図1は、実施例1における電源装置10が有する複数の構成要素の一例を説明するためのブロック図である。
電源装置10は、外部電源(例えば、バッテリ装置)から入力コネクタ12に供給された入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成する。入力電圧Vinは、直流電圧であり、電源装置10の種類又は残量によって決定される。出力電圧Voutは、直流電圧であり、保護SW制御部52又は外部制御装置18によって決定される。例えば、出力電圧Voutは、負荷回路16A及び負荷回路16Bを含む複数の負荷回路が必要とする電圧によって決定される。負荷回路16Aは、電源装置10から取り外し可能であり、出力コネクタ14Aと接続可能である。負荷回路16Bは、電源装置10から取り外し可能であり、出力コネクタ14Bと接続可能である。出力コネクタ14Aは、負荷回路16Aに電力を供給するための電源端子及びGND(Ground)端子を有する出力コネクタである。電源装置10が動作状態にある場合であっても、過電流時は、出力コネクタ14Aから負荷回路16Aへの電力供給は保護スイッチ28によって選択的に遮断される。出力コネクタ14Bは、負荷回路16Bに電力を供給するための電源端子及びGND(Ground)端子を有する出力コネクタである。電源装置10が動作状態にある限り、出力コネクタ14Bは、負荷回路16Bに電力を供給する。
実施例1では、出力コネクタ14Aには、電源の一時的なショートが懸念される負荷回路である負荷回路16Aが接続される。例えば、負荷回路16Aは、外部に露出した電源端子及びGND(Ground)端子を有し、負荷回路16Aと出力コネクタ14Aとが接続される際に負荷回路16Aの電源端子が出力コネクタ14AのGND端子に接触する可能性があるような負荷回路である。出力コネクタ14Bには、負荷回路16Aのような過渡的なショートの懸念のない負荷回路である負荷回路16Bを接続する。電源装置10がデジタルカメラの電源装置である場合、負荷回路16Aは、例えば、交換レンズユニット又は外部アクセサリ装置であり、負荷回路16Bは、例えば、他の外部アクセサリ装置である。
入力コネクタ12は、シリアル接続されたスイッチ20及び22を介してアースに接続される。スイッチ20及び22の接続点は、チョークコイル24とコンデンサ26とを介してアースに接続される。チョークコイル24とコンデンサ26の接続点は、保護スイッチ28を介して出力コネクタ14Aに接続される。チョークコイル24とコンデンサ26の接続点は、保護スイッチ28を介さずに、出力コネクタ14Bにも接続される。スイッチ20及び22の接続点の電圧は、電源装置10の動作時に出力電圧Voutになる。保護スイッチ28は、FET(Field Effect Transistor)等のスイッチ素子を有するスイッチ回路である。
スイッチ20及び22はいずれも、例えばCMOS FET(電界効果トランジスタ)を有する。スイッチ20及び22のスイッチング動作は、SW駆動部30によって制御される。スイッチ20及び22のスイッチング動作により、入力電圧Vinから出力電圧Voutが生成される。
入力電流検出部32は、入力コネクタ12からの入力電圧Vinと基準電圧34とを比較する差動アンプを有する。入力電流検出部32は、この差動アンプの出力値を用いて入力電流Iinを検出するように構成されている。入力電流検出部32の出力は、入力電流検出部32で検出された入力電流Iinを示し、判定部50及び加算器46に入力される。なお、入力電流Iinは、例えば、スイッチ20及び22又はチョークコイル24の抵抗成分から検出されるように構成してもよい。
誤差増幅部36は、シリアル接続された抵抗38及び40で分圧された出力電圧Voutと基準電圧42とを比較する差動アンプを有する。誤差増幅部36は、この差動アンプの出力値を用いて、出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値(所定の目標電圧に相当)との誤差量を示す誤差信号を生成する。誤差増幅部36で生成された誤差信号は、PWM補償部48を介してSW駆動部30に帰還される。誤差増幅部36で生成された誤差信号をPWM補償部48を介してSW駆動部30に帰還させることで、SW駆動部30は、出力電圧Voutが所定の目標電圧になるように制御することができる。誤差増幅部36で生成された誤差信号は、判定部50にも入力される。
発振器44は、スイッチ20及び22のスイッチング動作を制御するための所定の周波数の三角波を生成する。発振器44の出力と入力電流検出部32の出力とは、加算器46で加算される。加算器46の出力は、PWM(Pulse Width Modulation)補償部48の一方の端子に入力される。PWM補償部48の他方の端子には、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が入力される。PWM補償部48は、加算器46の出力と誤差増幅部36の出力とを比較する差動アンプを有する。PWM補償部48は、この差動アンプの出力値に応じてターンオン時間(及びターンオフ時間)が変化するPWM信号を生成する。これにより、PWM補償部48は、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの関係に応じてディーティ比が変化するPWM信号を生成することができる。SW駆動部30は、PWM補償部48で生成されたPWM信号に従い、スイッチ20及び22のスイッチング動作を制御する。
スイッチ20及び22、チョークコイル24、コンデンサ26、SW駆動部30、入力電流検出部32、誤差増幅部36、抵抗38及び40、発振器44、加算器46並びにPWM補償部48は、実施例1におけるDC/DCコンバータを構成する。このDC/DCコンバータは、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの値に基づき、出力電圧Voutが所定の目標電圧になるように出力電圧Voutを生成する電圧生成部として動作する。
このように、出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値(所定の目標電圧に相当)との誤差量を示す誤差信号がPWM補償部48を介してSW駆動部30に帰還させる。これにより、SW駆動部30は、出力電圧Voutが所定の目標電圧になるようにスイッチ20及び22のスイッチング動作を制御することができる。
判定部50は、入力電流検出部32の出力(入力電流Iinに相当)と誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)とに基づき、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があるか否かを判定する。そして、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があるか否かを示す判定結果信号を生成する。判定部50で生成された判定結果信号は、保護SW制御部52に入力される。実施例1では、判定部50が負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定した場合、判定部50は、H(高)状態の判定結果信号を出力する。一方、判定部50が負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定した場合、判定部50は、L(低)状態の判定結果信号を出力する。
図2は、判定部50が有する複数の構成要素の一例を説明するためのブロック図である。
比較部210は、入力電流検出部32の出力(入力電流Iinに相当)と入力電流許容値Iin_max(閾値)に相当する基準電圧212とを比較する。入力電流検出部32の出力が基準電圧212もよりも大きい場合、比較部210は、H(高)状態の信号を出力する。この場合、入力電流Iinは過電流状態である。入力電流検出部32の出力が基準電圧212もよりも大きくない場合、比較部210は、L(低)状態の信号を出力する。比較部214は、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)と出力電流許容値Iout_max(閾値)に相当する基準電圧216とを比較する。誤差増幅部36の出力が基準電圧216よりも大きい場合、比較部214は、H(高)状態の信号を出力する。誤差増幅部36の出力が基準電圧216よりも大きくない場合、比較部214は、L(低)状態の信号を出力する。排他的オア回路218は、比較部210の出力と比較部214の出力との排他的オアを演算する。排他的オア回路218での演算結果は、判定部50で生成される判定結果信号として保護SW制御部52に供給される。
排他的オア回路218は、入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きいか、又は、誤差増幅部36で生成された誤差信号が出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合に、H(高)状態の判定結果信号を生成する。この場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定する。
排他的オア回路218は、入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きく、誤差増幅部36で生成された誤差信号も出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合に、L(低)状態の判定結果信号を生成する。この場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。
排他的オア回路218は、入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きくなく、誤差増幅部36で生成された誤差信号も出力電流許容値Iout_maxよりも大きくない場合に、L(低)状態の判定結果信号を生成する。この場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。
保護SW制御部52は、例えば、通信インターフェース、メモリ、CPU(Central Processing Unit)等を有する制御装置である。保護SW制御部52は、判定部50からの判定結果信号がH状態である場合、保護スイッチ28をオフ(開)状態にする。保護SW制御部52は、判定部50からの判定結果信号がL状態である場合、保護スイッチ28をオン(閉)状態とする。なお、実施例1において、保護スイッチ28の初期状態は、例えば、オン(閉)状態である。さらに、保護SW制御部52は、外部制御装置18からの指示に従って、電源装置10の起動及び停止を制御することもできる。
外部制御装置18は、例えば、通信インターフェース、メモリ、CPU(Central Processing Unit)等を有する制御装置である。外部制御装置18は、電源装置10の通信インターフェース54と接続可能である。電源装置10の通信インターフェース54に接続された外部制御装置18は、通信インターフェース54を介してレジスタ56にアクセスすることができる。外部制御装置18は、レジスタ56に様々な設定値を格納することも、レジスタ56に格納されている設定値を変更することもできる。保護SW制御部52は、レジスタ56に格納されている設定値に従って、出力電圧Voutの目標値(所定の目標電圧に相当)を決定又は調整することができる。保護SW制御部52は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値とに従って、基準電圧34,42,212及び216の値を決定又は調整することができる。さらに、保護SW制御部52は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値とに従って、発振器44の発振周波数及び位相の値を決定又は調整することができる。外部制御装置18は、電源装置10の起動及び停止を制御するための指示を通信インターフェース54を介して保護SW制御部52に通知することもできる。外部制御装置18には、電源装置10の保護スイッチ28の前段の出力電圧を供給してもよいし、他の電源からの電圧を供給してもよい。
保護SW制御部52の動作は、レジスタ56に格納されている設定値に従って制御される。従って、外部制御装置18は、レジスタ56に格納されている設定値を変更することにより、保護SW制御部52の動作を制御することができる。さらに、保護SW制御部52は、例えば、入力電圧検出部と出力電圧検出部とを有する。保護SW制御部52は、入力電圧検出部を用いて入力電圧Vinを検出することで入力電圧Vinを取得することができる。保護SW制御部52は、出力電圧検出部を用いて出力電圧Voutを検出することで出力電圧Voutを取得することができる。入力コネクタ12に接続されている電源の種類及び残量は、保護SW制御部52及び外部制御装置18のいずれかによって検出することができる。外部制御装置18が入力コネクタ12に接続されている電源の種類及び残量を検出する場合は、外部制御装置18で検出結果が保護SW制御部52に通知される。
図3は、実施例1における保護スイッチ28の制御を説明するためのフローチャートである。
ステップS301において、保護SW制御部52は、外部電源(例えば、バッテリ装置)から入力コネクタ12に供給された入力電圧Vinによって動作を開始すると共に、電源装置10を起動させる。電源装置10が起動した後、電源装置10は、入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成するための動作を開始する。電源装置10が出力電圧Voutを生成することで、負荷回路16A及び16Bも動作可能となる。電源装置10が電源装置10の起動を制御するイネーブル端子を有する場合、外部制御装置18は、当該イネーブル端子に起動制御信号を供給することで、電源装置10の起動タイミングを制御することもできる。電源装置10が起動した後、保護SW制御部52は、ステップS301からステップS302に進む。
ステップS302において、保護SW制御部52は、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態である場合、保護SW制御部52は、ステップS302からステップS303に進む(S302でY)。判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態である場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS302を繰り返す(S302でN)。
ステップS302で判定結果信号がH(高)状態である場合とは、判定部50が負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定している状態であることを意味している。入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きいか、又は、誤差増幅部36で生成された誤差信号が出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定する。この場合、判定部50は、H(高)状態の判定結果信号を保護SW制御部52に供給する。これにより、ステップS302において、保護SW制御部52は、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であると判定する(S302でY)。
ステップS302で判定結果信号がL(低)状態である場合とは、判定部50が負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定している状態であることを意味している。入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きく、誤差増幅部36で生成された誤差信号も出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。入力電流検出部32の出力が入力電流許容値Iin_maxよりも大きくなく、誤差増幅部36で生成された誤差信号も出力電流許容値Iout_maxよりも大きくない場合、判定部50は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。これらの場合、判定部50は、L(低)状態の判定結果信号を保護SW制御部52に供給する。これにより、ステップS302において、保護SW制御部52は、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態でないと判定する(S302でN)。
ステップS303において、保護SW制御部52は、負荷回路16Aを過電流から保護するために保護スイッチ28をオフ状態(遮断状態)にし、負荷回路16Aへの電流供給を遮断する。これにより、負荷回路16Bへの電力供給を維持しながら、負荷回路16Aへの電力供給を選択的に遮断することができる。保護スイッチ28をオフ状態(遮断状態)にした後、保護SW制御部52は、ステップS303からステップS304に進む。
ステップS304において、保護SW制御部52は、エラーフラグをセットするために、レジスタ56のエラーフラグ領域に1をセットする。その後、保護SW制御部52は、ステップS304からステップS305に進む。なお、レジスタ56のエラーフラグ領域の初期値は0である。保護SW制御部52は、電源装置10の起動時に、レジスタ56のエラーフラグ領域に0をセットする。
ステップS305において、保護SW制御部52は、所定の待機時間が経過するまで待機する。所定の待機時間が経過した後、保護SW制御部52は、ステップS305からステップS306に進む。
ステップS306において、保護SW制御部52は、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。ステップS303で保護スイッチ28をオフ状態にしたにもかかわらず、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態である場合、保護SW制御部52は、ステップS306からステップS311に進む(S306でY)。ステップS303で保護スイッチ28をオフ状態にしたことで、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態に変化した場合、保護SW制御部52は、ステップS307に進む(S306でN)。
ステップS303で保護スイッチ28をオフ状態にしたにもかかわらず、ステップS306で判定結果信号がH(高)状態である場合とは、電源装置10と負荷回路16Bとの間又は負荷回路16B内でショートによる過電流が発生していることを意味している。この場合、保護SW制御部52は、負荷回路16Bを過電流から保護するために、ステップS311に進む。
ステップS307において、保護SW制御部52は、エラーフラグを解除するか否かを判定する。例えば、保護SW制御部52は、エラーフラグを解除するか否かの判定がn(例えば、nは1から10のいずれか)回行われたかによって、エラーフラグを解除するか否かを判定してもよい。エラーフラグを解除しない場合、保護SW制御部52は、ステップS307からステップS308に進む(S307でN)。エラーフラグを解除する場合、保護SW制御部52は、レジスタ56のエラーフラグ領域に0を設定し、ステップS307からステップS309に進む(S307でY)。
ステップS308において、保護SW制御部52は、電源装置10をオフ状態にするか否かを判定する。例えば、負荷回路16A以外の負荷回路である負荷回路16Bの動作を継続させる場合、保護SW制御部52は、電源装置10をオフ状態にはしない。電源装置10をオフ状態にする場合、保護SW制御部52は、ステップS308からステップS311に進む(S308でY)。電源装置10をオフ状態にしない場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS308を繰り返す(S308でN)。
ステップS311において、保護SW制御部52は、電源装置10の動作を停止させ、電源装置10をオフ状態にする。電源装置10が電源装置10の停止を制御するイネーブル端子を有する場合、外部制御装置18は、当該イネーブル端子に停止制御信号を供給することで、電源装置10の停止タイミングを制御することもできる。
ステップS309において、保護SW制御部52は、保護スイッチ28をオン状態(導通状態)に戻す。保護スイッチ28をオン状態に戻した後、保護SW制御部52は、ステップS309からステップS310に進む。
ステップS310において、保護SW制御部52は、判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号が再びH(高)状態に変化した場合、保護SW制御部52は、ステップS310からステップS311に進む(S310でY)。判定部50から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態である場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS302に進む(S310でN)。
次に、図4から図6を参照し、実施例2を説明する。実施例2において、実施例1と同様の構成要素については、その説明を省略する。
図4は、実施例2における電源装置510が有する複数の構成要素の一例を説明するためのブロック図である。図4において、図1と同じ構成要素については、図1と同じ符号を付す。
図4に示す電源装置510は、入力電流検出部32、基準電圧34、加算器46及び判定部50の代わりに、判定部550及び基準電圧551を有する。判定部550は、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)と出力電流許容値Iout_max(閾値)に相当する基準電圧551とに基づき、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があるか否かを判定する。そして、判定部550は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があるか否かを示す判定結果信号を生成する。判定部550で生成された判定結果信号は、保護SW制御部52に入力される。実施例2では、判定部550が負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定した場合、判定部550は、H(高)状態の判定結果信号を出力する。一方、判定部550が負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定した場合、判定部550は、L(低)状態の判定結果信号を出力する。なお、保護SW制御部52は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値とに従って、基準電圧42及び551の値を決定又は調整することができる。
判定部550は、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合に、H(高)状態の判定結果信号を生成する。この場合、判定部550は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定する。
判定部550は、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が出力電流許容値Iout_maxよりも大きくない場合に、L(低)状態の判定結果信号を生成する。この場合、判定部550は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。
図4に示す電源装置510は、入力電流検出部32、基準電圧34及び加算器46を有しない構成である。そのため、発振器44の出力は、加算器46を介さずに、PWM補償部48の一方の端子に入力される。PWM補償部48の他方の端子には、誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が入力される。PWM補償部48は、加算器46の出力と誤差増幅部36の出力とを比較する差動アンプを有する。PWM補償部48は、この差動アンプの出力値に応じてターンオン時間(及びターンオフ時間)が変化するPWM信号を生成する。これにより、PWM補償部48は、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの関係に応じてディーティ比が変化するPWM信号を生成することができる。SW駆動部30は、PWM補償部48で生成されたPWM信号に従い、スイッチ20及び22のスイッチング動作を制御する。
図5は、実施例2における保護スイッチ28の制御を説明するためのフローチャートである。
ステップS601において、保護SW制御部52は、外部電源(例えば、バッテリ装置)から入力コネクタ12に供給された入力電圧Vinによって動作を開始すると共に、電源装置510を起動させる。電源装置510が起動した後、電源装置510は、入力電圧Vinから出力電圧Voutを生成するための動作を開始する。電源装置510が出力電圧Voutを生成することで、負荷回路16A及び16Bも動作可能となる。電源装置510が電源装置510の起動を制御するイネーブル端子を有する場合、外部制御装置18は、当該イネーブル端子に起動制御信号を供給することで、電源装置510の起動タイミングを制御することもできる。電源装置510が起動した後、保護SW制御部52は、ステップS601からステップS602に進む。
ステップS602において、保護SW制御部52は、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態である場合、保護SW制御部52は、ステップS602からステップS603に進む(S602でY)。判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態である場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS602を繰り返す(S602でN)。
ステップS602で判定結果信号がH(高)状態である場合とは、判定部550が負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定している状態であることを意味している。誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が出力電流許容値Iout_maxよりも大きい場合、判定部550は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要があると判定する。この場合、判定部550は、H(高)状態の判定結果信号を保護SW制御部52に供給する。これにより、ステップS602において、保護SW制御部52は、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であると判定する(S602でY)。
ステップS602で判定結果信号がL(低)状態である場合とは、判定部550が負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定している状態であることを意味している。誤差増幅部36の出力(誤差信号に相当)が出力電流許容値Iout_maxよりも大きくない場合、判定部550は、負荷回路16Aを過電流から保護する必要がないと判定する。この場合、判定部550は、L(低)状態の判定結果信号を保護SW制御部52に供給する。これにより、ステップS602において、保護SW制御部52は、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態でないと判定する(S602でN)。
ステップS603において、保護SW制御部52は、負荷回路16Aを過電流から保護するために保護スイッチ28をオフ状態(遮断状態)にし、負荷回路16Aへの電流供給を遮断する。これにより、負荷回路16Bへの電力供給を維持しながら、負荷回路16Aへの電力供給を選択的に遮断することができる。保護スイッチ28をオフ状態(遮断状態)にした後、保護SW制御部52は、ステップS603からステップS604に進む。
ステップS604において、保護SW制御部52は、エラーフラグをセットするために、レジスタ56のエラーフラグ領域に1をセットする。その後、保護SW制御部52は、ステップS604からステップS605に進む。なお、レジスタ56のエラーフラグ領域の初期値は0である。保護SW制御部52は、電源装置510の起動時に、レジスタ56のエラーフラグ領域に0をセットする。
ステップS605において、保護SW制御部52は、所定の待機時間が経過するまで待機する。所定の待機時間が経過した後、保護SW制御部52は、ステップS605からステップS606に進む。
ステップS606において、保護SW制御部52は、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。ステップS603で保護スイッチ28をオフ状態にしたにもかかわらず、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態である場合、保護SW制御部52は、ステップS606からステップS611に進む(S606でY)。ステップS603で保護スイッチ28をオフ状態にしたことで、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態に変化した場合、保護SW制御部52は、ステップS607に進む(S606でN)。
ステップS603で保護スイッチ28をオフ状態にしたにもかかわらず、ステップS606で判定結果信号がH(高)状態である場合とは、電源装置510と負荷回路16Bとの間又は負荷回路16B内でショートによる過電流が発生していることを意味している。この場合、保護SW制御部52は、負荷回路16Bを過電流から保護するために、ステップS611に進む。
ステップS607において、保護SW制御部52は、エラーフラグを解除するか否かを判定する。例えば、保護SW制御部52は、エラーフラグを解除するか否かの判定がn(例えば、nは1から10のいずれか)回行われたかによって、エラーフラグを解除するか否かを判定してもよい。エラーフラグを解除しない場合、保護SW制御部52は、ステップS607からステップS608に進む(S607でN)。エラーフラグを解除する場合、保護SW制御部52は、レジスタ56のエラーフラグ領域に0を設定し、ステップS607からステップS609に進む(S607でY)。
ステップS608において、保護SW制御部52は、電源装置510をオフ状態にするか否かを判定する。例えば、負荷回路16A以外の負荷回路である負荷回路16Bの動作を継続させる場合、保護SW制御部52は、電源装置510をオフ状態にはしない。電源装置510をオフ状態にする場合、保護SW制御部52は、ステップS608からステップS611に進む(S608でY)。電源装置510をオフ状態にしない場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS608を繰り返す(S608でN)。
ステップS611において、保護SW制御部52は、電源装置510の動作を停止させ、電源装置510をオフ状態にする。電源装置510が電源装置510の停止を制御するイネーブル端子を有する場合、外部制御装置18は、当該イネーブル端子に停止制御信号を供給することで、電源装置510の停止タイミングを制御することもできる。
ステップS609において、保護SW制御部52は、保護スイッチ28をオン状態(導通状態)に戻す。保護スイッチ28をオン状態に戻した後、保護SW制御部52は、ステップS609からステップS610に進む。
ステップS610において、保護SW制御部52は、判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がH(高)状態であるか否かを判定する。判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号が再びH(高)状態に変化した場合、保護SW制御部52は、ステップS610からステップS611に進む(S610でY)。判定部550から保護SW制御部52に入力された判定結果信号がL(低)状態である場合、保護SW制御部52は、所定時間後にステップS602に進む(S610でN)。
図6は、ステップS602,S606及びS610で使用される基準電圧551(出力電流許容値Iout_maxに相当)の決定方法を説明するためのフローチャートである。保護SW制御部52は、図6に示すフローチャートに従って基準電圧551を決定することができる。
ステップS701において、保護SW制御部52は、外部電源(例えば、バッテリ装置)から入力コネクタ12に供給された入力電圧Vinによって動作を開始すると共に、電源装置510を起動させる。電源装置510が起動した後、保護SW制御部52は、ステップS701からステップS702に進む。
ステップS702において、保護SW制御部52は、入力電圧Vinと出力電圧Voutとを取得する。例えば、保護SW制御部52は、入力電圧検出部と出力電圧検出部とを有する。保護SW制御部52は、入力電圧検出部を用いて入力電圧Vinを検出することで入力電圧Vinを取得し、出力電圧検出部を用いて出力電圧Voutを検出することで出力電圧Voutを取得する。入力電圧Vinと出力電圧Voutとが取得された後、保護SW制御部52は、ステップS702からステップS703に進む。
ステップS703において、保護SW制御部52は、入力電圧Vin及び出力電圧Voutの値と出力電圧Voutの目標値とに基づき、基準電圧Vthを計算する。基準電圧Vthが計算された後、保護SW制御部52は、ステップS703からステップS704に進む。
ステップS704において、保護SW制御部52は、基準電圧551がステップS703で計算された基準電圧Vthと同一又は略同一になるように基準電圧551を変更する。基準電圧551が変更された後、保護SW制御部52は、ステップS704からステップS705に進む。
ステップS705において、保護SW制御部52は、出力電圧Voutに所定値以上の変化があったか否かを判定する。出力電圧Voutに所定値以上の変化があった場合、保護SW制御部52は、ステップS705からステップS702に戻る(S705でY)。出力電圧Voutに所定値以上の変化がなかった場合、保護SW制御部52は、ステップS705からステップS706に進む(S705でN)。
ステップS706において、保護SW制御部52は、所定の待機時間が経過するまで待機した後、ステップS702に戻る。所定の待機時間が経過するまで待機することにより、出力電圧Voutの過渡的な変化に従って基準電圧551が変更されてしまう欠点を軽減することができる。保護SW制御部52は、例えば、入力コネクタ12に接続されている電源(例えば、バッテリ装置)の種類又は残量によって所定の待機時間を決定することができる。
実施例1及び2では、保護スイッチ28をオフ状態(遮断状態)にすることによって負荷回路16Aを過電流から保護する構成としたが、実施例1及び2はこのような構成に限るものではない。例えば、保護スイッチ28を電流制限回路に置き換えてもよい。保護スイッチ28が電流制限回路に置き換えられた場合、電流制限回路は、過電流が発生した場合に、電源装置10又は電源装置510から負荷回路16Aに流れる出力電流Ioutを負荷回路16Aが破壊されない程度の電流に制限するように動作する。