JP2017078313A - 螺旋階段 - Google Patents
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Abstract
Description
螺旋階段は、通常、立設された心柱の周囲に複数段にわたって踏み板を螺旋状に配列することにより組み立てられ、占有面積が小さく、デッドスペースも比較的小さいのが特徴である。
例えば、図13に示される螺旋階段では、円柱状の短い心柱ユニット100の周囲に踏み板200を腕木としての受け材300を取り付け、このように踏み板を取り付けた心柱ユニットを積み上げることにより螺旋階段が組み立てられている。この従来例では、踏み板200の上面と下面に受け材が嵌合する溝を形成し、さらに心柱ユニット100の外周にも受け材300の内側端縁が嵌合する溝を形成しなければならない。そして、心柱ユニット100を積み上げるために、心柱ユニット100に挿通孔を形成し、この挿通孔に締め付けボルト400を挿入して下部の心柱ユニットに挿入された締め付けボルトの頭部に形成されたネジ孔にねじ込むことによって心柱ユニットを積み上げている。
この位置決め手段は、中空円柱状の心柱ユニットの中空部の内壁に設けた孔部に挿入される突起を有するピンや踏み板座金などを必要とし、螺旋階段を構成する部品の種類も点数も多く、構造が複雑である(特許文献1の図6〜9参照)。
[1]階段中心側端部に心柱挿入用孔が形成された踏み板を、立設された心柱を中心に螺旋状に配列した螺旋階段であって、踏み板の階段外側端部の段鼻部と段尻部とに手摺柱挿入用孔が形成されており、互いに隣接する踏み板は、上側に位置する踏み板の階段外側端部の段鼻部に形成された手摺柱挿入用孔と下側に位置する踏み板の階段外側端部の段尻部に形成された手摺柱挿入用孔とが重なるように配置され、該2つの重なる手摺挿入用孔に挿入して立設された手摺柱に螺合された2つのナットにより前記互いに隣接する2つの踏み板を挟んで締め付けられていることを特徴とする特徴とする螺旋階段。
[2]前記踏み板が、合成樹脂製の外皮と発泡芯材とからなる発泡体であることを特徴とする[1]に記載の螺旋階段。
[3]前記踏み板が、板状部と該板状部の下面に配置されたリブ部と該リブ部に連続した心柱挿入用孔の周壁とからなることを特徴とする[1]に記載の螺旋階段。
[4]前記踏み板の板状部に複数の空気/水抜き用孔を設けたことを特徴とする[3]に記載の螺旋階段。
[5]リングを備えた手摺装着具を手摺柱の上端に取り付け、該リングに手摺を挿通することにより、手摺柱間に手摺が架設されていることを特徴とする(1)乃至[4]のいずれかに記載の螺旋階段。
[6]前記手摺装着具が手摺柱の上端に嵌着されるキャップ状部材を備え、該キャップ状部材の上端部に前記リングが旋回可能に軸支され、該キャップ状部材と該リングが合成樹脂製であることを特徴とする[5]に記載の螺旋階段。
図1は本発明の実施形態に係る螺旋階段の全体正面図、図2は同螺旋階段要部の外観概略図、図3は螺旋階段要部の概略平面図をそれぞれ示す。
ここで、1は中空の筒状体からなる心柱、2は踏み板、3は手摺柱、4は手摺である。
図2には、手摺柱3が立設されているが、手摺4が手摺柱に架設されていない状態の螺旋階段が示されている。
踏み板2の内側端部21(螺旋階段の中心側の端部)には心柱挿入用孔(貫通孔)23が形成され、図1〜3から分かるように、この心柱挿入用孔23に心柱1が挿通され、心柱を中心として、複数の踏み板が心柱の周囲に展開することにより螺旋階段が構成される。
図4に示す踏み板2は、内側端部近傍から外側端部22(螺旋階段の外側の端部)に向かって次第に幅広になる略扇形状であり、厚みが一定である。この図に示すものでは内側端部を少し太くして心柱挿入用孔23を設けているが、図2に示される踏み板のように、内側端部に向かって、次第に幅狭にしてもよい。
ここで、段鼻部および段尻部とは、階段を上るときに、踏み板の手前側の部位、踏み板の奥側の部位をそれぞれ指している。時計回りに上る螺旋階段の一部を示した図5に段鼻部25、段尻部26を示した。
最初に心柱1を立設する。
心柱を立設する手段は、例えば、図5に示すように、心柱の内径と同じ外径を有する中空芯体8が立設された円板状の座板7をアンカーボルト(図示なし)で螺旋階段の設置場所の地面や床面に固定し、この中空芯体8に心柱1を装着して立設することができる。座板の上面は地面や床面の上面と同じ高さにすることが望ましい。
また、周囲に壁体等が設けられた設置場所では心柱の上端部と壁体の間を横に渡した部材で支持することにより、心柱を立設することもできる。
したがって、このように配置が完了した後は、図2から分かるように、1段目の踏み板の段尻部の上面と2段目の段鼻部の下面とが接触することになる。なお、図2では、螺旋階段を上るときに、1段目の踏み板に対して、2段目の踏み板が心柱を中心にして時計針の動きと反対方向に所定の角度だけ回転した状態で配置されている。
したがって、本発明の螺旋階段では、互いに隣接する、下側に位置するn段目(nは整数)の踏み板と上側に位置する(n+1)段目の踏み板は、上側に位置する(n+1)段目の踏み板の外側端部の段鼻部に形成された手摺柱挿入用孔と下側に位置するn段目の踏み板の外側端部の段尻部に形成された手摺柱挿入用孔とが重なるように配置され、該2つの重なる手摺柱挿入用孔に挿通して立設した手摺柱に螺合して嵌めた2つのナットにより前記互いに隣接するn段目と(n+1)段目の踏み板を挟んで締め付けている。
なお、図7には、1段目の踏み板の外側端部の段鼻部に形成された手摺柱挿入用孔にも手摺柱が立設されているが、これについては後述する。
重なる2つの踏み板の外側端部の手摺柱挿入用孔24に挿入される手摺柱3の下端部に形成されたねじ切り部31の長さは、図6(a)、(b)から分かるように、2つの踏み板をナットでは挟むため、2つの踏み板の厚さ分より少し長くしている。
このような場合には、心柱を一体ものではなく、分割型のものにして対応することができる。
分割型にしておけば、所定数の踏み板を心柱に取り付け、上述したごとく、所定数の踏み板分の螺旋階段を構築し、次いで、この螺旋階段を登り、分割型の心柱を継ぎ足して、さらに所定数の踏み板を取り付ければよい。
分割型の心柱を継ぎ足すには、それぞれの接続口に互いに嵌め合うねじ切り部を形成してネジ接合したり、それぞれの接続口に接続用の中空芯体を挿入して埋め込み型のピンを挿入することにより接続したりして、分割型の心柱を継ぎ足すことができる。
また、手摺柱挿入用孔24の位置を踏み板の外側端部の外周に沿う方向において変えるだけで、互いに隣接する上下の踏み板同士の重なり幅を変えることができるから、従来の螺旋階段で使用されていた踏み板の位置決め手段のような格別の手段を必要とせずに、螺旋階段の旋回角度も容易に調整することができる。
手摺4は、隣接する手摺柱間に相当する長さのものを、手摺柱3と手摺4とを連結する連結具(図1には図示せず)を介して架設することもできる。この場合、連結具は手摺柱3の上端に装着され、2つの手摺挿入口を有している。
長尺の手摺を手摺柱間に架設する場合には、図7から分かるように、リングを備える手摺装着具5を使用し、リングに長尺の手摺4を挿通させて、手摺柱間に手摺を架設することができる。
この装着具5の一例を図9(a)〜(c)に示した。この図において、手摺装着具5は、手摺4が挿通されるリング51と手摺柱上端に取り付けられるキャップ状部材52を備え、リング51はキャップ状部材52の上端で軸53により軸支されており、軸の周りに旋回できるようになっている。この図から分かるように、リング51には軸を通す孔を有する舌片部材(図面番号なし)、キャップ状部材52の上端部には、この舌片部材を挟み、軸を支持する2つの突状部(図面番号なし)をそれぞれ備えている。図9(b)にはリング51が右に旋回した状態をも示している。
長尺の手摺は、短尺の手摺を接続して長尺の手摺とすることもできる。手摺の接続は短尺の手摺のそれぞれの接続口に接続用の芯材を挿入して接続するなどの手段を採用すればよい。
踏み板2は、鋼やアルミなどの金属製とすることもできるが、軽量化するために、外皮と発泡芯材からなる発泡体から製作することもできる。この発泡体からなる踏み板2の断面の模式図を図10に示した。
発泡体9は、内部が発泡樹脂からなる発泡芯材91であり、外皮92が発泡芯材91を被覆しており、ブロー成型法や真空含浸工法を使用して、外皮と発泡芯材を一体化して製作できる。
発泡芯材には発泡性ポリスチレン樹脂や植物由来のポリ乳酸系発泡性樹脂等が使用される。また、外皮にはポリエチレンやポリプロピレンなど合成樹脂を使用することができるが、強度の高い繊維強化プラスチック材料が好ましい。
この発泡体9は、発泡芯材91のみでは低強度であるが、発泡芯材91が外皮92と一体化されることにより、強度が飛躍的に向上し、耐荷重性、耐久性、耐水性に優れている。また、ほとんどの体積を発泡芯材が占めているので軽量である。したがって、螺旋階段を軽量なものとすることができる。
図4に示す厚みが一定の発泡体9からなる踏み板について、寸法の一例を示すと、厚み(すなわち踏み板の高さ)が200mm、外側部端の縁部の長さが565mm、内側端部の円筒部の幅(外径)が300mm、心柱挿入用孔23の径が200mm、手摺柱挿入用孔の径が36mm、外皮の厚みは6mm程度である。この程度の寸法のものであれば、重量が12kg程度の踏み板を製作することができる。
手摺柱のねじ切り部に装着するナットも、同様に、繊維強化プラスチックなどのプラスチック材を採用することが耐水性や軽量化のために望ましい。
リング状部材を備える手摺装着具を使用して、リング状部材に長尺の手摺を挿通して手摺柱間に手摺を架設する場合は、可撓性のある中空の合成樹脂製の手摺を使用することができるが、繊維強化プラスチック材が強度的にも適している。
水中では、水中に沈んでいる螺旋階段には浮力が作用する。図2、図4、5図や図10に示す踏み板2は全面で厚さが一定であり、踏み板の体積が比較的大きく、しかも踏み板が発泡体9からなる場合は、重量が比較的軽く、作用する浮力は大きい。このため、踏み板には浮上する方向に絶えず大きな力が働くことになる。水中にある踏み板の段数が増えるにしたがって、浮上する力も大きくなるから、場合によっては踏み板の浮上を押さえる手段を設けなければならない。また、踏み板に絶えず浮力が作用するため、水中に沈めることも容易ではなく、螺旋階段の組立作業や設置作業の作業性が悪い。
この踏み板2は、図11、図12から分かるように、略扇形の板状部27とこの板状部の裏面に配置されたリブ部28を備えており、板状部27は踏み板の上面部を形成し、リブ部28は、板状部27の下面(裏面)に該面に対して直角に配置されており、板状部の厚さとリブ部の高さとで踏み板2の高さが形成されている。
そして、板状部27の数個所には、15mm径前後の空気/水抜き用孔29が設けられている。この孔を介して空気や水が抜けるため、螺旋階段を水中で組み立てる際あるいは螺旋階段を水中に沈める際に、短時間で踏み板を水中に沈めることができる。
また、板状部の下面にリブ部を張り巡らすことにより、踏み板としての強度を保持することができる。
また、踏み板外側端部22においても板状部の下面(裏面)にはリブ部28が配置されており、踏み板外側端部の周面を形成している。この外側端部の周面のリブ部は、両端部〔図12(d)では左右〕が肉厚になっており、手摺柱挿入用孔24が形成されている。こうすることで、図6、図8に示したように、手摺柱3を踏み板2に立設することができる。また、この外側端部周面のリブ部は、板状部中心線上で前記の略三角形を形成しているリブ部と連続している。
2:踏み板
21:内側端部
22:外側端部
23:心柱挿入用孔
24:手摺柱挿入用孔
25:踏み板の段鼻部
26:踏み板の段尻部
27:板状部
28:リブ部
29:空気/水抜き用孔
3:手摺柱
31:手摺柱のねじ切り部
4:手摺
5:手摺装着具
51:リング
52:キャップ状部材
53:軸
6:ナット
7:座板
8:(座板に取り付けられた)中空芯体
9:発泡体
91:発泡芯材
92:外皮
100:心柱ユニット
200:踏み板
300:受け材
Claims (6)
- 階段中心側端部に心柱挿入用孔が形成された踏み板を、立設された心柱を中心に螺旋状に配列した螺旋階段であって、踏み板の階段外側端部の段鼻部と段尻部とに手摺柱挿入用孔が形成されており、互いに隣接する踏み板は、上側に位置する踏み板の階段外側端部の段鼻部に形成された手摺柱挿入用孔と下側に位置する踏み板の階段外側端部の段尻部に形成された手摺柱挿入用孔とが重なるように配置され、該2つの重なる手摺挿入用孔に挿入して立設された手摺柱に螺合された2つのナットにより前記互いに隣接する2つの踏み板を挟んで締め付けられていることを特徴とする特徴とする螺旋階段。
- 前記踏み板が、合成樹脂製の外皮と発泡芯材とからなる発泡体であることを特徴とする請求項1に記載の螺旋階段。
- 前記踏み板が、板状部と該板状部の下面に配置されたリブ部と該リブ部に連続した心柱挿入用孔の周壁とからなることを特徴とする請求項1に記載の螺旋階段。
- 前記踏み板の板状部に複数の空気/水抜き用孔を設けたことを特徴とする、請求項3に記載の螺旋階段。
- リングを備えた手摺装着具を手摺柱の上端に取り付け、該リングに手摺を挿通することにより、手摺柱間に手摺が架設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の螺旋階段。
- 前記手摺装着具が手摺柱の上端に嵌着されるキャップ状部材を備え、該キャップ状部材の上端部に前記リングが旋回可能に軸支され、該キャップ状部材と該リングが合成樹脂製であることを特徴とする請求項5に記載の螺旋階段。
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