JP2017074594A - 微小プレス金型の製造方法及び微小製品の製造方法 - Google Patents

微小プレス金型の製造方法及び微小製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細かつ複雑な形状を備えた金型を容易に実現できる技術の確立。
【解決手段】金型作製用のCADデータに基づき、金属製の型素材の表面に型形状のパターンを描画し、型形状に対応したマスクを形成する工程と、型素材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の領域に所定の深さの硬化部を形成することにより、描画した型形状のパターンを、型素材と同等の硬度を有する描画部位と、型素材よりも高い硬度を有する非描画部位からなる、硬さ分布パターンに変換する工程と、機械的除去法により、低硬度部位にあたる描画部位を除去して凹部となし、高硬度部位を凸部とする工程とからなる微小プレス金型の製造方法。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属材の表面に窒素を部分的に固溶させ、その表面を選択的に硬化させた後、非硬化部分を除去することで、金属材の表面に微細加工を施す技術に関する。
リードフレームはLSI技術におけるコア部品であり、LSIの高機能化に伴い、リードフレーム形状も複雑化・微小化してきた。微小機械システム(MEMS)では、従来のシリコンテクノロジーによる製造方法から金属シート材を用いた製造技術へと変化してきた。モーターの小型化に伴い、電磁鋼板あるいは金属アモルファスシート材からなるモータコアも小型化・軽量化が求められている。
このように、次世代の要素部品・センサー・トランスデューサーでは、小型化・軽量化と同時に、耐久性・信頼性が求められる。これを実現するには、その素形材技術として、ステンレス鋼・チタン合金・アルミニウムシートなどの金属シート材に、小径部品・微小製品が要求する機能を満たす形状を創製する製造技術が必要である。
例えば、直径10mm以下のマイクロポンプでは、厚さ0.01mmのステンレス鋼シート材に、内容物を押し出し・吸い込む稼動プレート(直径:2mm以下)をばねで支持する機構が必要となる。
現在は、ケミカルエッチングで不要な形状部分を除去し、試作品を作成しているが、エッチングによるシート厚方向の形状不良、エッチング液の経年変化など生産技術上の課題が多いことに加え、マイクロポンプ普及に伴う生産性の向上に対応困難であるという根本的な問題も有している。
その解決法として、リードフレーム生産がそうであったように、ケミカルエッチングから、転写すべき形状を金型上に創製し、それを精密プレス成形で金属シート材上に再現する生産様式が求められている。
マイクロポンプなどのMEMS要素部品形状を金型上に形成するには、型材料の精密加工技術が必要となる。
従来では、微小径工具によるマイクロ切削・マイクロミリング、微小電極・小径ワイヤーによるマイクロ放電加工が、その代表格である(非特許文献1参照)。
前者では、0.1mm以下の微小径切削工具で、プレス成形するシート材厚さ程度の深さを高精度で除去加工することが求められる。後者でも、電極径・ワイヤー径が0.1mm以下となるため、微小電極・小径ワイヤーの作製・効率的なハンドリングが前提となる。
両者に共通する課題も多い。第1は、マイクロポンプ形状を表現したCADデータからマイクロミリング・マイクロEDM用の加工データ(CAM)の作成である。
微小かつ複雑形状を有するマイクロポンプの3次元形状は、多数の微小サーフェイスを有し、また除去加工条件の変化させるべき形状変化をもつことから、合理的な除去加工データを、実加工実験と並行して行う必要がある。
最新のパルスレーザー加工においては、上記のような工具及び電極の微小化という制限はないが、形状変化が多数ある複雑微小型形状創製への適用は、多大な困難を伴う。
マイクロ・ナノメカトロデバイスの研究インターネットURL:http://www.hosei.ac.jp/nano/backup20100907oldHP/result/mecatro2003.pdf検索日:2015年10月5日
この発明は、上記の問題を解決するために案出されたものであり、微細かつ複雑な形状を備えた金型を容易に実現できる技術を確立することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した微小プレス金型の製造方法は、金型作製用のCADデータに基づき、金属製の型素材の表面に型形状のパターンをインク等で描画し、型形状に対応したマスクを形成する工程と、上記型素材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の領域に所定の深さの硬化部を形成することにより、描画した型形状のパターンを、型素材と同等の硬度を有する描画部位と、型素材よりも高い硬度を有する非描画部位からなる、硬さ分布パターンに変換する工程と、機械的除去法により、低硬度部位にあたる描画部位を除去して凹部となし、高硬度部位を凸部とする工程とからなることを特徴としている。
創製した金型形状は、金型作成用のCADデータ、描画手法、プラズマ窒化プロセス、機械的除去法により制御する。特に形状深さは、プラズマ窒化プロセス、機械的除去法により制御する。
請求項2に記載した微小プレス金型の製造方法は、請求項1の製造方法を前提としており、さらに、上記CADデータにおける描画部位と非描画部位を反転させると共に、型形状の向きを反転させたCADデータに基づき、型素材の表面に型形状の反転パターンをインクで描画することにより、上記凹部と凸部の領域を反転させることを特徴としている。
請求項3に記載した微小プレス金型の製造方法は、請求項1または2の製造方法を前提としており、さらに、上記型素材の表面に型形状のパターンを複数描画し、型形状に対応したマスクを複数組形成しておくことにより、金型用の凹部及び凸部を同時に複数組形成することを特徴としている。
請求項4に記載した微小プレス金型の製造方法は、請求項1〜3の製造方法を前提としており、さらに、上記型素材の表面に型形状のパターンを複数描画し、型形状に対応したマスクを複数組形成しておくことにより、金型用の凹凸パターンを同時に複数組形成することを特徴としている。
請求項5に記載した微小製品の製造方法は、製品形状に対応した3次元CADデータを一定方向に所定間隔でスライスした複数の2次元CADデータに基づき、請求項1の製造方法により、ポンチ側の複数の微小プレス金型を製造する工程と、上記の各2次元CADデータにおける描画部位と非描画部位を反転させると共に、型形状の向きを反転させたCADデータに基づき、請求項1の製造方法により、コアダイ側の複数の微小プレス金型を製造する工程と、上記ポンチ側の各微小プレス金型と、対応するコアダイ側の各微小プレス金型を用いてシート材をプレスせん断することにより、複数枚の部品シートを形成する工程と、各部品シートを積層し、相互間を接合する工程とからなることを特徴としている。
上記「シート材」としては、ステンレス鋼、チタン合金、銅合金、アルミ合金、冷間鉄材等の金属シート材が該当する。
この発明に係る微小プレス金型の製造方法の場合、CADデータに基づいてインク等を型素材の表面に印刷することによって微細加工用のマスクパターンを形成した後、型素材の表面にプラズマ窒化処理を施すことにより、マスクで被覆された低硬度領域と、マスクで覆われていない高硬度領域からなる硬度分布パターンを形成しておき、これにブラスト処理等を施すことにより、低硬度領域を一律に除去・掘削するものであるため、個別に凹凸部を形成する従来の加工方法に比べて、遙かに効率的な加工が実現できる。
また、同一のCADデータを反転させるだけで、凹部と凸部が反転した金型が同一工程で形成できるため、プレス加工用の金型一組(ポンチとコアダイ等)を極めて容易に得ることが可能となる。
この場合、一対のプレス金型間のクリアランスは、CADデータの一部変更あるいは描画プロセスの一部変更で制御される。
上記のように、インク等を印刷することによって型形状に対応したマスクが形成され、後はプラズマ窒化処理やブラスト処理といった一律の工程で金型の凹凸パターンが形成されるため、単一の型素材の表面に多数の金型用凹凸を同時に形成することが可能となる。
この結果、部品の多数個取りが可能となり、極めて効率的なプレス加工を実現できる。
製品の3次元CADデータが作成されていれば、そこから2次元CADデータをスライスすることで簡単に金型形成用のCADデータが得られるため、微細製品の製造工程をさらに効率化することが可能となる。
この3次元CADデータから切り出した複数の2次元CADデータに基づき、対応するプレス金型組を複数組形成し、それぞれによってシート材を切り出して複数枚の部品シートを製造し、これらを積層・接着することで、例えば直径50μm以下の微小製品を、極めて効率的に製造することが可能となる。
この発明による微小金型の創製は、図1に示すように、3段階からなる。
第1は、微小製品形状データを参照して作成した2次元CADデータを、型材表面へ描画するプロセスである(ステップ1)。
3次元プリンター技術でも利用されているように、3次元CADデータを形状創製する方向にスライスし、2次元形状を作成する技術は、CADシステムの既存機能として利用できる。
上記の2次元CADデータは、微小製品の3次元CADデータからデジタル操作でデータ作成することから、誤差・誤謬の混入は皆無となる。
図2は、マイクロポンプの2次元CADデータの一例を示しており、白部位が上金型形状(以下「ポンチ形状」)を表している。
一方、この2次元CADデータの白黒を反転させると共に、向きを鏡面反転させ、これに金型外形状を加えることにより、下金型形状(以下「コアダイ形状」)のCADデータとなる。
図3にその具体例を示す。黒部位が下金型形状(以下「コアダイ形状」)を表している。
実際には、プレスせん断加工時のクリアランスなど加工要件を加味した形状・寸法となるが、基本的なデータはポンチと同様、微小製品の3次元データより作成する。
第2は、上記により型材表面上に描画した2次元型形状を、型材の力学特性の3次元分布へ変換するプロセスである(ステップ2)。
型材として、ステンレス鋼、工具鋼、ハイス鋼、チタン合金を選択する。
型材上に描画した部位はマスクとして機能し、窒素原子・窒素ラディカルの侵入拡散を防止する。
このため、描画部位は窒化されず、その力学特性、例えば硬度は窒化前の母材硬度と同程度である。これに対し、描画しない型材の表面部位は、所定の窒化深さまで高硬度化される。
これにより、図2及び図3に示した2次元形状は、描画部が低硬度、非描画部が高硬度となる3次元硬度分布パターンに変換される。
第3は、上記により変換した硬度分布を利用した、低硬度の描画部位の選択的除去プロセスである(ステップ3)。
具体的には、サンドブラスト法、砥粒研磨法、ブラッシング法により、メディア硬度よりも低硬度の型材部位は選択的に除去され、メディア硬度よりも十分高い硬度を有する型材部位は、その表面がわずかに研磨される程度で、ほとんど除去加工されずに残存する。
これにより、図2に示した2次元形状は、図4に示すように、白部位がポンチヘッド面となり、黒部位がポンチ底となる上金型形状が創製される。
この発明を用いて微小製品を構成するには、以下の手順による。
まず、微小製品の3次元CADデータの各スライスデータに基づいて、上下金型を作製する。すなわち、微小製品の材料となる金属シート材をプレスせん断加工する一連の上下金型を、上記の3段階プロセスで複数セット創製する。
つぎに、各部品シートの形状単位で創製した上下金型を用い、並列同時にプレスせん断加工を施すことにより、微小製品を構成する各部品シートを作製する。
最後に、微小製品の3次元データをスライスした方向に順じて、各部品シートを重ねて接合することで、微小製品を製造する。
[本発明の特徴1]
図1に示すプロセス原理により、既存技術であるマイクロ切削、マイクロミリング、マイクロEDM、パルスレーザー加工の大きな障壁である、微小形状の除去加工における形状寸法制限は、存在しない。
本発明による形状創製の精度は、描画システムにおける空間分解能に依存し、その高度化とともに高精度化する。既存のディスペンサーで数10μm、インクジェットプリンタで数μmの分解能であり、マイクロポンプに代表される金属MEMS部品、異形オリフィスに代表される微小流路部品の寸法精度を満足する。
特に、2次元描画にリソグラフィーなどの露光技術を利用することで、実現できる空間分解能をサブミクロン化できる。
[本発明の特徴2]
図1に示すプロセス原理により、型材内部への窒化は、非描画部のみで進行し、その窒化深さはプロセス時間に比例する。
せん断プレス加工における金属シート材厚さ以上の窒化層厚さがあれば、所定の部位をせん断し、部品シートの形状を創製できる。
[本発明の特徴3]
図1に示すプロセス原理により、各スライス微小部品製造用の微小金型を創製するに必要な時間は、CADデータを共通として、以下の通りである。
(1) 描画時間(ステップ1)
(2) プラズマ窒化時間(ステップ2)
(3) 除去加工時間(ステップ3)
一方、既存技術のマイクロ加工では、以下の時間を要する。
(1) 適切な工具、電極、ワイヤーの準備時間
(2) CAMデータ作成時間
(3) 実加工時間(上下微小金型についてそれぞれ必要)
既存技術の場合、型形状が複雑化・微小化すると、(2)及び(3)の時間が大幅に増加することに加え、工具、電極、ワイヤーの消耗も大きくなる。
それに対し本発明では、描画時間が形状の複雑化・微小化に伴い微増するのみで、プラズマ窒化時間、除去加工時間はほとんど変化しない。
また上下金型も同一のプロセスで作製できるため、描画時間のみが倍になる程度である。
[本発明の特徴4]
図1に示すプロセス原理により、微小製品形状のサイズ及び形状の複雑さに関係なく、上下微小金型を創製できる。
特に、プラズマ窒化プロセス(ステップ2)及び除去加工プロセス(ステップ3)では、多数個同時処理ができる。
このことが、プラズマ窒化におけるプロセス時間の大幅な短縮化と共に、品質管理の高度化にも寄与する。
[実施例1:インクジェットプリンタによる描画例]
型材として、マルテンサイト系ステンレス鋼SUS420材(直径:25mmφ、厚さ:5mm)の片面を鏡面研磨した試験片を用いた。
フラットベッド型UVインクジェットプリンター(ミマキ社製)を用いた。
描画は、CADデータをADOBE/イラストレータ(登録商標)で制御コマンドに変換して、実施した。
インクはUV樹脂を主パルマーとして、カーボンブラックを50%混合したものを用いた。
図5に、描画した後の型材試験片を示す。CADデータである図2と比較し、印字部と非印字部により、CADデータに対応する形状が型材表面に形成される。
[実施例2:プラズマ窒化プロセスによる選択的硬度化例]
図5に示す試験片を、真空チャンバ内に設置し、低温プラズマ窒化(420℃、2時間、70Pa)を行った。
図6は、この発明に係るRF-DC低温プラズマ窒化装置20の構造を示す模式図であり、真空チャンバ22と、その内部に配置されたDCバイアス24と、このDCバイアス24上に載置された加工対象物(試験片)26と、DCバイアス24内に装着されたヒータ28と、一対のRF電極30と、真空チャンバ22の外部に配置された出力2MHzのRF発振器32とを備えている。
図示は省略したが、真空チャンバ22の外部には、RF発振器32の制御装置と、DCバイアスの制御装置と、冷却装置が設置されている。
この真空チャンバ22の給気口(図示省略)から原料となるN2とH2の混合ガスを内部に導入し、RF電極30, 30間に高周波を印加すると同時にDCバイアス用電圧を印加し、さらにヒータ28に給電して真空チャンバ22内を摂氏450度以下に加熱すると、混合ガスがプラズマ化し、図7に示すように、高密度の窒素イオン及びNHラディカルが発生し、窒素原子が加工対象物26の表面に浸透する。
以上の処理を所定時間継続すると、加工対象物26の表面に窒素が高濃度で固溶される。
なお、表面清浄化のために、1.8ksのプレスパッターを窒素のみで実施した。
この装置20の場合、RFプラズマとDCプラズマとを独立に制御できるため、20Pa〜1kPaの広い高圧力範囲(メゾ圧力領域)で窒化を行うことができる。
このメゾ圧力範囲での窒素イオン、NHラディカルの密度は、5×1017m-3以上であり、その高窒素イオン・高NHラディカル状態で窒化を行うため、低い保持温度でも加工対象物26中に窒素原子を溶質原子として投入できる。
また、従来のプラズマ装置と異なり、入出力パワーのマッチングを周波数領域で行うため、投入エネルギーは無駄なく、迅速にプラズマに投入される。この結果、加工対象物26の表面にムラなく安定的に窒素を固溶させることができる。
[実施例3:除去加工によるポンチ形状作製例]
図6に示す試験片を、サンドブラスト装置(冨士製作所製)により機械的除去加工を行った。
図8に示すように、低硬度部位は選択的に除去され、高硬度を示す部位である非描画部のみが、型材表面上に凸部として形成される。その形状寸法は、図5の描画形状と高精度で一致している。
図中の数字は、プラズマ窒化後の硬度分布を示すものである。
図示の通り、図5において描画された部位は、窒化処理前の型材の硬度と同程度の250HVである。一方、非描画部位は850HV以上に高硬度化している。
[実施例4:作製したポンチの形状データ]
3次元形状測定装置(ZYGO社製)を用いて、図8の形状を測定した。
図9に示すように、除去加工されなかった非描画部分は、図2における白部位と対応し、均一な高さを保持している。
すなわち、型材表面に残存した凸部は、ポンチ頭部形状を形成している。一方、除去加工された描画部は、一様な高さであり、ポンチ底部形状を形成している。
ポンチ頭部とポンチ底部との高さ変化は、描画形状の境界線上で生じており、ポンチエッジは急峻に変化している。
[実施例5:作製したポンチの形状精度]
3次元形状測定装置(ZYGO社製)を用いて、図9のポンチ頭部のA−A断面形状を測定した。
図10に示すように、ポンチ頭部は平坦であり、ポンチ肩部(エッジ)もほぼ垂直に切り立っており、実施例4の結果とも一致する。せん断プレス加工においては、ポンチ肩部の直角度が、成形時のせん断変形特性を決定する。
図10における急峻なポンチ形状の形成は、本発明技術で作製した微小ポンチの有用性を示している。特に、平均のPV値(Peak to Valley/最大値から最小値の差)が60μm以上であり、せん断プレス成形では、0.05mm程度の金属シート材の加工に利用できる。
[実施例6:多数個取り]
既存技術では、微小金型1つ1つを作製するため、同一形状あるいは異なる形状の金型を、多数個同時に作成することは不可能である。
本発明では、型材表面に、それぞれの型形状を描画し(ステップ1)、非描画部を選択的に窒化し(ステップ2)、描画部を選択的に除去する(ステップ3)ので、同一形状の複数個創製、あるいは異なる型形状の複数個創製を、同時に実行できる。
図11に、ポンチ用の凹凸パターンを、型材表面に9つ同時に形成した事例を示す。
[実施例7:多数個取りしたポンチの形状精度]
図11で多数個取りした各ポンチの、形状ばらつきを調査した。
図12に示すように、除去深さにサンドブラスト時の不均一除去によるむらが多少みられるが、図9及び図10に示した1つのポンチの形状が、9個同時に高精度で創製されている。
本発明のプロセス原理を示す説明図である。 ポンチ形成用2次元CADデータの一例を示す図である。 コアダイ形成用2次元CADデータの一例を示す図である。 ポンチ形成用2次元CADデータに基づいてポンチを形成した状態を示すイメージ図である。 型材の表面にインクジェットプリンタでポンチ形成用2次元CADデータを描画した状態を示す図である。 本発明に係るRF-DC低温プラズマ窒化装置の構造を示す模式図である。 窒素原子が加工対象物の表面に浸透する様子を示す概念図である。 型材表面に機械的除去加工を施した後の状態を示す図である。 型材表面に形成された凸部の平面形状を示す図である。 型材表面に形成された凸部の断面形状を示す図である。 型材表面に9個の型形状を同時に形成した例を示す図である。 各型形状の凸部の平面形状及び断面形状を示す図である。
20 低温プラズマ窒化装置
22 真空チャンバ
24 DCバイアス
26 加工対象物
28 ヒータ
30 RF電極
32 RF発振器

Claims (5)

  1. 金型作製用のCADデータに基づき、金属製の型素材の表面に型形状のパターンを描画し、型形状に対応したマスクを形成する工程と、
    上記型素材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の領域に所定の深さの硬化部を形成することにより、描画した型形状のパターンを、型素材と同等の硬度を有する描画部位と、型素材よりも高い硬度を有する非描画部位からなる、硬さ分布パターンに変換する工程と、
    機械的除去法により、低硬度部位にあたる描画部位を除去して凹部となし、高硬度部位を凸部とする工程と、
    からなる微小プレス金型の製造方法。
  2. 上記CADデータにおける描画部位と非描画部位を反転させると共に、型形状の向きを反転させたCADデータに基づき、型素材の表面に型形状の反転パターンを描画することにより、上記凹部と凸部の領域を反転させることを特徴とする請求項1に記載の微小プレス金型の製造方法。
  3. 上記型素材の表面に型形状のパターンを複数描画し、型形状に対応したマスクを複数組形成しておくことにより、金型用の凹部及び凸部を同時に複数組形成することを特徴とする請求項1または2に記載の微小プレス金型の製造方法。
  4. 上記CADデータが、製品形状に対応した3次元CADデータを、平面にスライスした2次元CADデータよりなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の微小プレス金型の製造方法。
  5. 製品形状に対応した3次元CADデータを一定方向に所定間隔でスライスした複数の2次元CADデータに基づき、請求項1の製造方法により、ポンチ側の複数の微小プレス金型を製造する工程と、
    上記の各2次元CADデータにおける描画部位と非描画部位を反転させると共に、型形状の向きを反転させたCADデータに基づき、請求項1の製造方法により、コアダイ側の複数の微小プレス金型を製造する工程と、
    上記ポンチ側の各微小プレス金型と、対応するコアダイ側の各微小プレス金型を用いてシート材をプレスせん断することにより、複数枚の部品シートを形成する工程と、
    各部品シートを積層し、相互間を接合する工程と、
    からなる微小製品の製造方法。
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