JP6711533B2 - プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents

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この発明は、金属材の表面に窒素を部分的に固溶させ、その表面を選択的に硬化させた後、非硬化部分を除去することで、金属材の表面に微細加工を施す技術の応用技術に関する。
病院・高齢者施設・学校・給食センター・レストランなどでは、プラスチック食器が普及している。これらは使い捨てではないため、洗浄・水洗・乾燥・殺菌のプロセスを経て、再利用される。昨今の環境負荷低減への要求、水資源の有効利用から、より少ない水使用量で洗浄・水洗できる食器として、耐環境性と撥水性を合わせもつ、微細パターン転写プラスチック食器が期待されている。
また、戸外で使用されている遊具・椅子・机などは、幼児・児童を含めた人が直接さわる製品であるため、雨水のみでも表面の汚れが洗浄できるプラスチック化が望まれている。このためには、経年劣化がほとんどなく、撥水性による離水効果で汚れを除去する、微細パターン転写プラスチックの製品化が必要である。
これまでに物品の表面に撥水性を付与するために採られてきた方法は、大別して表面を化学的に修飾する手法と、ハスの葉のように空気層も含めた微細パターンを形成する手法がある。
前者は、対象とする金属ごとに最適な化学処理法を開発するか、あるいは撥水化コーティングあるいは撥水性フィルムを表面に塗布する必要がある。これらは日常の使用時に経年劣化し、時間経過とともに消耗が進み、最終的には損傷・剥離する。加えて、表面の日常的に洗浄する製品では、摩耗が加速するため、事実上使用できない。さらに、食品容器など人間の体内汚染に関与する化学物質を伴うコーティング・フィルムは、利用できない。
これに対し微細パターン形成法は、製品素材そのものを利用するため、洗浄など表面摩擦が生じる取り扱いでも通常製品の摩耗速度で劣化するのみである。また製品素材の安心安全を担保することで、人体・環境へのリスクも回避できる。
その形状創成法では、機械的な切削方法(非特許文献1)、放電加工法(非特許文献2)、レーザー加工法(非特許文献3)などが報告されている。
機械的な切削方法では、工具形状・工具寸法の制限があり、1mm以下の微細パターンを形成すること、必要な密度と数を低生産コストで創成することは事実上困難である。
放電加工法でも、ワイヤー線径以下の微細パターンの形成は不可能であると同時に、複雑な形状パターンの形成には膨大な加工時間を必要とする。
レーザー加工の場合、高周波数発信レーザーを利用することで、1万個程度の円形の微小ホールを作成することは可能であるが、マイクロテクスチュアの形状が複雑化すると、加工できるマイクロテクスチュア寸法は100μm程度にとどまる。
一方で、細胞培養分野においては、細胞を強く固定せずに培養し、栄養分を供給しつつ、離散的なコロニー(細胞群)を形成する必要性があるため、樹脂層の表面に目的とする細胞の形状寸法に応じた微細な凸部を多数形成した細胞培養シートが実用化されている(非特許文献4及び特許文献1)。
これは、微細な円筒状の凹部が多数形成された金型を、加熱によって軟化させたプラスチックの表面に圧着させることで、プラスチック側に微細な円柱状の凸部を形成するものであるが、金型の製作に際しては切削加工や光リソグラフィ法、電子線直接描画法、粒子線ビーム加工法、走査プローブ加工法等が用いられるため、やはり膨大な時間とコストを要することが推察される。
Efficient machining of micro-dimples for friction reduction. インターネットURL:http://micronanomanufacturing.asmedigitalcollection.asme.org/article.aspx?articleid=1674092 検索日:2016年3月18日 Adaptive control for micro-hole EDM process with wavelet transform detecting method. インターネットURL:http://link.springer.com/article/10.1007/s12206-012-0410-y 検索日:2016年3月18日 Improving tribological performance of mechanical components by laser surface texturing. インターネットURL:http://link.springer.com/article/10.1007/s11249-004-8081-1 検索日:2016年3月18日 ナノプリント技術を応用したナノピラー細胞培養シート インターネットURL:http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2006/09/2006_09_14.pdf 検索日:2016年3月18日 特許第4950426号公報
この発明は、従来の上記問題を解決するために案出されたものであり、プラスチック製品の表面に撥水性を発揮できる程度の微細なパターン形状を、短時間かつ低コストで多数形成可能な加工技術の提供を目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載したプラスチック成形品の製造方法は、予め作成されたCADデータに従い、金属材の表面にインクをドット状に印刷することにより、30μm以下(好ましくは10μm以下)の寸法を備えたマスクを複数形成する工程と、上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を形成する工程と、上記金属材をモールド金型として用い、プラスチック素材の射出成形時に表面に複数の微細な凸部を形成することを特徴としている。
請求項2に記載したプラスチック成形品の製造方法は、請求項1の製造方法であって、さらに上記プラスチック素材が、室温で変形する特性を備えたプラスチック素材よりなることを特徴としている。
請求項3に記載したプラスチック成形品の製造方法は、請求項1の製造方法であって、さらに、共通金型と一次金型とを対向配置し、両者の隙間に第1のプラスチック素材を射出して第1の層を形成する工程と、上記一次金型を外した後、上記共通金型と2次金型とを対向配置し、両者の隙間に第2のプラスチック素材を射出して、上記第1の層の表面に第2の層を形成する工程とを備え、上記2次金型が上記モールド金型であり、上記第2のプラスチック素材が、室温で変形する特性を備えたプラスチック素材よりなることを特徴としている。
請求項4に記載したプラスチック成形品の製造方法は、請求項2または3の製造方法であって、さらに上記室温で変形する特性を備えたプラスチック素材が、エラストマー系、ウレタン系、ラバー系の何れかのプラスチック素材よりなることを特徴としている。
請求項5に記載したプラスチック成形品の製造方法は、請求項1〜4の製造方法であって、さらに上記の各マスクが、直径30μm以下(好ましくは10μm以下)の円形状に形成されることを特徴としている。
請求項6に記載したプラスチック成形品の製造方法は、請求項1〜4の製造方法であって、さらに上記の各マスクが、1辺が30μm以下(好ましくは10μm以下)の正方形状に形成されることを特徴としている。
この発明に係る微細加工方法の場合、インクジェット・プリンティングやドット・プリンティング等の一般的な印刷技術を用いてインクを金属材(ステンレス鋼等)の表面に印刷することにより、微細加工用のマスクパターンが形成されるため、比較的作成が容易なCADデータを事前に準備すれば足り、その作成に膨大な時間を要するCAMデータを準備する必要がない。
また、金属材の表面に硬化層を部分的に形成しておき、これにブラスト処理を施すことにより、硬化層以外の部分を一律に除去・掘削するものであるため、個別に凹部を形成する従来の加工方法に比べて、遙かに効率的な加工が実現できる。
この結果、作業時間を大幅に短縮化することができる。特殊な切削工具を必要としない点でも、この微細加工方法は優れている。
この微細加工方法を用いることにより、表面に微細な凹部を備えた金型を形成することができる。
この金型をモールド金型として用いることで、プラスチック成形品の射出成形時に、その表面に微細な凸部の集合体としての加工パターン(マイクロテクスチャ)を容易に形成することが可能となる。
加工パターンの寸法(円筒体の直径や直方体の辺)が30μm以下に設定されているため、プラスチック成形品の表面における液滴との接触角が大きくなり、その濡れ性が低下する結果、高い撥水性を付与することが可能となる。
プラスチック素材として、室温で変形する特性を備えたもの(エラストマー系、ウレタン系、ラバー系)を採用することにより、プラスチック成形品の表面に形成されるマイクロテクスチャに弾力性・柔軟性を付与することができ、その表面形状の変形に起因してさらなる撥水性を発揮することができる。また、細胞培養シートに応用した場合、細胞サイズ・コロニーサイズに応じて培地形状を変化させることが可能となり、その成長・分化を促進可能となる。
この発明は、撥水性微細パターンのCADデータを用い、金属型材(ステンレス鋼材、工具鋼、チタンおよびチタン合金材、アルミおよびアルミ合金材)の表面に、微細パターンを2次元描画する。
次に、描画以外の金型表面部位(非描画部)を低温プラズマ窒化し、その部分のみに窒素原子を侵入、拡散させ、初期の描画パターンを型内部へと展開する。
非描画部分は、低温プラズマ処理で達成する深さ(窒化影響層厚さ)まで、窒素原子が固溶し、内部まで選択的に高硬度化する。
描画部は、低温プラズマ処理前と変化なく、金属型材と同程度の硬さを維持する。
非描画部と描画部の境界は、窒化影響層厚さまで、固溶した窒素分布の境界となる。
サンドブラスト法により、描画部のみを選択的に除去することで、非描画部と描画部との境界が、金型に新たに形成するマイクロテクスチュアの側面になる。
また初期描画部以外もサンドブラスト法により研磨されるため、低温プラズマ処理による金型表面のよごれ、むらも除去され、射出成形に必要な金型表面性状が担保される。
射出成形では、型表面に形成されたマイクロテクスチュア内部へのプラスチック材の流入と製品形状形成を同時に行う。これにより、マイクロテクスチュア形成と2色プラスチック製品製造とを同時に行うことができる。
プラスチック食器、プラスチック用具・遊具、細胞培養・分化用培地などのプラスチック製品では、撥水性の発現に加え、製品の所要の位置で触感性・滑り止めなどの力学機能を発現するなど、多面的なマイクロテクスチュア形成が必要である。
当該技術は、プラスチック射出成型用金型表面に、設計したマイクロテクスチュアの2次元パターンを描画し、非描画部のみを硬化させ、描画部を除去することで、設計したマイクロテクスチュアの3次元ネガパターン(凹部)を作成する。
射出成形用金型に上記の型駒を挿入し、射出成形プロセスにて、プラスチック製品の所定の表面部位に、上記の金型上に形成した凹部に対応する凸部を成形することで、プラスチック製品表面・界面上に、設計したマイクロテクスチュアを再現する。
特に2色プラスチック成形プロセスを利用し、エラストマー系・ウレタン系・ラバー系の表面に設計したマイクロテクスチュアを再現することで、製品使用時に、転写成形したマイクロテクスチュアを変形させて利用することができる。
このことは、細胞・再生組織などが成長する際に、細胞サイズ・コロニーサイズに応じて培地形状を変化させた培養・分化を可能とする。
さらに設計マイクロテクスチュアの形状寸法設計を反映して、接触角度などの表面特性を制御することもできる。
まず図1(a)に示すように、インクジェット・プリンティングやドット・プリンティング技術により、SUS420等よりなる型素材10の表面に、CADで設計したマイクロパターン(高精度ドット形状)12を多数印刷する。
このマイクロパターン12は、直径10μm以下の超微細な円形よりなり、相互に一定の間隔(例えば20μm)をおいてマトリクス状に配置されている。
この印刷に用いるインクは、例えば、黒色インク成分と有機プライマーとの混合物を使用する。好ましくは、表1に示す無機材粒子・無機溶剤を含めたインクとする。より好ましくは、表1に示す無機材粒子・無機溶剤を含めたインクを印刷後に、焼成・調湿する。
Figure 0006711533
つぎに、上記型素材10の表面に対し、図1(b)に示すように、低温高密度プラズマ窒化処理を施す。
この際、マイクロパターン12がマスクとして機能するため、同図(c)に示すように、未プリント部位14の表面のみが選択的に高濃度窒素固溶化され、硬化層16が形成される。
図2は、この発明に係るRF-DC低温プラズマ窒化装置20の構造を示す模式図であり、真空チャンバ22と、その内部に配置されたDCバイアス24と、このDCバイアス24上に載置された型素材10と、DCバイアス24内に装着されたヒータ28と、一対のRF電極30と、真空チャンバ22の外部に配置された出力2MHzのRF発振器32とを備えている。
図示は省略したが、真空チャンバ22の外部には、RF発振器32の制御装置と、DCバイアスの制御装置と、冷却装置が設置されている。
この真空チャンバ22の給気口(図示省略)から原料となるNとHの混合ガスを内部に導入し、RF電極30, 30間に高周波を印加すると同時にDCバイアス用電圧を印加し、さらにヒータ28に給電して真空チャンバ22内を摂氏450度以下に加熱すると、混合ガスがプラズマ化し、図3に示すように、高密度の窒素イオン及びNHラディカルが発生し、窒素原子が型素材10の表面に浸透する。
この装置20の場合、RFプラズマとDCプラズマとを独立に制御できるため、20Pa〜1kPaの広い高圧力範囲(メゾ圧力領域)で窒化を行うことができる。
このメゾ圧力範囲での窒素イオン、NHラディカルの密度は、1017-3以上(好ましくは5×1017-3以上、より好ましくは1018-3)であり、その高窒素イオン・高NHラディカル状態で窒化を行うため、低い保持温度でも型素材10中に窒素原子を溶質原子として投入できる。
また、従来のプラズマ装置と異なり、入出力パワーのマッチングを周波数領域で行うため、投入エネルギーは無駄なく、迅速にプラズマに投入される。この結果、型素材10の表面にムラなく安定的に窒素を固溶させることができる。
以上の処理を所定時間継続すると、型素材10の表面に窒素が高濃度で固溶される。
つぎに、図4(a)に示すように、型素材10の表面に砂等の研磨材40を吹き付けるサンドブラスト処理を施すことにより、マイクロパターン12を除去すると共に、高濃度窒素固溶化がなされていない型素材10の表面に対する掘削を行う。
この結果、同図(b)に示すように、硬化層16以外の箇所に円筒状の凹部(マイクロホール)42が多数形成された金型44が得られる。
図5は、この金型44の平面を撮影した電子顕微鏡写真(SEM像)であり、多数の微細な凹部42がマトリクス状に規則正しく配置されていることが確認できる。
各凹部42の深さは、約4μmに形成されている。
この金型44は、2色成形金型の駒として用いられる。
以下、この金型44を用いてプラスチック成形品の表面にマイクロテクスチャを形成する方法について説明する。
図6は、このプラスチック成形品の製造に用いる2色成形機50の概念図であり、固定側のベース部51と、このベース部51の一面に配置された一次金型52及び二次金型53と、可動側のロータリー部54と、このロータリー部54の一面に配置された一対の共通金型55, 55と、固定側のベース部51に接続された一次ポリカーボネート射出ユニット56と、二次エラストマー射出ユニット57を備えている。
ロータリー部54は、180度単位で回転可能となるように、かつ固定側との間の距離が一定範囲で可変となるように(往復移動可能に)配置されている。
まず、ロータリー部54をベース部51側に近づけて、図7(a)に示すように、共通金型55と一次金型52との間に500μmの隙間60を形成する。
つぎに、同図(b)に示すように、隙間60に一次素材であるポリカーボネートを射出し、土台となる厚さ500μmのポリカーボネート層61を形成する。
つぎに、ロータリー部54をベース部51から離して180度回転させることにより、上記共通金型55から一次金型52を外し、図8(a)に示すように、代わりに二次金型53を共通金型55に組み合わせる。
この二次金型53の対向面には、上記の金型44が駒としてセットされている。
この金型44の表面とポリカーボネート層61の表面との間には、500μmの隙間62が形成されている。
この隙間62に二次素材であるエラストマーを射出することにより、図8(b)に示すように、金型44の各凹部42内にエラストマーが充填され、厚さ500μmのエラストマー層63が形成される。
つぎに、図9に示すように、ロータリー部54をベース部51から離し、共通金型55と二次金型53間を開放することにより、ポリカーボネート層61の上にエラストマー層63が接合された最終製品であるプラスチック成形品64が取り出される。
このエラストマー層63の表面には、エラストマー製の微細な円柱状凸部65が多数形成されている。
図10は、エラストマー層63の平面を撮影した電子顕微鏡写真(SEM像)であり、多数の微細な凸部65がマトリクス状に規則正しく配置されていることが確認できる。
各凸部65の高さは、約4μmに形成されている。
このプラスチック成形品64は、第2層が弾力性に富むエラストマー製であり、多数の凸部65も弾力性を備えている。このため、このプラスチック成形品64を細胞の培養シートとして用いた場合、細胞の成長に応じて凸部65が変形し、その成長・分化を促進することが可能となる。
また、土台となる第1層がポリカーボネートよりなり、ある程度の定形性を備えていることから、ハンドリング上の利便性をも兼ね備えている。
また、各凸部65の直径が10μm以下であり、プラスチック成形品64の表面の濡れ性が低減すると共に、表面形状も変形可能であるため、高い撥水効果を発揮することができる。
図11は他の実施例を示すものであり、SUS420よりなる型素材70の表面に、マイクロパターンとして5μm×5μmの正方形格子を描画した例を示している。黒い正方形パターンが描画部71であり、白地の正方形パターンが非描画部72となる。
プラスチック射出成形用型材として利用されるSUS420J2材を用い、片面鏡面研磨後、インクジェットプリンターを用いて、上記の2次元描画を行った。
この型素材70に対し、摂氏420度、3時間、70Paの条件下で低温プラズマ窒化処理を施した後、サンドブラスト処理を5分間施すことにより、図12に示すように、5μm×5μmの正方形格子状で、深さ7μmの微細パターン(凹部73)が形成された。この凹部73は、上記の描画部71の形状・寸法に対応している。また、この凹部73の周りには、上記非描画部72の形状・寸法に対応した凸部74が分布している。
この型素材70をモールド金型として用い、プラスチック素材を金型内に射出することにより、プラスチック成形品の表面に、上記凹部73に対応した正方形状の微細な凸部と、上記凸部74に対応した正方形状の微細な凹部を備えたマイクロテクスチャが形成される。
この発明によるマイクロパターンと水滴の接触角度との関係について、検証した。
すなわち、多数の凸部をマトリクス状に形成したラバロン(登録商標)よりなるプラスチック成形品の表面に水滴を落としたところ、図13(a)に示すように、凸部を形成していないラバロン(登録商標)による平坦面の場合(同図(b))に比べ、明らかに接触角度が拡大している。
以下の式1に基づいて計算したところ、マイクロパターン形成面上では136度という、撥水性の実現には十分な接触角度が得られている。
(式1) cosθ*=−1+φs(cosθE+1)
θ*:マイクロパターン形成面上の接触角度
θE:平坦面での接触角度
φs:マイクロパターン形成面と非形成面の面積比
凸部のドット直径の平均30μm
ピッチ50μm
面積比0.396
金型を製造する工程を示す模式図である。 RF-DC低温プラズマ窒化装置の構造を示す模式図である。 窒素原子が加工対象物の表面に浸透する様子を示す概念図である。 金型を製造する工程を示す模式図である。 金型の平面を撮影した電子顕微鏡写真である。 プラスチック成形品の製造に用いる2色成形機の概念図である。 プラスチック成形品を製造する工程を示す模式図である。 プラスチック成形品を製造する工程を示す模式図である。 プラスチック成形品を製造する工程を示す模式図である。 エラストマー層の平面を撮影した電子顕微鏡写真である。 型素材表面にマイクロパターンとしての正方形格子を描画した例を示す平面拡大写真である。 型素材表面に正方形格子状の凹部が形成された様子を示す電子顕微鏡写真である。 マイクロパターンを形成した面と形成しない面における水滴の接触角度を比較する電子顕微鏡写真である。
10 型素材
12 マイクロパターン
14 未プリント部位
16 硬化層
20 低温プラズマ窒化装置
22 真空チャンバ
24 DCバイアス
28 ヒータ
30 RF電極
32 RF発振器
40 研磨材
42 凹部
44 金型
50 2色成形機
51 ベース部
52 一次金型
53 二次金型
54 ロータリー部
55 共通金型
56 一次ポリカーボネート射出ユニット
57 二次エラストマー射出ユニット
60 隙間
61 ポリカーボネート層
62 隙間
63 エラストマー層
64 プラスチック成形品
65 円柱状凸部
70 型素材
71 描画部
72 非描画部
73 凹部
74 凸部

Claims (6)

  1. 予め作成されたマスク形成用のCADデータに従い、インクジェットプリンターで金属材の表面にインクを所定形状に印刷することにより、30μm以下の寸法を備えたマスクを金属材の表面に複数形成する工程と、
    上記金属材の表面にプラズマ窒化処理を施し、マスク形成部以外の部分に硬化層を形成する工程と、
    上記金属材の表面にブラスト処理を施し、上記マスクを除去すると共に、上記硬化層以外の部分にマスクのパターンに対応した形状の凹部を複数形成する工程と、
    上記金属材をモールド金型として用い、プラスチック素材の射出成形時に表面に複数の微細な凸部を形成する工程と、
    からなることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  2. 上記プラスチック素材が、室温で変形する特性を備えたプラスチック素材よりなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  3. 共通金型と一次金型とを対向配置し、両者の隙間に第1のプラスチック素材を射出して第1の層を形成する工程と、
    上記一次金型を外した後、上記共通金型と2次金型とを対向配置し、両者の隙間に第2のプラスチック素材を射出して、上記第1の層の表面に第2の層を形成する工程とを備え、
    上記2次金型が上記モールド金型であり、
    上記第2のプラスチック素材が、室温で変形する特性を備えたプラスチック素材よりなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  4. 上記室温で変形する特性を備えたプラスチック素材が、エラストマー系、ウレタン系、ラバー系の何れかのプラスチック素材よりなることを特徴とする請求項2または3に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  5. 上記の各マスクが、直径30μm以下の円形状に形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
  6. 上記のマスクが、各辺が30μm以下の矩形状に形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプラスチック成形品の製造方法。
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