JP2017078306A - 建築用結合構造、これを用いた建築構造体、および結合部材 - Google Patents

建築用結合構造、これを用いた建築構造体、および結合部材 Download PDF

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Abstract

【課題】相隣接する建築部材同士の、ピンを用いた結合および解除が容易で、しかも、結合解除時の建築部材のピンの軸線方向への移動を可能とする建築用結合構造を提供する。【解決手段】隣り合う第1,第2の建築部材10,20と、第1,第2の建築部材10,20を結合する結合部材30とを備え、結合部材30は、第1の建築部材10に固定される第1の固定部31と、第2の建築部材20に固定される第2の固定部32とを備え、第2の固定部32は、第2の固定部32が固定されるべき第2の建築部材20に予め形成されたスリットに対し第2の建築部材20を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、平板には、平板に対し直交方向に、第2の建築部材20に形成されたピン穴22に挿入されるピン23によって第2の建築部材20に固定されるピン固定部が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、隣り合う第1,第2の建築部材を結合するための建築用結合構造、これを用いた建築構造体、および結合部材に関するものである。
従来、例えば特許文献1に見られるように、左右に伸びる上下の横架材(8)(8)と、これら上下の横架材を連結する柱(7)(7)と、上下の横架材(8)(8)と柱(7)(7)とで区画される空間(9)に、該空間(9)を塞ぐように設けられるパネル(耐力壁ブロック)(6)とを備えた建築構造が知られている。耐力壁ブロック(6)と構造柱(7)及び横架材(8)とは締結金物(10)にて相互に連結されている(同文献0024段落)。
したがって、この建築構造において、耐力壁ブロック(6)を交換したいという要請があった場合には、耐力壁ブロック(6)と構造柱(7)及び横架材(8)との締結金物(10)による相互連結を解除することによって、耐力壁ブロック(6)を交換することが可能である。
すなわち、同文献図3に見られるように、柱(7)の外側に締結金物(10)を操作することが可能な空間があれば、締結金物(10)による相互連結を解除することによって、耐力壁ブロック(6)を交換することが可能である。
しかし、逆に言えば、柱(7)の外側に締結金物(10)を操作するに足るだけの空間がない場合(例えば柱(7)の両側に耐力壁ブロック(6)が配置された場合)には、締結金物(10)による相互連結を解除するができず、したがって、耐力壁ブロック(6)を交換することは不可能である。
また、従来、例えば特許文献2(図6)に見られるように、隣り合う建築部材である木質壁単体(20)(20)および横架材(10(または60))を結合するためのプレートであって、上記各建築部材に設けられた切り込み(20c等)に入り込み、各建築部材に形成されたピン穴(20d等)に挿入されるピン(115等)によって各建築部材に固定されるピン固定部が設けられているプレート(100)が知られている。
このようなプレート(100)を用いた建築構造において、一部の木質壁単体(20)のみを交換したいという要請があった場合、当該木質壁単体(20)の左右又は上下に当該木質壁単体(20)をスライド移動させるスペースがあれば、当該木質壁単体(20)とプレート(100)とを固定しているピンを抜き、当該木質壁単体(20)をスライド移動させて当該木質壁単体(20)の切り込み(20c)からプレート(100)を外すことによって当該木質単体(20)を取り外すことが可能である。
しかし、通常、同文献の図6に見られるように、木質壁単体(20)の左右および上下には隣接する木質壁単体(20)および横架材(10,60)が配置されているため、プレート(100)からピンを抜いても、当該木質壁単体(20)をスライド移動させることはできない。したがって、一部の木質壁単体(20)のみを交換することは困難である。
特開平9−184197号公報 特開2004−143911号公報
本発明が解決しようとする課題は、相隣接する建築部材同士の、ピンを用いた結合および解除が容易で、しかも、結合解除時の建築部材のピンの軸線方向への移動を可能とする建築用結合構造を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、左右に伸びる上下の横架材と、これら上下の横架材を連結する柱または壁材と、上下の横架材と柱または壁材とで区画される空間に、該空間を塞ぐように設けられるパネルとを備えた建築構造体であって、前記空間からパネルを容易に取り外すことができる建築構造体を提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、建築用結合構造に適した結合部材を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の建築用結合構造は、
隣り合う第1,第2の建築部材と、これら第1,第2の建築部材を結合する結合部材とを備えた構造であって、前記結合部材は、前記第1の建築部材に固定される第1の固定部と、前記第2の建築部材に固定される第2の固定部とを備え、
前記第2の固定部は、該第2の固定部が固定されるべき第2の建築部材に予め形成されたスリットに対し第2の建築部材を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、かつ、この平板には、該平板に対し直交方向に、前記第2の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって第2の建築部材に固定されるピン固定部が設けられていることを特徴とする。
この建築用結合構造によれば、結合部材の第1の固定部を第1の建築部材に固定し、第2の固定部を第2の建築部材に固定することによって、隣り合う第1,第2の建築部材を結合部材で結合することができる。
結合部材の第2の固定部は、該第2の固定部が固定されるべき第2の建築部材に予め形成されたスリットに対し第2の建築部材を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、かつ、この平板には、該平板に対し直交方向に、前記第2の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって第2の建築部材に固定されるピン固定部が設けられているので、第2の固定部と第2の建築部材とは、第2の固定部を第2の建築部材のスリットにスライド進入させ、第2の建築部材に形成されたピン穴にピンを挿入することによって固定することができる。
また、第2の固定部と第2の建築部材との固定解除は、上記ピンを抜き、第2の固定部を第2の建築部材のスリットからスライド退避させることによって行うことができる。
第2の固定部は平板として構成されているので、この平板が第2の建築部材のスリットからスライド退避した状態では、第2の建築部材は上記ピンの軸線方向への移動が可能となる。
以上のように、この建築用結合構造によれば、相隣接する建築部材同士の、ピンを用いた結合および解除が容易で、しかも、結合解除時の建築部材のピンの軸線方向への移動が可能となる。
第2の建築部材に対する第2の固定部による固定を全て解除すれば、第2の建築部材は、前記ピンの軸線方向へ移動させることによって、本発明に係る建築用結合構造を用いた建築構造体から取り外すことができる。
この建築用結合構造においては、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部を中心とする回動により前記スリットに対してスライド進入およびスライド退避可能である構成とすることができる。
このように構成すると、少ないスペースで、かつ簡単な構造で、第2の固定部の第2の建築部材に対するスライド進入およびスライド退避を可能とすることができる。
この建築用結合構造においては、
前記第1,第2の固定部は一体の平板として構成され、
前記第1の固定部は、前記第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に回動可能に配置され、
第2の固定部は、第1の固定部を中心とする回動により前記スリットに対してスライド進入およびスライド退避可能であり、
前記第1の固定部には、前記第1の建築部材に設けられた挿通口に挿通され回動操作される工具と係合する係合穴と、第1の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって第1の建築部材に固定されるピン固定部とが設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、少ないスペースで、かつ簡単な構造で、第2の固定部の第2の建築部材に対するスライド進入およびスライド退避を可能とすることができる。
この建築用結合構造においては、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部が配置される第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に収納可能である構成とすることができる。
このように構成すると、建築用結合構造の外部から結合部材を見えにくくすることができる。
この建築用結合構造においては、
前記第1の建築部材と結合部材との間には、第1のスリット内に収納された第2の固定部の第1のスリットからの突出を防止する突出防止手段が設けられる構成とすることができる。
このように構成すると、建築部材の取付取り外し作業中に不用意に第2の固定部が突出することがなくなるので、作業性が向上する。
この建築用結合構造においては、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部が配置される第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に収納可能であり、
前記第1の固定部は、前記第1のスリット内に収納された第2の固定部の第1のスリットからの突出を防止するための、前記第1の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって固定される、突出防止用ピン固定部を有している構成とすることができる。
このように構成すると、建築用結合構造の外部から結合部材を見えにくくすることができると同時に建築部材の取付取り外し作業中の不用意な第2の固定部の突出を防止して作業性を向上させることができ、しかも、第1の固定部のピン固定部を固定するピンのためのピン穴を、突出防止用ピン固定部を固定するピンのためのピン穴としても利用することがが可能となる。
この建築用結合構造においては、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部の両側に一対設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、一つの結合部材で、第1の建築部材の両側に第2の建築部材を同時に結合することができる。
この建築用結合構造においては、
前記第1第2の固定部は一体となって回動およびスライドが可能であり、第2の固定部に設けられるピン固定部は、前記ピンの軸線方向から見て、前記第1第2の固定部の回動方向およびスライド方向に伸び、回動方向一端が開口したL字形の穴で構成することができる。
このように構成すると、第2の固定部に対するピンを抜かなくても、該ピンが前記L字形の穴に沿うように、第1第2の固定部をスライドおよび回動させることで第2の固定部とそのピンとの係合を解除することができる。
したがって、構造体構築後に前記第2の固定部のピンを抜くことが困難になるような場合でも、第1の建築部材と第2の建築部材との結合を解除することが可能となる。
上記課題を解決するために本発明の建築構造は、
左右に伸びる上下の横架材と、これら上下の横架材を連結する柱または壁材と、上下の横架材と柱または壁材とで区画される空間に、該空間を塞ぐように設けられるパネルとを備えた建築構造であって、
前記パネルと柱または壁材とが、および/または前記パネルと上下の横架材とが、前記請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の建築用結合構造によって結合されていることを特徴とする。
この建築構造によれば、少なくとも、前記パネルと柱または壁材とが、または前記パネルと上下の横架材とが、前記請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の建築用結合構造によって結合されているので、左右に伸びる上下の横架材と、これら上下の横架材を連結する柱または壁材とで区画される空間に、該空間を塞ぐように設けられるパネルを容易に取り外し、取り付けることが可能となる。
すなわち、前記上下の横架材と柱または壁材とで構成される枠組みを解体することなくパネルを交換することが可能となる。
上記課題を解決するために本発明の結合部材は、
回動中心を構成する、工具との係合部と、この係合部から離間して設けられた、ピンと係脱可能な第1の係合穴と、この第1の係合穴よりもさらに前記係合部から離間して設けられた、ピンと係脱可能な第2の係合穴とを有する平板状の結合部材であることを特徴とする。
このように構成すると、第1の係合穴で前記第1の固定部を構成でき、第2の係合穴で前記第2の固定部を構成できるため、平板状の単純な構造で、前記建築用結合構造に適した結合部材を構成することができる。
この結合部材においては、
前記第1の係合穴と第2の固定部の突出防止用ピン固定部は、工具との係合部から等距離に設けられており、第1の係合穴と前記係合部とを結ぶ線と、第2の固定部の突出防止用ピン固定部と前記係合部とを結ぶ線とがなす角度が90度となっている構成とすることができる。
このように構成すると、特定のピンに対し、第1の係合穴によって第1の固定部のピン固定部を構成できると同時に第2の固定部の突出防止用ピン固定部を好適に構成することができる。
この結合部材においては、
前記第2の係合穴は、前記工具との係合部の両側に一対設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、簡単な構造で容易に、前記第1の固定部の両側に一対の第2の固定部を設けることが可能となる。
この結合部材においては、
前記第2の係合穴は、この結合部材の縁部に一端が開口したL字形の穴で構成することができる。
このように構成すると、前記第1第2の固定部の回動方向およびスライド方向に伸び、回動方向一端が開口したL字形の穴を有する結合部材を容易に得ることができる。
本発明に係る建築用結合構造、および結合部材の実施の形態を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は側面図。 同じく作動説明図で、a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は側面図。 本発明に係る結合部材の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)はb−b断面図、(c)はc−c断面図、(d)はd−d断面図。 結合部材の変形例を示す図で、(a)は正面図、(b)はb−b断面図、(c)はc−c断面図、(d)はd−d断面図。 工具の一例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図。 本発明に係る建築用結合構造、および結合部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は側面図。 本発明に係る結合部材の他の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)はb−b断面図、(c)はc−c断面図、(d)はd−d断面図。 本発明に係る建築用結合構造、および結合部材のさらなる他の実施の形態および作動を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は側面図。 同じく(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は側面図。 本発明に係る結合部材のさらなる他の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)はb−b断面図。 本発明に係る建築構造体の実施の形態を示す部分正面図。 同じく他の実施の形態を示す部分正面図。 同じくさらなる他の実施の形態を示す部分正面図。 同じくさらなる他の実施の形態を示す部分正面図。 同じくさらなる他の実施の形態を示す部分正面図。 同じくさらなる他の実施の形態を示す部分正面図。 横架材と柱との連結部材の一例を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図、(c)は柱の部分斜視図。 横架材と柱との連結部材の他の例を示す図で、(a)は部分正面図、(b)は部分側面図、(c)は概略斜視図。 本発明に係る結合部材のさらなる他の実施の形態を示す正面図。結合部材30 本発明に係る建築構造体の実施の形態を示す部分正面図。 同じくさらなる他の実施の形態を示す部分正面図。 パネル45の変形例を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図。 パネル45の他の変形例を示す図で、(a)は部分省略正面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図。 横架材と柱との連結部材の他の例を示す図で、(a)は部分切断正面図(図(b)におけるa−a断面図)、(b)は図(a)におけるb−b断面図。
以下、本発明に係る建築用結合構造、これを用いた建築構造体、および結合部材の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
図1に示すように、この実施の形態の建築用結合構造は、隣り合う第1,第2の建築部材10,20と、これら第1,第2の建築部材10,20を結合する結合部材30とを備えた構造である。
図3にも示すように、結合部材30は、第1の建築部材10に固定される第1の固定部31と、第2の建築部材20に固定される第2の固定部32とを備えている。
第2の固定部32は、該第2の固定部32が固定されるべき第2の建築部材20に予め形成されたスリット21に対し第2の建築部材20を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、かつ、この平板には、該平板に対し直交方向に、第2の建築部材20に形成されたピン穴22に挿入されるピン23によって第2の建築部材20に固定されるピン固定部32pが設けられている。
この建築用結合構造によれば、結合部材30の第1の固定部31を第1の建築部材10に固定し、第2の固定部32を第2の建築部材20に固定することによって、隣り合う第1,第2の建築部材10,20を結合部材30で結合することができる。
結合部材30の第2の固定部32は、第2の固定部32が固定されるべき第2の建築部材20に予め形成されたスリット21に対し第2の建築部材20を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、かつ、この平板には、該平板に対し直交方向に、第2の建築部材20に形成されたピン穴22に挿入されるピン23によって第2の建築部材20に固定されるピン固定部32pが設けられているので、第2の固定部32と第2の建築部材20とは、第2の固定部32を第2の建築部材20のスリット21にスライド進入させ、第2の建築部材20に形成されたピン穴22にピン23を挿入することによって固定することができる。
また、第2の固定部32と第2の建築部材20との固定解除は、上記ピン23を抜き、図1(a)に破線で示すように、また図2に実線で示すように第2の固定部32を第2の建築部材20のスリット21からスライド退避させることによって行うことができる。
結合部材30の第2の固定部32は平板として構成されているので、図2に示すように平板(32)が第2の建築部材20のスリット21からスライド退避した状態では、第2の建築部材20はピン23の軸線方向(図2(b)において矢印Y1,Y2方向であり、図2(a)において紙面と直交する方向)への移動が可能となる。
以上のように、この建築用結合構造によれば、相隣接する建築部材10,20同士の、ピン23を用いた結合および解除が容易で、しかも、結合解除時の建築部材20のピン23の軸線方向への移動が可能となる。
したがって、例えば図11を参照して後述する建築構造体40に関し、第2の建築部材20に対する結合部材30の第2の固定部32による固定を全て解除すれば、第2の建築部材20は、ピン23の軸線方向へ移動させることによって、建築構造体40から取り外すことができる。
したがって、第1の建築部材10、第2の建築部材20を用いた建築構造体40の解体が容易になるとともに、第1の建築部材10,第2の建築部材20の再利用も容易になり、一部の第2の建築部材20の交換も容易に行うことができる。
図1(a)および図2(a)に実線および破線で示すように、結合部材30の第2の固定部32は、第1の固定部31を中心とする回動により前記スリット21に対してスライド進入およびスライド退避可能である。
このように構成すると、少ないスペースで、かつ簡単な構造で、第2の固定部32の第2の建築部材20に対するスライド進入およびスライド退避を可能とすることができる。
図1、図3に示すように、結合部材30の第1,第2の固定部31,32は一体の平板として構成されている。
第1の固定部31は、第1の建築部材10に設けられた第1のスリット11内に回動可能に配置される。
第2の固定部32は、第1の固定部31を中心とする回動により前記スリット(以下第2のスリットともいう)21に対してスライド進入およびスライド退避可能である。
第1の固定部31には、第1の建築部材10に設けられた挿通口13に挿通され回動操作される工具(図4)と係合する係合穴31hと、第1の建築部材10に形成されたピン穴12に挿入されるピン23によって第1の建築部材10に固定されるピン固定部31pとが設けられている。
このように構成すると、少ないスペースで、かつ簡単な構造で、第2の固定部32の第2の建築部材20に対するスライド進入およびスライド退避を可能とすることができる。
工具50は、例えば図5に示すように、基部51と、この基部51に一体に立設された係合棒52と、基部51に一体的に設けたハンドル53とを備えた構成とすることができる。
この実施の形態では、係合棒52を角柱状とし、結合部材30の第1の固定部31の係合穴31hを角穴としたが、係合棒52の断面形状と係合穴31hの形状は、係合可能な形状であれば任意の形状を採用することができる。例えば、6角、8角、楕円等を採用することも可能である。
工具50の係合棒52を第1の建築部材10の挿通口13(図1)に挿通して結合部材30の係合穴31hに係合させ(嵌め合わせ)、係合棒52を中心にしてハンドル53を回すことによって、スリット内ある結合部材30を係合棒52(係合穴31h)回りに回動させることができる。
第1の建築部材10のピン穴12、第2の建築部材20のピン穴22はいずれも貫通孔である。
第1の建築部材10の挿通口13も貫通孔である。
これらの貫通孔12,22,13は同径とする。
図1(a)に破線で、図2(a)に実線で示すように、結合部材30の第2の固定部32は、第1の固定部31が配置される第1の建築部材10に設けられた第1のスリット11内に収納可能である。すなわち、第1の建築部材10の第1のスリット11は、結合部材30全体を収納可能な大きさに形成する。
このように構成すると、建築用結合構造の外部から結合部材30を見えにくくすることができる。
第1の建築部材10と結合部材30との間には、第1のスリット11内に収納された第2の固定部32の第1のスリット11からの突出を防止する突出防止手段33が設けられる。
突出防止手段33は、例えば、図2(a)に実線で示すように第1のスリット11内に収納された第2の固定部32のピン固定部(穴)32pにピン23を打ち込むためのピン挿入穴14(図2(b))を第1の建築部材10に設けることによって構成することができる。
突出防止手段33を設けると、建築部材の取付取り外し作業中に不用意に第2の固定部32が第1のスリット11から突出することがなくなるので、作業性が向上する。
上述したように、突出防止手段33は、例えば、図2(a)に実線で示すように第1のスリット11内に収納された第2の固定部32のピン固定部(穴)32pにピン23を打ち込むためのピン挿入穴14を第1の建築部材10に設けることによって構成することも可能である。
しかしそのようにすると、第1の建築部材10に対し、上記ピン穴12以外に、突出防止手段33のためのピン穴14を別途設けなければならなくなる。
そこでこの実施の形態では、結合部材30の第1の固定部31に、第1のスリット11内に収納された第2の固定部32の第1のスリット11からの突出を防止するための、前記第1の建築部材10に形成されたピン穴12に挿入されるピン23によって固定される、突出防止用ピン固定部33h(図3)を設けた。
このように構成すると、第1の固定部31のピン固定部31pを固定するピン23のためのピン穴12を、突出防止用ピン固定部33hを固定するピン(23)のためのピン穴としても利用することが可能となる。
より詳しく説明すると、図1に実線で示すような固定状態から、4本のピン23を抜き取り、工具50で結合部材30を反時計回りに90度回動させて図2に実線で示すように第2の固定部32を第1のスリット11内に収納した後、第1の固定部31のピン穴12および突出防止用ピン固定部33hにピン23を挿入することによって結合部材30を仮止め状態とし、第2の固定部32の第1のスリット11からの突出を防止することができる。
図6,図7に示すように、結合部材30の第2の固定部32は、第1の固定部31の両側に一対設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、一つの結合部材30で、第1の建築部材10の両側に第2の建築部材20を同時に結合することができる。
図8〜図10に示す結合部材30は、その第1第2の固定部31,32が一体となって回動およびスライドが可能であり、第2の固定部32に設けられるピン固定部32p(図10)は、ピンの軸線方向から見て、第1第2の固定部31,32の回動方向(図8におけるR1,R2方向)およびスライド方向(X1,X2方向)に伸び、回動方向一端32L1が開口したL字形の穴32Lで構成されている。
このように構成すると、第2の固定部32に対するピン23を抜かなくても、該ピン23がL字形の穴32Lに沿うように、第1第2の固定部31,32をスライドおよび回動させることで第2の固定部32とそのピンとの係合を解除することができる。
したがって、構造体構築後に第2の固定部32のピン23を抜くことが困難になるような場合でも、第1の建築部材10と第2の建築部材20との結合を解除することが可能となる。
例えば図8,図9に示すように、第1の建築部材10と第2の建築部材20とが結合部材30で結合されており、さらに図(a)に示すように第2の建築部材20の両側に第3の部材(例えば壁材)60,60が配置されている構造の場合、第2の建築部材20の両側に第3の建築部材60が配置される前であれば、ピン23を抜き差しすることができるが、第2の建築部材20の両側に第3の建築部材60が配置された後は、ピン23を抜き差しすることができなくなる。
したがって、このような構造において、図1,図2に示したような結合部材30を用いたのでは、第3の建築部材60が配置された後は、結合部材30と第2の建築部材20との結合を解除できなくなり、第1の建築部材10をピン23の軸方向(矢印Y1,Y2方向へ)移動させることができなくなる。
これに対し、図8,図9に示すようなL字形の穴32Lを有する結合部材30を用いると、図9に示すような結合部材30と第2の建築部材20との結合状態から、図8に実線で示すように結合部材30を矢印X1方向へスライドさせてL字形の穴32Lの開口32L1をピン23に臨ませた後、図8に仮想線で示すように結合部材30をR2方向へ向けて回動させることで、第3の建築部材60が配置された後でも、結合部材30と第2の建築部材20との結合を解除することができ、したがって、第1の建築部材10をピン23の軸方向(矢印Y1,Y2方向へ)移動させることができる。
図11に示す建築構造40は、左右に伸びる上下の横架材41,42と、これら上下の横架材41,42を連結する柱43(または壁材)と、上下の横架材41,42と柱43(または壁材)とで区画される空間44に、該空間44を塞ぐように設けられるパネル45とを備えている。
図11に示す建築構造では、パネル45と柱43(または壁材)とが、またパネル45と上下の横架材41,42とが、上述した結合部材30を用いた建築用結合構造によって結合されているが、上述した結合部材30を用いた建築用結合構造は、例えば図12に示すように、パネル45と柱43との結合にのみ用いても良いし、また例えば図13に示すようにパネル45と上下の横架材41,42との結合にのみ用いても良い。また、例えば図14に示すように、パネル45の結合相手は壁材46とすることもできる。
図11,図12に示す構造において、柱43とパネル45との関係においては、柱43が第1の建築部材10を構成し、パネル45が第2の建築部材20を構成するが、逆にすることもできる。図11,図13に示す構造おいて、上下の横架材41,42とパネル45との関係においては、パネル45が第1の建築部材10を構成し、上下の横架材41,42が第2の建築部材20を構成するが、逆にすることもできる。図14に示す構造においては、壁材46が第1の建築部材10を構成し、パネル45が第2の建築部材20を構成するが、逆にすることもできる。
以上のような建築構造40によれば、少なくとも、パネル45と柱43(または壁材46)とが、またはパネル45と上下の横架材41,42とが、上述した結合部材30を用いた建築用結合構造によって結合されているので、左右に伸びる上下の横架材41,42と、これら上下の横架材41,42を連結する柱43(または壁材46)とで区画される空間44に、該空間44を塞ぐように設けられるパネル45を容易に取り外し、取り付けることが可能となる。
すなわち、前記上下の横架材41,42と柱43(または壁材46)とで構成される枠組みを解体することなくパネル45を交換することが可能となる。
なお、パネル45は適宜の構造のものを採用することができる。パネル45は一枚の板でも構成できるが、例えば図1,図11に示すように、長手方向に延びる面45b同士を当接させるように隣接させて配置した複数本(図示のものは8本)の角棒材(例えば木製角棒材)45cと、それら複数の木製角棒材45cを、前記長手方向に延びる面45bと直交する方向に貫通する貫通穴45dと、この貫通穴45dに挿通され、前記複数本の木製角棒材45c同士を締結する金属製ボルト45fとで構成したものとすることもできるし、例えば図12に示すように、複数本の角材(例えば木材)45gを接着剤45hで接合してなる集成材パネルで構成することもできる。
また、例えば図15に示すように、上下の横架材41,42と柱43(または壁材)とで区画される空間44に設けられるパネル45は複数枚(図示のものは2枚)のパネル45pに分割することができる。このように構成すると、1つの空間44内に設けられるパネル45の耐力が必要以上に大きくなることを防止することができる。複数枚のパネル45p同士は連結しなくても良いし、図示のように結合部材30で部分的に連結しても良い。
上下の横架材41,42と柱43との連結は、例えば図11に示すように、連結パイプ47と、この連結パイプ47に軸方向と直交方向に設けられた穴に打ち込まれるドリフトピン47pとで行うこともできるが、上述した本発明に係る結合部材30で行うこともできる。結合部材30を用いて連結することにより、上下の横架材41,42と柱43との結合解除も容易に行うことができるようになる。
上下の横架材41,42と柱43との連結は、例えば図16,図17に示すような連結部材70を用いて行うこともできる。
連結部材70は、横架材42(41)に固定される第1の固定部71と、柱43に固定される第2の固定部72とを備えている。
第1の固定部71は、ボルトナット74で横架材42(41)に固定される平板状である。
第2の固定部72は、第1の固定部71に一体に立設された平板状のプレートであり、柱43に予め形成されたスリット43sに対し相対的にスライド進入およびスライド退避可能である。
第2の固定部72には、該平板に対し直交方向に、柱43に形成されたピン穴43pに挿入されるピン73によって柱43に固定されるピン固定部(穴)73pが設けられている。
このような連結部材70を用いて横架材41,42と柱43とを連結すると、ピン73を抜き取ることによって、柱43が第2の固定部72に沿って矢印X1,X2方向へスライド可能となるので、パネル45を取り外した後、柱43を矢印X1またはX2方向にスライドさせ、さらに矢印Y1またはY2方向に移動させることによって柱43を上下の横架材41,42の間から取り外すことができる。柱43には上記X1,X2方向へのスライドを許すための、ボルトナット74の逃がし穴43hが設けられている。
上下の横架材41,42と柱43との連結は、例えば図18に示すような連結部材80を用いて行うこともできる。
連結部材80は、横架材42(41)に固定される第1の固定部81と、柱43に固定される第2の固定部82と、第1の固定部81を横架材42(41に固定するための固定用プレート84とを備えている。
第1第2の固定部81,82は一体のプレート状であり、第1の固定部81には、固定用プレート84との係合孔81hが設けられている。
第1の固定部81は、横架材42(41)に予め形成された挿入穴42hに挿入され、該挿入穴42hに直交して連通する固定プレート用挿入穴42h2に挿入される固定用プレート84を係合孔81hに挿通して係合させることによって、横架材42(41)に固定される。
第2の固定部82は、柱43に予め形成されたスリット43sに対し相対的にスライド進入およびスライド退避可能である。
第2の固定部82には、該平板に対し直交方向に、柱43に形成されたピン穴43pに挿入されるピン83によって柱43に固定されるピン固定部(穴)83pが設けられている。
このような連結部材80を用いて横架材41,42と柱43とを連結すると、ピン83を抜き取ることによって、柱43が第2の固定部82に沿って矢印X1,X2方向へスライド可能となるので、パネル45を取り外した後、柱を矢印X1またはX2方向にスライドさせ、さらに矢印Y1またはY2方向に移動させることによって柱43を上下の横架材41,42の間から取り外すことができる。またその後、固定用プレート84を抜き取ることによって、連結部材80を横架材42(41)から容易に取り外すことができる。
図3,図4,図7に示すように、結合部材30は、回動中心を構成する、工具50との係合部31hと、この係合部31hから離間して設けられた、ピンと係脱可能な第1の係合穴31pと、この第1の係合穴31pよりもさらに前記係合部31hから離間して設けられた、ピンと係脱可能な第2の係合穴32pとを有する平板状の結合部材である。
このような結合部材30によれば、第1の係合穴31pで前記第1の固定部31を構成でき、第2の係合穴32pで前記第2の固定部32を構成できるため、平板状の単純な構造で、前記建築用結合構造に適した結合部材を構成することができる。
図3,図4に示すように、第1の係合穴31pと第2の固定部32の突出防止用ピン固定部33hは、工具50との係合部31hから等距離に設けられており(L1=L3)、第1の係合穴31pと前記係合部31hとを結ぶ線L1と、第2の固定部32の突出防止用ピン固定部33hと前記係合部31hとを結ぶ線L3とがなす角度が90度となっている。
このように構成すると、特定のピンに対し、第1の係合穴31pによって第1の固定部31のピン固定部を構成できると同時に第2の固定部32の突出防止用ピン固定部33hを好適に構成することができる。
図7に示すように、第2の係合穴32pは、前記工具40との係合部31hの両側に一対設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、簡単な構造で容易に、第1の固定部31の両側に一対の第2の固定部32を設けることが可能となる。
図10に示すように、第2の係合穴32pは、結合部材30の縁部に一端が開口(開口部を32L1で示す)したL字形の穴32Lで構成することができる。
このように構成すると、第1第2の固定部31,32の回動方向およびスライド方向に伸び、回動方向一端が開口したL字形の穴を有する結合部材30を容易に得ることができる。
このようなL字形の穴32Lを有する結合部材30についても、図19に示すように、第2の係合穴32p(32L)が、前記工具40との係合部31hの両側に一対、180度回転させた状態で設けられている構成とすることができる。
結合部材30は、鉄、ステンレス等の金属で構成することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
図20,図22に示すように、パネル45は、複数本の角材45cをボルトではなく、プレート90で連結した構造とすることができる。この場合、図22に示すように、複数の角材45cにこれら角材を連ねるスリット45c1を設け、そのスリット45c1にプレート90挿入し、角材45cとプレート90とをピン91で固定する構造とすることもできるし、図23に示すように、複数本の角材45cの表面にプレート90を配置し、プレート90と角材45cとをビス92等で固定する構造とすることもできる。
複数の角材45cを連結するプレート90の個数は任意であり、図20に示すように複数の角材45cの上下にのみ設けてもよいし、図21に示すように、上下の他、中間部にも設けてもよい。
プレート90は、金属プレートだけでなく、合板や樹脂プレートで構成することができる。また、外部に張り付ける場合には、グラスファイバーシートや炭素繊維強化シート等をプレート90として複数本の角材45cに接着して連結させることもできる。プレート90を複数本の角材45cの表面に配置する(貼り付ける場合を含む)構造は、それほど大きな強度を必要としない壁(パネル)を構成する場合に有効であり、パネルの生産コストを下げることができる。
角材45cは木材に限らず他の適宜の材料、例えば合成樹脂等で構成することもできる。
図21,図22,および図24に示すように、上下の横架材41,42と柱43との連結は、同図に示すような連結部材100を用いて行うこともできる。
連結部材100は、横架材42(41)に固定される第1の固定部101と、柱43に固定される第2の固定部102とを備えている。
第1第2の固定部101,102は一体のプレート状である。
第1の固定部101は、横架材42(41)に予め形成された挿入穴42hに挿入され、該挿入穴42hに直交して連通するピン穴42pに挿入されるピン103によって、横架材42(41)に固定される。
なお、図示の第1の固定部101には、横架材42(41)に梁受け金物110がボルト111で固定される場合に、そのボルト111との干渉を避けるための凹所(切り欠き)104が形成され、第1の固定部101は二又状となっているが、梁受け金物110が設けられない場合には、凹所(切り欠き)104は設ける必要はなく、第1の固定部101は単純な矩形状とすることができる。
第2の固定部102は、柱43に予め形成されたスリット43sに対し相対的にスライド進入およびスライド退避可能である。
第2の固定部82には、該平板に対し直交方向に、柱43に形成されたピン穴43pに挿入されるピン103によって柱43に固定されるピン固定部(穴)102pが設けられている。
このような連結部材100を用いて横架材41,42と柱43とを連結すると、ピン103を抜き取ることによって、柱43が第2の固定部102に沿って矢印X1,X2方向へスライド可能となるので、パネル45を取り外した後、柱43を矢印X1またはX2方向にスライドさせ、さらに矢印Y1またはY2方向に移動させることによって柱43を上下の横架材41,42の間から取り外すことができる。またその後、横架材42(41)からピン103を抜き取ることによって、連結部材100を横架材42(41)から容易に取り外すことができる。
10: 第1の建築部材
11: 第1のスリット
12: ピン穴
13: 挿通口
20: 第2の建築部材
21: スリット(第2のスリット)
22: ピン穴
23: ピン
30: 結合部材
31: 第1の固定部
31h: 係合穴
31p: ピン固定部
32: 第2の固定部
32L: L字形
32L1: 開口
32p: ピン固定部
33: 突出防止手段
33h: 突出防止用ピン固定部
41,42: 上下の横架材
44: 空間
45: パネル
43: 柱
46: 壁材
50: 工具

Claims (13)

  1. 隣り合う第1,第2の建築部材と、これら第1,第2の建築部材を結合する結合部材とを備えた構造であって、前記結合部材は、前記第1の建築部材に固定される第1の固定部と、前記第2の建築部材に固定される第2の固定部とを備え、
    前記第2の固定部は、該第2の固定部が固定されるべき第2の建築部材に予め形成されたスリットに対し第2の建築部材を移動させることなくスライド進入およびスライド退避可能な平板として構成され、かつ、この平板には、該平板に対し直交方向に、前記第2の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって第2の建築部材に固定されるピン固定部が設けられていることを特徴とする建築用結合構造。
  2. 請求項1において、
    前記第2の固定部は、前記第1の固定部を中心とする回動により前記スリットに対してスライド進入およびスライド退避可能であることを特徴とする建築用結合構造。
  3. 請求項1において、
    前記第1,第2の固定部は一体の平板として構成され、
    前記第1の固定部は、前記第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に回動可能に配置され、
    第2の固定部は、第1の固定部を中心とする回動により前記スリットに対してスライド進入およびスライド退避可能であり、
    前記第1の固定部には、前記第1の建築部材に設けられた挿通口に挿通され回動操作される工具と係合する係合穴と、第1の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって第1の建築部材に固定されるピン固定部とが設けられていることを特徴とする建築用結合構造。
  4. 請求項2または3において、
    前記第2の固定部は、前記第1の固定部が配置される第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に収納可能であることを特徴とする建築用結合構造。
  5. 請求項4において、
    前記第1の建築部材と結合部材との間には、第1のスリット内に収納された第2の固定部の第1のスリットからの突出を防止する突出防止手段が設けられることを特徴とする建築用結合構造。
  6. 請求項3において、
    前記第2の固定部は、前記第1の固定部が配置される第1の建築部材に設けられた第1のスリット内に収納可能であり、
    前記第1の固定部は、前記第1のスリット内に収納された第2の固定部の第1のスリットからの突出を防止するための、前記第1の建築部材に形成されたピン穴に挿入されるピンによって固定される、突出防止用ピン固定部を有していることを特徴とする建築用結合構造。
  7. 請求項2〜6のうちいずれか一項において、
    前記第2の固定部は、前記第1の固定部の両側に一対設けられていることを特徴とする建築用結合構造。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項において、
    前記第1、第2の固定部は一体となって回動およびスライドが可能であり、第2の固定部に設けられるピン固定部は、前記ピンの軸線方向から見て、前記第1第2の固定部の回動方向およびスライド方向に伸び、回動方向一端が開口したL字形の穴で構成されることを特徴とする建築用結合構造。
  9. 左右に伸びる上下の横架材と、これら上下の横架材を連結する柱または壁材と、上下の横架材と柱または壁材とで区画される空間に、該空間を塞ぐように設けられるパネルとを備えた建築構造体であって、
    前記パネルと柱または壁材とが、および/または前記パネルと上下の横架材とが、前記請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の建築用結合構造によって結合されていることを特徴とする建築構造体。
  10. 回動中心を構成する、工具との係合部と、この係合部から離間して設けられた、ピンと係脱可能な第1の係合穴と、この第1の係合穴よりもさらに前記係合部から離間して設けられた、ピンと係脱可能な第2の係合穴とを有する平板状の結合部材。
  11. 請求項10において、
    前記第1の係合穴と第2の固定部の突出防止用ピン固定部は、工具との係合部から等距離に設けられており、第1の係合穴と前記係合部とを結ぶ線と、第2の固定部の突出防止用ピン固定部と前記係合部とを結ぶ線とがなす角度が90度となっている結合部材。
  12. 請求項10または11において、
    前記第2の係合穴は、前記工具との係合部の両側に一対設けられていることを特徴とする結合部材。
  13. 請求項10〜12のうちいずれか一項において、
    前記第2の係合穴は、この結合部材の縁部に一端が開口したL字形の穴で構成されているることを特徴とする結合部材。
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