以下に添付図面を参照して、この発明に係る自動ドアの開閉制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、対象空間における開閉対象領域の開閉を行うためのドアの開閉制御を行う自動ドアの開閉制御システムに関するものである。
ここで、「対象空間」とは、自動ドアが設置される対象となる空間を意味し、例えば、公共施設(又は、商業施設、オフィスビル)に設けられたトイレブース、更衣室、会議室等を含める概念である。また、「開閉対象領域」とは、対象空間の領域のうち、ドアによって開閉される対象となる領域であり、例えば、対象空間の周囲を覆う側壁に形成された開口部等を含む概念である。また、「ドア」は、対象空間の開閉対象領域の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味し、例えば、自動ドア用のドア等を含む概念である。また、ドアの開閉方向は任意であり、例えば左右方向等を含む概念である。また、ドアの開閉構造は任意であり、例えば、片開式の戸、両開式の戸、片引式の戸、引分式の戸、折畳式の戸として構成することができる。また、「ドアの開閉制御」とは、ドアを開閉移動させるための制御を意味する。また、「ドアの開閉状態」とは、例えば、ドアによって開閉対象領域を全閉した「全閉状態」と、ドアによって開閉対象領域を全開した「全開状態」と、全閉状態と全開状態との間の状態である「非全開閉状態」とを含む概念である。また、「ドアの位置」とは、例えば、「全閉位置」と、「全開位置」と、非全開閉状態に対応する「非全開閉位置」とを含む概念である。また、「非全開閉位置」とは、「基準位置」と、「非基準位置」とを含む概念である。このうち、「基準位置」とは、ドアの開閉制御を行う上で基準となる位置を意味する。また、「非基準位置」とは、非全開閉位置のうち、基準位置以外の位置を意味する。以下、実施の形態では、自動ドアのドアがトイレブース(対象空間)の開口部(開閉対象領域)に設けられた片開式の内開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る自動ドアの開閉制御システムの構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を開閉制御システムの左右方向(−X方向を開閉制御システムの左方向、+X方向を開閉制御システムの右方向)、図1のY方向を開閉制御システムの前後方向(+Y方向を開閉制御システムの前方向(トイレブースの室外側の方向)、−Y方向を開閉制御システムの後方向(トイレブースの室内側の方向))、X方向及びY方向に直交する方向を上下方向(図1の紙面の手前側に至る方向を開閉制御システムの上方向、図1の紙面の奥側に至る方向を開閉制御システムの下方向)と称する。
図1に示すように、開閉制御システム1は、概略的に、自動ドア10を備えて構成されている。また、トイレブース2には便器3が設けられている。ここで、このトイレブース2は、図1に示すように、複数の側壁4によって周囲が覆われている。具体的には、これら複数の側壁4は、前側壁21、後側壁22、左側壁23、及び右側壁24から構成されており、さらに前側壁21は、後述するドア30の戸先側に位置する戸先側側壁21a、及び後述するドア30の戸尻側に位置する戸尻側側壁21bから構成されている。そして、戸先側側壁21aと戸尻側側壁21bとの相互間に開口部5が設けられている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア)
まず、自動ドア10の構成について説明する。図1、図2に示すように、この自動ドア10は、トイレブース2に設けられたものであり、概略的に、ドア30、ヒンジ部40、開閉駆動部50、電気錠60、及び制御装置70を備えて構成されている。ただし、自動ドア10に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、後述する自動ドア10を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−ドア)
ドア30は、トイレブース2の開口部5を開閉するための平板状の開閉体である。このドア30は、鋼材(例えばスチール、ステンレス等)を用いて構成されたドア枠及び表面材を備えており(いずれも図示省略)、具体的には、ドア枠は、正面形状が矩形環状となるように形成されていると共に、表面材は、ドア枠の見込み方向(前後方向)の側面全体を覆うように設けられ、ドア枠に対して接着剤又は両面テープ等によって固定されている。
また、ドア30には、把手、第1戸当り部、及び第2戸当り部が設けられている(いずれも図示省略)。把手は、ユーザがドア30の開閉操作を手動で行うためのものであり、ドア30の室内側の側面における戸先側に配置され、ドア30に対して固定具等によって固定されている。第1戸当り部は、ドア30を開放移動させた場合にドア30がトイレブース2の右側壁24と接触することを防止するためのものであり、ドア30の室内側の側面の上方側に配置され、ドア30に対して固定具等によって固定されている。また、この第1戸当り部の設置位置については、実施の形態では、ドア30の位置が全開位置となる場合にのみ、右側壁24と接触する位置に設定されている。第2戸当り部は、ドア30を閉鎖移動させた場合にドア30が全閉位置よりも室外側に移動することを防止するためのものであり、ドア30の上端部に配置され、ドア30に対して固定具等によって固定されている。また、この第2戸当り部の設置位置については、実施の形態では、ドア30の位置が全閉位置となる場合にのみ、戸先側側壁21aと接触する位置に設定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−ヒンジ部)
ヒンジ部40は、ドア30を戸尻側側壁21bに対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部40は、公知のトイレブース用ドアの中心吊ヒンジ等を用いて構成されており、ドア30の戸尻側の上端部及び下端部にそれぞれ設けられ、ドア30及び戸尻側側壁21bに対して固定具により連結されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−開閉駆動部)
開閉駆動部50は、電動でドア30を開閉移動させるための開閉駆動手段である。この開閉駆動部50は、例えば、公知の開き戸式の自動ドア用の開閉駆動部を用いて構成されており、ドア30の内部(例えば、ドア30の内部における戸先側の上部等)に設けられ、ドア30に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−電気錠)
電気錠60は、ドアを電動で施錠するための装置である。この電気錠60は、ドア30に取り付けられており、デッドボルトと、デッドボルトの出し入れを手動操作するための操作部(例えばサムターン等)とを備えている(いずれも図示省略)。ここで、電気錠60の施錠動作については、実施の形態では、電気錠60の電動動作又はユーザによる操作部の手動操作により、デッドボルトをドア30の戸先側の側面から出し入れすることができる。これにより、ドア30の位置が全閉位置である場合において、このデッドボルトをドア30の戸先側側壁21aに設けられたデッドボルト受け(図示省略)に係止させることで、ドア30を施錠することができると共に、このデッドボルトをデッドボルト受けに係止させないことで、ドア30を解錠することができる。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置)
制御装置70は、ドア30の開閉制御を行う装置であり、図1、図2に示すように、操作部(図示省略)、外側開放動作検知部71、内側閉鎖動作検知部72、内側開放動作検知部73、手動開放操作検知部74、手動閉鎖操作検知部75、内側ユーザ検知部76、ドア位置検知部77、施解錠検知部78、出力部79、及び制御ユニット80を備えている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−操作部)
操作部は、制御装置70に対する操作入力を受け付けるものであり、制御装置70又は開閉駆動部50の電源のON又はOFFを切り替える電源スイッチ(図示省略)を備えている。また、この操作部は、トイレブース2の側壁4における室外側の側面に設けられており、側壁4に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−外側開放動作検知部)
外側開放動作検知部71は、外側開放動作を検知する外側開放動作検知手段である。ここで、「外側開放動作」とは、外側ユーザによって行われる動作であって、ドア30の開放移動(自動的に開放移動)を開始するトリガとなる動作である。この「外側開放動作」は、例えば、外側開放動作検知部71に対して外側ユーザの体の一部(例えば、手等)をかざす動作等を含む概念である(なお、後述する内側閉鎖動作、後述する内側開放動作についても同様とする)。また、「外側ユーザ」とは、トイレブース2の外側(室外側)に存在するユーザである。この外側開放動作検知部71は、例えば近赤外線反射式のセンサ等の公知の非接触式の検知センサを用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の戸先側側壁21a(又は戸尻側側壁21b)における室外側の側面に設けられており、戸先側側壁21a(又は戸尻側側壁21b)に対して固定具等によって固定されている。なお、この外側開放動作検知部71については、接触式の検知センサを採用することも可能であるが、衛生面上の観点からすると非接触式の検知センサの方が好ましいことから、実施の形態では非接触式の検知センサを採用している(なお、後述する内側閉鎖動作検知部72、及び後述する内側開放動作検知部73についても同様とする)。
また、この外側開放動作検知部71が近赤外線反射式のセンサである場合の検知動作については、例えば、外側開放動作検知部71から送信された赤外線が外側ユーザによって反射され、当該反射された赤外線が外側開放動作検知部71によって受信された場合には、外側開放動作が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「外側開放動作信号」と称する)を出力する。一方、外側開放動作検知部71から送信された赤外線が通路(図示省略)を介してトイレブース2と対向する側に位置する壁面(図示省略)によって反射され、当該反射された赤外線が外側開放動作検知部71によって受信された場合には、外側開放動作信号を出力しない(なお、後述する内側閉鎖動作検知部72の検知動作、後述する内側開放動作検知部73の検知動作、後述する内側ユーザ検知部76の検知動作についても同様とする)。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−内側閉鎖動作検知部)
内側閉鎖動作検知部72は、内側閉鎖動作を検知する内側閉鎖動作検知手段である。ここで、「内側閉鎖動作」とは、内側ユーザによって行われる動作であって、ドア30の閉鎖移動(自動的に閉鎖移動)を開始するトリガとなる動作である。また、「内側ユーザ」とは、トイレブース2の内側(室内側)に存在するユーザである。この内側閉鎖動作検知部72は、例えば近赤外線反射式のセンサ等の公知の非接触式の検知センサを用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の左側壁23における室内側の側面に設けられており、左側壁23に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−内側開放動作検知部)
内側開放動作検知部73は、内側開放動作を検知する内側開放動作検知手段である。ここで、「内側開放動作」とは、内側ユーザによって行われる動作であって、ドア30の開放移動(自動的に開放移動)を開始するトリガとなる動作である。この内側開放動作検知部73は、例えば近赤外線反射式のセンサ等の公知の非接触式の検知センサを用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の左側壁23における室内側の側面に設けられており、左側壁23に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−手動開放操作検知部)
手動開放操作検知部74は、手動開放操作を検知する手動開放操作検知手段である。ここで、「手動開放操作」とは、外側ユーザ又は内側ユーザによって行われる動作であって、ドア30の開放移動(手動で開放移動)を開始するトリガとなる動作である。この「手動開放操作」は、例えば、ドア30を手動で開放移動させる動作等を含む概念である。この手動開放操作検知部74は、例えばロータリーエンコーダー等の公知の検知センサを用いて構成されており、自動ドア10の開閉駆動部50の近傍位置に設けられており、開閉駆動部50に対して固定具等によって固定されている。
また、この手動開放操作検知部74がロータリーエンコーダーである場合の検知動作については、例えば、ドア30を現在の位置から開放移動させた場合におけるヒンジ部40の回転角度が所定量に達していない場合には、手動開放操作が検知された旨を示す情報を含む信号(以下、「手動開放操作信号」と称する)を出力しないものの、上記ヒンジ部40の回転角度が所定量に達した場合には、手動開放操作信号を出力する(後述する手動閉鎖操作検知部75の検知動作についても同様とする)。なお、上述した「外側開放動作検知部71」と「手動開放操作検知部74」とは、特許請求の範囲における「外側開放動作検知手段」に対応する。また、上述した「内側開放動作検知部73」と「手動開放操作検知部74」とは、特許請求の範囲における「内側開放動作検知手段」に対応する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−手動閉鎖操作検知部)
手動閉鎖操作検知部75は、手動閉鎖操作を検知する手動閉鎖操作検知手段である。ここで、「手動閉鎖操作」とは、外側ユーザ又は内側ユーザによって行われる動作であって、ドア30を手動で閉鎖移動を開始するトリガとなる動作である。この「手動開放操作」は、例えば、ドア30を手動で閉鎖移動させる動作等を含む概念である。この手動閉鎖操作検知部75は、例えば、ロータリーエンコーダー等の公知の検知センサを用いて構成されており、自動ドア10の開閉駆動部50の近傍位置に設けられており、開閉駆動部50に対して固定具等によって固定されている。なお、上述した「内側閉鎖動作検知部72」と「手動閉鎖操作検知部75」とは、特許請求の範囲における「内側閉鎖動作検知手段」に対応する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−内側ユーザ検知部)
内側ユーザ検知部76は、内側ユーザがトイレブース2内(トイレブース2の室内側)に存在するか否かを検知する内側ユーザ検知手段である。この内側ユーザ検知部76は、例えば近赤外線反射式のセンサ等の公知の非接触式の検知センサを用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の右側壁24(又は天井面)における室内側の側面に設けられており、右側壁24(又は天井面)に対して固定具等によって固定されている。なお、上述した「外側開放動作検知部71」、「内側閉鎖動作検知部72」、「内側開放動作検知部73」、「手動開放操作検知部74」、「手動閉鎖操作検知部75」、及び「内側ユーザ検知部76」とは、特許請求の範囲における「検知手段」に対応する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−ドア位置検知部)
ドア位置検知部77は、ドア30の位置を検知するドア位置検知手段である。このドア位置検知部77は、例えばロータリーエンコーダー等の公知の検知センサを用いて構成されており(実施の形態では、手動開放操作検知部74、手動閉鎖操作検知部75、及びドア位置検知部77を兼用するロータリーエンコーダーで構成されている)、自動ドア10の開閉駆動部50の近傍位置に設けられており、開閉駆動部50に対して固定具等によって固定されている。
また、このドア位置検知部77がロータリーエンコーダーである場合の検知動作については、例えば、ヒンジ部40の回転角度に応じて出力されるパルス数をカウント手段(図示省略)にて原点位置(実施の形態では、全閉位置)からカウントし、当該カウントされたカウント値を示す情報を含む信号(以下、「ドア位置検知信号」と称する)を出力する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−施解錠検知部)
施解錠検知部78は、ドア30の施錠状態を検知する施解錠検知手段である。この施解錠検知部78は、マイクロスイッチ等の公知の検知センサを用いて構成されており、電気錠60の内部に設けられており、電気錠60に対して固定具等によって固定されている。なお、この施解錠検知部78は、電気錠60の内部に設けられていることに限られず、例えば、戸先側側壁21aのデッドボルト受けの近傍位置に設けられてもよい。
また、施解錠検知部78がマイクロスイッチである場合の検知動作については、例えば、電気錠60のデッドボルトが外部に出ている場合には、施錠されている旨を示す情報を含む信号(以下、「施錠信号」と称する)を出力する。一方、デッドボルトが外部に出ていない場合には、解錠されている旨を示す情報を含む信号(以下、「解錠信号」と称する)を出力する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−出力部)
出力部79は、後述する制御ユニット80の制御部83の制御に基づいて各種の情報を出力する出力手段であり、図1に示すように、使用状況表示灯79aと、施錠状態表示灯79bとを備えている。
使用状況表示灯79aは、トイレブース2の使用状況を表示する表示灯である。ここで、「トイレブース2の使用状況」とは、例えば、内側ユーザの存在の有無を示す在室状況、トイレブース2の室内側における異常発生の有無を示す異常状況等を含む概念である。また、「トイレブース2の室内側における異常発生」とは、例えば、トイレブース2の室内側において内側ユーザが転倒等することによって意識を失っていること等が該当する。この使用状況表示灯79aは、例えばLED等の公知の表示手段等を用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の戸先側側壁21a(又は戸尻側側壁21b)における室外側の側面に設けられており、戸先側側壁21a(又は戸尻側側壁21b)に対して固定具等によって固定されている。
施錠状態表示灯79bは、ドア30の施錠状態を表示する表示灯である。この施錠状態表示灯79bは、例えばLED等の公知の表示手段等を用いて構成されており、図1に示すように、トイレブース2の戸尻側側壁21b(又は戸先側側壁21a)における室内側の側面に設けられており、戸尻側側壁21b(又は戸先側側壁21a)に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−制御ユニット)
制御ユニット80は、制御装置70を制御するためのユニットであり、図2に示すように、通信部81、電源部82、制御部83、及びデータ記録部84を備えて構成されている。また、この制御ユニット80は、トイレブース2の室内側の天井面(又は側壁4の上方側)において開閉駆動部50の近傍位置に設けられており、天井面(又は側壁4)に対して固定具等によって固定されている。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−制御ユニット−通信部)
通信部81は、開閉駆動部50、電気錠60、外側開放動作検知部71、内側閉鎖動作検知部72、内側開放動作検知部73、手動開放操作検知部74、手動閉鎖操作検知部75、内側ユーザ検知部76、ドア位置検知部77、施解錠検知部78、及び出力部79との間で配線(図示省略)を介して通信を行うための通信手段である。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−制御ユニット−電源部)
電源部82は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、配線を介して制御装置70の各部に供給すると共に、配線を介して開閉駆動部50にも供給する電源手段である。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−制御ユニット−制御部)
制御部83は、制御装置70の各部を制御する制御手段である。この制御部83は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
また、この制御部83は、機能概念的に、判定部83a及び開閉制御部83bを備えている。判定部83aは、ドア30の位置を判定する判定手段である。開閉制御部83bは、非全開閉状態に対応するドア30の位置を基準位置として、外側開放動作検知部71、内側閉鎖動作検知部72、内側開放動作検知部73、手動開放操作検知部74、手動閉鎖操作検知部75、及び内側ユーザ検知部76の検知結果及び判定部83aの判定結果に基づいてドア30の開閉制御を行う開閉制御手段である。ここで、この基準位置の具体的な位置については任意であるが、実施の形態においては、少なくとも外側ユーザがドア30の見込み方向(前後方向)からトイレブース2を見た場合にドア30によって便器3全体が隠れる位置であり、且つ、ドア30を最大限開いた位置に設定されており、例えば、図1に示すように、ドア30を全閉位置から22.5度回転させた位置に設定されている。なお、上述した「ドア位置検知部77」、及び「判定部83a」とは、特許請求の範囲における「判定手段」に対応する。また、この制御部83によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−開閉制御システム−自動ドア−制御装置−制御ユニット−データ記録部)
データ記録部84は、制御装置70の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
(構成−便器)
続いて、便器3の構成について説明する。便器3は、ユーザの大小便を受けるものであり、トイレブース2の室内側においてドア30の開閉移動を妨げない位置(トイレブース2の後方側の位置)に設けられている。なお、便器3に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
(処理)
次に、このように構成された制御装置70によって実行される処理について説明する。この制御装置70によって実行される処理は、開閉処理と掃除処理とに大別される。以下、開閉処理と掃除処理とのそれぞれについて説明する。
(処理−開閉処理)
まず、開閉処理について説明する。以下の説明では、図3から図12に示す各処理の説明ではステップを「S」と略記する。開閉処理は、自動ドア10におけるドア30の開閉制御を行うための処理である。この開閉処理においては、概略的には、ドア30を開閉移動させるために、開閉駆動部50を電動駆動させる処理が行われる。また、この開閉処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉駆動部50及び制御装置70の電源が操作部の電源スイッチを介して投入された後に起動されるものとして説明する。また、ドア30の位置のうち、全閉位置及び全開位置の設定については、実施の形態では、後述するように、図6に示す初期動作処理によって設定されるものとする。また、基準位置の設定については、実施の形態では、図6に示す後述する初期動作処理にて特定された全閉位置に対応するカウント値に、管理者によって操作部を介して制御装置70のデータ記録部84に入力された値を加算した値(以下、「基準位置に対応する設定値」と称する)に対応するドア30の位置が、基準位置として設定されるものとする。
開閉処理が起動されると、図3に示すように、最初に、初期動作処理の終了後に、ドア30を全開位置から基準位置まで開放移動させるために、制御部83はSA1からSA11の処理を行う。
まず、SA1において制御部83は、図6に示す初期動作処理を起動し、当該初期動作処理の終了後にSA2に移行する。なお、後述するように、SA1の処理後においては、ドア30の位置が全開位置となると共に、不使用情報を使用状況表示灯79aに出力させると共に、施錠状態表示灯79bを消灯させる(特に、使用状況表示灯79a及び施錠状態表示灯79bの出力については、後述するSB1にて解錠信号が受信された直後に行われる)。ここで、「不使用情報」とは、トイレブース2が使用されていない旨を示す情報である。また、この不使用情報の出力方法については任意であるが、例えば、使用状況表示灯79aを青色で点灯させてもよい。
SA2において開閉制御部83bは、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。ここで、「内側開放動作信号」とは、内側開放動作が検知された旨を示す情報を含む信号である。そして、開閉制御部83bは、内側開放動作信号が受信されていない場合(SA2、No)にはSA3に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SA2、Yes)には後述する図4のSA12に移行する。
SA3において開閉制御部83bは、外側開放動作検知部71から送信される外側開放動作信号、又は、手動開放操作検知部74から送信される手動開放操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されていない場合(SA3、No)にはSA4に移行し、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されている場合(SA3、Yes)には後述する図5のSA16に移行する。
SA4において開閉制御部83bは、内側閉鎖動作検知部72から送信される内側閉鎖動作信号、又は、手動閉鎖操作検知部75から送信される手動閉鎖操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。ここで、「内側閉鎖動作信号」とは、内側閉鎖動作が検知された旨を示す情報を含む信号である。また、「手動閉鎖操作信号」とは、手動閉鎖操作が検知された旨を示す情報を含む信号である。そして、開閉制御部83bは、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されていない場合(SA4、No)にはSA5に移行し、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されている場合(SA4、Yes)には図7に示す内側閉動作検知後処理(SA6)を起動する。
SA5において開閉制御部83bは、ドア30の位置が基準位置になるまでドア30を開放移動又は閉鎖移動させるように開閉制御する。例えば、図6に示す初期動作処理としてドア30の位置を全開位置とした場合に、開閉制御部83bはドア30を閉鎖移動させるように開閉制御する。
SA7において開閉制御部83bは、内側閉鎖動作検知部72から送信される内側閉鎖動作信号、又は、手動閉鎖操作検知部75から送信される手動閉鎖操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されていない場合(SA7、No)にはSA8に移行し、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されている場合(SA7、Yes)には図7に示す内側閉動作検知後処理(SA6)を起動する。
SA8において開閉制御部83bは、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側開放動作信号が受信されていない場合(SA8、No)にはSA9に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SA8、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動して後述するSD3に移行する。
SA9において開閉制御部83bは、外側開放動作検知部71から送信される外側開放動作信号、又は、手動開放操作検知部74から送信される手動開放操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されていない場合(SA9、No)にはSA10に移行し、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されている場合(SA9、Yes)には図10に示す外側開動作検知後処理(SA11)を起動する。
SA10において判定部83aは、ドア位置検知部77の検知結果に基づいて、ドア30の位置が基準位置であるか否かを判定する。このドア30の位置が基準位置であるか否かの判定については任意であるが、例えば、実施の形態においては、ドア位置検知部77からドア位置検知信号に含まれるカウント値が、上記基準位置に対応する設定値のいずれかと一致するか否かを判定し、一致する場合にはドア30の位置が基準位置であると判定し、一致しない場合にはドア30の位置が基準位置でないと判定する(なお、後述するSC13についても同様とする)。そして、判定部83aは、ドア30の位置が基準位置であると判定されていない場合(SA10、No)にはSA5に移行し、ドア30の位置が基準位置であると判定された場合(SA10、Yes)にはSA7に移行する。
これらの処理により、初期動作処理の終了後に、ドア30の位置が全開位置から基準位置となるようにドア30を閉鎖移動させることができる。特に、SA2からSA4、SA7からSA9の検知結果に基づいてドア30を開放移動(又は閉鎖移動)させることができ、ユーザによる各種動作又は各種操作が行われていないことを確認しながらドア30の開閉制御を行うことが可能となる。なお、SA10の処理後、SA7からSA10の処理が繰り返される場合において、SA7にて内側ユーザが手動閉鎖操作を行うことにより手動閉鎖操作検知部75から手動閉鎖操作信号を受信しているにも関わらず、ドア30の故障等によってドア30の位置が全閉位置となるまでドア30を閉鎖移動させることができない場合に、ドア位置検知部77から受信されたドア位置検知信号に基づいてドア30の位置が全閉位置でないと特定されている状態で、手動閉鎖操作検知部75から手動閉鎖操作信号が所定回数(例えば10回等)連続して受信された場合には、制御部83は後述するエラー処理を行った後、開閉処理を終了してもよい(なお、後述するSA13、後述するSA17、後述するSD5、後述するSE3の処理についても同様とする)。また、SA9にて外側ユーザが手動開放操作を行うことにより手動開放操作検知部74から手動開放操作信号を受信しているにも関わらず、ドア30の故障等によってドア30の位置が全開位置となるまでドア30を開放移動させることができない場合に、ドア位置検知部77から受信されたドア位置検知信号に基づいてドア30の位置が全開位置でないと特定されている状態で、手動開放操作検知部74から手動開放操作信号が所定回数(例えば10回等)連続して受信された場合には、制御部83は後述するエラー処理を行った後、開閉処理を終了してもよい(なお、後述するSC3、後述するSC7、後述するSC12の処理についても同様とする)。
次に、図3のSA2の処理において、内側開放動作信号が受信されている場合には、例えば、トイレブース2の室内側にユーザが存在している可能性が考えられる。このことから、ユーザがトイレブース2から退室したことを確認した後にドア30を全開位置から基準位置まで閉鎖移動できるように、図4に示すように、制御部83はSA12からSA15の処理を行う。
まず、SA12において開閉制御部83bは、外側開放動作検知部71から外側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、外側開放動作信号が受信されなくなるまで待機し(SA12、Yes)、外側開放動作信号が受信されなくなると(SA12、No)SA13に移行する。
SA13において開閉制御部83bは、内側閉鎖動作検知部72から送信される内側閉鎖動作信号、又は、手動閉鎖操作検知部75から送信される手動閉鎖操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されていない場合(SA13、No)にはSA14に移行し、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されている場合(SA13、Yes)には図7に示す内側閉動作検知後処理(SA6)を起動する。
SA14において開閉制御部83bは、内側ユーザ検知部76から内側ユーザ検知信号を受信しているか否かを判定する。ここで、「内側ユーザ検知信号」とは、トイレブース2の室内側に内側ユーザが存在する旨を示す情報を含む信号である。そして、開閉制御部83bは、内側ユーザ検知信号が受信されていない場合(SA14、No)にはSA15に移行し、内側ユーザ検知信号が受信されている場合(SA14、Yes)にはSA13に移行する。
SA15において開閉制御部83bは、SA12の外側開放動作信号が受信されていないと判定された時点のタイミングから所定時間(例えば2〜3sec等)が経過したか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、上記所定時間が経過したと判定されていない場合(SA15、No)にはSA13に移行し、上記所定時間が経過したと判定された場合(SA15、Yes)には図3のSA5に移行する。
このような処理により、ユーザがトイレブース2から退室したことを確認した後にドア30を全開位置から基準位置まで閉鎖移動させることができるので、次のユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
次に、図3のSA3の処理において、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されている場合には、例えば、トイレブース2を使用する意図のない者がいたずら目的で外側開放動作又は手動開放操作を行っただけでトイレブース2に入室していない可能性が考えられる。このことから、いたずらの有無を確認してからドア30を全開位置から基準位置まで閉鎖移動できるように、図5に示すように、制御部83はSA16からSA19の処理を行う。なお、図5のSA16からSA18は、図4のSA12からSA14とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
図5に示すように、SA19において開閉制御部83bは、SA16の外側開放動作信号が受信されていないと判定された時点のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間の設定については、実施の形態では、ユーザが外側開放動作(又は手動開放操作)を行ってから内側閉鎖動作(又は手動閉鎖操作)を行うまでに要すると一般的に想定される時間(例えば10sec等)に設定されている(なお、後述するSC8の所定時間の設定についても同様とする)。そして、開閉制御部83bは、上記所定時間が経過したと判定されていない場合(SA19、No)にはSA17に移行し、上記所定時間が経過したと判定された場合(SA19、Yes)には図3のSA5に移行する。
このような処理により、トイレブース2を使用する意図のない者がいたずら目的で外側開放動作又は手動開放操作を行ったことによって、ドア30の位置が全開位置になった場合に、ドア30を基準位置まで閉鎖移動させることできるので、次のユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
(処理−開閉処理−初期動作処理)
次に、図3に示す初期動作処理(SA1)について説明する。この初期動作処理は、初期動作を行うための処理である。ここで、「初期動作」とは、ドア30を正常に開閉移動させるために必要なデータを取得するための動作(いわゆるティーチング動作)を意味する。
図6に示すように、まずSB1において制御部83は、施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されていない場合(SB1、No)には、ドア30を解錠することによってドア30を開放移動可能な状態にするために、SB2、SB3の処理を行う。一方、解錠信号が受信されている場合(SB1、Yes)には、ドア30を開放移動可能な状態であるので、SB4に移行する。
SB2において制御部83は、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、内側開放動作信号が受信されていない場合(SB2、No)にはSB1に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SB2、Yes)にはSB3に移行する。
SB3において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の解錠を開始する。具体的には、制御部83は、電気錠60のデッドボルトが戸先側側壁21aのデッドボルト受けに係止されないように、電気錠60によってデッドボルトをドア30の戸先側の側面よりも内側に位置させる。その後、制御部83は、SB1に移行する。なお、SB1からSB3の処理が繰り返されている場合において、SB1にて解錠信号が受信された場合(SB1、Yes)には、制御部83は、SB3における電気錠60の電動動作を停止させた後にSB4に移行する。
SB4において制御部83は、ドア30を全閉位置から全開位置まで開放移動させるように開閉制御を行う。
SB5において判定部83aは、ドア位置検知部77の検知結果に基づいてドア30が第1戸当り部と接触しているか否かを判定する。このドア30が第1戸当り部と接触しているか否かの判定については任意であるが、例えば、ドア位置検知部77から受信されるドア位置検知信号に含まれるカウント値が順次変化しているか否かに基づいて判定する。ここで、ドア30の開放移動が継続していることによって上記カウント値が順次変化している場合には、ドア30が第1戸当り部と接触していないと判定する。一方、ドア30の開放移動が停止することによって上記カウント値が順次変化しなくなった場合には、ドア30が第1戸当り部と接触していると判定する。そして、判定部83aは、ドア30が第1戸当り部と接触していると判定されていない場合(SB5、No)にはSB4に移行し、ドア30が第1戸当り部と接触していると判定された場合(SB5、Yes)にはSB6に移行する。
SB6において判定部83aは、SB5の判定結果及びドア位置検知部77の検知結果に基づいて全開位置を特定する。この全開位置の特定については任意であるが、例えば、SB5にてドア30が第1戸当り部と接触していると判定された時点においてドア位置検知部77から受信されたドア位置検知信号に含まれるカウント値に対応するドア30の位置を、全開位置として特定する。
SB7において判定部83aは、SB5の判定結果及びドア位置検知部77の検知結果に基づいて開減速位置を特定する。ここで、「開減速位置」とは、ドア30の損傷を抑制する観点から、ドア30の位置のうち全開位置よりも若干手前(前方)の位置であって、ドア30の開放移動中においてドア30を全開位置で停止させるために減速を開始する位置を意味する。この開減速位置の特定については任意であるが、例えば、SB6にて特定された全開位置に対応するカウント値よりも所定値だけ小さい値に対応するドア30の位置を、開減速位置として特定する。
SB8において判定部83aは、SB5の判定結果及びドア位置検知部77の検知結果に基づいて全閉位置及び閉減速位置を仮特定する。ここで、「閉減速位置」とは、ドア30の損傷を抑制する観点から、ドア30の位置のうち全閉位置よりも若干奥(後方)の位置であって、ドア30の閉鎖移動中においてドア30を全閉位置で停止させるために減速を開始する位置を意味する。この全閉位置の仮特定については任意であるが、例えば、SB6にて特定された全開位置に対応するカウント値よりも所定値だけ小さい値(ただし、開減速位置に対応するカウント値よりも小さい値)に対応するドア30の位置を、全閉位置として仮特定する。また、閉減速位置の仮特定については任意であるが、例えば、上記仮特定された全閉位置に対応するカウント値よりも所定値だけ大きい値(ただし、開減速位置に対応するカウント値よりも小さい値)に対応するドア30の位置を、閉減速位置として仮特定する。
SB9において制御部83は、SB5にてドア30が第1戸当り部と接触していると判定されてから所定時間(例えば1sec等)経過したか否かを判定する。そして、制御部83は、上記所定時間が経過したと判定されるまで待機し(SB9、No)、上記所定時間が経過したと判定されると(SB9、Yes)、初期動作処理を終了する。なお、SB8にて仮特定された全閉位置の特定については任意であるが、例えば、初期動作処理の終了後に行われるSA2からSA19の処理において、ドア30の開閉状態が全閉状態になるまでドア30を閉鎖移動させた場合に、この時点においてドア位置検知部77から受信されたドア位置検知信号に含まれるカウント値に対応するドア30の位置を、全閉位置として特定する。また、SB8にて仮特定された閉減速位置の特定については任意であるが、例えば、上記特定された全閉位置に対応するカウント値よりも所定値だけ大きい値に対応するドア30の位置を、閉減速位置として特定する。
(処理−開閉処理−内側閉動作検知後処理)
次に、図3から図5、図9、図10に示す内側閉動作検知後処理(SA6)について説明する。この内側閉動作検知後処理は、内側閉鎖動作検知部72にて内側閉鎖動作が検知された後、又は手動閉鎖操作検知部75にて手動閉鎖操作が検知された後の状況に応じたドア30の開閉制御を行うための処理である。
図7に示すように、最初に、ドア30を全閉位置まで閉鎖移動させるために、制御部83はSC1からSC4の処理を行う。
まず、SC1において開閉制御部83bは、当該SC1の処理直前のドア30の位置(例えば、全開位置、基準位置、非基準位置等)からドア30を閉鎖移動させるように開閉制御する。このドア30の開閉制御については、例えば、SC1の処理直前のドア30の位置が全開位置である場合において、内側閉動作検知後処理の直前において内側閉鎖動作検知部72から内側閉鎖動作信号が受信された場合には、全開位置からドア30を閉鎖移動させる。また、手動閉鎖操作検知部75にて手動閉鎖操作信号が受信された場合には、当該手動閉鎖操作信号が受信された時点のドア30の位置(具体的には、全開位置よりも若干手前の位置)からドア30を閉鎖移動させる(いわゆる、ユーザの手動閉鎖操作に対するアシスト制御を行う。なお、後述するSE2における手動開放操作検知部74にて手動開放操作信号が受信された場合におけるドア30の開閉制御についても同様とする。)。
SC2において開閉制御部83bは、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側開放動作信号が受信されていない場合(SC2、No)にはSC3に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SC2、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動して後述するSD3に移行する。
SC3において開閉制御部83bは、外側開放動作検知部71から送信される外側開放動作信号、又は、手動開放操作検知部74から送信される手動開放操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されていない場合(SC3、No)にはSC4に移行し、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されている場合(SC3、Yes)には図10に示す外側開動作検知後処理(SA11)を起動する。
SC4において判定部83aは、ドア位置検知部77の検知結果に基づいて、ドア30の位置が全閉位置であるか否かを判定する。このドア30の位置が全閉位置であるか否かの判定については任意であるが、例えば、実施の形態においては、ドア位置検知部77からドア位置検知信号に含まれるカウント値が、SA1の初期動作処理にて特定された全閉位置に対応するカウント値と一致するか否かを判定し、一致する場合にはドア30の位置が全閉位置であると判定し、一致しない場合にはドア30の位置が全閉位置でないと判定する(なお、後述するSD6、後述するSE4についても同様とする)。そして、判定部83aは、ドア30の位置が全閉位置であると判定されていない場合(SC4、No)にはSC1に移行し、ドア30の位置が全閉位置であると判定された場合(SC4、Yes)にはSC5に移行する。
このような処理により、SC2、SC3の検知結果に基づいてドア30を全閉位置まで閉鎖移動させることができ、ユーザによる各種動作又は各種操作が行われていないことを確認しながらドア30の開閉制御を行うことが可能となる。
次に、内側閉動作検知後処理(SA6)が行われるきかっけとなる内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号の受信が行われている場合には、例えば、トイレブース2を使用する意図のない者がいたずら目的で内側閉鎖動作又は手動閉鎖操作を行っただけでトイレブース2に入室していない可能性が考えられる。このことから、いたずらの有無を確認してからドア30を全閉位置から基準位置まで閉鎖移動できるように、図7に示すように、制御部83はSC5からSC13の処理を行う。なお、図7のSC11からSC13は、図3のSA8からSA10とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
まず、SC5において開閉制御部83bは、内側ユーザ検知部76から内側ユーザ検知信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側ユーザ検知信号が受信されていない場合(SC5、No)にはSC6に移行し、内側ユーザ検知信号が受信されている場合(SC5、Yes)には後述する図8のSC14に移行する。
SC6において開閉制御部83bは、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側開放動作信号が受信されていない場合(SC6、No)にはSC7に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SC6、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動して後述するSD3に移行する。
SC7において開閉制御部83bは、外側開放動作検知部71から送信される外側開放動作信号、又は、手動開放操作検知部74から送信される手動開放操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されていない場合(SC7、No)にはSC8に移行し、外側開放動作信号又は手動開放操作信号が受信されている場合(SC7、Yes)には図10に示す外側開動作検知後処理(SA11)を起動する。
SC8において開閉制御部83bは、SC4にてドア30の位置が全閉位置であると判定された時点のタイミングから所定時間(例えば10sec等)が経過したか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、上記所定時間が経過したと判定されていない場合(SC8、No)にはSC5に移行し、上記所定時間が経過したと判定された場合(SC8、Yes)にはSC9に移行する。
SC9において開閉制御部83bは、当該SC9の処理直前のドア30の位置(すなわち、全閉位置)から基準位置まで開放移動させるように開閉制御する。
SC10において開閉制御部83bは、内側閉鎖動作検知部72から内側閉鎖動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側閉鎖動作信号が受信されていない場合(SC10、No)にはSC11に移行し、内側閉鎖動作信号が受信されている場合(SC10、Yes)にはSC1に移行する。
このような処理により、いたずらの有無を確認してからドア30を全閉位置から基準位置まで開放移動させることができる。よって、トイレブース2を使用する意図のない者がいたずら目的で内側閉鎖動作又は手動閉鎖操作を行ったことによって、ドア30の位置が全閉位置になった場合に、いたずらする前のドア30の位置(すなわち、基準位置)に戻すことができる。
次に、内側閉動作検知後処理(SA6)が行われるきかっけとなる内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号の受信が行われた後、図7のSC5にて内側ユーザ検知信号が受信されている場合には、例えば、ユーザがトイレブース2に入室している可能性が考えられる。このことから、ユーザがトイレブース2に入室した後にドア30を自動的に施錠できるように、図8に示すように、制御部83はSC14からSC23の処理を行う。
まず、SC14において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の施錠を開始する。具体的には、制御部83は、電気錠60のデッドボルトが戸先側側壁21aのデッドボルト受けに係止されるように、電気錠60によってデッドボルトをドア30の戸先側の側面よりも外側に位置させる。その後、制御部83は、SC15に移行する。
SC15において制御部83は、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、内側開放動作信号が受信されていない場合(SC15、No)にはSC16に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SC15、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動する。
SC16において制御部83は、SC14の処理から所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から施錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、施錠信号が受信されている場合(SC16、Yes)には、SC14における電気錠60の電動動作を停止させた後にSC18に移行し、施錠信号が受信されていない場合(SC16、No)には、SC14における電気錠60の電動動作を停止させた後に図11に示す施錠エラー検知後処理(SC19)を起動する。なお、施錠信号が受信されている場合には、内側ユーザがトイレブース2の室内側に存在しているものと推定されることから、制御部83は、使用中情報を使用状況表示灯79aに出力させると共に、施錠状態表示灯79bを点灯させる。ここで、「使用中情報」とは、トイレブース2が使用されている旨を示す情報である。また、この使用中情報の出力方法については任意であるが、実施の形態では、不使用情報とは異なる方法で出力させており、例えば、使用状況表示灯79aを赤色で点灯させる。
SC18において制御部83は、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、内側開放動作信号が受信されていない場合(SC18、No)にはSC20に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SC18、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動する。
SC20において制御部83は、SC16にて施錠信号が受信されていると判定された時点のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間の設定については、実施の形態では、ユーザがトイレブース2の使用に要すると一般的に想定される時間と略同一又はそれよりも長い時間(例えば60min等)に設定されている。ただし、これに限られず、例えば、管理者等によって制御装置70の操作部を介して入力された時間を、所定時間として設定されてもよい。そして、制御部83は、上記所定時間が経過したと判定されていない場合(SC20、No)にはSC18に移行し、上記所定時間が経過したと判定された場合(SC20、Yes)にはSC21に移行する。
SC21において制御部83は、使用中情報に変えて異常情報を使用状況表示灯79aによって出力させる。ここで、「異常情報」とは、トイレブース2の室内側で異常が発生している旨を示す情報である。この異常情報の出力方法については任意であるが、実施の形態では、不使用情報及び使用中情報とは異なる方法で出力させており、例えば、使用状況表示灯79aを赤色で点滅させる。
SC22において制御部83は、内側開放動作検知部73から内側開放動作信号を受信しているか否かを判定する。ここで、この内側開放動作信号が受信された状況としては、例えば、トイレブース2の室内側において内側ユーザが転倒等することによって意識を失った後に、内側ユーザが意識を取り戻して内側開放動作を行った状況等が該当する。そして、制御部83は、内側開放動作信号が受信されていない場合(SC22、No)にはSC23に移行し、内側開放動作信号が受信されている場合(SC22、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動する。
SC23において制御部83は、施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。ここで、この解錠信号が受信された状況としては、例えば、トイレブース2の室内側において内側ユーザが転倒する等によって意識を失っている状態で、管理者等がトイレブース2の室外側から強制的にドア30を解錠した状況等が該当する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されていない場合(SC23、No)にはSC21に移行し、施錠信号が受信されている場合(SC23、Yes)には図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動して後述するSD3に移行する。なお、解錠信号が受信されている場合には、トイレブース2の室内側で発生した異常がなくなったものと推定され、且つ、ドア30が解錠されていることから、制御部83は、不使用情報を使用状況表示灯79aに出力させると共に、施錠状態表示灯79bを消灯させる。
このような処理により、ユーザがトイレブース2に入室した後にドア30を自動的に施錠できるので、自動ドア10の使用性を向上させることができる。また、トイレブース2の室内側で異常が発生した場合に内側開放動作検知部73及び施解錠検知部78の検知結果に基づいてドア30を解錠することができるので、ユーザがトイレブース2内に閉じ込められた状態になることを回避できる。
(処理−開閉処理−内側開動作検知後処理)
次に、図8に示す内側開動作検知後処理(SC17)について説明する。内側開動作検知後処理とは、内側開放動作検知部73にて内側開放動作が検知された後の状況に応じたドア30の開閉制御を行うための処理である。
図9に示すように、まず、SD1において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の解錠を開始する。
SD2において制御部83は、所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されている場合(SD2、Yes)には、SD1における電気錠60の電動動作を停止させた後にSD3に移行し、解錠信号が受信されていない場合(SD2、No)には図12に示す解錠エラー検知後処理(SD4)を起動する。なお、解錠信号が受信されている場合には内側ユーザによるトイレブース2の使用が終了したものと推定されることから、制御部83は、不使用情報を使用状況表示灯79aに出力させると共に、施錠状態表示灯79bを消灯させる(なお、後述するSE1にて解錠信号が受信されている場合についても同様とする)。
SD3において開閉制御部83bは、当該SD3の処理直前のドア30の位置(すなわち、全閉位置)から全開位置まで開放移動させるように開閉制御する。
SD5において開閉制御部83bは、内側閉鎖動作検知部72から送信される内側閉鎖動作信号、又は、手動閉鎖操作検知部75から送信される手動閉鎖操作信号のいずれか一方を受信しているか否かを判定する。そして、開閉制御部83bは、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されていない場合(SD5、No)にはSD6に移行し、内側閉鎖動作信号又は手動閉鎖操作信号が受信されている場合(SD5、Yes)には図7に示す内側閉動作検知後処理(SA6)を起動する。
SD6において判定部83aは、ドア位置検知部77の検知結果に基づいて、ドア30の位置が全開位置であるか否かを判定する。そして、判定部83aは、ドア30の位置が全開位置であると判定されていない場合(SD6、No)にはSD3に移行し、ドア30の位置が全開位置であると判定された場合(SD6、Yes)には図4のSA12に移行する。
このような処理により、内側開放動作検知部73にて内側開放動作が検知された場合には、ドア30を全開位置となるように開放移動させることができる。
(処理−開閉処理−外側開動作検知後処理)
次に、図3、図7、図13に示す外側開動作検知後処理(SA11)について説明する。外側開動作検知後処理とは、外側開放動作検知部71にて外側開放動作が検知された後の状況に応じたドア30の開閉制御を行うための処理である。なお、図10のSE2、SE3は、図9のSD3、SD5とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
図10に示すように、まず、SE1において制御部83は、施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されるまで待機し(SE1、No)、解錠信号が受信されると(SE1、Yes)、図9のSD1における電気錠60の電動動作を停止させた後にSE2に移行する。
SE4において判定部83aは、ドア位置検知部77の検知結果に基づいて、ドア30の位置が全開位置であるか否かを判定する。そして、判定部83aは、ドア30の位置が全開位置であると判定されていない場合(SE4、No)にはSE2に移行し、ドア30の位置が全開位置であると判定された場合(SE4、Yes)には図5のSA16に移行する。
このような処理により、外側開放動作検知部71にて外側開放動作が検知された場合において、解錠信号が受信されている場合には、ドア30を全開位置となるように開放移動させることができる。
(処理−開閉処理−施錠エラー検知後処理)
次に、図8、図12に示す施錠エラー検知後処理(SC19)について説明する。施錠エラー検知後処理とは、電気錠60によるドア30の施錠に関する制御にエラーが生じた後に行われる処理である。ここで、「施錠に関する制御のエラー」とは、例えば、電気錠60の故障(又は、デッドボルト受けとデッドボルトとの相互間に障害物が存在すること)によってデッドボルトをデッドボルト受けに入れることができないこと、施解錠検知部78の故障等によって施錠信号を出力できないこと等が該当する。
図11に示すように、SF1において制御部83は、施錠エラー動作回数を1回増分することによって、施錠エラー動作回数を更新する。ここで、「施錠エラー動作回数」とは、電気錠60によるドア30の施錠に関する制御にエラーが生じた回数を意味する(なお、デフォルト値は0回とする)。
SF2において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の解錠を開始する。
SF3において制御部83は、SF2の処理から所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されている場合(SF3、Yes)には、SF2における電気錠60の電動動作を停止させた後にSF4に移行し、解錠信号が受信されていない場合(SF3、No)には、SF2における電気錠60の電動動作を停止させた後に図12に示す解錠エラー検知後処理(SD4)を起動する。
SF4において制御部83は、施錠エラー動作回数が所定回数(例えば10回等)に到達したか否かを判定する。そして、制御部83は、施錠エラー動作回数が所定回数に到達していると判定された場合(SF4、Yes)にはSF5に移行し、施錠エラー動作回数が所定回数に到達していると判定されていない場合(SF4、No)にはSF6に移行する。
SF5において制御部83は、エラー処理を実行する。ここで、「エラー処理」とは、開閉処理において異常が生じていることを管理者等に報知するための処理である。このエラー処理の具体的な処理内容については任意であるが、例えば、使用状況表示灯79aによって異常情報を表示すること、開閉駆動部50及び電気錠60への電力供給を停止すること(いわゆる開閉駆動部50及び電気錠60をフリーにすること)、制御装置70による自動ドア10に関する制御を停止すること(ただし、エラー処理は継続して実行される)等が該当する。その後、制御部83は、開閉処理を終了する。なお、このエラー処理は、例えば、開閉処理の終了後も継続して実行されるものとし、制御装置70の電源がOFFされた後に再度ONされた場合に解除されるものとする。
SF6において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の施錠を開始する。
SF7において制御部83は、SF6の処理から所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から施錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、施錠信号が受信されていない場合(SF7、No)には、SF6における電気錠60の電動動作を停止させた後にSF1に移行し、施錠信号が受信されている場合(SF7、Yes)には、SF6における電気錠60の電動動作を停止させた後にSF8に移行する。
SF8において制御部83は、施錠エラー動作回数をリセットし、その後図8のSC18に移行する。
このような処理により、電気錠60の故障等によって電気錠60によるドア30の施錠制御を実行することができない場合に、エラー処理が行われることで管理者等にその旨を報知することができるので、電気錠60の故障等に対して管理者等が迅速に措置を講じることが可能となる。
(処理−開閉処理−解錠エラー検知後処理)
次に、図9、図11に示す解錠エラー検知後処理(SD4)について説明する。解錠エラー検知後処理とは、電気錠60によるドア30の解錠に関する制御にエラーが生じた後に行われる処理である。ここで、「解錠に関する制御のエラー」とは、例えば、電気錠60の故障(又は、デッドボルト受けとデッドボルトとの相互間に障害物が存在すること)によって、デッドボルト受けからデッドボルトを出すことができないこと、施解錠検知部78の故障等によって解錠信号を出力できないこと等が該当する。なお、図12のSG5は、図11のSF5と同様であるので、説明を省略する。
図12に示すように、SG1において制御部83は、解錠エラー動作回数を1回増分することによって、解錠エラー動作回数を更新する。ここで、「解錠エラー動作回数」とは、電気錠60によるドア30の解錠に関する制御にエラーが生じた回数を意味する(なお、デフォルト値は0回とする)。
SG2において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の施錠を開始する。
SG3において制御部83は、SG2の処理から所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から施錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、施錠信号が受信されている場合(SG3、Yes)には、SG2における電気錠60の電動動作を停止させた後にSG4に移行し、施錠信号が受信されていない場合(SG3、No)には、SG2における電気錠60の電動動作を停止させた後に図11に示す解錠エラー検知後処理(SC19)を起動する。
SG4において制御部83は、解錠エラー動作回数が所定回数(例えば10回等)に到達したか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠エラー動作回数が所定回数に到達していると判定された場合(SG4、Yes)にはSG5に移行し、解錠エラー動作回数が所定回数に到達していると判定されていない場合(SG4、No)にはSG6に移行する。
SG6において制御部83は、電気錠60の電動動作によって、ドア30の解錠を開始する。
SG7において制御部83は、SG6の処理から所定時間内(例えば2sec等)に施解錠検知部78から解錠信号を受信しているか否かを判定する。そして、制御部83は、解錠信号が受信されていない場合(SG7、No)には、SG6における電気錠60の電動動作を停止させた後にSG1に移行し、解錠信号が受信されている場合(SG7、Yes)には、SG6における電気錠60の電動動作を停止させた後にSG8に移行する。
SG8において制御部83は、解錠エラー動作回数をリセットし、その後図9に示す内側開動作検知後処理(SC17)を起動してSD3に移行する。
このような処理により、電気錠60の故障等によって電気錠60によるドア30の解錠制御を実行することができない場合には、エラー処理が行われることで管理者等にその旨を報知することができるので、電気錠60の故障等に対して管理者等が迅速に措置を講じることが可能となる。
このような開閉処理が実行される具体的な状況及びその場合の処理内容について、以下で説明する。
最初に、例えば、ドア30の位置が全閉位置において、開閉処理が起動された場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、図3のSA1にて初期動作処理が起動されると、図6のSB4にてドア30の開放移動が開始される。次に、SB5にてドア30が第1戸当り部と接触していると判定されるまで(すなわち、ドア30の位置が全開位置となるまで)ドア30の開放移動が継続され、SB5にてドア30が第1戸当り部と接触していると判定されると、ドア30の開放移動が停止される。その後、ユーザがトイレブース2に存在しないことにより、図3のSA2、SA3、SA4にて内側開放動作信号、外側開放動作信号、内側閉鎖動作信号等が受信されないことで、SA5にてドア30の閉鎖移動が開始される。そして、SA10にてドア30の位置が基準位置であると判定されると、ドア30の閉鎖移動が停止される。これにより、初期動作処理の終了後に、ドア30の位置が全開位置から基準位置となるようにドア30を閉鎖移動させることができ、初期動作処理の終了後に使用するユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
また、例えば、ドア30の位置が基準位置において、ユーザがトイレブース2に入室する場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、ユーザが外側開放動作を行うことにより、図3のSA9にて外側開放動作信号が受信されると、外側開動作検知後処理(SA11)が起動される。そして、図10のSE2にてドア30の開放移動が開始された後、SE4にてドア30の位置が全開位置であると判定されると、ドア30の開放移動が停止される。これにより、ユーザがトイレブース2に入室する際に、ドア30の位置が基準位置から全開位置となるようにドア30を開放移動させることができる。よって、ドア30の位置を基準位置としてユーザがトイレブース2に入室する場合に比べて、ユーザがスムーズに入室することができ、自動ドア10の使用性を向上させることが可能となる。
また、例えば、ドア30の位置が全閉位置であり、且つ、ドア30が施錠されている場合において、ユーザがトイレブース2から退室する場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、図7、図8に示す内側閉動作検知後処理(SA6)が起動されて、SC15にて施錠信号が受信された後に、SC20にて所定時間経過したと判定されるまでにユーザによって内側開放動作が行われると、SC18にて内側開放動作信号が受信されたと判定され、内側開動作検知後処理(SC17)が起動される。次に、図9のSD1にて電気錠60によるドア30の解錠に関する制御が行われることにより、SD2にて解錠信号が受信されると、SD3にてドア30の開放移動が開始される。次いで、SD6にてドア30の位置が全開位置であると判定されると、ドア30の開放移動が停止される。その後、ユーザがトイレブース2から退室したことにより、図4のSA12にて外側開放動作信号が受信されていないと判定された後、SA13、SA14にて内側閉鎖動作信号及び内側ユーザ検知信号等が受信されていない状態が継続されると共に、SA15にて所定時間が経過されたと判定されると、図3のSA5にてドア30の閉鎖移動が開始される。そして、SA10にてドア30の位置が基準位置であると判定されると、ドア30の閉鎖移動が停止される。これにより、ユーザがトイレブース2から退室した後に、ドア30の位置が全開位置から基準位置となるようにドア30を閉鎖移動させることができ、当該ユーザがトイレブース2から退室した後に使用する次のユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
また、例えば、ドア30の位置が基準位置において、トイレブース2を使用する意図のない者がトイレブース2に入室した場合には、以下に示す開閉処理が行われる。具体的には、まず、トイレブース2を使用する意図のない者が内側閉鎖動作を行うことにより、図3のSA7にて内側閉鎖動作信号等が受信されると、内側閉動作検知後処理(SA6)が起動された後、図7のSC1にてドア30の閉鎖移動が開始される。次に、SC4にてドア30の位置が全閉位置であると判定されると、ドア30の閉鎖移動が停止される。ここで、トイレブース2を使用する意図のない者がドア30の位置が全閉位置となる前にトイレブース2から退室していたことにより、SC5にて内側ユーザ検知信号が受信されていないと判定されている場合において、SC6、SC7にて内側開放動作信号、外側開放動作信号等が受信されていない状態が継続されると共に、SC8にて所定時間が経過されたと判定されると、ドア30の開放移動が開始される。そして、SC13にてドア30の位置が基準位置であると判定されると、ドア30の開放移動が停止される。これにより、ユーザがトイレブース2を使用していないにも関わらずドア30の位置が全閉位置になった場合に、ドア30の位置が全閉位置から基準位置となるようにドア30を開放移動させることができる。よって、トイレブース2を使用する意図のない者がいたずら目的で内側閉鎖動作を行ったことによりドア30の位置が全閉位置になった場合に、いたずらする前のドア30の位置(すなわち、基準位置)に戻すことができるので、自動ドア10の使用性を維持することが可能となる。
以上のような開閉処理により、基準位置を全閉位置とした場合に比べて、トイレブース2が使用されているか否かをユーザが視覚的に把握することができ、トイレブース2の使用状況を迅速に確認することが可能となる。また、基準位置を全開位置とした場合に比べて、トイレブース2の内部全体が外部に露出することを回避でき、トイレブース2の意匠性を維持することが可能となる。
(処理−掃除処理)
次に、掃除処理について説明する。掃除処理とは、管理者等がトイレブース2を掃除する場合に行われる処理である。この掃除処理においては、概略的には、トイレブース2の掃除に支障が生じないように、開閉駆動部50及び電気錠60等を制御する処理が行われる。また、この掃除処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、開閉駆動部50及び制御装置70の電源が操作部の電源スイッチを介して投入された後に起動され、開閉処理と並行して実行される。なお、実施の形態においては、後述する掃除処理のSH1にて掃除実行操作が受け付けられた場合には開閉処理が中断されるものとし、掃除処理が終了した場合には開閉処理の中断が解除されるものとする。
掃除処理が起動されると、図13に示すように、まず、SH1において制御部83が、掃除実行操作が受け付けられたか否かを判定する。ここで、「掃除実行操作」とは、開閉制御システム1の状態を、トイレブース2の掃除が実行可能な状態にするための操作を意味する。また、この掃除実行操作の具体的な内容については任意であるが、実施の形態では、トイレブース2を使用するユーザが容易に行うことができない操作となるように設定されており、例えば、ドア位置検知部77の検知結果からドア30の位置が全開位置であると特定されている場合に、内側開放動作検知部73及び内側閉鎖動作検知部72から内側開放動作信号及び内側閉鎖動作信号が所定時間(例えば5sec等)継続して受信されていることを、掃除実行操作として設定されてもよい。そして、制御部83は、掃除実行操作が受け付けられるまで待機し(SH1、No)、掃除実行操作が受け付けられたと判定されると(SH1、Yes)、SH2に移行する。
SH2において制御部83は、開閉駆動部50及び電気錠60への電力供給を停止させる(いわゆる開閉駆動部50及び電気錠60をフリーにする)。
SH3において制御部83は、使用状況表示灯79aの出力を停止させた状態を維持させる。なお、掃除処理が終了した場合には、この使用状況表示灯79aの出力を停止させた状態は解除される。
SH4において制御部83は、掃除終了操作が受け付けられたか否かを判定する。ここで、「掃除終了操作」とは、開閉制御システム1の状態を、SH1の処理前の状態に戻すための操作を意味する。また、この掃除終了操作の具体的な内容については任意であるが、実施の形態では、管理者等が掃除している際に誤って実行されにくい操作となるように設定されており、例えば、外側開放動作検知部71から外側開放動作信号が所定時間(例えば3sec等)継続して受信されていることを、掃除終了操作として設定されている。そして、制御部83は、掃除終了操作が受け付けられたと判定されていない場合(SH4、No)にはSH5に移行し、掃除実行操作が受け付けられたと判定された場合(SH4、Yes)には掃除処理を終了した後、図10に示す外側開動作検知後処理(SA11)を起動する。
SH5において制御部83は、SH3の処理後のタイミングから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間の設定については、実施の形態では、管理者等がトイレブース2の掃除に要すると一般的に想定される時間(例えば10min等)に設定されている。そして、制御部83は、上記所定時間が経過したと判定されていない場合(SH5、No)にはSH4に移行し、上記所定時間が経過したと判定された場合(SH5、Yes)には、掃除処理を終了する。
このような処理により、当該処理が実行されていない状態で管理者等がトイレブース2を掃除する場合に比べて、トイレブース2の掃除がしやすくなるので、掃除の効率化を図ることが可能となる。また、掃除処理を終了する方法として、SH4の掃除終了操作による終了とSH5の時間経過による終了とを含むので、例えば、管理者等が掃除終了操作をし忘れた場合に、SH5にて所定時間が経過したと判定されると掃除処理を終了でき、開閉処理を通常通り実行することが可能となる。なお、実施の形態では、SH5にて上記所定時間が経過したと判定された場合には、SH5の処理直前のドア30の位置のままで掃除処理を終了するが、これに限られず、例えば、ドア30の位置が基準位置となるように、ドア30を開閉移動させてもよい。
(効果)
このように実施の形態によれば、非全開閉状態に対応するドア30の位置を基準位置として、検知手段の検知結果及び判定部83aの判定結果に基づいてドア30の開閉制御を行う開閉制御部83bを備えたので、基準位置を全閉位置とした場合に比べて、トイレブース2が使用されているか否かをユーザが視覚的に把握することができ、トイレブース2の使用状況を迅速に確認することが可能となる。また、基準位置を全開位置とした場合に比べて、トイレブース2の内部全体が外部に露出することを回避でき、トイレブース2の意匠性を維持することが可能となる。
また、開閉制御部83bが、外側開放動作検知部71の検知結果、内側閉鎖動作検知部72の検知結果、内側開放動作検知部73の検知結果、及び判定部83aの判定結果に基づいてドア30の開閉制御を行うので、例えば対象空間がトイレブース2である場合に、トイレブース2を使用するユーザの使用状況に応じたドア30の開閉制御を行うことができ、自動ドア10の使用性を向上させることが可能となる。
また、開閉制御部83bが、初期動作としてドア30の位置を全開位置とした後、判定部83aにてドア30の位置が基準位置であると判定されるまでドア30を閉鎖移動させるように開閉制御するので、初期動作の終了後に、ドア30の位置が全開位置から基準位置となるようにドア30を閉鎖移動させることができ、初期動作終了後に使用するユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
また、開閉制御部83bが、ドア30の位置を全閉位置とした後に、内側開放動作検知部73にて内側開放動作が検知されたことに基づいてドア30の位置を全開位置とした場合に、判定部83aにてドア30の位置が基準位置であると判定されるまでドア30を閉鎖移動させるように開閉制御するので、ユーザがトイレブース2から退室した後に、ドア30の位置が全開位置から基準位置となるようにドア30を閉鎖移動させることができ、当該ユーザがトイレブース2から退室した後に使用する次のユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
また、開閉制御部83bが、内側閉鎖動作検知部72にて内側閉鎖動作が検知されたことに基づいてドア30の位置を全閉位置とした後、内側ユーザ検知部76にて内側ユーザが存在すると検知されていない場合には、判定部83aにてドア30の位置が基準位置であると判定されるまでドア30を開放移動させるように開閉制御するので、ユーザがトイレブース2を使用していないにも関わらずドア30の位置が全閉位置になった場合に、ドア30の位置が全閉位置から基準位置となるようにドア30を開放移動させることができる。よって、例えば、いたずらによってドア30の位置が全閉位置になったとしても、いたずらする前のドア30の位置(すなわち、基準位置)に戻すことができ、自動ドア10の使用性を維持することが可能となる。
また、開閉制御部83bが、判定部83aにてドア30の位置が基準位置であると判定されている場合において、外側開放動作検知部71にて外側開放動作が検知され、又は内側開放動作検知部73にて内側開放動作が検知された場合には、判定部83aにてドア30の位置が全開位置であると判定されるまでドア30を開放移動させるように、ドア30を開閉制御するので、ユーザがトイレブース2に入室する際に、ドア30の位置が基準位置から全開位置となるようにドア30を開放移動させることができる。よって、ドア30の位置を基準位置としてユーザがトイレブース2に入室する場合に比べて、ユーザがトイレブース2にスムーズに入室することができ、自動ドア10の使用性を一層向上させることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る対象空間の使用状況に対する確認の迅速性、及び対象空間の意匠性が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の対象空間の使用状況に対する確認の迅速性、及び対象空間の意匠性を有している場合には、本願の課題は解決している。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、制御装置70の制御ユニット80を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に判定部83aを設けると共に、これら複数の装置の他の一部に開閉制御部83bを設けてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(基準位置について)
上記実施の形態では、基準位置が、少なくとも外側ユーザがドア30の見込み方向(前後方向)からトイレブース2を見た場合にドア30によって便器3全体が隠れる位置であり、且つ、ドア30を最大限開いた位置に設定されていると説明したが、これに限られない。例えば、トイレブース2の内部全体が外部に露出しない位置に設定されることが望ましいことから、外側ユーザがドア30の見込み方向(前後方向)からトイレブース2を見た場合に、ドア30によって便器3の一部のみが隠れる位置(例えば、ドア30を全閉位置から45度回転させた位置等)に設定されてもよい。
(検知手段について)
上記実施の形態では、検知手段は、外側開放動作検知部71、内側閉鎖動作検知部72、内側開放動作検知部73、手動開放操作検知部74、手動閉鎖操作検知部75、及び内側ユーザ検知部76であると説明したが、これに限られない。ドア30の開閉移動を開始するタイミングが到来したことを検知する検知部であればよいので、例えば、外部から受信したドア30を開放移動(又は閉鎖移動)させることを指示する信号を受信したか否かを検知する検知部や、所定のタイミングから所定時間か経過したか否かを検知する検知部が用いられてもよい。
また、上記実施の形態では、外側開放動作検知部71、内側閉鎖動作検知部72、及び内側開放動作検知部73が、非接触式の検知センサであると説明したが、これに限られず、例えば、押しボタンスイッチ等の公知の接触式の検知センサであってもよい。
また、上記実施の形態では、制御装置70が、手動開放操作検知部74及び手動閉鎖操作検知部75を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、制御装置70の設置コストを低減するために、手動開放操作検知部74及び手動閉鎖操作検知部75を省略してもよい。
(開閉処理について)
上記実施の形態では、開閉処理における内側閉動作検知後処理(SA6)のSC16において、施錠信号が受信されている場合には、図11に示す施錠エラー検知後処理(SC19)を起動すると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置70の処理負荷を低減するために、施錠エラー検知後処理(SC19)に代えて、SF5に示すエラー処理と同様の処理を行った後、開閉処理を終了してもよい。
また、上記実施の形態では、開閉処理における初期動作処理(SA1)において、ドア30を全閉位置(又は非全開閉位置)から第1戸当り部と接触する位置まで移動させた後、この第1戸当り部と接触した位置を基準として、全開位置、開減速位置、全閉位置、及び閉減速位置を特定(又は仮特定)すると説明したが、これに限られない。例えば、ドア30を全開位置(又は非全開閉位置)から第2戸当り部と接触する位置まで移動させた後、この第2戸当り部と接触した位置を基準として、全開位置、開減速位置、全閉位置、及び閉減速位置を特定(又は仮特定)してもよい。
また、上記実施の形態では、開閉処理における内側開動作検知後処理(SC17)のSD2において、解錠信号が受信されていない場合(SD2、No)には図12に示す解錠エラー検知後処理(SD4)を起動すると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置70の処理負荷を低減するために、解錠エラー検知後処理(SD4)に代えて、SF5に示すエラー処理と同様の処理を行った後、開閉処理を終了してもよい。
また、上記実施の形態では、開閉処理においては、ドア30を施錠及び解錠する場合に、電気錠60のデッドボルトの出し入れが電気錠60の電動動作によって行われると説明したが(例えば、SC14、SD1の処理等)、これに限られない。例えば、電気錠60の電動動作又はユーザによる電気錠60の操作部の手動操作のいずれか一方によって行われてもよい。この場合には、ドア30の位置が全閉位置において、ユーザによる操作部の手動操作によってデッドボルトの出し入れが行われた場合には、電気錠60を電動動作させないものとする。また、ドア30の位置が全閉位置以外の位置(例えば、全開位置等)において、ユーザによる操作部の手動操作によってデッドボルトがドア30の戸先側の側面よりも外側に位置させた場合(すなわち、ドア30が施錠されている状態に対応するように位置させた場合)には、デッドボルトがドア30の戸先側の側面よりも内側に位置するように(すなわち、ドア30が解錠されている状態に対応するように位置するように)、電気錠60を電動動作させるものとする。
また、上記実施の形態では、例えば、SC16、SC23、及びSD2の処理のように、使用状況表示灯79aの出力の切り替えが、施錠信号又は解錠信号の受信の有無に基づいて行われると説明したが、これに限られない。例えば、内側ユーザ検知信号の受信の有無に基づいて行われてもよく、具体的には、内側ユーザ検知信号が受信されている場合には使用中情報を使用状況表示灯79aに出力させ、内側ユーザ検知信号が受信されていない場合には不使用情報を使用状況表示灯79aに出力させてもよい。
(掃除処理について)
上記実施の形態では、掃除処理が行われると説明したが、これに限られず、例えば、制御装置70の処理負荷を低減するために、掃除処理を省略してもよい。
(付記)
付記1の自動ドアの開閉制御システムは、対象空間における開閉対象領域の開閉を行うためのドアの開閉制御を行う自動ドアの開閉制御システムであって、前記ドアの開閉移動を開始するタイミングが到来したことを検知する検知手段と、前記ドアの位置を判定する判定手段と、前記ドアによって前記開閉対象領域を全閉した全閉状態と前記ドアによって前記開閉対象領域を全開した全開状態との間にある状態である非全開閉状態に対応する前記ドアの位置を基準位置として、前記検知手段の検知結果及び前記判定手段の判定結果に基づいて前記ドアの開閉制御を行う開閉制御手段と、を備えた。
付記2の自動ドアの開閉制御システムは、付記1に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記検知手段は、前記対象空間の外側に存在する外側ユーザによって行われる外側開放動作であって前記ドアの開放移動を開始するトリガとなる動作である外側開放動作を検知する外側開放動作検知手段と、前記対象空間の内側に存在する内側ユーザによって行われる内側閉鎖動作であって前記ドアの閉鎖移動を開始するトリガとなる動作である内側閉鎖動作を検知する内側閉鎖動作検知手段と、前記内側ユーザによって行われる内側開放動作であって前記ドアの開放移動を開始するトリガとなる動作である内側開放動作を検知する内側開放動作検知手段と、を備え、前記開閉制御手段は、前記外側開放動作検知手段の検知結果、前記内側閉鎖動作検知手段の検知結果、前記内側開放動作検知手段の検知結果、及び前記判定手段の判定結果に基づいて前記ドアの開閉制御を行う。
付記3の自動ドアの開閉制御システムは、付記2に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、初期動作として前記ドアの位置を前記全開状態と対応する位置である全開位置とした後、前記判定手段にて前記ドアの位置が前記基準位置であると判定されるまで前記ドアを閉鎖移動させるように開閉制御する。
付記4の自動ドアの開閉制御システムは、付記2又は3に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、前記ドアの位置を前記全閉状態と対応する位置である全閉位置とした後に、前記内側開放動作検知手段にて前記内側開放動作が検知されたことに基づいて前記ドアの位置を前記全開状態と対応する位置である全開位置とした場合に、前記判定手段にて前記ドアの位置が前記基準位置であると判定されるまで前記ドアを閉鎖移動させるように開閉制御する。
付記5の自動ドアの開閉制御システムは、付記2から4のいずれか一項に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記検知手段は、前記内側ユーザが前記対象空間内に存在するか否かを検知する内側ユーザ検知手段を備え、前記開閉制御手段は、前記内側閉鎖動作検知手段にて前記内側閉鎖動作が検知されたことに基づいて前記ドアの位置を前記全閉状態と対応する位置である全閉位置とした後、前記内側ユーザ検知手段にて前記内側ユーザが存在すると検知されていない場合には、前記判定手段にて前記ドアの位置が前記基準位置であると判定されるまで前記ドアを開放移動させるように開閉制御する。
付記6の自動ドアの開閉制御システムは、付記2から5のいずれか一項に記載の自動ドアの開閉制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、前記判定手段にて前記ドアの位置が前記基準位置であると判定されている場合において、前記外側開放動作検知手段にて前記外側開放動作が検知され、又は前記内側開放動作検知手段にて前記内側開放動作が検知された場合には、前記判定手段にて前記ドアの位置が前記全開状態と対応する位置である全開位置であると判定されるまで前記ドアを開放移動させるように、前記ドアを開閉制御する。
(付記の効果)
付記1に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、非全開閉状態に対応するドアの位置を基準位置として、検知手段の検知結果及び判定手段の判定結果に基づいてドアの開閉制御を行う開閉制御手段を備えたので、基準位置を全閉位置とした場合に比べて、対象空間が使用されているか否かをユーザが視覚的に把握することができ、対象空間の使用状況を迅速に確認することが可能となる。また、基準位置を全開位置とした場合に比べて、対象空間の内部全体が外部に露出することを回避でき、対象空間の意匠性を維持することが可能となる。
付記2に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段が、外側開放動作検知手段の検知結果、内側閉鎖動作検知手段の検知結果、内側開放動作検知手段の検知結果、及び判定手段の判定結果に基づいてドアの開閉制御を行うので、例えば対象空間がトイレブースである場合に、トイレブースを使用するユーザの使用状況に応じたドアの開閉制御を行うことができ、自動ドアの使用性を向上させることが可能となる。
付記3に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段が、初期動作としてドアの位置を全開位置とした後、判定手段にてドアの位置が基準位置であると判定されるまでドアを閉鎖移動させるように開閉制御するので、初期動作の終了後に、ドアの位置が全開位置から基準位置となるようにドアを閉鎖移動させることができ、初期動作終了後に使用するユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
付記4に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段が、ドアの位置を全閉位置とした後に、内側開放動作検知手段にて内側開放動作が検知されたことに基づいてドアの位置を全開位置とした場合に、判定手段にてドアの位置が基準位置であると判定されるまでドアを閉鎖移動させるように開閉制御するので、ユーザが対象空間から退室した後に、ドアの位置が全開位置から基準位置となるようにドアを閉鎖移動させることができ、当該ユーザが対象空間から退室した後に使用する次のユーザに対する使用準備を整えることが可能となる。
付記5に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段が、内側閉鎖動作検知手段にて内側閉鎖動作が検知されたことに基づいてドアの位置を全閉位置とした後、内側ユーザ検知手段にて内側ユーザが存在すると検知されていない場合には、判定手段にてドアの位置が基準位置であると判定されるまでドアを開放移動させるように開閉制御するので、ユーザが対象空間を使用していないにも関わらずドアの位置が全閉位置になった場合に、ドアの位置が全閉位置から基準位置となるようにドアを開放移動させることができる。よって、例えば、いたずらによってドアの位置が全閉位置になったとしても、いたずらする前のドアの位置(すなわち、基準位置)に戻すことができ、自動ドアの使用性を維持することが可能となる。
付記6に記載の自動ドアの開閉制御システムによれば、開閉制御手段が、判定手段にてドアの位置が基準位置であると判定されている場合において、外側開放動作検知手段にて外側開放動作が検知され、又は内側開放動作検知手段にて内側開放動作が検知された場合には、判定手段にてドアの位置が全開位置であると判定されるまでドアを開放移動させるように、ドアを開閉制御するので、ユーザが対象空間に入室する際に、ドアの位置が基準位置から全開位置となるようにドアを開放移動させることができる。よって、ドアの位置を基準位置としてユーザが対象空間に入室する場合に比べて、ユーザが対象空間にスムーズに入室することができ、自動ドアの使用性を一層向上させることが可能となる。