JP2017080170A - 循環排煙システム - Google Patents

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Kuniharu Hiraga
都敏 平賀
古川 喜之
Yoshiyuki Furukawa
喜之 古川
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聡 本間
青野 進
Susumu Aono
進 青野
孝則 牛島
Takanori Ushijima
孝則 牛島
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Abstract

【課題】シースが体腔内から抜けた場合にも、腹腔圧を変動させることなく排煙することができる、循環排煙システムを提供する。【解決手段】循環排煙システムは、患者14の体腔内で発生した煙を炭酸ガスとともに吸引し循環排煙する循環装置2と、一端が患者14の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられたトラカール12bと、一端が患者14の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられたトラカール12cと、トラカール12bに挿通される内視鏡10に装着され炭酸ガスを送気するシース13b、及び/又は、トラカール12cに挿通される電気メス11に装着され炭酸ガスを吸引するシース13cと、シース13c、13cがトラカール12b、及び/又は、トラカール12cに挿入されているか否かを検知し、検知結果に基づき循環装置2の動作を制御するプロセッサ5と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、循環排煙システムに関し、特に、シースを用いて気体を送吸気する循環排煙システムに関する。
従来、医療分野において、病気の診断・治療のために内視鏡が広く利用されている。患者の体内に内視鏡を挿入し、内視鏡により得られた画像を見ながら、術者は診断や処置をおこなうことができる。近年は、トラカールが穿刺された腹腔内での医療処置にも用いられている。
例えば、患者の体壁に穿刺された2つのトラカールの一方を介して内視鏡が腹腔内に挿入され、他方のトラカールを介して処置具が患者の腹腔内に挿入され、術者は内視鏡画像を見ながら処置具を操作して、腹腔内の患部の処置を行う。
術中、患者の腹腔内は、送気装置により炭酸ガスなどの所定ガスが送気され、その送気により形成された空間内で、患部に対する観察及び処置が行われる。このような腹腔内で医療処置が行われる際、電気メスや超音波処置具などが使用されると、患部を焼灼する際に煙やミストが発生し、内視鏡による術野が阻害されてしまう。発生した煙やミストを除去するために、フィルタを用いて体腔内から吸引した炭酸ガスから煙やミストを除去し、再び体腔内に炭酸ガスを送気することで排煙処理を行う、循環型の排煙装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているような循環排煙装置で排煙処理を行う場合、吸引と送気のバランスの制御が容易であり、体腔が脈動するのを防止することができる。また、体腔内から吸引した炭酸ガスを再び体腔内に送気するため、炭酸ガスの使用量を低減することができる。
近年、内視鏡や処置具にシースを取り付け、シースごとトラカールに挿入して手技を行う方法が開発されている。シースの先端部はトラカールの先端部よりも体腔内に延出して挿入されており、内視鏡や処置具の先端に近い。このため、トラカールでなくシースの先端から体腔内の炭酸ガスを吸引したり体腔内に送気したりすることで、トラカールから送気や吸引を行う場合よりも効率よく排煙することできる。
特開2011−318909号公報
しかしながら、手技の最中に、内視鏡や処置具を体腔内から抜いて清掃(汚れの除去)などが行われる場合、内視鏡や処置具と一緒にシースも体腔内から抜けてしまう。抜けたシースが吸引側の場合、大気中に開放されたシースから吸引した空気を体腔内へ送気することになるため、腹腔が過圧になってしまう。また、抜けたシースが送気側の場合、腔内から吸引した炭酸ガスを大気中に開放してしまうため、腹腔が萎んでしまう。すなわち、内視鏡や処置具と一緒にシースが体腔内から抜けると、腹腔圧が変動してしまい、手技に支障をきたすという問題があった。
そこで本発明は、シースが体腔内から抜けた場合にも、腹腔圧を変動させることなく排煙することができる、循環排煙システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の循環排煙システムは、所定の気体を送気するとともに被検体内で発生した煙を前記被検体内の気体とともに吸引し循環排煙する循環排煙部と、一端が前記被検体の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられた第1のトラカールと、一端が前記被検体の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられた第2のトラカールと、前記第1のトラカールに挿通される内視鏡に装着され前記気体を送気する第1のシース、及び/又は、前記第2のトラカールに挿通される処置具に装着され前記気体を吸引する第2のシースと、前記第1のシース、及び/又は、前記第2のシースが、前記第1のトラカール、及び/又は、前記第2のトラカールに挿入されているか否かを検知する検知部と、前記検知部の検知結果に基づき、前記循環排煙部の動作を制御する制御部と、を有する。
本発明の循環排煙システムによれば、シースが体腔内から抜けた場合にも、腹腔圧を変動させることなく排煙することができる。
本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図。 気腹、循環排煙動作を説明するフローチャート。 吸引チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャート。 本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図。 送気チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャート。 本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の更に別の一例を説明する図。 吸引チューブ側のシース、及び送気チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図。 吸引ルートの設定手順を説明するフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図。 送気ルートの設定手順を説明するフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の更に別の一例を説明する図。 吸引ルート及び送気ルートの設定手順を説明するフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図。 電気メスの構造を説明する概略図。 電気メスを貫通したシースをトラカールに挿入した状態を説明する概略図。 本発明の第3の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図である。図1に示すように、本実施形態の手術システムは、内視鏡観察下、炭酸ガスなどを送気することにより拡張された患者の腹腔内の患部を、電気メス11などの処置具などを用いて処置する手術に用いられる。
図1に示すように、患者14の腹壁には、送気用のトラカール12aと、第1のトラカールとしての内視鏡挿入用のトラカール12bと、第2のトラカールとしての処置具挿入用のトラカール12cとが穿刺されている。トラカール12cを介して第2のシースとしてのシース13cが腹腔内に挿入されており、トラカール12bを介して内視鏡10が腹腔内に挿入されている。シース13cには処置具としての電気メス11が貫通している。なお、トラカール12a、12b、12cは、基端側に逆止弁が設けられている。逆止弁は、シース13cをトラカール12c内部の中空領域に貫通させたときに、シース13cの外周部とトラカール12cの内周部との間の隙間をシールし、トラカール12c内部の気体が基端側から大気中に送出されたり、空気がトラカール12c内部に流入したりするのを防止する。
シース13cと電気メス11は機械的に一体化している。これにより電気メス11で患部を焼灼する時、電気メス11をトラカール12bの先端部から前後に動かしてもシース13cは常に電気メス11先端近傍に配置されるため、効率よく排煙することできる。
内視鏡10には、光源装置4とプロセッサ5とが接続されている。光源装置4は、半導体光源から出射された光を導光部材によって導光し、導光部材の先端に設けられた光変換部材により色や光度分布などを変換して、内視鏡10に照明光を供給する。
プロセッサ5は、内視鏡10に電源電圧を供給するとともに、内視鏡10によって撮像された画像を処理してモニタ6に表示させる。また、プロセッサ5は、循環装置2と通信ケーブルで接続されている。検知部、及び制御部としてのプロセッサ5は、内視鏡10によって撮像された画像を解析し、予め設定された色が所定割合以上検出された場合、シース13cが体腔内に挿入されている旨を循環装置2に対して送信する。一方、画像中において、予め設定された色が所定割合未満煙である場合、シース13cが体腔内に挿入されていない旨を循環装置2に対して送信する。なお、該信号は、内視鏡10から撮像画像が入力されている間は常に送信し続けるようにしてもよいし、循環装置2からのリクエストを受信した場合にのみ送信するようにしてもよい。なお、プロセッサ5は、検知部としての機能のみを有し、循環装置2の内部に制御部を設けてもよい。
電気メス11には、電気メス出力装置3が接続されている。電気メス出力装置3は、高周波電気エネルギーを発生させる高周波電流を出力する。電気メス11の先端の電極を患者14の患部組織に当接させることにより、電気メス出力装置3から出力された高周波電流を患部組織に集中的に流してジュール熱を発生させ、その熱によって患部組織の切開や出血部位の止血凝固などを行う。
所定のガスを送気する気腹装置1には、炭酸ガス(COガス)が充填された図示しないボンベが接続されている。気腹装置1には、気腹チューブ7の一端が接続されている。気腹チューブ7の他端は、患者14の腹壁に穿刺されたトラカール12aに接続されている。すなわち、気腹装置1は、気腹チューブ7とトラカール12aとを介して、患者14の腹腔内に炭酸ガスを送気できるように構成されている。
循環排煙部としての循環装置2には、吸引チューブ8の一端が接続されている。吸引チューブ8の他端はトラカール12cに挿入されたシース13cに接続されている。また、循環装置2には、送気チューブ9の一端が接続されている。送気チューブ9の他端はトラカール12bに接続されている。循環装置2には煙やミストを除去するための図示しないフィルタが設けられており、循環装置2は、吸引チューブ8とシース13cとを介して、患者14の腹腔内に充填されている炭酸ガスを吸引する。そして、循環装置2内において、図示しないフィルタにより炭酸ガスから煙やミストを除去した後に、送気チューブ9とトラカール12bとを介して、内視鏡10近傍に同炭酸ガスを噴出させるように構成されている。
次に、本実施形態の排煙装置を含む手術システムを用い、患者14の体腔内の気体を循環排煙する手順について、図2を用いて説明する。図2は、気腹、循環排煙動作を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内圧が設定圧力に達するまで、炭酸ガスを間欠送気して気腹する。気腹装置1は図示しないボンベから供給される炭酸ガスを気腹チューブ7に吐出し、患者14の体腔内に送気する(ステップS1)。送気を開始して一定時間が経過すると、気腹装置1は体腔内への炭酸ガスの吐出を停止する(ステップS2)。そして、送気停止期間中に、患者14の体腔内の圧力を測定する(ステップS3)。測定値が予め設定されている設定圧に到達していない場合(ステップS4、YES)、ステップS1に戻って間欠送気を続ける。
一方、患者14の体腔内圧が予め設定されている設定圧に到達している場合(ステップS4、NO)、患者14の体腔内圧が設定圧力よりも高くなっているか否かを判定する。腔圧が設定圧力よりも高くなっている場合(ステップS5、YES)、気腹装置1は、ボンベから気腹チューブ7の間の管路に設けられている図示しない電磁リリーフ弁を開の状態に制御して、腔内のガスを大気中にリリーフする(ステップS8)。電磁リリーフ弁を開にしてから一定時間経過後に、気腹装置1は電磁リリーフ弁を閉の状態に制御して、ガスのリリーフを停止する。そして、ステップS3に戻り、再び患者14の体腔内の圧力を測定する。ステップS3からステップS8までのガスのリリーフ動作は、腔圧が設定圧力になるまで繰り返し実行される。
一方、腔圧が設定圧力と一致する場合(ステップS5、NO)、十分に気腹が行えていると判断し、気腹装置1は、通信ケーブルを介して循環装置2に循環指示を出力し、循環排煙動作に移行する(ステップS6)。
ステップS6では、循環排煙動作に先立ち、図3のフローに従って、吸引チューブ8側のシース13cの有無を判定し、循環排煙動作の実行可否を決定する。図3は、吸引チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定する(ステップS61)。腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、内視鏡画像において、シース13c特有の色が含まれる割合を算出する(ステップS64)。
通常、体腔内を撮像した内視鏡画像には、腔内壁や患部組織を表す赤色系の色や、薬液などを用いて患部を特定するために染色した青色系の色が含まれるが、それ以外の色が含まれることはほとんどない。そこで、シース13cの外装色を、通常内視鏡画像に含まれる可能性がほとんどない色(例えば、黒色など)とすることで、内視鏡画像に黒色が所定割合以上含まれていれば、シース13cが体腔内に挿入されていると判定することができる。
内視鏡画像において、シース特有の色(例えば黒色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13cが挿入されていると判定する。判定結果はプロセッサ5から通信ケーブルを介して循環装置2に送信される。循環装置2は、判定結果に従って、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
一方、シース特有の色(例えば黒色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65、NO)、プロセッサ5は、体腔内にシース13cが挿入されていないと判定する。吸引チューブ8はシース13cに接続されているため、シース13cが体腔内に挿入されていない場合、吸引チューブ8も大気中に開放されているとみなすことができる。この状態で循環排煙動作を実行した場合、空気が吸引チューブ8に吸引されて、体腔内に送気されてしまうため、体腔内が過圧になってしまう恐れがある。従って、循環装置2は、プロセッサ5から受信する判定結果に従って、循環排煙動作を実行せずに(ステップS67)、処理を終了する。
なお、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しくない場合(ステップS62、NO)、ステップS67に進み、循環排煙動作を実行せずに処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、内視鏡画像に通常存在しない色(例えば黒色)でシース13cの外装を形成しているので、内視鏡画像における同色の有無を検出することで、シース13cが体腔内に挿入されているか否かを判定することができる。シース13cが体腔内に挿入されていると判定された場合のみ循環排煙動作を行い、シース13cが体腔内に存在しないと判定された場合には循環排煙動作を停止することで、腔内を過圧状態にすることなく安全に排煙することができる。
なお、上述の説明では、シースを吸引チューブ8側のトラカール12cに挿入しているが、送気チューブ9側のトラカール12bに挿入するように構成してもよい。図4は、本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図である。図4に示す手術システムは、シースがトラカール12cでなくトラカール12bに挿入されている点が、図1に示す手術システムと異なっている。
図4に示す手術システムでは、電気メス11により発生した煙を含む炭酸ガスは、トラカール12cの先端側の開口部から吸引する。循環装置2によって排煙された炭酸ガスは、送気チューブ9と、第1のシースとしてのシース13bとを介し、シース13bの先端側の開口部から送気されるように構成されている。
循環装置2は、気腹装置1により患者14の腔圧が設定圧力で気腹されており循環可能な状態である場合、図5のフローに従って、送気チューブ9側のシース13bの有無を判定し、循環排煙動作の実行可否を決定する。図5は、送気チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定し(ステップS61)、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、内視鏡画像において、体腔内特有の色が含まれる割合を算出する(ステップS64´)。
通常、体腔内を撮像した内視鏡画像は、腔内壁や患部組織を表す赤色系の色が大半の割合を占める。しかし、内視鏡10が体腔外に引き抜かれた場合、手術室内を撮像した画像になるため、体腔内に特有な色(例えば、赤色)割合が激減する。シース13bは内視鏡10と共に体腔内に挿入したり引き抜かれたりするため、内視鏡画像に赤色が所定割合以上含まれていれば、シース13bが体腔内に挿入されていると判定することができる。
内視鏡画像において、体腔内特有の色(例えば赤色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65´、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13bが挿入されていると判定する。判定結果はプロセッサ5から通信ケーブルを介して循環装置2に送信される。循環装置2は、判定結果に従って、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
一方、体腔内特有の色(例えば赤色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65´、NO)、プロセッサ5は、体腔内にシース13bが挿入されていないと判定する。送気チューブ9はシース13bに接続されているため、シース13bが体腔内に挿入されていない場合、送気チューブ9も大気中に開放されているとみなすことができる。この状態で循環排煙動作を実行した場合、体腔内に送気されるはずの炭酸ガスが大気に開放されてしまうため、腹腔が萎んでしまう恐れがある。従って、循環装置2は、プロセッサ5から受信する判定結果に従って、循環排煙動作を実行せずに(ステップS67)、処理を終了する。
このように、シース13bが送気チューブ9側に装着されている場合においても、内視鏡画像における体腔内特有の色の有無を検出することで、シース13bが体腔内に挿入されているか否かを判定することができる。シース13bが体腔内に挿入されていると判定された場合のみ循環排煙動作を行い、シース13bが体腔内に存在しないと判定された場合には循環排煙動作を停止することで、腹腔が萎んでしまうことなく安全に手技を行うことができる。
なお、シースを、トラカール12bとトラカール12cの両方に挿入する構成を用いてもよい。図6は、本発明の第1の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の更に別の一例を説明する図である。図6に示すように、内視鏡10を挿入するトラカール12bと、電気メス11を挿入するトラカール12cの両方に、シース13b、13cを用いることにより、煙が発生する電気メス11近傍から炭酸ガスを吸引し、循環装置2により排煙処理を行った炭酸ガスを内視鏡10先端近傍へ噴射することができるため、排煙効率が向上する。
循環装置2は、気腹装置1により患者14の腔圧が設定圧力で気腹されており循環可能な状態である場合、図7のフローに従って、吸引チューブ8側のシース13cの有無、及び、送気チューブ9側のシース13bの有無を判定し、循環排煙動作の実行可否を決定する。図7は、吸引チューブ側のシース、及び送気チューブ側のシースの有無を判定する手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定し(ステップS61)、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、吸引チューブ8側のシース13cの有無の判定を行う。すなわち、内視鏡画像において、シース13c特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64)、シース特有の色(例えば黒色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13が挿入されていると判定し、送気チューブ9側のシース13bの有無の判定に移行する。すなわち、内視鏡画像において、体腔内特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64´)、体腔内特有の色(例えば赤色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65´、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13bが挿入されていると判定し、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
吸引チューブ8側のシース13cの有無の判定において、シース特有の色(例えば黒色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65、NO)、及び、送気チューブ9側のシース13bの有無の判定において、体腔内特有の色(例えば赤色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65´、NO)、プロセッサ5は、体腔内にシースが挿入されていないと判定し、排煙循環を実行せずに(ステップS67)処理を終了する。
このように、シース13b、13cが吸引チューブ8側と送気チューブ9側の双方に挿入されている場合にも、内視鏡画像を解析し、シース特有の色や体腔内特有の色の有無を検出することで、シース13b、13cが体腔内に挿入されているか否かを判定することができる。吸引チューブ8側のシース13cと、送気チューブ9側のシース13bが両方とも体腔内に挿入されていると判定された場合のみ循環排煙動作を行い、どちらか一方でも体腔内に存在しないと判定された場合には循環排煙動作を停止することで、腹腔内が過圧されたり萎んだりしてしまうことなく、安全に手技を行うことができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態の循環排煙システムでは、シース13b、13cが体腔内に挿入されていないと判定された場合には、循環排煙を停止していた。これに対し、本実施形態においては、シース13c経由での吸引ルートと、トラカール12c経由での吸引ルートとを設け、シース13cが体腔内に挿入されているか否かに応じて吸引ルートを切り替える点が異なっている。
図8は、本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図である。図8に示す手術システムは、体腔内から炭酸ガスを吸引して循環装置2に送出する吸引ルートが、一端が切替弁15aの出力側に接続され他端が循環装置2に接続された吸引チューブ8aと、一端がシース13cに接続され他端が切替弁15aの入力側に接続された吸引チューブ8bと、一端がトラカール12cに接続され他端が切替弁15aの入力側に接続された吸引チューブ8cと、3本の吸引チューブ8a、8b、8cの組み合わせで構成されている点を除き、図1を用いて説明した第1の実施形態に係わる手術システムと同様の構成である。
循環装置2は、プロセッサ5から受信するシース13c有無の判定結果に従って、切替弁15aを切り替えて、吸引チューブ8aと吸引チューブ8bとを接続し、シース13cと吸引チューブ8bとを介して体腔内の炭酸ガスを吸引するルートを用いるか、吸引チューブ8aと吸引チューブ8cとを接続し、トラカール12cと吸引チューブ8cとを介して体腔内の炭酸ガスを吸引するルートを用いるかを制御する。
循環装置2は、気腹装置1により患者14の腔圧が設定圧力で気腹されており循環可能な状態である場合、図9のフローに従って、吸引チューブ8側のシース13cの有無を判定し、吸引ルートを設定する。図9は、吸引ルートの設定手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定し(ステップS61)、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、吸引チューブ8側のシース13cの有無の判定を行う。すなわち、内視鏡画像において、シース13c特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64)、シース特有の色(例えば黒色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13が挿入されていると判定し、循環装置2に判定結果を送信する。循環装置2は、切替弁15aをシース13c側に切り替えて、吸引チューブ8bと吸引チューブ8aとを接続し(ステップS68)、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
一方、吸引チューブ8側のシース13cの有無の判定において、シース特有の色(例えば黒色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65、NO)、プロセッサ5は、体腔内にシース13cが挿入されていないと判定し、循環装置2に判定結果を送信する。循環装置2は、切替弁15aをトラカール12c側に切り替えて、吸引チューブ8cと吸引チューブ8aとを接続し(ステップS69)、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
なお、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しくない場合(ステップS62、NO)、ステップS67に進み、循環排煙動作を実行せずに処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、体腔内から炭酸ガスを吸引するルートを、シース13c経由のルートとトラカール12c経由のルートの2ルート準備し、内視鏡画像によりシース13cが体腔内に挿入されているか否かを判定した結果に応じて、切替弁15aを切り替えていずれかのルートを選択できるように構成している。すなわち、シース13cが体腔内に挿入されていると判定された場合はシース13c経由のルートで吸引を行い、シース13cが体腔内に挿入されていないと判定された場合はトラカール12c経由で吸引を行うことで、シース13cが腹腔内に挿入されていない場合においても、循環排煙を停止することなく、かつ、腔内を過圧状態にすることなく安全に排煙することができる。
なお、上述の説明では、シースを吸引チューブ8側のトラカール12cに挿入しているが、送気チューブ9側のトラカール12bに挿入するように構成してもよい。図10は、本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図である。図10に示す手術システムは、シースがトラカール12cでなくトラカール12bに挿入されている点が、図8に示す手術システムと異なっている。
図10に示す手術システムは、循環装置2から体腔内へ炭酸ガスを送出する送気ルートが、一端が切替弁15bの入力側に接続され他端が循環装置2に接続された送気チューブ9aと、一端がシース13bに接続され他端が切替弁15bの出力側に接続された送気チューブ9bと、一端がトラカール12bに接続され他端が切替弁15bの出力側に接続された送気チューブ9cと、3本の送気チューブ9a、9b、9cの組み合わせで構成されている。
循環装置2は、プロセッサ5から受信するシース13b有無の判定結果に従って、切替弁15bを切り替えて、送気チューブ9aと送気チューブ9bとを接続し、送気チューブ9bとシース13bとを介して体腔内へ炭酸ガスを送出するルートを用いるか、送気チューブ9aと送気チューブ9cとを接続し、送気チューブ9cとトラカール12cとを介して体腔内へ炭酸ガスを送出するルートを用いるかを制御する。
循環装置2は、気腹装置1により患者14の腔圧が設定圧力で気腹されており循環可能な状態である場合、図11のフローに従って、送気チューブ9側のシース13bの有無を判定し、送気ルートを設定する。図11は、送気ルートの設定手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定し(ステップS61)、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、送気チューブ9側のシース13の有無の判定を行う。すなわち、内視鏡画像において、体腔内特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64´)、体腔内特有の色(例えば赤色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65´、YES)、プロセッサ5は、体腔内にシース13bが挿入されていると判定し、循環装置2に判定結果を送信する。循環装置2は、切替弁15bをシース13側に切り替えて、送気チューブ9bと送気チューブ9aとを接続し(ステップS68´)、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
一方、送気チューブ9側のシース13bの有無の判定において、体腔内特有の色(例えば赤色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65´、NO)、プロセッサ5は、体腔内にシース13bが挿入されていないと判定し、循環装置2に判定結果を送信する。循環装置2は、切替弁15bをトラカール12b側に切り替えて、送気チューブ9cと送気チューブ9aとを接続し(ステップS69´)、循環排煙動作を実行する(ステップS66)。
このように、本実施形態によれば、体腔内へ炭酸ガスを送出するルートを、シース13b経由のルートとトラカール12b経由のルートの2ルート準備し、内視鏡画像によりシース13bが体腔内に挿入されているか否かを判定した結果に応じて、切替弁15bを切り替えていずれかのルートを選択できるように構成している。すなわち、シース13bが体腔内に挿入されていると判定された場合はシース13b経由のルートで送気を行い、シース13bが体腔内に挿入されていないと判定された場合はトラカール12c経由で送気を行うことで、シース13bが腹腔内に挿入されていない場合にも循環排煙を停止することなく、かつ、腔内を萎んだ状態にすることなく安全に排煙することができる。
なお、シース13b、13cを、トラカール12bとトラカール12cの両方に挿入し、2つのルートからなる吸引ルートと、2つのルートからなる送気ルートを含む構成にしてもよい。図12は、本発明の第2の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の更に別の一例を説明する図である。図12に示すように、内視鏡10を挿入するトラカール12bと、電気メス11を挿入するトラカール12cの両方に、シース13b、13cを用いることにより、煙が発生する電気メス11近傍から炭酸ガスを吸引し、循環装置2により排煙処理を行った炭酸ガスを内視鏡10先端近傍へ噴射することができるため、排煙効率が向上する。
循環装置2は、気腹装置1により患者14の腔圧が設定圧力で気腹されており循環可能な状態である場合、図13のフローに従って、吸引チューブ8側のシース13cの有無、及び、送気チューブ9側のシース13bの有無を判定し、吸引ルートと送気ルートとを決定する。図13は、吸引ルート及び送気ルートの設定手順を説明するフローチャートである。
まず、患者14の体腔内の圧力を測定し(ステップS61)、腔圧が予め設定されている設定圧力と等しい場合(ステップS62、YES)、プロセッサ5は、内視鏡10で撮像された画像を解析し、該画像に含まれる色を検出する(ステップS63)。そして、吸引チューブ8側のシース13cの有無の判定を行う。
すなわち、内視鏡画像において、シース13c特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64)、シース特有の色(例えば黒色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65、YES)、体腔内にシース13cが挿入されていると判定されるので、循環装置2は切替弁15aをシース13c側に切り替えて、吸引チューブ8bと吸引チューブ8aとを接続する(ステップS68)。一方、シース特有の色(例えば黒色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65、NO)、体腔内にシース13cが挿入されていないと判定されるので、循環装置2は切替弁15aをトラカール12c側に切り替えて、吸引チューブ8cと吸引チューブ8aとを接続する(ステップS69)。
吸引ルートの設定が終了すると、続いて送気チューブ9側のシース13bの有無の判定に移行する。すなわち、内視鏡画像において、体腔内特有の色が含まれる割合を算出し(ステップS64´)、体腔内特有の色(例えば赤色)が予め設定した閾値以上の割合で検出された場合(ステップS65´、YES)、体腔内にシース13bが挿入されていると判定されるので、循環装置2は切替弁15bをシース13b側に切り替えて、送気チューブ9bと送気チューブ9aとを接続する(ステップS68´)。一方、体腔内特有の色(例えば赤色)の割合が、予め設定した閾値未満である場合(ステップS65´、NO)、体腔内にシース13bが挿入されていないと判定されるので、循環装置2は切替弁15bをトラカール12b側に切り替えて、送気チューブ9cと送気チューブ9aとを接続する(ステップS69´)。
このように、シース13b、13cが吸引チューブ8側と送気チューブ9側の双方に挿入されている場合にも、内視鏡画像を解析し、シース特有の色や体腔内特有の色の有無を検出することで、シース13b、13cが体腔内に挿入されているか否かを判定することができる。シース13b、13cが腹腔内に挿入されていると判定された場合はシース13b、13cを介して吸引や送気を行うルートを形成し、シース13b、13cが腹腔内に挿入されていないと判定された場合はトラカール12b、12cを介して吸引や送気を行うルートを形成するので、シース13b、13cが腹腔内に挿入されていない状態でも、循環排煙を停止することなく、かつ、腹腔内が過圧されたり萎んだりしてしまうことなく、安全に手技を行うことができる。
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態では、シース13cが体腔内に挿入されているか否かを、内視鏡画像により判定していた。一方、本実施形態では、電気メス11に設けられたシース検知部111によって、シース13cが電気メス11に確実に接続されているか否かを判定する点が異なっている。
図14は、本発明の第3の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の一例を説明する図である。図14に示す手術システムは、電気メス出力装置3と循環装置2との間が通信ケーブルで接続されている点を除き、図1を用いて説明した第1の実施形態に係わる手術システムと同様の構成である。
図15は、電気メス11の構造を説明する概略図である。また、図16は、電気メス11を貫通したシース13cをトラカール12cに挿入した状態を説明する概略図である。なお、図16において、トラカール12cは図示を省略している。電気メス11の側周部には、弾力性を有する部材で構成された圧電スイッチ等のシース検知部111が設けられている。電気メス11がシース13cに挿入されると、シース13cの内面がシース検知部111と接触し、シース検知部111の表面に圧力がかかって潰れる(形状が変化する)。シース検知部111は、表面にかかった圧力を検知すると、電気メス出力装置3に対して検知信号を送信する。
なお、電気メス11がシース13cから抜き取られると、シース検知部111の表面にかかっていた圧力が取り除かれ、形状が元に戻る。従って、この状態においては、シース検知部111から電気メス出力装置3に対し、検知信号は送信されない。
電気メス出力装置3は、シース検知部111から検知信号を受信すると、循環装置2に対して循環指示信号を出力する。また、シース検知部111から検知信号を受信しなくなると、循環装置2に対して出力していた循環指示信号を停止する。循環装置2は、循環指示信号を受信している間のみ、排煙循環動作を実行する。
このように、本実施形態によれば、電気メス11にシース検知部111を設け、電気メス11がシース13cに挿入されている場合にのみ、シース検知部111から電気メス出力装置3を介して循環装置2に循環指示信号が出力されるように構成しているので、循環装置は現在、シース経由で排煙使用としているか否かを判断できるため、ユーザーが循環装置のフロントパネル等を操作してシース経由での排煙を行う様に設定する手間を省く事ができる。
なお、シース13bを送気チューブ9側のトラカール12bに挿入する構成の場合、内視鏡10にシース検知部111を設け、プロセッサ5を介して循環装置2に循環指示信号が入力されるようにしてもよい。また、2本のシース13b、13cを吸引チューブ8側のトラカール12cと、送気チューブ9側のトラカール12bの両方に挿入する構成の場合、電気メス11と内視鏡10の両方にシース検知部111を設けてもよい。この場合、循環装置2は、電気メス出力装置3とプロセッサ5の両方から循環指示信号を受信した場合のみ、循環排煙総和を行う。
また、シース検知部111は圧電スイッチに限定されるものでなく、電気メス11がシース13cに挿入されたことを検知できる構成であれば、その形状や検知方法については種々の変更が可能である。
更に、シース検知部111を、シース13cに電気メス11が挿入された際に、シース13c内に位置する場所に配置するのではなく、図17に示すように、術者が押下しやすい位置に配置してもよい。図17は、本発明の第3の実施形態に係わる循環排煙システムを含む手術システムの全体構成の別の一例を説明する図である。この場合、電気メス11が貫通したシース13cをトラカール12cに挿入した状態で、術者がシース検知部111´を操作する(押下する)ことにより、シース検知部111´から電気メス出力装置3に対して検知信号が送信される。
すなわち、術者が任意のタイミングで検知信号を送信することができるため、電気メス11がシース13cに挿入された状態でも、体腔内に煙が発生しておらず循環排煙が不要な場合にはシース検知部111´を操作しなければ循環排煙が開始されない。排煙が必要な状態になった場合に、シース検知部111´を操作することで初めて循環排煙を開始させることができる。従って、無駄な循環排煙を行うことがないため、コストを削減することができる。
なお、シース13bを送気チューブ9側のトラカール12bに挿入する構成の場合、内視鏡10にシース検知部111´を設け、プロセッサ5を介して循環装置2に循環指示信号が入力されるようにしてもよい。また、2本のシース13b、13cを吸引チューブ8側のトラカール12cと、送気チューブ9側のトラカール12bの両方に挿入する構成の場合、電気メス11と内視鏡10の両方にシース検知部111´を設けてもよい。この場合、循環装置2は、電気メス出力装置3とプロセッサ5の両方から循環指示信号を受信した場合のみ、循環排煙を行う。
また、シース検知部111´は圧電スイッチに限定されるものでなく、術者が検知信号を送信できる構成であれば、その形状や検知方法については種々の変更が可能である。
本明細書における各「部」は、実施の形態の各機能に対応する概念的なもので、必ずしも特定のハードウェアやソフトウエア・ルーチンに1対1には対応しない。従って、本明細書では、実施の形態の各機能を有する仮想的回路ブロック(部)を想定して実施の形態を説明した。また、本実施の形態における各手順の各ステップは、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実行し、あるいは実行毎に異なった順序で実行してもよい。さらに、本実施の形態における各手順の各ステップの全てあるいは一部をハードウェアにより実現してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…気腹装置、2…循環装置、3…電気メス出力装置、4…光源装置、5…プロセッサ、6…モニタ、7…気腹チューブ、8、8a、8b、8c…吸引チューブ、9、9a、9b、9c…送気チューブ、10…内視鏡、11…電気メス、12a、12b、12c…トラカール、13b、13c…シース、14…患者、15a、15b…切替弁、111、111´…シース検知部

Claims (10)

  1. 所定の気体を送気するとともに被検体内で発生した煙を前記被検体内の気体とともに吸引し循環排煙する循環排煙部と、
    一端が前記被検体の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられた第1のトラカールと、
    一端が前記被検体の腹壁に刺入され基端側に逆止弁が設けられた第2のトラカールと、
    前記第1のトラカールに挿通される内視鏡に装着され前記気体を送気する第1のシース、及び/又は、前記第2のトラカールに挿通される処置具に装着され前記気体を吸引する第2のシースと、
    前記第1のシース、及び/又は、前記第2のシースが、前記第1のトラカール、及び/又は、前記第2のトラカールに挿入されているか否かを検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づき、前記循環排煙部の動作を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする、循環排煙システム。
  2. 前記検知部は、前記内視鏡により撮像される内視鏡画像に含まれる検知対象色の全体に対する割合を算出し、前記割合が所定の閾値以上のときに、前記第1のシース、及び/又は、前記第2のシースが、前記第1のトラカール、及び/又は、前記第2のトラカールに挿入されていると検知することを特徴とする、請求項1に記載の循環排煙システム。
  3. 前記第2のシースは、外表面の色が体腔内の臓器色と異なる色であり、前記第2のトラカールに前記第2のシースが挿入されていることを検知する際の前記検知対象色は、前記外表面の色であることを特徴とする、請求項2に記載の循環排煙システム。
  4. 前記第1のトラカールに前記第1のシースが挿入されていることを検知する際の前記検知対象色は、体腔内の臓器色であることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の循環排煙システム。
  5. 前記制御部は、前記第1のシース、及び/又は、前記第2のシースが、前記第1のトラカール、及び/又は、前記第2のトラカールに挿入されていない旨の前記検知結果を受信した場合、前記循環排煙部の動作を停止させることを特徴とする、請求項1乃至請求項4に記載の循環排煙システム。
  6. 前記循環排煙部と前記第1のシースとを接続する送気チューブと、前記送気チューブ上に設けられた第1の切替弁と、前記第1の切替弁と前記第1のトラカールとを接続する第2の送気チューブと、を更に有し、前記検知部が前記第1のシースが前記第1のトラカールに挿入されていると検知した場合、前記送気チューブにより前記気体を送気し、前記検知部が前記第1のシースが前記第1のトラカールに挿入されていないと検知した場合、前記第2の送気チューブから前記気体を送気することを特徴とする、請求項4に記載の循環排煙システム。
  7. 前記循環排煙部と前記第2のシースとを接続する吸引チューブと、前記吸引チューブ上に設けられた第2の切り替え弁と、前記第2の切替弁と前記第2のトラカールとを接続する第2の吸引チューブと、を更に有し、前記検知部が前記第2のシースが前記第2のトラカールに挿入されていると検知した場合、前記吸引チューブにより前記気体を吸引し、前記検知部が前記第2のシースが前記第2のトラカールに挿入されていないと検知した場合、前記第2の吸引チューブから前記気体を吸引することを特徴とする、請求項3又は請求項6に記載の循環排煙システム。
  8. 前記内視鏡及び/又は、前記処置具がシースに接続されている事を把握する第2の検知部を持つことを特徴とする、請求項1に記載の循環排煙システム。
  9. 前記第2の検知部が前記内視鏡及び/又は、前記処置具の外周面上に設けられたスイッチであることを特徴とする、請求項8に記載の循環排煙システム。
  10. 制御部は、前記スイッチが押下されている間、前記循環排煙部の動作を実行させることを特徴とする、請求項9に記載の循環排煙システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021161706A1 (ja) * 2020-02-12 2021-08-19 リバーフィールド株式会社 手術用ロボット
WO2021240976A1 (ja) 2020-05-26 2021-12-02 忠明 江藤 排気器具および排気システム

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