[0001]本出願は、2011年9月7日付けで出願された豪州特許出願第2011221364号の利益を主張するものであり、その開示内容はそのまま、参照によって本出願に包含される。
[0023]以下、図面を参照して本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の外観図である。ゲーム機1は、スロットマシンタイプのゲーム機として構成されている。図1に示すように、ゲーム機1は、筐体2を有している。筐体2の前面には、表示装置3が設けられている。表示装置3には、一例として、液晶ディスプレイ装置が利用されている。
[0024]表示装置3の下側には、コントロールパネル4が設けられている。コントロールパネル4には、コイン投入口5及び、操作装置6が設けられている。操作装置6は、例えば、ベット操作その他の各種の操作を行うためのボタンスイッチといった操作部材を含んでいる。また、コントロールパネル4の下側には、コイン払い出し口7が設けられている。
[0025]図2を参照して、ゲーム機1の構成を更に説明する。図2は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図2に示すように、ゲーム機1には、筐体2の内部にコンピュータとしての制御ユニット20が設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだユニットとして構成されている。制御ユニット20には、外部記憶装置21が接続されている。
[0026]外部記憶装置21には、磁気記憶媒体、DVD−ROM等の光学式記憶媒体或いは、EEPROM等の不揮発性半導体メモリといった電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
[0027]外部記憶装置21には、ゲームプログラム22と、ゲームデータ23とが記憶されている。ゲームプログラム22は、ゲーム機1がゲームを実行するために必要なプログラムである。ゲームデータ23は、ゲームプログラム22が実行された際に利用される各種データである。ゲームプログラム22は、制御ユニット20に適宜読み込まれて実行される。ゲームデータ23も制御ユニット20に適宜読み込まれて参照される。
[0028]ゲームデータ23には、画像データ23aと、ムービーデータ23bと、属性管理データ23cとが含まれている。画像データ23aは、ゲームに必要な各種画像を表示装置3に表示させるためのデータである。ムービーデータ23bは、ゲームに必要な各種動画を表示装置3に表示させるために必要なデータである。
[0029]属性管理データ23cは、ムービーデータ23bにより表示される各動画の当たり、大当たりといった属性を管理するためのデータである。属性管理データ23cの詳細は、後述する。なお、ゲームプログラム22には、ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれるが、それらの図示は省略した。同様に、ゲームデータ23には、その他にも効果音データ、配当データ、リールデータ等の各種データが含まれているが、それらの図示も省略した。
[0030]制御ユニット20には、上述した操作装置6及び表示装置3が接続される。操作装置6は、プレイヤの操作に応じた信号を制御ユニット20に出力する。表示装置3は、制御ユニット20から出力される画像信号に応じた画像(動画を含む)を表示する。制御ユニット20は、操作装置6の出力信号を参照しつつゲームプログラム22に従って所定の手順でゲームを実行する。これに伴い制御ユニット20は、ゲームの状況に応じたゲーム画面を表示装置3上に表示させる。このゲーム画面には、例えば、ムービーデータ23bに基づいて表示される各種動画も含まれる。
[0031]制御ユニット20には、ゲームを実行するために必要な入力装置又は出力装置として、更に、硬貨投入装置24及び、払出装置25が接続される。硬貨投入装置24は、コイン投入口5を通じて、ゲームをプレイする対価としてのコインの投入を受け付ける。そして、硬貨投入装置は、コインの投入量(投入額)に応じた信号を制御ユニット20に出力する。
[0032]払出装置25は、制御ユニット20からの指示に従って、プレイヤにゲームの配当としてのコインの支払いを実行する。コインの支払いは、コイン払い出し口7を通じて実行される。なお、受け付ける対価及び、プレイヤへの配当は、コインに限定されない。例えば、代替通貨としてのメダル、トークン等が利用されてもよい。或いは、電子通貨その他の電子的な情報の交換を介して遊技価値のやり取りが可能な決算方法が利用されてもよい。この場合、コイン投入口5及びコイン払い出し口7に替えて、電子的な情報を相互に交換する情報通信手段及び、交換される情報を記憶する記憶媒体等が利用されてもよい。
[0033]制御ユニット20の内部には、乱数発生部26、抽選部27、入賞判定部28、属性管理部29及び、動画再生部30が設けられる。乱数発生部26は、所定の桁数の乱数を発生させる。乱数発生部26はマイクロプロセッサとソフトウェアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。なお、乱数発生部26は、電子回路を組み合わせた物理的装置でもよい。
[0034]抽選部27は、乱数発生部26から乱数を取得して、各種の抽選を実行する。その抽選には、例えば、スロットゲームを実現するための仮想リールの停止位置の抽選等が含まれる。入賞判定部28は、抽選部27の抽選結果に基づいて、プレイヤの入賞の有無を判別する。属性管理部29は、属性管理データ23cの管理等を実行する。属性管理データ23cの管理には、属性管理データ23cの内容の更新も含まれる。動画再生部30は、ムービーデータ23bに基づいて、各種の動画を表示装置3に表示させる。抽選部27、入賞判定部28、属性管理部29及び、動画再生部30は、マイクロプロセッサとソフトウェアとの組み合わせにより実現される論理的装置である。制御ユニット20には、その他にもスロットゲームを実行するために必要な論理的装置、或いは物理的装置が適宜に設けられるが、それらの図示は省略した。
[0035]次に、図3〜図7を参照して、ゲーム機1で実行されるゲームについて説明する。図3は、ゲーム画面の一例を示す図である。ゲーム画面31は、所定の領域としてのプッシャゲーム領域31aと、スロットゲーム領域31bと、を備えている。また、プッシャゲーム領域31aとスロットゲーム領域31bとの間には、間隔Dがあけられている。なお、間隔Dは、省略されてもよい。
[0036]スロットゲーム領域31bでは、複数のシンボル32がそれぞれ含まれる複数の仮想リール33を利用した周知のスロットゲームが提供される。このようなスロットゲームでは、例えば、複数の仮想リール33上に同じシンボル32により所定の配列が形成された場合に入賞が成立し、配当が付与される。
[0037]プッシャゲーム領域31aでは、スロットゲーム領域31bのスロットゲームにて、所定の条件が成立した場合に、ボーナスゲームとしてプッシャゲームが提供される。所定の条件は、例えば、所定の配列が所定のシンボル32により形成された場合や配列の中に特定のシンボルが含まれていた場合に満たされる。
[0038]プッシャゲーム領域31aには、ムービーデータ23bに基づいて、動画が再生される。動画中には、プッシャ35、テーブル36及び、判別位置としての9つの穴37の表示が含まれている。9つの穴37は、テーブル36の先端側に配置され、先端側に沿うように横一列に並べられている。また、各穴37は、コイン38等の到達位置として、また、到達したコイン38等の表示が落下により消える位置として、判別可能なように他の部分と区別可能に表示されている。テーブル36の上には、多数のコイン38及び、複数のオブジェクト39が配置されている。また、オブジェクト39は、例えば、クラウン39a、クマ39b、ダイヤ39c、スペシャルコイン39dといった形態で表示される。
[0039]プッシャ35は、テーブル36上を穴37方向に一定の位置まで移動するように表示される。また、一定の位置まで移動後、プッシャ35は、開始位置まで戻る。このように、プッシャ35は、一定の位置と開始位置との間を繰り返し往復移動するように表示される。
[0040]プッシャゲーム領域31aには、所定の条件が満たされるまで同じ動画が繰り返し再生される。このような動画は、プッシャ35の移動範囲、つまり一定の位置から開始位置の間までにコイン38及びオブジェクト39が配置される画像を含んでいない。つまり、プッシャ35の移動範囲には、コイン38及びオブジェクト39は表示されない。従って、このような動画中では、プッシャ35が往復移動を繰り返す以外に変化がない。
[0041]一方、所定の条件が満たされた場合には、スロットゲーム領域31bの表示が切り替えられる。切り替え後は、スロットゲーム領域31bにて、ボーナススロットルゲームが提供される。図4は、ボーナススロットルゲームが提供されているゲーム画面の一例を示す図である。
[0042]図4に示すように、スロットゲーム領域31bには、9つの仮想リール40及び各仮想リール40を横断するように横方向に延びる判定ラインHLが表示される。9つの仮想リール40のそれぞれは、プッシャゲーム領域31aの9つの穴37にそれぞれ対応付けられている。具体的には、9つの仮想リール40のうち左端に位置する第1仮想リール40aが9つの穴37のうち左端に位置する第1穴37aに、その隣の第2仮想リール40bが第1穴37aの隣の第2穴37bに、それぞれ対応するといった具合に順に各仮想リール40は各穴37に対応付けられている。なお、このような関連付けは、各仮想リール40と各穴37との関連付けを定義するテーブル(不図示)にて実現されてよい。
[0043]仮想リール40は、所定数のシンボル領域41が一方向に連ねられることにより構成される。各シンボル領域41には、一部にシンボル42が配置される。シンボル42には、クラウンの図形42a、文字の図形42bが含まれる。シンボル42は、当たり属性を示す情報としても機能する。具体的には、クラウンの図形42aが大当たりの属性を、文字の図形42bが当たりの属性を、それぞれ有している。また、シンボル領域41にシンボル42が含まれていない場合には、ハズレの属性を示す情報として機能する。
[0044]なお、各シンボル42と当たり属性とは、これらを互いに関連付けるテーブル(不図示)にて定義されていてよい。また、各仮想リール40を構成する各シンボル領域41及び、各シンボル領域41におけるシンボル42の種類は、例えば、これらを記述したリールデータ(不図示)にて、定義されてよい。各仮想リール40のシンボル42の配列は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、仮想リール40は、観念的には、円筒体の外周にシンボルを配置した機械的なリールと同様に、円筒体状に構成された存在である。
[0045]一方、所定の条件が満たされた場合には、プッシャゲーム領域31aで再生される動画も切り替えられる。そして、ボーナススロットルゲームが開始されると、各仮想リール40は、上から下方向にスクロールされる。そのスクロールは、物理リールが回転するときのシンボルの移動を、画像表示に置き換えて仮想的に表現するように行われる。所定の停止時期において、各仮想リール40は、停止する。
[0046]図5は、図4から一定時間経過し、仮想リール40が停止した後のゲーム画面の一例を示す図である。図5に示すように、切り替え後のプッシャゲーム領域31aには、9つの穴37にそれぞれ対応する9つのラベル部43が表示される。また、各仮想リール40が停止したときに、判定ラインHL上に位置するシンボル42は、各仮想リール40を介して対応づけられる各穴37の各ラベル部43にコピーされ、表示される。
[0047]図5の例では、第1仮想リール40aには文字の図形42bが、第1仮想リール40aから3つ隣の第4仮想リール40dにはクラウンの図形42aが、それぞれ判定ラインHL上に表示されている。同様に、第4仮想リール40dの更に3つ隣の第7仮想リール40gには文字の図形42bが、その隣の第8仮想リール40hにはクラウンの図形42aが、それぞれ判定ラインHL上に表示されている。また、判定ラインHL上に位置するそれら以外の仮想リールのシンボル領域41には、シンボル42が配置されていない。
[0048]従って、図5の例では、第1仮想リール40a、第4仮想リール40d、第7仮想リール40g、及び、第8仮想リール40hの判定ラインHL上に位置する各シンボル42が、これらの仮想リール40a、40d、40g、40hに対応する各ラベル部43にコピーされ、表示される。具体的には、第1仮想リール40aに対応する第1穴37aの第1ラベル部43aに文字の図形42bが、第4仮想リール40dに対応する第4穴37dの第4ラベル部43dにクラウンの図形42aが、それぞれ表示される。同様に、第7仮想リール40gに対応する第7穴37gの第7ラベル部43gに文字の図形42bが、第8仮想リール40hに対応する第8穴37hの第8ラベル部43hにクラウンの図形42aが、それぞれ表示される。
[0049]各穴37には、ラベル部43に表示されたシンボル42に対応する属性が付与される。具体的には、穴37は、ラベル部43にクラウンの図形42aが表示されることにより大当たりの属性が、文字の図形42bが表示されることにより当たりの属性が、それぞれ付与される。一方、シンボル42がラベル部43に表示されない場合、各穴37は、ハズレという属性が付与される。そして、当たり或いは大当たりの属性が付与された穴37に、オブジェクト39が落下した場合に、ボーナスが付与される。なお、各シンボル42がコピーされることを案内する演出及び、それらのシンボル42が各ラベル部43まで移動するような演出がされてもよい。この場合、プッシャゲーム領域31aとスロットゲーム領域31bとの間の間隔Dにて、移動中の各シンボル42が一度消えるように演出されてもよい。
[0050]各ラベル部43に各シンボル42が表示された後には、プッシャゲーム領域31aで再生される動画が更に切り替えられる。具体的には、上方からコイン38或いはオブジェクト39が落下し、この落下したコイン38等がプッシャ35の移動範囲に配置される動画が再生される。この動画中では、プッシャ35の往復移動に伴って、テーブル36上の移動範囲に配置されたコイン38等は、プッシャ35に押され、穴37方向に移動する。
[0051]図6は、図5から一定時間経過し、プッシャゲーム領域31aがコイン38等の落下を含む動画に切り替えられた後のゲーム画面の一例を示す図である。図6に示すように、切り替え後の動画には、落下したコイン38等が穴37方向に押されることにより、他のコイン38も押される表示が含まれる。そして、動画中では、他のコイン38及び、その上のオブジェクト39も穴37方向に移動するように表示される。このような移動により、動画中では、連鎖的にテーブル36上の先端側のコイン38も押されるように表示される。そして、動画中の先端側のコイン38及びオブジェクト39は、所定の位置よりも穴37側に押されると、穴37に落下するように表示される。
[0052]一方、スロットゲーム領域31bには、大当たりに対応する配当表が表示される。具体的には、クラウンの図形42aがラベル部43に表示されている穴37にオブジェクト39が落下した場合のオブジェクト39の形態に応じた配当が表示されている。
[0053]図6の例では、第1穴37a及び第3穴37cに落下中のコイン38が表示されている。また、第4穴37dには、クラウン39aが落下中である。従って、オブジェクト39の形態がクラウン39aの場合の配当がプレイヤに付与される。具体的には、図6の例では、配当として“$800”がプレイヤに付与される。一方、文字の図形42bに対応する穴37にオブジェクト39が落下した場合には、その形態に関係なく所定の配当が付与される。所定の配当として、例えば、配当表の一番低い配当或いは、それよりも低い固定の配当が利用されてよい。
[0054]大当たりが発生した場合には、付与される配当がプレイヤに案内される。図7は、大当たりが発生した場合のゲーム画面の一例を示す図である。図7に示すように、大当たりの種類及び、その配当がプッシャゲーム領域31aに表示される。
[0055]次に、ムービーデータ23b及び、属性管理データ23cについて説明する。ムービーデータ23bは、連続性のあるプッシャゲームを表示可能なように構成されている。図8は、ムービーデータ23bにより表示される動画の構成を説明するための図である。図8に示すように、連続性を有する一連のプッシャゲームを表現するための動画全体は、複数の動画に分割されている。つまり、ムービー全体は、複数の分割ムービーにより構成されている。従って、ムービーデータ23bは、これらの複数の分割ムービーをそれぞれ再生するための各データを含んでいる。また、オブジェクト39の移動経路、落下位置といった各分割ムービーの内容は、互いに異なっている。但し、各分割ムービーを再生するための各データは、再生に利用される毎に、同じ内容の分割ムービーを再生するように構成されている。つまり、各分割ムービーの内容は、何度再生されても変わらない。
[0056]複数の分割ムービーは、所定の順番で再生される。また、各分割ムービーには、再生される順に番号が付けられている。図8の例では、最初に再生される分割ムービーに“0001”が付けられている。そして、その後、各分割ムービーには、“002”、“003”といった具合に再生される順に番号が付けられている。
[0057]各分割ムービーは、追加されるコイン38、オブジェクト39の配置、或いはコイン38及びオブジェクト39の移動経路等、互いに内容が異なっている。また、一つの分割ムービーは、1回のボーナスゲームに対応して再生される。そして、ムービー002は、ムービー001の続きに対応する動画である。具体的には、ムービー002は、ムービー001の動画の終了状態、つまりプッシャ35にコイン38等が押され、コイン38等の連鎖的移動が終了した直後の状態から開始される動画である。従って、ムービー001、ムービー002、ムービー003といった具合に順番に各分割ムービーが再生されることにより、繰り返しプッシャ35が往復運動しつつコイン38等を穴37に落下させる全体ムービーが実現される。
[0058]図8の例では、ムービー全体は、500の分割ムービーに分割されている。この場合、ムービー001は、ムービー500の続きに対応する動画である。つまり、最初に再生される分割ムービーは、最後に再生される分割ムービーの続きに対応する。これにより、全体ムービーは、繰り返し再生された場合でも連続性を有するように構成されている。
[0059]一方、図9は、属性管理データ23cの内容の一例を示す図である。図9に示すように、属性管理データ23cは、ムービーNOの情報と、到達位置の情報と、到達オブジェクト39の情報と、穴の属性の情報と、を含んでいる。属性管理データ23cは、これらの情報を対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。
[0060]ムービーNOの情報は、分割ムービーのいずれかを特定するための情報である。例えば、ムービーNOの情報として、各分割ムービーに割り当てられたユニークな番号が記述される。到達位置の情報は、動画中においてオブジェクト39が到達する位置、より具体的にはオブジェクト39が到達する穴を示す情報である。例えば、到達位置の情報として、第1穴37a、第2穴37bという具合に9つの穴37のいずれかを示す情報が記述される。到達位置の情報を含むことにより、属性管理データ23cが本発明の到達位置データとしても機能する。
[0061]また、到達オブジェクトの情報は、到達位置の情報で特定される穴37に到達するオブジェクト39の形態を示す情報である。例えば、到達オブジェクトの情報には、クラウン39a、クマ39bといった形態が記述される。穴の属性の情報は、到達位置の情報で特定された穴37の当たりの属性を示す情報である。例えば、属性の情報として、ハズレ、当たり、大当たりのいずれかが記述される。
[0062]図9の例では、分割ムービーのうちの1番目に対応する“ムービー001”には、第1穴37aにオブジェクト39が何も到達しないという情報が記述されている。また、その第1穴37aの属性は、“ハズレ”という情報も記述されている。一方、“ムービー001”の第4穴37dにはクラウン39aのオブジェクト39が到達するという情報が記述されている。そして、その第4穴37dの属性は、“大当たり”という情報が記述されている。同様に、分割ムービー毎かつ、穴37毎のレコードが存在するが、図9では図示を省略した。
[0063]次に、制御ユニット20が実行するボーナスゲームルーチンについて説明する。制御ユニット20は、スロットゲーム領域31bのスロットゲームにて、所定の条件が満たされた場合に、ボーナスゲームに必要な処理として、図10に示すボーナスゲームルーチンを実行する。なお、制御ユニット20は、ボーナスゲーム、或いはスロットゲーム等を実現するために、その他にも各種のルーチンを実行するが、それらは周知の処理のため、詳細な説明を省略する。
[0064]図10は、制御ユニット20が実行するボーナスゲームルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図10のルーチンを開始すると、制御ユニット20は、まずステップS11で、各仮想リール40の停止位置を抽選するためのサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、仮想リール40毎に、判定ラインHL上に停止すべきシンボル領域41が抽選される。その抽選は、抽選部27が乱数発生部26から乱数を取得することにより行われる。この抽選結果により、判定ラインHL上の各シンボル領域41及び、そこに含まれる各シンボル42が仮想リール40毎に決定される。なお、このサブルーチンは、スロットゲームと同様に、周知な処理にて実現可能なため、詳細な説明は省略する。
[0065]続くステップS12において、制御ユニット20は、各仮想リール40のスクロールを開始させる。次のステップS13において、制御ユニット20は、ステップS11で決定した停止位置に各仮想リール40を停止させる。その後、制御ユニット20は、ステップS14に進み、各穴37の属性を決定するためのサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。
[0066]続くステップS15において、制御ユニット20は、入賞を判定するためのサブルーチンを実行する。サブルーチンの内容は後述する。次の、ステップS16にて、制御ユニット20は、入賞判定部28を利用して、入賞の有無を判断する。具体的には、ステップS15のサブルーチンの処理結果を利用して、入賞の有無を判断する。ステップS16の判断結果が否定的判断の場合、つまり入賞していないと判断した場合、制御ユニット20は、ステップS17及びステップS18をスキップして今回のボーナスゲームルーチンを終了する。
[0067]一方、ステップS16の判断結果が肯定的判断の場合、つまり入賞していると判断した場合、制御ユニット20は、ステップS17に進む。ステップS17において、制御ユニット20は、当たり、大当たり等に対応する入賞の種類に応じた所定の配当をプレイヤに付与する。なお、所定の配当は、各入賞の種類と各配当とを対応付ける配当データ(不図示)にて管理されていてよい。
[0068]次のステップS18において、制御ユニット20は、プッシャゲーム領域31aに表示される動画が所定の順番に従って次の動画に切り替えられるように、動画再生部30に動画切り替え指示を出力して、今回のルーチンを終了する。動画再生部30は、この動画切り替え指示に従って、プッシャゲーム領域31aに次の動画を表示させる。これにより、ボーナスゲームが実行され、また、その終了後にプッシャゲーム領域31aの動画が次の動画に切り替えられる。
[0069]図11は、制御ユニット20が実行する属性付与ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図11のサブルーチンは、ボーナスゲームルーチンのサブルーチン処理として、図10のステップS14で呼び出されて実行される。この処理は、属性管理部29を利用して、実行される。
[0070]制御ユニット20は、図11の属性付与ルーチンを開始すると、まずステップS21において、図10のルーチンのステップS11の抽選結果を取得する。具体的には、抽選により、判定ラインHL上に配置される仮想リール40毎の各シンボル42の情報を取得する。このシンボル42の情報には、シンボル領域41にシンボル42が含まれていないという情報も含む。次のステップS22において、制御ユニット20は、ステップS21で取得した各シンボル42に対応する属性を判別する。具体的には、クラウンの図形42aの場合には大当たりの属性と、文字の図形42bの場合には当たりの属性と、シンボルが含まれていない場合にはハズレの属性と、それぞれ判別する。この判別は、例えば、各シンボルと当たり属性とが関連付けられたテーブル(不図示)に基づいて実現される。
[0071]続くステップS23において、制御ユニット20は、ステップS21で取得した情報及び、ステップS22で判別した属性に基づいて、属性管理データ23cの内容を更新する。この更新は、例えば、次のように行われる。まず、各仮想リール40に対応する各穴37を判別する。この判別は、例えば、各仮想リール40と各穴37との関連付けを定義するテーブル(不図示)に基づいて、実現される。次に、制御ユニット20は、属性管理データ23c中の到達位置の情報に基づいて、判別した各穴37にそれぞれ対応するレコードを特定する。そして、制御ユニット20は、特定した各穴37のレコードにステップS22で判別した各属性が付与されるように、属性管理データ23cの穴の属性の情報を更新する。つまり、各穴37に対応するシンボルを特定し、そのシンボルに対応する属性が各穴37に付与されるように、属性管理データ23cの穴の属性の情報を更新する。具体的には、クラウンの図形42aに対応する穴37には大当たりの属性が、文字の図形42bに対応する穴37には当たりの属性が、それぞれ付与されるように穴の属性の情報を更新する。一方、これらの図形が表示されていない仮想リール40に対応する穴37、つまり、これらの図形に対応しない穴37には、ハズレの属性が付与されるように、穴の属性の情報を更新する。
[0072]次のステップS24において、制御ユニット20は、各シンボル42に対応する画像データを取得する。具体的には、制御ユニット20は、クラウンの図形42a又は文字の図形42bを表示するためのデータを画像データ23aから取得する。続くステップS25において、制御ユニット20は、プッシャゲーム領域31aの所定の位置にクラウンの図形42a又は文字の図形42bが配置されるように、ステップS24で取得した画像データを出力する。所定の位置として、各ラベル部43の位置が利用される。つまり、制御ユニット20は、動画の各ラベル部43の位置に抽選結果に対応したクラウンの図形42a又は文字の図形42bが表示されるように、これらの画像データを出力する。これにより、抽選結果に対応する各シンボル42の画像が動画の各ラベル部43の位置に合成されて表示され、プレイヤに各穴37の属性が案内される。なお、所定の位置は、例えば、処理毎に演算により取得してもよいし、各ラベル部43の位置が固定されている場合には、予め用意された位置の情報から取得してもよい。また、クラウンの図形42a又は文字の図形42bが各仮想リール40からコピーされる演出及び、それらが各ラベル部43に移動する演出が実行されるように、画像データが出力されてもよい。
[0073]制御ユニット20は、ステップS25の処理を終えると、属性付与ルーチンを終了し、図10のルーチンに戻る。以上のサブルーチンが実行されることにより、属性管理データ23c中の穴の属性の情報がボーナスゲームルーチンの抽選結果を反映するように更新される。また、各属性に対応する各シンボル42がラベル部43に表示され、これにより抽選結果に対応する各ラベル部43の属性がプレイヤに案内される。
[0074]図12は、制御ユニット20が実行する入賞判定ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図12のサブルーチンは、ボーナスゲームルーチンのサブルーチン処理として、図10のステップS15で呼び出されて実行される。この処理は、入賞判定部28を利用して、実行される。
[0075]図12の入賞判定ルーチンを開始すると、制御ユニット20は、まずステップS31において、属性管理データ23cの内容を取得する。より詳しくは、まずプッシャゲーム領域31aで現在再生に利用されている分割ムービーを特定する。そして、属性管理データ23cから特定した分割ムービーに対応する各レコード中の情報を取得する。
[0076]続くステップS32において、制御ユニット20は、ステップS31で取得した属性管理データ23cに基づいて、入賞を判別する。この判別は、例えば、次のように行われる。まず、制御ユニット20は、属性管理データ23cに基づいて、オブジェクト39が到達する各穴37を特定する。次に特定した各穴37に当たり属性が付与されているか否かを判別する。この判別が否定結果の場合、つまりオブジェクト39が到達するいずれの穴37にも当たり属性が付与されていない場合、入賞していないと判別する。一方、オブジェクト39が到達する穴37に当たり属性が付与されている場合には、その属性が当たりの属性か大当たりの属性かを判別する。その属性が当たりの属性の場合、通常入賞という判別をする。一方、その属性が大当たり属性の場合、特別入賞という判別をする。この場合、更に、制御ユニット20は、オブジェクト39の形態に応じて、特別入賞の種類を特定する。特別入賞の種類は、例えば、オブジェクト39の形態がクラウン39aの場合に第1特別入賞と、クマ39bの場合には第2特別入賞と、ダイヤ39cの場合には第3特別入賞と、スペシャルコイン39dの場合には第4特別入賞と、それぞれ特定される。これらをオブジェクト39が到達する穴37毎に実行することにより、制御ユニット20は、入賞を判別する。
[0077]次のステップS33において、制御ユニット20は、ステップS32の入賞判別の結果を記憶する。その後、制御ユニット20は、入賞判定ルーチンを終了し、図10のルーチンに戻る。その後、図10のステップS16では、図12のステップS33で記憶された判別結果に基づいて、入賞の有無が判断され、ステップS34にて入賞の種類に応じた配当が付与される。なお、例えば、第1特別入賞が図7の“$800”に、第2特別入賞が図7の“$100”に、第3特別入賞が図7の“$10”に、第4特別入賞が図7の“$5”に、それぞれ対応付けられる。
[0078]以上に説明したように、この形態によれば、動画中のオブジェクト39が到達する各穴37の当たり属性が抽選に応じて決定される。従って、オブジェクト39が同じ穴37に到達するような同じ動画を異なる抽選結果に利用することができる。このため、同じ動画であっても同じ結果が得られるとは限らない。つまり、同じ動画を利用して、プレイヤの推測とは異なる結果を与えることができる。このため、抽選結果の種類に応じた動画の種類を用意する必要がない。これにより、抽選結果の案内に必要な動画の種類を削減することができるので、動画を記憶するための記憶容量等のコストを削減することができる。
[0079]以上の形態では、制御ユニット20が、図11のステップS23の処理を実行することにより位置特定手段及び属性付与手段として、図11のルーチンを実行することにより付与属性案内手段として、それぞれ機能する。また、制御ユニット20が、図10のルーチンを実行することにより属性抽選手段として、図10のステップS17の処理を実行することにより変化発生手段として、それぞれ機能する。更に、制御ユニット20が、図10のステップS11の処理を実行することによりシンボル抽選手段として、図11のステップS22の処理を実行することによりシンボル属性判別手段として、それぞれ機能する。そして、制御ユニット20が、動画再生部30及び、図10のステップS18の処理を通じて、動画表示手段として機能する。
[0080]また、以上の形態では、外部記憶装置21が、属性管理データ23cを記憶することにより属性管理データ記憶手段及び、到達位置データ記憶手段として機能する。また、外部記憶装置21がムービーデータ23bを記憶することによりムービーデータ記憶手段としても機能する。
[0081]本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、属性管理データ23cは、到達位置の情報を含むことにより到達位置データとしても機能しているが、このような形態に限定されない。例えば、属性管理データ23cから穴の属性の情報が削除されたデータが到達位置データとして別に用意されていてもよい。この場合、入賞の判別の為に、一時的に属性管理データ23cが作成されてもよい。また、例えば、各シンボル42と当たり属性とを互いに関連付けるテーブル(不図示)が、本発明の属性管理データとして機能してもよい。
[0082]また、オブジェクト39の穴37への落下に合わせて、当たりの演出が実行されてもよい。このような演出として、例えば、オブジェクト39が落下した穴37を光らせる等、その穴が他の穴37よりも強調されるように表示されてもよい。このような強調は、例えば、オブジェクト39が落下した穴37のラベル部43に表示されるシンボル42の画像を光る画像に差し替える等により実現されてよい。このような変化を判別位置に生じさせることにより、制御ユニット20が位置表示変化手段として機能する。また、オブジェクト39が穴37に落下する時期を特定するために、例えば、各ムービーに含まれる落下を表現するコマ(画像)が動画中で利用される時期が管理されていてもよい。或いは、単に、動画の再生後からオブジェクトの落下に到るまでの経過時間がムービー毎に管理されていてもよい。
[0083]上述の形態では、複数のオブジェクト39が複数の穴37に到達する動画が利用され、その動画に基づいて一つの大当たりが発生している。しかし、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、上記のような動画に基づいて、複数の大当たりが発生してもよい。或いは、一つのオブジェクトが複数の穴のいずれか一つに到達するような動画が利用されてもよい。また、一つのオブジェクトが一つの穴に到達するような動画が利用されてもよい。更に、一つのオブジェクトが複数の判別位置に到達するような動画が利用されてもよい。
[0084]上述の形態では、スロットゲーム領域31bに表示される動画として、各分割ムービーが利用されている。また、各分割ムービーの内容、つまりムービー001、ムービー002等の内容は、同じデータに基づいて再生される限り、変化しない。つまり、各分割ムービー内のオブジェクト39の移動経路、落下位置等は、同じデータが利用されている限り、変化しない。しかし、スロットゲーム領域31bの動画は、このようなムービーデータ23bに基づいて再生される内容の変化しない動画に限定されない。例えば、画像を配置すべき位置が各種条件により変化し、その位置の時間経過に伴う変化により画像が移動する動画が利用されてもよい。画像の位置は、各種条件に基づいて、所定の周期で演算されればよい。つまり、オブジェクトの移動経路や到達位置等、内容の変化する動画が利用されてもよい。この場合、動画の内容と抽選結果との関係がより低下するので、プレイヤはより結果を予測し難い。このため、ゲームの興趣性をより向上させることができる。
[0085]上述の形態では、シンボル42の種類が抽選されているが、抽選はこのような形態に限定されない。例えば、複数種類の属性のいずれかが直接抽選されてもよい。また、プッシャゲーム領域31aにて実行されるゲームはプッシャゲームに限定されない。従って、プッシャゲーム領域31aにて利用される動画もプッシャゲームに限定されない。つまり、オブジェクトが移動する動画を利用したゲームであれば、任意のゲームがボーナスゲームとして利用されてよい。
[0086]また、スロットゲーム領域31bにて、実行されるゲームはスロットゲームに限定されない。カードゲーム等、任意のゲームが実行されてよい。従って、ボーナスゲームルーチンが実行される条件は、カードゲーム等において任意に設定されてよい。更に、ボーナスゲームルーチンは、別のゲームのボーナスとして実行される形態にも限定されない。例えば、ボーナスゲームルーチンは、遊技価値の消費と引き換えに単独で実行されてもよい。
[0087]上述の形態では、属性に対応するシンボル42が、各穴37に対応する各ラベル部43に表示されることにより、プレイヤに到達位置の属性が案内されているが、案内はこのような形態に限定されない。例えば、各到達位置の属性は、音声で案内されてもよいし、属性の情報が直接案内されてもよい。また、各到達位置の属性を含む一覧リストを通じて案内されてもよい。
[0088]また、上述の形態では、属性として大当たり、当たり、或いはハズレという属性が利用されているが、属性は、このような形態に限定されない。例えば、属性として、フリーゲーム(遊技価値を消費せずにプレイ可能なゲーム)、メインゲームでの高配当の付与、或いは、更に別のゲームの付与等、各種の属性が利用されてよい。