JP2017080906A - 不燃性防湿化粧板及び建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質基材と防湿シートとの接着性を高めた不燃性防湿化粧板及び建具を提供する。【解決手段】無機材料を主成分とする不燃性基材2と、不燃性基材2の一方の面2a側に設けられた化粧シート4と、不燃性基材2の他方の面2b側に設けられた防湿シート6と、を備え、不燃性基材2の一方の面2aを表面としたとき、不燃性基材2の他方の面2bは裏面となり、不燃性基材2は、例えば、無機材料を含む無機基材層と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層と、を有する不燃性防湿化粧板。【選択図】図1

Description

本発明は、不燃性防湿化粧板および建具に関し、例えば、住宅等の建築物において、床面や壁面等の内装、あるいは家具などに用いられる不燃性防湿化粧板及び建具に関し、特には不燃ドア、防火ドアなど不燃性が求められる箇所にも使用可能な不燃性防湿化粧板及び建具に関する。
従来から、化粧シートと、不燃性の部材、ボード、板などとを貼り合わせた化粧板は、床面や壁面等の内装、あるいは家具などの様々な用途に使用されている。これらの用途には不燃性が求められるものとなり、国土交通省の告示により定められた試験に合格したものが、審査認定を受けて使用されている。
焼却時の問題などから従来の塩化ビニル樹脂に代わり化粧シートとして用いられるようになったポリオレフィン系樹脂の場合、樹脂シートの層厚を制限し、接着剤を限定することで不燃認定の規格を満足するものができるが、十分満足するものとはいかず、ときによっては不合格となることもある。また、ドア部材として温度湿度の変化により反りが発生するのを防止するために無機質薄膜蒸着層を設けることが望まれているが、これらと不燃性との兼ね合いも困難なものとなっていた。
特開2002−355910号公報 特開2001−301084号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、不燃性と防湿性とを両立できるようにした不燃性防湿化粧板および建具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る不燃性防湿化粧板は、無機材料を主成分とする不燃性基材と、前記不燃性基材の一方の面側に設けられた化粧シートと、前記不燃性基材の他方の面側に設けられた防湿シートと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る建具は、上記の不燃性防湿化粧板と、芯材とを備え、前記芯材の少なくとも一方の面側に前記不燃性防湿化粧板が貼り付けられていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、不燃性と防湿性とを両立できるようにした不燃性防湿化粧板および建具を提供することができる。
本発明の実施形態に係る不燃性防湿化粧板1の構成例を示す断面図である。 不燃性基材2の第1の構成例を示す断面図である。 不燃性基材2の第2の構成例を示す断面図である。 不燃性基材2の第3の構成例を示す断面図である。 不燃性基材2の第4の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る防湿シート6の構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る建具10の構成例を示す断面図である。 化粧シート4の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、同一符号を付した部分について繰り返しの説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<不燃性防湿化粧板>
図1は、本発明の実施形態に係る不燃性防湿化粧板1の構成例を示す断面図である。図1に示すように、不燃性防湿化粧板1は、無機材料を主成分とする不燃性基材2と、不燃性基材2の一方の面2a側に設けられた化粧シート4と、不燃性基材2の他方の面2b側に設けられた防湿シート6と、を備える。不燃性基材2の一方の面2aを表面としたとき、不燃性基材2の他方の面2bは裏面となる。
不燃性基材2と化粧シート4の間には第1の接着層3が設けられており、この第1の接着層3により不燃性基材2と化粧シート4とが接着されている。また、不燃性基材2と防湿シート6との間には第2の接着層5が設けられており、この第2の接着層5により不燃性基材2と防湿シート6とが接着されている。
(1)不燃性基材
不燃性基材2は、無機材料を主成分とする。不燃性基材2は、例えば、以下に示す第1〜第4の構成例の何れか一つの構成を有する。また、不燃性基材2は、第1〜第4の構成例のうちの2つ以上の構成を積層した構造でもよいし、第1〜第4の構成例のうちの1つ以上の構成と、他の材料層(不燃材からなる層であることが好ましい)とを積層した構造でもよい。不燃性基材2の厚さに特に制限はないが、一例を挙げると3mm以上10mm以下である。
(1.1)第1の構成例
図2は、図1に示す不燃性基材2の第1の構成例を示す断面図である。第1の構成例では、不燃性基材2は、無機材料を含む無機基材層21と、金属層を含み無機基材層の表面に設けられた表面層22とを有する。
不燃性基材2は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上8mm以下であることが好ましく、2.7mm以上3.3mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、不燃性基材2の厚さは3mmとされている。不燃性基材2は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.1kg/m以上4.2kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、不燃性基材2の1平方メートル当たりの質量は3.74kg/mとされている。不燃性基材2は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、不燃性基材2のかさ比重は1.3とされている。
(1.1.1)無機基材層
図2に示すように、無機基材層21は、無機材料を含む第1の無機層である下層211と、無機材料を含む第2の無機層である上層212を備える積層体である。
無機基材層21は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ2mm以上15mm以下であることが好ましく、発熱性や取り回し性などの観点から、2mm以上9mm以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層21の厚さは2.9mmとされている。また、これら無機質系基材には、他の層との密着性を高める為にサンダーがけ等の表面処理が行われていても良い。
無機基材層21は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が2.0kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層21の1平方メートル当たりの質量は3.63kg/mとされている。
無機基材層21は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、無機基材層21のかさ比重は1.3とされている。
(下層)
下層211は、無機材料として、例えばシラス発泡体、白土、軽石等の火山性ガラス質堆積物を含んでいる。また、下層211は、無機材料として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホウ砂等の無機質系充填材と、炭酸カルシウム、マイクロシリカ、スラグ粉等の無機質系粉体とを含んでいる。さらに、下層211は、例えば、ロックウール、スラグウール、グラスウール、ミネラルウール等の人造鉱物繊維保温材と、でん粉、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等の有機系結合剤と、ワックス系サイズ剤とを含んでいる。
下層211は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ1.0mm以上2.0mm以下であることが好ましい。本実施形態では、下層211の厚さは1.4mmとされている。下層211は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が1.5kg/m以上4.0kg/m以下であることが好ましい。本実施形態では、下層211の1平方メートル当たりの質量は1.75kg/mとされている。下層211は、任意のかさ比重を選択することができるが、例えばかさ比重が1.0以上2.0以下であることが好ましい。本実施形態では、下層211のかさ比重は1.25とされている。
(上層)
上層212は、下層211と同様の火山性ガラス質堆積物、無機質系充填材、無機質系粉体、人造鉱物繊維保温材、有機系結合剤及びワックス系サイズ剤とを含んでいる。
上層212は、任意の厚さ、1平方メートル当たりの質量及びかさ比重を選択することができるが、下層211と同様の範囲の1平方メートル当たりの質量及びかさ比重とすることが好ましい。本実施形態では、上層212の厚さは1.5mmとされている。また、本実施形態では、上層212の1平方メートル当たりの質量は1.88kg/mとされている。さらに、本実施形態では、無機基材層21のかさ比重は1.25とされている。すなわち、無機基材層21の第2の無機層である上層212は、第1の無機層である下層211よりも厚く且つ1平方メートル当たりの質量が大きく形成されることが好ましい。
このような不燃性基材2としては、たとえば、火山性ガラス質複層板(JISA5440「不燃火山性ガラス質複層板」に準拠)等の板を挙げることができる。
(1.1.2)表面層
図2に示すように、表面層22は金属層224を含む積層体からなり、表面層22を無機基材層21に貼り付けるための接着層221を有する。図2に示すように、本実施形態において、不燃性基材2の表面層22は、金属層224、樹脂層223、225、紙層222、226、接着層221が、無機基材層21側から順に接着層221/紙層222/樹脂層223/金属層224/樹脂層225/紙層226の順に積層されて形成されている。表面層22は、任意の厚さを選択することができるが、例えば厚さ0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層22の厚さは0.1mmとされている。表面層22は、任意の1平方メートル当たり質量を選択することができるが、例えば1平方メートル当たりの質量が100g/m以上200g/m以下であることが好ましい。本実施形態では、表面層22の1平方メートル当たりの質量は110g/mとされている。
(金属層)
金属層224は、例えばケイ酸カルシウム、鉄鋼、アルミニウム又はステンレスにより構成される。本実施形態では、金属層224はアルミニウムにより構成されている。金属層224の厚さは、4μm以上50μm以下であることが好ましい。金属層224の厚さが4μm以上の場合、不燃性・耐熱性が向上する。また、金属層224の厚さが50μm以下の場合、金属層224が無駄に厚くなることを防止してコストの低減を図るとともに、不燃性防湿化粧板1の切断加工性が向上する。本実施形態では、アルミニウムにより構成される金属層224の厚さは12μmとされている。
(樹脂層)
樹脂層223、225は、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等の、金属層と紙層との接着性の高い材料が用いられる。本実施形態では、樹脂層は、ウレタン系樹脂で形成される。また、樹脂層223及び125では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が2.0g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の樹脂層223、225では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は4.0g/mとされている。
(紙層)
紙層222、226は、特に限定された材料により構成されるものではなく、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、リンター紙等が用いられる。中でも、紙層222、226として、樹脂の含浸性が高い紙材料が用いられることが好ましい。本実施形態では、紙層222、226には、薄葉紙が用いられている。また、接着層221の1平方メートル当たりの質量(固形量)は、20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。本実施形態の接着層221では、薄葉紙の1平方メートル当たりの質量は23.0g/mとされている。
(接着層)
接着層221は、例えばウレタン系樹脂接着剤やアクリル系樹脂接着剤等の、表面層22と無機基材層21との間で高い接着性を有する材料が用いられる。本実施形態では、接着層221としてウレタン系樹脂接着剤が用いられている。また、接着層221では、1平方メートル当たりの質量(固形量)が20.0g/m以上30.0g/m以下であることが好ましい。樹脂層223及び125と比較して1平方メートル当たりの質量(固形量)を大きくすることにより、接着層221としての機能を高めている。本実施形態の接着層221では、ウレタン樹脂の1平方メートル当たりの質量(固形量)は24.0g/mとされている。
(1.2)第2の構成例
図3は、図1に示す不燃性基材2の第2の構成例を示す断面図である。第2の構成例では、
不燃性基材2は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとし酸化マグネシウムを主成分とするガラス酸化マグネシウム板である。
一例を挙げると、図3に示すように、不燃性基材2は、ガラス酸化マグネシウム板33の表面(化粧シート側の面)に第1のシーラー層32と、炭酸カルシウムを主成分とするパテ層31とがこの順に形成され、且つ、ガラス酸化マグネシウム板33の裏面(化粧シート側とは反対側の面)に第2のシーラー層34が形成された構造を有する。
(ガラス酸化マグネシウム板)
ガラス酸化マグネシウム板33は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとし、酸化マグネシウムを主成分とした板状の部材である。ここで、主成分とは50質量部以上のことを指す。
具体的には、ガラス酸化マグネシウム板33は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとして、質量比で酸化マグネシウムを52〜57質量部、塩化マグネシウムを28質量部、パーライトを12質量部、木チップ(長さ5〜15mm)を0〜5質量部、無機質系難燃剤(りん酸系)を3質量部、それぞれ含有して構成されている。
ネット状のガラス繊維は、例えば、糸太さが縦1260d、横630dで、糸間隔が縦1.5mm、横1.5mmの間隔である。またガラス酸化マグネシウム板33は、例えば厚さが0.4mm、質量70g/mである。
本実施形態では、上記構成のガラス酸化マグネシウム板33を2層以上積層して、ガラス酸化マグネシウム板としてもよい。積層数は1層若しくは2層、又は4層以上であってもよい。
(パテ層)
パテ層31は、炭酸カルシウムを主成分として構成される。ここで、主成分とは70質量部以上を指す。本実施形態のパテ層31は、例えば質量比で、炭酸カルシウムが82.3質量部、ウレタン系樹脂が17.7質量部で構成される。このパテ層31は、例えば、厚さ0.05mm以下、質量35.4g/m(固形量)以下とする。ここで、パテ層31は、塗布後、研磨して表面を平滑にする。
(第1のシーラー層)
第1のシーラー層32は、ウレタン系樹脂が100質量%で構成される。第1のシーラー層32の質量は、7.99g/m(固形量)以下とする。第1のシーラー層32は、ガラス酸化マグネシウム板33表面の密着性を良くするために設けられる。
(第2のシーラー層)
第2のシーラー層34は、ウレタン系樹脂が100質量%で構成される。第2のシーラー層34の質量は、6.86g/m(固形量)以下とする。第2のシーラー層34は、ガラス酸化マグネシウム板33の裏面の密着性を良くするために設けられる。
(1.3)第3の構成例
図4は、図1に示す不燃性基材2の第3の構成例を示す断面図である。第3の構成例では、不燃性基材2はガラス繊維を混入した石膏板である。この石膏板の厚さは5mm以上7mm以下であり、質量が5.0kg/m以上7.0kg/m以下である。この石膏板は、二水せっこうを主成分とし、その石膏にガラス繊維が混入されて構成される。図4に示すように、この石膏板は、機能的に、基材本体42と、基材本体42の両面にそれぞれ位置する両面部41、43とを有する。基材本体42は、例えば二水せっこう100質量部に対し、0.5質量部の有機質添加剤(デンプン、パラフィン、シリコーンなど)と、ガラス繊維0.1〜0.5質量部とを含有して構成される。
両面部41、43は、それぞれ二水せっこうにガラス繊維不織布が混入されて構成される。ガラス繊維不織布の埋入位置では、全体の質量比で、ガラス繊維不織布が80質量部以上となっている。また接着性を向上させるために、ガラス繊維不織布にアクリル樹脂系バインダを含有させてもよい。ガラス繊維不織布の質量は、例えば45〜55g/m程度である。
(1.4)第4の構成
図5は、図1に示す不燃性基材2の第4の構成例を示す断面図である。第4の構成例では、不燃性基材2は、無機材料を含む無機基材層51と、無機基材層51の一方の面51a側に設けられた第1の金属層52と、無機基材層51の他方の面21b側に設けられた第2の金属層54と、第1の金属層52の無機基材層51と向かい合う面の反対側の面(図5では、上面)に塗工された第1の塗膜53と、第2の金属層54の無機基材層51と向かい合う面の反対側の面(図5では、下面)に塗工された第2の塗膜55と、を有する。無機基材層51は、例えばポリエチレンと無機質系の材料とからなる。第1の金属層52及び第2の金属層54は、例えば、アルミニウム、バリウム、ステンレス又はチタンからなる。第1の塗膜53及び第2の塗膜55は、例えば、アクリル、ポリエステル又はフッ素樹脂からなる。
(2)化粧シート
化粧シート4は、樹脂層を含む樹脂系の化粧シートである。化粧シート4に含まれる樹脂層として、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。なお、化粧シート4に含まれる樹脂層として、後述の具体例で示すように、樹脂基材又は樹脂系の表面保護層等が挙げられる。
意匠性の観点から、化粧シート4の厚さは0.05mm以上0.1mm以下であることが好ましい。また、発熱性低減の観点から、化粧シート4は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等、又は、これらと他の樹脂との複合化粧シートであることが好ましい。
(2.1)具体例
具体例を挙げると、化粧シート4は、樹脂基材と、樹脂基材上に形成された絵柄層(すなわち、印刷層)と、樹脂基材上に形成されて絵柄層を覆う表面保護層と、を含んでいる。樹脂基材の厚さは、化粧シート4の用途や樹脂の種類にもよるが、20μm〜100μm程度が好ましく、50μm〜100μm程度がより好ましい。基材の成形方法としては、例えば押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、キャスト成形法等が挙げられる。
なお、本実施形態では、樹脂基材の代わりに紙基材を用いてもよい。紙基材としては、20〜50g/m の薄葉紙、紙間強化紙、片艶クラフト、純白ロールを用いることができる。
絵柄層を形成するインキの樹脂バインダとしては、ニトロセルロース等のセルロース誘導体(セルロースの0H基の一部をのこしたものも含む)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール及びそれらにイソシアネート化合物を混合したものや、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることができる。
絵柄層の形成方法に特に制限はなく、例えばグラビア印刷法やオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インキジェット印刷法等、各種の印刷方法を使用することができる。また、例えば全面ベタ状の場合には前記した各種の印刷方法の他、例えばロールコート法やナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種のコーティング方法によることもできる。その他、例えば手描き法、墨流し法、写真法、レーザービーム又は電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法やエッチング法等、又はこれらの方法を複数組み合わせて行ってもよい。
絵柄層が示す絵柄の種類には特に制限はなく、例えば木目柄や、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様等でもよく、或いは単なる着色や色彩調整を目的とする場合には単色無地であってもよい。化粧シート4の用途に応じて、任意の所望の絵柄を採用することができる。
表面保護層としては、水酸基(−OH)を有するポリエステル系、アクリル系、ポリエーテル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物等のポリオールプレポリマーとイソシアネート化合物を混合して、架橋硬化してなる樹脂を用いることができる。表面保護層の厚さは、10μm〜200μm程度が好ましく、10μm〜100μm程度の範囲内がより好ましい。表面保護層の成形方法としては、例えば押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、キャスト成形法等が挙げられる。
なお、表面保護層は、その下方にある絵柄層を透視可能とする程度に透明性を有する必要がある。このため、表面保護層は、無色透明であることが特に望ましいが、着色透明や半透明であってもよい。透明とは、表から裏が視認できる程度の透明度を指す。透明性を有する限りにおいて、表面保護層は着色剤や充填剤を含有していてもよい。
(2.2)耐候性の処方
本実施形態では、耐候性の処方として、樹脂基材に耐候性処方添加剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等)を適宜添加してよい。これら各種の添加剤は、それぞれ単独で又は複数種混合して使用してもよい。
トリアジン系としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が使用できる。さらに、ベンゾフェノン系としては、オクタベンゾンやこの変性物、重合物、誘導体が使用できる。
ヒンダードアミン系光安定剤を添加することで、樹脂自体の光・熱・水等による劣化を防止することができる。ヒンダードアミン系光安定剤の添加部数は所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%〜10%、好ましくは1%〜5%である。ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が使用できる。
(2.3)遮熱性の処方
本実施形態では、遮熱性の処方として、樹脂基材における赤外光の反射率を高めるための顔料を、樹脂基材に含有させてもよい。樹脂基材に含有させる顔料としては、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、酸化チタンの少なくとも一つ以上が用いられる。
例えば、樹脂基材に酸化チタンを23質量部以上含有させることにより、遮熱性を向上させることができる。或いは、樹脂基材のうち絵柄層が形成される面に酸化チタンを塗布して、酸化チタン層を設けてもよい。酸化チタン層を設ける場合は、酸化チタン層及び樹脂基材の全体に対して、酸化チタン層における酸化チタンの含有量と、樹脂基材における酸化チタンの含有量との合計が、23質量部以上であればよい。
なお、樹脂基材に添加される酸化チタンが多くなると、樹脂基材の膜質に酸化チタンが影響を及ぼす。このため、樹脂基材における酸化チタンの好適な含有量は、23質量部以上50質量部以下である。
(2.4)意匠性の処方
本実施形態では、意匠性の処方として、化粧シート4の表面(例えば、表面保護層の表面)に凹凸からなる模様が設けられていてもよい。凹凸からなる模様として、エンボス加工により形成される模様(すなわち、エンボス模様)が挙げられる。エンボス模様の種類にも特に制限はなく、例えば木目調(特に導管模様状)、石目調、布目調、和紙調、幾何学模様状等の各種模様状であってもよいし、或いは例えば単なる艶消状や砂目状、ヘアライン状、スウェード調等であってもよい。
また、これらのエンボス模様を絵柄層と同調させることによって更なる意匠性の向上を図ることもできるが、その必要がなければ非同調であってもよく、また絵柄層と同調した模様と同調しない模様との両者を含むエンボス用を設けることもできる。
エンボス模様の形成方法にも特に制限はないが、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が一般的である。またエンボス模様の形成時期にも特に制限はなく、表面保護層を基材に積層する前、積層と同時又は積層後の中から任意の時期を選択してよい。また各時期から選ばれる複数の時期に、同一又は異なる形のエンボス模様を複数回に亘って形成してもよい。
(3)防湿シート
図6は、防湿シート6の構成例を示す断面図である。図6に示すように、防湿シート6は、基材層11と、基材層11の一方の面側に設けられた無機酸化物からなる蒸着層12と、蒸着層12上に設けられ主成分がポリビニルアルコールである樹脂層13と、樹脂層13上に設けられた接着用プライマー層14と、有する。基材層11の他方の面は、防湿シート6の基材側の面(一方の面)6aである。
基材層11は合成樹脂製である。基材層11の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
基材層11は、蒸着層12が一方の面に設けられる基材となるものであり、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から、二軸延伸の樹脂シートであることが好ましい(ただし、本実施形態において、基材層11は二軸延伸に限定されるものではなく、未延伸であってもよい。)。例えば、基材層11は、二軸延伸のPET、又は、未延伸のPETからなる。基材層11の厚さは、例えば9〜100μmの範囲である。また、基材層11は、無色透明又は有色透明である。
また、図6に示すように、基材層11の他方の面には、表面濡れ性改質部15が設けられていてもよい。表面濡れ性改質部15は、例えば、リアクティブエッチング処理などの物理的な表面改質処理で形成される。基材層11の他方の面に表面濡れ性改質部15が存在することにより、不燃性基材2と防湿シート6(図1参照)との接着性を高めることができる。
防湿シート6は、その一方の面6a側から他方の面6b側を透視可能な透明度を有する。防湿シート6は、無色透明でもよいし、有色透明でもよい。透明とは、表から裏が視認できる程度の透明度を指す。
また、防湿シート6全体の水蒸気透過度が1.0g/m・day以下である。また、防湿シート6は、防湿シート6全体の酸素透過度が1.0g/m・day以下であることが好ましい。
防湿シート6は熱可塑性であってもよい。すなわち、防湿シート6は、熱可塑性樹脂系の防湿シートであってもよい。次に、図6に示す各層について、より具体的に説明する。
(3.1)基材層
基材層11の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
基材層11には上記の各材料を使用することできるが、その中でもより好適な材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)を挙げることができる。これは、基材層11と不燃性基材2とを接着する第2の接着層5が、ウレタン結合を有するエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含むからである。PETは、ウレタン結合を有するEVA系の接着剤と接着の相性がよい。
基材層11は、後述する蒸着層12が一方の面に設けられる基材となるものであり、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から、二軸延伸の樹脂シートであることが好ましい(ただし、本実施形態において、基材層11は二軸延伸に限定されるものではなく、未延伸であってもよい。)。また、基材層11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。例えば、基材層11は、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート、又は、未延伸のポリエチレンテレフタレートからなる。基材層11の厚さは、例えば9〜100μmの範囲である。また、基材層11は、無色透明又は有色透明である。
基材層11の他方の面(例えば、裏面)には、表面濡れ性が改質された表面濡れ性改質部15が設けられている。表面濡れ性改質部15の形成は、リアクティブエッチング処理やコロナ処理などの物理的処理によって表面をナノレベルで粗面として、表面濡れ性を改質して形成される。改質処理としては、コロナ処理よりもリアクティブエッチング処理の方が好ましい。その理由は、リアクティブエッチング処理の方が、コロナ処理に比べて、経時的な接着強度の維持性が高いことを確認したためである。
(3.2)蒸着層
蒸着層12は、酸化珪素、酸化マグネシウム又は酸化アルミニウムなどの無機酸化物の薄膜からなる。ここで、アルミニウムに代表される金属薄膜は金属光沢があるが、無機酸化物の薄膜は透明な蒸着膜となる。
蒸着層12の厚さは、用いられる無機酸化物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、無機酸化物の膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、防湿シートとしての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、無機酸化物の膜厚が300nmを越える場合は薄膜の残留応力によりフレキシビリティを保持させることができず、成膜後の外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。このため、蒸着層12の厚さは、より好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
蒸着層12を基材層11に積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることができる。ただし、生産性を考慮すれば、真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式または抵抗加熱方式を用いることがより好ましい。また、蒸着層12と基材層11との密着性及び蒸着層12の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて、蒸着層12を蒸着することも可能である。また、蒸着層12の透明性を高めるために、蒸着の際、酸素等の各種ガスを吹き込む反応蒸着を用いてもよい。
(3.3)樹脂層
樹脂層13は、主成分としてポリビニルアルコールを含む。主成分とは、物質全体の中で占める割合が高い成分のことであり、例えば、全体を100質量部とした場合に70質量部以上の場合を指す。樹脂層13は、ポリビニルアルコールに無機酸化物を含有した組成物であってもよい。樹脂層13は、蒸着層12を保護すると共に、蒸着層12のガスバリア性を向上させるために設けられる。
樹脂層13は、例えば、ポリビニルアルコール、或いはポリビニルアルコールに酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の無機酸化物を添加した組成物をロールコート法又はグラビアコート法等により、蒸着層12上に塗布することで形成される。樹脂層13は、無色透明又は有色透明である。
(3.4)接着プライマー層
接着用プライマー層14は、後述する芯材との接着を良くするために設けられるものである。接着用プライマー層14として、具体的にはエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができる。接着用プライマー層14は、これらの樹脂を単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
接着用プライマー層14を構成するプライマーは、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体とイソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。すなわち、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られる。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。接着用プライマー層14を構成するプライマーは、このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基をイソシアネートと反応させて硬化させて形成される。
成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。
成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
成分Bと成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、接着用プライマー層14に柔軟性を与え、接着性の向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、接着用プライマー層14の耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、成分Bの分子量は接着用プライマー層14に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよいのであって、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、例えば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(I)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
アクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、イソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより接着用プライマー層14を形成すればよい。また、イソシアネートとしては、アクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、例えば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
接着用プライマー層14の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/mであり、好ましくは1〜5g/mである。また、接着用プライマー層14は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
(4)第1の接着層
第1の接着層3は、接着剤からなるシート状の層である。第1の接着層3に含まれる接着剤の種類は特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤が含まれていてもよい。これらは、公知のもの、ないし、市販品を適宜選択して使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂等を挙げることができる。また、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
一例を挙げると、第1の接着層3は、質量比で、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を95.7質量部及び有機系硬化剤(イソシアネート系)を4.3質量部含有する。この場合、第1の接着層3の1平方メートル当たりの質量は、11.9g/m以上17.8g/m以下(固形量)(有機質量11.9g/m以上17.8g/m以下)となる。
(5)第2の接着層
第2の接着層5は、接着剤からなるシート状の層である。第2の接着層5に含まれる接着剤の種類も特に限定されないが、第1の接着層3と同様に、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤が含まれていてもよい。熱可塑性樹脂系接着剤、熱硬化型樹脂系接着剤、ゴム系接着剤の具体例は上記した通りである。
或いは、第2の接着層5は、ウレタン結合を有するエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含んでいてもよく、主成分としてウレタン結合を有するEVA系接着層であってもよい。ここで、主成分とは、物質全体の中で占める割合が高い成分のことであり、例えば、全体を100質量部とした場合に70質量部以上の場合を指す。
一例を挙げると、第2の接着層5は、酢酸ビニル系樹脂を100質量部含有する。この場合、第2の接着層5の1平方メートル当たりの質量は、26.7g/m以上32.7g/m以下(固形量)(有機質量26.7g/m以上32.7g/m以下)となることが好ましい。本実施形態では、第2の接着層5の1平方メートル当たりの質量は、29.7g/mとされている。
<建具>
図7は、本発明の実施形態に係る建具10の構成例を示す断面図である。図7に示すように、建具10は、上述した不燃性防湿化粧板1と、芯材9とを備える。そして、芯材9の少なくとも一方の面側に、不燃性防湿化粧板1の防湿シート6側が貼り付けられている。例えば、芯材9の一方の面20a及び他方の面20bに、不燃性防湿化粧板1がそれぞれ貼り付けられている。
上記の不燃性防湿化粧板1と、不燃性防湿化粧板1を用いた建具10は、例えば、住宅等の建築物において、床面や壁面等の内装、あるいは家具などに用いることができ、特には不燃ドア、防火ドアなど不燃性が求められる箇所にも使用可能である。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態によれば、不燃性防湿化粧板1は、無機材料を主成分とする不燃性基材2を有する。不燃性基材2は、例えば図2〜図5に示したように、第1〜第4の構成例を採りうる。これにより、不燃性防湿化粧板の不燃性をより優れたものとすることが可能となる。
例えば、ISO5660−1に準拠したコーンカロリー燃焼試験機による発熱性試験において、
(1)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、
(2)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200KW/mを超えず、
(3)加熱開始後20分間、防火上有害な亀裂及び穴がない、
条件を満たすだけの不燃性をより確実に満たすことが可能となる。
また、本発明の実施形態によれば、不燃性防湿化粧板1の一方の面は化粧シート4で覆われている。これにより、外界と不燃性基材2との間での水分の移動を抑制することができる。また、不燃性防湿化粧板1の他方の面は防湿シート6で覆われている。これにより、芯材9と不燃性基材2との間での水分の移動を抑制することができ、不燃性基材2は、その表裏の側からの吸放湿を抑制することができ、吸放湿に伴う膨張又は収縮を抑制することができる。つまり、不燃性防湿化粧板1の防湿性をより優れたものとすることができる。
以上から、不燃性と防湿性とを両立できるようにした不燃性防湿化粧板および建具を提供することができる。
また、本発明の実施形態によれば、防湿シート6の基材側の面(一方の面)6aには、表面濡れ性改質部15が設けられている。そして、この一方の面6aと不燃性基材2との間には、第2の接着層5が設けられている。これにより、不燃性基材2と防湿シート6との接着性を高めることができ、例えば、温度や湿度の変化が大きい環境下に不燃性防湿化粧板1が置かれた場合でも、不燃性基材2と防湿シート6との接着性を高く維持することができる。
以上から、不燃性防湿化粧板に温度や湿度による変形(反り、寸法変化)が生じることをさらに防ぐことができる。
<変形例>
本実施形態において、化粧シート4の構成は図8に示すような構成であってもよい。
図8は、化粧シート4の一例を示す断面図である。図8に示す化粧シート4では、基材層61の一方の面側に、耐候性樹脂層64及びフッ素樹脂層65がこの順に積層されている。この化粧シート4における基材層61の他方の面側に、図1に示した第1の接着層3を介して不燃性基材2を貼り合わすことで、不燃性防湿化粧板1を構成してもよい。このような構成であっても、上記した実施形態の効果を奏する。また、化粧シート4は、基材層61の一方の面側に耐候性樹脂層64及びフッ素樹脂層65を有することにより、耐候性、耐汚染性及び耐溶剤性を有することができる。
なお、基材層61、耐候性樹脂層64及びフッ素樹脂層65の具体例は、以下の通りである。
(1)基材層
基材層61は、熱可塑性樹脂からなるシート状の層である。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、既知の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル(代表的には1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G)等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素樹脂等が挙げられる。そして、基材層61は、このような熱可塑性樹脂を1種、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用して形成することができる。基材層61に難燃剤や紫外線吸収剤等を混入して、難燃性または防褪色性を保持させることもできる。
(2)耐候性樹脂層
耐候性樹脂層64は、熱可塑性樹脂層であって、アクリル樹脂とアクリル樹脂系ゴムとの混合物からなるシート状の層である。耐候性樹脂層64が2層以上から構成されていても良い。アクリル樹脂としては、特に限定されず、既知のアクリル樹脂を用いることができる。例えば、メチルメタクリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(Tgは−20℃程度)を使用することができる。アクリル樹脂系ゴムとしては、ポリメチルメタクリレート樹脂系ゴムが例示出来る。また、アクリル樹脂に公知の紫外線吸収剤、光安定剤を添加してもよい。
(3)フッ素樹脂層
フッ素樹脂層65は、熱可塑性樹脂層であって、フッ素樹脂からなるシート状の層である。フッ素樹脂層65は、化粧シート4に、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐汚染性などの表面特性を付与するものである。フッ素樹脂としては、特に限定されず、既知のフッ素樹脂を用いることができる。
フッ素樹脂からなるフッ素樹脂層65は、耐候性樹脂層64上にコーティングで設けても良い。或いは、フッ素樹脂層65は、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂フィルムであってもよい。この種のフッ素樹脂フィルムを耐候性樹脂層上に貼り合わせることで、フッ素樹脂層65としてもよい。特に、溶融成形性、耐汚染性の点で優れるエチレン−テトラフロロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)は、フッ素樹脂層65として好ましく使用できる。
なお、図8に示す化粧シート4は、基材層61と耐候性樹脂層64との間に絵柄模様層62を有し、絵柄模様層62と耐候性樹脂層64とを接着層63で接着した場合の例である。絵柄模様層62及び接着層63は省略してもよい。化粧シート4が絵柄模様層62を有する場合には、接着層63、耐候性樹脂層64及びフッ素樹脂層65は、絵柄模様層62の絵柄を視認可能なだけ透明性を有することが好ましい。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
<実施例>
まず、防湿シート6を作製した。ここでは、基材層11として、厚さ12μmの透明な二軸延伸のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。この基材層11の一方の面(例えば、表面)に蒸着層12を設けた。蒸着層12は、酸化アルミニウムを150nmの厚さとなるように形成した。蒸着層12の形成方法として真空蒸着法を用い、また真空蒸着法の加熱手段として電子線加熱方式を用いた。また、その際、蒸着層12と基材層11との密着性を向上させるためにプラズマアシスト法を用いるとともに、蒸着層12の透明性を高めるために酸素ガスを吹き込み、反応蒸着を行った。これにより、防湿シートの水蒸気度透過度が1.0g/m・day以下であり、且つ、防湿シートの表面側からその裏面側を透視可能な透明度を有する建材用の防湿シート6を作成することが可能となる。
次に、蒸着層12の上に、ポリビニルアルコール溶液を乾燥後に0.5g/mとなるようにグラビア印刷法で塗布して、樹脂層13を設けた。また、基材層11の他方の面(例えば、裏面)にリアクティブエッチング処理を施して、表面濡れ性改質部15を形成した。この際、電極に周波数13.56MHzの高周波電源を用い、自己バイアス値は450V,Ed値を210W・m・秒に設定した。次に、主剤としてウレタン樹脂/塩化酢酸ビニル系樹脂、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂を用意した。この2液硬化型樹脂を樹脂層13の表面に対し、グラビア印刷法にて固形分で1g/mの厚みに塗布して、接着用プライマー層14を設けた。以上により、防湿シート6を得た。
また、化粧シート4を作製した。ここでは、坪量30g/mの紙間強化紙(天間特殊製紙(株)製)の表面に、ニトロセルロース系インキ(東洋インキ製造(株)製)により絵柄層を印刷し、その絵柄層上にアクリルウレタン樹脂(2液硬化タイプ、東洋インキ製造(株)製)を固形分で6g/mの厚みに塗布して、樹脂系の表面保護層を形成した。以上により、化粧シート4を得た。
次に、上記の方法で作製した防湿シート6と化粧シート4とを不燃性基材2の両面に貼り付けて、不燃性防湿化粧板1を作製した。ここでは、上記の方法で作製した防湿シート6及び化粧シート4と、不燃性基材2として厚さ6mmの不燃性基材2と、第1の接着層3の材料となる酢酸ビニル系エマルジョン接着剤と、第2の接着層5の材料となる酢酸ビニル系エマルジョン接着剤とを用意した。ここでは、不燃性基材2として、図2に示した不燃性基材(第1の構成例)と同様の基材を用意した。
次に、不燃性基材2の一方の面2aに酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を塗布し、その上に化粧シート4の紙間強化紙の裏面を貼り合わせた。また、不燃性基材2の他方の面2bに、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を塗布し、その上に防湿シート6の基材層の裏面を貼り合わせた。以上により、不燃性防湿化粧板1を得た。
その後、上記の方法で作製した不燃性防湿化粧板1を芯材9の両面に貼り付けて、建具10を作製した。ここでは、上記の方法で作製した2枚の不燃性防湿化粧板1と、木質の芯材9と、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤とを用意した。芯材9の一方の面9aに酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を塗布し、その上から1枚目の不燃性防湿化粧板1を貼り合わせた。また、芯材9の他方の面9bに酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を塗布し、その上から2枚目の不燃性防湿化粧板1を貼り合わせた。以上により、建具10を得た。
実施例で作製した不燃性防湿化粧板1及び建具10は、例えば、住宅等の建築物において、床面や壁面等の内装、あるいは家具などに用いることができ、特には不燃ドア、防火ドアなど不燃性が求められる箇所にも使用可能である。
<比較例>
比較例では、不燃性基材2の代わりに木質基材を用いた。木質基材は厚さ6mmの中密度繊維板(MDF)である。これ以外は、実施例と同様の方法で防湿化粧板を得た。
<不燃性の評価>
以上のように作製した実施例に係る不燃性防湿化粧板1と、比較例に係る防湿化粧板とについて、不燃性を次のようにして評価した。
ISO5660−1に準拠し、建築基準法第二条第9号及び建築基準法施工令第108条の2に基づく防耐火試験方法と性能評価規格に従うコーンカロリーメーター試験機による発熱性試験を実施した。そして、加熱開始後20分間の総発熱量(MJ/m)が8MJ/m以下であり、加熱開始後20分間の最大発熱速度として、10秒以上継続して200kW/mを超えなければ合格「○」とした。ただし、基材の亀裂も評価し、基材に亀裂や穴のないことも条件とした。評価の結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例に係る不燃性防湿化粧板1は、不燃性の評価結果が合格「○」であり、十分満足のいく不燃性を有することを確認した。
Figure 2017080906
1 不燃性防湿化粧板
2 不燃性基材
3 第1の接着層
4 化粧シート
5 第2の接着層
6 防湿シート
9 芯材
10 建具
11 基材層
12 蒸着層
13 樹脂層
14 接着用プライマー層
15 表面濡れ性改質部
21 無機基材層
22 表面層
31 パテ層
32 第1のシーラー層
33 ガラス酸化マグネシウム板
34 第2のシーラー層
41、43 両面部
42 基材本体
51 無機基材層
52 第1の金属層
53 第1の塗膜
54 第2の金属層
55 第2の塗膜
61 基材層
62 絵柄模様層
63 接着層
64 耐候性樹脂層
65 フッ素樹脂層
211 下層
212 上層
221 接着層
222、226 紙層
223、225 樹脂層
224 金属層

Claims (12)

  1. 無機材料を主成分とする不燃性基材と、
    前記不燃性基材の一方の面側に設けられた化粧シートと、
    前記不燃性基材の他方の面側に設けられた防湿シートと、を備えることを特徴とする不燃性防湿化粧板。
  2. 前記不燃性基材は、
    前記無機材料を含む無機基材層と、
    金属層を含み前記無機基材層の表面に設けられた表面層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の不燃性防湿化粧板。
  3. 前記不燃性基材は、ネット状のガラス繊維をマトリックスとし酸化マグネシウムを主成分とするガラス酸化マグネシウム板を有することを特徴とする請求項1に記載の不燃性防湿化粧板。
  4. 前記不燃性基材は、ガラス繊維を混入した石膏板を有することを特徴とする請求項1に記載の不燃性防湿化粧板。
  5. 前記不燃性基材は、
    前記無機材料を含む無機基材層と、
    前記無機基材層の一方の面側に設けられた第1の金属層と、
    前記無機基材層の他方の面側に設けられた第2の金属層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の不燃性防湿化粧板。
  6. 前記防湿シートの前記不燃性基材側の面には、表面濡れ性が改質された表面濡れ性改質部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  7. 前記化粧シートは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤のうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  8. 前記化粧シートの表面に凹凸からなる模様が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  9. 前記防湿シートは、
    ポリエチレンテレフタレートを含む基材層と、
    前記基材層の一方の面側に設けられた無機酸化物を含む蒸着層と、
    前記蒸着層上に設けられたポリビニルアルコールを含む樹脂層と、
    前記樹脂層上に設けられた接着用プライマー層と、有し、
    前記基材層の他方の面が前記不燃性基材側の面であることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  10. 前記防湿シートは熱可塑性であることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  11. 前記防湿シートの水蒸気透過度が1.0g/m・day以下であり、且つ、
    前記防湿シートは、該防湿シートの一方の面側から他方の面側を透視可能な透明度を有することを特徴とする請求項1から請求項10の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板。
  12. 請求項1から請求項11の何れか一項に記載の不燃性防湿化粧板と、
    芯材とを備え、
    前記芯材の少なくとも一方の面側に前記不燃性防湿化粧板が貼り付けられていることを特徴とする建具。
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