JP2017077250A - 眼内レンズ度数決定装置及びその方法 - Google Patents

眼内レンズ度数決定装置及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検眼の術前の隅角状態に関係なく適切なELPを算出して眼内レンズの度数を決定可能な前眼部断層像撮影装置を提供する。【解決手段】角膜頂点を通る少なくとも1つの角度経線に沿った前眼部の断層像に対して、隅角領域を解析して強膜岬SSの位置を抽出する解析手段と、該解析手段により抽出した2つのSSの位置を結ぶ直線と角膜頂点との距離Dを算出する第1の算出手段と、該第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度ELPを決定する決定手段を備えた。【選択図】図8

Description

本発明は、前眼部断層像を用いて白内障手術によって眼内に挿入される眼内レンズの度数を決定するための装置及びその決定方法に関する。
近年、眼科検査のために用いられる検査装置として、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)により被検者の被検眼(眼球)の断層画像を撮影する光干渉断層撮影装置が供されてきている。
光干渉断層撮影装置においては、タイムドメイン方式と呼ばれる、ミラーを動かして参照光の光路長を機械的に変化させながら断層画像取得を行うタイムドメインOCTと、フーリエドメイン方式と呼ばれる、分光器を用いてスペクトル情報を検出し断層画像取得を行うスペクトルドメインOCT、もしくは、波長走査光源を用いてスペクトル干渉信号を検出し断層画像取得を行う光周波数掃引OCTとがある。
一般にOCTでは、測定光を被検眼に対して一次元走査することで二次元断層画像を取得し(B−スキャン)、さらに、二次元断層画像を、被検眼に対して位置をずらしながら繰り返し取得することで三次元画像を得る(C−スキャン)。
スキャンの方法として、図4(a)に示すようなラスタースキャンと称される方法がある。このラスタースキャンは、水平方向に延びる走査線に沿って一次元走査(B−スキャン)することを、垂直方向にずらせながら繰り返し(C−スキャン)、眼球の三次元画像を撮影するものである。これにより、図4(b)に示すように、各走査線に沿う断層画像を得ることができる。
さらに、別の方法として、図5(a)に示すようなラジアルスキャンと称される方法もある。このラジアルスキャンは、放射方向に延びる走査線に沿って一次元走査(B−スキャン)することを、円周方向にずらせながら繰り返す(C−スキャン)ものである。これにより、図5(b)に示すように、各走査線に沿う断層画像を得ることができる。
白内障手術において、挿入する眼内レンズ(IOL)の度数を決定するために、被検眼の角膜曲率(ケラト値)や眼軸長など眼特性データを取得し、取得した眼特性データを基に、経験もしくは論理によって作成されたIOL計算式に従って、IOLの度数を算出する。IOL計算式は、SRK式、SRK/T式、等が周知である。
近年、OCTの技術を採用した前眼部断層像撮影装置がIOLの度数を決定する際に用いられている。例えば、取得した前眼部断層画像を用いて、より精度の高いIOL度数を決定する方法が特許文献1などに開示されている。
すなわち、前眼部断層画像に基づいて水晶体前面からチン小帯と水晶体の接点までの距離をオフセット距離として、眼の前房深度(角膜上皮頂点から水晶体前面までの距離)にオフセット距離を加えて予測術後前房深度(ELP)として算出し、該予測術後前房深度を用いて眼内レンズの度数計算を実施する。
眼内レンズ(IOL)支持部の位置がチン小帯と水晶体が接する接点の位置と同様となることから、水晶体前面からチン小帯と水晶体の接点までの距離をオフセット値として用いることにより、精度の高いELPが算出可能となり、これにより、精度の高いIOL度数の決定をすることができるとしている。
特開2013−94410号公報
患者眼の隅角領域が正常か或いは開放隅角の場合は特許文献1に開示された方法は有効と考えられる。しかしながら、患者眼が(閉塞隅角などにより)狭隅角の場合、(隅角が正常か或いは開放隅角の場合より)水晶体は前方にあるため、(隅角が正常か或いは開放隅角の場合より)眼の前房深度の値が小さくなる。しかしながら、このような狭隅角の眼に対してIOLを処方すると、狭隅角は解消されて、正常状態になることが術後の所見として知られている。
すなわち、術前の前房深度を用いて予測術後前房深度を算出する特許文献1の方法を用いた場合、患者眼の隅角の状態によっては、算出した予測術後前房深度(ELP)に大きな誤差を含む危険を孕むという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、得られた前眼部断面画像(B−スキャン画像)に対し、画像解析などの処理により、強膜岬(SS)の位置を抽出し、抽出したSSの位置に基づいてELPを算出することにより、被検眼の術前の隅角状態に関係なくELPを算出して眼内レンズの度数を決定する方法を開示することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置は、角膜頂点を通る少なくとも1つの角度経線に沿った前眼部の断層像(B-スキャン像)を取得可能な前眼部断層像撮影装置であって、取得したB-スキャン像に対して、隅角領域を解析して強膜岬(SS)の位置を抽出する解析手段と、該解析手段により抽出した2つのSS(角膜頂点を通る光軸(視軸)に対して互いに対称の位置関係にある2つのSS)の位置を結ぶ直線と角膜頂点との距離Dを算出する第1の算出手段と、該第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
患者眼が正常眼であっても、狭隅角であっても、また、IOLの術前/術後でも、強膜岬(SS)の位置は変化せず一定である。そして、SSの深さ方向の位置は、水晶体前面頂点位置に近いことが、多くの所見から知られている。請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置は角膜頂点を通る前眼部断層像からSSの位置を抽出し、抽出した互いに対称の位置関係にある2つのSSを結ぶ直線と角膜(上皮)頂点と距離を算出して、その距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を算出するため、算出したELPは患者眼の隅角の状態(正常隅角/狭隅角)に依存しない。そのため、特許文献1に開示された前房深度を用いて算出したELPと比べ、大きな誤差を含む危険がなく、精度の高いELPが、患者眼の隅角の状態に関係なく、正しく算出できるのである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の前眼部断層像撮影装置は、請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置であって、前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記解析手段により水晶体の中心厚み(前面中心と後面中心の差)と水晶体前面/後面の曲率を取得し、取得した水晶体の中心厚み及び水晶体前面/後面の曲率に基づいて水晶体の赤道位置を推定し、推定した赤道位置と水晶体前面の頂点位置との距離Eを算出(第2の算出手段)し、算出した距離Eと前記第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする。
施術後のIOLの位置は術前の水晶体の赤道位置からやや下方位置に安定配置される。前眼部断層像から術前の水晶体の厚みや水晶体の前面曲率及び後面曲率を求め、前面曲率の値と後面曲率の値から按分などを用いて水晶体の赤道位置が推定できる。推定した水晶体の赤道位置と第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を算出することにより、より精度の高い予測術後前房深度(ELP)を求めることができる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の前眼部断層像撮影装置は、請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置であって、前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記解析手段により水晶体核の形状を抽出し、抽出した水晶体核の形状から水晶体の赤道位置を推定し、推定した赤道位置と水晶体前面の頂点位置との距離E’を算出(第3の算出手段)し、算出した距離E’と前記第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする。
赤道位置は、上記の方法以外でも推定可能である。例えば、前眼部断層像から術前の水晶体核の形状を抽出し、抽出した水晶体核の形状から水晶体の赤道位置を推定して、上記同様に予測術後前房深度(ELP)を求めることができる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の前眼部断層像撮影装置は、請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置であって、前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記第1の算出手段で算出した距離Dと、前記第2の算出手段で算出した距離E及び前記第3の算出手段で算出した距離E’に基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする。
水晶体の状態によっては、第2の算出手段で算出した距離Eと第3の算出手段で算出した距離E’に大きな差異が生じる場合がある。その場合、水晶体の状態から適切と判断した方を採用してもいいし、また、距離Eと距離E’を単純平均してその値を採用してもよい。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の前眼部断層像撮影装置は、請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置であって、前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記第1の算出手段で算出した距離Dと前記第2の算出手段で算出した距離E及び/又前記第3の算出手段で算出した距離E’と、挿入する眼内レンズ毎に設定する所定のオフセット値に基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする。
IOLのレンズメーカーから提供されるレンズ定数から術後のIOLの安定配置位置を推定し、IOL毎に所定のオフセット値を設定し、そのオフセット値を採用して予測術後前房深度(ELP)を決定してもよい。この場合、より高い精度の予測術後前房深度(ELP)を求めることが可能である。
上述のように、本発明によれば、被検眼の術前の隅角状態に関係なく適切なELPを算出可能であることから、より精度の高いIOL度数の決定をすることができるのである。
本発明の一実施例を示すもので、前眼部断面画像撮影装置の一つである前眼部光干渉断層撮影装置の光学系の構成を示す図 前眼部光干渉断層撮影装置の電気的構成を概略的に示すブロック図 制御装置が実行する断層画像の撮影の処理手順を示すフローチャート OCTにおけるラスタースキャン方式を説明するための図 OCTにおけるラジアルスキャン方式を説明するための図 白内障の手術の術前/術後の前眼部の各部位の状態を説明するための図 本発明に係る予測術後前房深度(ELP)の算出方法の手順を示すフローチャート 本発明に係る予測術後前房深度(ELP)の算出方法の一実施例の具体例を説明した図 水晶体前面曲率半径R1、水晶体後面曲率半径R2及び水晶体厚みTから赤道位置を算出する一実施例を説明する図 前眼部の概略的な構成を示す図である。 図10の長方形領域Aに存在する前眼部の隅角領域の構成を示す図である。
以下、本発明の一実施例について、図1から図3を参照しながら説明する。尚、本実施例では、前眼部断面画像撮影装置の一つである前眼部光干渉断層撮影装置を用いているが、本発明は、前眼部光干渉断層撮影装置に限ったものではなく、他に超音波を用いた超音波画像診断装置等、前眼部の断面画像を撮影可能な装置であれば採用可能である。
図2は、本実施例に係る前眼部光干渉断層撮影装置1の電気的構成を概略的に示している。尚、この前眼部光干渉断層撮影装置1は、隅角計測、角膜曲率、角膜厚分布、前房深度の測定等の、被検者の眼球(被検眼E)の前眼部Ec(図1参照)の眼科検査や角膜から虹彩、水晶体を含む前眼部の断層画像をモニタなどに表示して眼科診断のために用いられる装置であり、光干渉断層法(Optical Coherence Tomography:OCT)により被検眼Eの前眼部Ecの断層画像を撮影するものである。
ここで、図示はしないが、前眼部光干渉断層撮影装置1の装置本体は、保持台に対して、X方向(左右方向)及びY方向(上下方向)並びにZ方向(前後方向)に移動可能に支持されている。装置本体の前面側(被検者側)には、顎受け部及び額当て部が、前記保持台に対して固定的に設けられている。被検者が、前記顎受け部に顎を載せると共に額当て部に額を当てることにより、被検者の眼(被検眼E)が、装置本体の前面に設けられた撮影用の(光の出入りが行われる)検査窓の正面に配置されるようになっている。
このとき、図2に示すように、この前眼部光干渉断層撮影装置1には、前記装置本体を前記保持台に対して、X方向、Y方向、Z方向に夫々自在に移動させるための本体駆動部2が設けられている。詳しい説明は省略するが、この本体駆動部2は、X方向移動モータ、Y方向移動モータ、Z方向移動モータなどを備えた周知構成を備えており、制御装置3により制御されるようになっている。後述するように、この本体駆動部2及び制御装置3は、アライメント光学系4等と共にアライメント手段及びオートアイトラッキング手段を構成するようになっている。
前記装置本体には、図2に示すように、CPU、メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成され全体の制御を行う制御装置3、前眼部Ecの断層画像を取得する断層画像取得手段としてのOCTシステム5、被検眼Eの正面画像を撮影する撮像手段を構成する前眼部撮像系6、アライメント光学系4が設けられている。このアライメント光学系4は、上記のようにアライメント手段及びオートアイトラッキング手段を構成すると共に、角膜頂点位置検出手段を構成する。これらOCTシステム5、前眼部撮像系6、アライメント光学系4の詳細については後述する。
さらに、装置本体には、後面(検者)側に位置して、被検眼正面画像等を表示する表示装置としてのモニタ7や、検者(オペレータ)が各種操作を行うためのキー操作部8が設けられている。図示はしないが、前記キー操作部8には、測定開始スイッチ等が含まれている。また本実施例では、前記モニタ7の画面上には、種々の操作手段として機能するタッチパネル9が設けられている。尚、前記制御装置3には、撮影した三次元画像の画像データ等を記憶する記憶部10が接続されている。
図1は、上記した光学系、即ち、OCTシステム5、前眼部撮像系6、アライメント光学系4の構成を示している。以下、これらについて順に述べる。前記OCTシステム5は、光干渉断層法により前眼部Ecの断層画像(断面画像)を得るものである。本実施例では時間的に波長を変化させて走査する波長走査光源11を用いたフーリエドメイン(光周波数掃引)方式が採用されている。
即ち、波長走査光源11から出力された光は、光ファイバ12aを通して第1のファイバーカプラ13に入力され、この第1のファイバーカプラ13において、例えば1:99の比率で、参照光と測定光とに分波されて出力される。そのうち参照光は、光ファイバ12bを通って第1のサーキュレータ14の入力部に入力され、更にこの第1のサーキュレータ14の入出力部から光ファイバ12cを通ってその端部から出力され、複数個のコリメータレンズ15を通って参照ミラー16に入射される。
そして、参照ミラー16にて反射された参照光が、再び、複数個のコリメータレンズ15を通って光ファイバ12cの端部から入力され、光ファイバ12cを通って第1のサーキュレータ14の入出力部から入力される。そして、第1のサーキュレータ14の出力部から出力された参照光は、光ファイバ12dを通って第2のファイバーカプラ17の第1の入力部に入力される。
一方、前記第1のファイバーカプラ13から出力された測定光は、光ファイバ12eを通って第2のサーキュレータ18の入力部に入力され、さらにこの第2のサーキュレータ18の入出力部から光ファイバ12fを通ってその端部から出力される。光ファイバ12fの端部から出力された測定光は、コリメータレンズ19を通ってガルバノスキャナ20に入力される。ガルバノスキャナ20は、測定光を走査させるためのもので、ガルバノドライバ21により駆動されるようになっている。
前記ガルバノスキャナ20から出力された測定光は、波長が長い側の光を反射させ短い側の光を透過させるホットミラー22により90度の角度で反射され、対物レンズ23を通して前記検査窓から出射され、被検眼Eに入射される。被検眼Eに入射された測定光は、前眼部Ecの各組織部分(角膜、前房、虹彩、水晶体等)にて反射し、その反射光が、検査窓から入射され、上記と逆に、対物レンズ23、ホットミラー22、ガルバノスキャナ20、コリメータレンズ19を順に通って、光ファイバ12fの端部から入力される。
そして、その反射光は、光ファイバ12fを通って前記第2のサーキュレータ18の入出力部から入力され、第2のサーキュレータ18の出力部から出力され、光ファイバ12gを通って前記第2のファイバーカプラ17の第2の入力部に入力される。
この第2のファイバーカプラ17において、前眼部Ecからの反射光と、前記光ファイバ12dを通って入力された参照光とが、例えば50:50の比率で合波され、その信号が光ファイバ12h、12iを介して検出器24に入力される。検出器24においては、波長毎の干渉が計測され、計測された干渉信号が、前記制御装置3に設けられたADボード25に入力される。さらに、制御装置3に設けられた演算部26において、干渉信号に対するフーリエ変換などの処理が行われ、もって走査線に沿う前眼部Ecの断層画像が取得されるのである。
このとき、詳しくは後述するように、前記ガルバノスキャナ20による測定光のスキャンパターン言い換えると走査線(B−スキャン)の方向は、制御装置3において設定されるようになっている。そして、制御装置3(演算部26)からの指令信号に基づいてガルバノドライバ21がガルバノスキャナ20を制御するようになっている。尚、得られた前眼部Ecの断層画像のデータは、必要な屈折補正が行われた後、前記記憶部10に記憶される。また、図1に模式的に示しているように、その断層画像Tを前記モニタ7に表示させることができる。
次に、前記前眼部撮像系6は、照明光源27,27、前記対物レンズ23、前記ホットミラー22、コールドミラー28、結像レンズ29、CCDカメラ30、光学制御部31を備えて構成される。照明光源27,27は、被検眼Eの正面に可視光領域の照明光を照射するようになっており、被検眼Eからの反射光が、前記検査窓から前記対物レンズ23、ホットミラー22、コールドミラー28、結像レンズ29を通って、CCDカメラ30に入力される。これにて、被検眼Eの正面画像Fが撮影され、撮影された画像データは、光学制御部31によって画像処理が行われて、前記モニタ7に表示されるようになる。
そして、前記アライメント光学系4は、より詳細には、被検者が固視灯を見つめることにより眼球(被検眼E)を極力動かさないようにさせるための固視灯光学系、被検眼E(角膜頂点)のXY方向の位置(本体に対する上下左右の位置ずれ)を検出するためのXY方向位置検出系、被検眼E(角膜頂点)の前後方向(Z方向)の位置を検出するためのZ方向位置検出系を含んで構成されている。
そのうち固視灯光学系は、固視灯32、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、前記コールドミラー28、前記ホットミラー22、前記対物レンズ23などから構成されている。これにて、固視灯32から出力された光(例えば緑色の光)は、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、コールドミラー28、ホットミラー22、レンズ23を順に介して、検査窓から被検眼Eに向けて出力されるようになっている。
前記XY方向位置検出系は、XY位置検出光源36、前記コールドミラー33、前記リレーレンズ34、前記ハーフミラー35、前記コールドミラー28、前記ホットミラー22、前記対物レンズ23、結像レンズ37、位置センサ38などを備えて構成されている。前記XY位置検出光源36からは、位置検出用のアライメント光が出力され、コールドミラー33、リレーレンズ34、ハーフミラー35、コールドミラー28、ホットミラー22、対物レンズ23を介して、検査窓から被検眼Eの前眼部Ec(角膜)に向けて出射される。
このとき、被検眼Eの角膜表面が球面状をなすことにより、アライメント光は、被検眼Eの角膜頂点の内側で輝点像を形成するようにして角膜表面で反射され、その反射光が、検査窓から入射されるようになっている。角膜頂点からの反射光(輝点)は、対物レンズ23、ホットミラー22、コールドミラー28、ハーフミラー35、結像レンズ37を介して位置センサ38に入力される。位置センサ38によってその輝点の位置が検出されることにより、角膜頂点の位置(X方向及びY方向の位置)が検出されるようになっている。尚、前記輝点は、CCDカメラ30の撮影画像(モニタ7の表示画像)にも写り込むものとなる。
前記位置センサ38の検出信号は、前記光学制御部31ひいては制御装置3に入力される。この場合、位置センサ38と前記前眼部撮像系6(CCDカメラ30やモニタ7)との間でのアライメントが取られていると共に、角膜頂点の所定(正規)の画像取得位置(断層画像取得時に追従させるべき位置)が設定されている。角膜頂点の正規の画像取得位置としては、例えば、CCDカメラ30の撮影画像の中心位置(前記モニタ7の画面中心位置)と一致する点とされている。前記制御装置3は、位置センサ38の検出に基づいて、正規の位置に対する、検出された角膜頂点(輝点)のX方向及びY方向の位置ずれ量(この場合モニタ7の画面中心からの位置ずれ量)を求めるようになっている。
前記Z方向位置検出系は、Z方向位置検出光源39、結像レンズ40、ラインセンサ41を備えて構成されている。Z方向位置検出光源39は、被検眼Eに対して斜め方向から検出用の光(スリット光又はスポット光)を照射し、角膜からの斜め方向の反射光が、結像レンズ40を介してラインセンサ41に入射されるようになっている。このとき、装置本体に対する被検眼Eの前後方向(Z方向)の位置によって、ラインセンサ41に入射される反射光の入射位置が異なるようになるので、被検眼Eの装置本体に対するZ方向の位置(距離)が検出されるのである。
ラインセンサ41の検出信号は、前記制御装置3に入力されるようになっている。このとき、制御装置3には、被検眼E(角膜)の装置本体に対する適切なZ方向位置(距離)が予め設定されており、ラインセンサ41の検出に基づいて、被検眼Eの適切な位置に対するZ方向のずれ量を求めることができるのである。
そして、制御装置3は、前記XY方向位置検出系により検出された角膜頂点(輝点)のX方向及びY方向の位置ずれ量、並びに、前記Z方向位置検出系により検出された被検眼EのZ方向の位置ずれ量に基づいて、それらの位置ずれ量を全て0にするように、本体駆動部2を制御し、装置本体を保持台に対して移動させる。このとき、制御装置3は、断層画像取得を開始するにあたって、角膜頂点の位置を所定の画像取得位置に一致させるように前記装置本体を前記保持台に対して移動させるようになっていると共に、断層画像の取得処理中にも、角膜頂点と装置本体との位置関係を一定に保つように、該装置本体を追従移動させるようになっている。これにより、アライメント手段及びオートアイトラッキング手段が構成されているのである。
次に、上記構成の前眼部光干渉断層撮影装置1の作用について、図3を参照して述べる。図3のフローチャートは、被検眼Eの前眼部Ecの断層画像を撮影する際に制御装置3が実行する処理手順を示している。
ここで、被検者が顎受け部に顎を載せると共に額当て部に額を当て、被検眼Eを装置本体の検査窓の正面に配置させた状態で、前眼部Ecの断層画像の取得の処理が開始(前眼部断層撮影プログラムが起動)されると、まず、ステップS1にて、前眼部撮像系6(CCDカメラ30)により撮影された被検眼Eの現在の正面画像が、モニタ7に表示されると共に、その画面中心を水平方向に延びる走査線に沿ってスキャンした前眼部Ecの現在の断層画像が併せてモニタ7に表示される(図2参照)。但し、この時点では、それら正面画像及び断層画像のデータがメモリに取込まれることはない。
この後、検者が測定開始スイッチをオン操作すると(ステップS2)、ステップS3にて、アライメント光学系4等によるX,Y,Z方向のアライメントが開始され、角膜頂点認識用の輝点が正規の位置と一致したところで(ステップS4にてYES)、アライメントが完了する。続いて、ステップS5に移行し、OCTシステム5により、前眼部Ecの断層画像の取得処理が実行される。この断層画像の取得処理中は、オートアイトラッキングが機能し、角膜頂点認識用の輝点が常に正規の位置(CCDカメラ30の撮影画像の中心位置)に来るように、アライメント光学系4等により装置本体を追従移動させる。
ステップS5における断層画像の取得処理は、本実施例では、図5に示すラジアルスキャンの方式により、前眼部Ecの断層画像が全領域に亘って取得される。つまり、B−スキャン方向を放射方向とし、C−スキャン方向を円周方向として断層画像の取込みを行うようになっている。このとき、被検眼Eのずれ動きがあっても、オートアイトラッキングにより装置本体と被検眼との位置関係が一定に保たれることによって、走査線が角膜頂点を通る直線上からずれることを未然に防止することができることは勿論である。ステップS6では、取得(撮影)された断層画像のデータが、メモリに取込まれる。
次のステップS7では、上記各断層画像のデータの屈折補正処理が行われる。この処理は、ほぼ球面状をなす角膜(角膜表面及び前房との境界面)において、測定光が屈折するため、得られたそのままの断層画像には歪みが生じており、その角膜屈折に対する画像データの補正を行うものである。補正処理が行われた画像データは、記憶部10に記憶される。
ここで、図6は、白内障の手術(眼内レンズの挿入)の術前/術後の前眼部の各部位の状態を説明するための図である。(a)及び(b)は術前の、(c)は術後の前眼部の断層像を模式的に示したものである。
図6(a)は、隅角(角膜80の後面と虹彩82の前面が交わる領域)が正常又は、緑内障であっても開放隅角の場合の術前の前眼部の断層像を示したものである。特許文献1では、前眼部断層画像から角膜の厚みCCT及び前房深度(角膜80の後面から水晶体84の前面までの距離)ACD1に水晶体84の前面からチン小帯と水晶体84の接点までの距離Xを加えて、予測術後前房深度ELP1を算出する方法が開示されている。
しかしながら、被検眼の隅角は図6(a)のように、正常又は開放隅角とは限るものではなく、図6(b)のように狭隅角の被検眼も存在する。図6(b)のような狭隅角の被検眼では水晶体84の位置は前方に配置されるため、取得される前房深度ACD2は、図6(a)の正常隅角眼に比べて小さくなる。従って、算出される予測術後前房深度ELP2も小さな値となる。
ところが、図6(b)のような狭隅角の被検眼であっても、白内障の手術(眼内レンズの挿入)の術後は狭隅角の状態は解消されて、図6(c)のように正常状態になることが術後の所見として知られている。
すなわち、特許文献1に従う方法は、正常隅角或いは開放隅角の場合は、取得した予測術後前房深度ELP1が図6(c)に示す術後の角膜の前面から眼内レンズ86の位置までの距離ELP3にほぼ等しくなるため有効であるが、図6(b)のような狭隅角の被検眼では、算出された予測術後前房深度ELP2は、図6(c)に示すELP3に比べ有意的に小さくなることから、算出した予測術後前房深度(ELP)に大きな誤差を含む危険がある。
本発明は、以下に説明するように、予測術後前房深度(ELP)を算出する際に前房深度ACDの代わりに、前眼部光干渉断層撮影装置1で取得した前眼部断層画像を解析して得られた被検眼の強膜岬(SS)の位置を用いて予測術後前房深度(ELP)を算出する。被検眼の強膜岬(SS)の位置は隅角の状態に関わらず一定であるため、本発明に係る方法で算出した予測術後前房深度(ELP)は隅角の状態に影響されず、どのような被検眼であっても、精度の高い予測術後前房深度(ELP)を算出できるのである。
図7は、本発明に係る予測術後前房深度(ELP)の算出方法の一実施例についてその算出手順を示すフローである。
ステップS10では、記憶部10に記憶された複数のBスキャン画像(角膜頂点を含む前眼部断層画像)から任意の1つを抽出する。抽出する方法は、例えば被検眼に対して水平方向(0°方向)を選択的に抽出する方法を採用してもよいし、取得した複数のBスキャン画像の各Bスキャン画像を単純な画像処理を実施してコントラスト値を算出し、所定のコントラスト値以上のBスキャン画像から抽出する方法を採用してもよい。適宜、最適な方法を採用して抽出すればよいのである。
ステップS11では、抽出したBスキャン画像の左右位置の角膜隅角の領域を解析して左右、両位置の強膜岬(SS)の位置を検出する。図10は、正常な被検眼の前眼部の概略的な構成を示した図である。そして、図11は、図10の長方形領域Aに存在する前眼部の隅角領域の構成を示す図であり、角膜80、強膜81、虹彩82、毛様態83、水晶体84、強膜岬SS、線維柱帯TM、シュワルベ線SLの位置関係を説明する図である。図11のように強膜岬SSは被検眼の隅角領域の奥にあり隅角が正常な被検眼では、その深さ位置は水晶体84の前面頂点位置に近いことがわかる。本発明では、通常測定される前房深度ACD(角膜後面から水晶体前面頂点までの距離)を算出するが、ACDの算出は必ずしも必要ではない。そして、強膜岬(SS)の位置を特定し、特定したSSの位置と水晶体前面頂点位置の距離を算出する。尚、前眼部のBスキャン画像から強膜岬SSの位置を特定する方法は、特開2015−66083や特開2015−66084等に記載されていることから、ここでは詳述を避ける。
ステップS12では、検出した左右のSSを直線(SS−ライン)で結ぶ。そして、ステップS13ではSS−ラインの中点から視軸と平行に角膜後面に向けて直線を引き、ステップS14で、その直線と角膜後面の交点の位置からSS−ラインから角膜後面までの距離SPDを算出する。上述のように、ここで前房深度ACD(角膜後面から水晶体前面頂点までの距離)も算出してもよい。ステップS14で算出したSPDと共にACDを算出することにより、SPDとACDの値が比較可能になる。例えば、SPDとACDの値を比較することにより、被検眼の隅角の状態(正常隅角か狭隅角か)が推定できる。さらに、SPDの値がACDの値に比べ、所定の範囲を超えて小さい場合は算出したSPDの値が不正確である可能性があるため、再度ステップS11に戻って強膜岬(SS)の位置を再検出することも可能である。本発明に係る方法ではACDの値の算出は必ずしも必要ではないが、上述の理由で、ACDの値も算出し記憶部10に記憶する。
ステップS15では、前眼部のBスキャン画像を解析して、角膜厚みCCT、水晶体前面曲率R1、水晶体後面曲率R2及び水晶体厚みTを取得する。
ステップS16では、ステップS15で取得したR1、R2及びTから水晶体84の赤道位置を推定し、水晶体前面から水晶体赤道位置までの距離aを算出する。
図9は、水晶体前面曲率R1、水晶体後面曲率R2及び水晶体厚みTから水晶体前面から水晶体赤道位置までの距離aを算出する方法の一実施例を説明する図である。図9に示すようにR1を半径とする円とR2を半径とする円が水晶体厚みTで重なり、2つの円の交点を結ぶ線が水晶体の赤道位置であると仮定することにより、水晶体前面から水晶体赤道位置までの距離aを算出することができる。
ステップS17では、ステップS14からステップS16で得られたSPD、CCT及びaから術後予測前房深度(ELP)を算出する。
周知なIOL計算式であるSRK式、SRK/T式に、本発明に係る、ステップS17で算出された術後予測前房深度(ELP)を採用することにより、精度の高いIOL度数の決定をすることができるのである。
図8は、上述した本発明に係る予測術後前房深度(ELP)の算出方法の一実施例の具体例を説明した図である。(a)及び(b)は術前の、(c)は術後の前眼部の断層像を模式的に示したものである。
図8(a)は正常隅角眼の場合を示す。正常隅角眼の場合の予測術後前房深度ELP1は、ELP1=CCT1+SPD1+a1(+α)として算出できる。ここで、αは同時に算出した前房深度ACD1とSPD1の差である。αは必ずしも必要ではないが、ACD1とSPD1に大きく隔たりがある場合は適宜加算してもよい。
図8(b)は狭隅角眼の場合を示す。狭隅角眼の場合の予測術後前房深度ELP2は、ELP2=CCT2+SPD2+a2として算出できる。ここで、CCT2、SPD2及びa2は、(a)の正常隅角眼の、CCT1、SPD1及びa1の値とそれぞれほぼ等しいことから、算出されたELP2は(a)の正常隅角眼のELPP1とほぼ等しい値になる。つまり、被検眼(患者眼)の隅角の状態から生じる誤差を排除して、予測術後前房深度(ELP)が算出できることから、被検眼(患者眼)の隅角の状態に関係なく、精度の高いIOLの度数が決定できるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。
例えば、上記実施例では、ステップ11で前眼部のBスキャン画像を解析して強膜岬(SS)の位置を特定したが、強膜岬(SS)の位置は前眼部のBスキャン画像からも視認可能である。そのため、検者がモニタに表示された前眼部の隅角領域の画像に対してタッチパネル9などで強膜岬(SS)の位置を指定し、指定した位置を記憶部10に記憶し、その値を採用してもよい。
また、上記実施例では、被検眼(患者眼)の水晶体84の前面曲率R1、後面曲率R2及び水晶体厚みTから水晶体84の赤道位置を算出したが、水晶体84の赤道位置の算出方法はこれに限定するものではない。例えば、取得した前眼部断層像(Bスキャン像)において水晶体84の画像の一部に欠損があったり、形状が不明瞭な場合、前面曲率R1、後面曲率R2及び水晶体厚みTが正確に求めることができない場合がある。このような場合、Bスキャン像の水晶体84の水晶体核を用いて水晶体の赤道位置を推定することも可能である。例えば、取得したBスキャン画像の水晶体内の水晶体核を自動的又は手動的(タッチペンなど)に(モニタに表示された)トレースし、トレースした水晶体核の形状から水晶体84の赤道位置を推定してもよい。
また、図6(c)や図8(c)からわかるように、挿入した眼内レンズ(IOL)86は術前((a)や(b))の水晶体84の赤道位置よりやや下方に安定して設置される。赤道位置からIOL86までの距離をβとすると、βは挿入する(施術する)IOLのメーカーから提供されるレンズ定数から、経験的又は論理的に得ることができる。そして、予測術後前房深度(ELP)が算出する際に、IOL毎に決定されたβを所定のオフセット値と採用してもよい。このようなオフセット値を採用することにより、さらに精度の高い予測術後前房深度(ELP)が算出できるのである。
また、予測術後前房深度(ELP)を算出する際に採用される前眼部のBスキャン像は2つ以上の複数のBスキャン像からそれぞれ算出し、その平均値を求めて、予測術後前房深度(ELP)としてもよい。この場合の複数のBスキャン像は、1回の測定で取得した走査位置の異なる複数のBスキャン像でもよいし、複数回測定して、同じ走査位置の複数のBスキャン像でもよい。複数のBスキャン像を用いることにより、より精度の高い予測術後前房深度(ELP)が算出できる。
また、上記実施例では、図5に示すように(各スキャンが角膜頂点を通る)ラジアルスキャンにより、前眼部の3次元画像を取得している。すなわち、各Bスキャン画像に対してSSの位置を特定することにより、3次元的にSSの位置の分布が計測可能である。そして、計測して得られたSSの位置(点)から形成される平面と角膜頂点の距離から、上述の実施例におけるSPDを算出してもよい。このような方法で算出されたSPDを採用することにより、予測術後前房深度(ELP)の精度を上げることが可能である。
1・・前眼部光干渉断層撮影装置2・・波長走査光源3・・制御装置(走査線設定手段)4・・アライメント光学系(角膜頂点位置検出手段,アライメント手段,オートアイトラッキング手段)5・・OCTシステム(断層画像取得手段)6・・前眼部撮像系(撮像手段)7・・モニタ(表示装置)9・・タッチパネル(指定手段)E・・被検眼Ec・・前眼部

Claims (5)

  1. 角膜頂点を通る少なくとも1つの角度経線に沿った前眼部の断層像(B-スキャン像)を取得可能な前眼部断層像撮影装置であって、
    取得したB-スキャン像に対して、隅角領域を解析して強膜岬(SS)の位置を抽出する解析手段と、
    該解析手段により抽出した2つのSS(角膜頂点を通る光軸(視軸)に対して互いに対称の位置関係にある2つのSS)の位置を結ぶ直線と角膜頂点との距離Dを算出する第1の算出手段と、
    該第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段と、
    を備えたことを特徴とする前眼部断層像撮影装置。
  2. 前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記解析手段により水晶体の中心厚み(前面中心と後面中心の差)と水晶体前面/後面の曲率を取得し、取得した水晶体の中心厚み及び水晶体前面/後面の曲率に基づいて水晶体の赤道位置を推定し、推定した赤道位置と水晶体前面の頂点位置との距離Eを算出(第2の算出手段)し、算出した距離Eと前記第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置。
  3. 前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記解析手段により水晶体核の形状を抽出し、抽出した水晶体核の形状から水晶体の赤道位置を推定し、推定した赤道位置と水晶体前面の頂点位置との距離E’を算出(第3の算出手段)し、算出した距離E’と前記第1の算出手段で算出した距離Dに基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置。
  4. 前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記第1の算出手段で算出した距離Dと、前記第2の算出手段で算出した距離E及び前記第3の算出手段で算出した距離E’に基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置。
  5. 前記予測術後前房深度(ELP)を決定する決定手段は、前記第1の算出手段で算出した距離Dと前記第2の算出手段で算出した距離E及び/又前記第3の算出手段で算出した距離E’と、挿入する眼内レンズ毎に設定する所定のオフセット値に基づいて予測術後前房深度(ELP)を決定することを特徴とする請求項1に記載の前眼部断層像撮影装置。
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