JP2017080795A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態の熱交換器の製造方法は、複数のフィンと、熱交換パイプと、を持つ熱交換器の製造方法である。複数のフィンは第1方向に間隔をあけて設けられる。熱交換パイプは、複数のフィンを第1方向に貫通するとともに、冷媒が流通する。熱交換器における第1方向の第1端部を、第1方向における熱交換器の外側から治具により支持するとともに、第1方向に交差する第2方向から第1端部をクランパにより挟持するセット工程と、治具とともにクランパを第2方向に回動させ、熱交換パイプの第1端部を第2方向に曲げる曲げ工程と、を有する。
【選択図】図5
Description
(第1の実施形態)
まず、熱交換器1を備えた空気調和装置の室外機10について説明する。図1は、室外機10において、天板を取り外した状態を示す概略平面図である。
図1に示すように、室外機10は、図示しない室内機とともに、冷凍サイクル装置である空気調和装置を構成している。室外機10は、熱交換器1やファン2、機器ユニット3等がケーシング4内に収容されて構成されている。
図2に示すように、熱交換器1は、第1フィン積層体21及び第2フィン積層体22と、端板23,24と、を有している。
第1フィン積層体21は、間隔をあけて設けられた複数のフィン31と、複数のフィン31を積層方向に貫通する熱交換パイプ25と、を備えている。フィン31は、熱伝導率が優れた材料(例えばアルミニウム等)により形成されている。フィン31は、短冊状に形成されている。なお、以下の説明では、熱交換器1において、フィン31の積層方向(フィン31の厚さ方向)を単に積層方向といい、フィン31の長手方向を単に長手方向、フィン31の幅方向を単に幅方向という場合がある。
フランジ部36は、端板本体35における幅方向の両端縁から積層方向の外側(フィン積層体21,22から離間する向き)に向けて突設されている。本実施形態において、フランジ部36は、端板本体35の長手方向全域に亘って形成されている。また、各フランジ部36には、フランジ部36を幅方向に貫通する端板係合孔38が形成されている。端板係合孔38は、フランジ部36において、長手方向に間隔をあけて複数配列されている。
貫通部41は、対応するフィン貫通孔及び端板貫通孔(例えば、端板貫通孔35a)内にそれぞれ嵌合され、フィン31及び各端板23,24を積層方向に貫通している。
主辺部51は、平面視において、後壁4cに沿って延設されている。
第1側辺部52は、後壁4cから側壁4bに跨って配置されている。図1の例において、第1側辺部52の基端部は、平面視で円弧状に形成されている。また、第1側辺部52の前端部は、ケーシング4の前後方向に延びる直線状に形成されている。但し、第1側辺部52における直線部(前端部)長さは極めて短い。
次に、上述した熱交換器1の側辺部52,53を形成するための曲げ加工装置60について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標を用いて説明する。また、以下の説明では、各座標の矢印方向を+側といい、矢印方向と反対方向を−側という。本実施形態において、+Z側は上方に一致している。
図3に示す曲げ加工装置60は、平板状の熱交換器1(熱交換パイプ25)に対して曲げ加工を行うものである。曲げ加工装置60は、テーブル61と、曲げポンチ62と、下側クランパ63と、治具64と、を主に有している。
曲げ駒71は、Y方向から見た側面視で円形状に形成されている。曲げ駒71は、曲げ駒71の中心を通り、Y方向に延びる回転軸C周りに回動可能に構成されている。
上側クランパ72は、曲げ駒71の−Z側端部に一体に連結されている。すなわち、上側クランパ72は、曲げ駒71の回転に伴い、曲げ駒71とともに回転軸C周りに回動する。また、上側クランパ72は、XY方向に延在している。
基部77は、全体が一様な厚さに形成されている。
本実施形態の熱交換器1の製造方法は、載置工程と、第1加工工程と、第2加工工程と、を主に有している。
続いて、図4に示すように、熱交換器1の突出端部及び治具64をクランパ63,72によってZ方向で挟持する(クランプ工程(セット工程))。クランプ工程では、まずテーブル61を+Z側に上昇させる。このとき、熱交換器1及び治具64が上側クランパ72にZ方向で突き当たる位置までテーブル61を上昇させる。
また、下側クランパ63を+Z側に上昇させる。このとき、熱交換器1の突出端部及び治具64にZ方向で突き当たる位置まで下側クランパ63を上昇させる。これにより、熱交換器1の突出端部と治具64と、がクランパ63,72によってまとめて挟持される。
次に、図5、図6に示すように、熱交換器1(熱交換パイプ25)の突出端部に対して曲げ加工を行う(曲げ工程)。具体的には、各クランパ63,72によって熱交換器1の突出端部及び治具64を挟持した状態で、曲げポンチ62及び下側クランパ63を回動軸C周りの+Z側に一体で回動させる。すると、熱交換器1は曲げ駒71の外周面に巻き付けられるようにして熱交換パイプ25の曲げ加工が行われる。本実施形態においては、曲げポンチ62及び下側クランパ63を90°程度回動させる。このとき、治具64は、熱交換器1に装着された状態を保ったまま、曲げポンチ62及び下側クランパ63とともに回動軸C周りに一体で回動する。そして、熱交換パイプ25が曲げ加工されることで、上述した第1側辺部52(図2参照)が形成される。なお、曲げ工程において、テーブル61は、熱交換器1との間の摩擦力によって+X側に移動する。
以上により、第1加工工程が終了する。なお、第1加工工程の終了後、治具64を熱交換器1から取り外しても構わない。
また、図示を省略したが、曲げ工程時には、各フィン積層体21,22間に、フィン31同士の噛み合いを防止する弾性変形可能な薄板シート部材を設けることが望ましい。
この構成によれば、第1端板23やフィン31の変形を抑えた上で、熱交換パイプ25に曲げ加工を施すことができる。これにより、クランパ63,72によるクランプ代が小さい場合であっても、熱交換パイプ25に対するフィン31や第1端板23を所望の姿勢に保ったまま熱交換パイプ25を所望の方向に曲げることができる。その結果、曲げ加工の加工性を向上させることができる。そして、各フィン31の変形を抑制することで、各フィン31間の隙間を維持でき、熱交換効率に優れた熱交換器1を提供できる。
この構成によれば、治具64によってフランジ部36の内側から第1端板23を支持できるので、治具64と熱交換器1との位置ずれを抑制し、曲げ工程での第1端板23やフィン31の変形を確実に抑制できる。
上述した実施形態では、熱交換器1が端板23,24を有する構成について説明したが、これに限られない。この場合には、フィン積層体21,22のうち、積層方向の最外に位置するフィン31を治具64によって支持することで、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、本実施形態では、曲げ工程において熱交換器1が積層方向の外側から治具64に支持されていれば構わない。
また、第1端板23の外側にヘッダが取り付けられた状態で曲げ加工を行っても構わない。
上述した実施形態では、平面視形状がU字状の熱交換器1を例にして説明したが、これに限らず、例えばL字状の熱交換器1を製造する場合であっても、本実施形態の方法を採用することが可能である。
図7は、第2の実施形態における治具装着工程を説明するための工程図であって、曲げ加工装置60の概略構成図である。本実施形態では、治具100に差込ピン101を設けた点で上述した第1の実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の治具100は、スペーサ80から−X側に向けて突出する差込ピン101を備えている。差込ピン101は、上述した熱交換器1のフレア部43に対応する位置に設けられている。差込ピン101は、フレア部43内に挿入可能な外径に形成されている。なお、差込ピン101は、全てのフレア部43に対応する位置に設けられていることが好ましい。但し、差込ピン101は、各フレア部43のうち、少なくとも1つのフレア部43に対応する位置に設けられていれば構わない。
また、第1加工工程の後、治具100を装着した状態で、第2加工工程を行う場合であっても、熱交換器1から治具100が脱落するのを抑制できる。
図8は、第3の実施形態におけるクランプ工程を説明するための説明図であって、曲げ加工装置60の概略構成図である。本実施形態では、第1端板23のフランジ部36に形成された端板係合孔38を曲げ工程での位置決めに用いる点で、上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示す本実施形態の曲げ加工装置60において、各クランパ63,72には、上述した端板係合孔38に係合される係合ピン201が形成されている。係合ピン201は、各クランパ63,72のうち、端板係合孔38に対応する位置からZ方向に突設されている。なお、係合ピン201は、全ての端板係合孔38に対応する位置に設けられていることが好ましい。但し、係合ピン201は、各端板係合孔38のうち、少なくとも1つの端板係合孔38に対応する位置に設けられていれば構わない。
また、係合ピン201が端板係合孔38の内周面に接触している場合には、クランパ63,72と熱交換器1の突出端部との接触面積を増加させることができる。これにより、曲げ荷重が第1端板23やフィン31等に局所的に作用するのを抑制し、第1端板23やフィン31等の変形を確実に抑制できる。
Claims (5)
- 第1方向に間隔をあけて設けられた複数のフィンと、前記複数のフィンを第1方向に貫通するとともに、冷媒が流通する熱交換パイプと、を有する熱交換器の製造方法であって、
前記熱交換器における前記第1方向の第1端部を、前記第1方向における前記熱交換器の外側から治具により支持するとともに、前記第1方向に交差する第2方向から前記第1端部をクランパにより挟持するセット工程と、
前記治具とともに前記クランパを前記第2方向に回動させ、前記熱交換パイプの前記第1端部を前記第2方向に曲げる曲げ工程と、を有している、
熱交換器の製造方法。 - 請求項1に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記熱交換器は、少なくとも前記第1端部において、前記複数のフィンに対して前記第1方向の外側に配置された端板を備え、
前記端板は、前記第1方向で前記フィンに重なり合う端板本体、及び前記端板本体における前記第2方向の両端部から前記第1方向における前記熱交換器の外側に延びるフランジ部を有し、
前記セット工程では、前記治具を前記フランジ部の内側に進入させる、
熱交換器の製造方法。 - 請求項2に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記端板は、前記フランジ部を前記第2方向に貫通する端板係合孔を有し、
前記セット工程では、前記クランパの係合ピンを前記端板係合孔に係合させる、
熱交換器の製造方法。 - 請求項3に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記治具のうち、前記端板係合孔に前記第2方向で重なる位置には、治具側係合孔が形成され、
前記セット工程では、前記端板係合孔及び前記治具側係合孔に前記係合ピンを係合させる、
熱交換器の製造方法。 - 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記セット工程では、前記第1方向における前記熱交換器の外側から前記熱交換パイプ内に前記治具の位置決めピンを挿通する、
熱交換器の製造方法。
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