JP2017084546A - 燃料電池車両の排気ダクト構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ダクト内のアクセス性、ひいては保守性が高く、かつ水素を漏洩させることが少ない燃料電池車両の排気ダクト構造を提案する。
【解決手段】燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、車体5と、車体5に搭載され、水素ガスと空気中の酸素とを反応させて発電する空冷式の燃料電池2と、燃料電池2の排気を車外へ排気する略矩形断面の排気風路82を有する排気ダクト52と、を備えている。排気ダクト52は、燃料電池2に気密に接続される環状の接続部81、および排気風路82の一部を区画する第一区画壁83を一体に有する第一ダクト部材85と、排気風路82を区画する側壁のうち互いに対向する一対の側壁85a、85cに配置される分割面86で接続部81および第一区画壁83に連結されて排気風路82の他部を区画する第二ダクト部材87と、を備えている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料電池車両の排気ダクト構造に関する。
燃料電池が発電する電力でモータを駆動し、走行する燃料電池車両が知られている。従来の燃料電池車両の排気ダクト構造は、燃料電池に空気を導入するファンを有するファンボックスの後側に接続される排気ダクトを備えている。この排気ダクトは、燃料電池を冷却した空気を導入する第一排気ダクトと、第一排気ダクトの後側に車体のフレームを避けて接続され、第1排気ダクトの空気を車体の後端部から排出する第二排気ダクトと、に分割されている。
排気ダクトは、発電にともなう燃料電池の湿潤な排気を車外へ排気する他に、燃料電池の安定的な発電を維持するためにアノード極から定期的に排気される水素を希釈して車外へ排気する。
特開2010−247574号公報
従来の燃料電池車両の排気ダクト構造は、車体の形状や車体フレームの形状の都合上、第一排気ダクトと第二排気ダクトとを分割可能にすることで車体フレームへの組み付け性を向上させている。
ところで、万一、排気ダクト内に異物等が入り込んだ場合、排気ダクト内の排気の流れが阻害され、燃料電池の湿潤な排気や、水素ガスパージに起因する水素が排気ダクト内に滞留してしまう可能性がある。
異物を除去するなどの保守が容易になるよう排気ダクトをさらに分割することが考えられるところ、排気ダクトは、部材の継ぎ目(分割面)から水素が漏洩することを避けることが重要であり、特に燃料電池と排気ダクトとの連結部分ではその重要性が増す。
そこで、本発明は、排気ダクト内のアクセス性、ひいては保守性が高く、かつ水素を漏洩させることが少ない燃料電池車両の排気ダクト構造を提案する。
前記の課題を解決するため本発明に係る燃料電池車両の排気ダクト構造は、車体と、前記車体に搭載され、水素ガスと空気中の酸素とを反応させて発電する空冷式の燃料電池と、前記燃料電池の排気を車外へ排気する略矩形断面の排気風路を有する排気ダクトと、を備え、前記排気ダクトは、前記燃料電池に気密に接続される環状の接続部、および前記排気風路の一部を区画する第一区画壁を一体に有する第一ダクト部材と、前記排気風路を区画する側壁のうち互いに対向する一対の側壁に配置される分割面で前記接続部および前記第一区画壁に連結されて前記排気風路の他部を区画する第二ダクト部材と、を備えている。
本発明によれば、排気ダクト内のアクセス性、ひいては保守性が高く、かつ水素を漏洩させることが少ない燃料電池車両の排気ダクト構造を提供できる。
本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の左側面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等を外した状態を示す左側面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等を外した状態を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る排気ダクト構造の縦断面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトの正面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトの左側面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトの背面図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め前上方から見た斜視図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め前下方から見た斜視図。 本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め後ろから見た斜視図。
以下、本発明に係る燃料電池車両の排気ダクト構造の実施の形態について、図1から図10を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される燃料電池車両としての燃料電池二輪車の左側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される燃料電池車両としての燃料電池二輪車の外装等(カバーやシート)を外した状態を示す左側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る排気ダクト構造が適用される燃料電池車両としての燃料電池二輪車の外装等(カバーやシート)を外した状態を示す斜視図である。
なお、本実施形態における前後上下左右の表現は、燃料電池二輪車1の搭乗者を基準にする。図1から図3中の実線矢印Fは燃料電池二輪車1の前方を表し、実線矢印Rは燃料電池二輪車1の後方を表している。
図1から図3に示すように、本実施形態に係る電動車両としての燃料電池二輪車1は、燃料電池2で発電し、この電力でモータ3を駆動させて走行する。また、燃料電池二輪車1は、スクータ型の自動二輪車である。
燃料電池二輪車1は、前後に延びる車体5と、操舵輪としての前輪6と、前輪6を操舵自在に支えるステアリング機構7と、駆動輪としての後輪8と、後輪8を上下方向へ揺動自在に支えるスイングアーム9と、後輪8の駆動力を発生させるモータ3と、を備えている。
車体5は、車両の前後に延びるフレーム11と、フレーム11を覆う外装12と、フレーム11後半部の上方に配置されるシート13と、を備えている。
また、車体5は、燃料電池2と、燃料電池2で発電に使用される燃料としての水素の高圧ガスを貯蔵する燃料タンク15と、燃料電池2の電力を補助する二次電池16と、燃料電池2の出力電圧の調整と燃料電池2および二次電池16の電力の分配を制御する電力管理装置17と、電力管理装置17が出力する直流電力を三相交流電力に変換してモータ3へ出力し、モータ3を運転するインバータ18と、これらを統括的に管理する車両コントローラ19と、を備えている。
燃料電池二輪車1のパワートレインは、燃料電池2および二次電池16を有し、車両の走行状態、燃料電池2の発電状態、二次電池16の蓄電状態によって各電池の電力を適宜に使うシステムである。また、燃料電池二輪車1は、減速する際にモータ3で回生電力を発生させる。車両の電源である二次電池16および燃料電池2は、インバータ18に並列に接続されてモータ3へ電力を供給する。二次電池16は、燃料電池二輪車1が減速する際にモータ3で発生する回生電力および燃料電池2が発電する電力を蓄える。
フレーム11は、複数の鋼鉄製中空管を一体に組み合わせたものである。フレーム11は、前端上部に配置されるヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の中央部から後ろ下がりに傾斜して延びる上部ダウンフレーム22と、ヘッドパイプ21の下方に配置され、後ろ下がりに傾斜して延びる下部ダウンフレーム23と、左右一対の下部フレーム24と、左右一対の上部フレーム25と、ピボット軸26と、上ブリッジフレーム27と、下ブリッジフレーム28と、ガードフレーム29と、搭載機器保護フレーム30と、を備えている。
ヘッドパイプ21は、ステアリング機構7を操舵自在、つまり車両の左右方向へ揺動自在に支持している。
左右一対の下部フレーム24は、下部ダウンフレーム23の左右に配置され、ヘッドパイプ21の下部に接続されている。また、左右一対の下部フレーム24は、ヘッドパイプ21との接続部分から下部ダウンフレーム23に沿って略平行に、かつ後ろ下がりに傾斜して延びる前側傾斜部分と、傾斜部分の下端で後方に向かって湾曲する前側の湾曲部分と、前側の湾曲部分の後端から略水平に車体5の後方へ向かって車体5の中央部分(車両の前後方向で中央部分)に達するまで直線状に延びる直線部分と、を有している。さらに、左右一対の下部フレーム24は、直線部分の後端部から後上方に向けて湾曲する後ろ側の湾曲部分と、この後ろ側の湾曲部分の上端部から後ろ上がりに傾斜して延びる後側傾斜部分を経て上部フレーム25に接続される上下フレーム接合部と、を有している。なお、左右の下部フレーム24の間隔は、上部フレーム25の間隔よりも広い。
また、左右それぞれの下部フレーム24は、前側の湾曲部分の外側に搭乗者が足を置くフットボード31を下方から支持するフットレストブラケット31aを備えている。
車体5の左側に配置される下部フレーム24は、サイドスタンドブラケット(図示省略)を備えている。サイドスタンドブラケット(図示省略)には、燃料電池二輪車1を左側へ傾けた状態で自立させるサイドスタンド(図示省略)が設けられている。サイドスタンドは、燃料電池二輪車1を自立させる起立位置と、走行の妨げとならないよう車体5に添う収納位置との間を揺動する。
左右一対の上部フレーム25は、車体5の前半部において下部フレーム24の前側の傾斜部分の上下方向の中央部に接続されている。左右一対の上部フレーム25は、下部フレーム24の前側の傾斜部分との接続部分から車体5の後方に向かって略水平に延びる水平部分と、左右一対の上部フレーム25の水平部分の後端であって、車体5の後半部、かつ後輪8の上方部分において後ろ上がりに大きく傾斜し、車体5の左右方向内側へ湾曲して後輪8の太さ(幅寸法)程度に接近する後端部と、を有している。
ピボット軸26は、車体5の後半部において左右の上部フレーム25間に架設されている。また、ピボット軸26は、上部フレーム25の下側、かつ上部フレーム25と下部フレーム24との合流部分(上下フレーム接合部)よりも後方であって、上部フレーム25の水平部分と下部フレーム24の後側傾斜部分とに接続されるブラケット26aに配置されている。
上ブリッジフレーム27は、左右の上部フレーム25の前端部に架設されている。上ブリッジフレーム27は、左右の上部フレーム25の間を実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて、左右の上部フレーム25を連結している。
下ブリッジフレーム28は、左右の下部フレーム24の前側の屈曲部分に架設されている。下ブリッジフレーム28は、左右の下部フレーム24の間を実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて、左右の下部フレーム24を連結している。
ガードフレーム29は、左右の下部フレーム24の後側の湾曲部分に架設されている。ガードフレーム29は、左右の下部フレーム24との接続部分から後下方に延びるとともに、フレーム11の内部空間を拡大するように後ろ下がりのU字形状に延びている。ガードフレーム29には、燃料電池二輪車1を直立状態で自立させるセンタースタンド33が設けられている。センタースタンド33は、燃料電池二輪車1を自立させる起立位置と、走行の妨げとならないよう車体5に添う収納位置との間を揺動する。
上部ダウンフレーム22は、ヘッドパイプ21と上ブリッジフレーム27との間に架設されている。
下部ダウンフレーム23は、左右の下部フレーム24の上部の間で実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて架設されるヘッドパイプ近傍ブリッジフレーム34の車両の左右方向中央部に接続される上端部と、下ブリッジフレーム28の車両の左右方向中央部に接続される下端部とを有している。
搭載機器保護フレーム30は、上部フレーム25の後半部の上部に設けられている。搭載機器保護フレーム30は、燃料電池2を燃料電池二輪車1の車体に支持している。また、搭載機器保護フレーム30は、その一部を上部フレーム25に着脱できる。
シート13は、フレーム11の後半部上方を覆って前後に延びている。シート13はタンデム式であり、搭乗者を着座させる前半部13aと、同乗者を着座させる後半部13bとを一体的に備えている。また、シート13は、前半部13aと後半部13bとの間に傾斜部13cを備えている。
ここで、左右の上部フレーム25および左右の下部フレーム24で囲まれる空間をセンタートンネル領域35と呼び、上部フレーム25の後半部、外装12およびシート13で囲まれる空間を機器搭載領域36と呼び、センタートンネル領域35の後方かつ機器搭載領域36の下方の空間をタイヤハウス領域37と呼ぶ。
センタートンネル領域35は、燃料タンク15を収容している。本実施形態に係るスクータ型の燃料電池二輪車1では、センタートンネル領域35は、搭乗者が足を乗せる左右のフットボード31の間で、車両の前後方向に沿って配置され、フットボード31の足載せ領域を左右に分断するようにフットボード31から上方に隆起している。換言すると、センタートンネル領域35の左右には、足載せ領域となるフットボード31が配置され、左右のフットボード31の間に燃料タンク15が配置されている。
機器搭載領域36は、車体5の前側から順に二次電池16、電力管理装置17、燃料電池2を収容している。機器搭載領域36は、搭載機器保護フレーム30によって前端部、中央部、後端部、および中央部から後端部に渡る側部を保護されている。
搭載機器保護フレーム30は、機器搭載領域36を囲んで機器搭載領域36に搭載される機器を保護している。搭載機器保護フレーム30は、機器搭載領域36の前端部に配置されて左右の上部フレーム25の間で上に凸のアーチ状に架設される前保護フレーム30aと、機器搭載領域36の中央部であって、上部フレーム25と下部フレーム24との合流箇所よりも後ろ側に配置されて左右の上部フレーム25の間で上に凸のアーチ状に架設される中央保護フレーム30bと、機器搭載領域36の後端部に配置されて左右それぞれの上部フレーム25が内側に湾曲する部分に接続され、この湾曲部分から後ろ斜め上方へ延びる左右一対の後保護フレーム30cと、中央保護フレーム30bの左右それぞれから後方へ延びて後保護フレーム30cの上端部に接続され、さらに車体5の後端部へ到達する左右一対の側部保護フレーム30dと、左右の側部保護フレーム30dの後端部に架設されるブラケット30eと、を備えている。左右の上部フレーム25は、前保護フレーム30aの下端が接合される箇所で屈曲して車両の後方に向かって間隔を拡げ、中央保護フレーム30bの下端が接合される箇所で屈曲して車両の後方に延びている。このため、中央保護フレーム30bは、前保護フレーム30aよりも幅が広く、高さも高い。後保護フレーム30cおよび左右一対の側部保護フレーム30dは一体化されている。また、後保護フレーム30cおよび左右一対の側部保護フレーム30dは、中央保護フレーム30bおよび上部フレーム25に着脱自在に連結されて燃料電池2を支持している。
タイヤハウス領域37には後輪8が配置されている。
機器搭載領域36とタイヤハウス領域37との間には、それぞれの領域を分断する隔壁部材としてのリアフェンダ38が設けられている。
外装12は、車体5の前半部を覆うフロントレッグシールドカバー41と、車体5の中央上部に配置されてセンタートンネル領域35などの上部フレーム25の上方を覆うフロントフレームカバー42と、車体5の後半部に配置されて機器搭載領域36などの車体5の側面のうちシート13の下方部分を覆うフレームカバー43と、を備えている。
フレームカバー43は、シート13とともに機器搭載領域36を囲んでいる。機器搭載領域36は、シート13、フレームカバー43およびリアフェンダ38に囲まれる閉鎖的な空間である。機器搭載領域36は、フレームカバー43、もしくはリアフェンダ38の適宜の箇所に設けられる通気孔(図示省略)によって、燃料電池2への空気の流れを容易、かつ確実に制御し、また冷却が必要な装置へ冷却風としての空気の流れを容易、かつ確実に制御している。なお、機器搭載領域36は、各カバーの継ぎ目などから空気が入り込むことを許容する。
ステアリング機構7は、車体5の前方に配置されて、フレーム11のヘッドパイプ21を中心に左右方向へ揺動し前輪6の操舵を可能にする。ステアリング機構7は、頂部に設けられるハンドル45と、ハンドル45と前輪6とを連結し、若干後傾して上下に延びる左右一対のフロントフォーク46と、を備えている。左右のフロントフォーク46は、弾性的に伸縮自在なテレスコピック構造を備えている。左右のフロントフォーク46の下端部には、前輪6を回転自在に支持する車軸(図示省略)が架設されている。前輪6の上方には、フロントフェンダ47が配置されている。フロントフェンダ47は、左右のフロントフォーク46の間にあって、フロントフォーク46に固定されている。
前輪6は、左右のフロントフォーク46の下端部に架設されている車軸の周りに回転自在な従動輪である。
スイングアーム9は、車体5の左右へ延びている回転中心としてのピボット軸26の周りに上下方向へ揺動する。スイングアーム9は、車体5の左右で前後方向に延びる一対のアーム部の間に後輪8を回転自在に支持している。フレーム11とスイングアーム9との間には、リアサスペンション48が架設されている。リアサスペンション48の上端部は、上部フレーム25の後端部に揺動自在に支持されている。リアサスペンション48の下端部は、スイングアーム9の後端部に揺動自在に取り付けられている。リアサスペンション48は、スイングアーム9の揺動を緩衝する。
またスイングアーム9は、後輪8を回転駆動させるモータ3と、燃料電池2から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3へ供給するインバータ18と、を収容している。
モータ3は、燃料電池2または二次電池16から供給される電力によって後輪8を回転駆動させる。モータ3は、スイングアーム9の後部に収容されて、後輪8の車軸と同軸に配置されている。モータ3はスイングアーム9に一体的に組み付けられてユニットスイング式スイングアームを構成している。
インバータ18は、スイングアーム9の前部に収容されて、ピボット軸26とモータ3との間に配置されている。
後輪8は、モータ3から駆動力が伝達される車軸(図示省略)によって支えられる駆動輪である。
燃料電池2は、燃料と酸化剤とを反応させて発電する。燃料電池2は、燃料として高圧ガス、例えば水素ガスを使用し、酸化剤として空気中の酸素を使用して発電し、空気を用いて冷却する空冷式燃料電池システムである。
燃料電池2は、機器搭載領域36の後半側に配置されている。さらに具体的には、燃料電池2は、シート13の前半部13aと後半部13bとの間の傾斜部から後半部13bの下方に渡って配置されている。つまり、車両の側面視で、燃料電池2は、同乗者を着座させるシート13の後半部13bと後輪8やスイングアーム9との間に配置されている。
燃料電池2は、車体5の前後方向に延びる長辺を有する直方体形状であって、吸気口2aが配置される正面を前斜め下方へ向け、排気口2bが配置される背面を後ろ斜め上方へ向ける姿勢で機器搭載領域36に配置されている。つまり、燃料電池2は、前方側が後方側よりも下方に位置する前傾姿勢でフレーム11に固定されている。詳細には、燃料電池2の上部は搭載機器保護フレーム30に固定され、燃料電池2の下部は上部フレーム25に固定されている。
燃料電池2は、正面側から背面側へ向かって連結される扁平な複数のモジュールを含んでいる。具体的には、燃料電池2は、正面側から順に積層状態に重ねられて連結されるフィルタ(図示省略)、吸気シャッタ(図示省略)、セルスタック(図示省略)、ファン(図示省略)、排気シャッタ(図示省略)を有している。燃料電池2の天面には、燃料電池用制御部(図示省略)が設けられている。
吸気シャッタは、開閉自在な空気の吸気口2aを有し、吸気口2aを開閉してセルスタックへの空気の導入量を制御することができるとともに、吸気口2aを閉じて燃料電池2内で空気を循環させる循環経路を形成することができる。排気シャッタは、開閉自在な空気の排気口2bを有し、排気口2bを閉じて燃料電池2内で空気を循環させる循環経路を形成することができる。換言すると、燃料電池2は、正面に開閉可能な吸気口2aを有し、背面に開閉可能な排気口2bを有し、吸気口2aと排気口2bを閉じることで燃料電池2内の空気を循環させることができる。
セルスタックは、吸気口から吸い込まれる空気に含まれる酸素と燃料タンク15から供給される水素とを電気化学反応させて発電し、発電後に湿潤な余剰ガスを生成する。
ファンは、機器搭載領域36内の空気を吸気口から燃料電池2内に吸い込むための吸込負圧を発生させる一方で、セルスタックから余剰ガスを吸い出して排気口から排気する。ファンが流動させる空気の流れは、セルスタックで発電に用いられる他に、燃料電池2の冷却に利用される。
燃料電池2の後方には、排気ダクト52が設けられている。燃料電池2のファンは、余剰ガスをセルスタックから吸い出して排気ダクト52へ排気する。排気ダクト52の前端部は、燃料電池2の箱体(詳細には、排気シャッタの枠体)に気密に接続されている。排気ダクト52は、車体5の後端で後下方と後上方に向かって開口される排気口52a(第一排気口73、第二排気口93)を有している。排気ダクト52は、燃料電池2のファンから吐出される排気(余剰ガス)を、排気口52aへ導いて車体5の後方へ排出する。
排気ダクト52の排気口52aは、燃料電池2の排気面(背面)よりも上方であって、望ましくは排気ダクト52の後方上端部に配置されている。詳細には、燃料電池2の排気口よりも高い位置に排気口52aの上縁部が配置されている。排気ダクト52は、燃料電池2の排気面(背面)よりも上方に配置される排気口52aを有することによって、未反応の水素ガスを含む湿潤な余剰ガスを排気口52aに導いて車体5から確実に排気することができる。
燃料タンク15は高圧圧縮水素貯蔵システムである。燃料タンク15は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の、あるいはアルミライナ製複合容器である圧力容器55と、燃料充填口56を有する燃料充填用継手57と、燃料充填元弁58と、遮断弁(図示省略)とレギュレータ(図示省略)とを一体的に有する燃料供給元弁59と、を備えている。
圧力容器55は、燃料電池2の燃料としての水素ガスを貯蔵するアルミライナ製複合容器である。燃料タンク15は、例えば約70MPaの水素ガスを貯蔵する。圧力容器55は、円筒形状の胴部と、胴部の前後の端面にドーム状の鏡板と、を有している。圧力容器55は、円筒胴の中心線を車体5の前後方向へ沿わせてセンタートンネル領域35内に配置されている。圧力容器55は、一対の上部フレーム25、一対の下部フレーム24、下ブリッジフレーム28、およびガードフレーム29に周囲を囲まれて、燃料電池二輪車1の転倒や衝突による負荷に対して堅牢に保護されている。
また、圧力容器55は、車体5の一方側の側部に配置される上部フレーム25、例えば車体5の右側に配置される上部フレーム25と、車体5の他方側の側部に配置される下部フレーム24、例えば車体5の左側に配置される下部フレーム24との間に架設されるクランプバンド61によってセンタートンネル領域35に支持されている。詳細には、圧力容器55は、右側の上部フレーム25と左側の下部フレーム24との間に架設される下クランプバンド(クランプバンド61の下半部)に載置され、上クランプバンド(クランプバンド61の上半部)で締め付け挟持されている。なお、クランプバンド61は、車体5の左側に配置される上部フレーム25と、車体5の右側に配置される下部フレーム24との間に架設されていても良い。
燃料充填用継手57は、センタートンネル領域35の外側、詳しくは後ろ上方であって、機器搭載領域36の前端部に配置されている。燃料充填用継手57は、二次電池16よりも上方、あるいは真上に配置されている。燃料充填用継手57は、搭載機器保護フレーム30の前保護フレーム30aの上部と中央保護フレーム30bの上部との間に架設される継手用ブラケット30fに固定されている。燃料充填用継手57は、燃料充填時に設備側の継手を車体の上方、かつ左側から差し込めるよう、車体5の上方、かつやや左側に向かって延びている。燃料充填用継手57は、シート13の前端部に設けられる燃料充填口用リッド62によって覆い隠されている。燃料充填口用リッド62は、ヒンジ機構(図示省略)を介してシート13に支持されており、揺動することで開閉できる。燃料充填用継手57は、燃料としての水素の高圧ガスを燃料タンク15に導き入れる入口としての燃料充填口56を有している。
燃料充填口56は、燃料充填用継手57の頂部に配置されている。また、燃料充填口56は、車体5の左上方を向いている。燃料タンク15に燃料を充填する際、燃料充填口用リッド62を開放した状態において、燃料充填口56の上方は、雰囲気に開放されている。したがって、高圧ガス(燃料、水素ガス)を燃料タンク15に充填する際、仮に高圧ガス(燃料、水素ガス)が漏洩しても、漏洩燃料は滞留することなく燃料電池二輪車1の上方へ拡散する。
燃料充填元弁58および燃料供給元弁59は、一体化されて圧力容器55の後方側の鏡板の頂部に設けられているタンクバルブ63に内蔵されている。燃料供給元弁59の遮断弁は、電磁弁を用いた開閉弁である。タンクバルブ63は、ガードフレーム29で囲まれた空間に配置されている。
二次電池16は、箱状のリチウムイオン電池である。二次電池16は、機器搭載領域36の前端部であって、圧力容器55の後半部、つまり円筒胴の後半部、および後方側の鏡板とシート13の前半部13aとの間に配置されている。
なお、燃料電池二輪車1は、二次電池16の他に、メータ類(図示省略)、ランプ類(図示省略)用の電源として、例えば12V系の電力を供給する第2二次電池(図示省略)を備えている。第2二次電池は、ヘッドパイプ21の周囲、例えば、ヘッドパイプ21の右側の側方に配置されている。
また、仮に燃料充填口56から燃料としての水素ガスが漏洩しても、空気より軽い水素ガスは上昇して、車内に滞留することなく車外に拡散する。また、仮に燃料充填元弁58または燃料供給元弁59から燃料としての水素ガスが漏洩しても、水素ガスはタイヤハウス領域37に向かって移動して、車内に滞留することなく車外に拡散する。
電力管理装置17は、機器搭載領域36内で二次電池16と燃料電池2との間に配置され、フレーム11に固定されている。なお、電力管理装置17は二次電池16と同じ防水ケース内に配置されていても良い。
燃料電池二輪車1は、二次電池16、電力管理装置17、および燃料電池2を上述のように配置することによって、電気的な接続関係が隣り合う装置を極力近接する位置に配置することが可能であり、装置間の配線長を短く、配線に係る重量を軽くすることができる。
車両コントローラ19は、燃料電池二輪車1内で比較的に高所となるヘッドパイプ21の周囲、例えば、12V系の電力を供給する第2二次電池の反対側にあたるヘッドパイプ21の左側の側方に配置されている。
次いで、燃料電池二輪車1の排気ダクト構造について詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る排気ダクト構造の縦断面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る排気ダクトの正面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る排気ダクトの左側面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る排気ダクトの背面図である。
図8は、本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め前上方から見た斜視図である。
図9は、本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め前下方から見た斜視図である。
図10は、本発明の実施形態に係る排気ダクトを左斜め後ろから見た斜視図である。
図4から図10に示すように、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、車体5と、車体5に搭載され、水素ガスと空気中の酸素とを反応させて発電する空冷式の燃料電池2と、燃料電池2の排気を車体5の後端部に導いて車外へ排気する排気ダクト52と、排気ダクト52内へ空気を導入して排気ダクト52内の水素を希釈する希釈ファン71と、を備えている。
また、排気ダクト構造69は、排気ダクト52の内部に設けられ、希釈ファン71に対向し、希釈ファン71が生じさせる流れを排気ダクト52内に分散させて水素の希釈を促進させる希釈促進壁72を備えている。
さらに、排気ダクト構造69は、車体5を覆って第一排気口73に嵌合される第一継手部75を有する外装12を備えている。
先ず、燃料電池2は、例えば固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell、PEFC)である。燃料電池2のセルスタックは、多数積層される単位セルを含んでいる。単位セルは、水素が供給されるアノード極、空気中の酸素が供給されるカソード極、およびアノード極とカソード極との間に挟み込まれ、拡散層/触媒層/水素イオンを選択的に透過する固体高分子電解質膜/触媒層/拡散層の積層体を含んでいる。燃料電池2は、燃料タンク15から供給される水素と吸気口2aから吸い込まれる空気に含まれる酸素との電気化学反応によって電力を発生するとともに、水を副成する電気化学システムである。
水素と反応した後の余剰空気、およびセルスタックを冷却した後の空気は、カソード極の排気として排気口2bから排出される。
他方、水素は、循環経路を含む水素供給配管(図示省略)を経由して、原則として燃料電池での消費量に応じてアノード極に供給される。ただし、燃料電池反応の継続にともない空気経路側(カソード極側)から不可避的にセルスタックを透過する窒素による水素濃度低下、ひいては水素濃度低下にともなう反応効率の低下を防止し、安定な発電をするため、および反応により生成する水分を排出するために、余剰水素排気管76、および排気弁77を経由し、アノード極から排気ダクト52へ定期的な水素ガスパージが行われる。つまり、燃料電池2は、未反応の余剰水素を排気ダクト52へ排気する余剰水素排気管76、および排気弁77を備えている。
排気ダクト52は、燃料電池2の発電にともなう湿潤な排気を車外へ排気し、また、燃料電池2の安定的な発電を維持するために行われる水素ガスパージにともなって排気ダクト52内へ排気される水素を希釈して車外へ排気する。排気ダクト52は、導電性を有する樹脂の成形品である。
排気ダクト52は、燃料電池2の排気口2bに連結され、車体5の後端部で外装12に連結されている。排気ダクト52は、燃料電池2に気密に接続される環状の接続部81、および排気風路82の一部を区画する第一区画壁83を一体に有する第一ダクト部材85と、排気風路82を区画する側壁85a、85b(底壁)、85cのうち互いに対向する一対の側壁85a、85cに配置される分割面86(分割箇所)で接続部81の後部および第一区画壁83(側壁85a、85c)に連結されて排気風路82の他部を区画する第二ダクト部材87と、第一ダクト部材85の下部に着脱自在な第三ダクト部材88と、を備えている。
つまり、排気ダクト52は、側壁85a、85cに配置される分割箇所で上下方向へ分割されている。
排気風路82は、燃料電池2との接続部81から車体5の後端部に延びる第一排気風路89と、第一排気風路89の途中から分岐して下方に延びる第二排気風路91と、を含んでいる。
第一排気風路89は、燃料電池2の排気口2bに繋がって車体5の後端部へ直線状、かつ後ろ上がりに延びている。第一排気風路89は、燃料電池2の排気口2bに繋がる上流側から下流側へ向かって上下左右に狭まる楔形状を有し、略矩形の流路断面を有している。また、第一排気風路89は、上流側から第二排気風路91の分岐部までの部分に比べて、第二排気風路91の分岐部から下流側の部分の方が流路断面積の減少が緩い。
第一排気風路89は、車体5の後方へ向かって開口する第一排気口73を有している。第一排気口73は、車体5の後方へ向かって開口する左右一対の排気口73a、73bである。一対の排気口73a、73bは、第一排気風路89が第二排気風路91との分岐部の下流側(車両の後方側)でV字状に分岐され、排気ダクト52内の排気を円滑に分流させる。
第一排気口73には、導電性の第一メッシュフィルタ92が設けられている。第一メッシュフィルタ92は、第一排気口73の排気の流れを円滑に保ちつつ、数ミリからセンチメートルオーダーの異物が排気ダクト52内に入り込むことを阻止している。
第二排気風路91は、斜め後ろ下方へ向かって垂れ下がり、リアフェンダ38の接線方向に沿っている。第二排気風路91は、第一排気風路89との分岐部分から下端へ向かって略一様な筒形状を有し、車体5の後方側で狭くなる台形状の流路断面を有している。第二排気風路91の幅寸法(車体5の左右方向における幅寸法)は、第一排気風路89との接続部分において第一排気風路89の横幅よりも狭く、第一排気風路89の底面から突出するように延びている。
第二排気風路91は、リアフェンダ38を避けるようにリアフェンダ38の後方で車体5の斜め後ろ下方へ向かって開口する第二排気口93を有している。第二排気口93は、車両の走行時にリアフェンダ38の後方に生じる負圧領域に開口しており、効果的に排気を流出させることができる。第二排気口93には、導電性の第二メッシュフィルタ95が設けられている。第二メッシュフィルタ95は、第二排気口93の排気の流れを円滑に保ちつつ、数ミリからセンチメートルオーダーの異物が排気ダクト52内に入り込むことを阻止している。
第一ダクト部材85および第二ダクト部材87は、協働して第一排気風路89を区画する一方で、第一ダクト部材85および第三ダクト部材88は、協働して第二排気風路91を区画している。換言すると、第一ダクト部材85は、第二排気風路91の一部と第二排気風路91の一部とを区画し、第二ダクト部材87は、第一排気風路89の他部を区画し、第三ダクト部材88は、第二排気風路91の他部を区画している。
第一ダクト部材85は、燃料電池2に接続される最上流部に切れ目のない環状の接続部81と、接続部81の下流側に連接し、第一排気風路89の下半部を区画し後端部へ達する第一区画壁83と、第二排気風路91の一部を区画する筒状の第二区画壁96と、を有している。接続部81は、燃料電池2の排気口2bに対応する矩形の筒体状であり、上下左右に略平坦な壁を有している。接続部81は、第一排気風路89の全長に比べて極めて短い。接続部81と燃料電池2との間には、接続部81と燃料電池2との隙間を気密に塞ぐシール材(図示省略)が挟み込まれている。
第一区画壁83は、接続部81の下半部後方に連接し、排気風路82を区画する側壁85a、85b、85cを有している。側壁85a、85b、85cは、上向きに開放するトレイ形状を有している。また、第一区画壁83は、後端部に第一排気口73(つまり、左右一対の排気口73a、73b)の下半部を区画している。
第一区画壁83の側壁85bは、第一排気風路89の底面を区画する底壁である。接続部81と側壁85bとの境界部分には、フレーム11との干渉を回避するために、排気ダクト52内へ突出する適宜の形状の凸部97(排気ダクト52の外側から見れば凹形状)が設けられている。凸部97の後方で側壁85bの中央部には、第二排気風路91に通じる開口が設けられている。側壁85bは、筒状の第二区画壁96に連接している。第二区画壁96は、側壁85bから下方へ突出して延びている。
第二ダクト部材87は、第一ダクト部材85の接続部81よりも後方に位置する部分に着脱自在に上方から組み合わされる蓋体である。第二ダクト部材87は、第一排気風路89のうち接続部81よりも下流側の天面を区画する一方で、第一区画壁83の側壁85a、85cと協働して第一排気風路89のうち接続部よりも下流側の左右の側面を区画している。また、第二ダクト部材87は、後端部が第一排気口73(つまり、左右一対の排気口73a、73b)の上半部を区画している。
第二ダクト部材87は、分割箇所86で第一ダクト部材85の縁部に覆い被さるように嵌合される第二継手部98を有している。第二ダクト部材87と第一ダクト部材85との間には、部材間の隙間を気密に塞ぐシール材(図示省略)が挟み込まれている。第二ダクト部材87は、第二継手部98に設けられる適宜の締結部101によって第一ダクト部材85に着脱自在に固定されている。第二継手部98の内面は、第二ダクト部材87と第一ダクト部材85とを実質的に面一に連結させる。
第三ダクト部材88は、第一ダクト部材85の第二区画壁96の下端部に連結されている。第三ダクト部材88は、第二排気風路91の一部を区画する壁、つまり第二区画壁96に嵌合する第三継手部102を有している。第三継手部102は凹形状を有し、第二区画壁96の下端部を挟み込む。このように、第三ダクト部材88は、第一ダクト部材85の第二区画壁96の下端部に連結されて、第二排気風路91を区画する筒状の第二区画壁96を後下方に延長している。
第三ダクト部材88と第二区画壁96との分割面103(分割箇所)は、第二排気風路91の正面側(車両の前方側)において第二排気風路91の第二排気口93側に寄り、第二排気風路91の背面側(車両の後方側)において第二排気風路91の上流側、つまり第一排気風路89と第二排気風路91との境界部に寄っている。また、第二排気風路91の背面側(車両の後方側)において、分割面103(分割箇所)の左右方向中央部は、その左右の部分よりも第二排気風路91の第二排気口93側に寄っており、車両の後方から見てM形状を描いている。詳細には、第二排気風路91の背面側(車両の後方側)の分割面103(分割箇所)は、車両の高さ方向で、後述する灯火装置109の前方に達している。さらに詳細には、M形状の分割面103の左右の高所は、車両の左右方向で灯火装置109のバルブ(図示省略)の配置場所に対応し、バルブの交換に支障が出ない高さに設定されている。
第三ダクト部材88は、第三継手部102を第二排気風路91の第二区画壁96に嵌合させ、フレーム11のダクト固定ブラケット105に結合部材106で着脱自在に固定されている。ダクト固定ブラケット105は、希釈ファン71およびリアフェンダ38の固定ブラケットを兼務し、上部フレーム25の後端部に架設されている。
希釈ファン71は、排気ダクト52の下部に設けられ、車体5の後方へ向けて送風するよう配置されている。希釈ファン71は、第二排気風路91の横幅(車体5の左右方向における幅)よりも小さく、車体5の幅方向において排気ダクト52の中央部に配置され、第二排気風路91を区画する側壁のうち、正面側(車両の前方側)の壁面に設けられている。正面側の壁面は、第一ダクト部材85の第二区画壁96の一部または第三ダクト部材88の一部であり、希釈ファン71から排気ダクト52内へ送風される空気を導く切り欠き部107を有している。
希釈ファン71は、第一排気風路89と第二排気風路91との分岐部分の後縁部へ向けられている。つまり、希釈ファン71は、リアフェンダ38と排気ダクト52の側壁85b(底壁)との間の空気を第二排気風路91内に送り込む。詳細には、希釈ファン71は、第二区画壁96または第三ダクト部材88の前方の空気を、第二排気風路91においてやや上流側に向く希釈促進壁72に向けて送り込む。
希釈促進壁72は、側壁85bと第二区画壁96との境界部分であって、第一排気風路89と第二排気風路91との分岐部分の後縁部に設けられている。希釈促進壁72は、第二排気風路91の第二区画壁96を上方に延ばすように第二区画壁96側から第一排気風路89内へ突出している。希釈促進壁72の上端部は、車体5の前方方向、つまり燃料電池2の排気口2bへ向かって湾曲している。
希釈促進壁72は、車体5の幅方向において、第一排気風路89および第二排気風路91の幅寸法よりも狭く、排気ダクト52の中央部に配置され、希釈ファン71に対向している。
希釈促進壁72の左右両側方は、燃料電池2の排気が第一排気風路89の下流側へ通過できるように、希釈促進壁72の左右縁部と側壁85a、85cの間には距離が確保されている。
外装12のうち、車体5の後端部を覆うフレームカバー43は、排気ダクト52の第一排気口73の開口縁に覆い被さるように嵌合される第一継手部75を備えている。第一継手部75は、第一ダクト部材85と第二ダクト部材87との第二継手部98と同様な構造を有している。フレームカバー43は、一対の排気口73a、73bの間の部分で締結部材108によって排気ダクト52に固定されている。第一継手部75の内面は、排気ダクト52とフレームカバー43とを実質的に面一に連結させる。
また、排気ダクト構造69は、第一排気風路89の下方、かつ第二排気風路91の後方に灯火装置109が近接配置されている。
灯火装置109は所謂テールランプであり、二股に分かれる第一排気風路89の下方で第二排気風路91の後方に配置され、第一排気風路89と第二排気風路91との間に挟まれている。排気ダクト構造69は、灯火装置109を第一排気風路89と第二排気風路91との間に挟むようにして極力近接配置され、車体5の前側へ配置することで車体5の全長を抑制する。
ところで、燃料電池2は、低温時に吸気シャッタおよび排気シャッタを閉じたままファンを運転することで燃料電池2の排気を循環させて暖気を行う。この暖機運転をリサーキュレーションと呼ぶ。リサーキュレーションの際、燃料電池2は、排気ダクト52へ排気を放出しない一方で、水素ガスパージを継続的に行う。つまり、リサーキュレーション時は、燃料電池2から排気ダクト52内へ排気を行わない一方で、排気よりも水素濃度が高い水素ガスパージが継続的に行われている。
そこで、排気ダクト52は、余剰水素排気管76から排気ダクト52内に余剰水素を導いて希釈ファン71の上方、かつ排気ダクト52内における排気の流れの上流側へ余剰水素を案内する余剰水素案内路112を有している。詳細には、排気ダクト52の上流部である接続部81の下部に余剰水素案内路112を有している。そして、リサーキュレーション時は、希釈ファン71を稼働させて余剰水素の希釈を確実に行う。
余剰水素案内路112は、排気ダクト52を貫通し、余剰水素排気管76に接続される複数の余剰水素導入孔113を通じて燃料電池2に接続されている。余剰水素導入孔113は、排気ダクト52の接続部81の底面の開口縁部に設けられている。余剰水素導入孔113は、接続部81の底面の左右それぞれに設けられている。
余剰水素案内路112は、排気ダクト52内に設けられ、複数の余剰水素導入孔113を通じて排気ダクト52内に導入される余剰水素を集め、車体5の幅方向において排気ダクト52の中央部に集めるトンネルカバー115を備えている。トンネルカバー115は一対あり、左右それぞれの余剰水素導入孔113に覆い被さり、接続部81の開口縁部に沿って水素を排気ダクト52の中央部(幅方向における中央部)に達している。トンネルカバー115は、余剰水素導入孔113から流れ込む余剰水素(水素ガスパージに起因する余剰水素)を排気ダクト52の中央部(幅方向における中央部)へ導き、排気ダクト52内へ放出する。
また、トンネルカバー115は、車体5の幅方向へ並ぶ複数の排気孔116を有している。排気孔116は、トンネルカバー115の開口端、つまり排気ダクト52の中央部のみならず、排気ダクト52の全幅を有効に活用して排気ダクト52内へ水素を拡散して放出させる。
このように構成される本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、排気風路82を区画する側壁85a、85b、85cのうち互いに対向する一対の側壁85a、85cに配置される分割面86で接続部81および第一区画壁83に連結されて排気風路82の他部を区画する第二ダクト部材87を備えるので、第二ダクト部材87を上方に取り外すことによって、排気ダクト52内に入り込んだ異物を容易に取り出すことができる。
また、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、燃料電池2に環状の接続部81で連結される排気ダクト52を備えることによって、蓋に相当する第二ダクト部材87を開閉する際に排気ダクト52と燃料電池2との連結を解除する必要がなく、当該箇所の連結の安定を保ちやすく、燃料電池2の排気や水素ガスパージによる水素の漏洩を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、第一ダクト部材85に着脱自在な第三ダクト部材88を備えるので、第三ダクト部材88を取り外すことで、灯火装置109の前方側(灯火装置109にとっては裏側)を現出させて、灯火装置109へのアクセス性を高め、ひいてはバルブ交換などの保守性を高めることができる。
さらにまた、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、第一ダクト部材85に着脱自在な第三ダクト部材88を備えるので、第三ダクト部材88を取り外すことで、排気ダクト構造69の全体を取り外すことなく水素の希釈のために車体5内で比較的に大きな空間を占有する排気ダクト52内の一部のスペースを灯火装置109の保守作業時の作業空間として活用することを可能にして保守性を高めることができる。
また、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、第三継手部102を第二排気風路91の第二区画壁96に嵌合させ、フレーム11に結合部材106で第三ダクト部材88を固定することによって、第三ダクト部材88の容易な着脱を可能にする。
さらに、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、車体5を覆って排気ダクト52の第一排気口73に嵌合される第一継手部75を有する外装12(フレームカバー43)を備えることによって、排気ダクト52と外装12との間から車体5の内部へ排気が漏れることを防ぎ、確実に車外へ排気できる。
さらにまた、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、車体5を覆って排気ダクト52の一対の排気口73a、73bに嵌合される第一継手部75を有する外装12(フレームカバー43)を備え、一対の排気口73a、73bの間の部分に外装12を固定することによって、排気ダクト52と外装との位置決めを確実にして外観の品質を向上させ、さらに外装12の支持剛性を高めることもできる。
したがって、本発明に係る燃料電池二輪車1の排気ダクト構造69は、排気ダクト52内のアクセス性、ひいては保守性が高く、かつ水素を漏洩させることを抑制することができる。
1…燃料電池二輪車、2…燃料電池、2a…吸気口、2b…排気口、3…モータ、5…車体、6…前輪、7…ステアリング機構、8…後輪、9…スイングアーム、11…フレーム、12…外装、13…シート、13a…前方部、13b…後方部、13c…傾斜部、15…燃料タンク、16…二次電池、17…電力管理装置、18…インバータ、19…車両コントローラ、21…ヘッドパイプ、22…上部ダウンフレーム、23…下部ダウンフレーム、24…下部フレーム、25…上部フレーム、26…ピボット軸、26a…ブラケット、27…上ブリッジフレーム、28…下ブリッジフレーム、29…ガードフレーム、30…搭載機器保護フレーム、30a…前保護フレーム、30b…中央保護フレーム、30c…後保護フレーム、30d…側部保護フレーム、30e…ブラケット、30f…継手用ブラケット、31…フットボード、31a…フットレストブラケット、33…センタースタンド、34…ヘッドパイプ近傍ブリッジフレーム、35…センタートンネル領域、36…機器搭載領域、37…タイヤハウス領域、38…リアフェンダ、41…フロントレッグシールドカバー、42…フロントフレームカバー、43…フレームカバー、45…ハンドル、46…フロントフォーク、47…フロントフェンダ、48…リアサスペンション、52…排気ダクト、52a…排気口、55…圧力容器、56…燃料充填口、57…燃料充填用継手、58…燃料充填元弁、59…燃料供給元弁、61…クランプバンド、62…燃料充填口用リッド、63…タンクバルブ、69…排気ダクト構造、71…希釈ファン、72…希釈促進壁、73…第一排気口、73a、73b…排気口、75…第一継手部、76…余剰水素排気管、77…排気弁、81…接続部、82…排気風路、83…第一区画壁、85…第一ダクト部材、85a、85b、85c…側壁、86…分割面、87…第二ダクト部材、88…第三ダクト部材、89…第一排気風路、91…第二排気風路、92…第一メッシュフィルタ、93…第二排気口、95…第二メッシュフィルタ、96…第二区画壁、97…凸部、98…第二継手部、101…締結部、102…第三継手部、103…分割面、105…ダクト固定ブラケット、106…結合部材、107…切り欠き部、108…締結部材、109…灯火装置、112…余剰水素案内路、113…余剰水素導入孔、115…トンネルカバー、116…排気孔。

Claims (5)

  1. 車体と、
    前記車体に搭載され、水素ガスと空気中の酸素とを反応させて発電する空冷式の燃料電池と、
    前記燃料電池の排気を車外へ排気する略矩形断面の排気風路を有する排気ダクトと、を備え、
    前記排気ダクトは、
    前記燃料電池に気密に接続される環状の接続部、および前記排気風路の一部を区画する第一区画壁と一体に有する第一ダクト部材と、
    前記排気風路を区画する側壁のうち互いに対向する一対の側壁に配置される分割面で前記接続部および前記第一区画壁に連結されて前記排気風路の他部を区画する第二ダクト部材と、を備える燃料電池車両の排気ダクト構造。
  2. 前記排気風路は、前記接続部から前記車体の後端部に延びる第一排気風路と、前記第一排気風路の途中から分岐して下方に延びる第二排気風路と、を含み、
    前記第二排気風路の一部を区画し、前記第一ダクト部材に着脱自在な第三ダクト部材と、
    前記第一排気風路の下方、かつ前記第二排気風路の後方に配置される灯火装置と、を備える請求項1に記載の燃料電池車両の排気ダクト構造。
  3. 前記第三ダクト部材は、前記第二排気風路の一部を区画する壁に嵌合する継手部を有し、
    前記車体のフレームに前記第三ダクト部材を着脱自在に結合する結合部材を備える請求項2に記載の燃料電池車両の排気ダクト構造。
  4. 前記第排気一風路は、前記車体の後方へ向かって開口する排気口を有し、
    前記車体を覆って前記排気口に嵌合される継手部を有する外装を備える請求項2または3に記載の燃料電池車両の排気ダクト構造。
  5. 前記第排気一風路は、前記車体の後方へ向かって開口する左右一対の排気口を有し、
    前記車体を覆って前記排気口に嵌合される継手部を有し、前記一対の排気口の間の部分で前記排気ダクトに固定される外装を備える請求項2または3に記載の燃料電池車両の排気ダクト構造。
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