以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のプリンタとして構成されており、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。
画像形成装置1は、略箱型に形成されたプリンタ筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
画像形成装置1は、制御部3により全体を統括制御するようになっている。この制御部3は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部3は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に当該カラー画像の印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
プリンタ筐体2内の最下部には、用紙Pを収容する用紙収容カセット4と、用紙収容カセット4に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部5とが設けられている。給紙部5は、用紙収容カセット4の前端上側に位置しており、一点鎖線で示す搬送路Wに沿って用紙Pを進行させる。この給紙部5には、用紙収容カセット4の前端上側に設けられ中心軸を左右方向に向けたホッピングローラ6や、互いに対向するレジストローラ7及びピンチローラ8のような複数のローラに加え、用紙Pを案内するガイド等が設けられている。
給紙部5は、制御部3の制御によりホッピングローラ6等を回転させ、用紙収容カセット4に収容されている用紙Pを1枚ずつに分離して取り込むと共に、取り込んだ用紙Pを搬送路Wに沿って前上方へ進行させた後、プリンタ筐体2内の前端近傍における上下ほぼ中央となる位置において、後方へ折り返すように進行させる。
用紙Pは、給紙部5を経た後、プリンタ筐体2内を前側から後側へ大きく横切るように形成された中搬送部10により、搬送路Wに沿って前側から後側へ向けて搬送される。この中搬送部10の上側、すなわちプリンタ筐体2における中央よりも上寄りには、4個の画像形成ユニット11C、11M、11Y及び11Kが後側から前側へ向かって順に配置されている。
画像形成ユニット11C、11M、11Y及び11Kは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色にそれぞれ対応している。画像形成ユニット11C、11M、11Y及び11K(以下これらをまとめて画像形成ユニット11とも呼ぶ)は、色のみが相違しており、何れも同様に構成されている。また画像形成ユニット11C、11M、11Y及び11Kの下側における搬送路Wを挟んだ位置には、転写ローラ13C、13M、13Y及び13Kがそれぞれ配置されている。
画像形成ユニット11は、図2に示すように、画像形成部21、トナーカートリッジ22及びLED(Light Emitting Diode)ヘッド23により構成されている。トナーカートリッジ22は、現像剤としてのトナーを収容しており、画像形成部21の上側に配置され、当該画像形成部21の上方に取り付けられている。このトナーカートリッジ22は、収容しているトナーを画像形成部21のトナー収容部31へ供給する。
画像形成部21には、トナー収容部31の他、供給ローラ32、現像ローラ33、現像ブレード34、感光体ドラム35及び帯電ローラ36が組み込まれている。また画像形成部21は、図示しないモータから駆動力が供給されることにより、供給ローラ32、現像ローラ33及び帯電ローラ36を矢印R2方向(図中の反時計回り)へ回転させると共に、感光体ドラム35を矢印R1方向(図中の時計回り)へ回転させる。
供給ローラ32は、所定のバイアス電圧が印加されており、トナー収容部31内のトナーを周側面に付着させ、回転することによりこのトナーを現像ローラ33の周側面に付着させる。現像ローラ33は、やはり所定のバイアス電圧が印加されており、現像ブレード34によって周側面から余分なトナーが除去された後、この周側面を感光体ドラム35の周側面に当接させる。
一方、帯電ローラ36は、所定のバイアス電圧が印加された状態で感光体ドラム35と当接することにより、当該感光体ドラム35の周側面を一様に帯電させる。露光装置としてのLEDヘッド23は、複数のLEDチップが左右方向に沿って直線状に配置されており(詳しくは後述する)、制御部3(図1)から供給される画像データに基づいた発光パターンで、所定の時間間隔毎に発光することにより、感光体ドラム35を露光する。これにより感光体ドラム35は、その上端近傍において周側面に静電潜像が形成される。
続いて感光体ドラム35は、矢印R1方向へ回転することにより、この静電潜像を形成した箇所を現像ローラ33と当接させる。これにより感光体ドラム35の周側面には、静電潜像に基づいてトナーが付着し、画像データに基づいたトナー画像が現像される。
転写ローラ13は、感光体ドラム35の下側に位置しており、搬送路W上において、その周側面における上端近傍を当該感光体ドラム35の下端近傍と当接させている。また転写ローラ13は、所定のバイアス電圧が印加され、図示しないモータから駆動力が供給されて矢印R2方向へ回転する。このため転写ローラ13は、搬送路Wに沿って用紙Pが搬送されていた場合、感光体ドラム35の周側面に現像されたトナー画像をこの用紙Pに転写することができる。
このようにして画像形成ユニット11K、11Y、11M及び11Cは、搬送されてくる用紙Pに対し、それぞれの色によるトナー画像を順次転写し、重ねていく。
中搬送部10(図1)の後端近傍には、定着ユニット15が設けられている。定着ユニット15は、加熱ローラ16及び加圧ローラ17により構成されている。加熱ローラ16は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ17は、加熱ローラ16と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ16における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。
この定着ユニット15は、制御部3の制御に基づき、加熱ローラ16を加熱すると共に当該加熱ローラ16及び加圧ローラ17をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着ユニット15は、画像形成ユニット11から受け渡された用紙P、すなわち4色のトナー画像が重ねられた用紙Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後上方へ受け渡す。
定着ユニット15の後上方には、排紙部18が配置されている。排紙部18は、複数の排出ローラや用紙を案内するガイド等の組み合わせにより構成されている。この排紙部18は、制御部3の制御に従って各排出ローラを適宜回転させることにより、定着ユニット15から受け渡される用紙Pを後上方へ搬送してから前方へ向けて折り返し、プリンタ筐体2の上面に形成された排出トレイ2Tへ排出する。
このように画像形成装置1は、印刷処理を実行する際、各色の画像形成ユニット11において、LEDヘッド23(図2)をそれぞれ発光させることによりトナー画像をそれぞれ形成し、これを用紙Pに順次転写するようになっている。
[1−2.LEDヘッドの構成]
次に、LEDヘッド23の構成について説明する。LEDヘッド23は、図3(A)に模式的に示すように、全体として概ね直方体状に形成されている。因みに図3(A)は、作図の都合上、LEDヘッド23における下方向を紙面の上側に向けた状態を表している。
LEDヘッド23は、板状の後側板41及び前側板42により前後から挟まれたような構成となっている。後側板41及び前側板42は、何れも透明かつ十分な強度を有するガラス材料でなり、左右方向に長く前後方向に薄い直方体状ないし薄板状に形成されている。また前側板42は、後側板41と比較して、左右方向及び上下方向にそれぞれ短くなっている。
説明の都合上、以下では、LEDヘッド23から前側板42等を省略した状態を図3(B)に示し、またそのA1−A2断面図を図3(C)に示す。この図3(C)は、図1及び図2と比較して、LEDヘッド23を紙面上で半回転させた姿勢を表すことになる。
後側板41の前面には、基板43が取り付けられている。基板43は、左右方向に長く前後方向に薄い直方体状ないし薄板状に形成され、左右方向及び上下方向の長さが、何れも後側板41よりも短くなっている。この基板43は、いわゆるプリント配線基板であり、その後面等に配線パターンが形成されている(詳しくは後述する)。
基板43の前面における下端近傍には、例えば26個のように複数のLEDアレイチップ44が、左右方向沿って一直線状に整列された状態で取り付けられている。各LEDアレイチップ44は、全体として左右方向に細長い直方体状に形成されており、その下面に、下方へ向けて光を発光する複数のLED素子が設置されている(詳しくは後述する)。
また基板43の前面における左端近傍には、コネクタ45が取り付けられている。このコネクタ45は、電気接続用の端子が複数組み込まれており、基板43に形成された配線パターンと電気的に接続されている。
後側板41の前面における上端近傍であって、LEDアレイチップ44の下側には、ロッドレンズアレイ46が取り付けられている。ロッドレンズアレイ46は、全体として左右方向に長い直方体状に形成されており、光軸を上下方向に沿わせたレンズを、左右方向に沿って多数整列配置した構成となっている。このロッドレンズアレイ46は、後面が後側板41の前面に当接し、且つ前面が前側板42の後面に当接している。
また、前側板42の後面側における上端、左端及び右端の近傍には、シリコン等でなる充填剤47により、後側板41又は基板43との隙間が充填されている。すなわちLEDヘッド23は、LEDアレイチップ44の周囲の空間を、後側板41及び前側板42により前後から挟み、且つロッドレンズアレイ46及び充填剤47により上下左右を閉塞した構成となっている。
[1−3.LEDアレイチップの構成及び製造]
次に、LEDアレイチップ44の構成について説明する。LEDアレイチップ44は、図4(A)及び(B)に示すように、チップ本体部51を中心に構成されている。チップ本体部51は、例えば半導体素子と同様のシリコンで構成されており、左右方向に細長い直方体状となっている。因みにチップ本体部51における左右方向の長さは、約8[mm]である。
チップ本体部51の下面51Lには、導電性の金属材料により、所定の配線パターン(図示せず)が形成されている。また下面51Lには、192個のLED素子52が左右方向に沿って並んで等間隔に設置されている。各LED素子52は、光軸を下方向に向けた発光素子として構成されると共に、下面51Lの配線パターンと電気的に接続されている。このLED素子52は、下面51Lの配線パターンを介して電流が供給されることにより、下方へ向けて光を発射することができる。説明の都合上、以下では下面51Lを発光面とも呼ぶ。因みにチップ本体部51の前面51Fは、平坦に形成されている。
チップ本体部51の後面51Bは、その周辺よりも前方へ窪んだ凹部53と、当該凹部53以外の部分であり当該凹部53よりも後方へ突出した周辺部54とが、左右方向に沿って交互に出現するような段差状に形成されている。この後面51Bは、下面51Lに対し90度の角度をなしている。
さらに各凹部53には、その全範囲を覆うようにして、電極パッド55がそれぞれ形成されている。すなわち凹部53及び電極パッド55は、後面51B側から見て、チップ本体部51の下面51Lから上面51Uまでに渡る範囲に形成されている(図4(B))。電極パッド55は、例えば金(Au)等の導電性を有する金属材料でなり、下面51Lの配線パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
因みにLEDアレイチップ44では、電極パッド55における左右方向の長さを表す距離DC1が約120[μm]であり、また該電極パッド55の後面と周辺部54の後面との間隔、すなわち段差の深さである距離DC2が約20[μm]である。またチップ本体部51における上下方向の長さである距離DC3は、約300[μm]となっている。
次に、LEDアレイチップ44の製造について説明する。具体的には、図5(A)及びそのB1−B2断面である図5(B)に示すように、シリコンウェハ60に対し、複数のLEDアレイチップ44が前後方向に沿って複数並んだ状態で製造され、これらが切断線LCに沿って切断されるようになっている。因みにシリコンウェハ60の厚さ、すなわち上下方向の長さは、例えば600〜700[μm]程度である。
まずシリコンウェハ60は、その下面60Lに、周知の成膜工程やエッチング工程等により、複数のLED素子52が左右方向に沿って等間隔に、且つ複数列に渡って構成される。またシリコンウェハ60の下面60Lには、電極パッド55(図4)を形成すべき位置に、スパッタリング等により形成された金属薄膜でなる表面電極61が複数形成される。各表面電極61は、左右方向に沿って、且つ複数列となるように整列されており、下面60Lに形成される配線パターン(図示せず)により、各LED素子52のアノードやカソードと電気的に接続される。
さらにシリコンウェハ60における下面60L側には、凹部53に相当する位置であって、各表面電極61と隣接する位置に、フォトグラフィ及びエッチング等により、複数の孔部62が形成される。各孔部62は、下方から見て長方形状に形成され、左右方向に沿って複数個が並び、且つ複数列を形成するように配置される。この孔部62のうち前側面の部分が、LEDアレイチップ44における凹部53(図4)となる。さらに各孔部62の深さは、約300[μm]となる。
続いて、図5(B)と対応する図6(A)に示すように、層間絶縁膜(図示せず)が形成された後、スパッタリングや真空蒸着により(すなわちフォトリソグラフィ法により)、各表面電極61の露出部分及び各孔部62の内側面に対し、金属膜63がそれぞれ形成される。金属膜63は、例えば金(Au)でなり、その厚さが約1[μm]となる。この金属膜63のうち、孔部62の前側面に形成された部分が、LEDアレイチップ44における電極パッド55(図4)となる。
次にシリコンウェハ60は、図6(B)に示すように、下面60Lからの深さが約300[μm]の範囲でダイシングにより切断線LCに沿って切断処理が行われ、切断溝が形成される。このためシリコンウェハ60は、上側約半分の部分であるシリコンウェハ上部60Tにより、下側の各LEDアレイチップ44をそれぞれ繋ぎ止めた状態となる。
ところでダイシングでは、刃の厚さ等に応じて、例えば数[μm]程度の幅で切断対象(すなわちシリコンウェハ60)が削り落とされる。またシリコンウェハ60では、左右方向に沿った切断線LCが、各孔部62における後側面の近傍を通過している(図5(A))。このためシリコンウェハ60では、切断線LCに沿ってダイシングが行われる際に、孔部62の後側面に形成された金属膜63を削り落とし、各LEDアレイチップ44の前面51Fを一様に平坦な形状とする。
続いてシリコンウェハ60は、バックグラインディングプロセスにより、シリコンウェハ上部60Tが上面側から徐々に研削され、切断溝及び孔部62の底面(すなわち上側面)に到達することにより、各LEDアレイチップ44を分離させることができる。この結果、複数のLEDアレイチップ44(図4)が完成する。
[1−4.基板の構成]
次に、基板43の構成について説明する。図7(A)に部分的な前面図を示すと共に図7(B)に部分的な下面図を示すように、基板43は、基材71、配線材72及び保護層73により構成されており、さらに前面(以下これを実装面とも呼ぶ)の外縁である下端近傍に、LEDアレイチップ44を実装するための実装領域74が形成されている。
基材71は、ガラス繊維にエポキシ樹脂を染み込ませて熱硬化処理を施した、いわゆるガラスエポキシ材であり、絶縁性を有すると共に、十分な強度を有している。配線材72は、銅(Cu)材料でなり、基材71の前面上に所定の配線パターンを形成する。この配線材72は、実装領域74において、上下方向に沿った直線状に形成されており、左右方向に沿って適宜間隔を空けながら、複数配置されている。以下では、配線材72のうち実装領域74内に配線された部分を、露出配線材72C(図中斜線で示す)とも呼ぶ。
保護層73は、いわゆるソルダーレジストであり、基材71及び配線材72の前面に塗布され、該配線材72の絶縁及び保護を行っている。この保護層73は、配線材72により形成された配線パターンのうち、コネクタ45の端子を取り付けるための電極(図示せず)や実装領域74等を除いた部分に形成されている。このため実装領域74では、配線材72の露出配線材72Cが保護層73により保護されておらず、他の電極等と同様に、前方に露出している。
因みに配線材72は、エッチング処理等を経て形成されるため、図7(B)に示すように、断面若しくは側面から見た形状が概ね台形となる。また配線材72は、保護層73により保護されていない部分、すなわち電極(図示せず)や実装領域74内の露出配線材72Cにおいて、金(Au)によるメッキ処理が施され、銅(Cu)材料の酸化を防いでいる。この露出配線材72Cは、メッキ処理後の状態で、基材71側における左右方向長さである距離DB1が約100[μm]であり、前後方向長さ、すなわち基材71の前面からの突出量である距離DB2が約35[μm]である。
実装領域74は、LEDアレイチップ44(図4)をそれぞれ実装すべき複数の実装予定領域74Aを囲むように、左右方向に長く上下方向に短い領域として形成されている。各実装予定領域74Aは、実装領域74内において、長手方向を左右方向に沿わせ、且つ左右方向に互いに隣接するように配置されている。
[1−5.LEDヘッドの製造]
LEDヘッド23は、その製造工程において、基板43にLEDアレイチップ44を実装した後、他の部品と組み合わせられる。
すなわち基板43(図7)は、その前面を上方へ向けた姿勢で所定の治具に設置され、実装領域74に対し、まず異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film、図示せず)が貼り付けられる。続いて基板43は、フリップチップボンダ(図示せず)等の装置により、図8(A)に示すように、実装領域74の各実装予定領域74Aに合わせて、複数のLEDアレイチップ44が順次仮圧着される。このとき各LEDアレイチップ44は、後面51Bにおける各電極パッド55の表面(後面)と、実装領域74の各露出配線材72C(図7)における前面とを、ACFを介して互いに接合させた状態となる。
因みにLEDアレイチップ44は、基板43の実装面を基準とした各LED素子52における上下方向及び前後方向の位置を揃え、且つ左右方向に沿って一直線状に整列するように、それぞれ位置決めされる。
基板43は、全てのLEDアレイチップ44が仮圧着されると、これらが一括して加圧及び加熱されることにより、本圧着される。この結果、LEDアレイチップ44は、基板43に対し物理的に固定され、且つ各電極パッド55を各露出配線材72Cに対し電気的に接続した状態、すなわち当該基板43に対し適切な位置に実装された状態となる(図8(B))。以下、全てのLEDアレイチップ44が実装された基板43を、発光アレイユニット48とも呼ぶ。
次に、この発光アレイユニット48及びロッドレンズアレイ46(図3)は、それぞれの後面にUV(Ultra Violet)硬化樹脂でなる接着剤が塗布された上で、図3(B)及び(C)に示したように、後側板41の前面に貼り付けられる。このとき発光アレイユニット48及びロッドレンズアレイ46は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等のイメージセンサを用いて、その像やMTF(Modulation Transfer Function)等が観測されることにより、精密に位置決めが行われる。
具体的に発光アレイユニット48及びロッドレンズアレイ46は、該ロッドレンズアレイ46の上下方向に関する中心線46Cから見て、感光体ドラム35(図2)の想定位置35Sまでの距離DA1と、LED素子52の発光表面までの距離DA2とが同等となるように、後側板41に対してそれぞれ位置決めされ、機械的に仮固定される。その後、後側板41は、後側からUV光が照射されることにより、接着剤が硬化され、発光アレイユニット48及びロッドレンズアレイ46が固定される。
次に、ロッドレンズアレイ46の前面にUV硬化樹脂でなる接着剤が塗布された上で、当該前面に対し前側板42が貼り付けられ、機械的に仮固定される。その後、前側板42は、前側からUV光が照射されることにより、接着剤が硬化され、ロッドレンズアレイ46に対して固定される。
最後に、後側板41及び前側板42の隙間、すなわち前側板42の右辺、上辺及び左辺沿った部分に充填剤47を充填することにより(図3(A))、LEDアレイチップ44の周囲の空間を閉塞し、防塵や物理的な保護を行う。この結果、LEDヘッド23が完成する。
ところでLEDヘッド23では、各部における前後方向の長さがそれぞれ適切に定められることにより、上述した製造工程に従って製造することにより、LED素子52の光軸LXがロッドレンズアレイ46における前後方向の中心を通過させるようになっている。
具体的にLEDヘッド23では、LED素子52の光軸LXから基板43の後面までの距離DA4と、該光軸LXからロッドレンズアレイ46の前面までの距離DA5とが同等であり、これらがロッドレンズアレイ46の厚さに相当する距離DA6の1/2となっている。
[1−6.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による画像形成装置1のLEDヘッド23は、基板43にLEDアレイチップ44を実装した発光アレイユニット48を中心に構成した。このうちLEDアレイチップ44は、チップ本体部51の下面51LにLED素子52を設けると共に、その側面である後面51Bに、該LED素子52等と電気的に接続された電極パッド55を設けた。また基板43には、保護層73を省略することにより配線材72の露出配線材72Cを露出させた実装領域74を形成した。
そして発光アレイユニット48は、基板43の実装領域74において、露出配線材72Cとの間にACFを挟んでチップ本体部51の電極パッド55を対向させて加熱・加圧することにより、LEDアレイチップ44を固定すると共に導通させた。
ここで、比較用に図9に示す従来のLEDヘッド123では、後側板41及び前側板42に相当するホルダ141に対し、基板143が実装面を上下方向に向けた姿勢で取り付けられ、下面に配線パターンが形成されると共にLEDアレイチップ144が実装されていた。このLEDアレイチップ144は、基板143に対し、接着剤等で固定された上、ワイヤボンディングにより該基板143上の電極と電気的に接続されていた。このため従来のLEDヘッド123では、電極や配線パターンを形成するための領域を確保する観点から、基板143における前後方向の長さである距離DJ1をある程度長く形成する必要があった。また図9から分かるように、LEDヘッド123では、全体の前後長が基板143における前後長に依存しているため、距離DJ1が比較的長いことに応じて、全体の前後長である距離DJ2も長くなっていた。
これに対し、本実施の形態によるLEDヘッド23(図3)は、基板43の板面を前後方向に向け、その前面に配線パターンを形成すると共にLEDアレイチップ44を実装し、LED素子52から下方向へ光を発光させるようにした。換言すれば、LEDヘッド23における前後方向の長さである距離DA7は、ロッドレンズアレイ46における前後方向の長さである距離DA6に、後側板41及び前側板42の厚さを加算した距離となっている。このためLEDヘッド23は、従来のLEDヘッド123における距離DJ2と比較して、前後方向の長さである距離DA7を格段に小さく抑えることができる。
従ってLEDヘッド23では、LED素子52の光軸LXをロッドレンズアレイ46における前後方向の中心に一致させるように、LEDアレイチップ44及び基板43における前後方向の長さ(すなわち厚さ)やLED素子52の位置等を、それぞれ適切に設計すれば良い。また基板43は、配線パターンを形成するために十分な面積が必要であったとしても、上下方向に延長すれば良いため、該基板43における前後方向の長さ(すなわち厚さ)を変更する必要が無く、上述した距離DA3(図3(C))に維持できる。
またLEDアレイチップ44(図4)は、基板43に対する取付面である後面51Bに、電極パッド55を形成し、これを該基板43の露出配線材72C(図7)と対向させ、ACFを介して導通及び固定するようにした。このためLEDヘッド23では、従来のLEDヘッド123等において必要であった、LEDアレイチップと基板とを電気的に接続するワイヤボンディングが不要となるため、そのための電極を形成する必要が無く、またワイヤのための空間を確保する必要も無く、さらには製造工程を簡素化することができる。
ところでACFには、導電成分や樹脂成分等が含まれている。このうち樹脂成分は、加熱された際に溶解して液状となり、物体の表面に沿って展開しようとする、いわゆる「這い上がり」を発生させる場合がある。仮にこの這い上がりがLED素子52に到達した場合、該LED素子52から発光した光を遮ってしまう恐れがある。
この点においてLEDアレイチップ44(図4)は、チップ本体部51における後面51Bを平坦では無く、電極パッド55が形成された凹部53を周辺部54に対し前方へ窪ませ、該後面51Bを段差状に形成した。また基板43(図7)は、実装領域74において、平坦な基材71の前面に対し、配線材72(露出配線材72C)が形成された箇所のみ前方へ突出した形状、すなわち左右方向に沿って段差状に形成した。
さらに、LEDアレイチップ44の電極パッド55における左右方向の長さである距離DC1(図4、約120[μm])は、基板43の露出配線材72Cにおける左右方向の長さである距離DB1(図7、約100[μm])よりも長い。また、LEDアレイチップ44のチップ本体部51における後面51Bに形成された段差の深さである距離DC2(図4、約20[μm])は、基板43の露出配線材72Cにおける前後方向の長さである距離DB2(図7、約35[μm])よりも短い。
このため発光アレイユニット48では、基板43の実装領域74にLEDアレイチップ44を取り付ける場合に、LEDアレイチップ44におけるチップ本体部51の後面51Bを露出配線材72Cの前面と対向させたときに、露出配線材72Cと周辺部54との間に空間48Sを形成することができる(図8(B))。
これにより発光アレイユニット48は、その製造工程において基板43及びLEDアレイチップ44の間にACFを間に挟んで加熱及び加圧し、ACFに含まれる樹脂成分が溶解した場合に、この樹脂成分を空間48Sに貯留させることができ、LED素子52への這い上がりを効果的に抑制できる。
またLEDアレイチップ44(図4)は、電極パッド55をLED素子52が形成された下面51Lとは異なる他の側面である後面51Bに設けた。このためLEDアレイチップ44は、下面51Lに電極パッドを設ける必要が無く、従来のLEDアレイチップ144(図9)と比較して、該下面51Lの面積を小さく抑えることができる。
実際上、LEDアレイチップ44では、LED素子52を左右方向に沿って配置するため、左右方向の長さを短縮することが困難であるものの、下面51Lの必要面積が小さくなることにより、前後方向の長さを短縮することが可能となる。これに伴いLEDアレイチップ44は、1枚のシリコンウェハ60(図5(A))から製造可能な数量を増加させることができ、製造コストの削減等にも寄与することができる。
またLEDヘッド23は、後側板41及び前側板42を透明なガラス材料により構成したことにより、その製造工程において接着により各部品を固定する場合に、UV硬化樹脂を接着剤として利用することができる。これによりLEDヘッド23は、一般的な接着剤を利用する場合と比較して、短時間で硬化させることができるので、製造に要する時間を短縮でき、またロッドレンズアレイ46や発光アレイユニット48を高精度に位置決めして仮固定した状態から短時間で固定できるため、時間の経過に伴う位置のずれを回避できる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による画像形成装置1のLEDヘッド23では、LEDアレイチップ44の電極パッド55を基板43の露出配線材72Cと対向させてLEDアレイチップ44を基板43の実装領域74に実装し、発光アレイユニット48を構成した。このためLEDヘッド23では、基板43の板面がLED素子52の光軸LXと平行となるために前後方向の長さである距離DA7を短く抑えることができ(図3)、またワイヤボンディング等による基板43とLEDアレイチップ44との電気的な接続を不要として構成を簡素化できる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、LEDアレイチップ44に代わるLEDアレイチップ244が用いられる点のみ相違し、他の点については同様に構成されている。
図4(A)と対応する図10(A)に示すように、LEDアレイチップ244は、チップ本体部51と対応するチップ本体部251において、後面51Bが第1の実施の形態と同様に構成されている。その一方でLEDアレイチップ244は、前面251Fが平坦では無く、後面51Bと概ね前後対称な段差状に形成されている。なお図10(B)は、LEDアレイチップ244の前面図を示している。
具体的に前面251Fには、後面51Bにおける凹部53、周辺部54及び電極パッド55とそれぞれ対応する凹部253、周辺部254及び電極パッド255が設けられている。また、前面251Fにおける凹部253、周辺部254及び電極パッド255は、何れも後面51Bにおける凹部53、周辺部54及び電極パッド55と前後対称な位置に設けられている。また電極パッド255は、下面251Lに設けられる配線パターン(図示せず)により、LED素子52等と電気的に接続されている。
このLEDアレイチップ244は、第1の実施の形態と同様、周知の半導体素子の製造技術を利用して製造される。具体的には、図5(A)及び(B)と対応する図11(A)及び(B)に示すように、シリコンウェハ260に対し、複数のLEDアレイチップ244が前後方向に沿って複数並んだ状態で製造され、これらが切断線LCに沿って切断される。因みに図11(B)は、図11(A)におけるC1−C2断面図である。
このシリコンウェハ260は、シリコンウェハ60の場合と同様の製造工程により、その下面260Lに複数のLED素子52や表面電極61等が形成され、さらに凹部53及び253に相当する位置に、複数の孔部262が形成される。各孔部262は、第1の実施の形態による各孔部62をそれぞれ後方へ拡張したような形状となっている。またシリコンウェハ260では、左右方向に沿った切断線LCが、各孔部262における前後方向の中央近傍を横切るような位置に設定されている。その後、シリコンウェハ260は、第1の実施の形態と同様の製造工程が順次行われる。この結果、複数のLEDアレイチップ244(図10)が完成する。
このように、第2の実施の形態によるLEDアレイチップ244は、第1の実施の形態と同様に後面51Bに凹部53、周辺部54及び電極パッド55を設けたことに加えて、前面251Fに凹部253、周辺部254及び電極パッド255を設け、段差状とした。
ところで第1の実施の形態によるLEDアレイチップ44は、チップ本体部51の前面51Fが、切断線LC(図5(A))に沿ったダイシングによる切断面として形成される。このためLEDアレイチップ44では、LED素子52等の位置に対応した位置合わせ用の基準マーク等を前面51Fに形成できなかった。
このためLEDアレイチップ44は、フリップチップボンダ等により基板43に実装される場合に、その様子を撮像した画像において、エッジ検出のような画像処理等を利用して、前面51Fの外周を表す線を検出し、この線を用いて位置合わせが行われる。しかしながらこの手法では、ダイシングやバックグラインドにおける切断面の位置精度が比較的低いために、位置合わせの精度が必ずしも高くなかった。
この点においてLEDアレイチップ244は、前面251Fに周辺部254及び電極パッド255を設け、これらの境界線を段差状とした(図10)。この境界線は、シリコンウェハ260(図11)に対するフォトグラフィ及びエッチング等により形成されるものであるため、LED素子52に対する位置精度が極めて高く、例えば基準マークを形成する場合と同程度となる。このためLEDアレイチップ244は、基板43への実装時にこの境界線が利用されることにより、第1の実施の形態よりも位置精度を高めることができる。
またLEDアレイチップ244は、前面251Fにおいて周辺部254がシリコンであるのに対し、電極パッド255が金であるため、映像において、材料の差異に起因した映像上の差異が生じ、境界線を容易に特定することができる。さらにLEDアレイチップ244は、例えば斜め方向から光を照射することにより、撮像した画像において段差によるコントラスト差を生じさせ、段差部分を明確に映し出すことができるので、境界線をさらに容易に検出させることもできる。
そのうえLEDアレイチップ244は、前面251Fの電極パッド255を、下面251LのLED素子52等と電気的に接続させた。またLEDアレイチップ244は、後面51Bを基板43の前面と対向させて該基板43に実装されるため、実装後に前面251Fを該基板43の前面と同一の方向に向けることになる。これによりLEDアレイチップ244は、例えば基板43への実装後に行われる動作試験等において、電極パッド255を動作試験用の電極として機能させることができ、基板43の実装面と同様に、プローブ等を当てる作業を容易に行わせることができる。
その他の点においても、第2の実施の形態によるLEDアレイチップ244は、第1の実施の形態によるLEDアレイチップ44と同様の作用効果を得ることができる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、LEDアレイチップ44に代わるLEDアレイチップ344が用いられる点のみ相違し、他の点については同様に構成されている。
LEDアレイチップ344は、図4(A)及び図10(A)と対応する図12(A)に示すように、チップ本体部51と対応するチップ本体部351において、後面51Bが第1の実施の形態と同様に構成されている。その一方でLEDアレイチップ344は、第2の実施の形態によるLEDアレイチップ244と同様、前面351Fが段差状に形成されている。
ただし前面351Fには、電極パッド255が省略されており、左右方向に沿って凹部353及び周辺部354が交互に設けられている。また前面351Fの凹部353及び周辺部354は、LEDアレイチップ244の前面251Fと異なり、後面51Bにおける凹部53及び周辺部54とそれぞれ前後非対称な位置に設けられている。すなわち凹部353は、後面51Bにおける周辺部54と概ね前後対称な位置に設けられている。また周辺部354は、後面51Bにおける凹部53と概ね前後対称な位置に設けられている。
このLEDアレイチップ344は、第1及び第2の実施の形態と同様、周知の半導体素子の製造技術を利用して製造される。具体的には、図5(A)及び(B)並びに図11(A)及び(B)とそれぞれ対応する図13(A)及び(B)に示すように、シリコンウェハ360に対し、複数のLEDアレイチップ344が前後方向に沿って複数並んだ状態で製造され、これらが切断線LCに沿って切断される。因みに図13(B)は、図13(A)におけるD1−D2断面図である。
このシリコンウェハ360は、まずシリコンウェハ60(図5(A))の場合と同様の製造工程により、その下面360Lに複数のLED素子52、表面電極61及び孔部62が形成される。次にシリコンウェハ360は、フォトグラフィにより、左右方向に沿って矩形波を描くような形状の溝365が形成される(図13(A))。この溝365は、第1の実施の形態における切断線LCに沿ったダイシングに代わるものであり、各LEDアレイチップ244における後面51Bの周辺部54を形成すると共に、前面351Fの凹部353及び周辺部354を形成する。因みに溝365は、第1の実施の形態におけるダイシングの場合と同様、下面360Lから約300[μm]の範囲で形成される。
さらにシリコンウェハ360は、前後方向に関し、第1の実施の形態と同様に、切断線LCに沿ってダイシングによる切断溝が形成される。その後、シリコンウェハ360は、第1の実施の形態と同様、バックグラインドプロセスが行われる。この結果、複数のLEDアレイチップ344(図12)が完成する。
このように、第3の実施の形態によるLEDアレイチップ344は、第1の実施の形態と同様に後面51Bに凹部53、周辺部54及び電極パッド55を設けたことに加えて、前面351Fに凹部353及び周辺部354を設け、段差状とした。これによりLEDアレイチップ344は、第2の実施の形態と同様、基板43への実装時に、前面351Fにおける凹部353及び周辺部354の境界線が利用されることにより、第1の実施の形態よりも位置精度を高めることができる。
またLEDアレイチップ344の前面351Fにおいて、凹部353及び周辺部354を、後面51Bにおける凹部53及び周辺部54とそれぞれ前後方向に非対称な位置に形成した。このためLEDアレイチップ344の前面351Fでは、後面51B側における電極パッド55の位置に影響されること無く、左右方向に関する所望の位置、例えば位置合わせに適した位置に、凹部353及び周辺部354の境界線、すなわち段差を配置することができる。
その他の点においても、第3の実施の形態によるLEDアレイチップ344は、第1の実施の形態によるLEDアレイチップ44と同様の作用効果を得ることができる。
[4.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、LEDアレイチップ44のチップ本体部51における後面51Bに設ける各電極パッド55について、左右方向の長さを距離DC1(約120[μm])に統一する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば多くの電流を供給する箇所やグランド(接地)の箇所を他よりも延長する等、各電極パッド55における左右方向の長さを互いに相違させても良い。この場合、基板43側における各露出配線材72Cの左右方向に関する長さも、対向する電極パッド55に合わせて、互いに相違させても良い。或いは、例えば1箇所の電極パッド55に対して、複数の露出配線材72Cを対向させても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、LEDアレイチップ44のチップ本体部51における後面51Bに設ける各凹部53及び各電極パッド55を、該後面51Bにおける下端から上端までの全範囲に形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば凹部53及び各電極パッド55を後面51Bにおける下端から中程までの範囲に形成する等、後面における上下方向の一部の範囲にのみ形成しても良い。また、電極パッド55毎にその範囲を相違させても良い。これらの場合、基板43側の各露出配線材72Cについては、各電極パッド55と対向する範囲に形成すれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、LEDアレイチップ44のチップ本体部51における後面51Bに対し、周辺部54よりも前方向へ、すなわちチップ本体部51の中心に向けて窪んだ凹部53を形成し、この凹部53に電極パッド55を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば凹部53を形成することなく、平坦な後面51Bに各電極パッド55を設けても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、LEDアレイチップ44において、下面51Lに対し後面51Bが90度の角度をなす場合について述べた(図4、図5)。しかしながら本発明はこれに限らず、下面51Lに対し後面51Bが種々の角度をなしていても良い。要は、LEDアレイチップ44が基板43に取り付けられた上でLEDヘッド23として組み立てられた場合に、各LED素子52の光軸LXをロッドレンズアレイ46の光軸と重ねる(すなわち一致させる)ことができれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、電極パッド55を金(Au)の金属膜として形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、他の種々の金属や合金により電極パッド55を形成しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、LEDアレイチップ44の製造時に、シリコンウェハ60に対するダイシングによって各LEDアレイチップ44を前後方向に分離する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばエッチング、具体的には液体を用いるウェットエッチングや反応性の気体(ガス)を用いるドライエッチングにより、各LEDアレイチップ44を前後方向に分離しても良い。この場合、例えばエッチングによりシリコンを除去する幅を狭く設定することにより、1枚のシリコンウェハ60から製造し得るLEDアレイチップ44の数量を増加させることが可能となる。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、前面251F(図10)の凹部253に電極パッド255を形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば凹部253から電極パッド255を省略しても良い。この場合、その製造工程において、例えばシリコンウェハ260(図11)の孔部262における後側部分にマスク処理を施した上で金属膜を形成すれば良い。
さらに上述した第3の実施の形態においては、前面351F(図12)の凹部353に電極パッドを形成しない場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態における前面251F(図10)と同様に、凹部253に電極パッドを形成しても良い。この場合、その製造工程において、例えばシリコンウェハ360(図13)において孔部62の他に各凹部353と対応する箇所に孔部を形成し、該孔部62と同時に金属膜を形成して、適宜マスク処理を施した上でエッチングにより切断溝を形成すれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板43の上面における下端に接する位置に実装領域74を形成する場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば基板43の上面における下端からやや離れた箇所に実装領域74を形成しても良い。この場合、実装領域74の下側部分は保護層73を設けても良く、或いは省略しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板43における配線材72のうち保護層73により覆われていない部分に対し金(Au)によりメッキ処理を施す場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、このメッキ処理を省略しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板43の実装領域74において、各露出配線材72Cを上下方向に沿った直線状とし、前方から見て互いに平行に配置する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば各露出配線材72Cを前方から見て斜め方向に沿った直線状や曲線状、或いは折れ線状等、種々の形状としても良く、また互いに平行としなくても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板43にLEDアレイチップ44を実装する際に、ACFを用いる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばペーストを用いる等、種々の手法により実装しても良い。要は、基板43に対しLEDアレイチップ44を仮固定した位置から変位させることなく、物理的に固定すると共に各電極パッド55と各露出配線材72Cとを電気的に接続できれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板43にLEDアレイチップ44を26個実装し、また各LEDアレイチップ44におけるチップ本体部51の下面51Lに192個のLED素子52を形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、基板43に任意数のLEDアレイチップ44を実装しても良く、また各LEDアレイチップ44に任意数のLED素子52を形成しても良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、後側板41及び前側板42をいずれも透明なガラス板とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、後側板41及び前側板42の少なくとも一方を各種金属や各種樹脂材料等により構成しても良い。この場合、接着剤としてUV硬化樹脂を使用することができないため、その構成材料に適した接着剤を適宜使用すれば良い。第2及び第3の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、電子写真式のプリンタである画像形成装置1の画像形成ユニット11におけるLEDヘッド23に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば複写機やファクシミリ装置、或いはこれらを組み合わせたMFP(Multi Function Printer)等、LEDヘッドを用いて用紙に画像を形成する種々の装置に適用しても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板としての基板43と、発光アレイチップとしてのLEDアレイチップ44とにより発光アレイユニットとしての発光アレイユニット48を構成し、発光アレイチップを、チップ本体部としてのチップ本体部51と、発光素子としてのLED素子52と、電極パッドとしての電極パッド55とにより構成し、基板を、基板本体部としての基材71と、配線材としての配線材72と、保護層としての保護層73とにより構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる基板と、発光アレイチップとにより発光アレイユニットを構成し、発光アレイチップを、その他種々の構成でなるチップ本体部と、発光素子と、電極パッドとにより構成し、基板を、その他種々の構成でなる基板本体部と、配線材と、保護層とにより構成しても良い。