JP2017077074A - 止水チューブ及び電線モジュール製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡単に熱収縮チューブの端部から接着剤が流れ出ることを抑制すること。【解決手段】止水チューブ100は、一端21を含む端部領域22及び長手方向において端部領域22よりも中央側の中央領域23を含む熱収縮チューブ2と、少なくとも熱収縮チューブ2の中央領域23の内周面に形成された熱可塑性の接着剤3と、を備え、端部領域22の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、中央領域23の内周面に形成された接着剤3よりも熱収縮チューブ2の径方向において厚みの薄い接着剤3が設けられている若しくは接着剤3が設けられていない。【選択図】図6
Description
本発明は、熱収縮チューブと接着剤とを含む止水チューブ及びこの止水チューブを用いた電線モジュール製造方法に関する。
内周面に接着剤が設けられた収縮前の熱収縮チューブが端子と絶縁電線の芯線との接続部分の周囲を覆う状態で、この熱収縮チューブが加熱されることで収縮し、端子と芯線との接続部分が止水される。
ここで、加熱によって溶融した接着剤が、熱収縮チューブの端部から端子の接点部側へ流れ出ることを抑制するため、例えば、特許文献1に示されるような治具が用いられる。特許文献1では、熱収縮チューブの端部の開口が、堰き止め壁部によって閉塞されることで、溶融する接着剤が熱収縮チューブの端部から端子の接点部側へ流れ出ることが防止される。
ところで、特許文献1に示される例では、熱収縮チューブの端部の開口を塞ぐ堰き止め壁部を含む治具を備えた設備が必要となり、設備の複雑化が懸念される。このため、より簡単に熱収縮チューブの端部から溶融した接着剤が流れ出ることを抑制する技術が望まれている。
本発明は、より簡単に熱収縮チューブの端部から接着剤が流れ出ることを抑制する技術を提供することを目的とする。
第1態様に係る止水チューブは、一方の端を含む端部領域及び長手方向において前記端部領域よりも中央側の中央領域を含む熱収縮チューブと、少なくとも前記熱収縮チューブの前記中央領域の内周面に形成された熱可塑性の接着剤と、を備え、前記端部領域の内周面には、前記熱収縮チューブの周方向における少なくとも一部において、前記中央領域の内周面に形成された前記接着剤よりも前記熱収縮チューブの径方向において厚みの薄い前記接着剤が設けられている若しくは前記接着剤が設けられていない。
第2態様に係る止水チューブは、第1態様に係る止水チューブの一態様である。第2態様に係る止水チューブにおいては、前記接着剤は、前記熱収縮チューブの全長に亘って内周面全体に設けられ、前記端部領域に設けられた前記接着剤の前記熱収縮チューブの径方向における厚みが、前記中央領域に設けられた前記接着剤の前記径方向における厚みよりも小さい。
第3態様に係る電線モジュール製造方法は、第1態様又は第2態様の止水チューブを用いる電線モジュール製造方法であって、芯線と前記芯線の周囲を覆う絶縁被覆とを備える絶縁電線と、一端側に設けられ相手側部材に接続可能な接点部と前記接点部よりも他端側に設けられ前記絶縁電線の端部の露出した前記芯線に接続された芯線接続部とを含む端子と、を備える端子付電線の前記芯線接続部の周囲を、前記止水チューブの前記熱収縮チューブの前記端部領域を前記接点部側に位置させて前記止水チューブで覆う止水チューブ配設工程と、前記止水チューブが前記芯線接続部の周囲を覆う状態で前記止水チューブを加熱し収縮させる加熱工程と、を備える。
上記の各態様では、中央領域の内周面に接着剤が設けられ、端部領域の内周面には、熱収縮チューブの周方向における少なくとも一部において、中央領域の内周面に形成された接着剤よりも熱収縮チューブの径方向において厚みの薄い接着剤が設けられている若しくは接着剤が設けられていない。この場合、この止水チューブが加熱されて収縮する際に、熱収縮チューブの端部から溶融する接着剤が流出し難くなる。このため、この止水チューブを用いて端子と芯線との接続部分が止水される場合、熱収縮チューブの端部の開口を塞ぐ治具を不要とすることができる。このため、より簡単に熱収縮チューブの端部から接着剤が流れ出ることを抑制できる。
また、第2態様では、接着剤は、熱収縮チューブの全長に亘って内周面全体に設けられ、端部領域に設けられた接着剤の熱収縮チューブの径方向における厚みが、中央領域に設けられた接着剤の径方向における厚みよりも小さい。この場合、熱収縮チューブの周方向において接着剤が熱収縮チューブの内周面全体に設けられているため、端子と芯線との接続部分をより確実に止水できる。
また、第3態様では、中央領域の内周面に接着剤が設けられ、端部領域の内周面には、熱収縮チューブの周方向における少なくとも一部において、中央領域の内周面に形成された接着剤よりも熱収縮チューブの径方向において厚みの薄い接着剤が設けられている若しくは接着剤が設けられていない止水チューブを用いるため、加熱工程の際に、熱収縮チューブの端部から溶融した接着剤が流れ出ることが抑制される。このため、熱収縮チューブの端部の開口を塞ぐ治具が不要となり、より簡単に熱収縮チューブの端部から接着剤が流れ出ることを抑制できる。
以下、添付の図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<実施形態>
まず、図1〜5を参照しつつ、実施形態に係る止水チューブ100について説明する。止水チューブ100は、熱収縮チューブ2と熱可塑性の接着剤3とを備える。図1は、止水チューブ100の側方断面図である。図2は、止水チューブ100の正面図である。図3〜5は、止水チューブ100を得る工程を説明する説明図である。
まず、図1〜5を参照しつつ、実施形態に係る止水チューブ100について説明する。止水チューブ100は、熱収縮チューブ2と熱可塑性の接着剤3とを備える。図1は、止水チューブ100の側方断面図である。図2は、止水チューブ100の正面図である。図3〜5は、止水チューブ100を得る工程を説明する説明図である。
止水チューブ100の熱収縮チューブ2及び接着剤3の詳細について説明する。
止水チューブ100において、熱収縮チューブ2は、熱を受けて収縮する熱収縮タイプのチューブである。熱収縮チューブ2は、例えば、ポリオレフィン系樹脂もしくはナイロン系樹脂などの合成樹脂によって形成された管状の部材である。熱収縮チューブ2は、押し出し成形によりごく細い管状に成形された樹脂部材が、架橋処理後、加熱された状態で太い管状へ引き伸ばされた後に冷却されることによって得られる。このようにして得られた熱収縮チューブ2は、加熱された場合、引き伸ばされる前の細い管状まで収縮する形状記憶特性を有する。
そして、熱収縮チューブ2の内周面の少なくとも一部には、接着剤3が設けられている。接着剤3は、例えば、変性オレフィン系又はポリエステル系のホットメルト接着剤などが考えられる。
本実施形態では、熱収縮チューブ2は、長手方向において2種類の領域に分けられている。一方の領域は、内周面に比較的大量の接着剤3が設けられている領域である。他方の領域は、内周面に比較的少量の接着剤3が設けられている若しくは内周面に接着剤3が設けられていない領域である。
ここでは、熱収縮チューブ2は、熱収縮チューブ2の一方の端(以下、一端21)を含む端部領域22と、熱収縮チューブ2の長手方向において端部領域22よりも中央側の中央領域23と、を含む。そして、上記一方の領域は、中央領域23である。上記他方の領域は、端部領域22である。
止水チューブ100においては、接着剤3は、少なくとも中央領域23の内周面に設けられている。ここでは、熱収縮チューブ2の長手方向及び周方向において、中央領域23の内周面全体に接着剤3が設けられている。
一方、端部領域22の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、中央領域23の内周面に形成された接着剤3よりも熱収縮チューブ2の径方向において厚みの薄い接着剤3が設けられている場合、若しくは、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、接着剤3が設けられていない場合が考えられる。ここでは、図1,2に示されるように、端部領域22の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向全周に亘って中央領域23の内周面に形成された接着剤3よりも熱収縮チューブ2の径方向において厚みの薄い接着剤3が設けられている事例が示されている。
即ち、本実施形態では、接着剤3は、熱収縮チューブ2の全長に亘って内周面全体に設けられている。そして、端部領域22に設けられた接着剤3の熱収縮チューブ2の径方向における厚みが、中央領域23に設けられた接着剤3の径方向における厚みよりも薄い。
なお、ここでは、熱収縮チューブ2の一端21を含み、かつ、熱収縮チューブ2の周方向に沿って見て接着剤3の量が比較的少ない領域が長手方向においてある程度連続する部分を、端部領域22としている。同様に、熱収縮チューブ2の一端21を含まず、かつ、熱収縮チューブ2の周方向に沿って見て接着剤3の量が比較的多い領域が長手方向においてある程度連続する部分を、中央領域23としている。なお、別の例として、熱収縮チューブの一端を含み、かつ、熱収縮チューブの周方向に沿って見て接着剤が設けられていない領域が長手方向においてある程度連続する部分を、端部領域とする場合も考えられる。
また、ここでは、図1に示されるように、熱収縮チューブ2の一端21側のみに端部領域22が形成されている。しかしながら、一端21に対する反対側の他端29側にも端部領域が形成されている場合ももちろん考えられる。
また、熱収縮チューブ2における端部領域22の寸法及び中央領域23の寸法は、この止水チューブ100が止水構造として採用される端子付電線の端子と芯線との接続部分の大きさ及び形状等に依存することが考えられる。なお、中央領域23は、比較的大量の接着剤3が設けられており、端子と芯線との接続部分をより確実に止水することが好ましい。このため、中央領域23は、後述する絶縁電線9の絶縁被覆92の端部から延び出る芯線91の延出寸法と同じ若しくはそれよりも長い寸法の領域であることが考えられる。
なお、本実施形態の止水チューブ100は、熱収縮チューブ2の長手方向における単位長さLあたりの端部領域22の内周面に設けられた接着剤3の量が、単位長さLあたりの中央領域23の内周面に設けられた接着剤の量よりも少ない止水チューブであるとも言える。単位長さLは、端部領域22の含まれる接着剤3の量と中央領域23のうちのある程度の長さの領域に含まれる接着剤3の量とを比較することができる長さである。例えば、単位長さLが、端部領域22の熱収縮チューブ2の長手方向における寸法と同じ値であることが考えられる。
次に止水チューブ100を得る方法について説明する。本実施形態の止水チューブ100は、例えば、この止水チューブ100の元となる止水チューブ100Xに以下の工程が行われることで得ることができる。なお、元の止水チューブ100Xは、図3,4に示されるように、熱収縮チューブ2の内周面に熱収縮チューブ2の全長に亘って均一の厚みの接着剤3が設けられた止水チューブである。
ここでは、止水チューブ100を得るために、接着剤除去具5が用いられる。ここでは、図3,4に示されるように、接着剤除去具5は、円盤状のカッター51とカッター51を支持する支持棒52とを備える。ここでは、カッター51は、接着剤3を除去することが可能な全周に亘って厚みの薄い外縁部を有する。そして、円盤状のカッター51の外縁部の輪郭形状は、止水チューブ100Xの熱収縮チューブ2の部分の内径よりも小さく、接着剤3の部分の内径よりも大きい形状とされている。また、支持棒52は、円盤状のカッター51を回転可能に支持する部分である。
ここでは、接着剤除去具5を用いて、元の止水チューブ100Xの一端21から一部の領域に含まれる接着剤3の熱収縮チューブ2の径方向における厚みを薄くする工程が行われる。より具体的には、ここでは、円盤状のカッター51が回転状態のまま、接着剤除去具5が止水チューブ100Xの一端21から内部へ挿入され、円盤状のカッター51の外縁部によって接着剤3の一部が除去される。これにより、図5に示されるように、止水チューブ100Xのうち円盤状のカッター51が通過した部分では、その厚みが薄くなる。そして、円盤状のカッター51によって一部が除去された接着剤3の径方向における厚みが、円盤状のカッター51が通過していない部分における接着剤3の径方向における厚みよりも薄くなり、止水チューブ100を得ることができる。この場合、止水チューブ100Xのうち円盤状のカッター51が通された部分が、止水チューブ100の端部領域22を成す。また、止水チューブ100Xのうち円盤状のカッター51が通されていない部分が、止水チューブ100の中央領域23を成す。
なお、上記以外の方法によって止水チューブ100を得ることも考えられる。例えば、カッター51よりも分厚い円盤状のヘラを用いて、一端21から一部の領域に含まれる接着剤3を溶かしつつ、外部へ掻き出すことによって、止水チューブ100を得ることも考えられる。また、先端が曲がったL字状のヘラを用いて、一端21から一部の領域に含まれる接着剤3を削り取ることによって、止水チューブ100を得ることも考えられる。また、先端側にスリットが形成された金属の筒を外刃とし、この金属の筒の中で回転する刃を内刃として、金属の筒を接着剤3に押し当て一端21から一部の領域に含まれる接着剤3を切除することも考えられる。
次に、図6,7を参照しつつ、止水チューブ100を用いた電線モジュール製造方法について説明する。この電線モジュール製造方法によって得られる電線モジュール10では、端子付電線1における端子8と絶縁電線9の芯線91との接続部分の止水構造として収縮後の止水チューブ100が採用されている。まず、端子付電線1の構成について説明する。
絶縁電線9は、芯線91と芯線91の周囲を覆う絶縁被覆92とを備える。芯線91は、例えば、アルミニウム又は銅等の金属を主成分とする導体である。絶縁被覆92は、樹脂の絶縁部材である。絶縁被覆92は、例えば、例えば、ポリエチレン又は塩化ビニルなどを主成分とする合成樹脂の部材である。
端子付電線1においては、絶縁電線9の端部の芯線91の周囲の絶縁被覆92が除去される。そして、この絶縁電線9の端部の芯線91には、端子8が接続される。
端子8は、例えば、銅等の金属を主成分とする部材である。端子8は、端子8の一端88側に設けられ相手側部材に接続可能な接点部81と、接点部81よりも他端89側に設けられ絶縁電線9の端部の露出した芯線91に接続された芯線接続部82と、を含む。なお、ここでは、図6,7に示されるように、端子8は、絶縁被覆92に接続される被覆接続部83をさらに備える。
端子8の接点部81は、この端子8の接続相手である相手側部材に接続可能な部分である。相手側部材としては、例えば、端子台等が考えられる。ここでは、図6,7に示されるように、接点部81には、相手側部材に対しボルト締結を可能にするボルト孔810が形成されている。ボルト孔810は、相手側部材と固定される際にボルトが通される孔である。このため、仮に、止水チューブ100の収縮工程において溶融した接着剤3がこのボルト孔810の周囲に付着して固化すると、接着剤3がナット又は相手側部材と接触し、端子8と相手側部材との接続状態の不安定化が懸念される。
端子8の芯線接続部82は、絶縁電線9の端部の芯線91に接続される部分である。ここでは、芯線接続部82は、絶縁電線9の端部の芯線91に圧着可能な圧着片を含む。端子付電線1においては、芯線接続部82の圧着片が、絶縁電線9の端部の芯線91の周囲を覆う状態でかしめられる。なお、別の例として、芯線接続部が、絶縁電線9の端部の芯線91に超音波溶接等によって溶接される場合も考えられる。この場合、芯線接続部は、絶縁電線9の端部の芯線91を溶接可能な平板状に形成されていること等が考えられる。
また、端子8の被覆接続部83は、芯線接続部82よりも端子8の他端89側に設けられている。被覆接続部83は、絶縁電線9の絶縁被覆92に接続される部分であり、ここでは、絶縁被覆92に圧着可能な圧着片を含む。端子付電線1においては、被覆接続部83の圧着片が絶縁被覆92の周囲を覆う状態でかしめられる。
次に本実施形態の電線モジュール製造方法の詳細について説明する。電線モジュール製造方法は、止水チューブ配設工程と加熱工程とを備える。
止水チューブ配設工程は、図6に示されるように、絶縁電線9の芯線91と接続された端子8の芯線接続部82の周囲を、収縮前の止水チューブ100で覆う工程である。なお、図6に示されるように、止水チューブ配設工程では、止水チューブ100の端部領域22を端子8の接点部81側に位置させた状態で、端子8の芯線接続部82の周囲を覆うように収縮前の止水チューブ100が配設される。また、ここでは、収縮前の止水チューブ100は、端子8における被覆接続部83の周囲も覆うことが可能な大きさである。
本実施形態では、止水チューブ配設工程の後に、加熱工程が行われる。図7に示されるように、加熱工程は、収縮前の止水チューブ100が芯線接続部82の周囲を覆う状態でこの止水チューブ100を加熱し収縮させる工程である。
ここでは、端子8の芯線接続部82及び被覆接続部83の周囲を覆う状態の収縮前の止水チューブ100を、ヒーター等の加熱部4を用いて加熱する。これにより、止水チューブ100の接着剤3が溶融しつつ、熱収縮チューブ2が収縮する。そして、収縮後の熱収縮チューブ2の内部の隙間を溶融した接着剤3が埋め、この接着剤3が固化することで、端子8と芯線91との接続部分が収縮後の止水チューブ100によって止水される。
ここで、止水チューブ100の端部領域22では、比較的接着剤3の量が少ない。このため、溶融した接着剤3が、熱収縮チューブ2の一端21から端子8の接点部81側へ流れ出ることを抑制できる。これにより、接点部81のボルト孔810付近に接着剤3が付着することを抑制できる。
一方、本実施形態では、熱収縮チューブ2の他端29側には、接着剤3の量が比較的少ない端部領域22が設けられていない。このため、図7に示されるように、止水チューブ100の収縮後では、溶融した接着剤3が、熱収縮チューブ2の他端29から外部へ流れ出し、この状態で固化することが考えらえる。なお、熱収縮チューブ2の他端29側にも端部領域22を設けることで、止水に必要な接着剤3の量を抑制すること等も可能である。
<効果>
本実施形態では、中央領域23の内周面に接着剤3が設けられ、端部領域22の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、中央領域23の内周面に形成された接着剤3よりも熱収縮チューブ2の径方向において厚みの薄い接着剤3が設けられている。この場合、この止水チューブ100が加熱されて収縮する際に、熱収縮チューブ2の端部(ここでは、一端21側の端部)から溶融する接着剤が流出し難くなる。このため、この止水チューブ100を用いて端子8と芯線91との接続部分が止水される場合、熱収縮チューブ2の端部の開口を塞ぐ治具を不要とすることができる。このため、より簡単に熱収縮チューブ2の端部から接着剤3が流れ出ることを抑制できる。なお、端部領域の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、接着剤が設けられていない場合も考えられる。
本実施形態では、中央領域23の内周面に接着剤3が設けられ、端部領域22の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、中央領域23の内周面に形成された接着剤3よりも熱収縮チューブ2の径方向において厚みの薄い接着剤3が設けられている。この場合、この止水チューブ100が加熱されて収縮する際に、熱収縮チューブ2の端部(ここでは、一端21側の端部)から溶融する接着剤が流出し難くなる。このため、この止水チューブ100を用いて端子8と芯線91との接続部分が止水される場合、熱収縮チューブ2の端部の開口を塞ぐ治具を不要とすることができる。このため、より簡単に熱収縮チューブ2の端部から接着剤3が流れ出ることを抑制できる。なお、端部領域の内周面には、熱収縮チューブ2の周方向における少なくとも一部において、接着剤が設けられていない場合も考えられる。
また、本実施形態では、接着剤3は、熱収縮チューブ2の全長に亘って内周面全体に設けられ、端部領域22に設けられた接着剤3の熱収縮チューブ2の径方向における厚みが、中央領域23に設けられた接着剤3の径方向における厚みよりも小さい。この場合、熱収縮チューブ2の周方向において接着剤3が熱収縮チューブ2の内周面全体に設けられているため、端子8と芯線91との接続部分をより確実に止水できる。
また、本実施形態の電線モジュール製造方法では、止水チューブ100を用いるため、加熱工程の際に、熱収縮チューブ2の端部(ここでは、一端21側の端部)から溶融した接着剤3が流れ出ることが抑制される。その結果、端子8の接点部81のボルト孔810付近に接着剤3が付着することが抑制され、この端子8と相手側部材とをより確実に接続することが可能となる。また、本実施形態の電線モジュール製造方法においては、熱収縮チューブ2の端部の開口を塞ぐ治具が不要となり、より簡単に熱収縮チューブ2の端部から接着剤3が流れ出ることを抑制できる。
<変形例>
次に、図8,9を参照しつつ、第1変形例に係る止水チューブ100A及び第2変形例に係る止水チューブ100Bについて説明する。図8は、止水チューブ100Aの側方断面図である。図9は、止水チューブ100Bの端部領域22Bの断面図である。なお、図8,9において、図1〜7に示される構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符号が付されている。
次に、図8,9を参照しつつ、第1変形例に係る止水チューブ100A及び第2変形例に係る止水チューブ100Bについて説明する。図8は、止水チューブ100Aの側方断面図である。図9は、止水チューブ100Bの端部領域22Bの断面図である。なお、図8,9において、図1〜7に示される構成要素と同じ構成要素については、同じ参照符号が付されている。
図8に示されるように、止水チューブ100Aは、熱収縮チューブ2の周方向全周に亘って端部領域22Aの内周面に接着剤3が設けられていない点で実施形態と異なる。例えば、止水チューブ100Aは、止水チューブ100Xのうち、一端21から一部の領域の接着剤3が全て取り除かれることで得ることができる。
また、図9に示されるように、止水チューブ100Bにおいては、熱収縮チューブ2の端部領域22Bの内周面に、熱収縮チューブ2の周方向に沿う接着剤3が設けられた領域(接着剤領域3B)が、熱収縮チューブ2の周方向において複数間隔を空けて設けられている。
ここでは、図9に示されるように、4つの接着剤領域3Bが周方向において間隔を空けて設けられている事例が示されている。熱収縮チューブ2の周方向において、接着剤領域3B間には接着剤3が設けられていない。この場合も、端部領域22Bにおける接着剤3の量を、中央領域23に設けられた接着剤3の量よりも比較的少なくすることができる。
上記変形例においても、この止水チューブ100A,100Bが加熱されて収縮する際に、熱収縮チューブ2の端部(ここでは、一端21側の端部)から溶融する接着剤が流出し難くなる。このため、この止水チューブ100A,100Bを用いて端子8と芯線91との接続部分が止水される場合、熱収縮チューブ2の端部の開口を塞ぐ治具を不要とすることができる。このため、より簡単に熱収縮チューブ2の端部から接着剤3が流れ出ることを抑制できる。
なお、本発明に係る止水チューブ及び電線モジュール製造方法は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び変形例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び変形例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 端子付電線
10 電線モジュール
100 止水チューブ
2 熱収縮チューブ
21 一端
22 端部領域
23 中央領域
3 接着剤
8 端子
81 接点部
82 芯線接続部
88 一端
89 他端
9 絶縁電線
91 芯線
92 絶縁被覆
L 単位長さ
10 電線モジュール
100 止水チューブ
2 熱収縮チューブ
21 一端
22 端部領域
23 中央領域
3 接着剤
8 端子
81 接点部
82 芯線接続部
88 一端
89 他端
9 絶縁電線
91 芯線
92 絶縁被覆
L 単位長さ
Claims (3)
- 一方の端を含む端部領域及び長手方向において前記端部領域よりも中央側の中央領域を含む熱収縮チューブと、
少なくとも前記熱収縮チューブの前記中央領域の内周面に形成された熱可塑性の接着剤と、を備え、
前記端部領域の内周面には、前記熱収縮チューブの周方向における少なくとも一部において、前記中央領域の内周面に形成された前記接着剤よりも前記熱収縮チューブの径方向において厚みの薄い前記接着剤が設けられている若しくは前記接着剤が設けられていない、止水チューブ。 - 請求項1に記載の止水チューブであって、
前記接着剤は、前記熱収縮チューブの全長に亘って内周面全体に設けられ、
前記端部領域に設けられた前記接着剤の前記熱収縮チューブの径方向における厚みが、前記中央領域に設けられた前記接着剤の前記径方向における厚みよりも小さい、止水チューブ。 - 請求項1又は請求項2に記載の止水チューブを用いる電線モジュール製造方法であって、
芯線と前記芯線の周囲を覆う絶縁被覆とを備える絶縁電線と、一端側に設けられ相手側部材に接続可能な接点部と前記接点部よりも他端側に設けられ前記絶縁電線の端部の露出した前記芯線に接続された芯線接続部とを含む端子と、を備える端子付電線の前記芯線接続部の周囲を、前記止水チューブの前記熱収縮チューブの前記端部領域を前記接点部側に位置させて前記止水チューブで覆う止水チューブ配設工程と、
前記止水チューブが前記芯線接続部の周囲を覆う状態で前記止水チューブを加熱し収縮させる加熱工程と、を備える、電線モジュール製造方法。
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