JP2017081767A - ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 - Google Patents
ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017081767A JP2017081767A JP2015208576A JP2015208576A JP2017081767A JP 2017081767 A JP2017081767 A JP 2017081767A JP 2015208576 A JP2015208576 A JP 2015208576A JP 2015208576 A JP2015208576 A JP 2015208576A JP 2017081767 A JP2017081767 A JP 2017081767A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- etching
- glass plate
- acid
- mass
- etching solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
【課題】エッチングによる傷の拡大化を抑制できる(潜傷を抑制できる)と共に、ガラス板の表面全体を均一にエッチングすることができるエッチング液を提供する。
【解決手段】本発明のガラス板用エッチング液は、フッ酸5〜15質量%と、硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸10〜20質量%と、ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、溶媒としての水と、を含む。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のガラス板用エッチング液は、フッ酸5〜15質量%と、硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸10〜20質量%と、ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、溶媒としての水と、を含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、ガラス板のエッチングに使用されるガラス板用エッチング液と、ガラス板のエッチング方法とに関する。
ガラス板をエッチングして薄くする技術が、近年ディスプレイ用途等で求められている。しかし、エッチング前にガラス板の表面に存在していた線状又はピット状の小さな傷が、エッチングによって深く及び大きくなることで顕在化してしまうという問題があった。
エッチングにより顕在化する傷(以下、「潜傷」ということがある。)を抑制する方法として、例えば特許文献1〜3には、特定のエッチング液を用いてガラス板の表面を研磨することによって潜傷を抑制する方法が提案されている。
特許文献1〜3に記載されている方法は、特定の濃度範囲内となるようにフッ酸と硫酸と含むエッチング液(潜傷抑制用のエッチング液)を使用することによって、エッチングによる傷の拡大化を抑制する方法である。これらの方法の技術的思想は、ガラスをエッチングして除去する速度が速いエッチング液を使用することによって、傷が拡大する前に傷をある程度除去しようというものである。
特許文献1〜3に記載された方法では、傷の拡大化を抑制するためにエッチング速度が速いエッチング液を用いて短時間でガラスをエッチングしているため、ガラス板全面を均一にエッチングすることが難しい。このため、特許文献1〜3の方法では、エッチング量の分布が発生しやすく、その結果ガラス板の表面の平坦性が悪くなるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、エッチングによる傷の拡大化を抑制できる(潜傷抑制が可能である)と共に、ガラス板の表面全体を均一にエッチングすることができるエッチング液を提供することを目的とする。さらに、そのようなエッチング液を用いて、エッチングによる傷の拡大を抑制しつつ(潜傷抑制を実現しつつ)、ガラス板の表面の優れた平坦性も実現できるガラス板のエッチング方法を提供することも目的とする。
本発明は、
ガラス板をエッチングするためのエッチング液であって、
フッ酸5〜15質量%と、
硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸5〜20質量%と、
ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、
溶媒としての水と、
を含む、ガラス板用エッチング液を提供する。
ガラス板をエッチングするためのエッチング液であって、
フッ酸5〜15質量%と、
硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸5〜20質量%と、
ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、
溶媒としての水と、
を含む、ガラス板用エッチング液を提供する。
本発明は、さらに、
ガラス板の表面に、上記本発明のガラス板用エッチング液を接触させる工程を含む、
ガラス板のエッチング方法を提供する。
ガラス板の表面に、上記本発明のガラス板用エッチング液を接触させる工程を含む、
ガラス板のエッチング方法を提供する。
本発明のガラス板用エッチング液は、フッ酸と、硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸と、ヘキサフルオロケイ酸とを、それぞれが特定された濃度範囲内となるように含んでいる。これにより、本発明のガラス板用エッチング液によれば、ガラス板の表面に存在している傷がエッチングにより拡大することを抑制できる(潜傷抑制が可能である)と共に、ガラス板の表面全体を均一にエッチングすることができる。また、本発明のガラス板のエッチング方法は、このようなエッチング液を用いることにより、エッチングによる傷の拡大化を抑制しつつ(潜傷抑制を実現しつつ)、ガラス板の優れた平坦性も実現できる。
(実施形態1)
本発明のガラス板用エッチング液の実施形態について説明する。本実施形態のエッチング液は、ガラス板をエッチングするためのエッチング液であって、フッ酸(HF)5〜15質量%と、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、塩酸(HCl)及びリン酸(H3PO4)からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸(以下、無機酸(A))5〜20質量%と、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)10〜25質量%と、溶媒としての水と、を含んでいる。
本発明のガラス板用エッチング液の実施形態について説明する。本実施形態のエッチング液は、ガラス板をエッチングするためのエッチング液であって、フッ酸(HF)5〜15質量%と、硫酸(H2SO4)、硝酸(HNO3)、塩酸(HCl)及びリン酸(H3PO4)からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸(以下、無機酸(A))5〜20質量%と、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)10〜25質量%と、溶媒としての水と、を含んでいる。
フッ酸、無機酸(A)及びヘキサフルオロケイ酸が上記の濃度範囲内となるように調整されているエッチング液は、従来の潜傷抑制用のエッチング液とは異なり、潜傷抑制に加えて、ガラス板の表面全体の均一なエッチングも可能とする。これは、5〜15質量%のフッ酸を含むエッチング液において、無機酸(A)とヘキサフルオロケイ酸とを上記の濃度範囲内で調整することで、ガラス板の表面の平坦性を損なわせることなく、表面に存在する傷を効果的に除去できるようなエッチング速度を実現できるためである。さらに、本実施形態のエッチング液は、エッチング液の流速の違いによるエッチング速度の変化量が大きいという特性を有しており、ガラス板の表面に存在する傷部分(傷内部)では、エッチング液の流速が比較的遅くなるためエッチング速度も遅くなる。これにより、本実施形態のエッチング液は、ガラス板の表面において傷部分のエッチング速度を十分遅く、傷以外の部分のエッチング速度を速くできるので、従来の潜傷抑制用のエッチング液のようにガラス板の表面の平坦性を損なわせるほどの速いエッチング速度を有することなく、効果的に傷の拡大化を抑制できる。
また、ガラス板の平坦性が損なわれる要因には、エッチング液に溶解したガラスの成分とエッチング液の成分とが化学反応することで発生する多量の析出物(以下、スラッジ)も含まれると考えられる。例えば、スラッジがガラス板の表面に付着してマスクとして作用することによりエッチング量の分布が発生して、ガラス板の表面に凹凸が生じると考えられる。さらに、スラッジは、エッチング量の分布を生じさせるだけでなく、配管の詰まり等の他の問題も引き起こす。本実施形態のエッチング液では、ヘキサフルオロケイ酸が上記の濃度範囲内でフッ酸及び無機酸(A)と混合されていることにより、スラッジの発生量を低減することが可能となる。したがって、本実施形態のエッチング液によれば、スラッジに起因するエッチングの不具合も低減できる。具体的には、ガラス板へのスラッジの付着によるエッチング量の分布の低減や、エッチング時にガラス板の縁部にスラッジが溜まってエッチングが進みにくくなり、その部分のガラス板が他の部分よりも厚くなってしまう欠陥の発生の低減等が可能となる。
本実施形態のエッチング液は、フッ酸5〜15質量%と、無機酸(A)10質量%以上20質量%未満と、ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、溶媒としての水と、を含むことが好ましい。このエッチング液によれば、上記の効果(特にガラス板の表面の平坦性の向上)に加えて、より速いエッチング速度を実現できるという、さらなる効果も得られる。
さらに、本実施形態のエッチング液は、フッ酸5〜15質量%と、無機酸(A)10〜15質量%と、ヘキサフルオロケイ酸15〜20質量%と、溶媒としての水と、を含むことがより好ましい。このエッチング液によれば、上記の効果(特にガラス板の表面の平坦性の向上)に加えて、スラッジの発生量をより低減できるという、さらなる効果も得られる。
無機酸(A)とヘキサフルオロケイ酸との濃度比((ヘキサフルオロケイ酸の濃度)/(無機酸(A)の濃度))は、特には限定されないが、0.5〜2が好ましく、0.75〜1.5がより好ましい。無機酸(A)とヘキサフルオロケイ酸とがこのような濃度比で含まれることにより、スラッジの発生量のさらなる低減が可能となる。
本実施形態のエッチング液は、フッ酸、無機酸A、ヘキサフルオロケイ酸及び水以外に、界面活性剤等の他の成分をさらに含んでいてもよい。エッチング液が界面活性剤をさらに含むことにより、エッチングが均一に進むという効果が得られる。また、本実施形態のエッチング液は、実質的にフッ酸、無機酸A、ヘキサフルオロケイ酸及び水からなるものであってもよいし、フッ酸、無機酸A、ヘキサフルオロケイ酸及び水のみからなるものであってもよい。
無機酸(A)としては、電離度が高くエッチングレートを速くでき、また揮発しないとの理由から、硫酸を用いることが好ましい。
(実施形態2)
実施形態2では、実施形態1で説明したガラス板用エッチング液を用いたガラス板のエッチング方法の実施形態について説明する。
実施形態2では、実施形態1で説明したガラス板用エッチング液を用いたガラス板のエッチング方法の実施形態について説明する。
本実施形態のガラス板のエッチング方法は、実施形態1で説明したガラス板用エッチング液をガラス板の表面に接触させる工程を含む。このエッチング方法では、実施形態1のエッチング液を用いているので、エッチングによる傷の拡大化を抑制しつつ、ガラス板の優れた平坦性も実現できる。さらに、実施形態1で説明したように、このエッチング液を用いることによって、エッチングにより発生するスラッジ量も低減される。したがって、実施形態1で説明したような、スラッジに起因するエッチングの不具合も低減できる。
ガラス板の表面にエッチング液を接触させる方法は、特には限定されない。例えばガラス板をエッチング液に浸漬する、エッチング液をガラス板の表面に塗布する等の、公知の方法が使用できる。
上記効果を得ることが可能な、エッチング対象となるガラス板は、特には限定されない。本実施形態のエッチング方法は、例えば、フラットパネルディスプレイのガラス基板等に用いられる無アルカリガラス板、カバーガラス等に用いられる含アルカリガラス板、及び、フロート板ガラス等のエッチングに使用できる。
ガラス板の表面に接触させるエッチング液の温度は、15〜50℃が好ましく、20〜40℃がより好ましく、25〜35℃が最も好ましい。これらの範囲内の温度を有するエッチング液を用いることにより、温度制御が容易となり、さらに室温程度のエッチング液を使用することでエッチングに要するコストも低く抑えることができる。
本実施形態のエッチング方法によれば、すなわち実施形態1のエッチング液を用いたエッチングによれば、ガラス板の表面の潜傷抑制とガラス板の薄板化とを並行して実施することができる。従来の潜傷抑制用のエッチング液を用いたガラス板のエッチングでは、潜傷抑制は可能であったものの、ガラス板全面を均一にエッチングすることが難しかった。そのため、薄板化のためのエッチングは、潜傷抑制用のエッチング液とは異なるエッチング液を用いた別工程で行わなければならなかった。これに対し、本実施形態のエッチング方法で用いられるエッチング液は、潜傷抑制と共に、ガラス板の表面全体を均一にエッチングすることも可能である。そのため、薄板化のためのエッチングを別途行わなくても、潜傷抑制と薄板化とを、1つのエッチング液を用いた一段エッチングにて並行して実施することができる。したがって、本実施形態のエッチング方法によれば、ガラス板の潜傷抑制及び薄板化の両方が求められるガラス板のエッチングが、簡便に、かつ低コストで実施できる。
次に、本実施形態のエッチング方法を利用した、表面がエッチングされたガラス板の製造方法についても説明する。この製造方法は、
(I)ガラス板を準備する工程と、
(II)ガラス板の表面に、実施形態1で説明したガラス板用エッチング液を接触させて、ガラス板の表面をエッチングする工程と、
を含む。この製造方法によれば、潜傷が抑制され、かつ優れた平坦性を有するガラス板の提供が可能となる。
(I)ガラス板を準備する工程と、
(II)ガラス板の表面に、実施形態1で説明したガラス板用エッチング液を接触させて、ガラス板の表面をエッチングする工程と、
を含む。この製造方法によれば、潜傷が抑制され、かつ優れた平坦性を有するガラス板の提供が可能となる。
工程(I)で準備するガラス板は、特には限定されない。例えば、フラットパネルディスプレイのガラス基板等に用いられる無アルカリガラス板、カバーガラス等に用いられる含アルカリガラス板、及び、フロート板ガラス等が挙げられる。
この製造方法において、工程(II)におけるエッチング液の温度は、本実施形態のエッチング方法の場合と同様に、15〜50℃が好ましく、20〜40℃がより好ましく、25〜35℃が最も好ましい。これらの範囲内の温度を有するエッチング液を用いることにより、温度制御が容易となり、さらに室温程度のエッチング液を使用することでエッチングに要するコストも低く抑えることができる。これにより、潜傷が抑制され、かつ優れた平坦性を有するガラス板を、より容易に、かつ低コストで製造できる。
また、この製造方法では、工程(II)において、ガラス板用エッチング液を用いたエッチングにより、ガラス板の表面の潜傷抑制とガラス板の薄板化とを並行して実施することができる。なお、この製造方法において、ガラス板の潜傷抑制及び薄板化を目的とするエッチングが工程(II)のみによって実施されてもよいし、工程(II)よりも後に薄板化のためのさらなるエッチング工程(工程(II)とは異なるエッチング液を用いたエッチングを行う工程)が実施されてもよい。ガラス板の潜傷抑制及び薄板化を目的とするエッチングが工程(II)のみによって実施される場合、潜傷が抑制され、かつ優れた平坦性を有するガラス板を、より簡便に、かつ低コストで提供できる。工程(II)よりも後に薄板化のためのさらなるエッチング工程が実施される場合、例えばより優れた平坦性を有するガラス板の提供等が可能となる。
さらに、本実施形態のエッチング方法の場合と同様に、工程(II)ではエッチングにより発生するスラッジ量も低減されるので、上述したようなスラッジに起因するエッチングの不具合も低減できる。
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は、本発明の要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[エッチングされるガラス板の準備]
厚さ700μmで100mm×50mmの市販の無アルカリガラス板の一方の面に、ビッカース圧子(JIS Z 2244に示される対面角136°の正四角錐圧子)をアカシ社製マイクロビッカース硬度計MVK−G2に取り付けて、所定の荷重を一定時間印加することで深さ10μm〜20μmのマイクロクラックを作製した。このガラス板のマイクロクラックが設けられた面と反対側の面を、耐酸フィルムでコーティングした。
厚さ700μmで100mm×50mmの市販の無アルカリガラス板の一方の面に、ビッカース圧子(JIS Z 2244に示される対面角136°の正四角錐圧子)をアカシ社製マイクロビッカース硬度計MVK−G2に取り付けて、所定の荷重を一定時間印加することで深さ10μm〜20μmのマイクロクラックを作製した。このガラス板のマイクロクラックが設けられた面と反対側の面を、耐酸フィルムでコーティングした。
[ガラス板のエッチング]
エッチング液として、フッ酸、硫酸及びヘキサフルオロケイ酸の濃度が表1及び2に示すように調製された水溶液を準備した。ガラス板を液量500mL、液温28℃のエッチング液に浸漬し、バブリングによりエッチング液を攪拌しながら、ガラス板の厚さが400μmになるまでエッチングした。すなわちエッチングした厚さは300μmであった。
エッチング液として、フッ酸、硫酸及びヘキサフルオロケイ酸の濃度が表1及び2に示すように調製された水溶液を準備した。ガラス板を液量500mL、液温28℃のエッチング液に浸漬し、バブリングによりエッチング液を攪拌しながら、ガラス板の厚さが400μmになるまでエッチングした。すなわちエッチングした厚さは300μmであった。
[潜傷抑制効果の評価]
ガラス板に予め形成されたマイクロクラックは、エッチングにより表面の開口が拡がって、エッチング後には窪み(ディンプル)となった。エッチング後のディンプルの深さを三鷹光器社製の3次元形状測定器NH−3Nを用いて測定し、その測定結果からエッチング前のマイクロクラック深さに対するディンプル深さの割合(%)を求めて、潜傷抑制効果を評価した。すなわち、この割合(%)が小さいほど潜傷抑制効果が高いということになる。結果は表1に示されたとおりである。
ガラス板に予め形成されたマイクロクラックは、エッチングにより表面の開口が拡がって、エッチング後には窪み(ディンプル)となった。エッチング後のディンプルの深さを三鷹光器社製の3次元形状測定器NH−3Nを用いて測定し、その測定結果からエッチング前のマイクロクラック深さに対するディンプル深さの割合(%)を求めて、潜傷抑制効果を評価した。すなわち、この割合(%)が小さいほど潜傷抑制効果が高いということになる。結果は表1に示されたとおりである。
[ガラス板の平坦性の評価]
エッチング前後のガラス板を格子状(縦横共に10mmの格子ピッチ)に区切り、中央部分80mm×30mmの範囲の9×4の格子点(36点)の板厚を(株)キーエンス製のレーザ測定器LT−9500で測定した。上記36点のエッチング前後の板厚の差の標準偏差をエッチング量ばらつきとし、エッチング量ばらつきが小さいものほど平坦性が高いと評価した。結果は表1に示されたとおりである。
エッチング前後のガラス板を格子状(縦横共に10mmの格子ピッチ)に区切り、中央部分80mm×30mmの範囲の9×4の格子点(36点)の板厚を(株)キーエンス製のレーザ測定器LT−9500で測定した。上記36点のエッチング前後の板厚の差の標準偏差をエッチング量ばらつきとし、エッチング量ばらつきが小さいものほど平坦性が高いと評価した。結果は表1に示されたとおりである。
[スラッジ発生量の評価]
エッチング後に、全液をポリビーカーに移した後24時間静置して、エッチング液とスラッジとを分離させてそれぞれの体積を測定する方法で、発生したスラッジの体積を測定した。スラッジ体積とエッチング液体積との合計に対するスラッジ体積の割合({(スラッジ体積)/(スラッジ体積+エッチング液体積)}×100)を、スラッジ率(%)として求めた。結果は表1に示されたとおりである。
エッチング後に、全液をポリビーカーに移した後24時間静置して、エッチング液とスラッジとを分離させてそれぞれの体積を測定する方法で、発生したスラッジの体積を測定した。スラッジ体積とエッチング液体積との合計に対するスラッジ体積の割合({(スラッジ体積)/(スラッジ体積+エッチング液体積)}×100)を、スラッジ率(%)として求めた。結果は表1に示されたとおりである。
[エッチング速度]
エッチング速度は、厚さ300μmのエッチングに要した時間を用いて求めた。
エッチング速度は、厚さ300μmのエッチングに要した時間を用いて求めた。
表1及び2に示すように、本発明のエッチング液で特定されている組成範囲を満たす実施例1〜8のエッチング液は、組成範囲外の比較例1〜7のエッチング液とは異なり、潜傷を抑制できると共に、ガラス板の表面全体を均一にエッチングすることが可能であった。
また、フッ酸及びヘキサフルオロケイ酸の濃度が同じで硫酸濃度が異なる実施例4と実施例5との結果を比較すると、硫酸濃度が20質量%である実施例5のエッチング液を用いた場合よりも、硫酸濃度が15質量%である実施例4のエッチング液を用いた場合の方がエッチング量ばらつきが小さかった。この結果から、無機酸(A)の濃度は、20質量%未満が好ましく、15質量%以下がより好ましいと考えられる。
本発明のエッチング液は、ガラス板の表面の潜傷抑制とガラス板の薄板化との両方のエッチングに使用できるので、例えばフラットパネルディスプレイに用いられるガラス基板やカバーガラスの製造等、あらゆる分野のガラス板の製造に好適に利用できる。
Claims (7)
- ガラス板をエッチングするためのエッチング液であって、
フッ酸5〜15質量%と、
硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸5〜20質量%と、
ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、
溶媒としての水と、
を含む、ガラス板用エッチング液。 - フッ酸5〜15質量%と、
硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸10質量%以上20質量%未満と、
ヘキサフルオロケイ酸10〜25質量%と、
溶媒としての水と、
を含む、請求項1に記載のガラス板用エッチング液。 - フッ酸5〜15質量%と、
硫酸、硝酸、塩酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも何れか1種の無機酸10〜15質量%と、
ヘキサフルオロケイ酸15〜20質量%と、
溶媒としての水と、
を含む、請求項2に記載のガラス板用エッチング液。 - 前記無機酸が硫酸である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板用エッチング液。 - ガラス板の表面に、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板用エッチング液を接触させる工程を含む、
ガラス板のエッチング方法。 - 前記エッチング液が15〜50℃の温度を有する、
請求項5に記載のガラス基板のエッチング方法。 - 前記ガラス板用エッチング液を用いたエッチングによって、前記ガラス板の表面の潜傷抑制と前記ガラス板の薄板化とが並行して実施される、
請求項5又は6に記載のガラス板のエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015208576A JP2017081767A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015208576A JP2017081767A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017081767A true JP2017081767A (ja) | 2017-05-18 |
Family
ID=58710560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015208576A Pending JP2017081767A (ja) | 2015-10-23 | 2015-10-23 | ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017081767A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115010374A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-09-06 | 江西沃格光电股份有限公司 | 液晶显示屏蚀刻液及其应用 |
CN115057624A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-09-16 | 东莞华清光学科技有限公司 | 一种增加2.5d手表玻璃盖板单点静压强度的工艺 |
CN115784623A (zh) * | 2022-11-18 | 2023-03-14 | 江西沃格光电股份有限公司 | 玻璃薄化预处理液、玻璃薄化方法及其应用 |
WO2024053819A1 (ko) * | 2022-09-05 | 2024-03-14 | 삼성전자 주식회사 | 표면 처리용 조성물 및 이를 이용한 표면 처리 방법 |
-
2015
- 2015-10-23 JP JP2015208576A patent/JP2017081767A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115010374A (zh) * | 2022-07-04 | 2022-09-06 | 江西沃格光电股份有限公司 | 液晶显示屏蚀刻液及其应用 |
CN115057624A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-09-16 | 东莞华清光学科技有限公司 | 一种增加2.5d手表玻璃盖板单点静压强度的工艺 |
WO2024053819A1 (ko) * | 2022-09-05 | 2024-03-14 | 삼성전자 주식회사 | 표면 처리용 조성물 및 이를 이용한 표면 처리 방법 |
CN115784623A (zh) * | 2022-11-18 | 2023-03-14 | 江西沃格光电股份有限公司 | 玻璃薄化预处理液、玻璃薄化方法及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI479012B (zh) | 液晶顯示裝置用玻璃基板的清洗及蝕刻組成物以及利用它的玻璃基板的蝕刻方法 | |
JP5066626B2 (ja) | 携帯機器用カバーガラスのガラス基材及び携帯機器用カバーガラス | |
JPWO2009066624A1 (ja) | ガラス基板のエッチング処理方法 | |
JP2017081767A (ja) | ガラス板用エッチング液及びガラス板のエッチング方法 | |
JP5555289B2 (ja) | 携帯端末装置のカバーガラス用のガラス基材 | |
JP2012250905A (ja) | 電子機器用カバーガラスの製造方法および電子機器用カバーガラスのガラス基板保持具 | |
CN105293934B (zh) | 玻璃加工方法、玻璃蚀刻液、及玻璃基板 | |
US20200361811A1 (en) | Methods of reducing the thickness of textured glass, glass-ceramic, and ceramic articles with high concentration alkali hydroxide at elevated temperature | |
JP2008007360A (ja) | マザーガラス基板及びガラス基板ならびにそのガラス基板の製造方法 | |
WO2009072810A2 (en) | Etchant composition for glass substrate | |
JP4794982B2 (ja) | ガラス条の製造方法 | |
JP2009208983A (ja) | ガラス基材及びその製造方法 | |
JP2012184155A (ja) | 携帯電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法、携帯電子機器用カバーガラスのガラス基板および携帯電子機器 | |
JP2009227523A (ja) | ガラス基材及びその製造方法 | |
KR20110032432A (ko) | 유리 식각액 | |
JPWO2014112297A1 (ja) | 透明基材 | |
JP2005350350A (ja) | ガラス板表面の研磨方法、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、及びフラットパネルディスプレイ | |
JP5183320B2 (ja) | 携帯機器用カバーガラスのガラス基材の製造方法 | |
KR100677052B1 (ko) | 액정 유리 기판용 식각액 조성물 | |
JP2014084234A (ja) | 電子機器用カバーガラスのガラス基板及びその製造方法 | |
JPWO2012093525A1 (ja) | 強化ガラス材の製造方法 | |
TW201609582A (zh) | 玻璃加工方法、玻璃蝕刻液、及玻璃基板 | |
JP5677903B2 (ja) | ガラス基板の表面を防眩化するための表面処理液 | |
TWI667212B (zh) | 使用於玻璃基材之蝕刻溶液 | |
JP5066625B2 (ja) | 携帯機器用カバーガラスのガラス基材及び携帯機器用カバーガラス |