JP2017081113A - 包装袋用積層体およびその製造方法、包装袋およびその製造方法 - Google Patents

包装袋用積層体およびその製造方法、包装袋およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017081113A
JP2017081113A JP2015214913A JP2015214913A JP2017081113A JP 2017081113 A JP2017081113 A JP 2017081113A JP 2015214913 A JP2015214913 A JP 2015214913A JP 2015214913 A JP2015214913 A JP 2015214913A JP 2017081113 A JP2017081113 A JP 2017081113A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
cutting
laminate
laminated body
seal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015214913A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6718667B2 (ja
Inventor
佐藤 考勇
Takatoshi Sato
考勇 佐藤
知里 永見
Chisato Nagami
知里 永見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimori Kogyo Co Ltd filed Critical Fujimori Kogyo Co Ltd
Priority to JP2015214913A priority Critical patent/JP6718667B2/ja
Publication of JP2017081113A publication Critical patent/JP2017081113A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6718667B2 publication Critical patent/JP6718667B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Making Paper Articles (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】十分なシール性と非吸着性を有するとともに、製造が容易な包装袋用積層体およびその製造方法、並びに、包装袋およびその製造方法を提供する。【解決手段】少なくとも基材層11とシール層12を有する積層体20からなる包装袋用積層体10であって、積層体20は、中央部20aにおいて、基材層11と、シール層12と、機能層13とがこの順に積層された三層構造をなし、縁部20bにおいて、基材層11と、シール層12とがこの順に積層された二層構造をなし、積層体20の縁部20bにおいて露出するシール層12の表面12aは、微細な凹凸を有し、シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)が、0.4μm〜5μmであることを特徴とする包装袋用積層体10。【選択図】図1

Description

本発明は、包装袋用積層体およびその製造方法、並びに、包装袋およびその製造方法に関する。
従来、非吸着フィルムのシール性は低く、シールフィルムは非吸着性の非常に低いものであった。
シール性と非吸着性を有するフィルム状の包装材の開発が行われている。しかしながら、このような両性の包装材は、いずれの性能も十分ではない上に、高価であった。
非吸着性包装材としては、基材層、アルミニウム箔、接着層とが積層され、接着層に非吸着性層とヒートシール層とが積層され、非吸着性層が製袋後の最内層を構成する個所に形成され、ヒートシール層が接着層上の熱融着個所に形成されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルム基材上に、部分的に非吸着性層を塗布により形成し、このフィルム基材の非吸着性層が形成されていない部分にシーラント層を形成することにより製造された包装材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−285863号公報 特開2014−69885号公報
しかしながら、従来の包装材は、シール性と非吸着性が十分ではない上に、製造工程が多く、製造コストが高いという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分なシール性と非吸着性を有するとともに、製造が容易な包装袋用積層体およびその製造方法、並びに、包装袋およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも基材層とシール層を有する積層体からなる包装袋用積層体であって、前記積層体は、中央部において、前記基材層と、前記シール層と、機能層とがこの順に積層された三層構造をなし、縁部において、前記基材層と、前記シール層とがこの順に積層された二層構造をなし、前記積層体の縁部において露出する前記シール層の表面は、微細な凹凸を有し、前記シール層の表面における算術平均粗さ(Ra)が、0.4μm〜5μmであることを特徴とする包装袋用積層体を提供する。
前記機能層は、内容物の吸着を防ぐ非吸着層や、内容物の取り出しを容易にするための機能層として機能を付与した層であることが好ましく、特に非吸着フィルムからなる非吸着性層であることが好ましい。
本発明は、本発明の包装袋用積層体を2つ備え、前記包装袋用積層体の一方および他方の前記機能層が被包装品に接し、前記包装袋用積層体の一方および他方の縁部において露出する前記シール層が互いに接するように、前記包装袋用積層体の一方と前記包装袋用積層体の他方が重ね合わせられ、前記包装袋用積層体の一方および他方の前記シール層がシール部を形成していることを特徴とする包装袋を提供する。
本発明は、本発明の包装袋用積層体の製造方法であって、ラミネートもしくは同時多層共流涎により、基材層と、シール層と、機能層とをこの順に積層して、前記基材層、前記シール層および前記機能層からなる積層体を作製する工程A1と、前記積層体を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、前記切削ロールを前記機能層に押し当てて、前記機能層の一部を切削する工程B1と、切削後の前記積層体を裁断する工程C1と、を有し、前記工程A1と、前記工程B1と、前記工程C1とをこの順に行うことを特徴とする包装袋用積層体の製造方法を提供する。
本発明は、本発明の包装袋の製造方法であって、ラミネートもしくは同時多層共流涎により、基材層と、シール層と、機能層とをこの順に積層して、前記基材層、前記シール層および前記機能層からなる積層体を作製する工程A2と、前記積層体を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、前記切削ロールを前記機能層に押し当てて、前記機能層の一部を切削する工程B2と、切削後の前記積層体を裁断する工程C2と、切削後の前記積層体を2つ用い、切削後の前記積層体の一方および他方の前記機能層が被包装品に接し、切削後の前記積層体の一方および他方の縁部において露出する前記シール層が互いに接するように、切削後の前記積層体の一方と切削後の前記積層体の他方を重ね合わせ、切削後の前記積層体の一方の前記シール層と切削後の前記積層体の他方の前記シール層を融着してシール部を形成する工程D2と、を有し、前記工程A2と、前記工程B2とをこの順に行い、続いて、前記工程C2と前記工程D2を順序不同で行うことを特徴とする包装袋の製造方法を提供する。
本発明によれば、十分なシール性と非吸着性を有するとともに、製造が容易な包装袋用積層体およびその製造方法、並びに、包装袋およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である包装袋用積層体の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態である包装袋の概略構成を示す断面図である。 包装袋用積層体の製造方法を示す図であり、(a)は工程A1を示す断面図、(b)は工程B1を示す断面図である。 工程B1を説明する側面図である。 工程B1を経た積層体を説明する斜視図である。 工程D2を説明する断面図である。 工程D2を説明する断面図である。 工程C2を説明する断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。図面は模式図であり、各部の形状や寸法比等は、実際の構造と異なる場合がある。特に、積層体等の厚さ方向は、面方向に比べて縮尺が大きくなるように強調されている。
[包装袋用積層体]
図1は、本実施形態の包装袋用積層体の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態の包装袋用積層体10は、少なくとも基材層11とシール層12を有する積層体20からなる。
図1に示すように、積層体20は、その中央部(積層体20を、基材層11とシール層12の積層方向(厚さ方向)から平面視した場合の中央部)20aにおいて、基材層11と、シール層12と、機能層13とがこの順に積層された三層構造をなしている。また、積層体20は、縁部(積層体20を、基材層11とシール層12の積層方向(厚さ方向)から平面視した場合の縁部)20bにおいて、基材層11と、シール層12とがこの順に積層された二層構造をなしている。
すなわち、積層体20の縁部20bにおいて、機能層13が設けられていない。したがって、積層体20を、基材層11とシール層12の積層方向(厚さ方向)から平面視した場合、積層体20の縁部20bにおいて、シール層12の表面(図1における上面)12aが露出している。
なお、包装袋用積層体10(積層体20)の外形は、特に限定されないが、例えば、図1に示すように、基材層11とシール層12の積層方向(厚さ方向)から平面視した場合、長方形状をなしている。また、機能層13の外形は、特に限定されないが、例えば、図1に示すように、基材層11とシール層12の積層方向(厚さ方向)から平面視した場合、長方形状をなしている。この場合、積層体20の縁部20bにおいて露出するシール層12の表面12aは、枠状(帯状)をなしている。
積層体20の縁部20bにおいて露出するシール層12の表面12aは、微細な凹凸を有する。また、シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)は、シール強度向上の観点から、0.4μm〜5μmであることが好ましく、0.5μm〜2μmであることがより好ましく、0.5μm〜1μmであることがさらに好ましい。
シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)が0.4μm以上であれば、シール層12同士を接触させてシール部を形成する場合に、シール層12同士の接触面積を大きくすることができる。これにより、シール層12同士の接着力を高めることができる。一方、シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)が5μm以下であれば、シール層12同士の接触面積が小さくなることを防止できる。これにより、シール層12同士の接着力を高めることができる。
なお、シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)は、日本工業規格 JIS B0601−1994に基づいて算出される。
基材層11は、単層もしくは、積層の基材層である。
基材層11は、プラスチックフィルムを含むことが好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールナフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種樹脂からなるフィルムが挙げられる。
基材層11が複数の層もしくはフィルムの積層体である場合、共流涎による同時積層やラミネートによる積層、塗布による積層で形成することができる。中でも、ラミネートによる積層が好ましい。
基材層11は、酸素や水蒸気等のガスが包装袋用積層体10を透過することを遮断するためのガスバリア性を有するフィルム(以下、「ガスバリア性フィルム」と言う。)を用いることも好ましい。ガスバリア性フィルムとしては、例えば、アルミニウム箔等の金属箔、アルミニウムや無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなるフィルム、塩化ビニリデン等のガスバリア性樹脂層等の積層体が挙げられる。
基材層11としては、アルミニウム等の金属箔と、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂もしくは各種のナイロン等のポリアミド系樹脂との積層体であることが特に好ましい。
基材層11の厚みは、15μm〜100μmであることが好ましく、20μm〜50μmであることがより好ましい。
シール層12は、基材層11と機能層13を接着するためと、包装袋用積層体10を2つ(2枚)用いて包装袋を作製した場合にシール部(接着部)を形成するための層である。
シール層12としては、熱融着性樹脂の押出層やプラスチックフィルム等が挙げられる。
シール層12として用いられる熱融着性樹脂の押出層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、これらの金属架橋体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が用いられる。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリトニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールナフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種樹脂からなるフィルムが挙げられる。
シール層12は、機能層13と接する面に、機能層13との密着性を向上するための表面処理が施されていてもよい。
このような表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガスを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いた酸化処理等が挙げられる。
シール層12の厚みは、5μm〜200μmであることが好ましい。注出口付の包装材料用途であれば、60μm〜150μmであることが好ましく、小型の包装用の袋であれば、20μm〜50μmであることがより好ましい。
機能層13は、包装袋用積層体10を用いて包装袋を作製した場合に、被包装品に接して、被包装品に吸着しない層である。
機能層13は、非吸着フィルムからなる非吸着性層であることが好ましい。
非吸着性層には、成分の非吸着性樹脂として、密度1000kg/m以上でかつガラス転移温度が30℃以上200℃以下の樹脂が用いられる。
プラスチック樹脂等の高分子材料では内容成分が吸着あるいは透過、逸散することで本来目的とする含有量を保持できないことがしばしば起こる。これは内容成分が容器に使用されている高分子材料の高分子鎖に取り込まれてしまうため発生する現象である。プラスチック樹脂製の高分子材料では分子レベルでミクロブラウン運動をして高分子鎖の回転運動が起こっている。ガラス転移温度以上になると、この分子鎖のミクロブラウン運動が活発に起こるため、柔らかくなり、比較的低分子の成分を簡単にその内部に取り込み易くなり、吸着や透過、逸散という現象が起こり、内容成分の含有量の低下を起こす。特にガラス転移温度は高分子鎖のミクロブラウン運動の始まる温度であり、これはつまり高分子鎖の動きやすさを反映しており、このガラス転移温度に着目した容器材質の設計を行うことが、成分の容器への吸着や透過、逸散により発生する内容成分の含有量低下という問題を解決し、防止する最良の方法である。高分子の動きは高分子鎖の内部回転と立体障害によるから、このような内部回転障壁の高いものほどガラス転移温度が高くなり、内容成分の吸着や透過、逸散という物質の移動現象を防止することが可能である。したがって、この内部回転に高い障壁を有する芳香環や複素環を多く主鎖に多く取り組むことでガラス転移温度の高い高分子材料とすることができる。このような樹脂は、通常のポリオレフィン樹脂(ポリエチレンやポリプロピレン等)に比べて密度が高く、ガラス転移温度が高いことにより、内容物に含まれる低分子有機化合物等の成分の吸着性や収着性、透過性が低いものとなる。
非吸着性樹脂としては、例えば、環状オレフィン系重合体、エチレンビニルアルコール共重合体(d=1.12〜1.22g/cm、T=50〜60℃)、ポリエチレンテレフタレート(d=1.38g/cm、T=68℃、81℃)等のポリエステル系重合体、6ナイロン(d=1.14g/cm、T=47℃)や66ナイロン(d=1.14g/cm、T=49℃)等のポリアミド系重合体、ポリメタクリル酸メチル(d=1.20g/cm、T=70℃)、ポリビニルアルコール(d=1.31g/cm、T=65〜85℃)、ポリスチレン(d=1.05g/cm、T=100℃)、ポリ塩化ビニル(d=1.406g/cm、T=82℃)、ポリ酢酸ビニル(d=1.19g/cm、T=30℃)、ポリアクリロニトリル(d=1.15g/cm、T=104℃)が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、例えば、種々の環状オレフィンモノマーの重合体もしくは環状オレフィンモノマーとエチレン等の他のモノマーとの共重合体およびそれらの水素添加物、または環状オレフィンと他のモノマーとの共重合体等の環状オレフィン系重合体(COC:Cycloolefin Co−Polymer)等が挙げられる。
このような環状オレフィン系樹脂としては、例えば、種々の環状オレフィンモノマーの重合体や、環状オレフィンモノマーとエチレン等の他のモノマーとの共重合体およびそれらの水素添加物等が挙げられる。
環状オレフィンモノマーとしては、例えばノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナヂック酸無水物、ナヂック酸イミド等の二環シクロオレフィン;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体などの三環シクロオレフィン;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール置換体等の四環シクロオレフィン;トリシクロペンタジエン等の五環シクロオレフィン;ヘキサシクロヘプタデセンなどの六環シクロオレフィン等が挙げられる。また、ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル基等で結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体等のノルボルネン環を含む化合物が挙げられる。
なお、本発明における環状オレフィン系樹脂のモノマー分子の重合方法や重合機構としては、開環重合であっても、付加重合であってもよい。また、複数種のモノマーを併用する場合の重合方法や重合機構としては、公知の方法を用いることができ、モノマー時に配合して共重合を行ってもよいし、ある程度重合した後に配合してブロック共重合してもよい。
上記環状オレフィン系樹脂の具体的な構造としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)、(2)で表される構造式を示すことができる。
Figure 2017081113
(式中、RおよびRは互いに同一または異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、RとRは互いに環を形成していてもよい。nは1以上の整数を示す。)
Figure 2017081113
(式中、RおよびRは互いに同一または異種の炭素数1〜20の有機基を示し、また、RとRは互いに環を形成していてもよい。m、pは0または1以上の整数を示す。lは1以上の整数を示す。)
式(3)に環状オレフィンモノマーの具体的な構造の例を示す。
Figure 2017081113
上記炭素数1〜20の有機基として、より具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、t−オクチル(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル)、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基;1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチル−4−i−プロピルシクロヘキシル等のアルキルシクロアルキル基;アリル、プロペニル、ブテニル、2−ブテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ビフェニル基、フェノキシフェニル基、クロロフェニル基、スルホフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、上記一般式(1)、(2)中のl、m、n、pの値、あるいは置換基を適宜選択することにより適宜調整することが可能である。上記一般式(1)、(2)以外の環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度についても、用いるモノマー種、モノマー種の配合割合、モノマー配列、置換基の種類などを適宜設定することにより、任意に調整することができる。
上記一般式(1)で示される環状オレフィン系樹脂としては市販品を用いることができ、例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオネックス、ゼオノアを好適に用いることができる。上記一般式(2)で示される環状オレフィン系樹脂としては市販品を用いることができ、例えば、三井化学株式会社製のアペル、ポリプラスチック社製のTOPASを好適に用いることができる。
環状オレフィン系樹脂としては、上記一般式(1)、(2)で示されるものを用いるのが最も好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン以外のモノマー、例えば、α−オレフィンに基づくモノマー単位を含有していてもよい。該α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、好ましくは非結晶性の重合体であり、より好ましくは、環状オレフィン単独重合体、環状オレフィンと炭素原子数2〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、さらに好ましくは、環状オレフィンとエチレンとの共重合体である。
非吸着性樹脂としては、環状オレフィン系樹脂や脂環式ポリエステル等の脂環構造を有する樹脂が好ましい。
脂環構造を有する樹脂は、前述の通り立体障害が大きいため、内容成分の吸着性が低い。また、ガラス転移温度Tが高い樹脂は、常温でミクロブラウン運動が起こりがたいため、成分の吸着・収着現象が低く、内容物の保存安定性に優れる。
非吸着性層は、必要に応じて、種々の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、レベリング剤、消泡剤、ワックス・シリカ等のブロッキング防止剤、金属石けん、アマイド等の離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が挙げられる。
機能層13の厚みは、機能層が薄過ぎると機能層として機能が十分に発揮できず、また、機能層が厚過ぎると本発明における切削工程で削りきれない観点から、2μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜30μmであることがより好ましく、5μm〜20μmであることが最も好ましい。
本実施形態の包装袋用積層体10は、シール層12が十分なシール性を有し、機能層13が十分な非吸着性を有するため、十分なシール性および非吸着性を有する包装袋を提供することができる。
[包装袋]
図2は、本実施形態の包装袋の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の包装袋100は、上述の実施形態の包装袋用積層体10を2つ(2枚)備えてなる。
図2に示すように、2つの包装袋用積層体10のうち一方の包装袋用積層体10Aの機能層13と、2つの包装袋用積層体10のうち他方の包装袋用積層体10Bの機能層13とが被包装品200に接して、被包装品200を直接、包囲している。また、2つの包装袋用積層体10のうち一方の包装袋用積層体10Aの縁部において露出するシール層12と、2つの包装袋用積層体10のうち他方の包装袋用積層体10Bの縁部において露出するシール層12とが互いに接している。これにより、前記の包装袋用積層体10Aのシール層12と、前記の包装袋用積層体10Bのシール層12とが接合(融着)されて、シール部110を形成している。このようにして、前記の包装袋用積層体10Aと、前記の包装袋用積層体10Bとが重ね合わせられて、包装袋100を形成している。
図2に示すように、包装袋100では、被包装品200を包囲する機能層13の縁部13aがシール部110内まで延在している。これにより、被包装品200はシール層12に接することがない。
シール部110内に延在する機能層13の長さは、特に限定されない。
シール部110の長さは、十分な接着力が得られ、結果として、十分なシール性が得られれば、特に限定されない。
本実施形態の包装袋100は、2つの包装袋用積層体10のうち一方の包装袋用積層体10Aの機能層13と、2つの包装袋用積層体10のうち他方の包装袋用積層体10Bの機能層13とが被包装品200に接して、被包装品200を直接、包囲し、前記の包装袋用積層体10Aの縁部において露出するシール層12と、前記の包装袋用積層体10Bの縁部において露出するシール層12とが互いに接して、シール部110を形成している。これにより、本実施形態の包装袋100は、十分なシール性および非吸着性を有する。
[包装袋用積層体の製造方法]
次に、図3〜図5を参照して、上述の実施形態の包装袋用積層体10の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態の包装袋用積層体の製造方法を示す図であり、(a)は工程A1を示す断面図、(b)は工程B1を示す断面図である。
本実施形態の包装袋用積層体10の製造方法は、共流涎により、基材層11と、シール層12と、機能層13とをこの順に積層して、基材層11、シール層12および機能層13からなる積層体20を作製する工程A1と、積層体20を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、切削ロールを機能層13に押し当てて、機能層13の一部を切削する工程B1と、切削後の積層体20を裁断する工程C1と、を有する。また、工程A1と、工程B1と、工程C1とをこの順に行う。
工程A1は、図3(a)に示すように、基材層11に対して機能層13を複数のフィルムのラミネートによる積層、もしくは共流涎による同時多層製膜により積層体を得る工程である。工程A1を共流涎による同時多層製膜により積層体を得る方法においては、基材層11と、シール層12と、機能層13とをこの順に積層して、基材層11、シール層12および機能層13からなる積層体20を作製する。この工程A1が複数のフィルムのラミネートにより積層体を製造する方法においては、基材層11と機能層13とを、接着剤としても機能するシール層12を用いてラミネートし、図3(a)に示すように、基材層11と機能層13が、シール層12を介して接着された積層体20を作製する。
ラミネート方法としては、ドライラミネート、ウェットラミネート、サーマルラミネート、押出ラミネート、ホットメルトラミネート等が挙げられる。中でも、基材層11上に、シール層12となる接着剤を塗工し、乾燥後に機能層13と重ね合わせて接着するドライラミネートが好ましい。
得られた積層体20は、長尺状である。接着強度を安定させるため、工程A1(ラミネート工程)後に積層体20をロール状に巻き取り、所定の温度で保管(エージング)した後に、工程B1(切削工程)に供することが好ましい。
図3(b)に、切削工程を経た積層体20の一例を示す。
この積層体20では、機能層13の一部が機能層パターン14を構成しているが、機能層パターン14以外の領域(シール層露出部15)では、シール層12が露出するように機能層13が削り取られている。
図4に、工程B1(切削工程)の説明図を示す。
工程B1では、工程A1で得られた積層体20に張力をかけながら、積層体20を切削ロール330とバックロール320との間を搬送される。切削ロール330は、積層体20の機能層13側に配置され、バックロール320は、積層体20の基材層11側に配置されている。
なお、図4では、シール層12の図示を省略している(図5も同様)。
バックロール320の表面には、凸部330と凹部340のパターンが形成されている。凸部330の位置および形状はシール層露出部15に対応し、凹部340の位置および形状は機能層パターン14に対応する。バックロール320の凸部330は、バックロール320の本体(ロール部)から分離可能な平面状の基材に形成されていることが好ましい。パターン状の凸部330を有した基材を本体ロールに巻きつけてバックロール320を構成することにより、凸部330のパターンを容易に変更することができる。凸部330の高さは、例えば、50μm〜500μmである。
凸部330を基材層11側から積層体20に押し当てることにより、積層体20の一部が凸状に盛り上がり、切削ロール300に接触する。切削ロール300の表面には、微細な凹凸310が形成されており、切削ロール300を高速で回転させると、凸部330により凸状となって凹凸310に接触した機能層13が削り取られ、積層体20から除去される。この際、シール層12は、除去されずに残る。切削屑は、真空吸引等により適時に回収することができる。
また、この工程B1により、シール層露出部15の表面、すなわち、図1において、シール層12の表面12aにおける算術平均粗さ(Ra)を0.5μm〜50μmの範囲とすることができる。
図5に、工程B1を経た積層体20の一例を示す。
基材層11上で、機能層パターン14は、積層体20の長さ方向および幅方向に分離して規則的に並んでおり、機能層パターン14の周囲はシール層露出部15となっている。図5では、基材層11の手前側に幅方向の断面を示し、奥側に波線を示して、長さ方向の両側を省略している。
得られた積層体20は、基材層11の全面に機能層13を形成した後、切削により機能層13の一部を除去して機能層パターン14を形成している。したがって、積層体20は、基材層11に対する機能層パターン14の密着性が高く、高強度である。従来の方法と比較すると、除去される機能層13が廃液とならずに、粉塵として回収されるので、処理費用が安い。また、切削する速度を向上させることにより、生産性を向上させることができる。
次に、図5を参照して、工程C1(裁断工程)を説明する。
工程C1では、切削後の積層体20を所定の形状および大きさに裁断し、図1に示す包装袋用積層体10を得る。工程C1では、基材層11上に、シール層12および機能層パターン14を有する長尺の積層体20を裁断して、図1に示す包装袋用積層体10を得る。図5に示す例では、基材層11の幅方向に延びる裁断ライン31と、基材層11の長さ方向に延びる裁断ライン32とが設定されている。これら裁断ライン31と裁断ライン32に沿って、積層体20を裁断することにより、図1に示す包装袋用積層体10を得る。
本実施形態の包装袋用積層体10の製造方法によれば、従来の方法よりも低コストで、図1に示す包装袋用積層体10を製造することができる。
[包装袋の製造方法]
次に、図3〜図7を参照して、上述の実施形態の包装袋100の製造方法について説明する。
本実施形態の包装袋100の製造方法は、基材層11と、シール層12と、機能層13とをこの順に積層して、基材層11、シール層12および機能層13からなる積層体20を作製する工程A2と、積層体20を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、切削ロールを機能層13に押し当てて、機能層13の一部を切削する工程B2と、切削後の積層体20を裁断する工程C2と、切削後の積層体20の積層体20Aの縁部において露出するシール層12と、前記の積層体20Bの縁部において露出するシール層12とが互いに接するように、前記の積層体20Aと前記の積層体20Bを重ね合わせ、前記の積層体20Aの縁部において露出するシール層12と、前記の積層体20Bの縁部において露出するシール層12を融着してシール部110を形成する工程D2と、を有する。また、工程A2と、工程B2とをこの順に行う。続いて、工程C2と工程D2を順序不同で行う。すなわち、工程B2に続いて、工程C2と、工程D2とをこの順に行うか、または、工程B2に続いて、工程D2と、工程C2とをこの順に行う。
本実施形態の包装袋100の製造方法における工程A2は、上述の実施形態の包装袋用積層体の製造方法における工程A1と同一の工程である。また、本実施形態の包装袋100の製造方法における工程B2は、上述の実施形態の包装袋用積層体の製造方法における工程B1と同一の工程である。
そこで、工程A2と工程B2の説明を省略する。
工程B2に続いて、工程C2と、工程D2とをこの順に行う場合について説明する。
この場合、本実施形態の包装袋100の製造方法における工程C2は、上述の実施形態の包装袋用積層体の製造方法における工程C1と同一の工程である。
そこで、工程C2の説明を省略する。
次に、図6を参照して、工程D2(シール工程)を説明する。
工程D2では、切削後の積層体20を2つ(2枚)用いる。図6に示すように、切削後の積層体20Aの機能層13、および、切削後の積層体20Bの機能層13が被包装品200に接するとともに、前記の積層体20Aの縁部20bにおいて露出するシール層12と、前記の積層体20Bの縁部20bにおいて露出するシール層12とが互いに接するように、前記の積層体20Aと前記の積層体20Bを重ね合わせる。続いて、前記の積層体20Aの縁部20bにおいて露出するシール層12と、前記の積層体10Bの縁部20bにおいて露出するシール層12を融着する。これにより、図2に示すように、2つのシール層12,12が積層されてなるシール部110を形成するとともに、機能層13のみで被包装品200を包囲することが可能な、図2に示す包装袋100を得る。また、被包装品200が液体又は紛体である場合は、包装体100の4つの端部のうち、3つの端部を融着し、シールした後に、被包装袋200を前記包装袋100に導入した後、残りの端部を融着して4つの端部が融着された包装袋100を得ることができる。
工程B2に続いて、工程D2と、工程C2とをこの順に行う場合について説明する。
図7を参照して、この場合の工程D2を説明する。
工程D2では、切削後かつ裁断前の積層体20を2つ(2枚)用いる。図7に示すように、切削後かつ裁断前の積層体20Aの機能層13、および、切削後かつ裁断前の積層体20Bの機能層13が、前記の積層体20Aの縁部20bにおいて露出するシール層12と、前記の積層体20Bの縁部20bにおいて露出するシール層12とが互いに接するように、前記の積層体20Aと前記の積層体20Bを重ね合わせる。続いて、前記の積層体20Aのシール層露出部15において露出するシール層12と、前記の積層体10Bのシール層露出部15において露出するシール層12を融着する。これにより、図2に示すように、2つのシール層12,12が積層されてなるシール部110を形成するとともに、機能層13のみで被包装品200を包囲する。これにより、図8に示すように、裁断前の2つの積層体20により被包装品200を包囲することが可能な包装袋120が長さ方向に多数連接したものが得られる。また、被包装品200が液体又は紛体である場合は、包装体100の4つの端部のうち、3つの端部を融着し、シールした後に、被包装袋200を前記包装袋100に導入した後に、残りの端部を融着して4つの端部が融着された包装袋100を得ることができる。
次に、図8を参照して、工程C2を説明する。
工程C2では、長さ方向に多数連接した包装袋120を、シール部110で裁断し、図2に示す包装袋100を得る。
図8に示す例では、シール部110の厚さ方向の裁断ライン131に沿って、長さ方向に多数連接した包装袋120を裁断することにより、図1に示す包装袋用積層体10を得る。
本実施形態の包装袋100の製造方法によれば、従来の方法よりも低コストで、図2に示す包装袋100を製造することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
ラミネート工程、切削工程等の長尺状フィルムを扱う各工程は、長尺状フィルムをロール状に巻き取った状態から開始して、ロールから繰り出したフィルムの搬送中に処理を行い、処理後のフィルムを再びロールに巻き取る手法、いわゆるロール・ツー・ロールによって行うことが好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
(基材層の製造)
長尺状の7μmのアルミニウム箔(AL)と長尺状の20μmのPETフィルムとを、ウレタン接着剤を用いて連続的にラミネートし、アルミニウム箔とPETフィルムの積層体である長尺状の基材層となる積層体1を得た。
(機能層・シール層の積層体の製造)
機能層となる環状オレフィンと、シール層となる直鎖状低密度ポリエチレン(PE)とを共押出により製膜し、機能層10μm、シール層50μmの長尺状の積層体2を得た。
(工程A:積層体の製造)
「基材層の製造」により得られた基材層となる長尺状の積層体1と、「機能層・シール層の製造」により得られた積層体2とをウレタン接着剤を用いて連続的にラミネートし、下記の層構成の長尺状の積層体3を得た。
環状オレフィン(25μm)/PE(25μm)/AL(7μm)/PET(20μm)
(工程B:切削工程)
「積層体の製造」で得られた長尺ロール状の積層体3を繰り出し、搬送し、機能層側の切削を行った。切削ロールとして、縦・横・高さが2mm×2mm×2mm程度の鱗状の凹凸を持つホイールを使用し、バックロールとして、金属板の表面に、凸状のパターン化したフォトレジン層が形成された基材を用いて、機能層である環状オレフィン層の切削工程を行い、支持体層、シール層の上に機能層である環状オレフィン層がパターンを有する図5のような形状の長尺状の積層体4を得た。この積層体の露出するシール層12の表面の算術平均粗Raさを下記の測定条件で、長尺方向にかつ、切削時に削った流れ方向に逆らって測定し、n=3の平均値を取ったところ、その平均値は0.55μmであった。
(表面粗さの測定)
表面粗さ計としてSURFCOM1900DXを用いて、測定範囲:4mm×4mm、測定ピッチ:0.5mm、測定長さ:4mm、カットオフλs:0.8mm、カットオフλc:2.7μm、測定速度:0.3mm/secの条件で測定を行った。
(工程C:裁断工程)
前記切削工程で得られた長尺フィルムの積層体4を長さ方向に搬送しながら、スリットにより長さ方向に裁断した後、カッターにより幅方向を裁断して、縦横寸法が10cm×10cmの図1のような層構成であるシート状の積層体を得た。図1に示す露出するシール層12の幅はいずれの端部においても0.5cmの幅であった。
(工程D:シール工程)
前記裁断工程得られた積層体を2枚用意し、機能層が内側になるように張り合わせ、端部の露出されたシール層の4方の端部のうち、3方の端部を熱シールし、袋状の包装袋を製造した。得られた包装袋の未シールの端部から内容物を導入し、未シールの端部を熱シールによりシールし、内容物が導入された包装袋を製造した。
「実施例2」
前記実施例1の工程A:積層体の製造における層構成を下記のようにした以外は、実施例1と同様の工程A、工程Bを経て積層体を製造した。この積層体の露出するシール層12の表面の算術平均粗Raさを前記の測定条件で、長尺方向にかつ、切削時に削った流れ方向に逆らって測定し、n=3の平均値を取ったところ、その平均値は0.90μmであった。
環状オレフィン(20μm)/PE(35μm)/AL(7μm)/PET(20μm)
前記積層体を用い、実施例1と同様の工程C、工程Dを経て内容物が導入された包装体を製造した。
この包装袋は内容物が非吸着性を持つ機能層にしか接しないため、内容物が容器に吸着することがなく、良好であった。また、シール強度が非常に良好であった。
「比較例1」
実施例記載の積層体1と50μmのポリエチレンのフィルムを積層体1のアルミニウム箔側を内側にしてラミネートし長尺状の積層体5を得た。
前記積層体5を裁断し、縦横寸法が10cm×10cmの図1のような層構成であるシート状の積層体6を得た。
シート状の積層体6のポリエチレン層の上に環状オレフィンからなる機能層を厚みが10μmとなるように塗布により設け、一部にシール層を持つ積層体7を得た。積層体7は図1のような構成をしており、層構成は下記のようであった。
環状オレフィン(10μm・中央部)/PE(50μm)/AL(7μm)/PET(20μm)
また、露出したポリエチレンからなるシール層の表面の算術平均粗さRaを前記の測定条件で測定し、n=3の平均値を取ったところ、その平均値は0.30μmであった。
これを実施例1記載のシール工程と同様の方法で積層させた。内容物は非吸着性を持つ機能層にしか接しないため、内容物が容器に吸着することがないが、塗布により機能層を設けているため、実施例1および実施例2よりも吸着性が劣っていた。また、粗さの小さいポリエチレンを用いて製造されているためか、シール強度も実施例1および実施例2に比べると劣っていた。
10,10A,10B・・・包装袋用積層体、11・・・基材層、12・・・シール層、13・・・機能層、14・・・機能層パターン、20・・・積層体、31,32・・・裁断ライン、100,120・・・包装袋、110・・・シール部、131・・・裁断ライン、200・・・被包装品、300・・・切削ロール、310・・・凹凸、320・・・バックロール、330・・・凸部、340・・・凹部。

Claims (5)

  1. 少なくとも基材層とシール層を有する積層体からなる包装袋用積層体であって、
    前記積層体は、中央部において、前記基材層と、前記シール層と、機能層とがこの順に積層された三層構造をなし、縁部において、前記基材層と、前記シール層とがこの順に積層された二層構造をなし、
    前記積層体の縁部において露出する前記シール層の表面は、微細な凹凸を有し、
    前記シール層の表面における算術平均粗さ(Ra)が、0.4μm〜5μmであることを特徴とする包装袋用積層体。
  2. 前記機能層は、非吸着フィルムからなる非吸着性層であることを特徴とする請求項1に記載の包装袋用積層体。
  3. 請求項1または2に記載の包装袋用積層体を2つ備え、
    前記包装袋用積層体の一方および他方の前記機能層が被包装品に接し、前記包装袋用積層体の一方および他方の縁部において露出する前記シール層が互いに接するように、前記包装袋用積層体の一方と前記包装袋用積層体の他方が重ね合わせられ、
    前記包装袋用積層体の一方および他方の前記シール層がシール部を形成していることを特徴とする包装袋。
  4. 請求項1または2に記載の包装袋用積層体の製造方法であって、
    ラミネートもしくは同時多層共流涎により、基材層と、シール層と、機能層とをこの順に積層して、前記基材層、前記シール層および前記機能層からなる積層体を作製する工程A1と、
    前記積層体を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、前記切削ロールを前記機能層に押し当てて、前記機能層の一部を切削する工程B1と、
    切削後の前記積層体を裁断する工程C1と、を有し、
    前記工程A1と、前記工程B1と、前記工程C1とをこの順に行うことを特徴とする包装袋用積層体の製造方法。
  5. 請求項3に記載の包装袋の製造方法であって、
    ラミネートもしくは同時多層共流涎により、基材層と、シール層と、機能層とをこの順に積層して、前記基材層、前記シール層および前記機能層からなる積層体を作製する工程A2と、
    前記積層体を、張力をかけて連続的に搬送しながら、切削ロールと、凸部および凹部からなるパターンを有するバックロールとの間に通して、前記切削ロールを前記機能層に押し当てて、前記機能層の一部を切削する工程B2と、
    切削後の前記積層体を裁断する工程C2と、
    切削後の前記積層体を2つ用い、切削後の前記積層体の一方および他方の前記機能層が被包装品に接し、切削後の前記積層体の一方および他方の縁部において露出する前記シール層が互いに接するように、切削後の前記積層体の一方と切削後の前記積層体の他方を重ね合わせ、切削後の前記積層体の一方の前記シール層と切削後の前記積層体の他方の前記シール層を融着してシール部を形成する工程D2と、を有し、
    前記工程A2と、前記工程B2とをこの順に行い、続いて、前記工程C2と前記工程D2を順序不同で行うことを特徴とする包装袋の製造方法。
JP2015214913A 2015-10-30 2015-10-30 包装袋用積層体の製造方法、包装袋の製造方法 Active JP6718667B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214913A JP6718667B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 包装袋用積層体の製造方法、包装袋の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214913A JP6718667B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 包装袋用積層体の製造方法、包装袋の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017081113A true JP2017081113A (ja) 2017-05-18
JP6718667B2 JP6718667B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=58712364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015214913A Active JP6718667B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 包装袋用積層体の製造方法、包装袋の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6718667B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045237A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体
JP2021041162A (ja) * 2019-09-06 2021-03-18 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体
WO2024127931A1 (ja) * 2022-12-13 2024-06-20 富士フイルム株式会社 ガスバリアフィルム包装材料の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0594156U (ja) * 1992-05-28 1993-12-21 東海アルミ箔株式会社 防湿包装用ヒートシール蓋材
JPH06122445A (ja) * 1992-10-08 1994-05-06 Dainippon Printing Co Ltd チルド流通される紅茶またはコーヒー用の紙容器
JPH08151069A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Idemitsu Petrochem Co Ltd 包装体
JP2000037818A (ja) * 1998-06-29 2000-02-08 Ticona Gmbh 押出被覆フィルム
JP2004167956A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Dainippon Printing Co Ltd 積層体およびそれを用いた包装容器
US20110103720A1 (en) * 2008-05-29 2011-05-05 Hydrus B.V. Method of manufacturing a bag and a bag
JP2012196796A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Fujimori Kogyo Co Ltd 包装用積層構造体及び包装容器
JP2014227206A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 藤森工業株式会社 筒型容器
JP2015047703A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 大日本印刷株式会社 非吸着性包装材

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0594156U (ja) * 1992-05-28 1993-12-21 東海アルミ箔株式会社 防湿包装用ヒートシール蓋材
JPH06122445A (ja) * 1992-10-08 1994-05-06 Dainippon Printing Co Ltd チルド流通される紅茶またはコーヒー用の紙容器
JPH08151069A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Idemitsu Petrochem Co Ltd 包装体
JP2000037818A (ja) * 1998-06-29 2000-02-08 Ticona Gmbh 押出被覆フィルム
JP2004167956A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Dainippon Printing Co Ltd 積層体およびそれを用いた包装容器
US20110103720A1 (en) * 2008-05-29 2011-05-05 Hydrus B.V. Method of manufacturing a bag and a bag
JP2012196796A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Fujimori Kogyo Co Ltd 包装用積層構造体及び包装容器
JP2014227206A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 藤森工業株式会社 筒型容器
JP2015047703A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 大日本印刷株式会社 非吸着性包装材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021045237A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体
JP2021041162A (ja) * 2019-09-06 2021-03-18 株式会社グリーンウェル トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤の包装体
WO2024127931A1 (ja) * 2022-12-13 2024-06-20 富士フイルム株式会社 ガスバリアフィルム包装材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6718667B2 (ja) 2020-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2018117665A (ru) Ламинированная барьерная пленка и покрывающая край полоса для упаковки
JP2019500234A5 (ja)
KR20090042933A (ko) 컷 테이프가 부착된 척 테이프, 그 제조 방법, 및 척 테이프가 부착된 포장 주머니
JP5720202B2 (ja) 低吸着性シーラントフィルム並びにそれを用いた積層体及び包装袋
JP6718667B2 (ja) 包装袋用積層体の製造方法、包装袋の製造方法
JP2020069788A (ja) 多層フィルム及び包装体
JP2021523858A (ja) スパウトパウチおよびそれを作製する方法
RU2004125155A (ru) Комбинированный материал для свето-, газо- и влагонепроницаемых термо свариваемых упаковок
JP6740837B2 (ja) 再封性およびデッドホールド性を有するシーラントフィルム
JP2012111538A (ja) 低吸着性スタンディングパウチ
JP5698503B2 (ja) 自立性袋及び自立性袋を減容化する方法
JP2017193120A (ja) 積層体、及びそれを用いたスティック状包装袋
US20170232715A1 (en) Flexible container and a process for making a flexible container
JP6859699B2 (ja) 再封性シーラントフィルム
JP7298477B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2000355067A (ja) 包装用クリ−ンフィルムおよびそれを使用した包装用袋
JP2007203536A (ja) 積層体およびそれを用いた包装袋
JP4447430B2 (ja) 積層体
JP2021008038A (ja) 多層フィルム及び包装体
JP2020015207A (ja) 包装袋
JP2020019564A (ja) 包装シート及びそれを用いた包装体
JP5870587B2 (ja) 包装材及びその製造方法
JP2022125979A (ja) 低吸着、且つ耐内容物性積層体、およびその製造方法
JP2004136606A (ja) 積層体の製造方法
WO2023166995A1 (ja) 超音波シール用多層フィルム、及び包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180727

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6718667

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250