JP2017072681A - 光制御部材形成用の樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに平行配置された、断面形状が略矩形の複数の線状部材からなるラインパターンを形成することができる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ可溶性重合体(A)と、多官能性モノマー(B)と、感放射線性重合開始剤(C)とを含有する樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであり、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する第1および第2の光制御部材を備え、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている光学結像部材における、前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するための樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】アルカリ可溶性重合体(A)と、多官能性モノマー(B)と、感放射線性重合開始剤(C)とを含有する樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであり、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する第1および第2の光制御部材を備え、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている光学結像部材における、前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するための樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、光制御部材の形成に用いられる樹脂組成物に関し、より詳しくは、互いに平行配置された複数の平面状の光反射部(光反射面)を有する光制御部材の形成に用いられる樹脂組成物に関する。
物体表面から放射された光を用いて、前記物体の像を空中に形成する立体像表示装置が知られている(特許文献1参照)。立体像表示装置の一例は、互いに平行配置された複数の平面状の光反射部を一定間隔で内部に有する光制御部材を2つ備える。これらの光制御部材(第1および第2の光制御部材)は、それぞれの平面状の光反射部を直交させた状態で向かい合わせて配置されている。
第1の光制御部材の平面状の光反射部に物体からの光を入射させ、前記光反射部で反射した反射光を第2の光制御部材の平面状の光反射部で再度反射させる。ここで得られた反射光によって、前記物体の像を、この立体像表示装置の反対側に表示する。
上記立体像表示装置において、平面状の光反射部を一定間隔で複数有する光制御部材を用意する必要がある。前記光制御部材は、両面または片面に光反射部を有する透明基板を、接着剤を用いて積層し、得られた積層体を一定幅で切断することにより、得ることができる。しかしながら、前記方法はコストが高く、量産化には不適当である。
上記問題に対して、フォトリソグラフィー法により凹凸部材を形成し、前記凸部の側面に光反射部を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法では、光反射部が互いに平行になっていない場合、形成される像においてノイズが大きく、前記像がぼやける傾向にある。特に、凸部の高さが大きい場合、前記ノイズが大きくなる。
立体像表示装置が形成する像におけるノイズを低減するためには、互いに平行配置された複数の光反射面を形成する必要があり、そのためには、互いに平行配置された、断面形状が略矩形の複数の線状部材からなるラインパターンを形成する必要がある。本発明の課題は、このようなラインパターンを形成することができる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する樹脂組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[14]に関する。
[1]アルカリ可溶性重合体(A)と、多官能性モノマー(B)と、感放射線性重合開始剤(C)とを含有する樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであり、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する第1および第2の光制御部材を備え、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている光学結像部材における、前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するための樹脂組成物。
[2]アルカリ可溶性重合体(A)の酸価が、80〜200mgKOH/gである前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]アルカリ可溶性重合体(A)が、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)に由来する構造単位有する前記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]多官能性モノマー(B)が、多官能(メタ)アクリレートである前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[5]感放射線性重合開始剤(C)が、フォトブリーチング性を有する前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成され、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する光制御部材。
[7]前記線状部材の高さが、50μm以上である前記[6]に記載の光制御部材。
[8]さらに透明基板を有し、前記ラインパターンが前記透明基板上に形成されている前記[6]または[7]に記載の光制御部材。
[9]前記線状部材の断面において、線状部材の高さに対してその底面から10%の位置における線状部材の幅をBottom幅、線状部材の高さに対してその底面から90%の位置における線状部材の幅をTop幅と定義した場合に、Top幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値が、Top幅およびBottom幅の大きい方の値の18%以下である前記[6]〜[8]のいずれか1項に記載の光制御部材。
[10]前記線状部材間に透明部材を有する前記[6]〜[9]のいずれか1項に記載の光制御部材。
[11]第1の光制御部材と、第2の光制御部材とを有し、前記第1および第2の光制御部材は前記[6]〜[10]のいずれか1項に記載の光制御部材であり、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている、光学結像部材。
[12]前記[11]に記載の光学結像部材を有する立体像表示装置。
[13]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程と、前記塗膜に放射線をラインパターン状に照射する工程と、放射線照射後の前記塗膜を現像して、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンを形成する工程と、前記線状部材の側面に光反射面を形成する工程とを有する光制御部材の製造方法。
[14]前記線状部材間に透明部材を形成する工程をさらに有する前記[13]に記載の光制御部材の製造方法。
本発明によれば、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンを形成することができる樹脂組成物を提供することができる。前記線状部材の側面に光反射面を形成することで、互いに平行配置された複数の平面状の光反射部(光反射面)を有する光制御部材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、アルカリ可溶性重合体(A)と、多官能性モノマー(B)と、感放射線性重合開始剤(C)とを含有し、前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであることを特徴とする。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、アルカリ可溶性重合体(A)と、多官能性モノマー(B)と、感放射線性重合開始剤(C)とを含有し、前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、上記特徴を有することから、互いに平行配置された複数の線状部材からなるラインパターンを、精度よく形成することができる。「精度よく」とは、線状部材の面内膜厚均一性が高く、線状部材のΔ幅が小さく、すなわちその断面形状が略矩形であることを意味する。Δ幅とは、線状部材の高さに対してその底面から10%の位置における線状部材の幅をBottom幅、線状部材の高さに対してその底面から90%の位置における線状部材の幅をTop幅と定義した場合に、Top幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値を意味する。
前記線状部材の側面に光反射面を形成することで、互いに平行配置された複数の平面状の光反射部(光反射面)を一定間隔で有する光制御部材を得ることができる。したがって、本発明の樹脂組成物は、前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するために好適に用いられる。
特に、本発明の樹脂組成物は、「互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターン」と、「前記線状部材の側面に形成された光反射面」とを有する第1および第2の光制御部材を備え、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている光学結像部材における、前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するために好適に用いられる。
以下、線状部材の構造、その断面および側面、ならびにラインパターンの構造について、図1を参照しながら説明する。図1Aは、透明基板10と、前記透明基板10上に形成された、複数の線状部材21からなるラインパターン20とを有する部材1の斜視図であり、図1Bは、前記部材1の上視図であり、図1Cは、前記上視図におけるAA線断面図である。
線状部材21の断面とは、線状部材21の延びる方向(図1AにおいてX軸方向)に対して垂直な断面(図1AにおいてYZ平面)である。線状部材21の断面形状は、略矩形である。線状部材21の側面とは、線状部材21が互いに向き合う面であり、図1Aでは長手方向の側面であり、図1AおよびCにおいて符号22で示す面である。複数の線状部材21は、互いに長手方向が平行になるよう配置されている。ラインパターン20は、複数の線状部材21を有する。
以下、本発明の樹脂組成物の各成分について説明する。
〈アルカリ可溶性重合体(A)〉
アルカリ可溶性重合体(A)は、本発明の樹脂組成物から形成された塗膜を現像する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ性現像液、に対して可溶または膨潤可能な重合体である。
〈アルカリ可溶性重合体(A)〉
アルカリ可溶性重合体(A)は、本発明の樹脂組成物から形成された塗膜を現像する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ性現像液、に対して可溶または膨潤可能な重合体である。
重合体(A)は、アルカリ現像性の観点から、酸性官能基を有することが好ましい。酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基が挙げられ、特にカルボキシル基が好ましい。
重合体(A)は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)に由来する構造単位を有することが好ましく、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)に由来する構造単位と、前記(a1)と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(a2)に由来する構造単位とを有することがより好ましい。すなわち、重合体(A)は、単量体(a1)と単量体(a2)との共重合体であることが好ましい。重合体(A)は例えばランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、一実施形態ではランダム共重合体である。
単量体(a1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸等の、不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]等の、2価以上の多価カルボン酸のモノ[(メタ)アクリロイロキシアルキル]エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の、両末端にカルボキシル基および水酸基を有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)には、無水カルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体も含める。これらの中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
単量体(a1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(a2)としては、例えば、芳香環含有(メタ)アクリレート、芳香族ビニル化合物、N位置換マレイミド化合物、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
単量体(a2)としては、例えば、芳香環含有(メタ)アクリレート、芳香族ビニル化合物、N位置換マレイミド化合物、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o,m又はp−ビニルトルエン、o,m又はp−メトキシスチレン、o,m又はp−ビニルフェノール、o,m又はp−ビニルベンジルメチルエーテル、o,m又はp−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、o,m又はp−ビニルベンジルグリシジルエーテルが挙げられる。
N位置換マレイミド化合物としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−o,m又はp−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(アクリジニル)マレイミドが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜12である。
脂環式基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート等の多環式基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6である。
単量体(a2)としては、その他、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル、不飽和アミド化合物、シアン化ビニル化合物、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーを挙げることもできる。
単量体(a2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体(a1)と単量体(a2)との共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報に開示されている共重合体が挙げられる。
単量体(a1)と単量体(a2)との共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報に開示されている共重合体が挙げられる。
重合体(A)は、単量体(a1)由来の構造単位を、好ましくは0質量%を超えて50質量%以下、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜35質量%の範囲で有し、単量体(a2)由来の構造単位を、好ましくは50質量%以上100質量%未満、より好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは65〜90質量%の範囲で有する。単量体(a1)および(a2)の含有量が前記範囲にある重合体(A)を用いることで、アルカリ現像性および保存安定性に優れた樹脂組成物を得ることができる。単量体(a1)由来の構造単位の含有量が前記下限値以上であれば、樹脂組成物のアルカリ現像性の点で好ましい。単量体(a1)由来の構造単位の含有量が前記上限値以下であれば、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、量産性が損なわれない。各構造単位量は、NMRにより測定することができる。
重合体(A)の酸価は、好ましくは80〜200mgKOH/g、より好ましくは100〜180mgKOH/g、さらに好ましくは110〜170mgKOH/gである。酸価が前記下限値以上であれば、厚膜であっても現像性に優れる塗膜が得られ、よって下部が太くなり過ぎずΔ幅が小さい線状部材が得られる傾向にある。酸価が前記上限値以下であれば、面内膜厚均一性が高く、また基板に対する現像後の密着性も高い線状部材が得られる傾向にある。
重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000である。このような態様とすることで、塗膜の残膜率、パターン形状、解像度および耐熱性がより一層高められ、また塗布時の乾燥異物の発生を高水準で抑制することができる。
重合体(A)の、GPC法により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることで、現像性に優れた樹脂組成物が得られ、面内均一性に優れた線状部材を形成することができる。
重合体(A)のMwおよびMnは、GPC法により、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定した、ポリスチレン換算の値である。
重合体(A)は、公知の方法により製造することができ、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号に開示されている方法により、その構造、MwおよびMw/Mnを制御することができる。一実施形態では、熱重合開始剤または光重合開始剤等の重合開始剤を用い、ラジカル重合により、重合体(A)を製造する。
重合体(A)は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重合体(A)は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物において、重合体(A)の含有量は、前記樹脂組成物の全固形分100質量%中、通常は20質量%以上、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30〜72質量%、さらに好ましくは35〜67質量%である。重合体(A)の含有量が前記範囲にある樹脂組成物は、アルカリ現像性および保存安定性に優れる。
本明細書において、全固形分とは、前記樹脂組成物から溶媒を除いた各成分の合計である。この全固形分量は、例えば、前記樹脂組成物を30℃0.5kPaで1時間加熱後の残分量として測定することができる。
〈多官能性モノマー(B)〉
多官能性モノマー(B)は、放射線を用いることで重合可能な基を2個以上有する化合物である。放射線を用いることで重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、N−アルコキシメチルアミノ基、オキシラニル基、オキセタニル基が挙げられる。多官能性モノマー(B)としては、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート」ともいう)がより好ましい。
多官能性モノマー(B)は、放射線を用いることで重合可能な基を2個以上有する化合物である。放射線を用いることで重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、N−アルコキシメチルアミノ基、オキシラニル基、オキセタニル基が挙げられる。多官能性モノマー(B)としては、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート」ともいう)がより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの反応物である多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物であるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の、水酸基を2つ有する脂肪族ポリヒドロキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の、水酸基を3つ以上有する脂肪族ポリヒドロキシ化合物が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレートとしては、水酸基を3つ以上有する脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の二塩基酸の無水物;無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の四塩基酸二無水物が挙げられる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートにヘキサメチレンジイソシアネートが結合したウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。カルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートと無水コハク酸との反応物が挙げられる。
カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落[0015]〜[0018]に記載されている化合物が挙げられる。
アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、芳香族ポリヒドロキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物またはイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド変性物の、2官能以上の(メタ)アクリレート体が挙げられ、特開2013−181096号公報、特開2014−185213号公報および特開2015−42715号公報に記載されている化合物が挙げられる。具体的には、ビスフェノールAアルキレンオキサイド変性物のジ(メタ)アクリレート体、トリメチロールプロパンアルキレンオキサイド変性物のトリ(メタ)アクリレート体、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性物のトリ(メタ)アクリレート体、ペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性物のテトラ(メタ)アクリレート体、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性物のペンタ(メタ)アクリレート体、ジペンタエリスリトールアルキレンオキサイド変性物のヘキサ(メタ)アクリレート体、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性物のトリ(メタ)アクリレート体が挙げられる。アルキレンオキサイドは、例えば、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種である。
多官能性モノマー(B)の中でも、水酸基を3つ以上有する脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物である多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
多官能性モノマー(B)の全量中、(メタ)アクリロイルオキシ基を6個以上有する多官能(メタ)アクリレートの量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。このような態様とすることで、前記樹脂組成物の硬化性および前記樹脂組成物から形成される硬化物の信頼性を良好にすることができる。
多官能性モノマー(B)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、多官能性モノマー(B)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常は40〜250質量部、好ましくは40〜245質量部、より好ましくは45〜200質量部、さらに好ましくは50〜120質量部である。このような態様とすることで、前記樹脂組成物の現像性および硬化性を良好にすることができる。
〈感放射線性重合開始剤(C)〉
感放射線性重合開始剤(C)は、放射線の照射により、多官能性モノマー(B)の重合を開始しうる活性種を発生する化合物であり、好ましくは光重合開始剤である。放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線が挙げられる。
感放射線性重合開始剤(C)は、放射線の照射により、多官能性モノマー(B)の重合を開始しうる活性種を発生する化合物であり、好ましくは光重合開始剤である。放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線が挙げられる。
重合開始剤(C)としては、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チオキサントン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ビイミダゾール系開始剤、トリアジン系開始剤、O−アシルオキシム系開始剤、オニウム塩系開始剤、ベンゾイン系化開始剤、ベンゾフェノン系開始剤、α−ジケトン系開始剤、多核キノン系開始剤、ジアゾ系開始剤、イミドスルホナート系開始剤が挙げられる。これらの中でも、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤、チオキサントン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ビイミダゾール系開始剤、トリアジン系開始剤およびO−アシルオキシム系開始剤から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系開始剤およびO−アシルオキシム系開始剤から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
O−アシルオキシム系開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)が挙げられる。
チオキサントン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ビイミダゾール系開始剤およびトリアジン系開始剤としては、例えば、特開2014−140797号公報、特開2014−198849号公報、特開2015−30732号公報、特開2015−157909号公報、特開2015−161715号公報、国際公開第2015/115436号に記載された開始剤が挙げられる。
重合開始剤(C)としては、フォトブリーチング性を有する光重合開始剤が好ましい。フォトブリーチング性とは、光により誘発される光感受性物質の光活性化能の消失であり、このような光重合開始剤においては、光照射に伴い分解が進み、光活性化に有効な波長域での吸収能が低下する。このような光重合開始剤は、光照射によって分解して活性種を発生させるとともに、有効波長の透過性が向上する。したがって、前記有効波長において光を内部まで透過させることができるため、厚膜であっても塗膜の硬化を良好に進行させることができる。
フォトブリーチング性を有する光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のO−アシルオキシム系開始剤が挙げられる。
重合開始剤(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、感放射線性重合開始剤(C)の含有量は、多官能性モノマー(B)100質量部に対して、通常は0.01〜7.5質量部、好ましくは0.2〜7質量部、より好ましくは0.4〜6質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部、特に好ましくは1〜3質量部である。このような態様とすることで、得られる塗膜の光透過率が高く、塗膜の均一硬化が可能であり、したがって厚膜であってもΔ幅のさらに小さい線状部材を得ることができる。前記含有量が前記下限値以上であれば、下部が小さくなり過ぎずΔ幅がさらに小さい線状部材が得られ、また基板に対する現像後の密着性がさらに高い線状部材が得られる点で好ましい。前記含有量が前記上限値以下であれば、上部が太くなり過ぎずΔ幅がさらに小さい線状部材が得られ、また基板に対する現像後の密着性がさらに高い線状部材が得られる点で好ましい。
〈添加剤〉
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤、密着助剤等の種々の添加剤を含有することができる。界面活性剤としては、例えば、特開2010−250109号公報、特開2014−089970号公報および特開2014−048428号公報等に記載の界面活性剤が挙げられ、密着助剤としては、例えば、特開2012−256023号公報、特開2013−242511号公報および特開2014−080578号公報等に記載の密着助剤が挙げられ、その他の添加剤としては、例えば、特開2006−154434号公報、特開2007−293306号公報、特開2010−117614号公報、特開2010−184961号公報および特開2013−216737号公報等に記載の化合物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、界面活性剤、密着助剤等の種々の添加剤を含有することができる。界面活性剤としては、例えば、特開2010−250109号公報、特開2014−089970号公報および特開2014−048428号公報等に記載の界面活性剤が挙げられ、密着助剤としては、例えば、特開2012−256023号公報、特開2013−242511号公報および特開2014−080578号公報等に記載の密着助剤が挙げられ、その他の添加剤としては、例えば、特開2006−154434号公報、特開2007−293306号公報、特開2010−117614号公報、特開2010−184961号公報および特開2013−216737号公報等に記載の化合物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、密着助剤の含有量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜7質量部であり;界面活性剤の含有量は、アルカリ可溶性重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部である。このような態様とすることで、前記樹脂組成物のアルカリ現像性を良好にすることができ、線状部材の高さのバラツキを抑制することができる。
〈溶媒〉
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて有機溶媒等の溶媒を配合して液状組成物として調製してもよい。有機溶媒としては、前記樹脂組成物を構成する上記成分を溶解又は分散し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて有機溶媒等の溶媒を配合して液状組成物として調製してもよい。有機溶媒としては、前記樹脂組成物を構成する上記成分を溶解又は分散し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル、(ポリ)アルキレングリコールジアセテート、(シクロ)アルキルアルコール溶媒、乳酸アルキルエステル溶媒、ギ酸アルキルエステル溶媒、脂肪酸アルキルエステル溶媒、アルコキシカルボン酸エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒、ラクタム溶媒、環状エーテル溶媒、ケトアルコール溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、各成分の溶解性又は分散性、および樹脂組成物の塗布性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、ギ酸n−アミル、酢酸i−ブチル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、シクロヘキサノン、3−ヘプタノンが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、シックハウス症候群の原因化学物質とされる、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒は含有しないことが好ましい。
有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、有機溶媒の含有量は、前記樹脂組成物の全固形分濃度が通常は40〜90質量%となる量、好ましくは50〜75質量%となる量である。このような態様とすることにより、各成分の溶解性又は分散性、塗布性および保存安定性が良好な樹脂組成物を得ることができる。
〈樹脂組成物の製造〉
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の加工に用いる公知の装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを必要に応じて用いて、各成分を混合することにより製造することができる。また、不純物を除く目的で、適宜、濾過を行うこともできる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の加工に用いる公知の装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、連続ニーダー、ロール混練機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーを必要に応じて用いて、各成分を混合することにより製造することができる。また、不純物を除く目的で、適宜、濾過を行うこともできる。
〈樹脂組成物の物性〉
本発明の樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価は、30〜120mgKOH/gであり、好ましくは35〜110mgKOH/g、より好ましくは40〜90mgKOH/g、さらに好ましくは50〜85mgKOH/gである。酸価が前記下限値以上であれば、厚膜であっても現像性に優れる塗膜が得られ、よって下部が太くなり過ぎずΔ幅が小さい線状部材が得られる点で好ましい。酸価が前記上限値以下であれば、面内膜厚均一性が高く、基板に対する現像後の密着性も高く、Δ幅が小さい線状部材が得られる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価は、30〜120mgKOH/gであり、好ましくは35〜110mgKOH/g、より好ましくは40〜90mgKOH/g、さらに好ましくは50〜85mgKOH/gである。酸価が前記下限値以上であれば、厚膜であっても現像性に優れる塗膜が得られ、よって下部が太くなり過ぎずΔ幅が小さい線状部材が得られる点で好ましい。酸価が前記上限値以下であれば、面内膜厚均一性が高く、基板に対する現像後の密着性も高く、Δ幅が小さい線状部材が得られる点で好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる全固形分中のエチレン性不飽和基の含有量は、例えば3.0〜8.5mmol/g、好ましくは3.0〜7.6mmol/g、より好ましくは3.2〜7.5mmol/g、さらに好ましくは3.2〜7.0mmol/g、特に好ましくは3.2〜5.5mmol/gである。前記含有量が前記下限値以上であれば、厚膜であっても現像性にさらに優れる塗膜が得られ、またΔ幅がさらに小さい線状部材が得られる点で好ましい。前記含有量が前記上限値以下であれば、厚膜であっても現像性にさらに優れる塗膜が得られ、また上部が太くなり過ぎずΔ幅がさらに小さい線状部材が得られる点で好ましい。
樹脂組成物に含まれる全固形分中のエチレン性不飽和基の含有量は、JIS K0070に準拠して測定することにより求める。
樹脂組成物に含まれる全固形分中のエチレン性不飽和基の含有量は、JIS K0070に準拠して測定することにより求める。
以上のように、本発明の樹脂組成物は、厚膜で塗布した場合においても、現像性に優れており、面内膜厚均一性が高く、Δ幅の小さい略矩形状の線状部材を形成できる。また得られた線状部材は、耐剥離性および耐エッチング性に優れている。
[光制御部材およびその製造方法]
本発明の光制御部材は、複数の互いに平行配置された、本発明の樹脂組成物から形成された硬化物である線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する。本発明の光制御部材の一実施形態は、例えば平板状であり、その平板面に対して垂直な複数の前記光反射面を一定間隔で有し、前記光反射面は互いに平行配置されている。
本発明の光制御部材は、複数の互いに平行配置された、本発明の樹脂組成物から形成された硬化物である線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する。本発明の光制御部材の一実施形態は、例えば平板状であり、その平板面に対して垂直な複数の前記光反射面を一定間隔で有し、前記光反射面は互いに平行配置されている。
図2に、光制御部材の一実施形態の断面図を示す。この光制御部材100は、透明基板10と、透明基板10上に形成された、複数の線状部材21からなるラインパターン20と、線状部材21間に形成された透明部材25とを有する。線状部材21の両側面22,22には、光反射面30,30が形成されている。
線状部材の高さは、図2においてZ軸方向の線状部材の厚さであり、通常は50μm以上、好ましくは50〜500μmである。線状部材の高さが50μm以上であると、充分な高さの光反射面を確保することができ、したがって光学特性の点で好ましい。
線状部材の幅は、図2においてY軸方向における線状部材の厚さであり、Top幅が、通常は10〜300μm、好ましくは15〜250μmであり;線状部材の間隔(線状部材底面でのスペース幅)は、通常は50〜400μm、好ましくは50〜300μmである。
線状部材の高さ、幅およびスペース幅は、走査電子顕微鏡(SEM)観察において測定する。このようなラインパターンは、前記幅および前記スペース幅に対応するスリット幅およびスリット間隔を有するマスクを用いて露光を行うことにより、形成することができる。
線状部材のΔ幅、すなわちTop幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値は、Top幅およびBottom幅の大きい方の値の好ましくは18%以下であり、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。Δ幅が小さいことから、線状部材は、略矩形状の断面形状を有し、すなわち光制御部材の平板面に対して垂直な側面を有する。このため、光制御部材は、互いに平行な光反射面を複数有する。
光制御部材が有する線状部材の数は特に限定されない。
光制御部材が有する線状部材の数は特に限定されない。
本発明の光制御部材は、さらに透明基板を有してもよい。すなわち、本発明の光制御部材の一実施形態は、透明基板と、前記透明基板上に形成された前記ラインパターンとを有する。
透明基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、透明樹脂製基板が挙げられる。透明基板の厚さは、特に限定されず、例えば200〜1500μmである。
透明基板を後工程で除去する場合は、透明基板の表面に、例えば熱可塑性樹脂層等の透明な剥離層を形成しておいてもよい。剥離層上に、ラインパターンが形成される。
透明基板を後工程で除去する場合は、透明基板の表面に、例えば熱可塑性樹脂層等の透明な剥離層を形成しておいてもよい。剥離層上に、ラインパターンが形成される。
線状部材間(スペース部)には、透明部材が配置されていてもよい。透明部材は、例えば、スペース部に光硬化型および/または熱硬化型の透明樹脂組成物を充填し、続いて光照射および/または加熱して硬化させることにより形成する。これにより、ラインパターンとスペース部との屈折率差を小さくでき、また、線状部材の倒れを抑制でき、したがって光制御部材の光学性能および強度を高めることができる。ラインパターンおよび透明部材の表面に凹凸がある場合、前記表面を研削または研磨してもよい。これにより、光制御部材の光学性能を高めることができる。
スペース部に透明部材を形成した後、透明基板を除去し、ラインパターンおよび透明部材からなる光制御部材を得てもよい。続いて、前記光制御部材の透明基板に接触していた面を、研削または研磨してもよい。これにより、光制御部材の光学性能を高めることができる。
線状部材の側面上の光反射面は、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタンおよび銀から選択される少なくとも1種の金属から形成される。光反射面は、各々の線状部材の片側面に形成されていても両側面に形成されていてもよいが、両側面に形成されていることが好ましい。光反射面は、例えば、前記金属を前記側面に蒸着またはスパッタすることにより形成される。
本発明の光制御部材の製造例を以下に示す。この製造例は、本発明の樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程(塗膜形成工程)と、前記塗膜に放射線をラインパターン状に照射する工程(放射線照射工程)と、放射線照射後の前記塗膜を現像して、非露光部を溶解および除去することにより、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンを形成する工程(現像工程)と、前記線状部材の側面に光反射面を形成する工程(光反射面形成工程)とを有する。
本発明では、フォトリソグラフィー法によりラインパターンを形成するため、従来のディスプレイ又は半導体製造用の設備を使用することができ、光制御部材の量産化が容易である。
[1]塗膜形成工程
塗膜形成工程では、本発明の樹脂組成物を、乾燥膜厚が例えば50μm以上、好ましくは50〜500μmとなるように、基板上に塗布する。例えばオーブンおよびホットプレート等の加熱機器を用いて、通常は100〜150℃で600〜1500秒間で加熱し、前記樹脂組成物を乾燥する。このようにして、基板上に塗膜を形成する。
塗膜形成工程では、本発明の樹脂組成物を、乾燥膜厚が例えば50μm以上、好ましくは50〜500μmとなるように、基板上に塗布する。例えばオーブンおよびホットプレート等の加熱機器を用いて、通常は100〜150℃で600〜1500秒間で加熱し、前記樹脂組成物を乾燥する。このようにして、基板上に塗膜を形成する。
基板としては、特に限定されないが、基板を除去せずに光制御部材の一部として用いる場合は透明基板が用いられる。透明基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、透明樹脂製基板が挙げられる。
樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スリットコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法が挙げられる。
[2]放射線照射工程
放射線照射工程では、所望のマスクパターンを介して、上記塗膜に放射線の照射を行う。例えば、平行なスリットを有するマスクを介して、上記塗膜に放射線を照射して硬化させ、露光部および非露光部を交互に形成する。上述のラインパターン形状に対応するスリット幅およびスリット間隔を有するマスクを用いる。
放射線照射工程では、所望のマスクパターンを介して、上記塗膜に放射線の照射を行う。例えば、平行なスリットを有するマスクを介して、上記塗膜に放射線を照射して硬化させ、露光部および非露光部を交互に形成する。上述のラインパターン形状に対応するスリット幅およびスリット間隔を有するマスクを用いる。
放射線照射には、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線を用い、好ましくは、紫外線および/または可視光線を用い、より好ましくは、波長365〜436nmの光(例:g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm))を用いる。露光量は、樹脂組成物中の各成分の種類および含有量や、塗膜の厚さによって異なるが、i線を含む光を照射する場合、露光量は、i線換算で通常は500〜4000mJ/cm2、好ましくは800〜2000mJ/cm2である。露光量が大きいほどΔ幅が小さい線状部材が得られる傾向にある。
露光装置には、例えば、コンタクトアライナー、ステッパー、スキャナーを用いる。
露光装置には、例えば、コンタクトアライナー、ステッパー、スキャナーを用いる。
[3]現像工程
現像工程では、放射線照射後の上記塗膜を現像して、非露光部を溶解および除去することにより、基板上に、互いに平行配置された複数の線状部材からなる所望のラインパターンを形成する。
現像には、アルカリ性現像液を用いることが好ましい。
現像工程では、放射線照射後の上記塗膜を現像して、非露光部を溶解および除去することにより、基板上に、互いに平行配置された複数の線状部材からなる所望のラインパターンを形成する。
現像には、アルカリ性現像液を用いることが好ましい。
現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、浸漬現像法、パドル現像法が挙げられる。現像条件は、例えば、現像液の温度が20〜40℃で現像処理時間が1〜10分間程度である。
アルカリ性現像液としては、例えば、アルカリ性化合物を1〜10質量%濃度で含有するアルカリ性水溶液が挙げられる。前記アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンが挙げられる。前記アルカリ性水溶液には、例えば、水溶性有機溶媒および界面活性剤を適量添加することもできる。なお、アルカリ性現像液で樹脂塗膜を現像した後は、水で洗浄し、乾燥してもよい。
[4]放射線照射および/または加熱工程
必要に応じて、放射線照射および/または加熱を行い、ラインパターンをさらに硬化させる。放射線照射には、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線を用い、好ましは、紫外線および/または可視光線を用い、露光量は、i線を含む光を照射する場合、i線換算で通常は1000〜5000mJ/cm2である。加熱条件は特に限定されないが、例えば150〜250℃で0.1〜3時間である。ラインパターンの硬化を充分に進行させたり変形を防止したりするため、多段階で加熱することもできる。このような工程を行うことで、塗膜収縮時のクラックおよび剥離を抑えることができる。
必要に応じて、放射線照射および/または加熱を行い、ラインパターンをさらに硬化させる。放射線照射には、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線を用い、好ましは、紫外線および/または可視光線を用い、露光量は、i線を含む光を照射する場合、i線換算で通常は1000〜5000mJ/cm2である。加熱条件は特に限定されないが、例えば150〜250℃で0.1〜3時間である。ラインパターンの硬化を充分に進行させたり変形を防止したりするため、多段階で加熱することもできる。このような工程を行うことで、塗膜収縮時のクラックおよび剥離を抑えることができる。
以上のようにして、ラインパターンを得ることができる。
[5]光反射面形成工程
光反射面形成工程では、線状部材の側面に例えば金属を蒸着またはスパッタすることにより、線状部材の側面に光反射面を選択的に形成する。前記金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタンおよび銀から選択される少なくとも1種が挙げられる。
[5]光反射面形成工程
光反射面形成工程では、線状部材の側面に例えば金属を蒸着またはスパッタすることにより、線状部材の側面に光反射面を選択的に形成する。前記金属としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタンおよび銀から選択される少なくとも1種が挙げられる。
例えば、線状部材表面に金属を蒸着して金属膜を形成し、前記線状部材の側面に例えばフォトリソグラフィー法によりレジスト層を形成し、前記金属膜のエッチングを行い、前記レジスト層を除去する。これにより、線状部材の側面に光反射面を形成することができる。
あるいは、線状部材の上面およびスペース部の底面を光照射により剥離可能な樹脂で覆い(この場合、線状部材の側面は露出している)、線状部材の上面、側面およびスペース部の底面に金属を蒸着して金属膜を形成し、透明基板側から紫外線を照射して、線状部材の上面およびスペース部の底面に形成された前記樹脂を、その表面に形成された金属膜とともに除去する。これにより、線状部材の側面に光反射部を形成することができる。
[6]透明部材形成工程
必要に応じて、光硬化型および/または熱硬化型の透明樹脂組成物をラインパターンのスペース部に充填し、光照射および/または加熱して硬化させることにより、線状部材間に透明部材を形成する。
必要に応じて、光硬化型および/または熱硬化型の透明樹脂組成物をラインパターンのスペース部に充填し、光照射および/または加熱して硬化させることにより、線状部材間に透明部材を形成する。
[光学結像部材および立体像表示装置]
本発明の光学結像部材は、第1の光制御部材および第2の光制御部材を有し、前記光制御部材の平板面が重なるように配置されている。前記第1および第2の光制御部材は、上述の本発明の光制御部材である。ここで、第1の光制御部材および前記第2の光制御部材は、各々の光制御部材が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合(図3AにおいてXY平面視した場合)に交差した状態で、すなわち各々の光制御部材が有する、線状部材の側面に形成された光反射面が交差した状態で、配置されている。
本発明の光学結像部材は、第1の光制御部材および第2の光制御部材を有し、前記光制御部材の平板面が重なるように配置されている。前記第1および第2の光制御部材は、上述の本発明の光制御部材である。ここで、第1の光制御部材および前記第2の光制御部材は、各々の光制御部材が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合(図3AにおいてXY平面視した場合)に交差した状態で、すなわち各々の光制御部材が有する、線状部材の側面に形成された光反射面が交差した状態で、配置されている。
第1の光制御部材および前記第2の光制御部材は、好ましくは、各々が有するラインパターンが向かい合うようにして、積層配置されている。第1の光制御部材および前記第2の光制御部材は、例えば、透明の接着剤を用いて積層される。
第1の光制御部材のラインパターンと第2の光制御部材のラインパターンとの交差角度は、立体像表示装置において像を形成する位置により適宜設定されるが、これらのラインパターンが直交していることが好ましい。
図3に、本発明の光学結像部材の一実施形態を示す。図3Aは、第1の光制御部材101と第2の光制御部材102とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に直交した状態で積層されている光学結像部材200の斜視図であり、図3Bは第1の光制御部材101の透明部材25を切断するYZ平面における断面図であり、図3Cは第2の光制御部材102の透明部材25を切断するXZ平面における断面図である。
図3には、透明基板10を有する光学結像部材を示したが、透明基板10を有さない光学結像部材であってもよい。
本発明の立体像表示装置は、上述の光学結像部材を有し、例えば、光放射部と光学結像部材とを有する。本発明の立体像表示装置は、液晶ディスプレイ等の光放射部から放射された光を空中に結合させ、静止画および動画等の像を鮮明に表示することができ、すなわち空中ディスプレイとして機能する。
本発明の立体像表示装置では、光放射部からの光が、第1の光制御部材が有する平行配置された複数の光反射面に斜めに入射し、前記光反射部で反射した反射光が、第2の光制御部材が有する平行配置された複数の光反射面に入射することで、像を空中に表示することができる。
立体像表示装置の一実施形態において、第1の光制御部材の光反射面および第2の光制御部材の光反射面は、直交させて向かい合わせた状態で配置されている。したがって、光学結像部材に斜めに入射した光は、第1の光制御部材の光反射面で1回目の反射をし、その反射光が第2の光制御部材の光反射面で2回目の反射をする。2回目の反射光は、光学結像部材への入射光の入射角度と同一の角度で放射される。このため、光放射部から光学結像部材に入射した光のなかで、光反射面で連続して反射した反射光は、光学結像部材を基準として光放射部とは対称位置において収束し、空中に像が形成される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」の意味で用いる。
[GPC分析]
重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ポリスチレン換算で測定した。
・標準物質:ポリスチレン換算
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用いて、ポリスチレン換算で測定した。
・標準物質:ポリスチレン換算
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
[重合体(A)および樹脂組成物の全固形分の酸価(mgKOH/g)]
重合体(A)および樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価は、以下の手順に従い測定した。電位自動滴定装置(AT−510、京都電子工業株式会社製)を用いた。容量100mLのポリエチレン製ボトルに、重合体(A)または樹脂組成物の固形分を約0.5g量り取り、メタノールを40mL入れ、良く攪拌した。上記ボトルに、KOH濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液を滴下した。以下の計算式に基づき、重合体(A)および樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価を算出した。
重合体(A)および樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価は、以下の手順に従い測定した。電位自動滴定装置(AT−510、京都電子工業株式会社製)を用いた。容量100mLのポリエチレン製ボトルに、重合体(A)または樹脂組成物の固形分を約0.5g量り取り、メタノールを40mL入れ、良く攪拌した。上記ボトルに、KOH濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液を滴下した。以下の計算式に基づき、重合体(A)および樹脂組成物に含まれる全固形分の酸価を算出した。
計算式:酸価(mgKOH/g)=エタノール溶液の滴定量(mL)×濃度換算値5.611(mg/mL)/(試料(重合体(A)または樹脂組成物の固形分)採取量(g))
濃度換算値5.611(mg/mL)は、KOH濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液1mL中に含まれる水酸化カリウム相当量を意味する。
濃度換算値5.611(mg/mL)は、KOH濃度が0.1mol/Lのエタノール溶液1mL中に含まれる水酸化カリウム相当量を意味する。
1.アルカリ可溶性重合体の合成
[合成例1]重合体(A1)の合成
反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を125部仕込み、80℃まで昇温した。この反応容器に、エチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸を10部、ベンジルメタクリレートを43部、スチレンを13部、N−フェニルマレイミドを16部、n−ブチルメタクリレートを3部、および2−ヒドロキシエチルメタクリレートを15部と、重合開始剤としてアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを5部および有機溶媒としてPGMEAを25部混合して得られた溶液とを、各々2時間かけて反応容器に滴下した。滴下後80℃で2時間加熱し、100℃で1時間加熱した。加熱後の混合溶液を23℃に冷却して、重合体(A1)を含む固形分濃度が40質量%のPGMEA溶液を得た。得られた重合体(A1)のMwは12000、酸価は106mgKOH/gであった。
[合成例1]重合体(A1)の合成
反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を125部仕込み、80℃まで昇温した。この反応容器に、エチレン性不飽和単量体としてメタクリル酸を10部、ベンジルメタクリレートを43部、スチレンを13部、N−フェニルマレイミドを16部、n−ブチルメタクリレートを3部、および2−ヒドロキシエチルメタクリレートを15部と、重合開始剤としてアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルを5部および有機溶媒としてPGMEAを25部混合して得られた溶液とを、各々2時間かけて反応容器に滴下した。滴下後80℃で2時間加熱し、100℃で1時間加熱した。加熱後の混合溶液を23℃に冷却して、重合体(A1)を含む固形分濃度が40質量%のPGMEA溶液を得た。得られた重合体(A1)のMwは12000、酸価は106mgKOH/gであった。
[合成例2〜7]
表1に記載したとおりにエチレン性不飽和単量体の種類および配合量を変更したこと以外は合成例1と同様にして、重合体(A2)〜(A7)を合成した。
表1に記載したとおりにエチレン性不飽和単量体の種類および配合量を変更したこと以外は合成例1と同様にして、重合体(A2)〜(A7)を合成した。
実施例および比較例で用いた各成分を以下に示す。
B1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
B2:10官能ウレタンアクリレート
(商品名「KAYARAD DPHA−40H」、日本化薬(株)製)
C1:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
(商品名「Irgacure 819」、BASF社製)
D1:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(商品名「XIAMETER OFS−6030 SILANE」、
東レ・ダウコーニング(株)製)
E1:フッ素系界面活性剤(商品名「FTX−218」、(株)ネオス製)
B1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
B2:10官能ウレタンアクリレート
(商品名「KAYARAD DPHA−40H」、日本化薬(株)製)
C1:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
(商品名「Irgacure 819」、BASF社製)
D1:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(商品名「XIAMETER OFS−6030 SILANE」、
東レ・ダウコーニング(株)製)
E1:フッ素系界面活性剤(商品名「FTX−218」、(株)ネオス製)
[実施例1]
合成例1で得られたPGMEA溶液(固形分濃度40質量%;重合体(A1)100部(固形分)に相当する量)に、多官能性モノマー(B)として(B1)100部、感放射線性重合開始剤(C)として(C1)1部、密着助剤として(D1)5部、界面活性剤として(E1)1部を混合し、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、樹脂組成物1を調製した。
合成例1で得られたPGMEA溶液(固形分濃度40質量%;重合体(A1)100部(固形分)に相当する量)に、多官能性モノマー(B)として(B1)100部、感放射線性重合開始剤(C)として(C1)1部、密着助剤として(D1)5部、界面活性剤として(E1)1部を混合し、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、樹脂組成物1を調製した。
[実施例2〜8、比較例1〜2]
表2に示す種類および配合量の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
表2に示す種類および配合量の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
〈現像溶解性(現像時間(秒))〉
ガラスウエハに表2に示す樹脂組成物を高粘度用スリットコーターにより塗布し、ホットプレートにて120℃で20分間加熱処理し、高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)200μmの塗膜を形成した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.38質量%含有する水溶液にて、高さ200μmの塗膜の現像に必要な現像時間(23℃シャワー方式)を計測した。現像時間が300秒以下であれば、塗膜の現像溶解性は良好である。
ガラスウエハに表2に示す樹脂組成物を高粘度用スリットコーターにより塗布し、ホットプレートにて120℃で20分間加熱処理し、高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)200μmの塗膜を形成した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.38質量%含有する水溶液にて、高さ200μmの塗膜の現像に必要な現像時間(23℃シャワー方式)を計測した。現像時間が300秒以下であれば、塗膜の現像溶解性は良好である。
〈線状部材(隔壁)の作製〉
実施例・比較例で得られた樹脂組成物を用いて、以下に説明する方法により複数の線状部材(以下「隔壁」ともいう)からなるラインパターンを作製した。ガラスウエハに表2に示す樹脂組成物を高粘度用スリットコーターにより塗布し、ホットプレートにて120℃で20分間加熱処理(プレベーク)し、高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)240μmの塗膜を形成した。前記塗膜に、パターン化マスクを介して、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用いて、i線換算で表2に記載の露光量で照射した。露光後の塗膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.38質量%含有する水溶液にて23℃かつ表2「現像溶解性」に記載した現像時間でシャワー方式で現像し、次いで、水洗処理を行った。その後、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用いて、i線換算で2J/cm2の露光量で照射した後、ホットプレートにて180℃で30分間加熱処理(ポストベーク)し、高さ:約200μm、幅:約100μm、スペース幅:約100μmのラインパターンを有する硬化膜を得た。
実施例・比較例で得られた樹脂組成物を用いて、以下に説明する方法により複数の線状部材(以下「隔壁」ともいう)からなるラインパターンを作製した。ガラスウエハに表2に示す樹脂組成物を高粘度用スリットコーターにより塗布し、ホットプレートにて120℃で20分間加熱処理(プレベーク)し、高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)240μmの塗膜を形成した。前記塗膜に、パターン化マスクを介して、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用いて、i線換算で表2に記載の露光量で照射した。露光後の塗膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.38質量%含有する水溶液にて23℃かつ表2「現像溶解性」に記載した現像時間でシャワー方式で現像し、次いで、水洗処理を行った。その後、露光機(キヤノン社の「MPA−600FA」(ghi線混合))を用いて、i線換算で2J/cm2の露光量で照射した後、ホットプレートにて180℃で30分間加熱処理(ポストベーク)し、高さ:約200μm、幅:約100μm、スペース幅:約100μmのラインパターンを有する硬化膜を得た。
〈現像残渣〉
現像して得られたラインパターンを走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「SU4200」)を用いて観察し、塗膜の未露光部分での溶け残りの有無を判断した。溶け残りが10個以上ある場合を「有」と判断し、溶け残りが1個以上10個未満の場合を「やや有」と判断し、溶け残りがない場合を「無」と判断した。
現像して得られたラインパターンを走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「SU4200」)を用いて観察し、塗膜の未露光部分での溶け残りの有無を判断した。溶け残りが10個以上ある場合を「有」と判断し、溶け残りが1個以上10個未満の場合を「やや有」と判断し、溶け残りがない場合を「無」と判断した。
〈現像密着性〉
現像して得られたラインパターンを走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「SU4200」)を用いて観察し、ラインパターンが全面の10%を超える範囲で剥離している場合を「剥離」と判断し、5〜10%の範囲で剥離している場合を「やや剥離」と判断し、5%未満の範囲で剥離している場合または剥離していない場合を「無」と判断した。
現像して得られたラインパターンを走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「SU4200」)を用いて観察し、ラインパターンが全面の10%を超える範囲で剥離している場合を「剥離」と判断し、5〜10%の範囲で剥離している場合を「やや剥離」と判断し、5%未満の範囲で剥離している場合または剥離していない場合を「無」と判断した。
〈隔壁の面内バラツキ(6σ)〉
隔壁の高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)を走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「S−4200」)で任意に20点計測し、計測したデータについて6σ(σ:標準偏差)を求めた。この値が小さいほど、面内膜厚均一性が高い。
隔壁の高さ(図1AのZ軸方向に相当する方向の長さ)を走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「S−4200」)で任意に20点計測し、計測したデータについて6σ(σ:標準偏差)を求めた。この値が小さいほど、面内膜厚均一性が高い。
〈パターン形状(Top−Bottom差、μm)〉
隔壁の高さに対してガラスウエハ面(隔壁底面)から10%の位置における隔壁幅をBottom幅、隔壁の高さに対してガラスウエハ面(隔壁底面)から90%の位置における隔壁幅をTop幅と定義し、Bottom幅およびTop幅を走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「S−4200」)で測定した。隔壁のTop幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値/前記隔壁のTop幅およびBottom幅の大きい方の値×100%が10%以下の場合を「パターン形状が良好」であると判断し、前記割合が10%超18%以下の場合を「パターン形状がやや良好」であると判断し、前記割合が18%超の場合を「パターン形状が不良」であると判断した。
隔壁の高さに対してガラスウエハ面(隔壁底面)から10%の位置における隔壁幅をBottom幅、隔壁の高さに対してガラスウエハ面(隔壁底面)から90%の位置における隔壁幅をTop幅と定義し、Bottom幅およびTop幅を走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、形式「S−4200」)で測定した。隔壁のTop幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値/前記隔壁のTop幅およびBottom幅の大きい方の値×100%が10%以下の場合を「パターン形状が良好」であると判断し、前記割合が10%超18%以下の場合を「パターン形状がやや良好」であると判断し、前記割合が18%超の場合を「パターン形状が不良」であると判断した。
1…部材
10…透明基板
20…ラインパターン
21…線状部材
22…線状部材の側面
25…透明部材
30…光反射面
100…光制御部材
101…光制御部材
102…光制御部材
200…光学結像部材
10…透明基板
20…ラインパターン
21…線状部材
22…線状部材の側面
25…透明部材
30…光反射面
100…光制御部材
101…光制御部材
102…光制御部材
200…光学結像部材
Claims (14)
- アルカリ可溶性重合体(A)と、
多官能性モノマー(B)と、
感放射線性重合開始剤(C)と
を含有する樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物中に含まれる全固形分の酸価が30〜120mgKOH/gであり、
互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、前記線状部材の側面に形成された光反射面とを有する第1および第2の光制御部材を備え、前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている光学結像部材における、
前記光制御部材が有する前記ラインパターンを形成するための樹脂組成物。 - アルカリ可溶性重合体(A)の酸価が、80〜200mgKOH/gである請求項1に記載の樹脂組成物。
- アルカリ可溶性重合体(A)が、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(a1)に由来する構造単位有する請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 多官能性モノマー(B)が、多官能(メタ)アクリレートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 感放射線性重合開始剤(C)が、フォトブリーチング性を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成され、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンと、
前記線状部材の側面に形成された光反射面と
を有する光制御部材。 - 前記線状部材の高さが、50μm以上である請求項6に記載の光制御部材。
- さらに透明基板を有し、
前記ラインパターンが前記透明基板上に形成されている
請求項6または7に記載の光制御部材。 - 前記線状部材の断面において、線状部材の高さに対してその底面から10%の位置における線状部材の幅をBottom幅、線状部材の高さに対してその底面から90%の位置における線状部材の幅をTop幅と定義した場合に、Top幅とBottom幅の差(Top−Bottom)の絶対値が、Top幅およびBottom幅の大きい方の値の18%以下である請求項6〜8のいずれか1項に記載の光制御部材。
- 前記線状部材間に透明部材を有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の光制御部材。
- 第1の光制御部材と、第2の光制御部材とを有し、前記第1および第2の光制御部材は請求項6〜10のいずれか1項に記載の光制御部材であり、
前記第1の光制御部材と前記第2の光制御部材とが、各々が有するラインパターンが光制御部材の上方から視た場合に交差した状態で配置されている、
光学結像部材。 - 請求項11に記載の光学結像部材を有する立体像表示装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程と、前記塗膜に放射線をラインパターン状に照射する工程と、放射線照射後の前記塗膜を現像して、互いに平行配置された複数の線状部材からなり、前記線状部材の断面形状が略矩形であるラインパターンを形成する工程と、前記線状部材の側面に光反射面を形成する工程とを有する光制御部材の製造方法。
- 前記線状部材間に透明部材を形成する工程
をさらに有する請求項13に記載の光制御部材の製造方法。
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-
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