JP2017075850A - 超音波検査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することを課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、前記被検体を通過した第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を受信し、前記受信した少なくとも一方の横波超音波の時間軸をシフトさせ、前記受信した波形と前記時間軸をシフトさせた波形とを比較して、前記比較した結果を表示することを特徴とする。
【選択図】 図13
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、前記被検体を通過した第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を受信し、前記受信した少なくとも一方の横波超音波の時間軸をシフトさせ、前記受信した波形と前記時間軸をシフトさせた波形とを比較して、前記比較した結果を表示することを特徴とする。
【選択図】 図13
Description
本発明は、超音波を用いて非破壊検査する超音波検査方法および装置に関する。
一般に、超音波検査では、被検体中を伝搬する超音波の音速は、その伝搬方向に関係なく一定であると仮定している。これは、金属のような多結晶体では各結晶の向きがランダムになっており、弾性係数がどの方向でも等しいと見なせるためである。しかしながら、一部の材料では、圧延集合組織や溶接凝固組織などのために結晶方位が揃う場合がある。その結果、超音波の振動方向、もしくは、超音波の伝播方向が異なると、伝播速度が変わる。これを音響異方性といい、アルミニウム合金板や圧延鋼板、オーステナイト系ステンレス鋼溶接部などでみられる。音響異方性は、超音波検査の検出感度を低下させる場合がある。
上記の課題に係る本技術分野の背景技術として、特開2001−83125号公報(特許文献1)がある。この文献では、振動方向が直交する2つの圧電材を積層させ、これらの圧電材に電圧を印加させることにより振動方向が直交する2つの超音波を発生させ、これらを合成させることで、任意の振動状態を持つ横波超音波を発生させ、この任意の振動状態を持つ横波超音波を用いて音響異方性を有する材料の音響異方向性の測定方法、および、その音響異方向性の測定結果を利用した材料劣化診断装置について記載されている。
特許文献1に記載のものは、直交する振動を持つ2つの超音波を同時に発生させて、音響異方性を測定し、底面エコーと被検体厚みから横波音速を測定することによって材料劣化診断を行うものであるが、内部欠陥検査に関する記載はない。
本発明では、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、前記被検体を通過した第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を受信し、前記受信した少なくとも一方の横波超音波の時間軸をシフトさせ、前記受信した波形と前記時間軸をシフトさせた波形とを比較して、前記比較した結果を表示することを特徴とする。
本発明によれば、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
図1から図24を用いて、本発明の実施例を説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、発明の内容が下記具体的態様に限定されるものではない。本発明は、下記態様を含めて種々の態様に変形することが無論可能である。
実施例1を説明する前に、図1から図4を用いて、被検体の内部欠陥を超音波検査する従来の技術について説明する。
図1に示すように、超音波検査では、超音波センサ1を被検体2に設置し、被検体2の内部に超音波を送信する。超音波センサ1から送信された超音波は、伝播経路3に示すように、被検体2の底面で反射して、再び超音波センサ1に戻る。図2に、図1の体系で得られる代表的な受信波形を示す。超音波センサ1自身の振動の影響による受信波である不感帯信号4と、底面エコー5が得られる。
一方、図3は、内部に欠陥6が存在する場合を示す。超音波センサ1から送信された超音波は、伝播経路7に示すように、欠陥6で反射して再び超音波センサ1に戻る。また、伝播経路3に示すように、被検体2の底面で反射して、再び超音波センサ1に戻る。図4に、図3の体系で得られる代表的な受信波形を示す。超音波センサ1自身の振動の影響による受信波である不感帯信号4と、底面エコー5に加え、欠陥からの欠陥エコー8が得られる。
次に、図5から図19を用いて、実施例1について説明する。図5から図10を用いて、被検体2が音響異方性を持つ場合についての超音波検査について説明する。
被検体2が、例えば、圧延材料のように音響異方性を持つ場合、圧延方向に平行な振動方向の横波と、圧延方向に直交する振動方向の横波とでは、被検体2中を伝播する超音波の速度が異なる。
図5(a)は、横波の振動方向が圧延方向と平行な場合を示す。超音波センサ1Aから送信された超音波は、被検体2の底面で反射して、再び超音波センサ1Aに戻る。このとき、音速×底面反射エコー受信時間から求めた被検体2の厚さを70Aとする。
図5(b)は、横波の振動方向が圧延方向と直交する場合を示す。このとき、音速は、振動方向が圧延方向と平行な場合よりも遅いとする。超音波センサ1Bから送信された超音波は、被検体2の底面で反射して、再び超音波センサ1Bに戻る。このとき、音速×底面反射エコー受信時間から求めた被検体2の厚さを70Bとする。
図5(a)と(b)で示すように、被検体2の物理的な厚さは同じでも、音速を考慮した厚さは、横波の振動方向が圧延方向と平行な場合と直交する場合で異なる。従って、横波の振動方向が圧延方向と平行な成分と直交する成分が存在する場合、図6に示すように二つの底面エコーが観測される。また、圧延集合組織の結晶界面などからも反射波が発生するため、底面以外からの反射波の強度10が、図2で示す異方性をもたない材料の場合(図2中の反射波の強度9)よりも、大きくなり、かつ、ランダム性が低下する。
図7(a)は、横波の振動方向が圧延方向と平行な場合で、かつ、欠陥6が存在する場合を示す。超音波センサ1Aから送信された超音波は、伝播経路7Aに示すように、欠陥6で反射して再び超音波センサ1Aに戻る。また、伝播経路3Aに示すように、被検体2の底面で反射して再び超音波センサ1Aに戻る。
図8に、図7(a)の体系で得られる代表的な受信波形を示す。超音波センサ1A自身の振動の影響による受信波4Aと、底面エコー5Aに加え、欠陥からの欠陥エコー8Aが得られる。
図7(b)は、横波の振動方向が圧延方向と直交する場合で、かつ、欠陥6が存在する場合を示す。超音波センサ1Bから送信された超音波は、伝播経路7Bに示すように、欠陥6で反射して、再び超音波センサ1Bに戻る。また、伝播経路3Bに示すように、被検体2の底面で反射して、再び超音波センサ1Bに戻る。
図9に、図7(b)の体系で得られる代表的な波形を示す。超音波センサ1B自身の振動の影響による受信波4Bと、底面エコー5Bに加え、欠陥からの欠陥エコー8Bが得られる。通常、図8と図9に示す波形は、図10に示すように重畳された形で観測される。
ここで、図11に、図8に示す波形と図9に示す波形の時刻を一致させた場合を示す。(図8での底面エコー受信時間40と図9での底面エコー受信時間41を合わせて示す。)また、図8に示す波形の時間幅(図8での底面エコー受信時間40)が、図8に示す波形の時間幅(図9での底面エコー受信時間41)と同じになるように、図9に示す波形を時間(底面エコーの受信時間差42)だけ圧縮した場合も示す。図9に示す波形と図10に示す波形では、超音波の振動方向が互いに直交しているため、厳密には同じにならないが、いずれも被検体2の同じ経路、すなわち、同じ結晶状態を通って伝播しているため、両者の波形は似たものになる。すなわち、図8に示す波形と図9に示す波形を時間(底面エコーの受信時間差42)だけ圧縮した波形は、ほぼ同じ波形になると考えてよい(なお、時間圧縮した際の底面エコー5B’となる。)。これら二つの波形を用いて、欠陥エコー8A(もしくは、時間圧縮した際の欠陥エコー8B’)を抽出する方法を考える。両者の波形はほぼ同じ波形であるため、平均化処理をしても、得られる結果は同じになる。また、欠陥エコーと圧延集合組織の結晶界面などで発生する反射エコーも両者で同様の相関があるため、相互相関処理による抽出は難しい。
そこで、図12に、図8に示す波形と図9に示す波形の時刻を一致させた場合と、図9に示す波形を欠陥エコーが同じ時刻で観察されるように時間シフト量43だけシフトさせた波形を示す。図9に示す波形で現れる欠陥エコー8Aと、図10に示す波形を時間シフト量43だけシフトさせた場合の欠陥エコー(なお、時間シフトした際の底面エコー5B’’と時間シフトした際の欠陥エコー8B’’と符合を表示。)では、厳密には、伝播速度が異なる分だけ広がり方が変わってしまう。一方、圧延集合組織の結晶界面などで発生する反射エコーは、もはや、異なる場所からのは反射エコーになっているので、両者の波形は異なったものとなる。従って、図8に示す波形と図9に示す波形を時間シフト量43だけシフトさせた波形で相互相関処理を実施すると、波形がよく一致する欠陥エコーの相互相関係数は高くなり、波形が一致しない圧延集合組織の結晶界面などで発生する反射エコーの相互相関係数は低くなる。その結果、感度よく欠陥エコーを抽出することが可能となる。これが、本実施例における、欠陥エコーを感度よく抽出するための基本的な考え方である。
ここで、上述の考え方で欠陥エコーを感度よく抽出するためには、何らかの方法で、同じ伝播経路を有し、振動方向が圧延方向と平行な超音波と、振動方向が圧延方向と直交する超音波で得られる波形を分離検出する必要がある。
図13に、実施例1における装置構成を示す。
送信部500、積層型超音波センサ501、受信部502、入力設定部201、表示部308、厚さ計測部604を有する。
入力設定部201で設定された条件に基づき、波形制御部202にて波形が設定され、波形発生器1と波形発生器2に送られる。波形発生器1(203)と波形発生器2(204)からの出力は、各々、パワーアンプ1(205)とパワーアンプ2(206)で増幅された後、超音波振動子1(207)、および、超音波振動子2(208)に送られる。超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)は、互いに直交する振動方向を有する。超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)から送信された超音波は、被検体2の中を伝播して、再び、超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)で受信される。
ここで、図14に示すように、超音波振動子1(207)から送信される超音波の振動方向(圧延方向に平行な軸に振動する超音波の振幅90)が、圧延方向80と平行の場合、送信される超音波も、受信される超音波も圧延方向80に平行な成分しか含まれないので、得られる波形は、図9に示すような波形になる。
同様に、図15に示すように、超音波振動子2(208)から送信される超音波の振動方向(圧延方向に直交する軸に振動する超音波の振幅91)が、圧延方向80と直交している場合、送信される超音波も、受信される超音波も圧延方向80に直交な成分しか含まれないので、得られる波形は、図10に示すような波形になる。
一方、図16に示すように、超音波振動子から送信される超音波の振動方向(圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅100)が、圧延方向80に対して角度θだけ傾斜している場合を考える。超音波振動子から送信される波のうち、圧延方向80と平行な成分(圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅を圧延方向に投射した際の振幅101)と、圧延方向80に直交する成分(圧延方向に対して傾斜した方向に振動する超音波の振幅を圧延方向と直交する方向に投射した際の振幅102)に分離して伝播する。
次に、図17に示すように、圧延方向80と平行な成分に起因する反射成分(圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅101’)と、圧延方向80に直交する成分に起因する反射成分(圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅102’)が超音波振動子に戻ってくるが、超音波振動子では、超音波振動子が持つ振動方向(圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅103)の成分しか電気信号に変換されない。したがって、101’を超音波振動子が持つ振動方向に投影した成分と、102’を超音波振動子が持つ振動方向に投影した成分(圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅104)が電気信号に変わる。但し、103と104は、同じ超音波振動子で電気信号に変換されるため、分離検出できない。
そこで、図18に示す積層型超音波センサ501を用いる。これは、振動方向が互いに直交した超音波振動子1(207)、および、超音波振動子2(208)を積層して構造になっている。このような構造にすると、いずれかの超音波振動子の振動方向が、圧延方向に平行(もしくは、直交)ではなく、傾斜していたとしても、直交する各々の成分は、分離されて検出できるため、図13に示すように、超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)からの信号を、各々、プリアンプ1(301)とプリアンプ2(302)で増幅して、さらに、AD変換機1(303)とAD変換機2(304)で変換してから、データロガー305などの波形収集機で収集すれば、圧延方向に平行な振動方向成分による波形と、圧延方向に直交する振動方向成分による波形を分離して検出することが可能となる。そして、波形変形部306で、前述のように、少なくとも一方の波形を時間シフトさせてから、比較部307で相互相関処理すれば、欠陥エコーを感度良く抽出できる。
ここで、超音波振動子1(207)で得られた底面エコーの観測時刻と、超音波振動子2(208)で得られた底面エコーの観測時刻から、被検体2の厚さを求めるには、各々の音速が必要となる。ところが、圧延集合組織の結晶状態の場所によるばらつきで、検査場所により音速がばらつき、求まる被検体2の厚さがばらつく。そこで、実施例1では、厚さ計測部604を備えており、予め厚さを測定するようにする。これより、一方の波形を時間シフトさせる場合、シフト量43を正しく設定することが可能となる。
なお、シフト量43は、欠陥6がどの深さにあるかで変わる。しかしながら、欠陥6はどの深さにあるかは分からない。そこで、シフト量43は、欠陥が全ての深さにあると想定して掃引する。すなわち、シフト量43の範囲にわたって所定のずれ量を設定して超音波振動子1(207)で得られた波形と超音波振動子2(208)で得られた波形をこのずれ量分だけずらしながら相互相関処理する。
本実施例によれば音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
図19に、実施例2における装置構成を示す。実施例1と異なる点は、被検体2の厚さを測定する厚さ計測部がないことである。そこで、シフト量43を掃引する際に、超音波の音速(伝播速度)を仮定し、その範囲において考えうる掃引幅を設定して掃引する。
本実施例によれば装置をより簡略化しながら、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
図20に、実施例3における装置構成を示す。実施例3と異なる点は、超音波振動子1(207)の一つだけを用い、かつ、超音波振動子1(207)が、回転部602により回転できる構造になっている点である。すなわち、超音波振動子1(207)の振動方方向と圧延方向を機械的に調整する。回転制御部601により回転部602を制御し、底面反射エコーが一つしか現れない角度(例えば、超音波振動子1(207)の振動方方向と圧延方向が互いに平行となる角度)に設定し検査を行う。
次に、回転制御部601により回転部602を制御し、超音波振動子1(207)を90度回転させる。つまり、超音波振動子1(207)の振動方方向と圧延方向が互いに直交する角度に設定し検査を行う。
そして、超音波振動子1(207)の振動方方向と圧延方向が互いに平行な場合に得られた波形と、超音波振動子1(207)の振動方方向と圧延方向が互いに直交する場合に得られた波形のうち、少なくとも一方の波形を時間シフトさせ、相互相関処理をする。このとき重要なことは、比較する波形は、同じ伝播経路、すなわち、同じ位置で取得された波形でなくてはならないと言うことである。超音波振動子1(207)を固定して、被検体2の回転角度を90度回転させて波形を取得する方法でもよいが、検査に時間を要する。そこで、実施例3においては、センサ位置判定部603により超音波振動子1(207)の位置を測定する。これにより、先ず、超音波振動子207をある角度で設定して被検体2の所望の範囲に対して波形を取得し、次に、超音波振動子1(207)の角度を90度回転させて、被検体2の所望の範囲に対して波形を取得する。そして、波形変形部306では、センサ位置判定部603からの位置情報を使い、同じ位置で取得された波形同士を比較する。なお、本実施例において、センサ位置判定部の設置が難しい場合には、超音波振動子1(207)の得られた全ての波形を、総当りで比較することで欠陥を求めることも可能である。
本実施例によれば超音波振動子が1つで良いため装置をより簡略化しながら、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
図21に、実施例4における装置構成を示す。また、図22にセンサの構成を示す。実施例1と異なる点は、超音波センサの構造である。実施例1では、2つの超音波振動子が積層構造であったが、実施例4では、並置構造となっている。そのため、2つの超音波振動子は、検査している場所が異なる。そこで、実施例3と同様に並置型超音波センサ503の位置を測定するセンサ位置判定部603が設けられている。
超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)の位置の違いは、予め把握できるので、波形変形部306では、超音波振動子207と超音波振動子208の位置がすれていることも考慮して、センサ位置判定部603からの位置情報を使い、同じ位置で取得された波形同士を比較する。なお、本実施例において、センサ位置判定部の設置が難しい場合には、超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)で得られた全ての波形を、総当りで比較することで欠陥を求めることも可能である。
本実施例によれば積層構造した場合より超音波の反射波強度がより安定した結果を取得可能しつつ、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
図23から図24に実施例5における装置構成を示す。図23に示すように、実施例5では、超音波振動子1(207)と超音波振動子2(208)を被検体2の対向面に配置する。
図24に図23の体系で得られる波形を示す。超音波振動子1(207)で得られた波形と、超音波振動子2(208)で得られた波形では、音速が異なり、かつ伝播方向が逆になる。そこで、実施例5では、超音波振動子1(207)で得られた波形と超音波振動子2(208)で得られた波形のうち、いずれかを時間反転し、かつ、時間シフト量43だけシフトさせた波形で相互相関処理を実施する。
なお、本実施例において、センサ位置判定部の設置が難しい場合には、超音波振動子1(207)で得られた波形と、超音波振動子2(208)でえられた波形を時間反転し、さらに、時間シフトした波形について、全ての位置で得られた波形を、総当りで比較することで欠陥を求めることも可能である。
本実施例によれば被検体の表裏面から検査を行うためより一層精度が向上し、音響異方性を持つ被検体の内部欠陥を高感度に検出することが可能となる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1、1A、1B:超音波センサ
2:被検体
3、3A、3B:伝播経路
4:不感帯信号
4A:受信波
4B:受信波
5、5A、5B:底面エコー
5B’:時間圧縮した際の底面エコー
5B’’:時間シフトした際の底面エコー
6:欠陥
7、7A、7B:伝播経路
8、8A、8B:欠陥エコー
8B’:時間圧縮した際の欠陥エコー
8B’’:時間シフトした際の欠陥エコー
40、41:底面エコー受信時間
42:底面エコーの受信時間差
43:時間シフト量
70:被検体の厚さ
70A、70B:音速を考慮した被検体の厚さ
80:圧延方向
81:圧延方向に平行な軸
82:圧延方向に直交する軸
90:圧延方向に平行な軸に振動する超音波の振幅
91:圧延方向に直交する軸に振動する超音波の振幅
100:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅
101:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅を圧延方向に投射した際の振幅
101’:圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅
102:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する超音波の振幅を圧延方向と直交する方向に投射した際の振幅
102’:圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅
103:圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅
104:圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅
105:超音波振動子の振動方向
201:入力設定部
202:波形制御部
203:波形発生器1
204:波形発生器2
205:パワーアンプ1
206:パワーアンプ2
207:超音波振動子1
208:超音波振動子2
301:プリアンプ1
302:プリアンプ2
303:AD変換機1
304:AD変換機2
305:データロガー
306:波形変形部
307:比較部
308:表示部
500:送信部
501:積層型超音波センサ
502:受信部
503:並置型超音波センサ
601:回転制御部
602:回転部
603:センサ位置判定部
604:厚さ計測部
2:被検体
3、3A、3B:伝播経路
4:不感帯信号
4A:受信波
4B:受信波
5、5A、5B:底面エコー
5B’:時間圧縮した際の底面エコー
5B’’:時間シフトした際の底面エコー
6:欠陥
7、7A、7B:伝播経路
8、8A、8B:欠陥エコー
8B’:時間圧縮した際の欠陥エコー
8B’’:時間シフトした際の欠陥エコー
40、41:底面エコー受信時間
42:底面エコーの受信時間差
43:時間シフト量
70:被検体の厚さ
70A、70B:音速を考慮した被検体の厚さ
80:圧延方向
81:圧延方向に平行な軸
82:圧延方向に直交する軸
90:圧延方向に平行な軸に振動する超音波の振幅
91:圧延方向に直交する軸に振動する超音波の振幅
100:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅
101:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する送信超音波の振幅を圧延方向に投射した際の振幅
101’:圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅
102:圧延方向に対して傾斜した方向に振動する超音波の振幅を圧延方向と直交する方向に投射した際の振幅
102’:圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅
103:圧延方向に平行な軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅
104:圧延方向に直交する軸に振動する受信超音波の振幅を送信超音波の振動方向に投影した際の振幅
105:超音波振動子の振動方向
201:入力設定部
202:波形制御部
203:波形発生器1
204:波形発生器2
205:パワーアンプ1
206:パワーアンプ2
207:超音波振動子1
208:超音波振動子2
301:プリアンプ1
302:プリアンプ2
303:AD変換機1
304:AD変換機2
305:データロガー
306:波形変形部
307:比較部
308:表示部
500:送信部
501:積層型超音波センサ
502:受信部
503:並置型超音波センサ
601:回転制御部
602:回転部
603:センサ位置判定部
604:厚さ計測部
Claims (10)
- 第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、
前記被検体を通過した第一振動方向を持つ横波超音波と第二振動方向を持つ横波超音波を受信し、
前記受信した少なくとも一方の横波超音波の時間軸をシフトさせ、
前記受信した波形と前記時間軸をシフトさせた波形とを比較して、
前記比較した結果を表示することを特徴とする超音波検査方法。 - 請求項1における超音波検査方法において、
前記送信は積層された複数の超音波探触子を用いて行われることを特徴とする超音波検査方法。 - 請求項1における超音波検査方法において、
前記送信は並置された複数の超音波探触子を用いて行われることを特徴とする超音波検査方法。 - 第一振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、
前記被検体を通過した第一振動方向を持つ横波超音波を受信し、
第二振動方向を持つ横波超音波を被検体に送信し、
前記被検体を通過した第二振動方向を持つ横波超音波を受信し、
前記受信した少なくとも一方の横波超音波の時間軸をシフトさせ、
前記受信した波形と前記時間軸をシフトさせた波形とを比較して、
前記比較した結果を表示することを特徴とする超音波検査方法。 - 請求項1における超音波検査方法において、
前記受信した少なくとも一方の横波超音波を時間反転させ、さらに、時間軸をシフトさせることを特徴とする超音波検査方法。 - 第1の超音波振動子と、
第2の超音波振動子と、
前記第1及び第2の超音波振動子で発生させる超音波の波形を設定する入力設定部と、
前記入力設定部からの信号に従い波形を制御する波形制御部と、
前記波形制御部からの信号に従い第1の超音波振動子で発生させる超音波の波形を生成する第1の波形生成器と、
前記波形制御部からの信号に従い第2の超音波振動子で発生させる超音波の波形を生成する第2の波形生成器と、
前記第1の波形生成器からの信号を増幅して第1の超音波振動子に電力を供給する第1のパワーアンプと、
前記第2の波形生成器からの信号を増幅して第2の超音波振動子に電力を供給する第2のパワーアンプと、
前記第1の超音波振動子で受信されて電気信号に変換された信号を増幅する第1のプリアンプと、
前記第2の超音波振動子で受信されて電気信号に変換された信号を増幅する第2のプリアンプと、
前記第1のプリアンプからの信号をデジタル化する第1のAD変換機と、
前記第2のプリアンプからの信号をデジタル化する第2のAD変換機と、
前記第1、および、第2のAD変換機からの信号を受信するデータロガーと、
前記データロガーで保存された第1、および、第2のAD変換機からの信号のうち、少なくとも一方の信号の時間軸をシフトさせる波形変形部と、
前記波形変形部で生成された波形を比較する比較部と、
前記比較結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする超音波検査装置。 - 請求項6における超音波検査装置において、
前記第1の超音波振動子と第2の超音波振動子が積層された構造であることを特徴とする超音波検査装置。 - 請求項6における超音波検査装置において、
前記第1の超音波振動子と第2の超音波振動子が並置された構造であることを特徴とする超音波検査装置。 - 超音波振動子と、
前記超音波振動子で発生させる超音波の波形を設定する入力設定部と、
前記入力設定部からの信号に従い波形を制御する波形制御部と、
前記波形制御部からの信号に従い超音波振動子で発生させる超音波の波形を生成する波形生成器と、
前記波形生成器からの信号を増幅して超音波振動子に電力を供給するパワーアンプと、
被検体から戻ってきた超音波が超音波振動子で受信されて電気信号に変換された信号を増幅するプリアンプと、
前記プリアンプからの信号をデジタル化するAD変換機と、
前記AD変換機からの信号を受信するデータロガーと、
前記超音波振動子の回転姿勢を変更する回転部と、
前記入力設定部からの信号に従い回転部の回転量を制御する回転制御部と
前記超音波振動子の座標を測定するセンサ位置判定部と、
被検体の厚さを測定する厚さ測定部と
前記データロガーで保存されたAD変換機からの信号のうち、同じセンサ位置で、センサの回転姿勢が90度異なる波形の少なくとも一方の信号の時間軸を、厚さ計測部からの情報に基づき時間シフトさせる波形変形部と、
前記波形変形部で生成された波形を比較する比較部と、
前記比較結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする超音波検査装置。 - 第1の超音波振動子と、
第2の超音波振動子と、
前記第1及び第2の超音波振動子で発生させる超音波の波形を設定する入力設定部と、
前記入力設定部からの信号に従い波形を制御する波形制御部と、
前記波形制御部からの信号に従い第1の超音波振動子で発生させる超音波の波形を生成する第1の波形生成器と、
前記波形制御部からの信号に従い第2の超音波振動子で発生させる超音波の波形を生成する第2の波形生成器と、
前記第1の波形生成器からの信号を増幅して第1の超音波振動子に電力を供給する第1のパワーアンプと、
前記第2の波形生成器からの信号を増幅して第2の超音波振動子に電力を供給する第2のパワーアンプと、
被検体から戻ってきた超音波のうち、第1の超音波振動子で受信されて電気信号に変換された信号を増幅する第1のプリアンプと、
被検体から戻ってきた超音波のうち、第2の超音波振動子で受信されて電気信号に変換された信号を増幅する第2のプリアンプと、
前記第1のプリアンプからの信号をデジタル化する第1のAD変換機と、
前記第2のプリアンプからの信号をデジタル化する第2のAD変換機と、
これら第1、および、第2のAD変換機からの信号を受信するデータロガーと、
データロガーで保存された第1、および、第2のAD変換機からの信号のうち、少なくとも一方の信号を時間反転させ、さらに、時間軸をシフトさせる波形変形部と、
前記波形変形部で生成された波形を比較する比較部と、
前記比較結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする超音波検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015203342A JP2017075850A (ja) | 2015-10-15 | 2015-10-15 | 超音波検査方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015203342A JP2017075850A (ja) | 2015-10-15 | 2015-10-15 | 超音波検査方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017075850A true JP2017075850A (ja) | 2017-04-20 |
Family
ID=58551052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015203342A Pending JP2017075850A (ja) | 2015-10-15 | 2015-10-15 | 超音波検査方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017075850A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114402197A (zh) * | 2019-05-21 | 2022-04-26 | P & L管道测量有限责任公司 | 用于使用emat产生的剪切波进行管道检查的设备和方法 |
-
2015
- 2015-10-15 JP JP2015203342A patent/JP2017075850A/ja active Pending
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CN114402197A (zh) * | 2019-05-21 | 2022-04-26 | P & L管道测量有限责任公司 | 用于使用emat产生的剪切波进行管道检查的设备和方法 |
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