以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。包装装置1は、台紙等の台座2上に載置された物品3(図15等参照)を帯状のフィルム24で覆い、物品3を台座2に固定することによって、物品3を包装する。以下、このようにして物品3を包装することを、「台座2及び物品3を包装する」という。包装装置1は、図1の右斜め下側から左斜め上側に向けて、物品3が載置された台座2を搬送し、台座2及び物品3を包装する。図1の上側、下側、左斜め下側、及び右斜め上側を、それぞれ、包装装置1の上側、下側、右側、及び左側という。図1の右斜め下側及び左斜め上側を、それぞれ、搬送方向の上流側及び下流側という。
<筐体800>
図1に示すように、包装装置1は筐体800を備える。筐体800の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体である。筐体800は、上筐体801及び下筐体803を備える。上筐体801は、2つの立設部802Aと架設部802Bとを備える。2つの立設部802Aは、それぞれ、下筐体803の左右両端部から上方に延びる。架設部802Bは、2つの立設部802Aのそれぞれの上端部の間に架設される。右側の立設部802Aに、各種情報を表示可能な表示部207が設けられている。
2つの立設部802Aは、それぞれ後述の側板部材111,112(図2参照)を右側及び左側から覆う。架設部802Bは、後述のフィルムロール22(図2参照)を上側から覆う。下筐体803、2つの立設部802A、及び架設部802Bで囲まれた部分が、筐体800の内部空間を形成する。筐体800の内部空間は、筐体800の上流側及び下流側に形成された開口部805を介して、筐体800の外部と連通する。下筐体803の形状は、左右方向を長手方向とする略直方体である。ユーザが包装装置1に包装動作の開始又は停止を指示するための操作部206が、下筐体803に設けられている。
<受け台12,13>
下筐体803の上流側の側面の上端部から上流側に向けて、受け台12が水平方向に延びる。下筐体803の下流側の側面の上端部から下流側に向けて、受け台13が水平方向に延びる。受け台12,13の形状は、搬送方向を長手方向とする平面視略長方形の箱状である。受け台12は、開口部805に向けて搬送される台座2を上面で受ける。受け台13は、包装が完了した台座2及び物品3を上面で受ける。脚部121,131はそれぞれ受け台12,13を下方から支持する。
受け台12の上面を「受け面12A」といい、受け台13の上面を「受け面13A」という。受け面12A,13Aは、それぞれ水平であり、且つ互いに略同一の平面を形成する。従って受け面12A,13Aは、台座2をスムーズに搬送可能な平面である。受け面12A,13A上において台座2が搬送される部分を、「搬送経路103」(図15等参照)という。
図2に示すように、包装装置1は、底部10及び側板部材111,112を備える。底部10の形状は、平面視矩形状である。側板部材111は、底部10の右端部から上方垂直方向に延びる。側板部材112は、底部10の左端部から上方垂直方向に延びる。側板部材111,112の各形状は、何れも上下方向を長手方向とする略長方形の板状である。側板部材111,112の各内面は対向する。受け台12は、側板部材111,112の上流側の端部に支持される。受け台13は、側板部材111,112の下流側の端部に支持される。
<搬送機構50>
図3に示すように、受け台12、13の右端部及び左端部に、それぞれ、無端状のベルト511,512が設けられる。ベルト511,512は、それぞれ内側面に歯を有する。ベルト511は、一対のプーリ52A,52Bに架け渡される。プーリ52Aは、受け台12の右側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ52Bは、受け台13の右側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ52A,52Bは、ベルト511の内側に接触し、ベルト511を回転可能に支持する。ベルト512は、一対のプーリ53A,53Bに架け渡される。プーリ53Aは、受け台12の左側面の上流側に回転可能に設けられる。プーリ53Bは、受け台13の左側面の下流側に回転可能に設けられる。プーリ53A,53Bは、ベルト512の内側に接触し、ベルト512を回転可能に支持する。
ベルト511,512の外側面のうち上方を向く部分が、受け面12A,13Aに露出して、搬送方向に延びている。ベルト511,512のそれぞれの外側面に、搬送部60が設けられる。搬送部60は、ベルト511に設けられる右搬送部61と、ベルト512に設けられる左搬送部62とをそれぞれ含む。右搬送部61は、ベルト511の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。左搬送部62は、ベルト512の外側面に対して垂直方向且つ外方向に突出する。搬送部60では、右搬送部61と左搬送部62とが左右方向に対向する。
右搬送部61は、第1搬送部61A及び第2搬送部61Bを備える。第1搬送部61A及び第2搬送部61Bは、搬送方向に離隔する。第1搬送部61Aは、上流側の側面のうちベルト511に近接する部分が、下流側に凹む。左搬送部62は、第1搬送部62A、及び第2搬送部62Bを備える。第1搬送部62A及び第2搬送部62Bは、搬送方向に離隔する。第1搬送部62Aは、上流側の側面のうちベルト512に近接する部分が、下流側に凹む。第1搬送部61A、62Aは、後述する台座2を上方から保持する。第2搬送部61B、62Bは、台座2を上流側又は下流側に押す。
モータ222(図12参照)は、プーリ52B,53Bを回転駆動する。モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて反時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は反時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を上流側から下流側に搬送する。一方、モータ222がプーリ52B,53Bを右側面視にて時計回り方向に回転した場合、ベルト511,512は時計回り方向に回転する。これに伴って、搬送部60は、後述するように台座2を下流側から上流側に搬送する。以下、台座2を上流側から下流側に搬送させる場合のモータ222及びベルト511、512の回転方向を、「正方向」といい、正方向と逆向きの回転方向を、「逆方向」という。ベルト511,512、搬送部60、モータ222を総称し、「搬送機構50」という。なお、以下における回転方向(時計回り又は反時計回り)の説明は、特段の限定がない限り、包装装置1を右側から見た時の方向を示すものとする。
<装着部材141、142>
図4に示すように、側板部材111の上端部の左側面に装着部材141が設けられ、側板部材112の上端部の右側面に装着部材142が設けられる。装着部材141、142の形状は左右対称である。装着部材141は、側板部材111に対して左側に離隔した板状部材141Aを備える。板状部材141Aの上端に、下方に凹んだ凹部141Dが設けられる。装着部材142は、側板部材112に対して右側に離隔した板状部142Aを備える。板状部142Aの上端に、下方に凹んだ凹部142Dが設けられる。側板部材111、112間に架設板117Aが架設される。架設板117Aの形状は板状である。架設板117Aは水平に延びる。架設板117Aは、装着部材141の下側で側板部材111に接続し、装着部材142の下側で側板部材112に接続する。後述するフィルムロール22(図5等参照)は、架設板117Aの上側に着脱可能に装着される。
架設板117Aの上流側の端部よりも上流側に、架設板117Bが設けられる。架設板117Bは、側板部材111、112間に架設される。架設板117Aの下流側の端部から上方に向けて、架設板117Cが延びる。装着部材141、142に装着されたフィルムロール22から繰り出される帯状のフィルム24は、架設板117Aの上流側の端部と架設板117Bとの間の隙間を通り、筐体800(図1参照)の内部空間まで下方に排出される。物品3が載置された台座2は、筐体800の内部空間を上流側から下流側に向けて搬送されるときに、フィルム24によって包装される。
図5は、装着部材141、142に装着された状態のフィルムロール22を示す。凹部141Dの下流側に連結ギヤ651が配置される。連結ギヤ651は、互いに噛合する複数のギヤを含む。連結ギヤ651の右側に板状部材16Aが設けられる。連結ギヤ651は、板状部材141A、16Aの間に回転可能に支持される。
連結ギヤ651の下側に連結ギヤ652が配置される。連結ギヤ652は、互いに噛合する複数のギヤを含む。連結ギヤ652の右側に板状部材16Bが設けられる。連結ギヤ652は、板状部材141Aに回転可能に支持される。板状部材16Bに、ソレノイド16C(図12参照)のプランジャ(図示略)が接続されている。連結ギヤ652は、ソレノイド16Cによって巻き取り位置と繰り出し位置とに移動可能である。
連結ギヤ652の上流側に第1プーリ(図示略)が設けられ、第1プーリの更に上流側に第2プーリ(図示略)が設けられる。第1プーリと第2プーリとの間に伝達ベルト653が架け渡される。第1プーリ及び第2プーリと伝達ベルト653とは連動して回転する。装着部材141、142に装着された状態のフィルムロール22の上流側に、繰り出しローラ654A、654B(図4参照)が設けられる。繰り出しローラ654A、654Bの左右方向の長さは、フィルム24の幅と略同一である。繰り出しローラ654Bは第2プーリに接続する。繰り出しローラ654Aは、繰り出しローラ654Bの上流側に設けられ、繰り出しローラ654Bに上流側から接触可能である。
図4に示すように、モータ227は、装着部材141の板状部材141Aの左側、且つ、架設板117Cの上流側に設けられる。モータ227の回転軸は、右側に水平に延び、板状部材141Aに設けられた穴に挿通する。図5に示すように、回転軸の右端にモータギヤ670が固定される。モータギヤ670は連結ギヤ652に噛合する。
連結ギヤ652がソレノイド16Cによって巻き取り位置に移動した場合、連結ギヤ652は連結ギヤ651に連結する。この場合、モータ227の回転駆動力は、モータギヤ670及び連結ギヤ652を介して、連結ギヤ651に伝達される。一方、連結ギヤ652がソレノイド16Cによって繰り出し位置に移動した場合、連結ギヤ652は第1プーリに連結する。この場合、モータ227の回転駆動力は、モータギヤ670、連結ギヤ652、第1プーリ、伝達ベルト653、及び、第2プーリを介して、繰り出しローラ654Bに伝達される。なお、連結ギヤ652が巻き取り位置に移動した場合、モータ227の回転駆動力は繰り出しローラ654Bに伝達されない。又、連結ギヤ652が繰り出し位置に移動した場合、モータ227の回転駆動力は連結ギヤ651に伝達されない。
<フィルムロール22>
フィルムロール22は、フィルム24及び巻き軸23を有する。フィルム24は帯状であり、巻き軸23に巻回される。巻き軸23は略円柱体であり、左右方向に延びる。巻き軸23の左右方向の長さは、フィルム24の左右方向の長さと略等しい。巻き軸23は、右側面から右側に突出する右凸部23Aを備える。フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、右凸部23Aは、装着部材141の凹部141Dに接触する。図示されていないが、巻き軸23は、右凸部23Aと同一形状の左凸部を左側面に備える。左凸部は、フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、装着部材142の凹部142D(図4参照)に接触する。巻き軸23は、装着部材141、142によって回転可能に支持される。右凸部23Aの右側面に、フィルムギヤ23Bが設けられる。又、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24は、繰り出しローラ654A、654Bによって搬送方向の両側から挟まれる。
フィルムギヤ23Bは、フィルムロール22が装着部材141、142に装着された状態で、連結ギヤ651に上流側から噛合する。連結ギヤ652が巻き取り位置に移動した状態で、モータ227(図4参照)の回転駆動力は、モータギヤ670及び連結ギヤ651、652を介して、フィルムギヤ23Bに伝達される。モータ227の回転に応じ、フィルムギヤ23Bは反時計回りに回転する。フィルムギヤ23Bが反時計回りに回転した場合、フィルムロール22にフィルム24が巻き取られる方向に、フィルムロール22は回転する。
一方、連結ギヤ652が繰り出し位置に移動した状態で、モータ227の回転駆動力は繰り出しローラ654Bに伝達される。モータ227の回転に応じ、繰り出しローラ654Bは時計回りに回転する。繰り出しローラ654Bが時計回りに回転した場合、繰り出しローラ654Bは、繰り出しローラ654Aとの間に挟んだ状態のフィルム24を、フィルムロール22から繰り出す。
<押下機構39>
図2に示すように、側板部材111の右側面に、モータ221の回転によって駆動するキャリッジ349が設けられる。キャリッジ349は、支持部材341(図6参照)に連結される。側板部材112の左側面に、キャリッジ350が設けられる。キャリッジ350は、支持部材342に連結される。
図6、図7に示すように、支持部材341、342の形状は左右対称である。支持部材341、342は、左右方向に離隔して配置される。支持部材341、342の左右方向の長さは、受け台12,13(図2参照)の左右方向の長さよりも僅かに短い。以下、支持部材341について説明し、支持部材342の説明は省略する。支持部材341は、基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dを有する。基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dは板状である。基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dのそれぞれの各面は左右方向を向く。
基部341Aの形状は、側面視にて略長方形である。基部341Aには、上流側の部分に上下方向に並んだ2つの穴部が形成される。第1延設部341Bは、基部341Aの下流側の端部の下側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第1延設部341Bの形状は、側面視にて略長方形である。第1延設部341Bの上端及び下端は、下流側に向けて水平に延びる。第2延設部341Cは、基部341Aの下流側の端部の上側の部分から、下流側に向けて水平に延びる。第2延設部341Cの形状は、側面視にて略長方形である。第2延設部341Cの上端及び下端は、下流側に向けて水平に延びる。第1延設部341Bの上端及び第2延設部341Cの下端は、上下方向に離隔し、搬送方向に延びる隙間3414を形成する。隙間3414は、基部341Aから下流側に向けて同一幅の状態で延びる。第3延設部341Dは、基部341Aの上端の上流側の部分から、上方に垂直に延びる。第3延設部341Dの形状は、側面視にて略長方形である。第3延設部341Dは、上下方向に並ぶ3つの穴部を有する。なお、基部341A及び第3延設部341Dの複数の穴部には、支持部材341をキャリッジ349(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。
図6に示すように、支持部材342の基部342A、第1延設部342B、第2延設部342C、及び、第3延設部342Dは、それぞれ、支持部材341の基部341A、第1延設部341B、第2延設部341C、及び、第3延設部341Dに対応する。第1延設部342Bと第2延設部342Cとの間の隙間3424は、第1延設部341Bと第2延設部341Cとの間の隙間3414に対応する。基部342A及び第3延設部342Dの複数の穴部には、支持部材342をキャリッジ350(図2参照)に連結するためのねじが挿通される。以下、支持部材341,342を総称して、「一対の支持部材34」という。基部341A、342Aを総称して、「一対の基部34A」という。第1延設部341B、342Bを総称して、「一対の第1延設部34B」という。第2延設部341C、342Cを総称して、「一対の第2延設部34C」という。
押下ローラ30、31、32は、一対の第1延設部34Bの下流側の部分の間に配置される。押下ローラ30〜32の右端は、第1延設部341Bによって支持される。押下ローラ30〜32の左端は、第1延設部342Bによって支持される。押下ローラ33は、一対の基部34Aの間に配置される。押下ローラ33の右端は、基部341Aによって支持される。押下ローラ33の左端は、基部342Aによって支持される。架設部材35は、一対の第2延設部34Cの上流側の部分に配置される。架設部材35の左端は、第2延設部341Cによって支持される。架設部材35の左端は、第2延設部342Cによって支持される。
図6、図7に示すように、押下ローラ30は、左右方向に延びる歯車である。押下ローラ30は、左右方向に貫通する穴部を有する。軸部材30Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材30Cの右端は、第1延設部341Bの下流側の端部の近傍に設けられた穴部に嵌る。図示されていないが、軸部材30Cの左端は、第1延設部342Bの下流側の端部の近傍に設けられた穴部に嵌る。押下ローラ30は、軸部材30Cに対して回転可能である。押下ローラ31は、左右方向に延びる円筒体である。押下ローラ31は、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材31Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材31Cの右端は、第1延設部341Bのうち、軸部材30Cが嵌る穴に対して上流側且つ上側に設けられた穴部に嵌る。軸部材31Cの左端は、第1延設部342Bのうち、軸部材30Cが嵌る穴に対して上流側且つ上側に設けられた穴部に嵌る。押下ローラ31は、軸部材30Cに対して回転可能である。押下ローラ32は、左右方向に延びる円筒体である。押下ローラ32は、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材32Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材32Cの右端は、第1延設部341Bのうち、軸部材31Cが嵌る穴に対して上流側且つ下側に設けられた穴部に嵌る。軸部材32Cの左端は、第1延設部342Bのうち、軸部材31Cが嵌る穴に対して上流側且つ下側に設けられた穴部に嵌る。押下ローラ32は、軸部材32Cに対して回転可能である。押下ローラ33は、左右方向に延びる円筒体である。押下ローラ33は、軸線に沿って貫通する穴部を有する。軸部材33Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。軸部材33Cの右端は、基部341Aに設けられた穴部に嵌る。軸部材33Cの左端は、基部342Aに設けられた穴部に嵌る。押下ローラ33は、軸部材33Cに対して回転可能である。架設部材35は、第2延設部341Cの上流側の端部分と、第2延設部342Cの上流側の端部分との間に亙って延びる。
図7に示すように、押下ローラ30、32は水平に並ぶ。押下ローラ30、32の下端は、第1延設部341Bの下端よりも下方に僅かに突出する。押下ローラ31は、押下ローラ30、32よりも上側に配置される。押下ローラ31の上端は、第1延設部341Bの上端よりも上方に僅かに突出する。押下ローラ33は、押下ローラ31よりも上側、且つ、押下ローラ30〜32よりも上流側に配置される。以下、一対の支持部材34、押下ローラ30〜33、及び、架設部材35を、「押下機構39」という。
図2に示すように、モータ221は、キャリッジ349,350を介して、押下機構39を上下方向に移動可能である。図15は、押下機構39が最上位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち、第3延設部342Dは、フィルムロール22の上流側かつ下側の近傍に配置される。第1延設部34B(342B及び第2延設部34C(342C)は、フィルムロール22よりも下方に配置される。押下ローラ30〜32は、フィルムロール22の下側に配置される。押下ローラ33は、繰り出しローラ654Bの下方に配置される。押下ローラ33と繰り出しローラ654Bとは、鉛直方向に並ぶ。フィルムロール22から繰り出されたフィルム24は、繰り出しローラ654A、654Bの間を通過し、押下ローラ33の上流側の部分に接触して更に下方まで延びる。繰り出しローラ654A、654Bがフィルム24を挟んだ状態において、フィルム24は、繰り出しローラ654Aの周壁の下流側の部分、及び、繰り出しローラ654Bの周壁の上流側の部分に接触する。又、フィルム24は、押下ローラ33の周壁の上流側の部分に接触する。
図19は、押下機構39が最下位に配置された状態を示す。この状態で、一対の支持部材34の支持部材342のうち第1延設部34B(342B)は、搬送経路103の下側に配置される。一対の第1延設部34Bによって支持される押下ローラ30〜32は、搬送経路103の下側に配置される。第2延設部342Cは、搬送経路103を挟んで第1延設部34B(342B)の上側に配置される。押下ローラ33及び架設部材35は、搬送経路103の上側に配置される。隙間3414、3424(図6、図7参照)は、搬送経路103に沿って配置される。以下、一対の支持部材34の移動に伴う押下ローラ30の移動経路を、「移動経路104」という。搬送経路103と移動経路104とが交差する位置を、「交差位置105」という。
<台座ガイド部材71、保持部材72>
図8、図9に示すように、側板部材111,112(図2参照)で挟まれる部分の上流側、且つ搬送経路103(図15参照)の下側に、台座ガイド部材71が設けられる。台座ガイド部材71は、搬送経路103に下側から接する平面部71Aを有する。平面部71Aは、搬送経路103に沿って上流側から下流側に搬送される台座2を、受け台12,13間で下方から支持し、受け台12から受け台13に誘導する。台座ガイド部材71の下流側の上端部に、下流側に延びる複数の凹凸部が設けられる。複数の凹凸部は、左右方向に延びる。以下、台座ガイド部材71のうち、複数の凸部が設けられた下流側の上端部を、「保持部71B」という。台座ガイド部材71は、平面部71Aの下方に支持部70を有する。支持部70は箱状である。支持部70は、平面部71Aを下方から支持する。
図9に示すように、支持部70の左右側面の外側に、一対の支持部材78が設けられる。一対の支持部材78は、台座ガイド部材71の支持部70の左右側面から左右外側に突出する突出部70Dを支点として、回転可能である。一対の支持部材78のうち、突出部70Dによって支持された側と反対側に、保持部材72が設けられる。保持部材72の形状は、左右方向に延びる略四角柱である。保持部材72の左右端部は、一対の支持部材78によって支持される。保持部材72は、複数の凹凸部を有する。複数の凹凸部は左右方向に延びる。
一対の支持部材78は、モータ226(図12参照)によって回転する。一対の支持部材78の回転によって、保持部材72は、搬送経路103の下側を移動し、台座ガイド部材71の保持部71Bに近接した状態(図8、図9参照)と、台座ガイド部材71の保持部71Bから下方に離隔した状態(図10、図11参照)とに切り替わる。保持部材72が台座ガイド部材71の保持部71Bに近接した場合、保持部材72の凹凸部と、保持部71Bの凹凸部とは嵌合する。このとき、フィルムロール22から供給されたフィルム24が、それぞれの複数の凹凸によって挟まれ、搬送経路103の下側で保持される。
以下、台座ガイド部材71の保持部71Bに保持部材72が近接したときの一対の支持部材78の位置(図8、図9参照)を、「近接位置」という。台座ガイド部材71の保持部71Bから保持部材72が離隔したときの一対の支持部材78の位置(図10、図11参照)を、「離隔位置」という。
<加熱機構86>
図9に示すように、台座ガイド部材71の支持部70の下流側に、加熱機構86が設けられる。加熱機構86は、5つの加熱ユニット861、及び、支持部材862を有する。各加熱ユニット861は略直方体状である。各加熱ユニット861は、上面にヒータ861A(図12参照)を有する。ヒータ861Aは、電流を流すことによって加熱する抵抗加熱方式のヒータである。支持部材862は、5つの加熱ユニット861を下方から支持する。支持部材862は、下流側の側面の右端にラックギヤ862Aを有する。ラックギヤ862Aは、下流側に歯を向けた状態で、上下方向に延びる。支持部材862の下流側に、モータ223(図12参照)が設けられる。モータ223の回転軸に接続するピニオンギヤは、ラックギヤ862Aに噛合する。モータ223が回転することによって、支持部材862は上下方向に移動する。これによって、5つの加熱ユニット861も上下方向に移動する。5つの加熱ユニット861が最下位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103(図15参照)から下方に離隔する。一方、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された場合、それぞれの上面のヒータ861Aは、搬送経路103よりも僅かに上方に配置される。
蓋部材87は、台座ガイド部材71の支持部70の下流側に設けられる。蓋部材87は略長方形状の板状部材である。蓋部材87の長手方向は左右方向に延びる。蓋部材87は、支持部70の下流側の側面に、回転可能に支持される。蓋部材87の平面は、5つの加熱ユニット861が最下位に配置された状態で、略水平に延びる。蓋部材87は、各加熱ユニット861の上側のヒータ861Aを上方から覆う。一方、各加熱ユニット861は、最下位から最上位に向けて移動する過程で蓋部材87に下方から接触する。各加熱ユニット861は、蓋部材87を上方に押し上げる。蓋部材87は回転する。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態で、蓋部材87は、各加熱ユニット861の上側のヒータ861Aを上方から覆わない。
<抑制機構80>
抑制機構80は、加熱機構86よりも下流側に設けられる。抑制機構80は、グリップローラ81、軸部材81C、及び、電磁ブレーキ82(図10参照)を備える。グリップローラ81は、左右方向に延びる歯車である。グリップローラ81は、搬送経路103(図15参照)よりも下側に配置される。グリップローラ81の左右方向の長さは、押下機構39の押下ローラ30(図7参照)の左右方向の長さと略等しい。
グリップローラ81は、回転中心に沿って左右方向に貫通する穴部を有する。軸部材81Cは、穴部を貫通して左右方向に延びる。グリップローラ81は、左右両端に配置されるカラー81Dによって、軸部材81Cに対する左右方向の位置が固定されている。軸部材81Cは、左右全域に亘ってDカットされている。軸部材81Cの左右両端部は回転可能に支持されている。グリップローラ81は、軸部材81Cが回転したとき、軸部材81Cと連動して回転する。
電磁ブレーキ82は、軸部材81C及びグリップローラ81の回転を抑制する力を、軸部材81Cに付与可能である。つまり、電磁ブレーキ82は、軸部材81C及びグリップローラ81の回転トルクを調整できる。電磁ブレーキ82の駆動方式は、摩擦板式である。電磁ブレーキ82は、通電される電流に応じて、軸部材81C及びグリップローラ81の回転トルクを調整できる。なお、電磁ブレーキ82の駆動方式は摩擦板式に限定されず、他の駆動方式であってもよいことは言うまでもない。例えば、電磁ブレーキ82として取り得る他の駆動方式として、噛み合い式、空隙式(パウダ式、ヒステリシス式、インダクション式)等が挙げられる。
図10、図11は、押下機構39が最下位に移動したときの状態を示す。軸部材81Cは、最下位に配置された状態の支持部材341の第1延設部341Bよりも下側に配置される。グリップローラ81は、最下位に配置された状態の押下機構39の押下ローラ30に近接する。この状態で、グリップローラ81の歯車と、押下ローラ30の歯車とは嵌合する。例えばこの状態で、電磁ブレーキ82に通電された場合、通電される電流値に応じた大きさの回転トルクが、グリップローラ81、及び、押下ローラ30に作用する。
<切断部77>
図8、図9に示すように、グリップローラ81の上流側、且つ、搬送経路103の下側に、左右方向に延びるガイドレール74が設けられる。切断部77は左右方向に貫通する穴を有する。図9に示すように、切断部77は、ガイドレール74に沿って左右方向に移動可能である。ガイドレール74の左端よりも左側に、モータ225が設けられる。モータ225は、連結ギヤ772及びベルト(図示略)を介して、切断部77に接続する。モータ225は、切断部77をガイドレール74に沿って左右方向に移動させることができる。図11に示すように、切断部77は、上方に向けて突出し且つ左右方向に延びる刃部771を備える。押下機構39が最下位に配置された場合、切断部77の刃部771は、押下ローラ30、32との間、及び、押下ローラ31の下側に配置される。
<フィルム移動機構25>
図9に示すように、フィルム移動機構25は、保持部材261、262、及び、移動部材27を有する。保持部材261、262の形状は左右対称である。以下、保持部材261について説明し、保持部材262についての説明は省略する。保持部材261の形状は細長い板状である。保持部材261の各面は左右方向を向く。保持部材261は、第1部分261A及び第2部分261Bを有する。第1部分261Aは直線状に延びる。第2部分261Bは、第1部分261Aの一端部から略円弧状に湾曲して延びる。第1部分261Aのうち、第2部分261Bが接続する端部と反対側の端部は、抑制機構80の下方の支持板29に回転可能に支持される。支持板29に固定されたモータ224は、保持部材261の第1部分261Aのうち、第2部分261Bが接続する端部と反対側の端部に、連結ギヤ28を介して連結する。連結ギヤ28は、モータ224の回転駆動力を保持部材261に伝達させることによって、保持部材261、262を回転させることができる。
保持部材262は、第1部分262A及び第2部分262Bを有する。第1部分262A及び第2部分262Bは、それぞれ、保持部材261の第1部分261A及び第2部分261Bに対応する。第1部分262Aのうち、第2部分262Bが接続する端部と反対側の端部は、抑制機構80の下方の支持板に回転可能に支持される。保持部材261、262は、グリップローラ81の左右方向の長さと略同一長さ分、左右方向に離隔する。第2部分261Bのうち、第1部分261Aが接続する側と反対側の端部と、第2部分262Bのうち、第1部分262Aが接続する側と反対側の端部との間に、移動部材27が架設される。移動部材27は、細長い棒状である。以下、保持部材261、262を総称して、「保持部材26」という。
図8、図9は、モータ224の回転に応じて保持部材26が時計周りに回転した状態を示す。この状態で、保持部材26の第1部分261A、262Aは、グリップローラ81の下方からグリップローラ81の下流側まで、下流側斜め上方向に延びる。第2部分261B、262Bは、第1部分261A、262Aの上端から、グリップローラ81、ガイドレール74、及び、加熱機構86の上側を通って上流側に延びる。移動部材27は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下側に配置される。以下、図8、図9におけるフィルム移動機構25の位置を、「退避前位置」という。
図10、図11は、モータ224の回転に応じて保持部材26が反時計回りに回転した状態を示す。この状態で、保持部材26の第1部分261A、262Aは、グリップローラ81の下方から、下流側斜め下方向に延びる。第2部分261B、262Bは、第1部分261A、262Aの下端から上側に向けて延びる。移動部材27は、グリップローラ81よりも下流側且つ下側に配置される。以下、図10、図11におけるフィルム移動機構25の位置を、「退避後位置」という。移動部材27は、フィルム移動機構25が退避前位置(図8、図9参照)から退避後位置(図10、図11参照)まで移動する過程で、搬送経路103の下側に配置された状態から、一旦搬送経路103の上側に移動する。移動部材27は、その後、再び搬送経路103の下側まで移動する。
<センサ205>
センサ205(図12参照)は、受け台13の内部空間に設けられる。センサ205は、ベルト512の下方に設けられた非接触式センサ(反射型センサ)である。センサ205は、ベルト512に設けられた反射板を検出可能である。
<台座2>
図1を参照し、台座2について説明する。台座2は略長方形状の板状部90を、曲折部911,912で折り曲げることによって作製される。曲折部911,912は、左右方向に間隔を空けて並ぶ、搬送方向に延びる折り目である。板状部90のうち曲折部911,912間の部分を、「第1板状部905」という。板状部90のうち曲折部911から立設する部分を、「第2板状部906」という。板状部90のうち曲折部912から立設する部分を、「第2板状部907」という。第1板状部905は、曲折部911,912に沿って均等間隔で形成された複数の穴927を有する。曲折部911に形成された複数の穴927は、それぞれ、曲折部912に形成された複数の穴927の何れかと左右方向に並ぶ。
複数の穴927は、それぞれ搬送部60を取り付け可能である。具体的には、図1に示すように、作業者は台座2を受け台12に載置する場合、複数の穴927のうち搬送方向の下流側にある一対の穴927に、それぞれ搬送部60を取り付ける。これにより、一対の穴927に取り付けられた搬送部60は、台座2を搬送方向の下流側に搬送できる。
<電気的構成>
図12を参照し、包装装置1の電気的構成を説明する。包装装置1は、CPU201、フラッシュメモリ202、RAM203、センサ58、205、操作部206、表示部207、電磁ブレーキ82、ヒータ861A、及び、ソレノイド16Cを備える。CPU201は、包装装置1全体の制御を司る。CPU201は、フラッシュメモリ202に記憶されたプログラムを実行することによって、台座2に載置された物品3をフィルム24によって包装する処理を実行する。フラッシュメモリ202は、CPU201が実行する後述の各種処理のプログラム、及び、後述するテーブル202A(図13参照)等を記憶する。
包装装置1は、駆動部211〜217、モータ221〜227、エンコーダ232を備える。駆動部211〜217は、それぞれ、モータ221〜227にパルス信号を出力することによって、モータ221〜227を駆動する。モータ221〜227はDCモータである。エンコーダ232は、モータ222の回転に応じた数のパルス信号を出力する。CPU201は、フラッシュメモリ202、RAM203、センサ58、205、操作部206、表示部207、電磁ブレーキ82、ソレノイド16C、ヒータ861A、駆動部211〜217、及び、エンコーダ232と電気的に接続する。駆動部211〜217は、それぞれ、モータ221〜227と電気的に接続する。
<テーブル202A>
図13を参照し、テーブル202Aについて説明する。テーブル202Aには、グリップローラ81によってフィルム24に作用させる負荷(第1負荷、及び、第2負荷)を算出するために必要な係数が格納される。第1負荷に対応する係数(以下、「第1係数」という。)は、フィルム24の種類(「Type−A」「Type−B」)、フィルム24の幅(「W1」「W2」「W3」)、及び、フィルム24の張力(「p1」「p2」「p3」「p4」「p5」)毎に関連付けられている(「AW1p1」「AW1p2」・・・)。なお、図13において、フィルム24の幅W1〜W3は、W1>W2>W3の関係を満たす。フィルム24の張力p1〜p5は、p1<p2<p3<p4<p5の関係を満たす。第2負荷に対応する係数(以下、「第2係数」という。)として、フィルム24の種類、幅、及び、張力に関わらず「k」が格納される。
テーブル202Aに格納された係数は、負荷を算出可能な所定の第1算出式に適用される。CPU201は、テーブル202Aの第1係数を第1算出式に適用することによって、フィルム24の種類、幅、及び、張力に応じた第1負荷を算出する。CPU201は、テーブル202Aの第2係数を第1算出式に適用することによって第2負荷を算出する。
なお、テーブル202Aに格納された係数に基づいて第1負荷が算出される場合において、フィルム24の幅が大きい程、大きい負荷が算出される。具体的には、例えば、フィルム24の種類「Type−A」、及び、フィルム24の張力「p1」に関連付けられた第1係数「AW1p1」「AW2p1」「AW3p1」に基づいて算出される第1負荷を、それぞれ、N(AW1p1)、N(AW2p1)、N(AW3p1)と表記する。この場合、N(AW1p1)>N(AW2p1)>N(AW3p1)の関係が成立する。このように、フィルム24の種類及びフィルム24の張力が共通する場合、テーブル202Aの第1係数に基づいて算出される第1負荷の大きさは、フィルム24の幅が大きくなる程、大きくなる。
又、テーブル202Aに格納された第2係数に基づいて算出される第2負荷は、フィルム24の種類、幅、及び、張力が変化した場合でも、常に、第1係数に基づいて算出される第1負荷より大きくなる。
<包装処理>
図14〜図23を参照し、包装装置1のCPU201によって実行される包装処理(図14参照)について説明する。なお、包装装置1の電源が投入される前に、フィルムロール22(図5参照)が装着部材141、142(図4参照)に装着されていることを前提とする。CPU201は、包装装置1に電源が投入された場合、フラッシュメモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、包装処理を開始する。なお、図15から図23は、図2におけるA−A線の矢視方向断面図を示す。
図14に示すように、CPU201は、包装装置1の状態を初期化する(S1)。具体的には次の通りである。CPU201は、駆動部211を制御することによってモータ221を駆動し、押下機構39を上昇させて最上位に配置させる。一対の支持部材34によって支持された押下ローラ30〜33は、最上位に配置される(図15参照)。CPU201は、駆動部212を制御することによってモータ222を駆動し、搬送機構50のベルト511、512(図15参照)を回転させる。CPU201は、センサ205(図12参照)が反射板を検出した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止する。これによって、受け台12の受け面12A(図3参照)から搬送部60が上方に突出した状態とする(図15参照)。包装装置1は、ユーザが受け台12の受け面12Aに台座2をセットできる状態になる。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させて最下位に配置させる。各加熱ユニット861のヒータ861Aは、搬送経路103から下方に離隔する(図15参照)。CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を時計回りに回転させる。これによって、フィルム移動機構25は退避前位置に配置される(図15参照)。CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、切断部77を左側に移動させる。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を離隔位置に移動させる。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bに対して下方に離隔した状態となる。CPU201は、電磁ブレーキ82に対する通電を停止させる。これによって、グリップローラ81は自由に回転することが可能な状態になる。CPU201は、ヒータ861Aに対する通電を停止する。
ユーザは、フィルムロール22からフィルム24を下方に引き出す。ユーザは、繰り出しローラ654A、654Bによってフィルム24を搬送方向の両側から挟む。ユーザは、押下ローラ33の上流側にフィルム24を通す。ユーザは、搬送経路103(図15参照)の下側、且つ、台座ガイド部材71の保持部71Bの下流側に、フィルム24の先端を配置させる(図15参照)。ユーザは、受け台12上に台座2を載置させる(図15参照)。台座2は搬送部60によって位置決めされる。台座2の第1板状部905の辺901は下流側に配置され、辺902は上流側に配置される。台座2の第1板状部905上に物品3が載置される(図15参照)。
ユーザは、フィルム24の種類(「Type−A」又は「Type−B」)を選択する入力操作を、操作部206に対して行う。CPU201は、操作部206に対する入力操作に基づき、選択された種類を取得する(S3)。ユーザは、フィルム24の幅(「W1」「W2」「W3」の何れか)を選択する入力操作を、操作部206に対して行う。CPU201は、操作部206に対する入力操作に基づき、選択された幅を取得する(S5)。ユーザは、フィルム24の張力(「p1」〜「p5」の何れか)を選択する入力操作を、操作部206に対して行う。CPU201は、操作部206に対する入力操作に基づき、選択された張力を取得する(S7)。CPU201は、テーブル202A(図13参照)のうち、取得された種類、幅、及び、張力に関連付けられた第1係数を特定する。CPU201は、特定された第1係数を第1算出式に適用し、第1負荷を決定する。又、CPU201は、テーブル202Aの第2係数を第1算出式に適用し、第2負荷を決定する(S9)。CPU201は、決定した第1負荷及び第2負荷を、RAM203に記憶する。CPU201は処理をS9に進める。
ユーザは、準備ができたことを包装装置1に通知するための入力操作を、操作部206を介して行う。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を近接位置に移動させる。保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下流側に近接する(図15参照)。フィルムロール22から引き出されたフィルム24の先端は、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって搬送方向両側から挟まれる。フィルム24と搬送経路103とは、フィルム24の先端部分で交差する。フィルム24は上下方向に延びる。
CPU201は、包装の開始指示が入力されたか判断する(S11)。CPU201は、包装の開始指示が入力されていない場合(S11:NO)、処理をS11に戻す。ユーザが操作部206を介して包装の開始指示を入力した場合、CPU201は、包装の開始指示が入力されたと判断する(S11:YES)。CPU201は、ソレノイド16Cを駆動して連結ギヤ652(図5参照)を繰り出し位置に移動させる(S13)。CPU201は、駆動部217を制御してモータ227を回転させる。繰り出しローラ654Bは、モータ227の回転に応じて回転する。フィルム24は、繰り出しローラ654A、654B(図5参照)によってフィルムロール22から強制的に繰り出される(S15、矢印171、図15参照)。CPU201は、後述するS37の処理によって連結ギヤ652を巻き取り位置に移動させるまでの間、繰り出しローラ654A、654Bによってフィルム24を継続的に繰り出す。このため、フィルム24は弛む。
CPU201は駆動部212を制御する。CPU201は、モータ222を正方向に回転させる。ベルト511、512は正方向(図15における矢印181の方向)に回転する。搬送部60は、搬送経路103に沿って台座2を上流側から下流側に搬送する(S17)。台座2の第1板状部905の下流側の端部(辺901)はフィルム24に接触し、その後、保持部材72上を通過する(図16における矢印182)。台座2の第1板状部905の辺901は、フィルム24を下流側に押す。台座2の第1板状部905の辺901は、上流側から移動経路104に近づき、5つの加熱ユニット861の上方を通過する(図16参照)。なお、フィルム24は、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって、先端が挟持されている。台座2の第1板状部905の辺901によってフィルム24が下流側に押されることで、フィルム24の先端は台座2の第1板状部905の下面に回り込む。
台座2が下流側に搬送されることによって、台座2の第1板状部905の辺901は、搬送経路103と移動経路104とが交差する交差位置105を上流側から下流側に向けて横切る。台座2は更に下流側に移動する。図17に示すように、フィルムロール22から延びるフィルム24は、押下ローラ33によって曲折して下流側に延び、台座2の第1板状部905の辺901及び物品3の下流側に至る。台座2の第1板状部905及び物品3の上側を覆う位置にフィルム24が配置される。押下ローラ30〜32は、台座2及び物品3の上方に延びるフィルム24の上方に配置された状態になる。
図14に示すように、CPU201は、S17の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、台座2の搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺901が、最上位に配置された状態での5つの加熱ユニット861の上方位置に対して所定距離分下流側に移動したか否かを、特定したモータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺901が、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも下流側に所定距離分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の下流側への搬送を停止させる(S19)。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を上昇させる(S21)。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、5つの加熱ユニット861の上昇を停止させる。図17に示すように、5つの加熱ユニット861が最上位まで上昇(矢印183)した場合、5つの加熱ユニット861のそれぞれの上側は、搬送経路103に下方から近接し、搬送経路103よりも僅かに上側に配置された状態になる。台座2の第1板状部905の辺901は、5つの加熱ユニット861の上方位置よりも所定距離分下流側に移動しており、台座2の第1板状部905の下面には、フィルム24が回り込んでいる。従って、5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態で、5つの加熱ユニット861の上側は、台座2の第1板状部905の下面との間にフィルム24を挟んだ状態になる。
図14に示すように、CPU201は、ヒータ861Aを加熱させる(S23)。ヒータ861Aは、フィルム24の先端部分を加熱し、溶融する。溶融されたフィルム24の先端部分は、台座2に溶着する(S23)。CPU201は、ヒータ861Aの加熱を開始してから所定時間経過後、ヒータ861Aの加熱を停止する。
CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させる(S25、矢印184(図18参照))。各加熱ユニット861の上側は、搬送経路103から離隔する。5つの加熱ユニット861が最下位に配置された後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、5つの加熱ユニット861の下降を停止させる。
CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を離隔位置に移動させる(S27)。図18に示すように、一対の支持部材78が矢印185の方向に回転することによって、保持部材72は、台座ガイド部材71の保持部71Bに対して下方に離隔する。台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とは、挟んだ状態のフィルム24の先端部分を解放する。
図14に示すように、CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を駆動する。CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転するように、モータ222を正方向に回転させる。台座2は下流側に搬送される(S29、矢印186(図18参照))。フィルム24の先端部分は、S23の処理によって、台座2に接着した状態となっている。このため、台座2の下流側への移動に応じて、フィルム24の先端部分は、下流側に移動する。なお、切断部77を移動させるためのガイドレール74は、搬送経路103の下側に配置されており、フィルム24の先端部分に下側から接触する。このため、フィルム24の先端部分は、台座2の移動に伴って移動するとき、搬送経路103に沿って下流側に延びた状態となる。
図18に示すように、搬送部60は受け台13上に移動し、台座2の下流側は受け台13上まで搬送される。台座2の第1板状部905の上流側の端部(辺902)が、台座ガイド部材71上を通過する。台座2の第1板状部905の辺902は、交差位置105を上流側から下流側に横切る。
CPU201は、S29の処理によって台座2の下流側への搬送を開始させた後、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、台座2の搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が、交差位置105に対して所定距離分下流側に移動したか否かを、特定したモータ222の回転数に基づいて判断する。CPU201は、台座2の第1板状部905の辺902が、交差位置105に対して所定距離分下流側に移動したと判定した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の下流側への搬送を停止させる(S31)。
CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を退避前位置から退避後位置まで移動させる(S33)。フィルム移動機構25の移動部材27は、台座ガイド部材71の保持部71Bの下側から、搬送経路103よりも上側に一旦移動する。移動部材27は、その後、搬送経路103よりも下側に再度移動し、グリップローラ81よりも下流側、且つ、搬送経路103の下側に配置される(矢印187、図18参照)。移動部材27は、搬送経路103の上側から下側に移動する過程で、フィルム24の先端部分を、搬送経路103の下側、且つ、移動経路104よりも下流側に移動させる。
CPU201は、駆動部211を制御してモータ221を駆動し、押下機構39を最下位に移動させる(S35)。押下ローラ30は、移動経路104に沿って最上位から最下位に移動する。押下ローラ30,32は、移動の過程で、下方に配置された状態のフィルム24に上側から接触し、フィルム24を下方に押し下げる(矢印188、図19参照)。フィルム24は、台座2の第1板状部905及び物品3の下流側、上側、及び上流側を覆う。 図19に示すように、押下機構39が最下位に配置された状態で、グリップローラ81の歯車は、押下ローラ30の歯車に嵌合する。フィルム24は、グリップローラ81と押下ローラ30との間に挟まれる。押下ローラ31は、搬送経路103に対して下側から接する。
図14に示すように、CPU201は、ソレノイド16Cを駆動して連結ギヤ652(図5参照)を巻き取り位置に移動させる。なお、S1の初期化処理において、電磁ブレーキ82に対する通電は停止されている。このため、グリップローラ81及び押下ローラ30は回転可能な状態である。このため、モータ227の回転に応じて、フィルム24はフィルムロール22に巻き取られる(S37、矢印172、図19参照)。フィルム24に張力が作用する。フィルム24に作用する張力によって、台座2及び物品3にフィルム24が密着する。CPU201は、所定時間後、駆動部217を制御してモータ227の回転を停止させる。これによって、フィルムロール22へのフィルム24の巻き取りは停止する(S39)。CPU201は、ソレノイド16Cを駆動して連結ギヤ652(図5参照)を繰り出し位置に移動させる(S41)。これによって、モータ227が、モータギヤ670、連結ギヤ652、第1プーリ、伝達ベルト653、及び、第2プーリを介して、繰り出しローラ654Bに連結した状態となる。つまり、モータ227の回転駆動力を連結ギヤ651に伝達することが可能な状態となる。一方、モータ227と連結ギヤ651とは連結されない状態になる。つまり、モータ227の回転駆動力が繰り出しローラ654Bに伝達されない状態となる。
CPU201は、S9の処理によって決定された第1負荷を、RAM203から読み出す。CPU201は、所定の第2算出式に読み出された第1負荷を適用することによって、電磁ブレーキ82に通電させる電流の電流値を特定する。以下、第1負荷に基づいて特定される電流値を、「第1電流値」という。CPU201は、特定された第1電流値の電流を電磁ブレーキ82に通電させる。この場合、電磁ブレーキ82に接続するグリップローラ81に対し、第1電流値に応じた回転トルク(以下、「第1回転トルク」)が作用する(S43)。
CPU201は、ベルト511、512が逆方向に回転するように、モータ222を逆方向に回転させる(S45)。台座2は、下流側から上流側に移動する(矢印189、図20参照)。台座2の第1板状部905の辺902は、フィルム24に接触して上流側に押す。台座2の第1板状部905の辺902の左右両側の部分は、押下機構39の第1延設部34B(342B)と第2延設部34C(342C)との間の隙間3414、3424(図6等参照)に下流側から進入する。第2延設部34C(342C)は、台座2の第1板状部905を上側から押え、台座2が上方に持ち上がることを抑制する。
台座2の第1板状部905の辺902は、下流側から交差位置105に近づく。台座2の第1板状部905の辺902は、下流側から上流側に向けて交差位置105を横切る。押下機構39の押下ローラ31は、台座2の下面に接触し、第1延設部34B(342B)と第2延設部34C(342C)との間の隙間3414、3424(図6等参照)に沿って台座2を上流側に誘導する。台座2の第1板状部905の辺902は、5つの加熱ユニット861の上方位置を通過し、上流側に移動する。更に台座2は上流側に移動する。台座2は、5つの加熱ユニット861の上方位置を通過し、上流側に移動する。
台座2が上流側に移動する過程で、フィルム24は、台座2の第1板状部905の上流側の部分の下側に回り込む。台座2の下側に回り込む分のフィルム24が不足することになる。このため、不足分のフィルム24を補うために、フィルム24は、フィルムロール22から繰り出されるときの移動方向(矢印173(図21参照)の方向。以下、「繰り出し方向」という。)に移動しようとする。しかし、フィルム24は、グリップローラ81及び押下ローラ30の間に挟まれている。又、S43の処理によってグリップローラ81に第1回転トルクが作用している。このため、フィルム24の繰出し方向への移動は、グリップローラ81及び押下ローラ30によって抑制される。又、グリップローラ81からフィルム24に対して、繰り出し方向に対して反対側の方向(矢印174(図20、図21参照)の方向。以下、「反対方向」という。)に第1負荷が作用する。これによって、フィルム24に張力が付与され、物品3にフィルム24が密着する(図20参照)。
CPU201は、エンコーダ232から出力されるパルス信号に応じて、S45の処理によって台座2の上流側への搬送を開始してからのモータ222の回転数を特定する。CPU201は、特定した回転数に基づいて、5つの加熱ユニット861の上方位置に対して台座2が所定距離分上流側に移動したか判断する。CPU201は、台座2が5つの加熱ユニット861の上方位置よりも上流側に所定距離分移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる(S47)。
CPU201は、S9の処理によって決定された第2負荷を、RAM203から読み出す。CPU201は、第2算出式に読み出された第2負荷を適用することによって、電磁ブレーキ82に通電させる電流の電流値を特定する。以下、第2負荷に基づいて特定される電流値を、「第2電流値」という。CPU201は、特定された第2電流値の電流を電磁ブレーキ82に通電させる。この場合、電磁ブレーキ82に接続するグリップローラ81に対し、第2電流値に応じた回転トルク(以下、「第2回転トルク」という。)が作用する(S49)。なお、第2回転トルクは、第1電流値の電流が電磁ブレーキ82に通電された場合の回転トルクである第1回転トルクよりも大きい。グリップローラ81からフィルム24に対して、反対方向に第2負荷が作用する。つまり、フィルム24に対して作用する反対方向の負荷が、第1負荷から第2負荷に変更される。なお、第1負荷よりも第2負荷の方が大きいので、フィルム24の繰出し方向への移動は、第1負荷がフィルム24に作用している状態よりもさらに強く抑制される。フィルム24は、グリップローラ81及び押下ローラ30に対して移動不能となる。
CPU201は、駆動部215を制御してモータ225を駆動し、ガイドレール74(図10参照)に沿って切断部77を左側から右側に移動させる。切断部77が右側に移動することによって、フィルム24は、グリップローラ81の歯車と、押下ローラ30の歯車との間に挟まれた部分よりもフィルムロール22側、且つ、押下ローラ30、32間を延びる部分で、刃部771によって切断される(S51)。切断部77は、フィルム24のうち台座2の第1板状部905及び物品3を覆った部分を、フィルムロール22側から切り離す。
フィルム24の切断後、フィルム24のうちフィルムロール22側から切り離された部分は、フィルム24に作用する張力によって、グリップローラ81及び押下ローラ30によって挟まれた部分から抜けようとする。しかし、グリップローラ81の歯車及び押下ローラ30の歯車が嵌合してフィルム24を間に挟んでいる。又、電磁ブレーキ82によって、第1回転トルクよりも大きい第2回転トルクがグリップローラ81に作用している。このため、フィルム24は、グリップローラ81及び押下ローラ30によって挟まれた部分から抜けない。
一方、フィルムロール22から延びるフィルム24のうち切断された端部は、台座ガイド部材71の下流側に垂れ下がる。CPU201は、駆動部216を制御してモータ226を駆動し、一対の支持部材78を近接位置に移動させる(S53)。図22に示すように、一対の支持部材78は矢印190の方向に揺動する。台座ガイド部材71の保持部71Bに、保持部材72が近接した状態になる。フィルム24のうち切断部77によって切断された端部は、台座ガイド部材71の保持部71Bと保持部材72とによって挟まれる。
図14に示すように、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を上昇させる(S55)。5つの加熱ユニット861が最上位に配置された状態となった後、CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の駆動を停止し、5つの加熱ユニット861の上昇を停止させる。図22に示すように、5つの加熱ユニット861が最上位まで上昇(矢印191)した状態で、5つの加熱ユニット861の上面は搬送経路103に下方から近接する。5つの加熱ユニット861が最上位に配置されることによって、フィルム24のうちS13の処理による溶着部分に近接する部分(以下、「第1部分」という。)と、S37の処理による切断部分に近接する部分(以下、「第2部分」という。)とが、台座2と5つの加熱ユニット861との間に挟まれる。
図14に示すように、CPU201は、ヒータ861Aを加熱させる(S57)。ヒータ861Aは、フィルム24の第2部分を加熱し、溶融する。溶融されたフィルム24の第2部分は、フィルム24の第1部分に溶着する。CPU201は、ヒータ861Aの加熱を開始してから所定時間経過後、ヒータ861Aの加熱を停止する。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223を駆動し、5つの加熱ユニット861を下降させる(S59、矢印192(図23参照))。各加熱ユニット861の上面は、搬送経路103から離隔する。CPU201は、駆動部213を制御してモータ223の回転を停止させる。
CPU201は、電磁ブレーキ82に対する通電を停止させる。これによって、グリップローラ81は回転可能な状態となる(S61)。CPU201は、駆動部212を制御してモータ222を駆動する。CPU201は、ベルト511、512が正方向に回転するように、モータ222を正方向に回転させる。台座2は、下流側に搬送される(S63、矢印193(図23参照))。包装が完了した台座2及び物品3は、下流側に搬送される。CPU201は、駆動部211を制御してモータ221を駆動し、押下機構39を最下位から最上位に移動させる(S65)。押下ローラ30は、移動経路104に沿って最下位から最上位に移動する。CPU201は、駆動部214を制御してモータ224を駆動し、フィルム移動機構25を時計回りに回転させる。これによって、フィルム移動機構25は退避前位置に配置される(S67)。CPU201は包装処理を終了させる。
<本実施形態の主たる作用、効果>
以上説明したように、包装装置1のCPU201は、台座2及び物品3を下流側に移動させ(S17、S29)、且つ、押下ローラ30によって物品3の上側にフィルム24を誘導する(S35)ことによって、物品3の周囲をフィルム24によって覆う。次に、CPU201は、台座2及び物品3を上流側に移動させることによって、物品3にフィルム24を密着させる(S45)。ここで、CPU201は、台座2及び物品3を上流側に移動させる期間、抑制機構80のグリップローラ81と押下ローラ30との間でフィルム24を挟み、電磁ブレーキ82によってグリップローラ81に第1回転トルクを作用させる。これによって、フィルム24には反対方向に第1負荷が作用し、台座2が上流側に移動するときにフィルム24が繰り出し方向に移動することが抑制される。この場合、台座2及び物品3が上流側に移動することに応じて不足するフィルム24のフィルムロール22からの繰り出しが制限されることになるので、フィルム24には、第1負荷が作用しない場合と比べて強い張力が付与される。このため、CPU201は、フィルム24を物品3に密着させて包装できる。
上記において、CPU201は、フィルムロール22から繰り出されたフィルム24に抑制機構80のグリップローラ81を接触させることによって、フィルム24が繰り出し方向に移動することを抑制する。この場合、包装装置1は、フィルムロール22に残存するフィルム24の残量に関わらず、フィルム24に第1負荷を作用させることができる。一方、従来のように、フィルムロール22を回転させることによってフィルム24に負荷を作用させる場合、フィルムロール22の回転トルクとフィルム24に作用する負荷との関係は、フィルムロール22の径に応じて変化する。この場合、フィルムロール22に一定の回転トルクを作用させた場合でも、フィルム24に作用する負荷が変化することになるので、フィルム24に一定の張力を継続して付与させることができない。これに対し、包装装置1では、グリップローラ81の回転トルクと、フィルム24に作用する負荷との関係は、フィルムロール22の径に依らず一定である。このため、CPU201は、フィルム24の残量に応じた複雑なモータの制御を行う必要がない。従って、包装装置1は、物品3の包装に適切な張力をフィルム24に付与して包装を行うことを、簡易な制御で実行できる。
抑制機構80は、フィルム24のうち切断部77の刃部771によって切断される部分よりもフィルムロール22側と反対側にグリップローラ81を接触させ、フィルム24の繰出し方向への移動を抑制させる。この場合、抑制機構80は、切断部77によってフィルムロール22から切り離されたフィルム24に対して反対方向に負荷を作用させることができる。従って、包装装置1は、切断部77によってフィルム24が切断された場合において、物品3を覆った状態のフィルム24に張力が作用した状態を維持できる。
CPU201は、切断部77によってフィルム24が切断される前に、抑制機構80の電磁ブレーキ82に第2電流値の電流を通電する(S43)。これによって、フィルム24の切断時には、反対方向の第2負荷がフィルム24に作用された状態となり、フィルム24の繰出し方向への移動は禁止される。CPU201は、フィルム24に反対方向の第2負荷が作用した状態で、フィルム24のうち切断された端部を溶着する(S57)。このように、CPU201は、切断部77によってフィルムロール22からフィルム24が切り離された後、フィルム24が台座2に溶着されるまでの間に、グリップローラ81に対するフィルム24の繰出し方向への移動を禁止できる。このため、包装装置1は、物品3を覆った状態のフィルム24に張力が作用した状態でフィルム24を溶着し、物品3をフィルム24によって包装できる。
フィルム24に作用する負荷が共通である場合でも、フィルムの種類、及び、幅に応じて、フィルム24に付与される張力は変化する。一例として、フィルム24に作用する負荷が共通の場合でも、フィルム24の幅が大きい程、フィルムに付与される張力は小さくなる。これに対し、CPU201は、ユーザによって選択されたフィルム24の種類、幅、及び、張力を取得する(S3、S5、S7)。CPU201は、取得された種類、幅、及び、張力に応じた第1係数を、テーブル202Aに基づいて特定し、第1負荷を決定する(S9)。CPU201は、台座2を上流側に搬送する工程において、第1負荷に応じた第1回転トルクをグリップローラ81に作用させることによって、第1負荷をフィルム24に作用させる。ここで、テーブル202Aに基づいて第1係数が特定される場合、フィルム24の幅が大きい程、大きい第1負荷が決定される。このため、CPU201は、フィルム24の幅が変化した場合でも、一定の張力をフィルム24に付与できる。同様に、CPU201は、フィルム24の種類に応じて第1係数を特定できるので、フィルム24の種類が変化した場合でも、一定の張力をフィルムに作用させることができる。更に、CPU201は、選択された張力に応じて第1係数を特定できる。このため、CPU201は、選択された張力に応じた第1負荷をフィルム24に作用させることによって、選択された張力に応じて、フィルム24に付与する張力を変化させることができる。
抑制機構80は、グリップローラ81及び電磁ブレーキ82を有する。グリップローラ81は、下側位置に移動した状態の押下ローラ30との間にフィルム24を挟む。電磁ブレーキ82は、グリップローラ81に回転トルクを作用させる。このため、包装装置1は、台座2及び物品3が上流側に移動するときにグリップローラ81が繰り出し方向へのフィルム24の移動を抑制することによって、反対方向の第1負荷をフィルム24に作用させることができる。又、電磁ブレーキ82は、フィルム24に作用させる負荷大きさを、グリップローラ81の回転トルクを調整することによって容易に変更できる。
連結ギヤ652が巻き取り位置に配置された状態で、モータ227は、連結ギヤ651、及び、フィルムギヤ23Bを介して、フィルムロール22に連結する。この状態において、フィルムロール22からフィルム24が繰り出される方向にフィルムロール22が回転した場合、モータ227は励磁方向と反対方向に回転することになる。このため、台座2が上流側に搬送することに応じて不足したフィルム24を補うために、フィルムロール22からフィルム24を繰り出そうとしても、モータ227がフィルムロール22の回転を阻害する場合がある。又、モータ227が励磁方向と反対方向に回転することによって、モータ227が発熱する場合がある。このため、台座2が上流側に搬送することに応じてフィルム24がフィルムロール22から繰り出される場合、連結ギヤ652は巻き取り位置に配置されていない方が好ましい。
これに対し、CPU201は、台座2を上流側に搬送する(S45)前に、連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させる(S41)。連結ギヤ652が繰り出し位置に配置された場合、モータ227はフィルムロール22に連結しない。このように、包装装置1は、台座2が上流側に移動することに応じたフィルムロール22からのフィルム24の繰り出しが、モータ227によって阻害されることを防止できる。なお、連結ギヤ652が繰り出し位置に移動した状態で、モータ227は、モータギヤ670、連結ギヤ652、第1プーリ、伝達ベルト653、及び、第2プーリを介して、繰り出しローラ654Bに連結される。台座2が上流側に搬送することに応じてフィルム24がフィルムロール22から繰り出された場合、繰り出しローラ654Bは回転し、繰り出しローラ654Bの回転に応じてモータ227も回転する。しかし、モータ227の回転方向は励磁方向と一致する。このため、モータ227は、繰り出しローラ654Bの回転を妨げず、且つ、発熱しない。。
<変形例>
図24を参照し、変形例におけるテーブル202Bについて説明する。テーブル202Bがテーブル202Aと異なる点は、第1係数の代わりに開始タイミングtが格納されている点である。開始タイミングは、時間を示す。開始タイミングtは、張力が大きくなる程、短い値となる。具体的には、例えば、フィルム24の種類「Type−A」、及び、フィルム24の幅「W1」に関連付けられた開始タイミングは、tAW1p1(張力:p1)、tAW1p2(張力:p2)、tAW1p3(張力:p3)、tAW1p4(張力:p4)、tAW1p5(張力:p5)(但し、p1<p2<p3<p4<p5)は、tAW1p1>tAW1p2>tAW1p3>tAW1p4>tAW1p5の関係を満たす。
図25を参照し、変形例における包装処理について説明する。上記実施形態における包装処理(図14参照)と同一の処理については、同一符号を付し、説明を省略する。CPU201は、操作部206に対する入力操作に基づき、選択された種類、幅、及び、張力を取得する(S3、S5、S7)。CPU201は、テーブル202B(図24参照)のうち、取得された種類、幅、及び、張力に関連付けられた開始タイミングtを特定する。又、CPU201は、テーブル202Bの第2係数を第1算出式に適用し、第2負荷を決定する(S9)。CPU201は、開始タイミング及び第2負荷を、RAM203に記憶する。
CPU201は、上記実施形態と異なり、S41の処理によって連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させた直後に、電磁ブレーキ82に対する通電を行わない。CPU201は、ベルト511、512が逆方向に回転するように、モータ222を逆方向に回転させる(S45)。これによって、台座2は下流側から上流側に移動する。CPU201は、開始タイミング及び第2負荷をRAM203から読み出す。CPU201は、S45の処理によって台座2の上流側への搬送を開始してからの経過時間が、開始タイミングよりも大きいか判断する(S461)。CPU201は、経過時間が開始タイミング以下であると判断した場合(S461:NO)、処理をS461に戻す。CPU201は、経過時間が開始タイミングよりも大きいと判断した場合(S461:YES)、処理をS462に進める。
CPU201は、読み出された第2負荷を第2算出式に適用することによって、電磁ブレーキ82に通電させる電流の第2電流値を特定する。CPU201は、特定された第2電流値の電流を電磁ブレーキ82に通電させる(S462)。グリップローラ81からフィルム24に対して、反対方向に第2負荷が作用する。フィルム24の繰出し方向への移動は、グリップローラ81及び押下ローラ30によって禁止される。
CPU201は、5つの加熱ユニット861の上方位置に対して台座2が所定距離分上流側に移動したと判断した場合、駆動部212を制御してモータ222の駆動を停止し、台座2の搬送を停止させる(S47)。CPU201は、フィルム24のうちグリップローラ81の歯車と押下ローラ30の歯車との間に挟まれた部分よりもフィルムロール22側を刃部771によって切断する(S51)。切断部77は、フィルム24のうち台座2の第1板状部905及び物品3を覆った部分を、フィルムロール22側から切り離す。
以上のように、変形例において、CPU201は、台座2の上流側への移動を開始させた(S45)後、電磁ブレーキ82に対する通電を開始させてグリップローラ81の回転の抑制を開始させる(S462)までのタイミングを、入力されたフィルム24の種類、幅、及び、張力に応じて変化させる(S461)。なお、台座2が上流側に移動することに応じてフィルムロール22から繰り出されるフィルム24の量は、グリップローラ81によるフィルム24の移動の抑制が開始されるタイミングに応じて変化する。フィルム24の移動の抑制が開始されるタイミングが遅い程、フィルムロール22から繰り出されるフィルム24の量は少なくなる。なお、フィルムロール22から繰り出されるフィルム24の量が少ない程、フィルム24に付与される張力の大きさは大きくなる。従って、CPU201は、フィルム24の移動の抑制を開始させるタイミングを制御することによって、フィルム24の種類、幅、及び、張力に応じた張力をフィルム24に付与できる。
なお、上記の変形例において、ユーザは、フィルム24の張力を選択する入力操作のみを行ってもよい。CPU201は、予め設定されたフィルム24の種類(例えば、「Type−A」)、及び、フィルム24の幅(例えば、「W1」)と、選択された張力とに応じた開始タイミングtを特定してもよい。CPU201は、特定した開始タイミングtに応じて、電磁ブレーキ82に対する通電を開始するタイミングを制御してもよい。
<その他の変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記において、抑制機構80のグリップローラ81は、フィルム24のうち切断部77の刃部771によって切断される部分よりもフィルムロール22側と反対側の部分を、押下ローラ30との間で挟持した。これに対し、抑制機構80は、切断部77の刃部771によって切断される部分よりもフィルムロール22側でフィルム24に接触し、台座2及び物品3の上流側への移動に応じてフィルム24に負荷を作用させてもよい。なお、この場合、包装装置1は、切断部77の刃部771によってフィルム24を切断したときにフィルム24が繰り出し方向に移動することを規制する規制部を、抑制機構80とは別に有していてもよい。例えは、規制部は、押下ローラ30との間にフィルム24を挟むことによってフィルム24の移動を規制してもよい。この場合、S43の処理に次いでS49の処理を行うことによって、負荷を第1負荷から第2負荷に変更する必要はない。つまり、CPU201は、S43の処理によって反対方向に第1負荷を作用させればよく、S49の処理は行わなくてもよい。
CPU201は、フィルム24の種類として選択された「Type−A」又は「Type−B」、フィルム24の幅として選択された「W1」「W2」「W3」の何れか、及び、フィルム24の張力として選択された「p1」〜「p5」の何れかを取得した(S3、S5、S7)。CPU201は、取得した種類、幅、及び、張力に基づき、テーブル202Aを参照することによって第1係数を特定した。CPU201は、特定した第1係数を第1算出式に適用することによって、第1負荷を決定した(S9)。CPU201は、決定した第1負荷を第2算出式に適用することによって、電磁ブレーキ82に通流させる第1電流値を特定した。これに対し、CPU201は、フィルム24の種類、幅、及び、張力のうち1つ又は2つを取得し、取得したパラメータに基づいて第1負荷を算出してもよい。例えば、ユーザは、フィルム24の幅、及び、張力の少なくとも一方の具体的な値を、操作部206を介して入力してもよい。CPU201は、所定の算出式に入力された値を適用することによって、第1負荷を算出してもよい。例えば、ユーザは、第1負荷の具体的な値を、操作部206を介して入力してもよい。CPU201は、入力された値を第2算出式に適用することによって、第1電流値を算出してもよい。CPU201は、テーブル202Aに基づいて第1係数を特定した場合、特定された第1係数に基づいて第1電流値を直接算出してもよい。この場合、CPU201は、第1負荷を算出しなくてもよい。
グリップローラ81、及び、押下ローラ30は歯車でなくてもよく、例えば、双方は円柱状の部材であってもよい。グリップローラ81の代わりに、下側位置に配置された押下ローラ30に近接する位置と離隔する位置とに移動可能な抑制部材を有していてもよい。抑制部材は、押下ローラ30に近接する位置に移動することによって、フィルム24を押下ローラ30との間に挟んでもよい。この状態で、台座2を上流側に搬送させることによって、反対方向の負荷をフィルム24に作用させてもよい。又、抑制部材が押下ローラ30側に押し付けられるときの強さを調整することによって、フィルム24に作用させる負荷の大きさが調整されてもよい。
グリップローラ81に対して回転を抑制する負荷を作用させる機構は、電磁ブレーキ82に限定されない。例えば、軸部材81Cに切離可能に設けられたクラッチによって、グリップローラ81の回転を抑制する負荷を、軸部材81Cに作用させてもよい。CPU201は、S37の処理によってフィルムロール22へのフィルム24の巻き取りを開始させ、S39の処理によってフィルム24の巻き取りを終了させた後、S41の処理によって、連結ギヤ652を繰り出し位置に移動させた。これに対し、CPU201は、連結ギヤ652を巻き取り位置で維持してもよい。
<その他>
グリップローラ81は、本発明の「接触部」の一例である。S17、S29の処理を行うCPU201は、本発明の「第1移動手段」の一例である。S35の処理を行うCPU201は、本発明の「第2移動手段」の一例である。S45の処理を行うCPU201は、本発明の「第3移動手段」の一例である。S43、S45の処理を行うCPU201は、本発明の「第1負荷手段」の一例である。S51の処理を行うCPU201は、本発明の「切断手段」の一例である。S49の処理を行うCPU201は、本発明の「第2負荷手段」の一例である。S57の処理を行うCPU201は、本発明の「溶着手段」の一例である。S5の処理を行うCPU201は、本発明の「第1取得手段」の一例である。S3の処理を行うCPU201は、本発明の「第2取得手段」の一例である。S7の処理を行うCPU201は、本発明の「第3取得手段」の一例である。S9の処理を行うCPU201は本発明の「決定手段」の一例である。連結ギヤ652は、本発明の「切り替え機構」の一例である。連結ギヤ652が巻き取り位置に移動した状態が、本発明の「第1状態」の一例である。連結ギヤ652が繰り出し位置に移動した状態が、本発明の「第2状態」の一例である。S37の処理は、本発明の「巻き取り手段」の一例である。S41の処理を行うCPU201は、本発明の「切り替え手段」の一例である。