JP2017080851A - 研磨装置、押圧ユニット、及び研磨方法 - Google Patents

研磨装置、押圧ユニット、及び研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】筒状孔のショルダ面を研磨することができる研磨装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る研磨装置は、加工対象に形成された筒状孔の内周面にガイドされながら回転し、筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面を研磨する研磨部材と、研磨部材を軸方向に移動可能に保持して研磨部材を回転させる駆動モータと、研磨部材と駆動モータとの間に位置する押圧ユニットと、を備え、押圧ユニットは、加工対象における筒状孔の開口部分に取り付けられ、駆動モータが固定される筒状の本体部材と、本体部材の内部に位置し、研磨部材をショルダ面に向かって押圧するコイルばねと、コイルばねを本体部材に対して回転可能に受ける環状の軸受と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、研磨装置、押圧ユニット、及び研磨方法に関する。
従来の研磨装置では、砥粒を敷いた定盤に被研磨面(加工面)を押し当てながら当該被研磨面をスライドさせることで研磨を行っていた(特許文献1、2参照)。
特開2008−238284号公報 特開2014−205224号公報
ところが、内径が段階的に小さくなるように形成された筒状孔において、内径が切り替わる部分の面、つまり筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は筒状孔と同心の円錐面(以下、「ショルダ面」と称する)を磨面する場合、被研磨面であるショルダ面に定盤を押し当てることはできないため、従来の研磨装置では研磨を行うことができなかった。
本発明は、以上のような事情に鑑み、筒状孔のショルダ面を研磨することができる研磨装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る研磨装置は、加工対象に形成された筒状孔の内周面にガイドされながら回転し、前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面を研磨する研磨部材と、前記研磨部材を軸方向に移動可能に保持して前記研磨部材を回転させる駆動モータと、前記研磨部材と前記駆動モータとの間に位置する押圧ユニットと、を備え、前記押圧ユニットは、前記加工対象における前記筒状孔の開口部分に取り付けられ、前記駆動モータが固定される筒状の本体部材と、前記本体部材の内部に位置し、前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧するコイルばねと、前記本体部材に対して回転可能となるように前記コイルばねを受ける環状の軸受と、を有する。
この研磨装置によれば、コイルばねが回転しながら研磨部材をショルダ面に向かって押圧するため、ショルダ面は研磨部材から一定の圧力を受けながら研磨される。しかも、研磨部材は、筒状孔の内周面にガイドされながら回転するため、筒状孔の軸方向に沿って移動することができる。つまり、ショルダ面は、研磨部材から常に一定方向の力を受けながら研磨されることになる。よって、上記構成によれば、筒状孔のショルダ面を精度よく研磨することができる。
上記の研磨装置において、前記押圧ユニットは、前記コイルばねと前記研磨部材との間に介在し、前記本体部材の内部に挿入されて軸方向に移動可能な環状の接触部材を有し、前記本体部材は、前記研磨部材側の開口部分に環状の係止部を有し、前記接触部材の外径は前記係止部の内径よりも大きくてもよい。
この構成によれば、接触部材の外径は係止部の内径よりも大きいことから、接触部材は係止部に係止されることで本体部材から抜け落ちることはない。また、接触部材を介して研磨部材を押圧するコイルばねも本体部材から抜け落ちることはない。そのため、研磨装置から研磨部材を取り外したとしても、押圧ユニットの各構成部材が互いに分離することはない。よって、上記の構成によれば、研磨部材の取付、取外し、及び交換を容易に行うことができる。
上記の研磨装置において、前記押圧ユニットは、前記コイルばねの前記本体部材に対する軸方向位置を変化させることにより、前記コイルばねが前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧する圧力を調整することができる圧力調整部材を有していてもよい。
この構成によれば、被研磨面の加工状況に応じて研磨部材をショルダ面に押圧する圧力を調整することができるため、精度の高い研磨が可能となる。
また、本発明の一態様に係る押圧ユニットは、加工対象に形成された筒状孔の内周面にガイドされながら回転し、前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面を研磨する研磨部材と、前記研磨部材を軸方向に移動可能に保持して前記研磨部材を回転させる駆動モータと、の間に配置され、前記研磨部材を前記ショルダ面に押圧するための押圧ユニットであって、前記加工対象における前記筒状孔の開口部分に取り付けられ、前記駆動モータが固定される筒状の本体部材と、前記本体部材の内部に位置し、前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧するコイルばねと、前記本体部材に対して回転可能に前記コイルばねを受ける環状の軸受と、を有する。
この押圧ユニットによれば、研磨装置で説明した理由と同じ理由により、筒状孔のショルダ面を精度よく研磨することができる。
また、本発明の一態様に係る研磨方法は、研磨部材を軸方向に移動可能に保持し、当該研磨部材を加工対象に形成された筒状孔の内周面でガイドしながら回転させ、前記研磨部材とともに回転するコイルばねによって前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面に向かって前記研磨部材を押圧することで、前記ショルダ面を研磨する。
この研磨方法によれば、研磨装置で説明した理由と同じ理由により、筒状孔のショルダ面を精度よく研磨することができる。
上記の研磨装置によれば、筒状孔のショルダ面を研磨することができる。
図1は、第1実施形態に係る研磨装置の分解一部断面図である。 図2は、第1実施形態に係る研磨装置の組立一部断面図である。 図3は、別の研磨部材を組み込んだ研磨装置の組立一部断面図である。 図4は、さらに別の研磨部材を組み込んだ研磨装置の組立一部断面図である。 図5は、第2実施形態に係る研磨装置の組立一部断面図である。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る研磨装置100について説明する。図1は、研磨装置100の分解一部断面図である。図2は、研磨装置100の組立一部断面図である。また、図3及び図4は、図2の研磨部材10Aと異なる研磨部材10B、10Cを組み付けた研磨装置100の組立一部断面図である。
図1に示すように、研磨装置100は、研磨部材10と、駆動モータ40と、押圧ユニット50と、を備えている。以下では、はじめに加工対象101について説明し、続いて研磨装置100の各構成要素及び使用方法について順に説明する。
<加工対象>
本実施形態の加工対象101は、エンジンのシリンダヘッドである。なお、エンジンのシリンダヘッドは一例であり、加工対象はこれに限られない。本実施形態の加工対象101には、燃料噴射弁を挿入するための筒状孔102が形成されている。図1に示すように、筒状孔102は、内径が段階的に小さくなるように形成されている。
筒状孔102は、内径が大きい側(図1の紙面上方側)から順に、第1内周面103、第1研磨ショルダ面104、第2内周面105、第2研磨ショルダ面106、第3内周面107、非研磨ショルダ面108、第3研磨ショルダ面109、及び第4内周面110の各面を有している。第1内周面103、第2内周面105、第3内周面107、及び第4内周面110は、筒状孔102の中心軸111を囲むようにして円筒状に形成され、中心軸111に対して平行に延びている。また、第1内周面103の開口部付近には、雌ねじ112が形成されている。
一方、第1研磨ショルダ面104、第2研磨ショルダ面106、及び非研磨ショルダ面108は、筒状孔102の中心軸111に対して垂直な環状面である。また、第3研磨ショルダ面109は、筒状孔102と同心の円錐面である。本実施形態において、第1研磨ショルダ面104、第2研磨ショルダ面106、及び第3研磨ショルダ面109は、燃料噴射弁又はOリングと接触するシート面である。そのため、本実施形態では、これらの面について研磨(ラッピング)を行って表面を滑らかに仕上げる。
<研磨部材>
研磨部材10は、ショルダ面104、106、109を研磨するための部材であって、回転軸が筒状孔102の中心軸111と一致するようにして回転する。本実施形態の研磨部材10には、第1研磨部材10A(図1及び図2参照)、第2研磨部材10B(図3参照)、及び第3研磨部材10C(図4参照)が含まれる。
第1研磨部材10Aは、第1研磨ショルダ面104を研磨するための研磨部材である。図1及び図2に示すように、第1研磨部材10Aは、第1研磨部11と、第1支持部12とを有している。
第1研磨部11は、第1研磨ショルダ面104に対向する環状の第1研磨面13が下面に形成された第1研磨円盤部14と、第1研磨円盤部14に対して軸方向に離間する第1ガイド円盤部15と、第1研磨円盤部14と第1ガイド円盤部15の間に位置する第1中間部16とを有している。第1研磨円盤部14及び第1ガイド円盤部15は、外周面が筒状孔102の第1内周面103に接するように形成されている。そのため、第1研磨部材10Aは第1内周面103にガイドされながら回転する。これにより、第1研磨部材10Aの回転軸が筒状孔102の中心軸111に対して傾斜するのを抑えることができ、第1研磨面13と第1研磨ショルダ面104の平行状態を維持することができる。
第1支持部12は、第1研磨部11を支持する部分である。第1支持部12は、第1研磨部11から駆動モータ40に向かって延びており、先端部分に駆動モータ40と連結する連結軸17を有している。連結軸17の外周面には、軸方向に延びるキー部18が形成されている。また、第1支持部12は、連結軸17よりも第1研磨部11側に位置する環状の被押圧部19を有している。被押圧部19の外径は、後述する押圧ユニット50の係止部59の内径よりも小さく、接触部材52の内径よりも大きい。
なお、第1支持部12は第1研磨部11と一体に形成してもよいが、第1支持部12から第1研磨部11を着脱できるように構成するのが望ましい。このように構成すれば、汎用性が高くなるとともに、第1研磨面13が摩耗した場合には第1研磨部11のみを交換すればよいためランニングコストを低減することができる。
第2研磨部材10Bは、第2研磨ショルダ面106を研磨するための研磨部材である。図3に示すように、第2研磨部材10Bは、第2研磨部21と、第2支持部22とを有している。
第2研磨部21は、第2研磨ショルダ面106に対向する環状の第2研磨面23が下面に形成された第2研磨円盤部24と、第2研磨円盤部24に対して軸方向に離間する第2ガイド円盤部25と、第2研磨円盤部24と第2ガイド円盤部25の間に位置する第2中間部26とを有している。第2研磨円盤部24及び第2ガイド円盤部25は、外周面が筒状孔102の第2内周面105に接するように形成されている。そのため、第2研磨部材10Bは第2内周面105にガイドされながら回転する。これにより、第2研磨部材10Bの回転軸が筒状孔102の中心軸111に対して傾斜するのを抑えることができ、第2研磨面23と第2研磨ショルダ面106の平行状態を維持することができる。
第2支持部22は、第2研磨部21を支持する部分である。第2支持部22は、第1研磨部材10Aの第1支持部12よりも軸方向寸法が大きい点を除けば、第1支持部12と基本的に同じ構成を有している。
第3研磨部材10Cは、第3研磨ショルダ面109を研磨するための研磨部材である。図4に示すように、第3研磨部材10Cは、第3研磨部31と、第3支持部32とを有している。
第3研磨部31は、第3支持部32に接続される円柱状の芯部33と、芯部33に設けられて外周面が筒状孔102の第2内周面105に接する第3ガイド円盤部34と、芯部33の先端側に隣接し第3研磨ショルダ面109に対向する第3研磨面35が形成された研磨円錐部36と、研磨円錐部36の先端側に隣接し筒状孔102の第4内周面110に接する円柱状のガイド円柱部37とを有している。
上記のとおり、第3ガイド円盤部34及びガイド円柱部37はそれぞれ筒状孔102の第2内周面105及び第4内周面110に接するため、第3研磨部材10Cは、第2内周面105及び第4内周面110にガイドされながら回転する。これにより、第3研磨部材10Cの回転軸が筒状孔102の中心軸111に対して傾斜するのを抑えることができ、第3研磨面35と第3研磨ショルダ面109の平行状態を維持することができる。
第3支持部32は、第3研磨部31を支持する部分である。第3支持部32は、第1研磨部材10Aの第1支持部12よりも軸方向寸法が大きい点を除けば、第1支持部12と基本的に同じ構成を有している。
<駆動モータ>
駆動モータ40は、研磨部材10を回転させる装置である。駆動モータ40は、モータ本体41と、フランジ部42と、連結部43と、を有している。
モータ本体41は、モータとしては比較的遅い100〜200rpmで回転する。これは、本実施形態では研磨部材10を100〜200rpmで回転させるところ、これと同じ回転数でモータ本体41を回転させれば、変速機は不要となって研磨装置100の構造を簡略化することができるからである。本実施形態ではモータ本体41として、エアモータを用いるが、電動モータ等他のモータを用いてもよい。
フランジ部42は、モータ本体41に固定されており、固定ボルト44が貫通する貫通孔45が形成されている。後述するように、押圧ユニット50の本体部材51には、固定ボルト44に対応するねじ穴60が形成されている。固定ボルト44をフランジ部42の貫通孔45を貫通して、押圧ユニット50のねじ穴60に組み合わせて締め付けることにより、駆動モータ40を押圧ユニット50に固定することができる。
連結部43は、モータ本体41の出力軸46に取り付けられている。図1に示すように、連結部43の内部には研磨部材10の連結軸17を収容する収容穴47が形成されており、さらに収容穴47には研磨部材10のキー部18に対応するキー溝48が軸方向に延びるようにして形成されている。連結部43のキー溝48に研磨部材10のキー部18を挿入することで、連結部43は研磨部材10を軸方向に移動可能に保持しつつ、研磨部材10を回転させることができる。
なお、研磨部材10の1つのキー部18に対し、駆動モータ40には1つのキー溝48を形成してもよく、複数のキー溝48を形成してもよい。また、連結軸17の外側に歯状の溝を形成して連結軸17をスプラインシャフトとし、連結部43の内側に歯状の溝を形成して連結部43をスプライン軸受としてもよい。
<押圧ユニット>
押圧ユニット50は、研磨部材10と駆動モータ40との間に位置しており、研磨部材10をショルダ面104、106、109に向かって押圧するユニットである。押圧ユニット50は、本体部材51と、接触部材52と、コイルばね53と、保持部材54と、軸受55と、圧力調整部材56とを有している。
本体部材51は、円筒状の形状を有している。本体部材51の外周面の研磨部材側の端部には筒状孔102に形成された雌ねじ112と組み合わせることができる雄ねじ57が形成されており、この雄ねじ57を筒状孔102の雌ねじ112に組み合わせてねじ込むことにより、本体部材51を筒状孔102の開口部分に取り付けることができる。また、本体部材51の駆動モータ40側の内周面には雌ねじ58が形成されており、研磨部材10側の開口部分には環状の係止部59を有している。なお、前述したように、本体部材51における駆動モータ40の貫通孔45に対向する部分には、ねじ穴60が形成されている。
接触部材52は、研磨部材10に接触する部材であって、本体部材51の内部に軸方向に移動可能に挿入されている。接触部材52は、研磨部材10の被押圧部19と接触する。接触部材52は環状に形成されており、接触部材52の外径は本体部材51の係止部59の内径よりも大きい。そのため、接触部材52は、本体部材51の内部から係止部59を越えて本体部材51の外部へ抜け落ちることはない。
コイルばね53は、接触部材52を介して、研磨部材10をショルダ面104、106、109に向かって押圧する部材である。コイルばね53の研磨部材10側の端部は接触部材52に固定されており、駆動モータ40側の端部は保持部材54に固定されている。また、後述するように、コイルばね53は接触部材52、保持部材54、及び研磨部材10とともに回転する。なお、前述のとおり、接触部材52は本体部材51の外部へ抜け落ちることがないため、コイルばね53も本体部材51の外部へ抜け落ちることはない。
保持部材54は、コイルばね53と軸受55の間に介在する部材であり、コイルばね53の駆動モータ40側の端部に固定されている。なお、保持部材54は、本体部材51の内部において軸方向に移動可能である。
軸受55は、コイルばね53が本体部材51に対して回転できるようにコイルばね53を受ける部材である。本実施形態の軸受55はいわゆるスラスト軸受であって、環状の静止板61と静止板61に対して回転する環状の回転板62を有している。静止板61は圧力調整部材56を介して本体部材51に固定されている。一方、回転板62は保持部材54に接続されており、研磨部材10の回転に伴って、接触部材52、コイルばね53、及び保持部材54とともに回転する。なお、軸受55は、コイルばね53を本体部材51に対して回転可能に受けることができればよく、スラスト軸受に限られない。
圧力調整部材56は、コイルばね53の研磨部材10に加える力を調整する部材である。圧力調整部材56は環状であって、外周面には本体部材51の内周面に形成された雌ねじ58と組み合わせることができる雄ねじ63が形成されており、本体部材51にねじ込まれている。圧力調整部材56の本体部材51にねじ込む量を調整することで、本体部材51に対する圧力調整部材56の軸方向位置を変更することができる。これにより、コイルばね53の駆動モータ40側の端部の軸方向位置が変化し、コイルばね53が研磨部材10をショルダ面104、106、109に向かって押圧する圧力を変化させることができる。
<使用方法>
次に、研磨装置100の使用方法について説明する。はじめに、研磨を行うショルダ面104、106、109全体に所定量の砥粒とオイルをひく。この状態で、研磨部材10を加工対象の筒状孔102に挿入する。第1研磨ショルダ面104を研磨する場合は第1研磨部材10Aを挿入し、第2研磨ショルダ面106を研磨する場合には第2研磨部材10Bを挿入し、第3研磨ショルダ面109を研磨する場合には第3研磨部材10Cを挿入する。
続いて、押圧ユニット50を加工対象101に取り付ける。押圧ユニット50の雄ねじ57を加工対象101の雌ねじ112に組み合わせて押圧ユニット50を加工対象101にねじ込めば、押圧ユニット50を加工対象101に取り付けることができる。その際、研磨部材10の被押圧部19が押圧ユニット50の接触部材52に接触し、接触部材52が本体部材51の内部に押し込まれる(図2参照)。これにより、研磨部材10は、接触部材52を介してコイルばね53によってショルダ面104、106、109に向かって押圧された状態となる。
なお、本実施形態では、押圧ユニット50において接触部材52は本体部材51の外部へ抜け落ちることはないため、押圧ユニット50の各構成部材が互いに分離することはない。そのため、本実施形態では、押圧ユニット50単体で取り扱うことができ、研磨部材10を交換するなどの作業を容易に行うことができる。
続いて、駆動モータ40を押圧ユニット50に固定する。前述のとおり、駆動モータ40の押圧ユニット50への固定は、固定ボルト44を用いて行う。その際、研磨部材10のキー部18が駆動モータ40のキー溝48に挿入されるように、研磨部材10の角度位置又は駆動モータ40の出力軸46の角度位置を調整する。
続いて、駆動モータ40を駆動して研磨部材10を回転させる。この際、第1研磨部材10Aであれば筒状孔102の第1内周面103にガイドされながら回転し、第2研磨部材10Bであれば筒状孔102の第2内周面105にガイドされながら回転し、第3研磨部材10Cであれば筒状孔102の第3内周面107及び第4内周面110にガイドされながら回転する。これにより、各研磨部材10A、10B、10Cは、回転軸が筒状孔102の中心軸111に常に一致した状態で回転することができる。
また、前述のとおり、コイルばね53は研磨部材10とともに回転しながら研磨部材10をショルダ面104、106、109に向かって押圧する。これにより、研磨部材10とショルダ面104、106、109の間の砥粒が周方向に転がりながらショルダ面104、106、109の表面を研磨する。なお、研磨部材10は、回転軸が筒状孔102の中心軸111に一致した状態で回転するため、研磨によってショルダ面104、106、109の中心軸が筒状孔102の中心軸111に対して傾斜するのを防ぐことができる。以上のように、本実施形態によれば、筒状孔102のショルダ面104、106、109を研磨することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る研磨装置200について説明する。図5は、第2実施形態に係る研磨装置200の組立一部断面図であって、第1実施形態の図2に相当する。以下では、図5で示す要素のうち、図2で示す要素と同一又は相当するものについては同じ符号を付し、第1実施形態と重複する説明は省略する。なお、本実施形態においても、研磨するショルダ面に応じて研磨部材を交換する。
本実施形態に係る研磨装置200は、押圧ユニット50を加工対象101への取り付けるための構成が第1実施形態の研磨装置100と異なる。具体的には、第1実施形態では押圧ユニット50を加工対象101にねじ込むことによって押圧ユニット50を加工対象101に取り付けていたが、本実施形態では取付ボルト71によって取り付ける。そのため、本実施形態では、加工対象101の筒状孔102に雌ねじ112(図2参照)は形成されておらず、また、押圧ユニット50の本体部材51に雄ねじ57(図2参照)は形成されていない。
図5に示すように、本実施形態では、押圧ユニット50が軸方向に対して垂直な方向に延びる突起部72を有しており、この突起部72に貫通孔73が形成されている。そして、加工対象101にはこの貫通孔73に対応する位置にねじ穴113が形成されている。これにより取付ボルト71を押圧ユニット50の貫通孔73を通って先端を加工対象101のねじ穴113に組み合わせて締め付けることにより、押圧ユニット50を加工対象101に取り付けることができる。
本実施形態によれば、押圧ユニット50を回転させることなく押圧ユニット50を加工対象101に取り付けることができる。つまり、研磨部材10に対する押圧ユニット50の周方向位置が変化することなく押圧ユニット50を取り付けることができる。そのため、押圧ユニット50に駆動モータ40を固定したままであっても、研磨部材10のキー部18を駆動モータ40のキー溝48に挿入させることができる。その結果、押圧ユニット50に駆動モータ40を取り付けたまま研磨装置200を加工対象101に取り付けることができ、作業効率を向上させることができる。
10 研磨部材
10A 第1研磨部材
10B 第2研磨部材
10C 第3研磨部材
40 駆動モータ
50 押圧ユニット
51 本体部材
52 接触部材
53 コイルばね
55 軸受
56 圧力調整部材
59 係止部
100、200 研磨装置
101 加工対象
102 筒状孔
103 第1内周面
104 第1研磨ショルダ面
105 第2内周面
106 第2研磨ショルダ面
107 第3内周面
109 第3研磨ショルダ面
110 第4内周面
111 中心軸

Claims (5)

  1. 加工対象に形成された筒状孔の内周面にガイドされながら回転し、前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面を研磨する研磨部材と、
    前記研磨部材を軸方向に移動可能に保持して前記研磨部材を回転させる駆動モータと、
    前記研磨部材と前記駆動モータとの間に位置する押圧ユニットと、を備え、
    前記押圧ユニットは、
    前記加工対象における前記筒状孔の開口部分に取り付けられ、前記駆動モータが固定される筒状の本体部材と、
    前記本体部材の内部に位置し、前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧するコイルばねと、
    前記本体部材に対して回転可能に前記コイルばねを受ける環状の軸受と、を有する研磨装置。
  2. 前記押圧ユニットは、前記コイルばねと前記研磨部材との間に介在し、前記本体部材の内部に挿入されて軸方向に移動可能な環状の接触部材を有し、
    前記本体部材は、前記研磨部材側の開口部分に環状の係止部を有し、
    前記接触部材の外径は前記係止部の内径よりも大きい、請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記押圧ユニットは、前記コイルばねの前記本体部材に対する軸方向位置を変化させることにより、前記コイルばねが前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧する圧力を調整することができる圧力調整部材を有する、請求項1又は2に記載の研磨装置。
  4. 加工対象に形成された筒状孔の内周面にガイドされながら回転し、前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面を研磨する研磨部材と、前記研磨部材を軸方向に移動可能に保持して前記研磨部材を回転させる駆動モータと、の間に配置され、前記研磨部材を前記ショルダ面に押圧するための押圧ユニットであって、
    前記加工対象における前記筒状孔の開口部分に取り付けられ、前記駆動モータが固定される筒状の本体部材と、
    前記本体部材の内部に位置し、前記研磨部材を前記ショルダ面に向かって押圧するコイルばねと、
    前記本体部材に対して回転可能に前記コイルばねを受ける環状の軸受と、を有する押圧ユニット。
  5. 研磨部材を軸方向に移動可能に保持し、当該研磨部材を加工対象に形成された筒状孔の内周面でガイドしながら回転させ、前記研磨部材とともに回転するコイルばねによって前記筒状孔の中心軸に対して垂直な環状面又は前記筒状孔と同心の円錐面であるショルダ面に向かって前記研磨部材を押圧することで、前記ショルダ面を研磨する、研磨方法。
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