り訂正部24が、例外受信処理中である場合に、データD1、D2、D3の尤度をそれぞれ(7)、(0)、(4)と判定したとする。この場合、妨害波の影響によってデータD1、D2の尤度が高く判定された可能性がある。
すなわち、誤り訂正部24は、妨害波の影響により、実際には信頼度の高くないデータD1を明らかに信頼度が高いデータであると誤判定し、実際には信頼度が低くないデータD2を明らかに信頼度が低いデータであると誤判定した可能性がある。
このため、誤り訂正部24は、例外受信処理中である場合、制御部26の制御に従って、図4(B)に示すように、判定により得た尤度を通常受信処理時よりも低くなるように変更する。具体的には、誤り訂正部24は、尤度が高いデータD1、D2の各尤度(7)、(0)をそれぞれ(5)、(2)という元々の尤度よりも低い尤度へ変更する。
このとき、誤り訂正部24は、データD3に関して判定した尤度が(4)という元々低い尤度であるため、図4(B)に示すように、データD3については尤度の変更は行わない。
そして、誤り訂正部24は、各データD1、D2に対し、変更後の尤度の数値に応じた重み付けを行い、データD3については、判定した尤度の数値に応じた重み付けを行う。続いて、誤り訂正部24は、重み付けの高いデータを優先的に使用してビタビ復号による誤り訂正処理を行う。その後、誤り訂正処理後のデータからなるデータ列を復号部25へ出力する。
図3の説明に戻り、復号部25は、誤り訂正部24から入力されるデータ列を映像や音声として再生可能なデータ形式、たとえばMPEG形式へ復号し、復号後のデータ列をディスプレイ4やスピーカ5へ出力することによりデータを再生する。
また、制御部26は、放送受信装置2全体の動作を統括制御する処理部であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する情報処理装置により構成している。
そして、制御部26は、CPUがROMから各種プログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより機能する尤度変更部26aと送信期間判定部26bとを備えている。
送信期間判定部26bは、通信装置3と接続されており、通信装置3から通信装置3の動作状態を示す情報の入力を受付ける。そして、送信期間判定部26bは、通信装置3から入力される情報に基づき、通信装置3が妨害波を送信中か否かを判定する。
そして、送信期間判定部26bは、判定結果として妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報または妨害波の送信期間であることを示す情報を尤度変更部26aへ出力する。
尤度変更部26aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報が入力された場合に、誤り訂正部24へ通常受信処理を実行させる命令を出力する。
そして、誤り訂正部24は、送信期間判定部26bから入力される命令に従い、希望波の各データに関する尤度を判定し、各データに対して判定した尤度の数値に応じた重み付けを行ってビタビ復号による誤り訂正を実行する。
また、尤度変更部26aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間であることを示す情報が入力された場合に、誤り訂正部24へ例外受信処理を実行させる命令を出力する。
そして、誤り訂正部24は、送信期間判定部26bから入力される命令に従い、希望波の各データに関する尤度を判定し、判定した尤度が所定の尤度よりも高い場合、判定した尤度を通常受信処理時よりも低くなるように変更する。
その後、誤り訂正部24は、各データに対し、変更後の尤度もしくは変更の必要がなかった尤度の数値に応じた重み付けを行ってビタビ復号による誤り訂正を実行する。
このように、本実施例に係る放送受信装置2では、制御部26が通信装置3から入力される情報に基づき、通信装置3が妨害波を送信中か否かを判定する。そして、制御部26は、妨害波の送信期間以外の期間に、誤り訂正部24へ通常受信処理を実行させ、妨害波の送信期間には、誤り訂正部24へ例外受信処理を実行させる。
そして、誤り訂正部24は、例外受信処理中、すなわち、妨害波の送信期間に受信した希望波の各データをインターリーブすることで妨害波の影響を受けている可能性の高い各データをビタビ復号の対象となるデータ列の中に分散配置する。
さらに誤り訂正部24は、例外受信処理中に判定したデータの尤度が所定の尤度よりも高い場合、判定した尤度を通常受信処理時よりも低くなるように変更し、各データに対して尤度の数値に応じた重み付けを行ってビタビ復号による誤り訂正を実行する。
このとき、妨害波の送信期間に受信したデータの尤度は誤り訂正部24によって通常受信処理時よりも低くなるように変更されているため、妨害波の送信期間に受信したデータのなかに極端に信頼度の高いデータや極端に信頼度の低いデータが存在しなくなる。
したがって、本実施例に係る放送受信装置2では、妨害波の送信期間に受信したデータがビタビ復号時に誤って優先的に使用されることも、ビタビ復号時に使用されるデータから誤って除外されることもない。
つまり、本実施例に係る放送受信装置2は、妨害波の影響を受けていない実際に信頼性の高いデータを優先的に使用し、実際に信頼性の低いデータを除外してビタビ復号を行う。
これにより、本実施例に係る放送受信装置2は、ビタビ復号による誤り訂正の精度が低下することを抑制できるので、妨害波の送信期間中であっても妨害波に起因したノイズを低減して希望波を安定して受信することができる。
また、本実施例では、妨害波の送信期間に受信した希望波のデータに関する尤度を通常受信処理時よりも低下させることで妨害波に起因したノイズを低減する例外受信処理を例に挙げて説明したが、尤度を低下させる処理以外の例外受信処理を行ってもよい。
ここで、図5〜7を用いて他の例外受信処理を実行する放送受信装置の変形例その1、変形例その2について説明する。図5は、変形例その1に係る放送受信装置2aを備えた車載装置1aを示すブロック図であり、図6は、変形例その1に係る放送受信装置2aによる通常受信処理および例外受信処理を示す図であり、図7は、変形例その2に係る放送受信装置2bを備えた車載装置1bを示すブロック図である。
図5に示すように、変形例その1に係る車載装置1aは、変形例その1に係る放送受信装置2aと通信装置3とを備えている。図6では、図3に示す車載装置1と同様の構成要素について同一の符号付している。
同図に示すように、放送受信装置2aは、制御部27の構成が図3に示す放送受信装置2の制御部26と異なり、他の構成は図3に示す放送受信装置2と同様の構成である。このため、ここでは、制御部27の構成および動作についてのみ説明する。なお、同図に示すAGC22dは、受信した希望波を含む信号波を増幅する際の利得を自動制御するオートゲインコントローラである。
同図に示すように、制御部27は、利得変更部27aと送信期間判定部26bとを備えている。送信期間判定部26bは、図3に示すものと同様に、通信装置3から入力される情報に基づき、通信装置3が妨害波を送信中か否かを判定する。
そして、送信期間判定部26bは、判定結果として妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報または妨害波の送信期間であることを示す情報を利得変更部27aへ出力する。
利得変更部27aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報が入力された場合に、各ブランチ21−1〜22−4のチューナ部22aが備えるAGC22dへ通常受信処理を実行させる命令を出力する。
一方、利得変更部27aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間であることを示す情報が入力された場合に、各ブランチ21−1〜22−4のチューナ部22aが備えるAGC22dへ例外受信処理を実行させる命令を出力する。
各AGC22dは、利得変更部27aから入力される命令に従い、通常受信処理または例外受信処理のいずれか一方を実行する。ここで、図6を用いて利得変更部27aの命令に応じてAGC22dが実行する通常受信処理および例外受信処理について説明する。
ここでは、AGC22dが利得の基準レベルをL1からL2まで低下させる場合について説明する。AGC22dは、通常受信処理を実行する場合、図6(A)に示すように、デフォルト時間である時間T1をかけて利得の基準レベルをL1からL2まで低下させる。
一方、AGC22dは、例外受信処理を実行する場合、図6(B)に示すように、デフォルト時間T1よりも長い時間T2をかけて利得の基準レベルをL1からL2まで低下させる。
すなわち、AGC22dは、例外受信処理を実行する場合、通常受信処理時よりも時定数を長く設定することで入力信号の変化に対する基準レベル変更の応答速度を通常受信処理時よりも低下させる。
このように、放送受信装置1aは、通信装置3による妨害波の送信期間中に、AGC22dの応答速度を通常受信処理時よりも低下させる例外受信処理を実行する。
これにより、放送受信装置1aでは、通信装置3によって妨害波の送信が開始され、チューナ部22aによって受信された妨害波の信号レベルが非常に高い場合であっても、AGC22dが利得の基準レベルを急激に低下させることがない。
このため、放送受信装置1aは、通信装置3が妨害波を送信する期間が比較的短い場合、希望波の信号レベルを必要以上に低下させることがないので、通信装置3による妨害波の通信期間であっても希望波を安定して受信することができる。
なお、本変形例その1では、通信装置3による妨害波の送信期間中に、AGC22dの応答速度を通常受信処理時よりも低下させる例外受信処理を実行しているが、必要であればAGC22dの応答速度を通常受信処理時よりも高めてもよい。
すなわち、本変形例その1に係る車載装置1aは、妨害波の送信期間中に、AGC22dの応答速度を通常受信処理時よりも高めることで希望波の受信特性が向上するような状況が発生した場合には、妨害波が送信されている間、AGC22dの応答速度を通常受信処理時よりも高める例外受信処理を実行することもできる。
次に、図7を用いて変形例その2に係る放送受信装置2bについて説明する。図7に示すように、車載装置1bは、変形例その2に係る放送受信装置2bと通信装置3とを備えている。図7では、図3に示す車載装置1と同様の構成要素について同一の符号付している。
同図に示すように、放送受信装置2bは、制御部28および各ブランチ29−1〜29−4の構成が図3に示す放送受信装置2とは異なり、他の構成は図3に示す放送受信装置2と同様の構成である。なお、各ブランチ29−1〜29−4は同一の構成である。このため、ここでは、制御部28およびブランチ29−1の構成と動作についてのみ説明する。
同図に示すように、ブランチ29−1は、チューナ部22a、AD変換部22b、切替部22e、妨害波除去フィルタ22f、FFT部22cを備えている。チューナ部22a、AD変換部22b、FFT部22cは、図3に記載したものと同一のものである。
切替部22eは、制御部28からの命令に従い、AD変換部22bから入力されるデータ、すなわち、チューナ部22aによって受信された信号波の流路を切換え、FFT部22cまたは妨害波除去フィルタ22fのいずれか一方へ出力する処理部である。
また、妨害波除去フィルタ22fは、AD変換部22bから入力されるデータから通信装置3が送信する妨害波の成分を除去するフィルタである。そして、妨害波除去フィルタ22fは、妨害波の成分を除去したデータをFFT部22cへ出力する。
かかる妨害波除去フィルタ22fを設計する場合には、まず、外部からの電波の進入を遮断した空間内で通信装置3から送信された妨害波のみをチューナ部22aによって受信させる。
そして、通信装置3が送信した妨害波とチューナ22aによって受信した妨害波とに基づき、通信装置3のアンテナ31とブランチ29−1のアンテナ21−1との間における妨害波の伝達関数を算出する。こうして算出した伝達関数の逆関数がフィルタの伝達関数となるように妨害波除去フィルタ22fを設計する。
ここで、妨害波の伝達関数は、妨害波を送信するアンテナ31と妨害波を受信するアンテナ21−1との位置関係によって変化する。このため、妨害波除去フィルタ22fの伝達関数の設計は、ブランチ29−1〜29−4毎にそれぞれ個別に行う。
また、制御部28は、切替制御部28aと送信期間判定部26bとを備えている。送信期間判定部26bは、図3に示すものと同様に、通信装置3から入力される情報に基づき、通信装置3が妨害波を送信中か否かを判定する。
そして、送信期間判定部26bは、判定結果として妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報または妨害波の送信期間であることを示す情報を切替制御部28aへ出力する。
切替制御部28aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間以外の期間であることを示す情報が入力された場合に、各ブランチ29−1〜29−4の切替部22eへ通常受信処理を実行させる命令を出力する。
一方、切替制御部28aは、送信期間判定部26bから妨害波の送信期間であることを示す情報が入力された場合に、各ブランチ29−1〜29−4のチューナ部22aが備える切替部22eへ例外受信処理を実行させる命令を出力する。
各切替部22eは、切替制御部28aから通常受信処理の命令が入力された場合に、AD変換部22bから入力されるデータをFFT部22cへ出力する。また、各切替部22eは、切替制御部28aから例外受信処理の命令が入力された場合に、AD変換部22bから入力されるデータを妨害波除去フィルタ22fへ出力する。
このように、放送受信装置2bは、通信装置3による妨害波の送信期間に、AD変換部22eから出力されるデータから妨害波除去フィルタ22fによって妨害波の成分を除去する例外受信処理を実行する。このため、放送受信装置2bによれば、通信装置3による妨害波の通信期間であっても希望波を安定して受信することができる。
なお、本実施例では、放送受信装置2、2a、2bは、通信装置3が妨害波を送信している期間に例外受信処理を実行しているが、通信装置3が妨害波を受信しているときにも例外受信処理を実行してもよい。
たとえば、放送受信装置2、2a、2bは、通信装置3が所定周期で妨害波(ITS用の信号波)の送受信を繰り返す場合、通信装置3による妨害波の送信周期に基づき、妨害波の受信タイミングを予測する。
そして、放送受信装置2、2a、2bは、予測した妨害波の受信タイミングで所定期間、例外受信処理を実行する。これにより、放送受信装置2、2a、2bは、通信装置3が妨害波を受信している期間であっても希望波を安定して受信することができる。
また、上述した変形例その1に係る放送受信装置2aでは、通信装置3による妨害波の送信期間に、全てのブランチ22−1〜22−4に例外受信処理を実行させているが、一部のブランチにだけ例外受信処理を実行させてもよい。
たとえば、放送受信装置2aは、妨害波の送信期間中、通信装置3のアンテナ31に最も近いアンテナ21−4に対応するブランチ22−4のみに例外受信処理を実行させてもよい。
これにより、複数のブランチ22−1〜22−4のうち一つのブランチ21−4のみを変更するだけで、妨害波の送信中に安定して希望波を受信可能な放送受信装置2aを実現することができる。
また、放送受信装置2aは、通信装置3のアンテナ31からの距離が近いアンテナ21−1〜21−4に対応するブランチ22−1〜22−4ほど、例外受信処理時におけるAGC22dの応答速度を段階的に低くなるように設定してもよい。これにより、放送受信装置2aは、妨害波の影響の大きさを考慮した適切な例外受信処理を実行することができる。
また、変形例その2に係る放送受信装置2bに関しても、妨害波の送信期間中、通信装置3のアンテナ31に最も近いアンテナ21−4に対応するブランチ29−4のみに例外受信処理を実行させてもよい。
また、放送受信装置2、2a、2bへ携帯電話などの他の通信装置を接続がされた場合、放送受信装置2、2a、2bは、他の通信装置で使用される周波数に応じて例外受信処理の要否を判定してもよい。
たとえば、携帯電話の表示映像を放送受信装置2、2a、2bに接続されたディスプレイ4で表示させる場合、携帯電話と放送受信装置2、2a、2bとを接続することがある。このとき、放送受信装置2、2a、2bへ接続される携帯電話で使用される周波数は、携帯電話の機種によって異なる。
そして、放送受信装置2、2a、2bが携帯電話から妨害波を受信した場合に、妨害波の歪み成分が出現する周波数帯域は、希望波の周波数と携帯電話の周波数との和または差の組合せによって決定される。
このため、放送受信装置2、2a、2bは、携帯電話が接続された場合、希望波の周波数と携帯電話の周波数とに基づき、携帯電話から受信する妨害波の歪み成分が希望波の周波数帯域に出現すると判定した場合に限り、携帯電話の通信中に例外受信処理を実行する。これにより、放送受信装置2、2a、2bは、不必要な例外受信処理を実行しなくて済むため、処理負荷を低減することができる。
また、DTV放送用のアンテナ21−4とITS用のアンテナ31との位置関係により、妨害波の影響が大きなブランチが特定可能な場合、放送受信装置2、2a、2bは、例外受信処理として妨害波の影響が大きなブランチから最大比合成部23への出力を遮断してもよい。これによっても、妨害波の影響を低減することができる。
また、本実施例では、各放送受信装置2、2a、2bは、それぞれ種類の異なる例外受信処理を実行しているが、全ての種類の例外受信処理または種類の異なる例外受信処理を1つの放送受信装置2、2a、2bに実行させてもよい。
1、1a、1b 車載装置
2、2a、2b 放送受信装置
21−1〜22−4 アンテナ
22−1〜22−4 ブランチ
22a チューナ部
22b AD変換部
22c FFT部
22d AGC
22e 切替部
22f 妨害波除去フィルタ
23 最大比合成部
24 誤り訂正部
25 復号部
26、27、28 制御部
26a 尤度変更部
26b 送信期間判定部
27a 利得変更部
28a 切替制御部
3 通信装置
31 アンテナ
4 ディスプレイ
5 スピーカ

Claims (4)

  1. 所定の周波数帯域で希望波を含む信号波を受信する受信アンテナの近傍に、前記所定周波数帯域と近接する周波数の信号波によって通信を行う通信装置の通信アンテナが設置された放送受信装置であって、
    前記所定周波数帯域で信号波を受信する受信手段と、
    前記通信装置から該通信装置の動作状態を取得し、取得した動作状態に基づいて該通信装置が通信中か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって通信中でないと判定されている期間に、前記希望波の通常受信処理を実行し、通信中であると判定されている期間には、前記通信装置により通信されている信号波に起因したノイズの影響を低減して前記希望波を受信する例外受信処理を実行する通信制御手段と
    を備えたことを特徴とする放送受信装置。
  2. 前記希望波は、
    直交周波数分割多重方式によって変調された直交周波数分割多重信号であり、
    前記直交周波数分割多重信号を同相成分軸および直交成分軸であらわしたコンスタレーションにおける中心点と受信点との距離に基づき、前記受信点に対応するデータの尤度を判定する尤度判定手段と、
    前記尤度判定手段によって判定された尤度を用いて前記直交周波数分割多重信号の誤り訂正を行う誤り訂正手段と
    をさらに備え、
    前記通信制御手段は、
    前記例外受信処理として、前記尤度判定手段によって判定された尤度を前記誤り訂正手段によって前記通常受信処理時の尤度よりも低下させ、当該尤度を用いて前記誤り訂正手段に誤り訂正を行わせることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
  3. 前記受信手段によって受信された信号波を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段による増幅前の前記信号波の信号レベルに応じて前記増幅手段の利得を調整する利得調整手段と
    をさらに備え、
    前記通信制御手段は、
    前記例外受信処理として、前記利得調整手段の応答速度を前記通常受信処理時の応答速度と異ならせることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信装置。
  4. 前記通信アンテナから送信された信号波を前記受信手段が前記受信アンテナによって受信した場合の当該信号波に関する伝達関数の逆関数をフィルタ伝達関数とするフィルタ手段
    をさらに備え、
    前記通信制御手段は、
    前記例外受信処理として、前記受信手段によって受信された前記希望波を含む信号波を前記フィルタ手段へ入力させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放送受信装置。
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