JP2017077717A - テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
積層構造内に気泡の発生を防止することができ、加えて積層構造の剛性を高くすることができるテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング40は、接着剤層3を介して互いに接着されたテキスタイル層2及びグラスファイバ織布4から構成される加飾シート層1と、加飾シート層1のうちテキスタイル層2に接着剤層5−1を介して接着された透明アクリルフィルム層6と、加飾シート層1のうちグラスファイバ織布4に接着剤層5−2を介して接着された他の透明アクリルフィルム層7とを備える。
【選択図】図2
積層構造内に気泡の発生を防止することができ、加えて積層構造の剛性を高くすることができるテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング40は、接着剤層3を介して互いに接着されたテキスタイル層2及びグラスファイバ織布4から構成される加飾シート層1と、加飾シート層1のうちテキスタイル層2に接着剤層5−1を介して接着された透明アクリルフィルム層6と、加飾シート層1のうちグラスファイバ織布4に接着剤層5−2を介して接着された他の透明アクリルフィルム層7とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法に関し、特に、テキスタイルの両面に夫々アクリルシートが積層されたテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法に関する。
電子機器や家電等のハウジング及び自動車内装品のハウジングの技術分野において、そのハウジングは、外面に加飾材が積層された樹脂成形によって作られる場合が多く、近年、樹脂成形ハウジングに施されるさまざまな加飾材が他の製品からの差別化に欠かせない要素となっている。このような状況において、一部の企業では、同一製品でも、樹脂成形ハウジングに多様な加飾材を施すことで顧客が自由に製品の加飾デザインを選択することができるようになっている。
樹脂成形ハウジングの加飾方法としては、テキスタイルと、このテキスタイルの両面の夫々に積層されたアクリルフィルムとを備えるテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングが提案されている。このテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングは、テキスタイルの両面の夫々にアクリルフィルムを高温で熱圧着することにより作成される。
このテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングによれば、テキスタイルを適宜選択することによって顧客が自由に製品の加飾デザインを決定することができ、加えて、ハウジングの剛性及びテキスタイルの表面の耐衝撃性及び擦過性を向上させることができる。
しかしながら、上記提案されたテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングでは、テキスタイルの両面の夫々にアクリルフィルムを熱圧着するが故に発生するテキスタイル繊維間の空気を逃がすことができず、積層構造内に気泡が発生するので、ハウジングの見栄えが悪くなる場合がある。
本発明の目的は、積層構造内に気泡が発生するのを防止することができ、加えて積層構造の剛性を高くすることができるテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングは、接着剤層を介して互いに接着されたテキスタイル層及びグラスファイバ織布から構成される加飾シート層と、前記加飾シート層のうち前記テキスタイル層に接着剤層を介して接着された透明アクリルフィルム層とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法は、接着剤層を介して互いに接着されたテキスタイル層及びグラスファイバ織布から構成される加飾シート層のうち前記テキスタイル層に透明アクリル樹脂層を接着剤層を介して接着することを特徴とする。
請求項1に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングによれば、積層構造内に気泡が発生するのを防止することができ、加えて積層構造の剛性を高くすることができる。
請求項3に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法によれば、積層構造内に気泡が発生するのを防止することができ、加えて積層構造の剛性を高くすることができる。
以下、本発明を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの外観斜視図である。
図1において、テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング40(以下、単に「ハウジング40」という場合もある)は、逆盆構造であり、逆盆構造の底部に1つの突出部41と1つの開口部42を有する。
突出部41の断面は、図1の線II−IIに沿う断面図として図2で示されると共に、開口部42の断面は、図1の線III−IIIに沿う断面図として図3で示される。
ハウジング40は、加飾シート層1を含み、加飾シート層1は、織布、不織布、抄紙等からなるテキスタイル層2と、テキスタイル層2に接着剤層3を介して接着されたグラスファイバ織布4とから構成される。テキスタイル層2は、加飾シート層1の一方の面を構成すると共に、グラスファイバ織布4は、加飾シート層1の他方の面を構成する。
ハウジング40は、さらに、加飾シート層1の一方の面に接着剤層5−1を介して接着された透明アクリルフィルム層6と、加飾シート層1の他方の面に接着剤層5−2を介して接着された透明アクリルフィルム層7とを備える。
テキスタイル層2は、織物、不織布、編物、合成皮革、人工皮革、本皮、抄紙系不織布等を含むテキスタイルからなる。
テキスタイル層2は、さまざまなデザインが容易に得られると共に生地の立体感がそのまま現出される。また、テキスタイルの使用は、ハウジング40のデザイン性の自由度を高めることができるのに加えて、ハウジング40の強度を高める効果を有する。
透明アクリルフィルム層6,7は、エラストマーを含有する厚さ30μm〜3.0mmのアクリルフィルムからなり、加飾シート層1をコーティングする機能とメカニカルダメージに対する耐性(耐衝撃性、防汚性、耐擦過性)を有する。透明アクリルフィルム層6,7は、例えば、住友化学株式会社が製造販売するアクリルフィルム(商品名:テクノロイ)又は、株式会社クラレが製造販売するアクリルフィルム(商品名:クラリティ)が好ましい。これらのアクリルフィルムは耐衝撃性及び耐擦過性が優れている。上記エラストマーは、アクリルフィルム100重量部に対する混練率は、10〜60重量部である。また、アクリルフィルム(商品名:テクノロイ)に含有されるエラストマーは、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴムの群から選択された1つの素材を含む合成ゴムからなり、アクリルフィルム(商品名:クラリティ)は、分子内にゴム成分を含有するPMMA(ポリメチルメタアクリレート)からなる。
接着剤層3は、テキスタイル層2とグラスファイバ織布4とを互いに接着することができ、接着剤層5−1,5−2は、透明アクリルフィルム層6,7と加飾シート層1を互いに接着し易くすることができる素材であって、これらは、ハウジング40の成形時において、軟化により気泡を逃すことができる程度の粘度を有するポリビニルアセタール系樹脂からなる。接着剤層3の厚さは、50〜700μmであり、接着剤層5−1,5−2の厚さは、50〜700μmである。
このポリビニルアセタール系樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂をアルデヒドによりアセタール化したものであり、特に、ブチルアルデヒドによりアセタール化したポリビニルブチラール樹脂であるのが好ましい。
また、接着剤層3,5−1,5−2は、ポリビニルアセタール系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン/アクリル系共重合体系樹脂、プロピレン系樹脂、プロピレン/1−ブテン共重合体系樹脂、プロピレン/イソブテン共重合体系樹脂、スチレン/プロピレン/イソブテン共重合体系樹脂、スチレン/イソプレン共重合体系樹脂、スチレン/イソプレン/イソブテン共重合体系樹脂、スチレン/イソプレン/ブテン共重合体系樹脂の群から選択された樹脂からなってもよい。
上記のように構成されたハウジング40は、各層の接着後、後述する適宜なプレス機により比較的低い加熱温度の下で成形される。
図1のハウジング40によれば、テキスタイル層2とグラスファイバ織布4が接着剤層3を介して接着されるので、接着剤層3の接着剤がテキスタイル層2及びグラスファイバ織布の各繊維間に浸潤するので、当該繊維間の気体を排出することができ、加えて、加飾シート層1とアクリルフィルム層6,7が接着剤層5−1,5−2を介して夫々接着されるので、テキスタイル層2及びグラスファイバ織布の各繊維間に残存する気体を接着剤層5−1,5−2の未固化接着剤を介して外部に排出することができ、もって、ハウジング40内に気泡が発生するのを防止することができる。また、図1のハウジング40によれば、グラスファイバ織布4によってハウジング40の剛性を高めることができる。
図1のハウジング40において、透明アクリルフィルム層6の表面に耐薬品性を有するトップコーティングが被覆されてもよい。
図1のハウジング40は、透明アクリルフィルム層6を表とする逆盆形構造としているが、このハウジング40は、透明アクリルフィルム層7を表とする逆盆形構造としてもよい。
図1のハウジング40は、透明アクリルフィルム層7が接着剤層5−2を介して加飾シート層1に接着されていなくてもよい。
図1のハウジング40において、グラスファイバ織布4は、互いに接着剤で接着された複数のグラスファイバ織布層から構成されてもよい。
図4は、本発明の実施の形態に係るテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法を説明するのに用いられる図である。
まず、図4の工程1において、ポリビニルアセタール系樹脂からなる接着剤層3を介してテキスタイル層2及びグラスファイバ織布層4を互いに100〜130℃で熱圧着して積層体としての加飾シート層1を準備する。この熱圧着時に、接着剤層3の接着剤がテキスタイル層2及びグラスファイバ織布の各繊維間に浸潤するので、当該繊維間の気体を排出することができる。
次いで、工程IIにおいて、加飾シート層1の一方の面(テキスタイル層2)にポリビニルアセタール系樹脂からなる接着剤5−1を介して透明アクリルフィルム層6を、加飾シート層1の他方の面(グラスファイバ織布4)に接着剤5−2を介して透明アクリルフィルム層7を120〜135 ℃で熱圧着して、テキスタイル/アクリルフィルム積層体を準備する。このとき、接着剤層5−1,5−2は、熱圧着時に、軟化により気泡を逃すことができる程度の粘度を有するポリビニルアセタール系樹脂からなる。これにより、熱圧着時にテキスタイル層2及びグラスファイバ織布の各繊維間に残存する気体を接着剤層5−1,5−2の軟化接着剤を介して外部に排出することができ、もって、ハウジング40内に気泡が発生するのを防止することができる。
図5は、本発明の実施の形態に係るテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングをプレス機で成形する方法を説明するのに用いられる図である。
図5の工程IIIにおいて、上述のテキスタイル/アクリルフィルム積層体をアクリルフィルム層7を表にしてプレス機のメス金型10(固定金型)の上に載置する。この積層体は、予め所定の形状に切断されていてもよい。
次いで、工程IVにおいて、工程IIIで載置された積層体をメス金型10の中に押し込むようにプレス機のオス金型11(可動金型)をメス金型10に向かって移動する。このとき、当該積層体をメス金型10及びオス金型11により規定される形状に成形しつつ適宜な温度(100〜135℃)で加熱する。その後、この成形された積層体はプレス機から取り出される。取り出された積層体の周囲をレーザカッタや切断用金型(切断ユニット)で切断してバリ取りを行ってもよい。
図4及び図5のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法によれば、テキスタイル層2とグラスファイバ織布4が接着剤層3を介して接着されると共に、加飾シート層1とアクリルフィルム層6,7が接着剤層5−1,5−2を介して夫々接着されているので、熱圧着工程を経ることなく各層を接着することができるので、ハウジング40内に気泡が発生するのを防止することができ、グラスファイバ織布4によってハウジング40の剛性を高めることができる。
上記テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法は、ハウジング40を、透明アクリルフィルム層6を表とする逆盆形構造としているが、このハウジング40を、基盤樹脂層7を表とする逆盆形構造としてもよい。
図4及び図5のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法において、透明アクリルフィルム層7が接着剤層5−2を介して加飾シート層1に接着されていなくてもよい。
本発明の実施の形態においては、テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング40は、単に一般的なハウジングとして記載されているが、本発明の実施の形態の適用技術分野としては、表面コーティング層を有するインモールド成形による加飾品が対象であり、具体的には、容器やステーショナリを含む雑貨品、携帯電話やノートパソコンを含む電子機器や家電製品等のハウジング、建築物や自動車の内外装品のハウジング、航空機、鉄道車両、船舶の内装ハウジングが挙げられる。
1 加飾シート層
2 テキスタイル層
3 接着剤層
4 グラスファイバ織布層
5−1 接着剤層
5−2 接着剤層
6,7 透明アクリルフィルム層
10 メス金型
11 オス金型
12 射出成形オス金型
40 テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング
41 突出部
42 開口部
2 テキスタイル層
3 接着剤層
4 グラスファイバ織布層
5−1 接着剤層
5−2 接着剤層
6,7 透明アクリルフィルム層
10 メス金型
11 オス金型
12 射出成形オス金型
40 テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング
41 突出部
42 開口部
Claims (8)
- 接着剤層を介して互いに接着されたテキスタイル層及びグラスファイバ織布から構成される加飾シート層と、前記加飾シート層のうち前記テキスタイル層に接着剤層を介して接着された透明アクリルフィルム層とを備えることを特徴とするテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング。
- 前記加飾シート層のうち前記グラスファイバ織布に接着剤層を介して接着された他の透明アクリルフィルム層を備えることを特徴とする請求項1に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング。
- 接着剤層を介して互いに接着されたテキスタイル層及びグラスファイバ織布から構成される加飾シート層を備えることを特徴とするテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング。
- 前記接着剤層は、ポリビニルアセタール樹脂からなる特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング。
- 接着剤層を介して互いに接着されたテキスタイル層及びグラスファイバ織布から構成される加飾シート層のうち前記テキスタイル層に透明アクリル樹脂層を接着剤層を介して接着することを特徴とするテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法。
- 前記テキスタイル層のうち前記グラスファイバ織布に他の透明アクリル樹脂層を接着剤層を介して接着することを特徴とする請求項5に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法。
- テキスタイル層及びグラスファイバ織布を接着剤層を介して互いに接着して加飾シート層を作成することを特徴とするテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法。
- 前記接着剤層は、ポリビニルアセタール樹脂からなる特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のテキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジングの製造方法。
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JP2015217970A JP2017077717A (ja) | 2015-10-20 | 2015-10-20 | テキスタイル/アクリルフィルム積層構造ハウジング及びその製造方法 |
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- 2015-10-20 JP JP2015217970A patent/JP2017077717A/ja active Pending
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