以下、図面を参照しつつ本発明の典型的な実施形態を説明する。まず、図1を参照して、本実施形態における眼科測定装置1の概略構成について説明する。
図1に示す眼科測定装置1は、被検眼Eの角膜後面に関する測定を行う。図1に示すように、眼科測定装置1は、ケラト投影光学系10と、撮像光学系(受光光学系)20と、制御部100と、を主に有する。また、本実施形態の眼科測定装置1は、アライメント投影光学系30と、第2測定光学系40と、固視標投影光学系50と、を有する。なお、これらの光学系は、図示無き筐体に内蔵されている。また、筐体は、周知のアライメント移動機構の駆動によって、被検者眼に対して3次元的に移動される。筐体の移動は、例えば、操作部材(例えば、ジョイスティック)を介した検者の指示に基づいて行われてもよい。
ケラト投影光学系10は、被検眼Eの角膜にパターン指標(測定指標)を投影(投光)する。本実施形態において、ケラト投影光学系10からの指標は、角膜の後面(裏面)に関する測定に用いられる。例えば、角膜後面の形状、曲率半径、屈折力等が、角膜後面に関して測定されてもよい。また、例えば、角膜厚、乱視軸角度等についても、角膜後面に関して測定されてもよい。後述するように、パターン指標は、角膜の前面(表面)に関する測定(例えば、角膜前面の形状、曲率半径、および屈折力、並びに、角膜厚、および乱視軸角度等の測定)に用いられてもよい。
ケラト投影光学系10は、光源11を有する。投影光学系10は、例えば、眼Eの角膜にリング状の指標を投影してもよい。本実施形態において、光源11は、第1リング光源11aと、第2リング光源11bと、を含む。なお、第1リング光源11a、第2リング光源11bは、例えば、リング状の光源を用いてもよいし、リング状に並べられた複数のLEDと、LEDの前に配置されるリング状のパターン開口とを組み合わせた構成であってもよい。各リング光源11a,11bは、いずれも、測定光軸L1を中心とするリング形状に形成されている。本実施形態では、2つのリング光源11a,11bから、互いの大きさが異なるリング状の指標が投影される。
図2に示すように、第1リング光源11aから投光される指標の光束のうち、角膜前面で反射(および散乱)された光によって、リング状の第1プルキンエ像Ra1が形成され得る。また、第1リング光源11aから投光される指標のうち、角膜後面で反射(および散乱)された光によって、リング状の第2プルキンエ像Rp1が形成され得る。一般に、第2プルキンエ像は、第1プルキンエ像に対し、低い輝度となる。本実施形態において、第2プルキンエ像Rp1は、角膜Ecのカーブによって第1プルキンエ像Ra1の内側に形成される。また、第2リング光源11bからの光束についても同様に、角膜の前面および後面のそれぞれで反射されることによって、第1プルキンエ像Ra2と第2プルキンエ像Rp2とを形成し得る。
また、本実施形態において、第1リング光源11aは、第2リング光源11bよりも大きい直径を持つ。また、第2プルキンエ像Rp1は、第2プルキンエ像Rp2の外周に生じる。詳細については後述するが、本実施形態では、第2プルキンエ像Rp1,Rp2を主に用いて角膜に関する測定が行われる。
本実施形態では、点灯する光源が切り替わることによって、パターン指標の投影位置が変位される。なお、2つのリング光源11a,11bは、同時に点灯されてもよい。但し、同時に点灯される場合は、互いの投影位置が重ならないことが好ましい。また、2つのリング光源11a,11bのうち一方のみが点灯されてもよい。光源11が発する光は、例えば、赤外光または可視光であってもよい。
なお、光源11の形状および配置は、2つのリング光源11a,11bを持つ構成に限定されるものではない。例えば、光源11は、1つのリング光源であってもよい。もちろん、3つ以上のリング光源であってもよい。また、複数の点光源であってもよい。このときの点光源の中に、少なくとも同一円周上に配置される3つ以上の点光源が含まれていると好ましい。また、光源11は、間欠的なリング光源であってもよい。つまり、パターン指標は、本実施形態で用いられる、リング状の指標パターンの他、同心円状に配置される3つ以上の点指標からなるパターン、点指標が格子状に配列されたドットマトリクス指標、間欠的なリングパターン等の形状のものを含む。
アライメント投影光学系30は、被検眼Eの角膜にアライメント視標を投影する。アライメント投影光学系30は、光源31を有する。本実施形態において、光源31は、ケラト投影光学系10の光源11の内側に配置される。光源31は、赤外光を発する投影光源31(例えば、λ=970nm)を有し、被検者眼角膜にアライメント指標を投影するために用いられる。角膜に投影されたアライメント指標は、被検者眼に対する位置合わせ(例えば、自動アライメント、アライメント検出、手動アライメント、等)に用いられる。図2に示すように、本実施形態において、アライメント投影光学系30は、アライメント視標としてリング指標R3を投影する。なお、リング指標像R3は、マイヤーリングを兼用してもよい。また、アライメント投影光学系30の光源31は、前眼部を斜め方向から照明する前眼部照明を兼用する。なお、投影光学系30において、さらに、角膜に平行光を投影する光学系を設け、アライメント投影光学系30による有限光との組合せにより前後のアライメントを行うようにしてもよい。
本実施形態において、撮像光学系20は、二次元撮像素子27を備え、被検眼の前眼部正面像を正面方向から撮像できる。より詳細には、撮像光学系20は、ダイクロイックミラー23、対物レンズ24、ミラー25、撮像レンズ26、二次元撮像素子27、を含む。二次元撮像素子27は、例えば、被検眼の前眼部と共役な位置に配置されてもよい。撮像光学系20は、その光軸が固視標投影光学系50と同軸となるように配置されている。
ダイクロイックミラー(ビームスプリッタ)23は、撮像光学系20の光路を第2測定光学系40の光路と分岐させるための光路分岐部材である(詳しくは、後述する)。
ここで、前述のケラト投影光学系10、およびアライメント投影光学系30から投影された光の前眼部反射光は、撮像光学系20の光路を経て、撮像素子27(例えば、二次元撮像素子)にて結像(受光)される。よって、撮像光学系20は、ケラト投影光学系10からの光が照射された前眼部像を撮像することにより、角膜Ec上に形成された指標像(例えば、第1プルキンエ像Ra1,Ra2、第2プルキンエ像Rb1,Rb2)を含む前眼部像Aを撮像できる。また、撮像光学系20は、アライメント投影光学系30からの光が照射された前眼部像を撮像することにより、角膜Ec上に形成されたリング指標像R3を含む前眼部像Aを撮像できる。
撮像光学系20に関し、ダイクロイックミラー23の透過方向には、第2測定光学系40が形成されている。
第2測定光学系40は、第2測定光学ユニット41と、ダイクロイックミラー43と、を含む。また、第2測定光学系40は、ダイクロイックミラー23を、撮像光学系20と共用する。第2測定ユニット41は、被検者眼に第2の測定光を投光し、その反射光を受光する構成を備える。第2測定ユニット41は、第2の測定光を出射する光源42を有する。
なお、第2測定光学系40としては、例えば、測定光と参照光による干渉光を受光して眼軸長を測定する眼軸長測定光学系(光源42の波長は、例えば、λ=830nm)、被検者眼眼底に投影された反射光を受光して眼屈折力を測定する眼屈折力測定光学系(光源42の波長は、例えば、λ=870nm)等であってもよい。
第2測定光学系40に関し、ダイクロイックミラー43の反射方向には、固視標投影光学系50が配置されている。
固視標投影光学系50は、固視標投影光学系50は、測定時に被検眼Eを固視させるために使用される。本実施形態において、固視標投影光学系50は、固視標ユニット51と、レンズ54と、固視標位置調節機構55とを有する。
固視標ユニット51は、光源52と、視標板53とを有する。視標板53に形成される固視標が、光源52から光が出射されることによって、レンズ54等を介して被検眼Eへ投影される。また、固視標位置調節機構55は、固視標ユニット51を、固視標投影光学系50の光軸L4に沿って変位させることができる。これによって、被検眼Eに対する固視標の呈示位置(呈示距離)が調節される。
次に、制御系について説明する。本実施形態の眼科測定装置1において、制御部100は、眼科測定装置1の全体の制御と、測定結果の算出とを行う。
本実施形態において、制御部100は、光源11、撮像素子27、光源31、第2測定光学ユニット41、光源52、固視標位置調節機構55、モニタ70、操作部80、記憶装置105等に接続される。
また、制御部100は、CPU101と、ROM102と、RAM103とを備えている。CPU101は、眼科測定装置1に関する各種の処理を実行するための処理装置(プロセッサ)である。ROM102は、制御プログラムおよび固定データ等が格納された、不揮発性の記憶装置である。RAM103は、書き換え可能な揮発性の記憶装置である。RAM103には、例えば、眼科測定装置1による被検眼Eの撮像および測定に用いる一時データが格納される。
記憶装置105は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。本実施形態において、記憶装置105には、前眼部測定処理を制御部100に実行させるためのプログラムが、少なくとも格納されている。また、記憶装置105には、眼科測定装置1によって撮像される前眼部画像が保存されてもよい。
ここで、撮像素子27から出力される受光信号(撮像信号)は、制御部100によって処理され、モニタ70に表示される。また、制御部100は、撮像素子27から出力される受光信号に基づいて被検眼Eに対するアライメント状態を検出する。
以上のような構成を備える眼科測定装置1の動作を説明する。
本実施形態では、前眼部の測定に関する装置の動作の一例を、図3のフローチャートを参照して示す。はじめに、CPU101は、光学系の位置あわせ処理を行う(S1)。位置あわせの間、CPU101は、アライメント投影光学系30の光源31を点灯させると共に、光源31の点灯に伴って撮像素子27から出力される受光信号に基づいて、モニタ70に被検眼Eのライブ画像(観察画像)を表示させる。また、CPU101は、レクチルLT(図2参照)を、モニタ70上に電子的に表示させる。
また、CPU101は、光源31によるリング指標R3を、撮像素子27からの撮像信号に基づいて検出する。CPU101は、図示なき駆動部を検出結果に基づいて駆動させることによって、リング指標R3がレクチルLTと同心円状に配置されるように眼科測定装置1の光学系を移動させる。また、CPU101は、撮像素子27からの撮像信号に基づいて、装置から角膜頂点までの距離が、所定の作動距離となるように、前後方向のアライメントを行う。
なお、アライメントは、必ずしも自動的に行われなくてもよい。例えば、検者の指示入力に基づいてアライメントが行われても良い。このとき、例えば、CPU101は、操作部材(例えば、ジョイスティック)を介した検者の指示入力を受け付け、指示入力に基づいて眼科測定装置1の光学系を移動させてもよい。
検者は、操作部を介して測定開始の指示を入力するまでの間、光学系の位置あわせを行うことができる(S2:No)。CPU101は、検者からの測定開始の指示に基づいて、S3以降の各処理を実行する(S2:Yes)。
本実施形態では、被検眼Eに対する固視標の呈示位置(呈示距離)が、前眼部の測定に先立って設定される(S3)。このとき、固視標が被検眼Eの遠点に近づけられる。例えば、本実施形態では、CPU101が、被検眼の遠点の位置情報に基づいて固視標位置調節機構55を制御して、固視標を被検眼Eの遠点に配置させる。その結果として、固視による被検眼の調節作用が抑制される。よって、縮瞳が軽減された状態で前眼部の測定が行われる。なお、CPU101は、遠点の位置情報を、例えば、以下のように取得する。例えば、第2測定ユニット40が被検眼Eの遠点位置に関する測定(例えば、眼屈折力の測定)を行う構成であれば、第2測定ユニット40の測定結果に基づいて、遠点の位置情報が眼科測定装置1によって取得されてもよい。また、他の検査機器を用いて行った被検眼Eの遠点位置に関する測定の結果を、眼科測定装置1に転送することによって、又は、操作部を介して検者が直接入力することによって、遠点の位置情報が眼科測定装置1によって取得されてもよい。
次に、本実施形態では、CPU101は、眼科測定装置1による指標パターン像の取得条件(例えば、光学系の状態)を、第1プルキンエ像撮像モード(第1のモード)に設定する(S4)。このモードは、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出処理(例えば、位置および形状の検出処理)で使用されるデータを装置本体(例えば、制御部100)が取得するためのモードである。後述するように、本実施形態の一例として、第1プルキンエ像撮像モードでは、第1プルキンエ像Ra1,Ra2を含む前眼部画像の撮像(取り込み)が行われる。S4の処理では、明瞭な第1プルキンエ像Ra1,Ra2を含む前眼部画像が撮像されるように、光源11から出力される光束の光量、および、撮像素子27におけるゲイン等が調節されることが好ましい。なお、S4の処理において、ケラト投影光学系10および撮像光学系20の光路上に、光量調節用のフィルタを切替配置し、撮像素子27で受光される光を制限してもよい。
次に、CPU101は、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出処理で使用される前眼部画像を撮像する(S5)。S5の処理において、CPU101は、複数のリング指標パターンの少なくとも一つを選択的に投影してもよい。より詳細には、第1リング光源11aと第2リング光源11bとを、片方ずつ順番に点灯させることによって、第1リング光源11aからの光束に基づく第1プルキンエ像Ra1と、第2リング光源11aからの光束に基づく第1プルキンエ像Ra2とが、別々の画像に含まれるように撮像してもよい。また、2つのリング光源11a,11bを、同時に点灯させることによって、第1プルキンエ像Ra1,Ra2が、1つの画像に含まれるように撮像してもよい。但し、複数の第1プルキンエ像を1つの画像で撮像する場合は、互いの第1プルキンエ像が重ならないことが好ましい。
S5の処理の後、CPU101は、第1プルキンエ像検出処理を実行する(S6)。本実施形態において第1プルキンエ像検出処理(S6)では、第2プルキンエ像検出処理(S9)では、撮像素子27から出力される撮像信号に基づいて第1プルキンエ像Ra1,Ra2を検出する。より詳細には、S5の処理によって撮像された画像を用いて第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出が行われる。本実施形態では、S6の処理の結果(検出結果)として、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の指標位置情報が取得される。指標位置情報としては、例えば、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の二次元的な位置情報であってもよい。
S6の処理としては、種々の処理を利用できる。例えば、前眼部画像における輝度情報に基づいて検出が行われてもよい。図2に示すように、第1プルキンエ像Ra1,Ra2には、経線方向の幅がある。そこで、例えば、画像における角膜の経線上の輝度分布において、所定の閾値以上の輝度値が連続的に含まれる領域から第1プルキンエ像Ra1,Ra2の位置が検出されてもよい。このとき、より具体的には、所定の閾値以上の輝度値が連続的に含まれる領域における分布のピーク(最大値または極大値)の位置、中央の位置等が、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の位置として検出されてもよい。検出結果は、例えば、RAM102、および記憶装置105等にCPU101によって記憶される。なお、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出結果としては、指標位置情報に限られるものではなく、例えば、角膜前面に関する情報であってもよい。角膜前面に関する情報としては、例えば、角膜前面の曲率半径、角膜前面の3次元形状、角膜前面のパワー等であってもよい。
次に、本実施形態では、CPU101は、眼科測定装置1による指標パターン像の撮像条件(又は、取得条件。例えば、光学系の状態)を、第2プルキンエ像撮像モード(第2のモード)に設定する(S7)。このモードは、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出処理(例えば、位置および形状の検出処理)で使用されるデータを、装置本体が取得するためのモードである。本実施形態の一例として、第2プルキンエ像撮像モードでは、第2プルキンエ像Rp1,Rp2を含む前眼部画像の撮像(取り込み)が行われる。S7の処理では、明瞭な第2プルキンエ像Rp1,Rp2を含む画像が撮像されるように、光源11から出力される光束の光量、および、撮像素子27におけるゲイン等が調節されることが好ましい。例えば、CPU101は、光源11から光量、および、撮像素子27のゲインの少なくとも一方の値を、第1プルキンエ撮像モードに対し、高めてもよい。
また、詳細は後述するが、S7の処理において、ケラト投影光学系10以外の光学系(例えば、アライメント投影光学系30、第2測定光学系42)等によって被検眼Eに照射される光を抑制することが好ましい。例えば、眩しさによる縮瞳を軽減するために、CPU101は、固視標を投影するために光源52から出力される光の量を低減させてもよい。なお、このとき、前眼部照明(例えば、光源31)が消灯されてもよい。つまり、第2プルキンエ像が撮像されればよく、前眼部の各部位については、画像内で確認できないものであってもよい。
また、例えば、眼底で反射されることによって徹照(角膜を眼底側から照明する光)が抑制されることが好ましい。例えば、光源31、光源42等の光量が低減されてもよい。その結果として、背景との差が第2プルキンエ像Rp1,Rp2が撮像され易くなる。
次に、CPU101は、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出処理で使用される前眼部画像を撮像する(S8)。S8の処理において、CPU101は、複数のリング指標パターンの少なくとも一つを選択的に投影してもよい。より詳細には、2つのリング光源11a,11bを、交互に点灯させることによって、第1リング光源11aからの光束に基づく第2プルキンエ像Rp1と、第2リング光源11bからの光束に基づく第2プルキンエ像Rp2とが、別々の画像に含まれるように撮像してもよい。この場合、各々の第2プルキンエ像Rp1,Rp2が、他の光源からの光束によって形成される反射像と重なってしまうことを抑制できる。これにより、よって、次の第2プルキンエ像検出処理(S9)において、第2プルキンエ像Rp1,Rp2を良好に検出しやすくなる。
また、2つのリング光源11a,11bを同時に点灯させることによって、第1プルキンエ像Ra1,Ra2が、1つの画像に含まれるように撮像してもよい。但し、画像には、第2プルキンエ像だけでなく、その他の指標光束の反射像(例えば、第1プルキンエ像Ra1,Ra2等)も含まれる。このため、複数の第2プルキンエ像を1つの画像で撮像する場合は、それぞれの第2プルキンエ像が、他の反射像と重ならないことが好ましい。
S8の処理の後、CPU101は、第2プルキンエ像検出処理を実行する(S9)。本実施形態において第2プルキンエ像検出処理(S9)では、撮像素子27から出力される撮像信号に基づいて第2プルキンエ像を検出する。より詳細には、S8の処理によって撮像された画像を用いて検出を行う。S9の処理の結果(検出結果)として、本実施形態では、それぞれの第2プルキンエ像Rp1,Rp2の位置および形状に関する情報(例えば、像の各箇所の座標データ)が取得される。具体的には、例えば、検出結果がRAM102に記憶されることによって、検出結果の取得が行われる。
S9の処理としては、種々の処理を利用できる。例えば、前述のS6の処理と同様に、S9の処理においても、前眼部画像における輝度情報に基づいて検出が行われてもよい。第2プルキンエ像Rp1,Rp2には、経線方向の幅がある。そこで、例えば、画像における角膜の経線上の輝度分布において、所定の閾値以上の輝度値が連続的に含まれる領域から第1プルキンエ像Ra1,Ra2の位置が検出されてもよい。但し、S8の処理で取得された画像には、少なくとも第1プルキンエ像が含まれている。一般に、第1プルキンエ像は、第2プルキンエ像と比べて明るく、明確である。そこで、例えば、経線上の輝度分布において第1プルキンエ像Ra1,Ra2が含まれる領域に対し、輝度の低いピークを含む領域から、第2プルキンエ像Rp1,Rp2が検出されてもよい。また、一般に、第2プルキンエ像は、第1プルキンエ像よりも内側(光軸の近く)に生じるので、経線上の輝度分布において、第1プルキンエ像Ra1,Ra2が含まれる領域に対し、光軸L1寄りに生じるピークを含む領域から第2プルキンエ像Rp1,Rp2が検出されてもよい。第2プルキンエ像Rp1,Rp2も経線方向の幅を有するので、分布形状に基づいて詳細な位置等が検出されてもよい。例えば、分布のピーク(最大値または極大値)の位置、中央の位置等が第2プルキンエ像Rp1,Rp2の位置として検出されてもよい。
次に、CPU101は、前眼部情報取得処理を実行する(S10)。本実施形態の前眼部情報取得処理(S10)では、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出結果に基づく角膜後面に関する情報が、前眼部情報として少なくとも取得される。
ここで、図4を参照して前眼部情報取得処理の一例について説明する。本実施形態の前眼部情報取得処理(S10)では、まず、CPU101は、角膜前面Ec1の曲率半径r1を算出する(S21)。例えば、角膜前面Ec1の曲率半径r1は、S6の処理によって検出された第1プルキンエ像Ra1,Ra2に基づいて求めることができる。具体的には、角膜曲率半径r1を第1プルキンエ像Ra1,Ra2の像高さ(例えば、光軸L1が角膜中心を通過する条件下では、画像上の光軸L1の位置(例えば、画像中心)から第1プルキンエ像Ra1,Ra2までの距離)に基づいて求める手法がある。具体的な手法については、例えば、本出願人による特開2003―111727号公報を参考にされたい。
なお、本実施形態では、第1プルキンエ像Ra1,Ra2はリング形状なので、角膜Ecの任意の経線方向についての曲率半径r1を得ることができる。このため、本実施形態で示すように、複数の経線方向に対する曲率半径r1を得ることができる。
また、本実施形態では、径の異なる複数の第1プルキンエ像Ra1,Ra2が検出されているので、それぞれの第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出結果から、曲率半径をそれぞれ得ることができる。
次に、CPU101は、角膜後面Ec2の曲率半径r2を算出する。角膜後面Ec2の曲率半径r2は、例えば、S9の処理による第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出結果と、S21の処理によって得られた角膜前面Ec1の曲率半径r1とを用いて得ることができる。
ここで、図5を参照して、角膜後面Ec2の曲率半径r2の求め方を、一例として説明する。なお、ここでは、説明の便宜のため、近軸近似した場合における考え方を示す。図5では、光軸L1が角膜中心を通過する条件下において、物体f1によって、角膜後面Ec2に、後面反射像f2が形成されている。図5において、物体f1の矢印先端は、光源11(第1リング光源11aまたは第2リング光源11b)の位置を示している。よって、物体高h1は、光軸L1から光源11までの距離を示す。一方、後面反射像f2の矢印先端は、物体f1の矢印先端に位置する光源11によって形成されるリング像の位置を示す。つまり、後面反射像f2の像高h2は、角膜後面Ec2に形成されるリング像から光軸L1までの距離を示す。
図5において、D1は、物体f1から角膜前面Ec1までの距離を示す。D2は、物体f1から後面反射像f2までの距離を示す。dは、角膜の基準位置における角膜厚(角膜厚情報の一例)である。ここでは、dは、角膜中心部での角膜厚であり、光軸L1が通過する位置における角膜厚を示す。本実施形態において、距離D1は、光学系の位置あわせ処理(S1)の結果、固定値が設定される。角膜厚dには、例えば、超音波測定方式等の公知のパキ測定によって得られた値を用いてもよい。なお、第2測定光学系として角膜厚測定光学系を設け、その測定結果が角膜厚dとして利用されてもよい。
ここで、像高h2は、例えば、次の式(1)を用いて表すことができる。なお、以下では、物体高さh1=1に対する像高h2を示す。
但し、nは、角膜屈折率を示す。βは、像の倍率(又は、大きさ)についての補正係数である。より詳細には、βによって、角膜による屈折の影響が補正される。D2およびβについては、例えば、以下の式(2)および(3)によって表すことができる。
像高h2については、例えば、前述の第2プルキンエ像検出処理(S9)の結果に基づく測定値が用いられる。このため、式(1)から、角膜後面Ec2の曲率半径r2の値を得ることができる。
なお、ここでは、近軸近似した場合を示したが、実際の装置の設計に応じて、上記の式に補正又は変更を行うことは、勿論可能である。
また、S22の処理においては、CPU101による計算以外の方法で、角膜後面の曲率r2が得られてもよい。例えば、角膜に関するパラメータ(例えば、角膜厚情報、前面曲率情報)と、角膜後面Ec2の曲率半径r1とが対応付けたれたテーブルを用いて、CPU101が、角膜後面Ec2の曲率半径r2を得てもよい。1つの方法としては、角膜前面Ec1の曲率半径r1および基準の角膜厚dの値に対して、角膜後面Ec2の曲率半径r2が記憶されたテーブルを、予め記憶装置105等の記憶装置に設ける。なお、テーブルにおける曲率半径r2は、例えば、上記の式を用いて得られた値であってもよい。この場合、S21の処理等によって得られた角膜前面Ec1の曲率半径r1および基準の角膜厚dと対応するテーブルの値がCPU101に参照された結果として、角膜後面Ec2の曲率半径r2が取得される。
図4のフローチャートに戻って説明を続ける。次に、CPU101は、角膜厚情報を取得する(S23)。角膜厚情報として、例えば、特定の経線方向における角膜の厚み分布を示す情報が取得されても良い。1つの経線方向における角膜の厚み分布は、例えば、1つの経線方向における角膜前面Ec1および角膜後面Ec2の曲率半径r1,r2と、基準の角膜厚dの値と、を用いて求めることができる。また、S23の処理では、複数の経線方向における角膜全体の厚み分布に基づいて、角膜全体の厚み分布を示す情報が取得されてもよい。
次に、本実施形態では、CPU101は、角膜前面カーブ及び後面カーブに基づく角膜屈折力を求める(S24)。角膜屈折力としては、例えば、角膜Ecのパワー(P(θ))、あるいは、{球面度数(S)、注面度数(C)、乱視軸角度(A)}の形式にて表現されうる。本実施形態では、角膜前面Ec1のパワー情報(例えば、パワー及び/又は、S,C,Aの各値)と、角膜後面Ec2のパワー情報(例えば、パワー及び/又は、S,C,Aの各値)との合成値を取得する。本実施形態では、パワーベクトル法を用いて合成された合成値を得る。一般に、パワーP(θ)は、次の式(4)で表すことができる。
S,C,Aの各値は、例えば、角膜に形成されるリング像を楕円近似したときの強主経線方向及び弱主経線方向における角膜曲率の値、および、強主経線および弱主経線の軸角度等から求めることができる。よって、角膜後面Ec2におけるパワーP2等を、角膜後面Ec2に形成される第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出結果に基づいて求めることができる。また、角膜前面Ec1におけるパワーP1等を、角膜前面Ec1に形成される第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出結果に基づいて求めることができる。
パワーP(θ)は、以下のように変換できる。
ここで、パワーP1に対して算出される、J45,J180,Mの値を、それぞれ、J145
,J1180,M1とし、パワーP2に対して算出される、J45,J180,Mの値を、それぞれ、J245,J2180,M2と示す。パワーの合成値Pmix(θ)に対するJ45,J180,
Mの値を、次の式で示すことができる。
式(6)の結果を、式(5)に代入することによって、パワー(屈折力値)、球面度数(S)、注面度数(C)、乱視軸角度(A)の各値の合成値が得られる。なお、合成値の算出は、上記の手法に限られるものではない。例えば、光線追跡的にパワー等の合成値が求められてもよい。
本実施形態絵は、S24の処理が行われることによって、角膜情報取得処理は終了する。その結果として、図3のフローチャートの処理も終了する。
以上説明したように、本実施形態では、角膜後面Ecに関する情報(例えば、角膜後面Ec2の曲率半径r2、角膜厚分布情報、角膜Ecのパワー等)が、角膜後面Ec2に生じる第2プルキンエ像の検出処理(S9)の結果に基づいてCPU101によって取得される。よって、本実施形態の眼科測定装置1は、前眼部OCT装置やシャインプルーフカメラ等の前眼部の断面撮像を行う装置を必ずしも必要とせずに、角膜後面Ecに関する情報を取得できる。
また、前眼部OCT装置やシャインプルーフカメラ等で撮像された断面画像から角膜後面に関する情報を取得する場合は、画像における角膜断面のエッジ(境界)の検出が行われる。例えば、画像における角膜後面のエッジの位置が、角膜後面の位置として特定される。しかしながら、一般に、物体のエッジの位置を、画像処理によって正確に特定することは難しい。照明光量等の撮像時の条件に応じて、同じ物体を撮像する場合であっても、エッジの検出位置が変わってしまうためである。特に、被検眼の断面画像においては、実際の角膜後面と画像におけるエッジの検出位置との間に、前眼部の光学特性(例えば、角膜における光の透過率等)に応じた誤差が生じてしまうと考えられる。
これに対し、本実施形態では、角膜後面の検出を、第2プルキンエ像が撮像された画像における各経線方向の輝度分布の分布形状に基づいて行う場合を、一例として示した。分布形状は、照明光の光量、および前眼部の光学特性等に依存するものの、例えば、分布のピーク(極大値)の位置、ピークを含むカーブの中央値等は、これらの条件の影響を受け難い。よって、上記実施形態において、眼科測定装置1は、断面画像から角膜後面に関する情報を取得する方式に対して、角膜後面Ecに関する情報をより正確に取得できる。
なお、角膜後面の曲率を求める場合、被検眼Eの角膜厚を用いた算出が好ましい。そこで、第2測定光学系として角膜厚測定光学系を設けることで、必ずしも他の装置を用いる必要がなくなる。角膜厚測定光学系は、例えば、特開2012−143492号に記載の構成が用いられる。
この場合であっても、角膜厚測定光学系は、角膜上の少なくとも1点の角膜厚が測定できればよく、回転機構を持つシャインプルーフカメラや、二次元スキャンを要する前眼部OCT等の複雑の光学系を設ける必要は必ずしもなくなる。
また、上記実施形態では、角膜後面Ecに関する情報として、角膜の合成パワーが得られる。断面画像から合成パワーを得た場合に対し、眼科測定装置1では、正確なパワーが得られる。従って、眼科測定装置1で得られたパワーは、例えば、被検眼に対し適正なパワーのIOLを選定する場合等に役立つ。
ところで、第2プルキンエ像Rp1,Rp2は、明瞭な像が形成され難い。これに対し、本実施形態では、第2プルキンエ像の検出処理が行われる前眼部像が取得される第2プルキンエ像撮像モードでは、少なくとも第1プルキンエ像撮像モードに対して、指標光束を投影する光源11の光量、又は、受光素子27のゲインを、CPU101が増大させる。その結果として、明確な第2プルキンエ像Rp1,Rp2を含む画像データが、第2プルキンエ像撮像モードにおいて得られやすい。従って、第2プルキンエ像検出処理(S9)において、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出が良好に行われやすい。
また、被検眼Eにおいて、虹彩は、複雑な輝度変化を有する領域である。このため、虹彩と重なって第2プルキンエ像Rp1,Rp2が形成さてしまうと、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出が難しくなってしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、第2プルキンエ像撮像モードにおいて固視標呈示光学系50から被検眼Eへ照射される可視光の量が、少なくとも第1プルキンエ像撮像モードに対して、CPU101によって低減される。これにより、第2プルキンエ像撮像モードにおいては、眩しさによる縮瞳が低減される。その結果として、虹彩と重なる位置に第2プルキンエ像Rp1,Rp2が形成されてしまうことが抑制される。よって、本実施形態の眼科測定装置1では、第2プルキンエ像Rp1,Rp2が良好に検出されやすい。
また、本実施形態では、被検眼Eの遠点に配置された固視標によって、第2プルキンエ像Rp1,Rp2を含む前眼部像を撮像するための固視が行われる。これにより、調節による縮瞳が低減された状態で前眼部像を撮像できる。その結果として、虹彩と重なる位置に第2プルキンエ像Rp1,Rp2が形成されてしまうことが抑制され、眼科測定装置1において、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出が良好に行われやすくなる。
以上、実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能である。
例えば、一般に、被検眼Eの投光された光束が前眼部で反射されることによって形成されるプルキンエ像としては、上記実施形態で説明した、第1および第2プルキンエ像の他、第3および第4プルキンエ像が知られている。第3プルキンエ像、および第4プルキンエ像のそれぞれは、水晶体前面、および水晶体後面において反射された光束のそれぞれによって形成される。ここで、角膜後面で反射される光に対し、水晶体後面で反射される光はわずかであるため、第2プルキンエ像を前眼部画像から検出する際に、第4プルキンエ像については問題となり難い。一方、水晶体前面において反射される光は、水晶体後面で反射される光に対して多い。その結果として、第2プルキンエ像と同程度の明るさを持つ第3プルキンエ像が生じる場合がある。
これに対し、例えば、角膜の経線(光軸中心)に対して非対称な指標パターンが投影されるように、ケラト投影光学系10(投光光学系の一例)が構成されてもよい。そのうえで、指標光束の正立反射像から第2プルキンエ像が検出されるように、第2プルキンエ像検出処理(例えば、S9の処理)が構成されてもよい。角膜の経線に対して非対称な投影される構成としては、例えば、各々のリング光源11a,11bが、部分的に(または、間欠的に)点灯される態様であってもよい。また、リング光源11a,11bが、角膜の経線に対して非対称に配置される複数の点光源等によって代替される態様であってもよい。
図6において、一例として、光源11(ここでは、第1リング光源11a)の上半分のみが点灯される態様で撮像される前眼部像を示す。第2プルキンエ像は、正立反射像となるため、図6の例において、第2プルキンエ像Rpは、角膜Ecの上半分に生じる。一方、第3プルキンエ像Rq1は、倒立反射像である。このため、図6の例において、第3プルキンエ像Rq1は、角膜Ecの下半分に生じる。この場合、正立反射像から第2プルキンエ像Rpの検出を行うために、例えば、画像における第2プルキンエ像Rpの検出範囲を、正立反射像が生じる範囲(この例では、角膜部分または画像の上半分)に制限してもよい。その結果として、CPU101が、第3プルキンエ像を第2プルキンエ像として誤検出する可能性を低減できる。
また、ケラト投影光学系10だけでなく、アライメント投影光学系30が、プルキンエ像を形成させる視標光束の投影光光学系として利用されてもよい。なお、上記実施形態において、アライメント投影光学系30も視標光束の投影光学系として利用する場合、それぞれの光源を1つずつ順番に点灯させて、前眼部画像の撮像を行ってもよい。また、隣り合う2つの光源(例えば、光源11aと光源11b、および、光源11bと光源31)とが同時に点灯しないように、光源11aおよび光源31が点灯する状態と、光源11bが点灯する状態とを交互に切り替えて撮像を行ってもよい。これにより、各光源によって形成されるプルキンエ像(第1プルキンエ像、および第2プルキンエ像)が、他の光源によるプルキンエ像と重なってしまうことが抑制される。その結果、各々のプルキンエ像が、装置において良好に検出される。
また、上記施形態では、角膜の基準位置での角膜厚として、角膜中心部での角膜厚が用いられる場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、基準位置での角膜厚は、角膜中心から離れた領域での角膜厚が用いられてもよい。
また、上記実施形態において、第1プルキンエ像Ra1,Ra2、および第2プルキンエ像Rp1,Rp2を撮像する場合に、前眼部照明(例えば、光源31)が消灯されてもよい。即ち、各プルキンエ像についての位置および形状についての情報が検出できる画像が撮像されればよく、例えば、瞳孔の位置形状等、前眼部の各部位を確認し得る画像が撮像される必要はない。
また、上記実施形態では、前眼部の撮像によって得られた1枚の画像から、第2プルキンエ像Rp1,Rp2が検出される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2プルキンエ像撮像モードにおいて、パターン指標の位置が同じ複数枚の画像を撮像したうえで、これらの画像の加算画像が、CPU101によって生成されてもよい。その後、加算画像に対して第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出処理(例えば、S9の処理)が行われても良い。複数枚の画像が加算されることで、明確な第2プルキンエ像を含む加算画像が得られるので、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出が良好に行われやすくなる。なお、第1プルキンエ像Ra1,Ra2についても、加算画像から検出されてもよい。但し、第1プルキンエ像Ra1,Ra2の検出される画像の加算枚数に対し、第2プルキンエ像Rp1,Rp2の検出される画像の加算枚数(撮像枚数)が多くなるように、第2プルキンエ像撮像モード設定処理(S7)において加算枚数の設定が行われると好ましい。
また、上記実施形態では、第1プルキンエ撮像モードと第2プルキンエ撮像モードとで、撮像条件を異ならせる場合について説明したが、第1プルキンエ像と第2プルキンエ像とは、同じ条件で撮像されてもよい。また、例えば、同一の画像から、第2プルキンエ像と、第1プルキンエ像の検出が行われても良い。
また、上記実施形態では、S6およびS9の各処理における、プルキンエ像の検出処理の一例として、画像の解析処理がCPU101によって行われる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、S6およびS9の少なくとも一方の処理は、モニタ70等に表示される前眼部画像(S8の処理で撮像された画像)を確認した検者によって操作部80を介して入力されるプルキンエ像の画像上の位置情報に基づいて、プルキンエ像の検出を行うものであってもよい。
また、上記各実施形態においては、眼科測定装置1によって、角膜後面に関する情報を取得する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、第2プルキンエ像の撮像結果(例えば、画像データ)を、汎用のコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)に転送し、そのコンピュータで実行される解析処理によって、角膜後面に関する情報を求めることもできる。例えば、第2プルキンエ像の画像データと、第1プルキンエ像の画像データとを用いて、角膜後面に関する情報が取得される場合は、コンピュータによって角膜後面に関する情報を求めるためのプログラムが格納されたハードディスク等に、例えば、図3のS6、S9、およびS10の処理を、コンピュータのプロセッサに実行させる解析プログラムを用意すればよい。この場合も、上記実施形態の眼科測定装置1と同様に、角膜後面に関する情報が求められる。