JP2017072069A - 液体用ポンプ及びランキンサイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い信頼性を有する液体用ポンプを提供する。【解決手段】本開示の液体用ポンプ(1a)は、圧力容器(10)と、供給管(21)と、ポンプ機構(12)と、吸入空間(19)と、潤滑油貯留空間(30)と、連通路(31)とを備えている。供給管(21)は、液体とその液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路(21a)を形成している。ポンプ機構(12)は、混合流体が吸入される吸入室(26a)を有し、混合流体を圧送する。吸入空間(19)は、吸入室(26a)及び供給管(21)によって形成されている混合流体の流路(21a)に連通している。吸入空間(19)には、混合流体が貯留される。潤滑油貯留空間(30)は、吸入空間(10)の上部に形成されている。連通路(31)は、潤滑油貯留空間(30)及び吸入室(26a)に連通している。【選択図】図1
Description
本開示は、液体用ポンプ及びランキンサイクル装置に関する。
昨今、太陽光などの自然エネルギー又は各種排熱を利用するエネルギーシステムが注目されている。そのようなエネルギーシステムの一つは、ランキンサイクルを有するシステムである。ランキンサイクルを有するシステムは、一般に、高温高圧の作動流体で膨張機を動作させ、膨張機によって作動流体から取り出した動力によって発電を行う。高温高圧の作動流体は、ポンプ及び熱源(太陽熱、地熱、自動車の排熱などの熱源)によって生成される。このため、ランキンサイクルを有するシステムにおいて液体用ポンプが使用される。
図7に示す通り、特許文献1には、ランキンサイクルを有するシステムにおいて使用される液体用ポンプではないが、ルームエアコンディショナー等に使用され、液冷媒を搬送する冷媒ポンプ300が記載されている。冷媒ポンプ300は、密閉容器310、ブラシレス直流電動機311、及びポンプ機構部312を備える。ブラシレス直流電動機311は、固定子311a及び回転子311bによって構成されている。固定子311aは、密閉容器310の外側に取り付けられ、回転子311bは、密閉容器310の内側に配置されている。回転子311bの最外周部には磁石305が貼り付けられている。回転子311bの中心部には駆動軸313が圧入されている。駆動軸313は、ブラシレス直流電動機311で発生した回転力を伝達する。ポンプ機構部312は、インナーロータ325及びアウターロータ324を備える。アウターロータ324は、インナーロータ325と噛みあってポンプ室を形成する。インナーロータ325及びアウターロータ324は、シリンダ315内に収容され、フロントプレート316とリアプレート314とによって挟み込まれている。フロントプレート316の中心部には、駆動軸313を支持する第1の軸受327が配置されている。フロントプレート316には吸入ポート322が形成されている。リアプレート314には吐出ポート323が形成されている。リアプレート314によって密閉容器310の内部が吸入圧力空間と吐出圧力空間とに分かれている。
ポンプ機構部312においてポンプ作用が発生すると、液冷媒が吸入管321から吸い込まれ密閉容器310の内部に入る。密閉容器310の内部に入った液冷媒の一部は、吸入ポート322を経てポンプ室に入る。液冷媒はポンプ室で昇圧された後、吐出ポート323、穴317、及び吐出管320を通過して密閉容器310の外側へ排出される。
特許文献1に記載の冷媒ポンプ300は信頼性を向上させる余地を有している。そこで、本開示は、高い信頼性を有する液体用ポンプを提供する。
本開示は、
圧力容器と、
前記圧力容器の外部から前記圧力容器の内部へ流れる、液体と前記液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路を形成している供給管と、
前記圧力容器の内部に配置され、前記混合流体が吸入される吸入室を有し、前記混合流体を圧送するポンプ機構と、
前記圧力容器の内部に形成され、前記吸入室及び前記供給管によって形成されている前記混合流体の流路に連通し、前記混合流体が貯留される吸入空間と、
前記吸入空間の一部として前記吸入空間の上部に形成されている潤滑油貯留空間と、
前記潤滑油貯留空間及び前記吸入室に連通している連通路と、を備えた、
液体用ポンプを提供する。
圧力容器と、
前記圧力容器の外部から前記圧力容器の内部へ流れる、液体と前記液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路を形成している供給管と、
前記圧力容器の内部に配置され、前記混合流体が吸入される吸入室を有し、前記混合流体を圧送するポンプ機構と、
前記圧力容器の内部に形成され、前記吸入室及び前記供給管によって形成されている前記混合流体の流路に連通し、前記混合流体が貯留される吸入空間と、
前記吸入空間の一部として前記吸入空間の上部に形成されている潤滑油貯留空間と、
前記潤滑油貯留空間及び前記吸入室に連通している連通路と、を備えた、
液体用ポンプを提供する。
上記の液体用ポンプは高い信頼性を有する。
特許文献1に記載の技術によれば、密閉容器310の内部で吸入圧力空間に導かれた液冷媒に混ざっている潤滑油が液冷媒と分離することは想定されていない。潤滑油の密度が液冷媒の密度より小さい場合、冷媒ポンプ300が停止すると、液冷媒に混ざっていた潤滑油が液冷媒から分離して吸入圧力空間の上部に溜まる可能性がある。この場合、吸入ポート322は吸入圧力空間の下部に配置されているので、例えば、冷媒ポンプ300の起動時に吸入圧力空間の上部に溜まった潤滑油がポンプ機構部312に供給されない可能性がある。これにより、潤滑油をほとんど含まない液冷媒がポンプ機構部312に供給され、ポンプ機構部312の摺動する部材の潤滑が不足し、これらの部材が摩耗する可能性がある。その結果、冷媒ポンプ300の製品寿命が短くなる。また、冷媒ポンプ300のポンプ効率が低下し、冷媒ポンプ300の信頼性が低下する。
本開示の第1態様は、
圧力容器と、
前記圧力容器の外部から前記圧力容器の内部へ流れる、液体と前記液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路を形成している供給管と、
前記圧力容器の内部に配置され、前記混合流体が吸入される吸入室を有し、前記混合流体を圧送するポンプ機構と、
前記圧力容器の内部に形成され、前記吸入室及び前記供給管によって形成されている前記混合流体の流路に連通し、前記混合流体が貯留される吸入空間と、
前記吸入空間の一部として前記吸入空間の上部に形成されている潤滑油貯留空間と、
前記潤滑油貯留空間及び前記吸入室に連通している連通路と、を備えた、
液体用ポンプを提供する。
圧力容器と、
前記圧力容器の外部から前記圧力容器の内部へ流れる、液体と前記液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路を形成している供給管と、
前記圧力容器の内部に配置され、前記混合流体が吸入される吸入室を有し、前記混合流体を圧送するポンプ機構と、
前記圧力容器の内部に形成され、前記吸入室及び前記供給管によって形成されている前記混合流体の流路に連通し、前記混合流体が貯留される吸入空間と、
前記吸入空間の一部として前記吸入空間の上部に形成されている潤滑油貯留空間と、
前記潤滑油貯留空間及び前記吸入室に連通している連通路と、を備えた、
液体用ポンプを提供する。
第1態様によれば、液体用ポンプが停止して、液体と潤滑油との混合流体から潤滑油が分離した場合、潤滑油が潤滑油貯留空間に貯留される。例えば、液体用ポンプの起動時には、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油は、連通路を通って吸入室に導かれることによってポンプ機構に供給される。このため、液体用ポンプの起動時など吸入空間において混合流体の流れがほとんど止まっている場合であっても、液体と分離した潤滑油が連通路を通ってポンプ機構に供給される。これにより、ポンプ機構の摺動する部材に潤滑油を供給でき、これらの部材が摩耗することを防ぐことができる。その結果、液体用ポンプの信頼性を高めることができる。
本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記潤滑油貯留空間は、前記供給管より上方に形成されている、液体用ポンプを提供する。第2態様によれば、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油が供給管の内部を通って圧力容器の外部へ流出することを防止できる。また、供給管より上方に潤滑油貯留空間が形成されていることにより、潤滑油貯留空間の容積を比較的大きくすることができ、より多くの潤滑油を潤滑油貯留空間に貯留できる。その結果、潤滑油貯留空間から連通路を介して長期間にわたってポンプ機構に潤滑油を供給でき、部材の摩耗を防止できる。その結果、より確実に、液体用ポンプの信頼性を高めることができる。
本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記吸入室は、前記吸入空間及び前記吸入室に連通している吸入路と、当該吸入路の前記吸入空間側の端に形成されている吸入口とを介して前記吸入空間に連通し、前記潤滑油貯留空間は、前記吸入口より上方に形成されている、液体用ポンプを提供する。第3態様によれば、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油が吸入路を通ってポンプ機構の外部に吐出されることを抑制できる。これにより、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油の量を所望の量に保つことができ、例えば、液体用ポンプの起動時に所望の量の潤滑油をポンプ機構に供給できる。このため、部材の摩耗を安定的に防止でき、より確実に、液体用ポンプの信頼性を高めることができる。
本開示の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に加えて、前記潤滑油貯留空間は、前記ポンプ機構より上方に形成されている、液体用ポンプを提供する。第4態様によれば、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油が、ポンプ機構を構成する部材同士の隙間を通ってポンプ機構の外部に吐出されることを抑制できる。これにより、潤滑油貯留空間に潤滑油がより確実に貯留され、ポンプ機構へ潤滑油を供給しつつ潤滑油が枯渇すること防止できる。その結果、ポンプ機構の部材の摩耗を防止でき、より確実に、液体用ポンプの信頼性を高めることができる。
本開示の第5態様は、第1態様〜第4態様に加えて、前記連通路は、前記潤滑油貯留空間の上部で前記潤滑油貯留空間につながっている、液体用ポンプを提供する。第5態様によれば、潤滑油貯留空間に貯留された潤滑油が潤滑油貯留空間の上部から連通路を通ってポンプ機構に供給される。このため、貯留された潤滑油のほぼ全量を安定的にポンプ機構へ供給でき、より長期間にわたって潤滑油をポンプ機構に供給できる。これにより、ポンプ機構を潤滑できる期間が長くなり、ポンプ機構の部材の摩耗を防止できる。その結果、液体用ポンプの信頼性をより高めることができる。
本開示の第6態様は、第3態様〜第5態様のいずれか1つの態様に加えて、前記連通路は、前記吸入口の面積よりも小さい流路断面積を有する、液体用ポンプを提供する。第6態様によれば、連通路は、吸入口の面積よりも小さい流路断面積を有するので、流路抵抗(摩擦損失)が大きい。これにより、例えば、液体用ポンプの起動後に運転条件が変更されたときに、キャビテーションなどの現象により液体から発生した気体が連通路を通ってポンプ機構に吸入されることを抑制できる。このため、ポンプ機構に気体が入り込むことによって、液体用ポンプの信頼性が低下すること及び液体用ポンプの効率が低下することを防止できる。その結果、液体用ポンプの信頼性をより高めることができる。
本開示の第7態様は、第1態様〜第6態様のいずれか1つの態様に加えて、前記連通路の前記潤滑油貯留空間側の端よりも上方に形成され、気体を貯留可能な気体貯留空間をさらに備える、液体用ポンプを提供する。第7態様によれば、気体貯留空間に気体を貯留でき、気体が連通路を通ってポンプ機構に入り込むことを防止できる。このため、例えば、液体用ポンプが起動したとき又は液体用ポンプの運転条件が変更されたときに、キャビテーションなどの現象により液体から発生した気体を気体貯留空間に貯留できる。また、貯留された気体は、連通路の潤滑油貯留空間側の端よりも上方に存在するので、気体が連通路を通ってポンプ機構に入り込むことを防止できる。これにより、ポンプ機構に気体が入り込むことによって液体用ポンプの信頼性が低下することを防止でき、液体用ポンプの信頼性をより高めることができる。
本開示の第8態様は、
第1態様〜第7態様のいずれか1つの態様の液体用ポンプと、
作動流体を加熱する加熱器と、
前記加熱器によって加熱された前記作動流体を膨張させる膨張機と、
前記膨張機によって膨張した前記作動流体の有する熱を放熱する放熱器と、を備え、
前記液体用ポンプは、前記ポンプ機構によって、前記放熱器を通過した液体状態の前記作動流体を前記液体として吸入し、かつ、前記液体を前記加熱器に向かって圧送する、
ランキンサイクル装置を提供する。
第1態様〜第7態様のいずれか1つの態様の液体用ポンプと、
作動流体を加熱する加熱器と、
前記加熱器によって加熱された前記作動流体を膨張させる膨張機と、
前記膨張機によって膨張した前記作動流体の有する熱を放熱する放熱器と、を備え、
前記液体用ポンプは、前記ポンプ機構によって、前記放熱器を通過した液体状態の前記作動流体を前記液体として吸入し、かつ、前記液体を前記加熱器に向かって圧送する、
ランキンサイクル装置を提供する。
ランキンサイクルにおいて、作動流体を加熱する熱源の温度が不安定になる場合又は熱源の熱量が変化する場合、ランキンサイクル装置が起動と停止を繰り返す可能性がある。第8態様によれば、このような条件のもとで液体用ポンプが起動と停止とを繰り返したとしても、潤滑油貯留空間からポンプ機構に安定的に潤滑油を供給でき、ポンプ機構の部材の摩耗を防止できる。その結果、液体用ポンプ、ひいてはランキンサイクル装置が高い信頼性を有する。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
<液体用ポンプ>
図1及び図2に示すように、液体用ポンプ1aは、圧力容器10と、供給管21と、ポンプ機構12と、吸入空間19と、潤滑油貯留空間30と、連通路31とを備えている。供給管21は流路21aを形成している。流路21aは、圧力容器10の外部から圧力容器10の内部へ流れる、液体とその液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路である。ポンプ機構12は、圧力容器10の内部に配置され、混合流体が吸入される吸入室26aを有する。ポンプ機構12は、混合流体を圧送する。吸入空間19は、圧力容器10の内部に形成され、吸入室26a及び供給管21によって形成されている混合流体の流路21aに連通している。吸入空間19に混合流体が貯留される。潤滑油貯留空間30は、吸入空間19の一部として吸入空間19の上部に形成されている。連通路31は、潤滑油貯留空間30及び吸入室26aに連通している。
図1及び図2に示すように、液体用ポンプ1aは、圧力容器10と、供給管21と、ポンプ機構12と、吸入空間19と、潤滑油貯留空間30と、連通路31とを備えている。供給管21は流路21aを形成している。流路21aは、圧力容器10の外部から圧力容器10の内部へ流れる、液体とその液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路である。ポンプ機構12は、圧力容器10の内部に配置され、混合流体が吸入される吸入室26aを有する。ポンプ機構12は、混合流体を圧送する。吸入空間19は、圧力容器10の内部に形成され、吸入室26a及び供給管21によって形成されている混合流体の流路21aに連通している。吸入空間19に混合流体が貯留される。潤滑油貯留空間30は、吸入空間19の一部として吸入空間19の上部に形成されている。連通路31は、潤滑油貯留空間30及び吸入室26aに連通している。
図1に示すように、液体用ポンプ1aは、例えば、シャフト13と、電動機11と、端子17と、吐出管20と、上軸受部材14と、下軸受部材16とをさらに備えている。
液体用ポンプ1aは、例えば、密閉型のポンプである。圧力容器10は、耐圧性を有する容器であり、圧力容器10の内部空間は、供給管21及び吐出管29のみによって圧力容器10の外部に連通している。圧力容器10の内部空間は、吐出空間18と吸入空間19とに区分けされている。
シャフト13は、圧力容器10の内部空間に配置されており、シャフト13の軸線方向の両端の一方が吐出空間18に配置され、かつ、シャフト13の軸線方向の両端の他方が吸入空間19に配置されている。シャフト13の軸線方向の一方の端部には電動機11が配置され、シャフト13の軸線方向の他方の端部にポンプ機構12が配置されている。電動機11によってポンプ機構12が動作するように、電動機11とポンプ機構12とがシャフト13によって連結されている。
電動機11は、固定子11a及び回転子11bを備えている。固定子11aは、圧力容器10の内周面に固定され、回転子11bは、シャフト13に固定されている。端子17は、圧力容器10の上部に取り付けられている。端子17は、電動機11に電気的に接続されており、端子17が電源(図示省略)に接続されることによって電動機11に電力が供給される。電動機11に電力が供給されると、回転子11bとともにシャフト13が回転し、ポンプ機構12が動作する。
供給管21及び吐出管20は、それぞれ、圧力容器10の壁を貫通するように圧力容器10に取り付けられている。ポンプ機構12に吸入されるべき液体は、液体と潤滑油とが混合した混合流体の状態で供給管21が形成している流路21aを通って圧力容器21の内部に供給される。吸入空間19は、流路21a及びポンプ機構12の吸入室26aに連通しているので、流路21aを通過した混合流体は吸入空間19に一時的に貯留され、吸入空間19に貯留された混合流体が吸入室26aに供給される。その後、混合流体は、ポンプ機構12によって圧送され、ポンプ機構12から吐出される。ポンプ機構12から吐出され、圧力容器10の外部に排出されるべき液体は、吐出管20を通って圧力容器20の外部に排出される。吸入空間19には、ポンプ機構12によって圧送される前の低圧の液体が貯留されている。
上軸受部材14及び下軸受部材16は、それぞれ、板状の部材であり、シャフト13を回転可能に支持している。上軸受部材14の中央部分には貫通孔が形成され、シャフト13が上軸受部材14の中央部分を貫通している。上軸受部材14は第一軸受29を有し、上軸受部材14の中央部分に形成された貫通孔を定める面によって第一軸受29の軸受面が形成されている。下軸受部材16の中央部分には貫通孔が形成され、シャフト13が下軸受部材16の中央部分を貫通している。下軸受部材16は第二軸受27を有し、下軸受部材16の中央部分に形成された貫通孔を定める面によって第二軸受27の軸受面が形成されている。ポンプ機構12は、上軸受部材14及び下軸受部材16に挟まれるように配置されており、上軸受部材14及び下軸受部材16のそれぞれに固定されている。上軸受部材14は吐出孔23を有する。吐出孔23は、例えば、上軸受部材14の中央部分の貫通孔よりも半径方向外側で上軸受部材14を厚さ方向に貫通する貫通孔である。例えば、上軸受部材14の下面に連通路31が形成されている。連通路31は、例えば、シャフト13の軸心に垂直な半径方向に圧力容器10の内周面に向かって溝状に形成されている。この場合、連通路31は、ポンプ機構12と圧力容器10の内周面との間に形成された吸入空間19まで延びている。
例えば、上軸受部材14の周縁部は圧力容器10の内周面に溶接されている。これにより、ポンプ機構12が圧力容器10に固定されている。上軸受部材14によって、圧力容器10の内部空間が吐出空間18と吸入空間19とに分かれている。ポンプ機構12によって圧送された液体は、吐出孔23を通過して吐出空間18に吐出される。吐出管20は、上軸受部材14より上方で圧力容器10に取り付けられている。
図3に示すように、ポンプ機構12は、内側回転部材25を備える。内側回転部材25は、シャフト13の回転方向においてシャフト13に対して固定され、かつ、シャフト13の軸線方向においてシャフト13に対して移動可能であるようにシャフト13に取り付けられている。ポンプ機構12は、例えば、内接式のギヤポンプである。ポンプ機構12は、例えば、ポンプケース15と、アウターギヤ24と、インナーギヤ25とを備えている。この場合、インナーギヤ25が内側回転部材25に相当する。アウターギヤ24及びインナーギヤ25は、ポンプケース15の内側に配置されている。アウターギヤ24は、インナーギヤ25の外側でインナーギヤ25を取り囲むように配置されている。ポンプケース15、アウターギヤ24、及びインナーギヤ25のそれぞれは、上軸受部材14及び下軸受部材16に挟まれるように配置されている。インナーギヤ25は、シャフト13に取り付けられている。ポンプケース15は、上軸受部材14及び下軸受部材16に固定されている。
図3に示すように、シャフト13は、例えば平坦部13dを有している。平坦部13dは、シャフト13のインナーギヤ25が取り付けられる部分において、シャフト13の軸線に平行で平坦な外周面を形成している。また、インナーギヤ25の中央部分には、シャフト13のインナーギヤ25が取り付けられる部分の形状に適合した形状を有する内周面によって形成された貫通孔を有する。この貫通孔は、シャフト13のインナーギヤ25が取り付けられる部分の輪郭よりもわずかに大きい寸法を有するように形成されている。このため、インナーギヤ25は、シャフト13の回転方向においてシャフト13に対して固定され、かつ、シャフト13の軸線方向においてシャフト13に対して移動可能であるようにシャフト13に取り付けられている。その結果、シャフト13が回転すると、インナーギヤ25がシャフト13と共に回転する。
図3に示すように、アウターギヤ24の歯及びインナーギヤ25の歯は、これらが互いに噛み合うことができるように形成されている。インナーギヤ25の回転軸心はシャフト13の回転軸心と一致している。一方、アウターギヤ24は、アウターギヤ24の回転軸心がシャフト13の回転軸心からオフセットするように配置されている。シャフト13とともにインナーギヤ25が回転すると、インナーギヤ25の歯に押されてアウターギヤ24がインナーギヤ25とともに回転する。
図3に示すように、インナーギヤ25の外周面、アウターギヤ24の内周面、上軸受部材14の下面、及び下軸受部材16の上面によって、ポンプ機構12の作動室26が形成されている。アウターギヤ24及びインナーギヤ25がシャフト13の回転に伴って回転することによって、ポンプ機構12は吸入工程と吐出工程とを繰り返しながら動作する。すなわち、アウターギヤ24及びインナーギヤ25の回転によって、作動室26は、吸入室26aの状態から吐出室26cの状態へ移行し、又は、吐出室26cの状態から吸入室26aの状態へ移行する。ここで、吸入室26aは、吸入空間19に連通している状態の作動室26の部分であり、吐出室26cは吐出孔23に連通している状態の作動室26の部分である。吸入工程において、シャフト13の回転とともに吸入室26aの容積が拡大し、吸入室26aと吸入空間19との連通が終わると吸入工程が終了する。シャフト13がさらに回転することによって、吸入工程終了後の作動室26が吐出孔23に連通すると吐出室26cに移行する。シャフト13の回転とともに吐出室26cの容積が減少する。吐出室26cと吐出孔23との連通が終わると吐出工程が終了する。このようにして、シャフト13の回転によって、吸入空間19に貯留された混合流体がポンプ機構12に供給され、かつ、吐出孔23を通ってポンプ機構12から液体が吐出される。
液体用ポンプ1aが動作しているとき、吸入空間19において混合流体は流動しているので、潤滑油は混合流体からほとんど分離しない。吸入空間19に貯留された混合流体には、ポンプ機構12、第一軸受29、及び第二軸受27を潤滑するための潤滑油が含まれている。一方、液体用ポンプ1aが停止すると、吸入空間19において混合流体が流動せず、液体の密度より小さい密度を有する潤滑油は、液体と分離して吸入空間19の上部に形成されている潤滑油貯留空間30に貯留される。潤滑油貯留空間30は、例えば、ポンプ機構12の外周面と圧力容器10の内周面との間で環状に形成されている。
図4に示すように、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油は、ポンプ機構12が起動して吸入空間19から吸入室26aへ液体が吸入され始めると、連通路31を通って、吸入室26aに所定量の潤滑油が導かれる。図4の連通路31における矢印は、潤滑油の流れ方向を示す。吸入室26aに導かれた潤滑油は、吸入空間19から連通路31とは異なる流路を通って吸入室26aに吸入された液体と混ざり合い、ポンプ機構12の内部を通過して吐出孔23へ吐出される。ポンプ機構12へ導かれ液体と混ざり合った潤滑油は、ポンプ機構12の摺動する部材、第一軸受29、及び第二軸受27を潤滑する。これにより、ポンプ機構12の摺動する部材、第一軸受29、及び第二軸受27の摩耗を防止できる。その結果、液体用ポンプ1aの製品寿命を長期化することができ、液体用ポンプ1aが高い信頼性を有する。
潤滑油貯留空間30は、例えば、供給管21より上方に形成されている。この場合、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油が、供給管21から圧力容器10の外部へ流出することを防止できる。また、吸入空間19のうち、供給管21より上方に位置する空間を潤滑油貯留空間30として有効に利用できる。これにより、潤滑油貯留空間30の容積を大きくすることができ、より多くの潤滑油を貯留できる。その結果、連通路31を通って長期間ポンプ機構12に潤滑油が供給されるので、部材の摩耗を防止でき、液体用ポンプ1aの信頼性がより高まる。
図1に示すように、吸入室26aは、吸入空間19及び吸入室26aに連通している吸入路22と、吸入路22の吸入空間19側の端に形成されている吸入口22aとを介して吸入空間19に連通している。また、潤滑油貯留空間30は、吸入口22aより上方に形成されている。吸入路22は、例えば、下軸受部材16の中央部分の貫通孔よりも半径方向外側で下軸受部材16を厚さ方向に貫通する貫通孔によって形成されている。また、吸入口22aは、吸入路22の、吸入空間19に面している開口部である。
潤滑油貯留空間30が吸入口22aより上方に形成されていると、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油が、吸入口22aから、吸入路22及びポンプ機構12を通過して吐出孔23に導かれることはほとんどない。これにより、潤滑油貯留空間30における潤滑油の貯留量を所望の範囲に保つことができる。このため、液体用ポンプ1aの起動時などにおいて常に所望の量の潤滑油をポンプ機構12に供給することができるため、安定的に部材の摩耗を防止でき、液体用ポンプ1aがより確実に高い信頼性を有する。
連通路31は、例えば、潤滑油貯留空間30の上部で潤滑油貯留空間30につながっている。換言すると、連通路31の潤滑油貯留空間30側の端は、潤滑油貯留空間30の上部に面している。ここで、「潤滑油貯留空間30の上部」とは、潤滑油貯留空間30の上側半分の空間を意味する。連通路31は、望ましくは、潤滑油貯留空間30の最上部で潤滑油貯留空間30につながっている。
連通路31が、潤滑油貯留空間30の上部で潤滑油貯留空間30につながっていると、潤滑油貯留空間30の上部に貯留された潤滑油を、連通路31を通過させてポンプ機構12に供給でき、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油のほぼ全量をポンプ機構12に供給できる。これにより、より長期間にわたり潤滑油をポンプ機構12に供給できる。このため、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油を用いて部材を潤滑できる期間を長くでき、ポンプ機構12の摺動する部材、第一軸受29、及び第二軸受27の摩耗を防ぐことができる。その結果、液体用ポンプ1aの信頼性をより高めることができる。
連通路31は、例えば、吸入口22aの面積よりも小さい流路断面積を有する。この場合、連通路31の流路抵抗(摩擦損失)が大きくなりやすい。これにより、液体用ポンプ1aの起動後に運転条件が変更されたときなどに、キャビテーションなどの現象により液体から発生した気体が、連通路31を通ってポンプ機構12に吸入されることを抑制できる。このため、ポンプ機構12に気体が入り込むことによる信頼性の低下及び効率の低下を低減できる。その結果、液体用ポンプ1aの信頼性がより高まる。連通路31は、望ましくは、気体が連通路31に流入することを防止するのに適した流路断面積を有する。
(変形例)
液体用ポンプ1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、下軸受部材16の周縁部又はポンプケース15の周縁部が圧力容器10の内周面に溶接されることによって、ポンプ機構12が圧力容器10に固定されていてもよい。この場合には、下軸受部材16又はポンプケース15によって、圧力容器10の内部空間が吐出空間18と吸入空間19とに分かれる。
液体用ポンプ1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、下軸受部材16の周縁部又はポンプケース15の周縁部が圧力容器10の内周面に溶接されることによって、ポンプ機構12が圧力容器10に固定されていてもよい。この場合には、下軸受部材16又はポンプケース15によって、圧力容器10の内部空間が吐出空間18と吸入空間19とに分かれる。
また、液体用ポンプ1aは、図5に示す液体用ポンプ1bのように変更されてもよい。液体用ポンプ1bは、特に説明する場合除き、液体用ポンプ1aと同様に構成される。液体用ポンプ1aの構成要素と同一又は対応する液体用ポンプ1bの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略することがある。液体用ポンプ1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、液体用ポンプ1bにも適用される。
図5に示すように、液体用ポンプ1bは、吸入路22に加えて、吸入路22とは異なる位置に、吸入路33をさらに有する。吸入路33は、吸入室26a及び吸入空間19に連通している。吸入路33の一部は、例えば、吸入路22よりも半径方向外側で下軸受部材16及びポンプケース15を厚さ方向に貫通し、同一の軸線を有する貫通孔によって形成されている。また、吸入路33の残部は、その貫通孔からポンプ機構12の内部の吸入室26aまで延びている、上軸受部材14の下面に形成された溝によって形成されている。吸入路33の吸入空間19側の端には吸入口33aが形成されている。吸入口33aは、吸入路33の、吸入空間19に面している開口部である。
図5に示すように、潤滑油貯留空間30は、例えば、ポンプ機構12より上方に形成されている。例えば、吸入路33よりも半径方向外側に位置する上軸受部材14の下面の周縁部に環状の凹部が形成されており、潤滑油貯留空間30は、この環状の凹部によって上軸受部材14の下面の周縁部に形成されている。連通路31は、例えば、潤滑油貯留空間30の上部で潤滑油貯留空間30につながっている。また、連通路31は、吸入路33の残部で吸入路33につながっている。これにより、連通路31は、吸入路33を介して吸入室26aに連通している。例えば、連通路31は、上軸受部材14の下面の周縁部に形成された環状の凹部から吸入路33の残部に向かって上軸受部材14を半径方向に貫通する貫通孔によって形成されている。
潤滑油貯留空間30がポンプ機構12より上方に形成されていると、潤滑油貯留空間30に貯留された潤滑油が、吸入口22a及びポンプ機構12を構成する部材の隙間から吐出空間18へ導かれることを防止できる。このため、潤滑油を潤滑油貯留空間30に確実に貯留でき、常にポンプ機構12へ潤滑油を供給しつつ潤滑油の枯渇を防止できる。その結果、ポンプ機構12の摺動する部材、第一軸受29、及び第二軸受27の摩耗を防止でき、液体用ポンプ1bの信頼性が高まる。
また、図5に示すように、液体用ポンプ1bは、気体貯留空間32をさらに備えている。気体貯留空間32は、連通路31の潤滑油貯留空間30側の端よりも上方に形成されている空間である。これにより、液体用ポンプ1bを起動するとき、又は、液体用ポンプ1bの運転条件が変更されるときなどにおいて、キャビテーションなどの現象により液体から発生した気体を気体貯留空間32に貯留できる。このため、連通路31、吸入口22a、及び吸入口33aを気体が通過してポンプ機構12に気体が吸入されることを防止できる。その結果、ポンプ機構12に気体が入り込むことによる信頼性の低下を防ぎ、液体用ポンプ1bの信頼性をより高めることができる。
ポンプ機構12は、(i)内接式のギヤポンプ以外のギヤポンプ、ベーンポンプ、及びロータリポンプなどの容積型ポンプ、(ii)遠心ポンプ、斜流ポンプ、及び軸流ポンプなどの速度型ポンプ、又は(iii)スクリューポンプであってもよい。
<ランキンサイクル装置>
次に、液体用ポンプ1aを備えたランキンサイクル装置100について説明する。図6に示す通り、ランキンサイクル装置100は、液体用ポンプ1aと、加熱器2と、膨張機3と、放熱器4とを備えている。ランキンサイクル装置100は、流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dを備えている。流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dによって液体用ポンプ1、加熱器2、膨張機3、及び放熱器4がこの順番で環状に接続されている。流路6aは、液体用ポンプ1aの出口と加熱器2の入口とを接続している。吐出管20が、流路6aの少なくとも一部を形成している。流路6bは、加熱器2の出口と膨張機3の入口とを接続している。流路6cは、膨張機3の出口と放熱器4の入口とを接続している。流路6dは、放熱器4の出口と液体用ポンプ1aの入口とを接続している。供給管21は、流路6dの少なくとも一部を形成している。
次に、液体用ポンプ1aを備えたランキンサイクル装置100について説明する。図6に示す通り、ランキンサイクル装置100は、液体用ポンプ1aと、加熱器2と、膨張機3と、放熱器4とを備えている。ランキンサイクル装置100は、流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dを備えている。流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dによって液体用ポンプ1、加熱器2、膨張機3、及び放熱器4がこの順番で環状に接続されている。流路6aは、液体用ポンプ1aの出口と加熱器2の入口とを接続している。吐出管20が、流路6aの少なくとも一部を形成している。流路6bは、加熱器2の出口と膨張機3の入口とを接続している。流路6cは、膨張機3の出口と放熱器4の入口とを接続している。流路6dは、放熱器4の出口と液体用ポンプ1aの入口とを接続している。供給管21は、流路6dの少なくとも一部を形成している。
ランキンサイクル装置100の作動流体は、特に制限されないが、例えば、有機作動流体を望ましく使用できる。有機作動流体は、例えば、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、又はアルコールなどの有機化合物である。ハロゲン化炭化水素は、例えば、R−123、R365mfc、又はR−245faである。炭化水素は、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、又はイソペンタンなどのアルカンである。アルコールは、例えばエタノールである。これらの有機作動流体は単独で使用されてもよいし、これらの有機作動流体の二種類以上が混合されて使用されてもよい。また、作動流体として、水、二酸化炭素、及びアンモニウムなどの無機作動流体を使用してもよい。
作動流体には、潤滑油が混ざっている。潤滑油は、液体用ポンプ1aの入口における圧力及び温度において、作動流体の有する密度より小さい密度を有する。ランキンサイクル装置100において、ランキンサイクルに用いられる公知の潤滑油を利用できる。潤滑油は、例えば、エステル系潤滑油及びエーテル系潤滑油などの含酸素系合成油、フッ素系潤滑油、鉱物油、又は炭化水素系合成油を利用できる。
加熱器2は、ランキンサイクルの作動流体を加熱する。加熱器2は、例えば、地熱によって得られる温水、ボイラー若しくは燃焼炉の燃焼ガス又はその排気ガスなどの熱媒体から熱エネルギーを吸収し、その吸収した熱エネルギーによって作動流体を加熱して蒸発させる。図6に示す通り、加熱器2には、熱媒体の流路2aが接続されている。熱媒体が温水などの液体である場合、加熱器2として、プレート式熱交換器又は二重管式熱交換器が望ましく使用される。また、熱媒体が燃焼ガス又は排気ガスなどの気体の場合、加熱器2として、フィンチューブ熱交換器が望ましく使用される。図6において、実線の矢印は作動流体の流れ方向を示し、破線の矢印は熱媒体の流れ方向を示している。
膨張機3は、加熱器2によって加熱された作動流体を膨張させるための流体機械である。ランキンサイクル装置100は、発電機5をさらに備えている。発電機5は、膨張機3に接続されている。膨張機3における作動流体の膨張によって膨張機3は回転動力を得る。この回転動力が発電機5によって電気に変換される。膨張機3は、例えば、容積型又は速度型の膨張機である。容積型の膨張機の型式としては、ロータリ型、スクリュー型、往復型、及びスクロール型を挙げることができる。速度型の膨張機の型式としては、遠心型又は軸流型を挙げることができる。
放熱器4は、膨張機3によって膨張した作動流体の有する熱を放熱する。具体的に、放熱器4において、作動流体が冷却媒体と熱交換することによって、作動流体が冷却され、冷却媒体が加熱される。放熱器4には、冷却媒体の流路4aが接続されている。図6において、一点鎖線の矢印は、冷却媒体の流れの方向を示している。放熱器4としては、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器、及びフィンチューブ熱交換器などの公知の熱交換器を使用できる。放熱器4の種類は、冷却媒体の種類に応じて適切に選択される。冷却媒体が水などの液体である場合、プレート式熱交換器又は二重管式熱交換器が望ましく使用される。また、冷却媒体が空気などの気体である場合、フィンチューブ熱交換器が望ましく使用される。
放熱器4から流出した作動流体は、液体状態である。すなわち、放熱器4から流出した液体状態の作動流体が吸入管21を通過して圧力容器10の内部に導かれる。液体用ポンプ1aは、ポンプ機構12によって、放熱器4を通過した液体状態の作動流体を上記の液体として吸入し、かつ、その液体を加熱器2に向かって圧送する。液体用ポンプ1aによって作動流体が加圧され、加圧された作動流体が流路6dを通過して加熱器2に供給される。
ランキンサイクルにおいて、加熱器2において作動流体を加熱する熱源の温度が不安定になる場合、又は、熱源の熱量の増減がある場合、ランキンサイクル装置の起動と停止が繰り返される。この場合、液体用ポンプ1aの運転の起動と停止が繰り返され、又は、液体用ポンプ1aにおいて、回転数などの運転条件の変更が繰り返される。このように、液体用ポンプ1aが起動と停止を繰り返し、又は、液体用ポンプ1aの運転条件の変更が繰り返されたとしても、液体用ポンプ1aによれば、潤滑油貯留空間30からポンプ機構12に安定的に潤滑油を供給できる。これにより、ポンプ機構12の摺動する部材、第一軸受29、及び第二軸受27の摩耗を防ぐことができる。その結果、液体用ポンプ1a、ひいてはランキンサイクル装置100が高い信頼性を有する。また、ランキンサイクル装置100は、液体用ポンプ1aに代えて、液体用ポンプ1bを備えていてもよく、この場合でも同様の効果が得られる。
1a、1b 液体用ポンプ
2 加熱器
3 膨張機
4 放熱器
10 圧力容器
12 ポンプ機構
19 吸入空間
21 供給管
21a 混合流体の流路
22 吸入路
22a 吸入口
26a 吸入室
30 潤滑油貯留空間
31 連通路
32 気体貯留空間
100 ランキンサイクル装置
2 加熱器
3 膨張機
4 放熱器
10 圧力容器
12 ポンプ機構
19 吸入空間
21 供給管
21a 混合流体の流路
22 吸入路
22a 吸入口
26a 吸入室
30 潤滑油貯留空間
31 連通路
32 気体貯留空間
100 ランキンサイクル装置
Claims (8)
- 圧力容器と、
前記圧力容器の外部から前記圧力容器の内部へ流れる、液体と前記液体の密度より小さい密度を有する潤滑油との混合流体の流路を形成している供給管と、
前記圧力容器の内部に配置され、前記混合流体が吸入される吸入室を有し、前記混合流体を圧送するポンプ機構と、
前記圧力容器の内部に形成され、前記吸入室及び前記供給管によって形成されている前記混合流体の流路に連通し、前記混合流体が貯留される吸入空間と、
前記吸入空間の一部として前記吸入空間の上部に形成されている潤滑油貯留空間と、
前記潤滑油貯留空間及び前記吸入室に連通している連通路と、を備えた、
液体用ポンプ。 - 前記潤滑油貯留空間は、前記供給管より上方に形成されている、請求項1に記載の液体用ポンプ。
- 前記吸入室は、前記吸入空間及び前記吸入室に連通している吸入路と、当該吸入路の前記吸入空間側の端に形成されている吸入口とを介して前記吸入空間に連通し、
前記潤滑油貯留空間は、前記吸入口より上方に形成されている、請求項1又は2に記載の液体用ポンプ。 - 前記潤滑油貯留空間は、前記ポンプ機構より上方に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体用ポンプ。
- 前記連通路は、前記潤滑油貯留空間の上部で前記潤滑油貯留空間につながっている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体用ポンプ。
- 前記連通路は、前記吸入口の面積よりも小さい流路断面積を有する、請求項3に記載の液体用ポンプ。
- 前記連通路の前記潤滑油貯留空間側の端よりも上方に形成され、気体を貯留可能な気体貯留空間をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体用ポンプ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体用ポンプと、
作動流体を加熱する加熱器と、
前記加熱器によって加熱された前記作動流体を膨張させる膨張機と、
前記膨張機によって膨張した前記作動流体の有する熱を放熱する放熱器と、を備え、
前記液体用ポンプは、前記ポンプ機構によって、前記放熱器を通過した液体状態の前記作動流体を前記液体として吸入し、かつ、前記液体を前記加熱器に向かって圧送する、
ランキンサイクル装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015199369A JP2017072069A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 液体用ポンプ及びランキンサイクル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015199369A JP2017072069A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 液体用ポンプ及びランキンサイクル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=58538188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015199369A Pending JP2017072069A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 液体用ポンプ及びランキンサイクル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017072069A (ja) |
-
2015
- 2015-10-07 JP JP2015199369A patent/JP2017072069A/ja active Pending
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