JP2017075224A - 高性能タイヤ - Google Patents

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佳彦 小森
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佳彦 小森
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Abstract

【課題】操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性がバランスよく改善された高性能タイヤを提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックと、下記式(I)で表される化合物とを含有し、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である高性能タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する高性能タイヤに関する。
[化1]
Figure 2017075224

【選択図】なし

Description

本発明は、高性能タイヤに関する。
高性能タイヤのビードエイペックス用ゴム組成物には、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性等、種々の性能が要求され、これらの性能を確保するため、従来より様々な工夫がなされている。
例えば、操縦安定性を向上させるためには、カーボンブラックの配合量を増量してゴムの剛性を高めることが、有効な手段の一つであることが知られている。しかし、多量のカーボンブラックを配合すると、発熱が高くなりすぎることで、熱ダレが生じる傾向にあった。
そこで、操縦安定性を維持しながらも、熱ダレ性能を向上させるために、架橋密度を高めることが行われてきた。しかし、この手法では、操縦安定性や熱ダレ性能には、一定の効果が得られるものの、破壊特性が低下する傾向にあった。
また、特許文献1には、ジアミン化合物の添加によりカーボンブラックの分散性を向上し、低発熱性を改善する技術が提案されている。しかしながら、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性をバランスよく改善するという点については、未だに改善の余地を残している。
特許第2912845号
本発明は、前記課題を解決し、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性がバランスよく改善された高性能タイヤを提供することを目的とする。
本発明は、スチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックと、下記式(I)で表される化合物とを含有し、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である高性能タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する高性能タイヤに関する。
Figure 2017075224
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
上記式(I)で表される化合物が下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017075224
Figure 2017075224
Figure 2017075224
上記金属イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオンであることが好ましい。
上記高性能タイヤ用ゴム組成物は、カーボンブラック100質量部に対する上記式(I)で表される化合物の含有量が0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記高性能タイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムを含むことが好ましい。
上記高性能タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10〜50質量%であることが好ましい。
上記タイヤ部材がビードエイペックスであることが好ましい。
本発明によれば、スチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックと、上記式(I)で表される化合物とを含有し、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である高性能タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する高性能タイヤであるので、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性がバランスよく改善されている。
本発明の高性能タイヤは、スチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックと、上記式(I)で表される化合物とを含有し、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である高性能タイヤ用ゴム組成物(以下、本発明に係る高性能タイヤ用ゴム組成物、本発明に係るゴム組成物ともいう)を用いて作製したタイヤ部材を有する。すなわち、本発明に係る高性能タイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR)と、カーボンブラックと、上記式(I)で表される化合物とを含有し、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である。
式(I)で表される化合物は、末端の窒素官能基がカーボンブラック表面に存在するカルボキシル基などの官能基と反応することでカーボンブラックと結合することができ、また、炭素−炭素二重結合の部分がポリマーラジカルとの反応や硫黄架橋を伴う反応によりポリマーと結合することができる。そのため、カーボンブラックの分散性を向上させ、かつその良好な分散状態を使用中も維持することができる。更に、ポリマーが式(I)で表される化合物を介してカーボンブラックを拘束しているため、発熱性を抑えることができる。これらの作用を有する式(I)で表される化合物を、特定量の(比較的多量の)カーボンブラックとともに、スチレンブタジエンゴムを含むゴム組成物に配合することで、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性をバランスよく改善できる。
本発明では、ゴム成分として、SBRを使用する。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、E−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。スチレン含量が10質量%未満であると、充分な操縦安定性が得られないおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。スチレン含量が30質量%を超えると、発熱性や温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなり、例えば、熱ダレ性能が低下する傾向がある。
なお、本発明において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、充分な操縦安定性、熱ダレ性能が得られないおそれがある。また、SBRの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、発熱性や温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなり、例えば、熱ダレ性能が低下する傾向がある。また、充分な破壊特性が得られない傾向がある。
本発明において、SBR以外に使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、SBR以外のジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性がバランスよく得られるという理由から、NRが好ましい。すなわち、ゴム成分としては、SBRとNRを併用することが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。50質量%未満であると、発熱性や温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなり、例えば、熱ダレ性能が低下する傾向がある。また、充分な破壊特性が得られない傾向がある。また、NRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。90質量%を超えると、充分な操縦安定性、熱ダレ性能が得られないおそれがある。
本発明の効果がより好適に得られるという理由から、ゴム成分100質量%中のSBR及びNRの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
本発明では、特定量のカーボンブラックが使用される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は30m/g以上が好ましく、60m/g以上がより好ましい。30m/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な操縦安定性、破壊特性、グリップ性能が得られないおそれがある。該NSAは、120m/g以下が好ましく、90m/g以下がより好ましい。120m/gを超えると、発熱が大きくなり、熱ダレ性能が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのオイル吸収量(OAN)は、50ml/100g以上が好ましく、90ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られず、充分な操縦安定性、破壊特性、グリップ性能が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのOANは、200ml/100g以下が好ましく、125ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、ゴムが硬くなり、グリップ性能が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのOANは、ASTM D2414に準拠して測定される。
カーボンブラックのよう素吸着量(IA)は、好ましくは50mg/g以上、より好ましくは70mg/g以上である。50mg/g未満では、破壊特性、グリップ性能が低下する傾向にある。また、該IAは、好ましくは100mg/g以下、より好ましくは90mg/g以下である。100mg/gを超えると、発熱が大きくなり、熱ダレ性能が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのよう素吸着量は、JIS K 6217−1:2008に基づいて測定される。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、60質量部以上、好ましくは65質量部以上である。60質量部未満では、充分な操縦安定性、グリップ性能、破壊特性が得られない。該含有量は、100質量部以下、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、発熱が大きくなり、熱ダレ性能が低下する。
シリカ及びカーボンブラックの合計100質量%中のカーボンブラックの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。カーボンブラックの含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明に係るゴム組成物は、下記式(I)で表される化合物を含有する。
Figure 2017075224
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
、Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などを挙げることができる。
、Rのアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基などを挙げることができる。
、Rのアルキニル基としては、エチニル基、プロパルギル基などを挙げることができる。
、Rとしては、好ましくは、水素原子、アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基であり、更に好ましくは、水素原子である。すなわち、上記式(I)で表される化合物は、下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物であることが好ましく、下記式(I−1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2017075224
Figure 2017075224
Figure 2017075224
上記式(I)、(I−1)、(I−2)、(I−3)において、金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられ、ナトリウムイオンであることが好ましい。
式(I)で表される化合物の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上、特に好ましくは3質量部以上、最も好ましくは4質量部以上である。0.1質量部未満であると、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性を充分に改善できないおそれがある。式(I)で表される化合物の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。10質量部を超えると、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性をバランスよく改善できないおそれがある。
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、オイルなどの軟化剤、芳香族系石油樹脂、ワックス、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、オイルの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部である。ここで、オイルの配合量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
本発明では、本発明の効果が好適に得られるという理由から、芳香族系石油樹脂を配合することが好ましい。芳香族系石油樹脂としては、フェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、ロジン樹脂、DCPD樹脂などがあげられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、フェノール系樹脂が好ましい。
フェノール系樹脂としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂などが挙げられる。上記フェノール樹脂は、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるものであり、上記変性フェノール樹脂は、カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性したフェノール樹脂である。
フェノール系樹脂としては、硬化反応により良好な硬度が得られるという点から、変性フェノール樹脂が好ましく、カシューオイル変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂がより好ましい。
上記カシューオイル変性フェノール樹脂としては、下記式(1)で示されるものを好適に使用できる。
Figure 2017075224
式(1)中、pは、反応性が良く、分散性が向上する点で、1〜9の整数であり、5〜6が好ましい。
芳香族系石油樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、よリ好ましくは80℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記範囲内であると、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性をバランスよく改善できる。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
芳香族系石油樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上である。2質量部未満では、操縦安定性、グリップ性能の改善効果が充分に得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。25質量部を超えると、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなり、例えば、熱ダレ性能が低下する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、フェノール系樹脂を配合する場合、フェノール系樹脂の硬化作用を有する硬化剤を更に含むことが好ましい。これにより、本発明の効果が良好に得られる。上記硬化剤としては、上記硬化作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、ヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)、ヘキサメトキシメチロールパンタメチルエーテル(HMMPME)、メラミン、メチロールメラミンなどが挙げられる。なかでも、フェノール系樹脂の硬度を上昇させる作用に優れるという点から、HMT、HMMM、HMMPMEが好ましい。
硬化剤の含有量は、フェノール系樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。1質量部未満であると、充分に硬化できない場合がある。該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、硬化が不均一になるおそれや、押出し時にスコーチが発生するおそれがある。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スコーチ時間と加硫時間をバランスさせられるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内に調整することで、本発明の効果がより好適に得られる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内に調整することで、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明に係るゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。本発明に係るゴム組成物は、高性能タイヤのビードエイペックスに好適に使用できる。
本発明の高性能タイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でビードエイペックス等のタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol1502(E−SBR、スチレン含量:23.5質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA:75m/g、OAN:102ml/100g、IA:81mg/g)
化合物I:住友化学(株)製の(2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸ナトリウム(下記式で表される化合物)
Figure 2017075224
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24
レジン:住友ベークライト(株)製のPR12686(上記式(1)で表されるカシューオイル変性フェノール樹脂、軟化点:100℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
硬化剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH(ヘキサメチレンテトラミン)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を160℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をビードエイペックスの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(操縦安定性)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際における、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどドライ路面における操縦安定性に優れることを示す。
(熱ダレ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行なった。その際に、走行3周目における操舵時のコントロールの安定性と、走行10周目における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが比較評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどドライ路面における熱ダレ性能(グリップ性能の持続性)に優れることを示す。
比較例1の熱ダレ性能=(比較例1の10周目の操舵時のコントロール安定性)/(比較例1の3周目の操舵時のコントロール安定性)
熱ダレ性能=((各例の10周目の操舵時のコントロール安定性)/(各例の3周目の操舵時のコントロール安定性))/(比較例1の熱ダレ性能)×100
(破壊特性)
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状6号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において引張試験を実施して破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。そして、TB×EB/2(MPa・%)を算出した。結果は、比較例1の結果を100として指数表示した。指数が大きいほど、破壊特性に優れることを示す。
Figure 2017075224
表1の結果より、スチレンブタジエンゴムと、特定量のカーボンブラックと、上記式(I)で表される化合物とを含有する実施例は、操縦安定性、熱ダレ性能、破壊特性をバランスよく改善できた。

Claims (7)

  1. スチレンブタジエンゴムと、カーボンブラックと、下記式(I)で表される化合物とを含有し、
    ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が60〜100質量部である高性能タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する高性能タイヤ。
    Figure 2017075224
    (式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアルキニル基である。Mr+は金属イオンを示し、rはその価数を表す。)
  2. 前記式(I)で表される化合物が下記式(I−1)、(I−2)又は(I−3)で表される化合物である請求項1記載の高性能タイヤ。
    Figure 2017075224
    Figure 2017075224
    Figure 2017075224
  3. 前記金属イオンがナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオンである請求項1又は2記載の高性能タイヤ。
  4. 前記高性能タイヤ用ゴム組成物において、カーボンブラック100質量部に対する前記式(I)で表される化合物の含有量が0.1〜10質量部である請求項1〜3のいずれかに記載の高性能タイヤ。
  5. 前記高性能タイヤ用ゴム組成物において、天然ゴムを含む請求項1〜4のいずれかに記載の高性能タイヤ。
  6. 前記高性能タイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が10〜50質量%である請求項1〜5のいずれかに記載の高性能タイヤ。
  7. 前記タイヤ部材がビードエイペックスである請求項1〜6のいずれかに記載の高性能タイヤ。
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