JP2017071681A - 接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体 - Google Patents

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Masamichi Yamamoto
正道 山本
齊藤 裕久
Hirohisa Saito
裕久 齊藤
淑文 内田
Yoshifumi Uchida
淑文 内田
隆行 津曲
Takayuki Tsumagari
隆行 津曲
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Abstract

【課題】短絡防止性に優れる接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の接着シートは、離型フィルムと、この離型フィルムの一方の面に積層される導電性接着層とを備え、上記導電性接着層が、複数の半田ペースト部と、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを有する。上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部間に配設されているとよい。上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部の周囲に配設されているとよい。本発明の電気的接続体の製造方法は、一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程と、上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程とを備え、上記導電性接着層が、上記一対の配線間に配設される半田ペースト部及びこの半田ペースト部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体に関する。
絶縁体の表面に複数の配線を有するプリント配線板が知られている。このようなプリント配線板は、例えば複数の配線を他のプリント配線板の複数の配線と1対1対応で半田接続することで、他のプリント配線板と電気的に接続される。
このようなプリント配線板としては、他のプリント配線板の配線と電気的に接続する際に、隣接する配線間の短絡を防止する構造を有するものも発案されている(特開平5−129759号公報参照)。この公報に記載のプリント配線板は、隣接する配線間に接着剤が充填されている。このプリント配線板は、上記接着剤が隣接する配線よりも隆起した形状を有することによって、配線上に半田ペーストを積層しても、この半田ペーストが隣接する配線側に流動するのを防止することができ、これにより隣接する配線間の短絡を防止することができるとされている。
特開平5−129759号公報
しかしながら、上記公報に記載のプリント配線板は、他のプリント配線板の配線と電気的に接続する際に、条件によっては半田ペーストが接着剤を超えて隣接する配線側に流出するおそれがある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、短絡防止性に優れる接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る接着シートは、離型フィルムと、この離型フィルムの一方の面に積層される導電性接着層とを備え、上記導電性接着層が、複数の半田ペースト部と、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを有する。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る電気的接続体の製造方法は、一対の配線板の一対の配線と、この一対の配線間に配設される半田部とを備える電気的接続体の製造方法であって、上記一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程と、上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程とを備え、上記導電性接着層が、上記一対の配線間に配設される半田ペースト部及びこの半田ペースト部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有する。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る電気的接続体は、それぞれ配線を有する一対の配線板と、上記一対の配線板の配線間に配設される半田部と、上記一対の配線板間の上記半田部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを備える。
本発明の接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体は、短絡防止性に優れる。
本発明の一実施形態に係る接着シートを示す模式的平面図である。 図1の接着シートのA−A線断面図である。 図1の接着シートとは異なる実施形態に係る接着シートを示す模式的平面図である。 図1及び図3の接着シートとは異なる実施形態に係る接着シートを示す模式的平面図である。 本発明の一実施形態に係る電気的接続体の製造方法の転写工程を説明する模式的平面図である。 本発明の一実施形態に係る電気的接続体の製造方法の剥離工程を説明する模式的平面図である。 本発明の一実施形態に係る電気的接続体の製造方法の重畳工程を説明する模式的平面図である。 本発明の一実施形態に係る電気的接続体を示す模式的平面図である。 図6の電気的接続体のB−B線断面図である。 図6の電気的接続体のC−C線断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る接着シートは、離型フィルムと、この離型フィルムの一方の面に積層される導電性接着層とを備え、上記導電性接着層が、複数の半田ペースト部と、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを有する。
当該接着シートは、例えば一対の配線板の複数の配線間を電気的に接続するために用いられる。当該接着シートは、例えば一方の配線板の複数の配線の外面に複数の半田ペースト部が1対1対応で配設されるように導電性接着層を積層し、離型フィルムを剥離した上、他方の配線板をその複数の配線が複数の半田ペースト部の外面にそれぞれ配設されるように積層し、さらにこの一対の配線板を熱圧着することによって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続する。当該接着シートは、上記導電性接着層が、複数の半田ペースト部を有するので、各半田ペースト部を一対の配線板の互いの配線間に1対1対応で配設することによってこれらの配線間を電気的に接続することができる。また、当該接着シートは、上記導電性接着層が熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有するので、熱圧着時における半田ペースト部の平面方向の広がりを抑制することができる。つまり、当該接着シートは、接着剤部の主成分が熱硬化性樹脂であるため、半田ペースト部に含まれる半田合金粒子が溶融する際にこの接着剤部は硬化する。そのため、当該接着シートは、熱圧着時における半田ペースト部の平面方向の広がりを接着剤部によって塞き止めることができる。さらに、当該接着シートは、硬化後の接着剤部が一対の配線板間のスペーサとしても機能するので、半田ペースト部が必要以上に圧縮されるのを防止することができ、半田ペースト部の平面方向への広がり自体を抑制することができる。従って、当該接着シートは、短絡防止性に優れる。
上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部間に配設されているとよい。このように、上記接着剤部が上記複数の半田ペースト部間に配設されていることによって、上記複数の半田ペースト部同士が連結することを容易に防止することができる。
上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部の周囲に配設されているとよい。このように、上記接着剤部が上記複数の半田ペースト部の周囲に配設されていることによって、上記複数の半田ペースト部同士が連結することをより確実に防止することができる。
上記接着剤の30℃における粘度としては、30000Pa・s以上300000Pa・s以下が好ましい。このように、上記接着剤の30℃における粘度が上記範囲内であることによって、接着剤部の流動を適度に抑制して、半田ペースト部同士が連結することをより確実に防止することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る電気的接続体の製造方法は、一対の配線板の一対の配線と、この一対の配線間に配設される半田部とを備える電気的接続体の製造方法であって、上記一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程と、上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程とを備え、上記導電性接着層が、上記一対の配線間に配設される半田ペースト部及びこの半田ペースト部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有する。
当該電気的接続体の製造方法は、一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程と、上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程とを備え、上記導電性接着層が上記一対の配線間に配設される半田ペースト部を有するので、この半田ペースト部が固化して形成される半田部によって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続することができる。また、当該電気的接続体の製造方法は、上記導電性接着層が熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有するので、硬化後の接着剤部が半田ペースト部間の仕切壁及び一対の配線板間のスペーサとして機能することで、熱圧着時における半田ペースト部の平面方向の広がりを抑制することができる。従って、当該電気的接続体の製造方法は、短絡防止性に優れる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る電気的接続体は、それぞれ配線を有する一対の配線板と、上記一対の配線板の配線間に配設される半田部と、上記一対の配線板間の上記半田部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを備える。
当該電気的接続体は、例えば一対の配線板の互いの配線間に半田ペースト部を積層し、かつこの一対の配線間の上記半田ペースト部以外の箇所に接着剤部を積層した状態で、この一対の配線板を熱圧着することによって得られる。当該電気的接続体は、一対の配線板の配線間に配設される半田部と、一対の配線板間の上記半田部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを備えるので、熱圧着時における半田ペースト部の平面方向の広がりを抑制しつつ、この半田ペースト部の固化によって得られる半田部によって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続することができる。従って、当該電気的接続体は、短絡防止性に優れる。
なお、本発明において「導電性接着層」とは、平面方向の少なくも1部において厚み方向に導通性を有する接着層をいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上、好ましくは含有量が70質量%以上の成分をいう。「粘度」とは、JIS−Z8803:2011に準拠した値をいう。この粘度は、例えばコーンプレート型粘度計(東機産業社製の「TV22形粘度計」:コーンNo.7)を用い、回転数1rpm(せん断速度2s−1)で測定することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る接着シート、電気的接続体の製造方法及び電気的接続体を説明する。
[第一実施形態]
<接着シート>
図1,2の接着シート1は、離型フィルム2と、離型フィルム2の一方の面に積層される導電性接着層3とを備える。図1,2の接着シート1は、例えば一対の配線板の複数の配線間を電気的に接続するために用いられる。
(離型フィルム)
離型フィルム2としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を主成分とする合成樹脂フィルムや、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、これらのラミネート体等からなる適当なフィルム状体を用いることができる。また、離型フィルム2は、剥離性を高めるため、導電性接着層3が積層される面にメラミン樹脂等の合成樹脂を主成分とする剥離層が設けられていてもよく、またシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されてもよい。中でも、離型フィルム2の導電性接着層3が積層される面にはシリコーン処理が施されていることが好ましい。このようなシリコーン処理を施すことによって、離型フィルム2から導電性接着層3を剥離する際にこの剥離面に離型フィルム2が付着するのを的確に防止することができ、離型フィルム2の付着に基づく接着力の低下を防止することができる。
(導電性接着層)
導電性接着層3は、複数の半田ペースト部4と、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部5とを有する。当該接着シート1は、例えば一方の配線板の複数の配線の外面に複数の半田ペースト部4が1対1対応で配設されるように導電性接着層3を積層し、離型フィルム2を剥離した上、他方の配線板をその配線板の複数の配線が複数の半田ペースト部4の外面にそれぞれ配設されるように積層し、さらにこの一対の配線板を熱圧着することによって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続する。
当該接着シート1は、導電性接着層3が複数の半田ペースト部4を有するので、各半田ペースト部4を一対の配線板の互いの配線間に1対1対応で配設することによってこれらの配線間を電気的に接続することができる。また、当該接着シート1は、導電性接着層3が熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部5を有するので、熱圧着時における半田ペースト部4の平面方向の広がりを抑制することができる。つまり、当該接着シート1は、接着剤部5の主成分が熱硬化性樹脂であるため、半田ペースト部4に含まれる半田合金粒子が溶融する際にこの接着剤部5は硬化する。そのため、当該接着シート1は、熱圧着時における半田ペースト部4の平面方向の広がりを接着剤部5によって塞き止めることができる。さらに、当該接着シート1は、硬化後の接着剤部5が一対の配線板間のスペーサとしても機能するので、半田ペースト部4が必要以上に圧縮されるのを防止することができ、半田ペースト部4の平面方向への広がり自体を抑制することができる。従って、当該接着シート1は、短絡防止性に優れる。
(半田ペースト部)
複数の半田ペースト部4は、一対の配線板の対向する配線を接着及び導通可能に構成されている。複数の半田ペースト部4は、複数の半田合金粒子とフラックスとを含有する。各半田ペースト部4は、複数の半田合金粒子とフラックスとを含有する半田ペーストを離型フィルム2の一方の面に塗布することで形成される。上記半田ペーストの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えばスクリーン印刷、ディスペンサ等、公知の印刷方法を用いることができる。
上記半田合金粒子の材質としては、特に限定されるものではなく、例えばSnAgCu合金、SnZnBi合金、SnCu合金、SnAgInBi合金、SnBi合金、SnAg合金等の鉛フリー合金が挙げられる。半田合金の溶融温度としては、比較的低いことが好ましく、例えば300℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましい。上記半田合金粒子の平均粒径としては、分散性、取扱性等の点から5μm以上40μm以下が好ましい。上記半田ペーストにおける半田合金粒子2の含有量としては、例えば80質量%以上95質量%以下とすることができる。
上記フラックスは、上記半田合金粒子の表面に酸化膜が形成されるのを抑制し、一対の配線間の導通性を向上させる。上記フラックスとしては、半田合金の濡れ性に寄与し得るものが好ましく、樹脂系、有機酸系又は無機酸系のものが使用できる。また、上記フラックスは、溶剤、消泡剤、酸化防止剤、キレート剤、防錆剤等のその他の成分を含んでいてもよい。上記半田ペーストにおける上記フラックスの含有量としては、例えば5質量%以上20質量%以下とすることができる。
複数の半田ペースト部4は、一対の配線板の複数の配線間を電気的に接続できるよう、これらの配線と重なり合う位置に、かつこれらの配線の形状に対応する形状で配設されている。具体的には、複数の半田ペースト部4は、平面視略楕円状に形成されている。また、複数の半田ペースト部4は、幅方向に一定の間隔をもって略平行に配設されている。なお、「略平行」とは、長手方向の中心軸同士のなす角が0°±10°の範囲をいい、好ましくは0°±5°の範囲をいう。
複数の半田ペースト部4の厚み方向の断面は、表面張力によってアーチ状に形成されている。これにより、後述する熱圧着時における接着剤部5との混じり合いの抑制効果が促進される。
半田ペースト部4の長手方向長さは、この半田ペースト部4によって電気的に接続する配線の長さ等に応じて適宜設定可能である。半田ペースト部4の長手方向長さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、半田ペースト部4の長手方向長さの上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。半田ペースト部4の長手方向長さが上記下限に満たないと、電気的に接続する配線間の導通性が不十分となるおそれがある。逆に、半田ペースト部4の長手方向長さが上記上限を超えると、当該接着シート1が不要に大きくなるおそれがある。
半田ペースト部4の幅は、この半田ペースト部4によって電気的に接続する配線の幅以下であることが好ましい。半田ペースト部4の幅の下限としては、0.08mmが好ましく、0.14mmがより好ましい。一方、半田ペースト部4の幅の上限としては、1mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。半田ペースト部4の幅が上記下限に満たないと、電気的に接続する配線間の導通性が不十分となるおそれがある。逆に、半田ペースト部4の幅が上記上限を超えると、半田ペースト部4の幅が配線の幅より大きくなり、半田ペースト部4を配線上に保持し難くなるおそれがある。
複数の半田ペースト部4の平均厚みの下限としては、30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、複数の半田ペースト部4の平均厚みの上限としては、100μmが好ましく、80μmがより好ましい。複数の半田ペースト部4の平均厚みが上記下限に満たないと、電気的に接続する配線間の導通性が不十分となるおそれがある。逆に、複数の半田ペースト部4の平均厚みが上記上限を超えると、半田ペースト部4の流動を抑制し難くなるおそれがある。なお、「平均厚み」とは、任意の10点の厚みの平均値をいう。また、上記「平均厚み」は、例えば厚み方向の断面が山型(アーチ状等)である場合、頂部の10点の厚みの平均値によって代替することができる。
(接着剤部)
接着剤部5は、接着剤によって構成されている。接着剤部5は、一対の配線板における複数の半田ペースト部4による接着領域以外の領域を接着可能に構成されている。接着剤部5は、絶縁性を有する。接着剤部5の主成分としては、絶縁性を有する熱硬化性樹脂である限り特に限定されるものではなく、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等が挙げられ、中でもアクリル樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。
なお、接着剤部5には、硬化剤、増粘剤、レビリング剤、溶剤等の添加剤を添加することができる。接着剤部5は、接着剤部5を構成する組成物を、スクリーン印刷、ディスペンサ等の公知の印刷方法によって離型フィルム2の一方の面に塗布することで形成することができる。
上記接着剤の硬化温度としては、上記半田合金粒子の溶融温度よりも低いことが好ましい。上記接着剤の硬化温度の下限としては、100℃が好ましく、120℃がより好ましい。一方、上記接着剤の硬化温度の上限としては、300℃が好ましく、200℃がより好ましい。上記接着剤の硬化温度が上記下限に満たないと、溶剤を十分に揮発させることができないおそれがある。逆に、上記接着剤の硬化温度が上記上限を超えると、半田合金粒子の溶融前に接着剤部5を硬化できないおそれがある。なお、「硬化温度」とは、示差走査熱量計(DSC)による10℃/分で測定した昇温測定時における発熱ピークにおけるピークトップ時点の温度をいう。
上記接着剤の硬化温度が上記半田合金粒子の溶融温度よりも低い場合、上記半田合金粒子の溶融温度と上記接着剤の硬化温度との差の下限としては、10℃が好ましく、15℃がより好ましい。一方、上記温度差の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。上記温度差が上記下限に満たないと、半田合金粒子の溶融前に接着剤部5を十分に硬化できないおそれがある。逆に、上記温度差が上記上限を超えると、熱圧着時の熱エネルギーコストが不要に高くなるおそれがある。なお、「溶融温度」とは、示差走査熱量計(DSC)による10℃/分で測定した昇温測定時における結晶融解吸熱ピークにおけるピークトップ時点の温度をいう。
上記接着剤の30℃における粘度の下限としては、30000Pa・sが好ましく、50000Pa・sがより好ましい。一方、上記接着剤の30℃における粘度の上限としては、300000Pa・sが好ましく、200000Pa・sがより好ましい。上記接着剤の粘度が上記下限に満たないと、接着剤部5の形状安定性が低下して、この接着剤部5によって半田ペースト部4の広がりを十分に塞き止めることができないおそれがある。逆に、上記接着剤の粘度が上記上限を超えると、接着剤部5を一対の配線板間の隙間に十分に充填できないおそれがある。
接着剤部5は、複数の半田ペースト部4間に配設されており、詳細には隣接する半田ペースト部4の対向面間に亘って、隣接する半田ペースト部4の長手方向の一端から他端の間に充填されている。特に、本実施形態においては、接着剤部5は、複数の半田ペースト部4の周囲に配設されており、詳細には平面視において複数の半田ペースト部4を囲うよう配設されている。また、接着剤部5は、複数の半田ペースト部4の4辺に接している。当該接着シート1は、接着剤部5が複数の半田ペースト部4間に配設されていることによって、複数の半田ペースト部4同士が対向方向に流動して連結することを容易に防止することができる。また、当該接着シート1は、接着剤部5が複数の半田ペースト部4間に配設されていることによって、硬化後の接着剤部5が一対の配線板間のスペーサとして機能し易い。そのため、当該接着シート1は、熱圧着時に複数の半田ペースト部4が必要以上に圧縮されるのを防止することができ、複数の半田ペースト部4の平面方向への広がり自体を抑制することができる。さらに、当該接着シート1は、接着剤部5が複数の半田ペースト部4の周囲に配設されていることによって、複数の半田ペースト部4が配線の長手方向に流動して配線の端部に半田溜りが生じるのを防止することができる。その結果、当該接着シート1は、複数の半田ペースト部4が、この半田溜りを介して連結することを防止することができる。
導電性接着層3は、接着剤部5によって囲まれる領域を複数有しており、この領域にそれぞれ半田ペースト部4が配設されている。この領域は、各々平面視矩形状に形成されている。接着剤部5によって囲まれる領域の面積に対する半田ペースト部4の面積の比の下限としては、1/2が好ましく、2/3がより好ましい。一方、上記面積比の上限としては、9/10が好ましく、8/9がより好ましい。上記面積比が上記下限に満たないと、電気的に接続する配線間の導通性が不十分となるおそれがある。逆に、上記面積比が上記上限を超えると、熱圧着時に半田ペースト部4が平面方向に広がるおそれが高くなる。なお、「矩形」とは、完全な矩形の他、エッジに丸みが付いているものや、各辺に湾曲部が存在するものも含む。
隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅の下限としては、0.1mmが好ましく、0.12mmがより好ましい。一方、隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅の上限としては、1.2mmが好ましく、1.1mmがより好ましい。隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅が上記下限に満たないと、接着剤部5による接着面積が小さくなり一対の配線板間の接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅が上記上限を超えると、半田ペースト部4の幅が小さくなり、配線間の導通性が不十分となるおそれがある。
なお、複数の半田ペースト部4のうち、両側端に配設される一対の半田ペースト部4の幅方向の外側に配設される接着剤部5の平均幅は、隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅と同様である必要はない。上記両側端に配設される一対の半田ペースト部4の幅方向の外側に配設される接着剤部5の平均幅としては、例えば接着性を向上させるため、隣接する半田ペースト部4間に配設される接着剤部5の平均幅よりも大きくてもよい。この場合、上記両側端に配設される一対の半田ペースト部4の幅方向の外側に配設される接着剤部5の平均幅としては、例えば0.22mm以上1mm以下程度とすることができる。
半田ペースト部4の長手方向の両端よりも長手方向外側に配設される接着剤層5の平均長さ(半田ペースト部4の長手方向と平行方向の平均長さ)は、特に限定されるものではなく、例えば電気的に接続する一対の配線の外面を被覆できるだけの長さがあればよい。
接着剤部5の平均厚みの下限としては、30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、接着剤部5の平均厚みの上限としては、100μmが好ましく、80μmがより好ましい。接着剤部5の平均厚みが上記下限に満たないと、接着剤部5を一対の配線板間に十分に充填することができず、一対の配線板間の接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、接着剤部5の平均厚みが上記上限を超えると、一対の配線板間の距離が大きくなり過ぎて、半田ペースト部4による配線間の電気的接続が不安定となるおそれがある。
また、導電性接着層3における複数の半田ペースト部4の平均厚み及び接着剤部5の平均厚みは略等しいことが好ましい。具体的には、導電性接着層3における複数の半田ペースト部4の平均厚み及び接着剤部5の平均厚みの差の絶対値の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。このように、上記平均厚みの差の絶対値が上記上限以下であることによって、導電性接着層3を一方の配線板に積層した際、及びさらにこの導電性接着層3の外面に他方の配線板を積層した際に複数の半田ペースト部4及び接着剤部5が混じり合うのを抑制し易い。その結果、当該接着シート1は、複数の半田ペースト部4同士が連結するのをより確実に防止することができる。なお、上記平均厚みの差の絶対値の下限としては、特に限定されるものではなく、例えば0μmとすることができる。
[第二実施形態]
<接着シート>
図3の接着シート11は、図1の接着シート1に代えて用いられる。図3の接着シート11は、離型フィルム2と、離型フィルム2の一方の面に積層される導電性接着層13とを備える。導電性接着層13は、複数の半田ペースト部4と、熱硬化性樹脂を主成分とする複数の接着剤部15とを有する。図3の接着シートは11は、複数の接着剤部15の配置が異なる以外、図1の接着シート1と同様とされる。そのため、以下では複数の接着剤部15の配置関係についてのみ説明する。
複数の接着剤部15は、平面視略矩形状に形成されている。複数の接着剤部15は、複数の半田ペースト部4間に配設されている。また、複数の接着剤部15は、複数の半田ペースト部4のうち、両側端に配設される一対の半田ペースト部4の幅方向の外側に配設されている。
複数の半田ペースト部4及び複数の接着剤部15の長手方向長さは略同一とされている。また、複数の半田ペースト部4及び複数の接着剤部15の長手方向の両端は、各々略直線状に配設されている。つまり、当該接着シート11は、図1の接着シート1のうち、複数の半田ペースト部4の長手方向の両端よりも長手方向の外側に位置する接着剤部5が存在しない形状とされている。
当該接着シート11は、複数の接着剤部15が複数の半田ペースト部4間に配設されているので、複数の半田ペースト部4同士が連結することを容易に防止することができる。
[第三実施形態]
<接着シート>
図4の接着シート21は、図1の接着シート1及び図3の接着シート11に代えて用いられる。図4の接着シート21は、離型フィルム2と、離型フィルム2の一方の面に積層される導電性接着層23とを備える。導電性接着層23は、複数の半田ペースト部4と、熱硬化性樹脂を主成分とする一対の接着剤部25とを有する。図4の接着シートは21は、一対の接着剤部25の配置が異なる以外、図1の接着シート1と同様とされる。そのため、以下では一対の接着剤部25の配置関係についてのみ説明する。
一対の接着剤部25は、平面視略矩形状に形成されている。一方の接着剤部25は、複数の半田ペースト部4の長手方向の一端側に配設されている。また、他方の接着剤部25は、複数の半田ペースト部4の長手方向の他端側に配設されている。一対の接着剤部25の長手方向は、複数の半田ペースト部4の長手方向と略直交している。つまり、当該接着シート21は、図1の接着シート1のうち、複数の半田ペースト部4間に配設される接着剤部5、及び複数の半田ペースト部4のうち、両側端に配設される一対の半田ペースト部4の幅方向の外側に配設される接着剤部5が存在しない形状とされている。
当該接着シート21は、一対の接着剤部25が複数の半田ペースト部4の長手方向の両端側に配設されているので、複数の半田ペースト部4が配線の長手方向に流動して配線の端部に半田溜りが生じるのを防止することができる。その結果、当該接着シート21は、複数の半田ペースト部4がこの半田溜りを介して連結することを防止することができる。
<電気的接続体の製造方法>
次に、図5A〜5Cを参照して、本発明の一態様に係る電気的接続体の製造方法について説明する。当該電気的接続体の製造方法は、一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程(以下、「積層工程」ともいう。)と、上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程(以下、「熱圧着工程」ともいう。)とを備える。また、当該電気的接続体の製造方法は、上記導電性接着層が、上記一対の配線板の一対の配線間に配設される半田ペースト部と、この半田ペースト部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを有する。以下では、図1の接着シート1を用いた電気的接続体の製造方法について説明する。
(配線板)
まず、当該電気的接続体の製造方法で用いる一対の配線板について説明する。一方の配線板31は、図5Aに示すように、ベースフィルム32と、このベースフィルム32の一方の面に積層される複数の配線33とを備え、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板である。
ベースフィルム32は、可撓性及び電気的絶縁性を有する。ベースフィルム32は、合成樹脂を主成分としている。ベースフィルム32の主成分としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、液晶ポリマー等が挙げられる。
ベースフィルム32の平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム32の平均厚みの上限としては、100μmが好ましく、60μmがより好ましい。ベースフィルム32の平均厚みが上記下限に満たないと、絶縁性及び機械的強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム32の平均厚みが上記上限を超えると、可撓性が不十分となるおそれがある。
複数の配線33は、扁平な直方体状に形成されている。複数の配線33は、導通性を有する材料によって形成されている。配線33の主成分としては、例えば銅が挙げられる。複数の配線33のベースフィルム32への積層方法としては、特に限定されるものではなく、例えば接着剤によって積層されてもよく、焼結、めっき等の方法によって直接積層されてもよい。
複数の配線33の平均幅の下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、配線33の平均幅の上限としては、1mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。複数の配線33の平均幅が上記下限に満たないと、導通性が不十分となるおそれがある。逆に、複数の配線33の平均幅が上記上限を超えると、配線板31が不要に大きくなるおそれがある。
複数の配線33は、幅方向に一定の間隔をもって略平行に配設されている。複数の配線33の平均ピッチの下限としては、0.2mmが好ましく、0.3mmがより好ましい。一方、複数の配線33の平均ピッチの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましい。複数の配線33の平均ピッチが上記下限に満たないと、隣接する配線33同士が接触するおそれがある。逆に、複数の配線33の平均ピッチが上記上限を超えると、配線板31が不要に大きくなるおそれがある。
複数の配線33の平均厚みの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、複数の配線33の平均厚みの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。複数の配線33の平均厚みが上記下限に満たないと、複数の配線33が損傷し易くなるおそれがある。逆に、複数の配線33の平均厚みが上記上限を超えると、一対の配線板を接着した際に、この一対の配線板間の隅々まで接着剤部を行き渡らせ難くなるおそれがある。
他方の配線板34は、図5Cに示すように、ベースフィルム35と、このベースフィルム35の一方の面に積層される複数の配線36とを備える。ベースフィルム35の具体的構成としては、一方の配線板31のベースフィルム32と同様とすることができる。複数の配線36の形成材料としては、一方の配線板31の複数の配線33と同様とすることができる。複数の配線36は、一方の配線板31の複数の配線33と重なり合うよう、複数の配線33と同一幅かつ同一ピッチに形成されている。また、複数の配線36の平均厚みとしては、一方の配線板31の複数の配線33の平均厚みと同様とすることができる。
(積層工程)
上記積層工程は、一方の配線板31に接着シート1の導電性接着層3を転写する工程(以下、「転写工程」ともいう。)と、接着シート1の転写後に接着シート1の離型フィルム2を剥離する工程(以下、「剥離工程」ともいう。)と、離型フィルム2剥離後の導電性接着層3の外面に他方の配線板34を重ね合わせる工程(以下、「重畳工程」ともいう。)とを有する。
(転写工程)
上記転写工程では、図5Aに示すように、一方の配線板31の複数の配線33にそれぞれ半田ペースト部4が重なり合うように、一方の配線板31に接着シート1を積層する。これにより、複数の配線33の外面にそれぞれ半田ペースト部4が転写される。また、上記転写工程では、半田ペースト部4と共に、各半田ペースト部4の長手方向両端の外側に配設される接着剤部5が複数の配線33の外面に転写される。その結果、一方の配線板31に接着シート1の導電性接着層3が転写される。
上記転写工程で転写された半田ペースト部4の平均幅は、配線33の平均幅よりも小さいことが好ましい。また、上記転写工程で転写された半田ペースト部4の幅方向の両端は配線33の幅方向の両端の内側に配置されることが好ましい。つまり、半田ペースト部4は、平面視で配線33内に包含されることが好ましい。このように、上記転写工程で転写された半田ペースト部4の平均幅が、配線33の平均幅よりも小さいことによって、半田ペースト部4を熱圧着することで得られる半田部を一方の配線板31の配線33及び他方の配線板34の配線36間に保持し易い。
配線33の平均幅と半田ペースト部4の平均幅との差の下限としては、0.02mmが好ましく、0.05mmがより好ましい。一方、上記差の上限としては、0.5mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。上記差を上記範囲内とすることによって、半田ペースト部4を熱圧着することで得られる半田部を一対の配線板の配線間に保持しつつ、これらの配線間の導通性を高め易い。
(剥離工程)
上記剥離工程では、図5Bに示すように、導電性接着層3を一方の配線板31に転写した後に離型フィルム2を剥離する。
(重畳工程)
上記重畳工程では、図5Cに示すように、離型フィルム2剥離後の導電性接着層3の外面に他方の配線板34を重ね合わせる。具体的には、上記重畳工程では、複数の半田ペースト部4の外面に他方の配線板34の複数の配線36を1対1対応で重ね合わせる。また、上記重畳工程では、他方の配線板34の複数の配線36を各半田ペースト部4の長手方向両端の外側に配設される接着剤部5に重ね合わせる。
(熱圧着工程)
上記熱圧着工程では、上記重畳工程後に導電性接着層3が積層された一対の配線板を熱圧着する。上記熱圧着工程によって、複数の半田ペースト部4に含まれる複数の半田合金粒子は溶融した上で固化する。これにより、各半田ペースト部4は、一対の配線間に配設される半田部として形成される。また、これらの半田部は、この熱圧着によって平面方向に多少幅が広がる。
当該電気的接続体の製造方法は、上記熱圧着工程によって、接着剤部5が一対の配線板間の間隙を満たしつつ硬化する。当該電気的接続体の製造方法は、例えば接着剤の粘度を上記範囲に調整することで、熱圧着時に接着剤部5が半田ペースト部4と混じり合うことを抑制することができる。また、当該電気的接続体の製造方法は、上記接着剤の硬化温度が上記半田合金粒子の溶融温度よりも低い場合、上記接着剤は複数の半田合金粒子が溶融する際には一対の配線板間の間隙に充填された状態で硬化している。そのため、当該電気的接続体の製造方法は、硬化後の接着剤部が隣接する半田ペースト部4間の仕切壁として機能すると共に、一対の配線板間のスペーサとしても機能する。これにより、当該電気的接続体の製造方法は、半田ペースト部4の平面方向の広がりを接着剤部5によって塞き止めることができると共に、半田ペースト部4の平面方向への広がり自体も抑制することができる。さらに、当該電気的接続体の製造方法は、複数の半田ペースト部4に含まれる溶剤を揮発させつつ熱圧着することで、半田ペースト部4の体積を収縮しつつ接着剤部5を硬化することができる。そのため、当該電気的接続体の製造方法は、半田ペースト部4の平面方向の広がりを容易かつ確実に抑制しつつ一対の配線板を熱圧着することができる。
上記熱圧着工程における熱圧着温度の下限としては、225℃が好ましく、230℃がより好ましい。一方、上記熱圧着工程における熱圧着温度の上限としては、280℃が好ましく、270℃がより好ましい。上記熱圧着温度が上記下限に満たないと、半田が溶融するおそれがある。逆に、上記熱圧着温度が上記上限を超えると、一対の配線板が劣化するおそれがある。
上記熱圧着工程における圧力の下限としては、0.01MPaGが好ましく、0.05MPaGがより好ましい。一方、上記熱圧着工程における圧力の上限としては、2MPaGが好ましく、1.8MPaGがより好ましい。上記圧力が上記下限に満たないと、一対の配線板間の接着強度が十分に得られないおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、複数の半田ペースト部4が平面方向に広がり易くなるおそれがある。
上記熱圧着工程における熱圧着時間の下限としては、2秒が好ましく、5秒がより好ましい。一方、上記熱圧着工程における熱圧着時間の上限としては、20秒が好ましく、15秒がより好ましい。上記熱圧着時間が上記下限に満たないと、一対の配線板間の接着強度が十分に得られないおそれがある。逆に、上記熱圧着時間が上記上限を超えると、生産性が低下するおそれがある。
当該電気的接続体の製造方法は、半田ペースト部4が固化して形成される半田部によって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続することができる。また、当該電気的接続体の製造方法は、導電性接着層3が熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部5を有するので、硬化後の接着剤部5が半田ペースト部4間の仕切壁及び一対の配線板間のスペーサとして機能する。そのため、当該電気的接続体の製造方法は、半田ペースト部4の平面方向の広がりを接着剤部5によって塞き止めることができると共に、半田ペースト部4の平面方向への広がり自体も抑制することができる。従って、当該電気的接続体の製造方法は、短絡防止性に優れる。
<電気的接続体>
次に、図6〜8を参照して、本発明の一態様に係る電気的接続体41について説明する。当該電気的接続体41は、複数の配線33を有する一方の配線板31及び複数の配線36を有する他方の配線板34と、これら一対の配線板の複数の配線間に配設される複数の半田部44と、一対の配線板間の複数の半田部44以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部45とを備える。当該電気的接続体41は、上述の当該電気的接続体の製造方法によって得られる。つまり、当該電気的接続体41の複数の半田部44は、上述の当該電気的接続体の製造方法における半田ペースト部4が上記熱圧着工程によって固化して形成されたものである。また、当該電気的接続体41の接着剤部45は、上述の当該電気的接続体の製造方法における接着剤部5が一対の配線板間の間隙に充填された状態で硬化して形成されたものである。
複数の半田部44は、上記熱圧着によって形成されている。また、複数の半田部44は、この熱圧着の際に溶剤が揮発している。さらに、複数の半田部44には、複数の半田ペースト部4において存在した複数の半田合金粒子間の空隙が存在していない。そのため、複数の半田部44の平均厚みは、複数の半田ペースト部4の平均厚みよりも小さい。
一対の配線板の対向する複数の配線間における複数の半田部44の平均厚みの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、複数の半田部44の上記平均厚みの上限としては、40μmが好ましく、30μmがより好ましい。複数の半田部44の上記平均厚みが上記下限に満たないと、複数の半田部44が平面方向に広がり易くなるおそれがある。逆に、複数の半田部44の上記平均厚みが上記上限を超えると、対向する複数の配線間の導通性が不十分となるおそれがある。また、複数の半田部44の上記平均厚みが上記上限を超えると、一対の配線板間の間隙が大きくなり、この間隙を接着剤部45で十分に埋めることができないおそれがある。
接着剤部45は、図6に示すように、平面視で複数の半田部44部間に配設されている。詳細には、接着剤部45は、隣接する半田部44の対向面間に亘って介在するよう配設されており、各半田部44の側面との当接部位を有する。また、接着剤部45は、図8に示すように、隣接する半田部44間において一方の配線板31のベースフィルム32及び他方の配線板34のベースフィルム35間に配設されており、各ベースフィルムとの当接部位を有する。
接着剤部45は、図6に示すように、平面視で複数の半田部44の周囲に配設されている。詳細には、接着剤部45は、平面視で複数の半田部44を囲うように配設されている。接着剤部45は、図7に示すように、複数の半田部44の長手方向両端の側面との当接部位を有する。さらに、接着剤部45は、複数の半田部44の長手方向の両端の外側において一対の配線板の対向する複数の配線間に配設されており、対向する複数の配線との当接部位を有する。
接着剤部45は、隣接する配線間の領域X(ベースフィルム32及びベースフィルム35が対向面において露出する領域)に略均一に充填されている。隣接する配線間の領域Xにおける接着剤部45の充填率の下限としては、70%が好ましく、80%がより好ましい。接着剤部45の充填率が上記下限に満たないと、一対の配線板の接着強度が不十分となると共に、接着剤部45による絶縁性向上効果が十分に得られないおそれがある。なお、上記充填率の上限としては、特に限定されるものではなく、例えば100%とすることができる。
当該電気的接続体41は、一対の配線板の配線間に配設される半田部44と、一対の配線板間の半田部44以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部45とを備えるので、熱圧着時における半田ペースト部4の平面方向の広がりを抑制しつつ、この半田ペースト部4の固化によって得られる半田部44によって一対の配線板の互いの配線間を電気的に接続することができる。従って、当該電気的接続体41は、短絡防止性に優れる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該電気的接続体の製造方法は、必ずしも図1の接着シート1を用いて行う必要はなく、図3の接着シート11又は図4の接着シート21を用いて行ってもよい。また、当該電気的接続体の製造方法は、例えば一方の配線板の複数の配線の外面(一方の面)に半田ペースト部を1対1対応で直接塗布し、さらにこの一方の配線板の一方の面のうち複数の半田ペースト部が塗布されていない箇所に熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を直接塗布することで行ってもよい。当該電気的接続体の製造方法は、このように複数の半田ペースト部、及び熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を一方の配線板に直接塗布することによっても、熱圧着時における半田ペースト部の平面方向の広がりを抑制することができる。
また、本発明で用いられる配線板は、必ずしも可撓性を有する必要はなく、リジッドなプリント配線板であってもよい。
上記半田ペースト部は、必ずしも平面視略楕円状に形成される必要はなく、例えば矩形状、円状、多角形状等に形成されてもよい。また、複数の半田ペースト部は、必ずしも略平行に配設される必要はなく、接続対象の配線の配置に応じて適宜設計可能である。
上記離型フィルムの一方の面における上記接着剤部の積層箇所は特に限定されるものではなく、例えば複数の半田ペースト部全体を囲う領域のみに積層されてもよい。また、上記接着剤部が隣接する半田ペースト部の対向面間に介在する場合であっても、必ずしも隣接する半田ペースト部の長手方向の一端から他端に亘って介在する必要はなく、対向面間の一部にのみ介在していてもよい。
以上のように、本発明の接着シート及び電気的接続体の製造方法は、短絡防止性に優れるので一対のプリント配線板を接続するのに適している。また、本発明の電気的接続体は、短絡防止性に優れる一対のプリント配線板の電気的接続体として適している。
1,11,21 接着シート
2 離型フィルム
3,13,23 導電性接着層
4 半田ペースト部
5,15,25 接着剤部
31,34 配線板
32,35 ベースフィルム
33,36 配線
41 電気的接続体
44 半田部
45 接着剤部
X 隣接する配線間の領域

Claims (6)

  1. 離型フィルムと、この離型フィルムの一方の面に積層される導電性接着層とを備え、
    上記導電性接着層が、複数の半田ペースト部と、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部とを有する接着シート。
  2. 上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部間に配設されている請求項1に記載の接着シート。
  3. 上記接着剤部が、上記複数の半田ペースト部の周囲に配設されている請求項2に記載の接着シート。
  4. 上記接着剤の30℃における粘度が30000Pa・s以上300000Pa・s以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の接着シート。
  5. 一対の配線板の一対の配線と、この一対の配線間に配設される半田部とを備える電気的接続体の製造方法であって、
    上記一対の配線板間に導電性接着層を積層する工程と、
    上記導電性接着層が積層された一対の配線板を熱圧着する工程と
    を備え、
    上記導電性接着層が、上記一対の配線間に配設される半田ペースト部及びこの半田ペースト部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部を有する電気的接続体の製造方法。
  6. それぞれ配線を有する一対の配線板と、
    上記一対の配線板の配線間に配設される半田部と、
    上記一対の配線板間の上記半田部以外の箇所に配設され、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤部と
    を備える電気的接続体。
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